説明

電子部品の接続構造

【課題】電子部品の中途挿入状態を検知できるとともに、電子部品の脱落を防止できる電子部品の接続構造を提供する。
【解決手段】カバー15と、カバー15内に嵌入可能に形成されるハウジング21と、ハウジング21に収容されるとともに、挿入した電子部品11を保持して電気的に接続可能にした端子23と、を備え、ハウジング21は、端子23が収容された状態で外方より電子部品11を挿入可能にし、カバー15は、電子部品11の端子23への中途挿入状態で電子部品11に当たり、正規位置での保持状態でハウジング21の嵌入を許容するとともに、電子部品11の脱落を阻止する当て面77を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングへの挿入によって接続がなされる電子部品の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の電気的な接続を確実に行うことで高い信頼性を得る電子部品の接続構造が特許文献1に開示されている。図17に示すように、この電子部品の接続構造は、ハウジングに、一対のバスバー501,503が組み付けられるとともに光源である半導体発光素子(LED)505が組み付けられる。平板形状をなして2分割されたバスバー501,503は、電線接続部507と、ツエナーダイオード接続部509と、抵抗器接続部511と、LED接続部513と、を有する。抵抗器接続部511には、2分割されたバスバー501,503のそれぞれに圧接刃515,515が備えられる。ツエナーダイオード接続部509には、単一の圧接刃517が一方のバスバー501に、単一の圧接刃519が他方のバスバー503に備えられる。
【0003】
ツエナーダイオード521は、一方のリード部523が一方のバスバー501に、他方のリード部525が他方のバスバー503にそれぞれ電気的に接続されることで、抵抗器527の下流側で一対のバスバー501,503に並列に接続され、ダイオードに順起電力が流れる方向で静電気により回路に印加される突発的な大電圧からのLEDを破壊から保護し、ダイオードに逆起電力が流れる方向では通電を阻止し、同じくLEDを破壊から保護する機能を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−149762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の電子部品の接続構造では、ツエナーダイオード521を圧接刃517,519、抵抗器527を圧接刃515,515に押し込んで電気的に接続していたため、これら電子部品の中途挿入状態の検知が困難であった。また、上記の電子部品は、リード部を圧接刃517,519、圧接刃515,515に押し込むことのみにより保持されていたため、電気接触の信頼性を十分に確保することが難しかった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、電子部品の中途挿入状態を検知できるとともに、電子部品の脱落を防止できる電子部品の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) カバーと、前記カバー内に嵌入可能に形成されるハウジングと、前記ハウジングに収容されるとともに、挿入した電子部品を保持して電気的に接続可能にした端子と、を備え、前記ハウジングは、前記端子が収容された状態で外方より前記電子部品を挿入可能にし、前記カバーは、前記電子部品の前記端子への中途挿入状態で該電子部品に当たり、正規位置での保持状態で前記ハウジングの嵌入を許容するとともに、前記電子部品の脱落を阻止する当て面を有することを特徴とする電子部品の接続構造。
【0008】
この電子部品の接続構造によれば、電子部品が中途挿入状態にあるとき、ハウジングをカバーに嵌入しようとすると、ハウジングから突出した電子部品の挿入後部がカバーのハウジング挿入開口に当たり、ハウジングがカバーに嵌入できず、電子部品が正規の保持状態でないことが検知される。一方、電子部品が正規の保持状態でハウジングに保持されていれば、ハウジングがカバーへ嵌入されるとともに、嵌入後には、電子部品の挿入後部がカバーの当て面に当たり、ハウジングからの脱落が防止される。
【0009】
(2) (1)の電子部品の接続構造であって、前記電子部品の前記ハウジングへの挿入方向が、前記ハウジングの前記カバーへの嵌入方向に対して直交方向であることを特徴とする電子部品の接続構造。
【0010】
この電子部品の接続構造によれば、カバーに対するハウジングの嵌入方向と、ハウジングに対する電子部品の挿入方向とが直交することで、中途挿入状態でハウジングから突出した電子部品に、カバーのハウジング挿入開口が当接した際、電子部品が挿入方向に前進又は後退せず、確実にハウジングの挿入を阻止(すなわち、中途挿入状態を検知)できる。
【0011】
(3) (1)又は(2)の電子部品の接続構造であって、前記カバーには前記ハウジングの嵌入するハウジング挿入開口が形成され、前記ハウジング挿入開口の内側縁部には、エッジを除去して形成したテーパー又はRのいずれか一方からなる案内面が設けられていることを特徴とする電子部品の接続構造。
【0012】
この電子部品の接続構造によれば、電子部品の挿入後部が若干突出した保持状態では、ハウジングがカバーに挿入されると、電子部品の挿入後部が、ハウジング挿入開口の内側縁部に設けられた案内面に当たり、ハウジングのさらなる挿入にて案内面からの反力によって、電子部品が正規の保持状態まで押し込まれることになる。これにより、確実に正規の保持状態で電子部品を装着でき、電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電子部品の接続構造によれば、電子部品の中途挿入状態を検知できるとともに、電子部品の脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電子部品の接続構造を有するLEDユニットの斜視図である。
【図2】図1に示したLEDユニットと電線ホルダーの分解斜視図である。
【図3】LEDユニットとハウジングの分解斜視図である。
【図4】図3に示した端子の拡大斜視図である。
【図5】図4に示した端子の単体斜視図である。
【図6】(a)は図4に示した端子の平面図、(b)はそのA−A矢視図、(c)はそのB−B矢視図である。
【図7】(a)は半導体発光素子の斜視図、(b)はツエナーダイオードの斜視図、(c)は抵抗器の斜視図である。
【図8】電子部品の接続構造における回路図である。
【図9】(a)はハウジングが嵌入したレンズカバーの斜視図、(b)はその平面図、(c)は(b)のC−C矢視図である。
【図10】端子組付け工程図である。
【図11】連結部のカット工程図である。
【図12】電子部品組付け工程図である。
【図13】抵抗器の組付け工程図である。
【図14】抵抗器が中途挿入状態となったハウジングの斜視図である。
【図15】(a)は抵抗器の挿入後部がハウジング挿入開口に当たったレンズカバーの斜視図、(b)はその側面図である。
【図16】抵抗器が正規の保持状態となったハウジングの斜視図である。
【図17】従来の電子部品の接続構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る電子部品の接続構造を有するLEDユニットの斜視図、図2は図1に示したLEDユニットと電線ホルダーの分解斜視図、図3はLEDユニットとハウジングの分解斜視図である。
本実施の形態に係る電子部品の接続構造は、例えば図1に示すLEDユニット13に用いて好適となる。LEDユニット13は、レンズカバー15の後部側に設けたハウジング挿入開口17に、図2に示す電線ホルダー19を装着してなる。なお、本実施の形態では、レンズカバー15のハウジング挿入開口17側を「後」、その反対側を「前」と称する。レンズカバー15には、電線ホルダー19を装着する前に、予め図3に示すハウジング21が装着される。ハウジング21には、図3に示す2本の同一形状の端子23が装着される。
【0016】
図4は図3に示した端子23の拡大斜視図である。
2本の端子23は、一端25に第1圧接部27、他端29に第2圧接部31、第1圧接部27と第2圧接部31との間の中間部において第3圧接部33を形成し、離間して並列配置される。第1圧接部27は、2つの電子部品11の各一対の接点部に弾接可能な少なくとも一対の主接触バネ片37が対向配置して形成される。本実施の形態では、1本の端子23に、一対の主接触バネ片37が設けられる。2本の端子間において、隣接する一対の主接触バネ片37は、第1の電子部品11である半導体発光素子39の一対の接点部と接続する。また、2本の端子間に位置する他の一対の主接触バネ片37は、第2の電子部品11であるツエナーダイオード41の一対の接点部と接続する。
【0017】
図5は図4に示した端子23の単体斜視図である。
端子23は、ハウジング21に装着された状態でその一部分がハウジング21の外部に突出される。端子23の後端は、上記の第2圧接部31となる。第2圧接部31には、被覆された電線43(図2参照)の被覆を切り裂き導体と電気的に接触するための圧接刃45が設けられる。
【0018】
圧接刃45の前部には第3圧接部33が設けられている。つまり、第1圧接部27と第2圧接部31との間の中間部には第3圧接部33が設けられる。この第3圧接部33は、他の電子部品11である例えば図4に示した抵抗器47を圧接可能としている。第3圧接部33では、圧接刃45から前方に向かって、後部当接片49と、後部弾性脚51と、副接触バネ片53と、前部当接片55とが連設される。
【0019】
図5の背面側の前部当接片55には端子23の一端25(前端)となる第1圧接部27が連結部57を介して連設されている。圧接刃45、後部当接片49、後部弾性脚51、副接触バネ片53、前部当接片55、第1圧接部27は、板金加工により一体に打ち抜かれた後、図5に示す形状に折り曲げ加工される。端子23の第1圧接部27は、一対の側壁59が平行となるようにU字状に折り曲げ形成され、側壁59のそれぞれに主接触バネ片37が打ち抜き成形される。端子23の本体がU字状に折り曲げられて形成され、その対向する一対の側壁59に、打ち抜き加工によって主接触バネ片37が形成されることにより、多数の電気接触部61を有する弾接構造が容易且つコンパクトに製造可能となっている。
【0020】
図6(a)は図4に示した端子23の平面図、(b)はそのA−A矢視図、(c)はそのB−B矢視図、図7(a)は半導体発光素子39の斜視図、(b)はツエナーダイオード41の斜視図、(c)は抵抗器47の斜視図である。
1本の端子23において、主接触バネ片37は、一対のものが平行となって形成され、略Y字状に分岐した先端が電気接触部61となる。電気接触部61は、接点が頂角となる三角形状に形成される。図6(a)に示すように、端子23は、2本が平行に離間配置される。これにより、電気接触部61は、図6(c)に示すように、片側4箇所ずつの8箇所に配置されることになる。後方の片側4箇所の電気接触部61には、それぞれの端子23に形成された後方部品座部63が対峙される。また、前方の片側4箇所の電気接触部61には、それぞれの端子23に形成された前方部品座部65が対峙される。
【0021】
後方部品座部63と、後方の片側4箇所の電気接触部61との間には半導体発光素子39が装着されている。前方の片側4箇所の電気接触部61と、前方部品座部65と、の間にはツエナーダイオード41が装着されている。半導体発光素子39は、図7(a)に示すように、一方の面に、一対の接点部35が設けられた表面実装用の電子部品11となっている。また、ツエナーダイオード41も、図7(b)に示すように、一方の面に一対の接点部35が設けられた表面実装用の電子部品11となっている。また、抵抗器47も、図7(c)に示すように、一方の面に一対の接点部35が設けられた表面実装用の電子部品11となっている。
【0022】
半導体発光素子39は、図6(c)に示すように、接点部35の設けられた面が、上段の電気接触部61に向けられ、背面が後方部品座部63に当接される。ツエナーダイオード41は、接点部35の設けられた面が、下段の電気接触部61の側に向けられ、背面が前方部品座部65に当接される。本実施の形態では、半導体発光素子39の接点間ピッチが、ツエナーダイオード41の接点間ピッチよりも小さい。つまり、2つの電子部品11は、異なる接点間ピッチとなっている。電子部品11の接続構造では、このような異なる接点間ピッチの電子部品11を同時に実装可能としている。すなわち、図7(c)に示すように、片側で隣接する2本の端子23の電気接触部61に半導体発光素子39の一対の接点部35が接触し、他の片側では少なくとも1つの電気接触部61を跨いで2本の端子23の電気接触部61がツエナーダイオード41の一対の接点部35に接触している。
【0023】
図6(c)において、半導体発光素子39は、上段の電気接触部61において、左側から2番目の電気接触部61と、左側から3番目の電気接触部61とに接続される。また、ツエナーダイオード41は、下段の電気接触部61において、左側から1番目の電気接触部61と、左側から3番目の電気接触部61とに接続されるが、左側から2番目の電気接触部61と、左側から4番目の電気接触部61とに接続することもできる。また、本実施の形態において、ツエナーダイオード41は、接点間ピッチが、電気接触部61の接点間ピッチの2倍の距離となるものが用いられているが、接点間ピッチが電気接触部61の接点間ピッチの3倍の距離となるものも用いることができる。この場合、ツエナーダイオード41の一対の接点部35は、左側から1番目の電気接触部61と、左側から4番目の電気接触部61とに接続される。
【0024】
図8は電子部品11の接続構造における回路図である。
電子部品11の接続構造では、半導体発光素子39及びツエナーダイオード41が、陽極67と陰極69との間で並列に接続されている。このような電子部品11の接続構造では、半導体発光素子39及びツエナーダイオード41と、陽極67との間に抵抗器47を設けた回路としたい場合が想定される。このような場合、本構成では図6(a)に示すように、第3圧接部33は、抵抗器47の接続時、抵抗器47の一対の接点部35にそれぞれ接続する一対の副接触バネ片53の間の連結部57が分離される。
【0025】
図9(a)はハウジング21が嵌入したレンズカバー15の斜視図、(b)はその平面図、(c)は(b)のC−C矢視図である。
ハウジング21は、端子23が収容された状態で外方より抵抗器47を挿入可能にしている。ハウジング21の底板71には抵抗器47を装着するための底板開口部73が形成されている。底板開口部73には、後述する一対の保持溝が設けられる。つまり、端子23の挿入方向はハウジング21の上側(図9(c)の上側)から、抵抗器47の挿入はハウジング21の下側からとなっている。
【0026】
抵抗器47は、ハウジング21への挿入方向が、ハウジング21のレンズカバー15への嵌入方向に対して直交方向となる。これにより、レンズカバー15は、抵抗器47の端子23への中途挿入状態で、ハウジング挿入開口17に抵抗器47が当たる。一方、レンズカバー15は、抵抗器47が正規位置で保持された状態では、ハウジング21の嵌入を許容する。また、レンズカバー15は、抵抗器47の脱落を阻止する当て面77を、底板開口部73に対向して有している。
【0027】
また、レンズカバー15のハウジング挿入開口17の内側縁部79には、エッジを除去して形成したテーパー又はRのいずれか一方からなる案内面81が設けられている。この案内面81は、底板開口部73から僅かに突出した抵抗器47の挿入後部83に当接するようになされている。
【0028】
次に、上記構成の電子部品11の接続構造の組付け工程を説明する。
図10は端子組付け工程図、図11は連結部57のカット工程図、図12は電子部品組付け工程図、図13は抵抗器47の組付け工程図、図14は抵抗器47が中途挿入状態となったハウジング21の斜視図、図15(a)は抵抗器47の挿入後部83がハウジング挿入開口17に当たったレンズカバー15の斜視図、(b)はその側面図、図16は抵抗器47が正規の保持状態となったハウジング21の斜視図である。
LEDユニット13を組付けるには、図10に示すように、2本の端子23をハウジング21に装着する。ハウジング21には2つの端子収容室85が形成される。端子収容室85は、後端が後壁87となり、その前方の内壁面に上記した一対の保持溝75がそれぞれの端子収容室85に形成されている。端子収容室85に挿入された端子23は、後部当接片49と後部弾性脚51とで後壁87を挟持し、ハウジング21から脱落規制されて装着が完了する。
【0029】
図11に示すように、端子23がハウジング21に装着されたなら、一方の端子23の連結部57がカットされる。端子収容室85に挿入された端子23は、連結部57が挿入方向手前面89(図10参照)に位置する。これにより、連結部57がカット領域でカットされているか否かが、端子収容室85の挿入側から挿入方向手前面89を視認することにより容易に確認可能となっている。
【0030】
図12に示すように、ハウジング21の前面にはLED装着開口部91と、ダイオード装着開口部93とが上下2段で形成されている。LED装着開口部91には、半導体発光素子39が、接点部35を下側にして挿入される。ダイオード装着開口部93には、ツエナーダイオード41が、接点部35を上側にして挿入される。これにより、それぞれの接点部35が図6(c)に示したように、それぞれの電気接触部61に接続される。
【0031】
図13に示すように、半導体発光素子39、ツエナーダイオード41に続いて、抵抗器47が挿入される。抵抗器47は、底板開口部73から両縁部が保持溝75にガイドされて挿入されることで、接点部35が一対の副接触バネ片53のそれぞれに接続される。
【0032】
ここで、図14に示すように、抵抗器47が中途挿入状態となっていると、図15に示すように、レンズカバー15に対するハウジング21の嵌入方向と、ハウジング21に対する抵抗器47の挿入方向とが直交していることで、中途挿入状態でハウジング21から突出した抵抗器47に、レンズカバー15のハウジング挿入開口17が当接する。この際、電子部品11が挿入方向に前進又は後退せず、確実にハウジング21の挿入を阻止(すなわち、中途挿入状態を検知)できる。
【0033】
一方、図16に示すように、抵抗器47が正規の保持状態となっていれば、レンズカバー15は、ハウジング21の嵌入を許容し、図9(c)に示すように、ハウジング21の装着が完了する。ハウジング21の装着が完了すると、底板開口部73に当て面77が配置され、抵抗器47の挿入後部83が当て面77に当たり、抵抗器47の脱落が確実に阻止される。
【0034】
また、抵抗器47の挿入後部83が若干突出した保持状態では、ハウジング21がレンズカバー15に挿入されると、抵抗器47の挿入後部83が、ハウジング挿入開口17の内側縁部79に設けられた案内面81(図9(c)参照)に当たる。そして、ハウジング21のさらなる挿入にて案内面81からの反力によって、抵抗器47が正規の保持状態まで押し込まれることになる。これにより、確実に正規の保持状態で抵抗器47を装着でき、電気的な接続が確保されるようになされている。
【0035】
レンズカバー15に挿入されたハウジング21は、圧接刃45がレンズカバー15の内部で後方に向かって突出している。
【0036】
ハウジング21を装着したレンズカバー15には図2に示したように、電線ホルダー19がハウジング挿入開口17から挿入される。電線ホルダー19の3方の外面にはコ字状の電線保持溝95が2箇所に形成されている。それぞれの電線保持溝95には被覆付き電線43がコ字状に曲げられて装着される。電線ホルダー19の前面にはそれぞれの電線保持溝95を跨って、水平の圧接刃進入スリット97が形成されている。これにより、電線ホルダー19がレンズカバー15に挿入されると、レンズカバー15の内部で後方に向かって突出した圧接刃45が、圧接刃進入スリット97に進入し、圧接刃45と電線43の導体とが接続されるようになされている。
【0037】
レンズカバー15に挿入された電線ホルダー19は、レンズカバー15の側部に形成さける係止穴99に、側面に突設した係止爪101を係止して、レンズカバー15からのハウジング21と、電線ホルダー自身との離脱が規制される。レンズカバー15に、ハウジング21、電線ホルダー19が装着されることで図1に示すLEDユニット13の組付けが完了することになる。
【0038】
このように、電子部品11の接続構造では、抵抗器47が中途挿入状態にあるとき、ハウジング21をレンズカバー15に嵌入しようとすると、ハウジング21から突出した抵抗器47の挿入後部83がレンズカバー15のハウジング挿入開口17に当たり、ハウジング21がカバーに嵌入できず、抵抗器47が正規の保持状態でないことが検知される。一方、抵抗器47が正規の保持状態でハウジング21に保持されていれば、ハウジング21がレンズカバー15へ嵌入されるとともに、嵌入後には、抵抗器47の挿入後部83がレンズカバー15の当て面77に当たり、ハウジング21からの脱落が防止される。
【0039】
したがって、本実施の形態による電子部品11の接続構造によれば、抵抗器47の中途挿入状態を検知できるとともに、抵抗器47の脱落を防止できる。
【符号の説明】
【0040】
11 電子部品
15 レンズカバー(カバー)
17 ハウジング挿入開口
21 ハウジング
23 端子
47 抵抗器(電子部品)
77 当て面
79 内側縁部
81 案内面
83 挿入後部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーと、前記カバー内に嵌入可能に形成されるハウジングと、前記ハウジングに収容されるとともに、挿入した電子部品を保持して電気的に接続可能にした端子と、を備え、
前記ハウジングは、前記端子が収容された状態で外方より前記電子部品を挿入可能にし、
前記カバーは、前記電子部品の前記端子への中途挿入状態で該電子部品に当たり、正規位置での保持状態で前記ハウジングの嵌入を許容するとともに、前記電子部品の脱落を阻止する当て面を有することを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項2】
請求項1記載の電子部品の接続構造であって、
前記電子部品の前記ハウジングへの挿入方向が、前記ハウジングの前記カバーへの嵌入方向に対して直交方向であることを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電子部品の接続構造であって、
前記カバーには前記ハウジングの嵌入するハウジング挿入開口が形成され、
前記ハウジング挿入開口の内側縁部には、エッジを除去して形成したテーパー又はRのいずれか一方からなる案内面が設けられていることを特徴とする電子部品の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−109163(P2012−109163A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258231(P2010−258231)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】