説明

電子透かし入り動画像伝送システム及び電子透かし入り動画像伝送方法及び情報処理装置及び通信制御装置及び電子透かし入り動画像処理プログラム及び電子透かし入り動画像処理プログラムを格納した記憶媒体

入力された1種類の動画像データに対して異なる内容の複数の電子透かしをそれぞれ埋め込み、複数の動画像データ系列を作成し、符号化し、付加ID情報に基づき、複数の透かし入り動画像データから、新たな動画像データを生成し、転送又は、ネットワークを介して送信し、受信側において、復号・再生し、再生された画像データを分割して、それぞれ分割領域毎に電子透かし検出を行い、付加ID情報を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電子透かし入り動画像伝送の技術に係り、特に、ディジタル動画像データを蓄積して表示する動画像表示システム、又は、蓄積したディジタル動画像データをネットワークを用いて伝送し、ネットワーク接続された利用者のもとで上映する動画像配信システムにおいて、個別の利用者に動画像データを配信するセッション毎に設定した個別の付加ID情報を動画像データに電子透かしとして隠蔽しながら埋め込む技術に関する。
【背景技術】
ディジタル映像コンテンツをサーバに蓄積しておき、利用者の要求に応じてそのコンテンツをその場で表示したり、一旦ネットワーク配信するビデオ・オン・デマンドシステムを構築する場合、解決すべき問題の一つは、いかにコンテンツの無断使用や流出を防ぐかという点にある。正規の利用者だけがコンテンツにアクセスできるように、サーバにアクセス権を設定する、携帯電話のように利用者の端末が持つ特定のIDを用いて認証を行う、データを暗号化して正規の利用者だけが解読用鍵によって復号できる、等のコンテンツ保護のための手段が併用されている。
著作権保護のために、不正なコンテンツ複製とその再配布を防ぐセキュリティ技術には、認証・暗号化のほかに電子透かし技術がある。電子透かし技術は、音声・音楽・静止画像・映像といったディジタルコンテンツに対して、その品質に影響しないようにID情報を埋め込む技術で、それ自体に暗号化のようなコピーを防ぐ機能はないものの、コピーされたコンテンツが誰のものであるか等の隠れた情報を抽出できるので、不正にコピーされたコンテンツに対して著作権の主張をすることが容易になる(例えば、文献1「松井、“電子透かし技術とその評価項目”、画像電子学会誌、27巻、5号、pp.483−491」参照)。
画像信号の場合、電子透かしを埋め込む方法として、主に2つの方法がある(例えば、文献2「酒澤、“動画像電子透かし”、画像電子学会誌、31巻、3号、2002、pp.421−425」参照)。
1つは、画像データの画素を複数のブロックに分割して輝度を表すビット情報(画素輝度値)に直接透かし情報を埋め込む方法である。これは、人間の視覚特性が、明るい画素の近くにある暗い画素の信号は認識しにくいことや、下位ビットの操作による微少な輝度変化に対して敏感でないことを利用している。このような、画素輝度値を直接操作する方法は処理に必要な計算量が少ないという利点がある。しかし、この方法は、符号化・圧縮や画像の変形等の操作によって、電子透かしとして付加した情報が消失して再現できなくなることが多いという欠点がある。
もう一つの方法は、画像データを一旦、フーリエ変換(FFT)、スペクトル拡散、離散コサイン変換(DCT)等によって周波数成分に変換して、なるべく画質に影響しないように特定の周波数成分に透かし情報を埋め込む方法である。図1は、スペクトル拡散法によって1フレームの画像信号に電子透かしとして付加情報を埋め込む例である。画像サイズと同じ大きさの擬似乱数データ系列を用意して、これを画面の領域で分割する。付加すべき透かし情報のビット列の[0,1]に応じて、各領域の擬似乱数データを1倍あるいは、−1倍して変調した擬似乱数データ系列を作成して、これを原画像信号に付加してできる画像を、透かし入り画像として出力する。
再生する側の装置では、この透かし入り画像と、変調する前の擬似乱数データとの間で、領域ごとに相関係数を計算することで、埋め込まれた透かし情報ビット列が再生できる。
このとき、画像の品質を保つためには、擬似乱数データの振幅はできるだけ小さいことが望ましい。しかし、疑似乱数データの振幅が小さいと、透かし入り画像の加工、圧縮に対して透かし情報が失われやすくなる。したがって、そのトレードオフを勘案する必要がある。また、擬似乱数データ及び、透かし情報の各ビットに対応する領域の分割法は、透かし情報を再生する鍵として、コンテンツ権利者が厳重に保管する必要がある。
この周波数成分への変換を用いた方法では、画像の変形操作等の加工や、符号化・圧縮に対して埋め込んだデータ情報が失われ難いという利点がある。しかし、周波数変換・逆変換の処理が加わることになるので、埋め込みや抽出のための処理に時間がかかる欠点がある。
電子透かしによるID情報の埋め込み技術を用いると、そのコンテンツの帰属は、容易に証明することができるようになるが、そのこと自体に不正コピーを防止する効果はない。ネットワーク配信されたコンテンツ毎に異なるID情報を埋め込むことで、不正コピーされたコンテンツからコピー元が同定できるようにする必要がある。流出ルートがわかり、悪意の個人を同定できる仕組みができれば、不正コピーへの大きな抑止力となる。
一方で、ディジタルシネマのように高画質であることを標榜してコンテンツ容量が膨大である場合、ネットワーク配信する伝送帯域・伝送コストの制約から、映像コンテンツを符号化・圧縮して配信するのが通常である。その場合には、図2のように符号化の前に電子透かしの埋め込みを行う必要がある。
しかしながら、従来の電子透かし埋め込みによる映像コンテンツの表示システムでは、個々の利用者に配信するコンテンツの透かし情報を個別の物にしようとすると、電子透かしを付加する処理をその都度行わなくてはならない。また、ネットワーク伝送を行う場合、符号化・圧縮された動画像データがサーバに蓄積されるので、符号化データを一旦復号し、透かし埋め込み処理を行い、再び符号化する必要がある。これらの処理は、計算量が膨大となり、技術的にもコスト面でも実用的ではない。
ディジタルシネマのような大容量の映像コンテンツをネットワーク配信する場合には、この技術的困難性が顕著となる。そのため、上述のような個別の電子透かし情報付加による不正コピーの抑止効果を得ることができないという問題がある。
【発明の開示】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、ディジタル動画像を蓄積して表示する、又は、蓄積したディジタル動画像データをネットワークを介して伝送する際に、配信された動画像データが不正使用・不正コピーされた場合に、その入手経路を特定することを可能とすることにより、不正コピーの抑止力を得ることを可能とする電子透かし入り動画像伝送に関する技術を提供することを目的とする。
上記の課題は、1種類の動画像データを入力する動画像入力手段と、入力された前記1つの動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手段と、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を復号して表示する再生手段と、を有する動画像再生装置と、前記動画像再生装置で表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて付加ID情報を検出する付加ID情報検出装置と、を有することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送システムにより解決できる。
また、上記の課題は、蓄積されたディジタル動画像データをネットワークを介して伝送する情報処理装置であって、1種類の動画像データを入力する動画像入力手段と、入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手段と、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、を有することを特徴とする情報処理装置によっても解決できる。
前記ID情報付加手段は、前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレームのうちのいずれか1つの画像フレームを順次選択し、順次選択された画像フレームを前記新たな動画像データ系列として出力するように構成できる。
また、前記ID情報付加手段は、前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレーム群のうちのいずれか1つの画像フレーム群を順次選択し、順次選択された画像フレーム群を前記新たな動画像データ系列として出力するように構成してもよい。
また、前記の情報処理装置において、前記複数の動画像データ系列における個々の画像フレームは空間的に分割され、分割された各々の領域に対して分割領域動画像データ系列が生成され、前記ID情報付加手段は、分割された一の領域に対応する複数の分割領域動画像データ系列に対し、前記付加ID情報に基づき、前記複数の分割領域動画像データ系列における複数の分割領域画像フレームのうちのいずれか1つの分割領域画像フレームを順次選択し、他の領域に対応して順次選択された分割領域画像フレームと合成することにより、前記新たな動画像データ系列を出力するように構成してもよい。
また、上記の課題は、ネットワークに接続されたサーバ及び端末を含むシステムにおける通信制御装置であって、サーバ又は他の通信制御装置から複数の透かし情報入り動画像データ系列を受信する手段と、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数をコード化した情報である付加ID情報に基づき、前記受信した複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を、端末又は他の通信制御装置に配信する動画像配信手段と、を有することを特徴とする通信制御装置によっても解決できる。
上記のように、本発明では、1種類の動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ予め付加した電子透かし入り動画像データ系列を作成する。また、配信上の必要に応じて、符号化・圧縮処理も予め行っておく。そして、これら複数の電子透かし入り動画像データ系列の中から、時間方向つまり、画像フレーム毎に規則的に1つを選択して新たな1つの動画像データ系列を合成する。あるいは、各フレームについて画像フレームを領域分割して、その領域毎に動画像データ系列から相当部分のデータを取り出して画像全体を合成する。これらの複数の動画像データ系列から部分選択により1つの動画像データ系列を合成する処理は、ネットワーク上のノード(通信制御装置)で行うことができる。また、電子透かし情報は、予め冗長符号化処理を行って、その結果を元に上述のフレーム・分割領域選択処理を行うこともできる。
これにより、フレーム単位で動画像データを合成した場合には、連続したフレームがそれぞれどの電子透かし情報が付加されたかを示す識別情報を、画面分割の場合には、個々の分割領域毎にどの電子透かしが埋め込まれたのかの情報を、付加的な情報(付加ID情報)として埋め込むことができる。その際、画像をフレーム単位、あるいは、分割領域毎に電子透かしを埋め込んで、符号化・圧縮しておけば、送出時には、データの部分選択とつなぎ合わせただけの処理を行うことで所望の付加情報を追加した動画像データ系列を容易に作成することが可能となる。従って、映画のような大容量コンテンツに対してリアルタイム処理で個別の付加ID情報を付与することができる。
また、配信ネットワーク上に複数の利用者がいる場合でも、分割・合成の処理を配信ネットワークの内部、利用者端末に近いエッジノード(通信制御装置)で行うことで、電子透かしの種類だけの限られた映像ストリームからでも、その組み合わせによって、全てのユーザに別個の付加ID情報を与えることで可能となる。
また、誤り訂正符号を用いて付加ID情報を冗長化すれば、コンテンツの編集により、埋め込んだ電子透かし情報に欠損が生じても訂正して再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、電子透かしの原理(スペクトル拡散方式の場合)を説明するための図である。
図2は、従来の電子透かしを付加した画像データの上映の例である。
図3は、本発明の原理構成図である。
図4は、本発明の原理を説明するための図である。
図5は、本発明の第1の実施の形態における装置構成図である。
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるID情報付加部で生成されるデータ系列を説明するための図である。
図7は、本発明の第1の実施の形態における動作のフローチャートである。
図8は、本発明の第1の実施の形態におけるフレーム単位(時系列)に映像ストリームを分解・合成するID情報付加回路と付加ID情報抽出回路を示す図である。
図9は、本発明の第2の実施の形態におけるシステム構成図である。
図10は、本発明の第2の実施の形態における動作のシーケンスチャートである。
図11は、本発明の第3の実施の形態におけるシステム構成図である。
図12は、本発明の第3の実施の形態における配信ネットワークノードの構成図である。
図13は、本発明の第3の実施の形態における動作のシーケンスチャートである。
図14は、本発明の第1の実施例の5ビット付加ID情報を付加する例である。
図15は、本発明の第3の実施例の分割画面を単位として映像ストリームを分解・合成するID情報付加回路の構成図である。
図16は、本発明の第3の実施例の付加ID情報に応じて画面分割単位で映像ストリームを分解・合成する例である。
図17は、本発明の第4の実施例の同一コンテンツに異なる透かし情報を付加した複数の映像ストリームを用いるビデオ配信システムの例である。
図18は、本発明の第4の実施例の2つの映像ストリームから配信ネットワークノードにおいてストリームの分解・合成を行う例である。
図19は、本発明の第5の実施例の2つの映像ストリームから配信ネットワークノードにおいて3種類のストリームを合成する例である。
図20は、本発明の第6の実施例の付加ID情報に誤り訂正符号を適用する例である。
図21は、本発明の第6の実施例の編集・改ざんされた映像コンテンツから誤り訂正による付加ID情報の検出の例である。
図22は、本発明の第6の実施例のフレームレート変換された映像コンテンツから誤り訂正による付加ID情報の検出の例である。
【発明を実施するための最良の形態】
まず、本実施の形態の概要について図3、4を用いて説明する。
図3は、本発明の電子透かし入り動画像伝送システムの概要構成図である。本発明の電子透かし入り動画像伝送システムは、1種類の動画像データを入力する動画像入力手段21と、入力された1つの動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手段20と、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段30と、ID情報付加手段30で生成された動画像データ系列を復号して表示する再生手段を有する動画像再生装置40と、動画像再生装置40で表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出手段を用いて付加ID情報を検出する付加ID情報検出装置50と、を有する。
また、図4は、本発明の電子透かし入り動画像伝送方法の概要を説明するための図である。ディジタル動画像データを蓄積して表示するための電子透かし入り動画像伝送方法において、1種類の動画像データを入力し(ステップ1)、入力された1つの動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化し(ステップ2)、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成し(ステップ3)、生成された動画像データ系列を復号して表示し(ステップ4)、表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて付加ID情報を検出する(ステップ5)。
以下、図面と共に、本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図5は、本発明の第1の実施の形態の装置構成図である。
同図に示す装置は、動画像DB10、符号化データ生成部20、ID情報付加部30、再生部40及び付加ID抽出部50から構成される。
符号化データ生成部20は、入力部21、2つの透かし付加部22、2つの符号化部23、2つの符号化データ記憶部24から構成される。
入力部21は、動画像DB10から動画像データを読み出し、2つに分割して透かし付加部22A、22Bに出力する。
透かし付加部22は、2つの動画像データに対して、予め用意しておいた2つの電子透かし情報を、それぞれ埋め込む。
符号化部23は、符号化回路で構成される。符号化部23は、透かし付加部22から出力された電子透かしが埋め込まれた動画像データを符号化し、圧縮する。
符号化データ記憶部24は、符号化部23で符号化され、圧縮された動画像データを蓄積する。
ID情報付加部30は、フレーム選択部31、及び付加ID生成部32から構成される。
フレーム選択部31は、セレクタ回路で構成される。フレーム選択部31は、付加ID生成部32から渡された付加ID情報に基づいて、符号化データ生成部20の符号化データ記憶部24A、24Bから出力されたいずれかの画像データを選択することで付加ID情報を付与して、1つの動画像データ系列を再合成する。
付加ID生成部32は、動画像データを識別するために動画像識別情報(コンテンツ情報)、日時(日付時間)情報、利用者情報、等を付加ID情報としてコード化し、そのID情報をフレーム選択部31に渡す。
再生部40は、画像復号部41を有する。画像復号部41は、ID情報付加部30から渡された、前記の付加ID情報が付加された動画像データ系列を直接復号して、表示部(モニタ、プロジェクタ等)に表示する。
付加ID抽出部50は、電子透かし検出部51と、付加ID判定部52から構成される。
電子透かし検出部51は、表示された画像データから、既存の電子透かし検出回路を用いて、電子透かしを検出する。
付加ID判定部52は、検出された電子透かし情報の組み合わせの系列から、付加ID情報を取り出す。ここで取り出される付加ID情報は、動画像識別情報、日時情報、利用者情報等である。
次に、上記のID情報付加部30で生成されるデータ系列について説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるID情報付加部で生成されるデータ系列を説明するための図である。
フレーム選択部31において、電子透かしAが埋め込まれ、符号化された透かしA入りストリーム(ストリームA)と、電子透かしBが埋め込まれ、符号化された透かしB入りストリーム(ストリームB)が入力される。入力される電子透かし入りストリームA、Bは、それぞれ各フレーム単位で分離できるように、フレーム長、フレーム番号、フレーム先頭マーカからなるマーカをフレーム毎に有し、これらのフレームの集合であるストリームの先頭にストリーム先頭マーカが付されている。フレーム選択部31は、付加ID情報に基づいて、前記ストリームA,B中のフレーム番号がそれぞれ同じ部分について、どちらか一方を選択してつなぎ合わせ、1つのストリーム(データ系列)として合成して出力する。
図7は、本発明の第1の実施の形態における動作のフローチャートである。
ステップ101) 付加ID生成部32において、予め付加ID情報を生成しておく。
ステップ102) 入力部21において、動画像DB10から動画像データを読み込み、2つの動画像データに分割し、それぞれ透かし付加部22A、22Bに出力する。
ステップ103) 透かし付加部22A、22Bでは、それぞれ、異なる電子透かし情報を動画像データに埋め込み、符号化部23A、23Bに出力する。
ステップ104) 符号化部23A,23Bでは、電子透かしが埋め込まれた動画像データに対して符号化・圧縮処理を行う。
ステップ105) 符号化・圧縮処理された動画像データを、それぞれ、符号化データ記憶部24A,24Bに書き込む。
ステップ106) フレーム選択部31において、付加ID情報に基づいて、2つの符号化データ記憶部24A,24Bから符号化動画像データを取捨選択して、1つの動画像データ系列を再合成する。
ステップ107) 画像復号部41において、前記合成された動画像データ(系列)を復号し、表示部42に表示する。
ステップ108) 表示部42に表示された画像データから既存の電子透かし検出回路を用いて、電子透かしを抽出し、当該電子透かしから付加ID情報を取り出す。
本実施の形態における構成は、複数のデータ符号化、付加IDの付加、及び動画像データの復号が1つの装置内において行われる場合である。つまり、ネットワークを介在させずに、ローカルに閉じた動画像システムとなる。このシステムでは、動画像データのディジタルコピーではなく、プロジェクトやモニタ等で表示された動画像データを、第三者がカメラで撮影して、不正に動画を録画するような行為を想定したものである。
次に、ID情報付加部(回路)30における処理をより詳細に説明する。
以下の説明の前提として、付加ID情報のフォーマット(情報の順序、サイズ等)、電子透かしの種類(数)、付加ID情報のビット列(電子透かしが異なる動画像データの組み合わせ方)は、システム一意として予め定めておくものとする。
図8は、本発明の第1の実施の形態におけるフレーム単位(時系列)に映像ストリームを分解・合成するID情報付加回路と付加ID情報抽出回路を示す。同図の例では、前述のID情報付加部30における、フレーム選択部31をセレクタ311、2つのフレーム区切り検出回路322A,322B及び2つのバッファ323A、323Bとし、前述の付加ID生成部32を付加ID情報繰り返し送出回路321とする。
図8では、フレーム選択部31において、2つの電子透かし情報がそれぞれ埋め込まれ、符号化された動画像データが、それぞれのバッファ323A,323Bに蓄積される。蓄積された動画像データの2つのストリームの時間進行の同期を取りながら、フレーム区切り検出回路322A,322Bによって、それぞれのストリームをフレーム単位のデータに分割して、セレクタ311に送出する。
セレクタ311では、付加ID情報繰り返し送出回路321から各フレーム周期に応じて1ビットずつ送出される付加ID情報に応じて、一方のフレームのデータを選択して出力する。
この動画像データ系列(映像データ)を直接配信された付加ID情報抽出回路では、画像復号回路41で復号して画像信号を再生した後、電子透かし検出回路(電子透かし検出部)51で透かし情報を取り出せば、2種類の電子透かしの配列によって、付加ID情報を得ることができる。なお、図8の付加ID情報抽出回路は、図5の再生部40と付加ID抽出部50に相当する。
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態におけるシステム構成図である。
同図に示すシステムは、画像サーバ100、端末200、付加ID抽出装置300及び、画像サーバ100と端末200を接続するネットワーク400から構成される。
なお、説明を簡潔にするために、1つの画像サーバ100と、1つの端末200のみを記載しているが、複数の画像サーバ、複数の端末200から構成されてもよい。
画像サーバ100は、動画像DB110、符号化データ生成部120、ID情報付加部130、通信部101から構成される。このうち、動画像DB110、符号化データ生成部120、ID情報付加部130は、前述の第1の実施の形態における動画像DB10、符号化データ生成部20、ID情報付加部30と同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
端末200は、ネットワーク送信部244、画像復号部241、ネットワーク受信部243及び、表示部242から構成される。画像復号部241と、表示部242は、前述の第1の実施の形態における画像復号部41、表示部42と同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
ネットワーク送信部244は、画像サーバ200に対して動画像データの要求を発行する。
ネットワーク受信部243は、ネットワーク400を介して、画像サーバ100から、電子透かしが埋め込まれ、符号化され、付加ID情報が付加された動画像データを受信する。
付加ID抽出装置300の付加ID検出部350は、前述の第1の実施の形態における付加ID抽出部50と同様の機能を有するため、詳細な説明は省略する。
図10は、本発明の第2の実施の形態における動作のシーケンスチャートである。
ステップ201) 端末200から画像サーバ100に対して、ネットワーク送信部244から動画像データの要求が発行される。
ステップ202) 画像サーバ100は、通信部101において、端末200からの要求を受信すると、動画像DB110から動画像データを読み出して、符号化データ生成部120において、電子透かしを動画像データに埋め込む。
ステップ203) 符号化データ生成部120において、さらに、電子透かしが埋め込まれた動画像データに対して、符号化・圧縮処理を行い、蓄積する。
ステップ204) ID情報付加部130において、蓄積されている動画像データを付加ID情報に基づいて取捨選択し、付加ID情報を付加して、再合成し、1つの動画像データ系列を生成する。当該処理は、前述の第1の実施の形態の図6、図8で説明した動作と同様である。
ステップ205) 通信部101から、再合成された動画像データ(系列)をネットワーク400を介して要求元の端末200に送信する。
ステップ206) 端末200は、ネットワーク受信部243において、画像サーバ100から配信された動画像データ(系列)を受信し、画像復号部241で復号する。
ステップ207) 復号された動画像データを表示部242に表示する。
ステップ208) 表示部242に表示された画像データを、付加ID抽出装置300に入力する。
ステップ209) 付加ID抽出装置300の付加ID検出部350では、画像データから電子透かしを検出する。
ステップ210) 検出された電子透かしから、その透かし情報の組み合わせの系列から付加ID情報を取り出す。
[第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態におけるシステム構成図である。
同図に示すシステムは、画像サーバ100、端末200、配信ネットワークノード500及び、付加ID抽出装置300及び、画像サーバ100、端末200、配信ネットワークノード500を接続するネットワーク400から構成される。
なお、説明を簡潔にするために、1つの画像サーバ100と、1つの端末200、及び1つの配信ネットワークノード500のみを記載しているが、複数の画像サーバ、複数の端末200及び複数の配信ネットワークノード500から構成されてもよい。なお、複数の画像サーバ、複数の配信ネットワークノード、複数の端末を有するネットワーク構成を図17に示しており、その場合の詳細な動作は、図17に関する説明において後述することとする。
本実施の形態におけるシステム構成は、前述の第2の実施の形態における、画像サーバ100のID情報付加部130を配信ネットワークノード500に設けた構成である。
配信ネットワークノード500は、ID情報付加部530と通信部510を有する。
図12は、本発明の第3の実施の形態における配信ネットワークノードの構成図である。同図に示す配信ネットワークノード500は、相互接続ノードへのインタフェース501、データ送信部502、ルータ・スイッチ503、ストリーム分離部504、2つのバッファ323A,B、2つのフレーム区切り検出回路322A,B、セレクタ311、切替タイミング信号出力部301から構成される。なお、図12では、付加ID情報をネットワーク400を介して、画像サーバ、端末、他のノード等から受信する場合を示しているが、配信ネットワークノードに保持している付加ID情報を付加することもできる。
相互接続ノード(他の配信ネットワークノード等)へのインタフェース501は、複数のデータ受信部から構成される。透かし情報A,Bを組み込んだ符号化動画像ストリーム及び、付加ID情報は、相互に接続した相互接続ノードへのインタフェース501のいずれかのデータ受信部から受信される。データを分離・配送するためのルータ・スイッチ503が、動画像を配信する相手先の端末、配信ネットワークノード毎にデータを分離する。受信したデータは、2つの動画像ストリームと付加ID情報に分離されており、この付加ID情報に応じて2つのストリームを、前述の図8と同様に、セレクタ311で取捨選択・合成して、付加ID情報に対応した動画像ストリームをデータ送信部502から配信先の各端末200等に送信する。なお、セレクタからの出力を、ルータ・スイッチ部を経由させ、データの送信先に応じたデータ送信部からデータが出力されるように構成することもできる。
図13は、本発明の第3の実施の形態における動作のシーケンスチャートである。
ステップ301) 端末200から配信ネットワークノード500を介して画像サーバ100に対して動画像データの要求を発行する。
ステップ302) 画像サーバ100は、通信部101において、端末200からの要求を受信すると、動画像DB110から動画像データを読み出して、符号化データ生成部120において、電子透かしを動画像データに埋め込む。
ステップ303) 符号化データ生成部120において、さらに、電子透かしが埋め込まれた動画像データに対して、符号化・圧縮処理を行い、蓄積する。
ステップ304) 通信部101から蓄積された動画像データを配信ネットワークノード500に送信する。
ステップ305) 配信ネットワークノード500の通信部510において、画像サーバ100から送信された、異なる電子透かしが埋め込まれ、符号化・圧縮処理が施された複数の動画像データを受信し、ID情報付加部530において、受信した複数の動画像データを、付加ID情報に基づく取捨選択によって、付加ID情報を付加して再合成し、1つの動画像データ系列を生成する。
ステップ306) 再合成された動画像データ(系列)をネットワーク400を介して要求元の端末200に送信する。
ステップ307) 端末200は、ネットワーク受信部243において、画像サーバ100から配信された動画像データ(系列)を受信し、画像復号部241で復号する。
ステップ308) 復号された動画像データを表示部242に表示する。
ステップ309) 表示部242に表示された画像データを、付加ID抽出装置300に入力する。
ステップ310) 付加ID抽出装置300の付加ID検出部350では、入力された画像データから電子透かしを検出する。
ステップ311) 検出された電子透かしの組み合わせの系列から付加ID情報を取り出す。
【実施例】
以下、図面と共に、本発明の実施例を説明する。
[第1の実施例]
本実施例では、付加ID情報を、電子透かしが埋め込まれ、符号化された動画像データに埋め込む具体的な例を説明する。
図14は、本発明の第1の実施例の5ビットのID情報を付加する例を示す。
同図は、付加ID情報に応じてフレーム単位(時系列)で映像ストリーム分解・合成する例であり、付加ID情報の各ビットが取り出すべき電子透かしの種類を表す。
同図は、2種類の電子透かし“A”と“B”を付加した1つの映像コンテンツの2系統の動画像データ(映像ストリーム)と、付加ID情報“01010”から、セレクタ311により、5フレームの連続する動画像が、“A”を付加した映像の第1フレーム、“B”を付加した映像の第2フレーム、“A”を付加した第3フレーム、“B”を付加した映像の第4フレーム、“A”を付加した第5フレーム、からなる付加ID情報入り動画像データが構成される例を示している。
受信側では、この連続フレームから“ABABA”を検出し、付加ID情報“01010”を知ることができる。ここでは、電子透かしが2種類の場合を示しているが、一般化すると、2種類の場合、付加ID情報のnビットを単位として電子透かしの種類を示すようにすればよい。
一般に、電子透かしをどのように加えたか、またどのようにすれば検出できるかは、コンテンツの権利者側が持つ秘密情報である。前述の従来の技術の図1のスペクトル拡散を用いた例では、分割した画面上の透かし情報ビットの挿入位置と擬似乱数データが秘密データに当たる。これは、コンテンツの利用者が知り得る情報ではなく、コンテンツが不正コピー・流用された時に、流出したコンテンツに対して権利者側で透かし検出を行い、さらに、付加ID情報を得るための構成方法である。
付加ID情報としては、タイトル、著作権情報といった映像コンテンツ自体に関する静的な情報に加えて、ID情報付加部30を含む装置の番号、各コンテンツ配信のセッション毎の、配信先ユーザ名、配信日時、ネットワーク上の配信経路等がある。配信されたコンテンツに一意の情報を付加することによって、不正なユーザを同定できるようにする。なお、付加ID情報をコード化する場合には、暗号化を伴うことも可能である(この場合、付加IDを抽出する側では、付加IDデコードの際に、暗号の復号化も伴う)。
[第2の実施例]
次に、本実施例では、付加ID情報を付加する場合に、異なる電子透かし情報を持った画像データ系列群から、付加ID情報に応じて、連続するフレーム群を単位として、その1つを選択して合成した映像コンテンツを配信する場合について説明する。
MPEGに代表されるフレーム間差分を情報圧縮に用いる符号化では、符号化済み映像ストリームから個々のフレームのデータを分解することはできない。しかし、このような符号化でも、GOP(Group of Pictures)と呼ばれる数〜数十フレーム単位で独立した符号化処理を行っているので、各フレーム毎に透かし情報を変える代わりに、このGOP単位で透かし情報を持つコンテンツを付加ID情報に応じて選択し、1つのストリームを合成することができる。
[第3の実施例]
次に、本実施例では、個々の画像フレームを空間的に分割しておき、異なる電子透かし情報を持った画像データ系列から、付加ID情報に応じて、分割された画面領域を単位として、その一つを選択し、選択された複数の分割画面領域を合成し、映像コンテンツを再生する場合について説明する。
画面分割を利用して付加ID情報を加える場合、1つの種類の透かし情報当たり、画面分割数と同じ数のコネクションを、動画像サーバと配信ネットワークノードの間で確立する。すなわち、分割数がnで、透かし情報がAとBの2種類である場合には、2n本のコネクションを確立する。そして、一つのコネクションにつき、一つの分割画面のフレーム区切り記号入り映像ストリームを、動画像サーバから配信ネットワークノードに送信し、付加ID情報の0、1に応じて、分割画面単位で、電子透かしA入り映像フレームと、電子透かしB入り映像フレームのいずれかを選択する。そして、選択された分割画面を合成し、利用者ビデオ端末に送信するデータとする。
分割画面単位による選択と、フレーム単位による選択は、例えば、日時情報は分割画面単位の選択として埋め込み、その他の情報はフレーム単位で埋め込む等の併用が可能である。各フレームの表す符号は、例えば、分割画面のひとつをパリティビットとして、全分割画面中の“1”を表す分割画面の数が偶数なら“0”、奇数なら“1”とする。
図15は、本発明の第3の実施例の、分割画面を単位として映像ストリームを分解合成するID情報付加回路の構成図である。同図では、動画像の各フレームを領域分割した領域毎に電子透かし情報を与える方法を示している。同図に示す例では、まず、画面を左右か上下の2つに分割する。そして、合計4つのバッファ323A、323B、323C、323Dと、4つのフレーム区切り検出回路322A、322B、322C、322Dを用いて、それぞれの領域について2種類の異なる付加ID情報を付加する。例えば、画面を上下に分割する場合、バッファ323A、323B、フレーム区切り検出回路322A、322Bの側を上側の画面領域に対応させ、バッファ323C、323D、フレーム区切り検出回路322C、322Dの側を下側の画面領域に対応させることができる。
図15の例では、付加ID情報として、1フレーム周期毎に2ビットが利用できる。分割された2つの領域のそれぞれについて、透かしA、B入り映像コンテンツ(ストリーム)のうちのどちらを選択するかをセレクタ311A、311Bで決定する。それぞれの領域で選択された分割画面の要素はフレーム合成回路324で一つにまとめられ、出力される。なお、この例の前提として、各領域が電子透かし情報を含んでいるものとする。すなわち、例えば、透かし情報Aと透かし情報Bを用いる場合、動画像サーバにおいて、画面の領域分割を行い、各々の領域の動画像から、透かしA入りの動画像と透かしB入りの動画像を生成し、各々を符号化する。
図16は、本発明の第3の実施例の付加ID情報に応じて画面分割単位で映像ストリームを分解合成する例を示す図である。同図の例では、画面を16分割し、2種類の電子透かし情報を含んだ映像コンテンツ(ストリーム)から、フレームを分割領域毎に選択・合成した場合を示している。この場合は、1フレームにつき、16ビットの情報が付加ID情報として利用できる。この付加ID情報を検出するためには、受信した画像の各フレームを16分割して、それぞれの分割領域毎にどの透かし情報が含まれているか電子透かし検出回路によって検出すればよい。
上述した画面分割を用いた方法では、分割数を大きくすればするほど、1つのフレームに付加できるID情報量は大きくなるが、その分、1つの分割画面あたりの画素数が少なくなるので、電子透かし情報の検出精度が下がる。分割数に上限がある場合は、時間方向のフレーム間に付加ID情報を展開する方法を併用する。
上述のような、1つの映像コンテンツに対して、異なる電子透かしを与えた複数の映像ストリームを付加ID情報によって分解・合成する手段は、前述の第2の実施の形態で示した、映像コンテンツを送信する画像サーバ100において行うことがまず考えられる。さらに、この手段を、前述の第3の実施の形態で示した、ネットワーク配信システム上の利用者端末200に最も近い、エッジの配信ネットワークノード500で行うことも可能である。
[第4の実施例]
本実施例では、前述の第3の実施の形態のシステムを、異なる透かし情報を同一の映像コンテンツの複数の映像ストリームで用いるビデオ配信に適用した場合について説明する。
図17は、本発明の第4の実施例のビデオ配信システムの例を示す図である。同図に示すように、画像サーバであるビデオサーバ100と、利用者端末200の間にいくつもの配信ネットワークノード500があり、コンテンツ利用者・利用者(ビデオ)端末は、それぞれ特定の配信ネットワークノード500に接続された形態になっている。
図18は、本発明の第4の実施例の2つの映像ストリームから配信ネットワークノードにおいてストリームの分解・合成を行う例を示す図である。
各利用者向けの映像ストリームをビデオサーバ100で合成して個別にネットワーク400上で配信する代わりに、図18に示すように、異なる電子透かし情報を持った2系統以上の映像ストリームを、配信ネットワークノード500において、利用者毎の付加ID情報に応じて分解、合成する。これにより、全体に分配される映像ストリーム容量は、利用者の数に関わりなく、限られた数になるので、必要とするネットワークの伝送容量を大幅に削減することができる。
第4の実施例で用いられる配信ネットワークノード500についてより詳細に説明する。第4の実施例で用いられる配信ネットワークノードは、図12に示す構成を含むものである。図12の構成に示すように、配信ネットワークノード500は、電子透かしAを含むストリーム、電子透かしBを含むストリーム、付加ID情報を、他のノードから受信する。付加ID情報は、配信ネットワークノード内の図示しないID情報付加部が生成するようにしてもよい。また、図12に示す例では、複数種類の付加ID情報を受信している。
付加ID情報は、動画像識別情報、日時情報、利用者情報等であり、より詳細には以下の通りである。
動画像識別情報は、画像サーバ(ビデオサーバ)、図示しない画像データ管理サーバ等から配信ネットワークノード500に送信される情報であり、例えば、動画像コンテンツに固有のコンテンツID、著作権ID、画像サーバ固有のID(例えばIPアドレス、MACアドレス等)等である。
また、日時情報は、例えば、ネットワーク上の時刻サーバから時刻情報プロトコル(NTP,Network Time Protocol,RFC−1305)等を用いて送信されるものである。付加する日時情報は、日時情報を付加ID情報として付加するタイミングで、配信ネットワークノードが時刻サーバから取得した日時である。これにより、映像ストリームが当該配信ネットワークノードを経由する日時を記録することができる。
利用者情報は、利用者ビデオ端末、図示しない利用者管理サーバ等から送信されるものであり、利用者ビデオ端末固有のID(例えばIPアドレス、MACアドレス情報)等の情報である。
更に、配信ネットワークノードは、自身の識別情報を付加ID情報として用いることができる。自身の識別情報は、例えば、配信ネットワークノード固有のID(例えばIPアドレス、MACアドレス情報)である。
上記の画像サーバ固有のID、利用者ビデオ端末固有のIDとして、各々のIPアドレスを用いる場合、IPパケットのヘッダ部から発信元(ソース)アドレス、宛先(デスティネーション)アドレスを取得し、それらを付加ID情報として用いことができる。また、MACアドレスを用いる場合、イーサネットのヘッダ部から発信元MACアドレス、宛先MACアドレスを取得し、付加ID情報として用いることができる。
なお、動画像識別情報のうちの動画像コンテンツに固有のコンテンツID、著作権IDは、電子透かしA、Bのいずれか又は両方に埋め込んでおいてもよい。その場合、配信ネットワークノードでは、新たにコンテンツIDや著作権IDを付加しなくてもよい。
前述したとおり、利用者ビデオ端末に最も近いエッジの配信ネットワークノードで、画像サーバから送信される電子透かしA、Bが付加された、図6に示したような符号化映像データ系列(映像ストリーム)を、図12に示すバッファ部323A及び323Bに一時蓄積し、必要であれば正しい順番にデータを並び替える。そして、フレーム区切り検出回路322A、322Bが、各映像ストリームのフレーム先頭マーカ(フレーム区切り記号)を検出し、各映像ストリームをフレーム単位で分割する。そして、付加ID情報(0、1の2値情報)に応じて切替タイミング信号出力部301が出力する切替タイミンダ信号に従って、セレクタ311が、2つの映像ストリームのうちのいずれかをフレーム単位で選択し、他の配信ネットワークノード又は利用者ビデオ端末に送信する映像ストリームとする。
また、付加ID情報の前後に区切り記号(デリミタ)として、ある決まったパターン(例えば“0”8個の連続)を挿入しながら、一定間隔で付加情報を繰り返し送出するようにする。付加ID検出装置でこのデリミタを検出することで、繰り返し付加ID情報を再生できる。
さて、図17に示すネットワーク構成のように、画像サーバから利用者ビデオ端末まで、複数の配信ネットワークノードを介して映像ストリームを配信する場合、途中の各配信ネットワークノードにおいて異なる付加ID情報を付加することができる。
例えば、最も画像サーバに近いエッジの配信ネットワークノードにおいて動画像サーバ固有のID及びノード自身のID、及び当該ノードを経由する際の日時情報を付加する。そして、途中の配信ネットワークノードでは、その配信ネットワークノード自身のID及びその配信ネットワークノードを映像ストリームが経由する際の日時情報を付加する。更に、利用者ビデオ端末に最も近いエッジの配信ネットワークノードでは、その配信ネットワークノード自身のID及び当該配信ネットワークノードを経由する際の日時情報、及び利用者ビデオ端末固有のIDを付加する。
上記の構成において、各配信ネットワークノードは、付加ID情報及びデリミタが加えられた映像ストリームに加えて、電子透かしAの映像ストリーム及び電子透かしBの映像ストリームを受信する。
そして、利用者ビデオ端末に最も近いエッジの配信ネットワークノードでは、各付加ID情報及びデリミタが加えられた映像ストリームに続けて、次の付加ID情報の繰り返し送信が開始するまでの間は、例えば“1”に相当する電子透かしBの映像ストリームを連続して利用者ビデオ端末に配信する。
利用者ビデオ端末に最も近いエッジの配信ネットワークノード以外の配信ネットワークノードは次のように動作する。各付加ID情報及びデリミタを加えた映像ストリームを送信する間は、その映像ストリームのみを次の配信ネットワークノードに配信する。次の各付加ID情報の繰り返し送信が開始するまでの間では、電子透かしAの映像ストリーム及び電子透かしBの映像ストリーム両方をそのまま配信する。このように配信することにより、次の配信ネットワークノードでは、電子透かしAの映像ストリーム及び電子透かしBの映像ストリームの両方が残っている間を利用することにより、更なる付加ID情報を追加できる。
従って、デリミタを介して連続する複数の付加ID情報を繰り返し送信する送信間隔は、最終的に付加される付加ID情報の長さを考慮して決定する。また、このように途中の配信ネットワークノードで異なる付加情報を追加していく場合は、利用者の数に応じて、必要となるネットワークの伝送容量が変わる。
[第5の実施例]
本実施例では、2つの映像ストリームから配信ネットワークノード500において、3種類のストリームを合成する場合について説明する。
図19は、本発明の第5の実施例を示す図である。同図は、同一の原動画像データ10に対して、透かし付加符号化回路120によって2種類の電子透かし(A、B)をそれぞれ付加した動画像データ系列をネットワーク400上に配置した2つの画像サーバ100A、100Bに蓄積した例を示す。
サーバ100A、100Bは、ネットワーク送信回路101A、101Bを通じで、ネットワーク400上の3つのID情報付加回路530を持つ配信ネットワークノード500に2系列の動画像データを送信する。各配信ネットワークノード500では、動画像データを受信し、上映するサイト(端末)に応じて付加ID情報を生成して、これに応じて2系列を取捨選択して1つの系列を再合成する。
合成された動画像データ系列は、端末200のネットワーク受信回路243で受信され、画像復号回路241において復号され、表示再生される。このとき、ノード数や配信する受信サイト(端末)の数が増加しても、ID情報のバリエーションの違いで識別するので、ネットワーク400上を通過する大容量の動画像データ系列の種類は2つでよい。
[第6の実施例]
悪意の利用者が配信された映像コンテンツの改ざんを行う手段として、2つ以上の映像ストリームを受信して、それを編集して1つの映像ストリームを再構築することが考えられる。本実施例では、このような攻撃への対処について説明する。
図20は、本発明の第6の実施例の付加ID情報に誤り訂正符号を適用する例を示し、図21は、本発明の第6の実施例の編集・改ざんされた映像コンテンツから誤り訂正による付加ID情報の検出の例を示し、図22は、本発明の第6の実施例のフレームレート変換された映像コンテンツから誤り訂正による付加ID情報の検出の例を示す。
悪意の利用者の攻撃に対処するために、図20に示すように、誤り訂正符号化回路325を用いて予め付加ID情報に冗長性を持たせる手段をとることができる。
図21に示す例のように、2つの付加ID情報を含んだ同一コンテンツを受信し、編集によりつぎはぎ状態のストリームを再構成された場合は、その映像ストリームの電子透かし検出結果は、細切れ状態になるが、予め冗長性を持たせておけば、これから本来の付加ID情報を再生することができる。
また、冗長符号化を用いれば、フレームレート変換を受けた映像からも、付加ID情報を再生することができる。例えば、図22のように、24フレーム毎秒の映画をテレビ用の30フレーム毎秒に、2:3プルダウン変換した場合、30フレーム映像の5枚のうち1枚は前のフレームと重複した画像フレームとなる。この重複部分が周期的に現れるか否かは、フレームレート変換法に依存するため、必ず一定とは限らない。種々の方法でフレームレート変換を受けた映像コンテンツから、電子透かし情報を検出して、元の24フレーム毎秒での電子透かし情報の系列を得ようとする場合、任意の間引き方法を用いて途中の透かし情報の欠けた系列になったとしても、誤り訂正符号により復元することができる。
また、本発明において、図5に示す装置構成をプログラムとして構築することが可能である。その場合、符号化データ生成部20における符号化データ記憶部24をハードディスク等の記憶媒体を利用するものとする。更に、構築されたプログラムを電子透かし入り動画像処理装置として利用されるコンピュータにインストールし、CPU等の制御手段に実行させることが可能である。またネットワークを介して流通させることも可能である。
また、図9に示す画像サーバ及び、端末、付加ID抽出装置の装置構成をプログラムとして構築することも可能である。さらに、構築されたプログラムを画像サーバ、端末、付加ID抽出装置として利用されるコンピュータにインストールし、CPU等の制御手段に実行させることも可能である。また、ネットワークを介して流通させることも可能である。
同様に、図11に示す画像サーバ、端末、配信ネットワークノード、付加ID抽出装置の装置構成をプログラムとして構築することも可能である。また、構築されたプログラムを画像サーバ、端末、配信ネットワークノード、付加ID抽出装置として利用されるコンピュータにインストールし、CPU等の制御手段に実行させることも可能である。また、ネットワークを介して流通させることも可能である。
また、構築されたプログラムを、画像サーバ、端末、配信ネットワークノード、付加ID抽出装置として利用されるコンピュータに接続されるハードディスク装置や、フレキシブルディスク、CD−ROM等の可搬記憶媒体に格納しておき、本発明を実施する際に、これらの記憶媒体から読み出して、CPU等で実行させることも可能である。
上述のように、本発明によれば、各利用者の要求毎に別のIDもしくはセキュリティ情報、又はその両方を電子透かしとして付加した動画像データ系列を配信することができるようになる。これにより、悪意によってコピーされたコンピュータが第三者に渡った場合、誰にいつ配信されたものかを同定することができるので、不正コピーに対する大きな抑止力となる。
特に、図17に示した構成の各配信ネットワークノードにおいて、その識別情報、付加ID情報を付加した日時を付加ID情報として映像ストリームに付加することにより、その映像ストリームが経由した経路を知ることができ、不正コピーに対する抑止として更なる効果を奏する。
また、予めテキスト情報を電子透かしとして付加する処理を行っておくことができるため、配信時には、電子透かしを付与する負荷の大きなリアルタイム処理が不要である。
また、計算量が大きくてリアルタイム処理に適さない方法でも用いることができるので、加工や圧縮に対する耐性の強い電子透かしの付与方法を採用することができる。個々のフレームからは完全な付加ID情報が取り出せない可能性もあるが、映像コンテンツとして意味をなすだけの時間長の映像があれば付加ID情報を検出できる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類の動画像データを入力する動画像入力手段と、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手段と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を復号して表示する再生手段と、を有する動画像再生装置と、
前記動画像再生装置で表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて付加ID情報を検出する付加ID情報検出装置と、を有することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項2】
1種類の動画像データを入力する動画像入力手段と、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手段と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列をネットワークに配信する動画像配信手段と、を有する少なくとも1つの画像サーバと、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を復号して表示する再生手段を有する少なくとも1つの端末と、
前記端末で表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて前記付加ID情報を検出する付加ID情報検出装置と、を有することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項3】
1種類の動画像データを入力する動画像入力手段と、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化し、ネットワークに送出する透かし入りデータ生成手段を、有する少なくとも1つの画像サーバと、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列をネットワークに配信する動画像配信手段と、を有する少なくとも1つの配信ネットワークノードと、
前記ネットワークを介して受信した前記動画像データ系列を復号して表示する再生手段を、有する少なくとも1つの端末と、
前記端末で表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて前記付加ID情報を検出する付加ID情報検出装置と、を有することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項4】
前記ID情報付加手段は、
前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレームのうちのいずれか1つの画像フレームを順次選択し、順次選択された画像フレームを前記新たな動画像データ系列として出力する請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項5】
前記ID情報付加手段は、
前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレーム群のうちのいずれか1つの画像フレーム群を順次選択し、順次選択された画像フレーム群を前記新たな動画像データ系列として出力する請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項6】
前記複数の動画像データ系列における個々の画像フレームは空間的に分割され、分割された各々の領域に対して分割領域動画像データ系列が生成され、前記ID情報付加手段は、
分割された一の領域に対応する複数の分割領域動画像データ系列に対し、前記付加ID情報に基づき、前記複数の分割領域動画像データ系列における複数の分割領域画像フレームのうちのいずれか1つの分割領域画像フレームを順次選択し、他の領域に対応して順次選択された分割領域画像フレームと合成することにより、前記新たな動画像データ系列を出力する請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項7】
前記付加ID情報に対して、予め冗長符号化を行う手段を更に有する請求項4乃至6のいずれか1項記載の電子透かし入り動画像伝送システム。
【請求項8】
ディジタル動画データを蓄積して表示するための電子透かし入り動画像伝送方法において、
1種類の動画像データを入力し、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化し、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成し、
生成された前記動画像データ系列を復号して表示し、
表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて付加ID情報を検出することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送方法。
【請求項9】
蓄積されたディジタル動画像データを、ネットワークを介して伝送し、該ネットワークに接続された端末において再生する電子透かし入り動画像伝送方法において、
前記ネットワークに接続された画像サーバにおいて、
1種類の動画像データを入力し、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化し、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちの1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成し、
生成された前記動画像データ系列をネットワークに配信し、
前記端末において、
前記画像サーバから前記ネットワークを介して配信された、前記動画像データ系列を復号して表示し、
前記端末に接続される付加ID情報検出装置において、
前記端末で表示された動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて付加ID情報を検出することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送方法。
【請求項10】
蓄積されたディジタル動画像データを、ネットワークを介して伝送し、該ネットワークに接続された端末において再生する電子透かし入り動画像伝送方法において、
前記ネットワークに接続された画像サーバにおいて、
1種類の動画像データを入力し、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化し、ネットワークに配信し、
前記ネットワーク上の少なくとも1つの配信ネットワークノードにおいて、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成し、
生成された前記動画像データ系列を、前記ネットワークを介して前記端末に配信し、
前記端末において、前記ネットワークを介して受信した前記動画像データ系列を復号して表示し、
前記端末に接続される付加ID情報検出装置において、
前記端末で表示された前記動画像データ系列を分割してそれぞれの分割領域毎に電子透かし検出回路を用いて付加ID情報を検出することを特徴とする電子透かし入り動画像伝送方法。
【請求項11】
ディジタル動画データを蓄積して表示するための情報処理装置であって、
同一の映像コンテンツに対して異なる識別情報を電子透かしとして付加された複数の動画像データ系列から、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報をコード化した付加ID情報に基づき、新たな動画像データを生成するID情報付加手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
蓄積されたディジタル動画像データをネットワークを介して伝送する情報処理装置であって、
1種類の動画像データを入力する動画像入力手段と、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手段と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
前記ID情報付加手段は、
前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレームのうちのいずれか1つの画像フレームを順次選択し、順次選択された画像フレームを前記新たな動画像データ系列として出力する請求項11又は12記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記ID情報付加手段は、
前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレーム群のうちのいずれか1つの画像フレーム群を順次選択し、順次選択された画像フレーム群を前記新たな動画像データ系列として出力する請求項11又は12記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記複数の動画像データ系列における個々の画像フレームは空間的に分割され、分割された各々の領域に対して分割領域動画像データ系列が生成され、前記ID情報付加手段は、
分割された一の領域に対応する複数の分割領域動画像データ系列に対し、前記付加ID情報に基づき、前記複数の分割領域動画像データ系列における複数の分割領域画像フレームのうちのいずれか1つの分割領域画像フレームを順次選択し、他の領域に対応して順次選択された分割領域画像フレームと合成することにより、前記新たな動画像データ系列を出力する請求項11又は12記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記付加ID情報に対して、予め冗長符号化を行う手段を更に有する請求項13乃至15のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項17】
ネットワークに接続されたサーバ及び端末を含むシステムにおける通信制御装置であって、
サーバ又は他の通信制御装置から複数の透かし情報入り動画像データ系列を受信する手段と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数をコード化した情報である付加ID情報に基づき、前記受信した複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手段と、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を、端末又は他の通信制御装置に配信する動画像配信手段と、を有することを特徴とする通信制御装置。
【請求項18】
前記動画像識別情報は、前記動画像データに固有のIDもしくは著作権ID、又は動画像データの送信元であるサーバ固有のIDである請求項17に記載の通信制御装置。
【請求項19】
前記日時情報は、前記ID情報付加手段により新たな動画像データ系列を生成する日時の情報である請求項17に記載の通信制御装置。
【請求項20】
前記利用者情報は、前記端末に固有のIDである請求項17に記載の通信制御装置。
【請求項21】
前記動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数に加えて、前記通信制御装置に固有のIDをコード化した情報を前記付加ID情報として用いる請求項17に記載の通信制御装置。
【請求項22】
前記ID情報付加手段は、
前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレームのうちのいずれか1つの画像フレームを順次選択し、順次選択された画像フレームを前記新たな動画像データ系列として出力する請求項17項記載の通信制御装置。
【請求項23】
前記ID情報付加手段は、
前記付加ID情報に基づき、前記複数の動画像データ系列における複数の画像フレーム群のうちのいずれか1つの画像フレーム群を順次選択し、順次選択された画像フレーム群を前記新たな動画像データ系列として出力する請求項17項記載の通信制御装置。
【請求項24】
前記複数の動画像データ系列における個々の画像フレームは空間的に分割され、分割された各々の領域に対して分割領域動画像データ系列が生成され、前記ID情報付加手段は、
分割された一の領域に対応する複数の分割領域動画像データ系列に対し、前記付加ID情報に基づき、前記複数の分割領域動画像データ系列における複数の分割領域画像フレームのうちのいずれか1つの分割領域画像フレームを順次選択し、他の領域に対応して順次選択された分割領域画像フレームと合成することにより、前記新たな動画像データ系列を出力する請求項17項記載の通信制御装置。
【請求項25】
前記付加ID情報に対して、予め冗長符号化を行う手段を更に有する請求項21乃至24のいずれか1項記載の通信制御装置。
【請求項26】
ディジタル動画データを蓄積して表示するための処理をコンピュータに実行させる電子透かし入り動画像処理プログラムであって、
同一の映像コンテンツに対して異なる識別情報を電子透かしとして付加された複数の動画像データ系列から、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報をコード化した付加ID情報に基づき、新たな動画像データを生成するID情報付加手順をコンピュータに実行させることを特徴とする電子透かし入り動画像処理プログラム。
【請求項27】
電子透かしが埋め込まれたディジタル動画像データの処理をコンピュータに実行させる電子透かし入り動画像処理プログラムであって、
1種類の動画像データを入力する動画像入力手順と、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手順と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手順と、
前記ID情報付加ステップで生成された前記動画像データ系列をネットワークに配信する動画像配信手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする電子透かし入り動画像処理プログラム。
【請求項28】
ネットワークに接続されたサーバ及び端末を含むシステムにおける通信制御装置として機能するコンピュータに、
サーバ又は他の通信制御装置から複数の透かし情報入り動画像データ系列を受信する手順と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数をコード化した情報である付加ID情報に基づき、前記受信した複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手順と、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を、端末又は他の通信制御装置に配信する動画像配信手順とを実行させることを特徴とする電子透かし入り動画像処理プログラム。
【請求項29】
ディジタル動画データを蓄積して表示するための処理をコンピュータに実行させる電子透かし入り動画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記電子透かし入り動画像処理プログラムは、
同一の映像コンテンツに対して異なる識別情報を電子透かしとして付加された複数の動画像データ系列から、動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報をコード化した付加ID情報に基づき、新たな動画像データを生成するID情報付加手順をコンピュータに実行させることを特徴とする電子透かし入り動画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項30】
電子透かしが埋め込まれたディジタル動画像データの処理をコンピュータに実行させる電子透かし入り動画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記電子透かし入り動画像処理プログラムは、
1種類の動画像データを入力する動画像入力手順と、
入力された前記1つの動画像データに対して、異なる内容の複数の電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、複数の透かし入り動画像データ系列を作成し、符号化する透かし入りデータ生成手順と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報がコード化された付加ID情報に基づき、前記複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手順と、
前記ID情報付加ステップで生成された前記動画像データ系列をネットワークに配信する動画像配信手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする電子透かし入り動画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項31】
ネットワークに接続されたサーバ及び端末を含むシステムにおける通信制御装置として機能するコンピュータに、
サーバ又は他の通信制御装置から複数の透かし情報入り動画像データ系列を受信する手順と、
動画像識別情報、日時情報、利用者情報のうちのいずれか1つ又は複数をコード化した情報である付加ID情報に基づき、前記受信した複数の透かし入り動画像データ系列から、新たな動画像データ系列を生成するID情報付加手順と、
前記ID情報付加手段で生成された前記動画像データ系列を、端末又は他の通信制御装置に配信する動画像配信手順とを実行させることを特徴とする電子透かし入り動画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【国際公開番号】WO2004/093448
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504474(P2005−504474)
【国際出願番号】PCT/JP2004/005357
【国際出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
イーサネット
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】