電子部品供給装置
【課題】電子部品供給装置にテープを並列に複数本セットした場合の装置幅方向及びリール収納部を省スペース化するとともに、作業者がテープセットを間違えずに確実に行えて、表面実装装置の動作停止割合も低減する。
【解決手段】電子部品をパッケージングしたテープ12L・12Rを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口2L・2Rを備える電子部品供給装置1において、テープ走行経路入口2L・2Rに、1本のテープ12Lが巻き付けられたリール11Lを保持するリールホルダ8を備えるとともに、このリールホルダ8に、テープ走行経路入口2L・2Rにテープ12L・12Rを誤装着できないように並列に仕切る仕切部92を設ける。
【解決手段】電子部品をパッケージングしたテープ12L・12Rを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口2L・2Rを備える電子部品供給装置1において、テープ走行経路入口2L・2Rに、1本のテープ12Lが巻き付けられたリール11Lを保持するリールホルダ8を備えるとともに、このリールホルダ8に、テープ走行経路入口2L・2Rにテープ12L・12Rを誤装着できないように並列に仕切る仕切部92を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を表面実装装置に供給する電子部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装装置は面積生産性の向上を目的とし、省スペースな装置レイアウトを行っており、電子部品供給装置も同様に省スペース化が進んできている。
例えば、テープを包むような形状をしたテープ押さえ部にて、テープを上面より押さえつつ左右方向にテープが蛇行しないようにするためのガイドも一体にすることで、装置幅方向を小さくしている装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
近年、省スペースな装置レイアウトにより1つの電子部品供給装置で電子部品がパッケージングされたテープを複数セットできる装置もあり、その場合、テープが巻き付けられたリールも装置後方に複数セットにしなければならなく、スペース効率が求められている。
また、複数セットできるため、テープセット時に間違ったテープを誤装着してしまう問題が発生している。
【0004】
例えば、テープを並列に複数セットできる装置においては、テープセット時にテープの識別性を向上させるため、テープ走行経路入口に各テープを支持する部材を取り付け、下方にあるリールまで描く曲線に差異を設けることで、キャリアテープ自体に外見的な差異がない場合であっても、どのテープであるのかを一見して容易に識別することができる機能を有した装置がある(特許文献2参照)。
また、電子部品がパッケージングされたテープの底面にテープ情報が記載され、電子部品供給装置にテープ情報を読み取りできるセンサ等を搭載し、部品間違いを発見する方法もある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008‐91672号公報
【特許文献2】特開2008‐41732号公報
【特許文献3】特開平11‐354984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2のように、テープを複数本セットした場合、装置の幅が大きくなり、テープがそれぞれ巻き付けられたリールの収納部の幅も大きくなる。
また、特許文献3のように、テープセット間違いを表面実装装置が吸着する時に判断すると装置が停止状態になってしまう。
【0007】
本発明の課題は、電子部品供給装置において、テープを並列に複数本セットした場合の装置幅方向及びリール収納部を省スペース化するとともに、作業者がテープセットを間違えずに確実に行えて、表面実装装置の動作停止割合も低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、各テープごとに個別に設けられたテープ走行経路入口は部品供給部におけるテープの順序と同じ配置で並んでいると同時に、各テープ走行経路入口は互いに上下にレイアウトされていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品供給装置であって、前記テープ走行経路入口は互いに幅方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子部品供給装置であって、電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、前記テープ走行経路入口に、1本のテープが巻き付けられたリールを保持するリールホルダを備えるとともに、前記リールホルダに、前記テープ走行経路入口にテープを誤装着できないように並列に仕切る仕切部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、当該電子部品供給装置の取付台に、前記1本以外の他のテープが巻き付けられたリールの収納部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記仕切部に、前記1本以外の他のテープを前記テープ走行経路入口に挿入する際に、そのテープ先端を側方から目視可能とする透視部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記リールホルダを前記仕切部に対し着脱可能な係合関係による連結構造としたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記仕切部は、横方向からの荷重に対する可撓性を具備することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記リールホルダに、1本のテープが巻き付けられたリールを円弧回転させて、リールの交換を可能とする可動のリールサポートを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、各テープごとに個別に設けられたテープ走行経路入口は部品供給部におけるテープの順序と同じ配置で並んでいると同時に、各テープ走行経路入口は互いに上下にレイアウトされているので、それぞれのテープ入口の識別性が向上し、テープセット間違いを防ぐことができる。
また、テープ走行経路入口は幅方向において重なる位置に配置することで、装置の幅を大きくすることなく入口の幅を広くすることができ、テープの挿入がスムーズにできる。
さらに、テープ走行経路入口に備えられたリールホルダに、テープ走行経路入口にテープを誤装着できないように並列に仕切る仕切部を設けたことにより、装置幅方向及びリール収納部を省スペース化して、装置幅に複数のテープをセットできるため、面積生産性が向上する。
そして、テープ走行経路入口にリールホルダを備えたことで、テープセット時の識別性も向上する。
さらに、テープ走行経路入口をテープごとに仕切ることにより作業ミスが無くなり、表面実装装置が吸着する時に判断する必要がなくなり、動作停止割合が低減するため、生産性の向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、テープを2本装着できる電子部品供給装置の概略斜視図である。
【図2】図1のテープ入口付近の拡大図である。
【図3】図1のテープ入口付近の正面図(a)と拡大図(b)である。
【図4】図1の電子部品供給装置及びその周囲とその取付台を示す斜視図である。
【図5】図4の部品供給部の拡大側面図である。
【図6】図4の部品供給部の拡大平面図である。
【図7】図6のテープ押さえ部分の拡大図である。
【図8】図4のリール収納部の装置幅の関係を示す図である。
【図9】図2のリールホルダの仕切部に対する組付前の状態を拡大して示した分解図である。
【図10】図9のリールホルダの仕切部への組付状態を示した図である。
【図11】図3のリールホルダ有りで取付台への大径リールの収納状態を示した図である。
【図12】図11のリールホルダ無しの状態を示した図である。
【図13】図1のリールホルダ部分を反対側から示した側面図(a)と、そのリールサポートを円弧回転させた状態を示した図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1から図3は本発明を適用した一実施形態としてテープを2本装着できる電子部品供給装置の概略構成を示すもので、1は電子部品供給装置、1Uは上ケース、1Dは下ケース、2L・2Rはテープ入口、3L・3Rはテープ走行経路、4は部品供給部、5はグリップ部、6は本体取付用レバー、7は本体取付部、8はリールホルダ、9は仕切部品、11L・11Rはリール、12L・12Rはテープである。
【0019】
図示のように、電子部品供給装置1は、横幅の薄い上ケース1U及び下ケース1Dで構成されている。
上ケース1Uに、並列配置のテープ入口2L・2R、テープ走行経路3L・3R及び部品供給部4が設けられるとともに、グリップ部5が備えられている。
下ケース1Dには、本体取付用レバー6及び本体取付部7が備えられるとともに、リールホルダ8が仕切部品9を介して連結されている。
【0020】
上ケース1Uの下部で下ケース1Dとの合体部近傍において、左右のテープ入口2L・2Rがレーン毎に設けられており、テープ入口2Lは左側レーン用、テープ入口2Rは右側レーン用となっている。
また、左右のテープ入口2L・2Rは上下にレイアウトされており、幅方向において重なるように配置され、各々に挿入されたテープ12L・12Rはテープ走行経路3L・3Rの出口付近にて平行にレイアウトされて、上ケース1Uの上で前方に設けた部品供給部4に同じ高さでセットできる構造としている。
上ケース1Uの内部において、テープ走行経路3L・3Rは上下にレイアウトされており、テープ入口2L・2Rからそれぞれ入れたテープ12L・12Rが装置内でスムーズに挿入でき、他のテープと混在しないようにするため、左右のテープ12L・12R毎に仕切られたトンネル構造となっている。
【0021】
上ケース1Uの内部には、テープ走行経路3L・3Rに沿ってテープ12L・12Rをそれぞれ走行駆動するモータとウォームギアからなる駆動装置が組み込まれるとともに、テープ12L・12Rからカバーテープをそれぞれ剥ぎ取るモータとウォームギアからなる駆動装置が組み込まれて、その剥ぎ取られたカバーテープの収集部も設けられている。
また、下ケース1Dの内部には、制御基板による制御部が組み込まれている。
【0022】
テープ入口2L・2Rに向かって、リール11L・11Rから引き出されたテープ12L・12Rをそれぞれ挿入する。
こうして、テープ入口2L・2Rにそれぞれ挿入したテープ12L・12Rは、テープ走行経路3L・3Rをそれぞれ通り、部品供給部4に送り出させる。この部品供給部4において、図示しない表面実装装置により左右のテープ12L・12R上の電子部品がそれぞれ吸着される。
【0023】
リール11L・11Rは、図4に示すように、リール収納部に置いて使用する。すなわち、左側レーン用のリール11Lは、下ケース1Dに仕切部品9を介して取り付けたリールホルダ8に保持して収納することができる。
そして、右側レーン用のリール11Rは、電子部品供給装置1を取り付ける取付台30の下部に置いて収納することができる。
なお、取付台30には、下部に置いたリール11Rから引き出されるテープ12Rをガイドする横置きのガイド棒31が備えられている。
【0024】
仕切部品9は、テープ入口2L・2Rにそれぞれ連続する左右のテープガイド91L・91Rを有するとともに、テープ入口2L・2Rの間を仕切るリブ状の仕切部92を有している。
左右のテープガイド91L・91Rは、テープ入口2L・2Rと同様、上下にレイアウトされ、かつ、前後にレイアウトされている。
【0025】
左右のテープ12L・12Rの搬送方法は、部品供給部4において、テープ12L・12Rに電子部品と平行して一列に並んだ送り穴と呼ばれる空孔が設けられていて、図5に示すように、上ケース1Uの内部に、チェーンホイール状の凸形状が放射線状に設けられたスプロケット41L・41Rが配置されている。
左右のテープ12L・12Rの送り穴にスプロケット41L・41Rの凸部をそれぞれ入れ、前述した駆動装置の駆動により左右のスプロケット41L・41Rが回転することで、テープ12L・12Rがそれぞれ送られる。
【0026】
そして、部品供給部4においては、左右のスプロケット41L・41Rからテープ12L・12Rの送り穴がそれぞれ外れないように、図6及び図7に示すように、左右のテープ12L・12Rをテープ押さえ42L・42Rでそれぞれしっかりと押し付けて、搬送動作を安定させる。
また、表面実装装置のノズルが電子部品を吸着するには、電子部品がパッケージされたテープ12L・12Rからカバーテープを剥がす必要があり、部品供給部4にて、前述した駆動装置の駆動によりテープ12L・12Rからカバーテープのみを剥がす。
【0027】
ここで、左右のテープ12L・12R毎に部品供給部4がそれぞれある構成となっており、部品供給部4は、図6に示すように、装置幅方向に平行なレイアウトとなっている。
こうして、平行レイアウトした部品供給部4において、複数の電子部品を表面実装装置に同時吸着してもらうことで、生産タクトをあげることができる。
【0028】
実施形態では、省スペースの装置幅に複数のテープセットを実現するために、電子部品供給装置1の部品供給部4の左右のテープ押さえ42L・42Rの幅をテープ12L・12Rの幅より小さく設定することで、テープ押さえ42L・42Rよりも左右包み込んでいない分、幅方向を小さくすることができる。
具体的には、搬送路幅17mm以内において、幅8mmの左右のテープ12L・12Rを配置している。
【0029】
また、左右のガイドが無くなったため、テープ12L・12Rの蛇行を防止する機構としてテープ搬送に使用しているスプロケット41L・41Rの前(または後)に、サブスプロケット43L・43Rを設けている。
これにより、テープ12L・12Rが蛇行しようとしても、テープ12L・12Rの送り穴にスプロケット41L・41R及びサブスプロケット43L・43Rがそれぞれ入っているため、蛇行を規制できる構造となっている。
このように、テープ送り穴を使用し、蛇行を規制することで、テープ幅方向にガイドを設ける必要がなく、装置幅方向を小さくすることができる。
【0030】
実施形態においては、図1に示したように、テープ入口2L・2Rを上下レイアウトにしたことで、同じ高さにレイアウトした場合よりテープ12L・12Rに上下差が発生し、同一のテープでも左側レーン用、右側レーン用の識別性が向上する。
【0031】
ここで、同じ高さのレイアウトでトンネル構造をしようとした場合、装置幅を小さくしようとすると、他のテープとの仕切壁を薄くするか省く必要が有り、装置フレームの強度確保が困難となる。
また、仕切壁の強度確保しながら装置幅を小さくしようとすると、テープ走行経路の幅を狭くする必要があるが、折れ曲がったテープやスプライステープなどによりテープ側面が仕切壁等と擦ってしまい、テープ搬送の抵抗となってしまうため、テープ送りの不具合発生率が高くなる。
また、同じ高さにレイアウトした場合、装置に挿入するテープ走行経路の幅をテープ同等幅まで小さくしても、テープが収納されているリールのサイズが決まっているため、装置幅を小さくしても平行に置かれたリール幅が面積を取るため、結果として装置幅よりリール幅により面積生産性として劣る結果となる。
【0032】
これに対し、実施形態のように、1本は電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8にリール11Lを収納して保持し、2本目は電子部品供給装置1の取付台30の下部にリール11Rを置いて収納するレイアウトにすることで、図8に示すように、電子部品供給装置1の幅内に2本のリール11L・11Rを収納できる。
また、リール収納部として、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8にリール11Lを収納し、電子部品供給装置1の取付台30に下部にリール11Rを置いて収納する上下にレイアウトしたことで、テープ残量確認ができ、次回生産テープ準備などの目安となる。
【0033】
以上の要因により、電子部品供給装置1の幅を小さくでき、リール11L・11Rも装置幅内に収め、搬送路幅もトンネル構造のままで装置フレームの強度確保が容易にでき、折れ曲がったテープやスプライステープなどの抵抗を受けにくい搬送路幅を確保したレイアウトとして、上下レイアウトを採用した。
【0034】
そして、テープ入口2L・2Rを、電子部品供給装置1にリールホルダ8を取り付ける仕切部品9の仕切部92で仕切ったため、左右のテープ12L・12Rを誤装着できない構造となっている。
また、仕切部品9は、左右のテープ12L・12Rの挿入を目視にて確認できるように透明な樹脂や穴があいてテープ先端などが確認できる機能を有する。
【0035】
すなわち、実施形態では、仕切部品9を透明樹脂にて製作している。
【0036】
そして、電子部品供給装置1に取り付けるリールホルダ8は、梱包状態を小さくするため、着脱可能な機構があり、開梱時、装置使用状態に組み付けすることで使用できる状態となるが、ドライバ等の工具を使用せず装置に組付け可能としている。
【0037】
すなわち、実施形態では、図9及び図10に示すように、リールホルダ8に形成した上下のダルマ形状穴83に、仕切部品9に設けた上下のボス部93をそれぞれ引っ掛けて取り付ける構造としている。
さらに、リールホルダ8を電子部品供給装置1に装着した状態で衝撃等により簡単に脱落しないように、仕切部品9に突起部94を設け、リールホルダ8に丸穴84を開けて、この丸穴84に突起部94を嵌め込むことで、脱落防止機能としている。
【0038】
このように、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8は、取付同様に工具無しで取り外すことが可能となっている。
【0039】
また、リールホルダ8が取り外し可能なことにより、図12に示すように、左右のリール11L・11Rともに床置きとして大径リールを使用することも可能である。
【0040】
また、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8は、横方向からの荷重に対し、たわむことで、電子部品供給装置1それ自体は動くことなく、部品供給位置に影響を与えない構造を有する。
すなわち、実施形態では、リールホルダ8を取り付ける仕切部品9を樹脂にて製作し、その樹脂として横方向荷重に対し撓む耐衝撃性樹脂を使用することで、樹脂が割れる等の不具合を防止している。
【0041】
また、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8に対するリール11Lの交換は、リール11Lのセンターに回転中心穴が有り、リールサポート81の軸81aに挿入されている。軸81aからリール11Lを抜く時に隣接するフィーダを避けて交換する必要がある。
そのため、フィーダを半抜き状態にし、隣接フィーダをかわしてリールを取り出さないといけないが、リールサポート81を円弧回転させることで、フィーダを半抜き状態にしなくとも隣接するフィーダを避けて、リール11Lの交換を容易に行うことができる。
【0042】
すなわち、図13はリールサポート81を円弧回転させてリール11Lを交換する状態を示す。
図13(a)及び(b)に示すように、操作レバー82を操作してリールサポート81を円弧回転させ、ジョイントする次のリール11Lをセットすることで、ジョイント作業時にテープ12Lの巻き付けが緩まず、ジョイント作業性が向上する。
【0043】
以上のとおり、実施形態の電子部品供給装置1によれば、省スペースとした装置幅に複数のテープ12L・12Rをセットできるため、面積生産性が向上する。
【0044】
さらに、電子部品供給装置1の部品供給部分だけでなく、リール収納部も複数のリール11L・11Rを装置幅内に収め、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8にリール11Lを収納して、電子部品供給装置1の取付台30の下部にリール11Rを収納することにより、上下にレイアウトしたことで、左右のテープ12L・12Rのセット時に識別性も向上し、テープ残量確認ができるため、次回生産テープ準備などの目安となる。
【0045】
また、テープ入口2L・2Rを仕切部品9の仕切部92によりテープ12L・12R毎に仕切ることにより作業ミスが無くなり、表面実装装置が吸着する時に判断する必要がなくなり、動作停止割合が低減するため、生産性の向上につながる。
【0046】
すなわち、テープ入口2L・2Rをテープ12L・12Rを誤装着出来ないようリールホルダ8を保持している仕切部品9の仕切部92にて仕切したので、左右のテープ12L・12Rの誤装着を防止することができる。
【0047】
そして、装置幅内で1本のリール11Lを電子部品供給装置1が保持でき、2本のリール11Rは電子部品供給装置1の取付台30が保持できるので、電子部品供給装置1の幅内に2本のリール11L・11Rを収納することができる。
【0048】
また、テープ入口2L・2Rをテープ12L・12Rを誤装着出来ないように、リールホルダ8を保持している仕切部品9は、テープ12L・12Rの挿入時にテープ先端が目視可能なので、左右のテープ12L・12Rの誤装着を防止することができる。
【0049】
さらに、電子部品供給装置1に取り付けた仕切部品9に対しリールホルダ8は、梱包状態を小さくするため、ダルマ形状穴83とボス部93の係合により簡単に着脱可能なので、開梱時、装置使用状態にドライバ等の工具を使用せず着脱可能とする。
また、リールホルダ8は、電子部品供給装置1に取り付けた仕切部品9に装着した状態で、丸穴84と突起部94の嵌め込みにより衝撃等によっても簡単に脱落しない。
【0050】
また、リールホルダ8は、取付同様に工具無しで取り外すことが可能で、すなわち、電子部品供給装置1側のリールホルダ8が取り外し可能なことにより、床置きのリール11Lとして大径リールを使用することもできる。
【0051】
そして、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8は、横方向からの荷重に対し撓むことで、装置本体は動くことなく、部品供給位置に影響を与えない。
【0052】
さらに、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8のテープジョイント作業にて、リールサポート81を円弧回転させて、ジョイントする次のリール11Lをセットすることで、ジョイント作業時にテープ12Lの巻き付けが緩まず、ジョイント作業性が向上する。
【0053】
(変形例)
以上の実施形態においては、2本のテープを装着できる電子部品供給装置としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3本以上のテープを装着できる装置であってもよい。
また、テープ走行経路入口、リールホルダ、仕切部、取付台、リール収納部、透視部、及びリールサポートの形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 電子部品供給装置
1U 上ケース
1D 下ケース
2L・2R テープ入口
3L・3R テープ走行経路
4 部品供給部
41L・41R スプロケット
42L・42R テープ押さえ
43L・43R サブスプロケット
5 グリップ部
6 本体取付用レバー
7 本体取付部
8 リールホルダ
81 リールサポート
82 操作レバー
83 ダルマ形状穴
84 丸穴
9 仕切部品
91L・91R テープガイド
92 仕切部
93 ボス部
94 突起部
11L・11R リール
12L・12R テープ
30 取付台
31 ガイド棒
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を表面実装装置に供給する電子部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装装置は面積生産性の向上を目的とし、省スペースな装置レイアウトを行っており、電子部品供給装置も同様に省スペース化が進んできている。
例えば、テープを包むような形状をしたテープ押さえ部にて、テープを上面より押さえつつ左右方向にテープが蛇行しないようにするためのガイドも一体にすることで、装置幅方向を小さくしている装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
近年、省スペースな装置レイアウトにより1つの電子部品供給装置で電子部品がパッケージングされたテープを複数セットできる装置もあり、その場合、テープが巻き付けられたリールも装置後方に複数セットにしなければならなく、スペース効率が求められている。
また、複数セットできるため、テープセット時に間違ったテープを誤装着してしまう問題が発生している。
【0004】
例えば、テープを並列に複数セットできる装置においては、テープセット時にテープの識別性を向上させるため、テープ走行経路入口に各テープを支持する部材を取り付け、下方にあるリールまで描く曲線に差異を設けることで、キャリアテープ自体に外見的な差異がない場合であっても、どのテープであるのかを一見して容易に識別することができる機能を有した装置がある(特許文献2参照)。
また、電子部品がパッケージングされたテープの底面にテープ情報が記載され、電子部品供給装置にテープ情報を読み取りできるセンサ等を搭載し、部品間違いを発見する方法もある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008‐91672号公報
【特許文献2】特開2008‐41732号公報
【特許文献3】特開平11‐354984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2のように、テープを複数本セットした場合、装置の幅が大きくなり、テープがそれぞれ巻き付けられたリールの収納部の幅も大きくなる。
また、特許文献3のように、テープセット間違いを表面実装装置が吸着する時に判断すると装置が停止状態になってしまう。
【0007】
本発明の課題は、電子部品供給装置において、テープを並列に複数本セットした場合の装置幅方向及びリール収納部を省スペース化するとともに、作業者がテープセットを間違えずに確実に行えて、表面実装装置の動作停止割合も低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、各テープごとに個別に設けられたテープ走行経路入口は部品供給部におけるテープの順序と同じ配置で並んでいると同時に、各テープ走行経路入口は互いに上下にレイアウトされていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品供給装置であって、前記テープ走行経路入口は互いに幅方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子部品供給装置であって、電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、前記テープ走行経路入口に、1本のテープが巻き付けられたリールを保持するリールホルダを備えるとともに、前記リールホルダに、前記テープ走行経路入口にテープを誤装着できないように並列に仕切る仕切部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、当該電子部品供給装置の取付台に、前記1本以外の他のテープが巻き付けられたリールの収納部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記仕切部に、前記1本以外の他のテープを前記テープ走行経路入口に挿入する際に、そのテープ先端を側方から目視可能とする透視部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記リールホルダを前記仕切部に対し着脱可能な係合関係による連結構造としたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記仕切部は、横方向からの荷重に対する可撓性を具備することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品供給装置であって、前記リールホルダに、1本のテープが巻き付けられたリールを円弧回転させて、リールの交換を可能とする可動のリールサポートを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、各テープごとに個別に設けられたテープ走行経路入口は部品供給部におけるテープの順序と同じ配置で並んでいると同時に、各テープ走行経路入口は互いに上下にレイアウトされているので、それぞれのテープ入口の識別性が向上し、テープセット間違いを防ぐことができる。
また、テープ走行経路入口は幅方向において重なる位置に配置することで、装置の幅を大きくすることなく入口の幅を広くすることができ、テープの挿入がスムーズにできる。
さらに、テープ走行経路入口に備えられたリールホルダに、テープ走行経路入口にテープを誤装着できないように並列に仕切る仕切部を設けたことにより、装置幅方向及びリール収納部を省スペース化して、装置幅に複数のテープをセットできるため、面積生産性が向上する。
そして、テープ走行経路入口にリールホルダを備えたことで、テープセット時の識別性も向上する。
さらに、テープ走行経路入口をテープごとに仕切ることにより作業ミスが無くなり、表面実装装置が吸着する時に判断する必要がなくなり、動作停止割合が低減するため、生産性の向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、テープを2本装着できる電子部品供給装置の概略斜視図である。
【図2】図1のテープ入口付近の拡大図である。
【図3】図1のテープ入口付近の正面図(a)と拡大図(b)である。
【図4】図1の電子部品供給装置及びその周囲とその取付台を示す斜視図である。
【図5】図4の部品供給部の拡大側面図である。
【図6】図4の部品供給部の拡大平面図である。
【図7】図6のテープ押さえ部分の拡大図である。
【図8】図4のリール収納部の装置幅の関係を示す図である。
【図9】図2のリールホルダの仕切部に対する組付前の状態を拡大して示した分解図である。
【図10】図9のリールホルダの仕切部への組付状態を示した図である。
【図11】図3のリールホルダ有りで取付台への大径リールの収納状態を示した図である。
【図12】図11のリールホルダ無しの状態を示した図である。
【図13】図1のリールホルダ部分を反対側から示した側面図(a)と、そのリールサポートを円弧回転させた状態を示した図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1から図3は本発明を適用した一実施形態としてテープを2本装着できる電子部品供給装置の概略構成を示すもので、1は電子部品供給装置、1Uは上ケース、1Dは下ケース、2L・2Rはテープ入口、3L・3Rはテープ走行経路、4は部品供給部、5はグリップ部、6は本体取付用レバー、7は本体取付部、8はリールホルダ、9は仕切部品、11L・11Rはリール、12L・12Rはテープである。
【0019】
図示のように、電子部品供給装置1は、横幅の薄い上ケース1U及び下ケース1Dで構成されている。
上ケース1Uに、並列配置のテープ入口2L・2R、テープ走行経路3L・3R及び部品供給部4が設けられるとともに、グリップ部5が備えられている。
下ケース1Dには、本体取付用レバー6及び本体取付部7が備えられるとともに、リールホルダ8が仕切部品9を介して連結されている。
【0020】
上ケース1Uの下部で下ケース1Dとの合体部近傍において、左右のテープ入口2L・2Rがレーン毎に設けられており、テープ入口2Lは左側レーン用、テープ入口2Rは右側レーン用となっている。
また、左右のテープ入口2L・2Rは上下にレイアウトされており、幅方向において重なるように配置され、各々に挿入されたテープ12L・12Rはテープ走行経路3L・3Rの出口付近にて平行にレイアウトされて、上ケース1Uの上で前方に設けた部品供給部4に同じ高さでセットできる構造としている。
上ケース1Uの内部において、テープ走行経路3L・3Rは上下にレイアウトされており、テープ入口2L・2Rからそれぞれ入れたテープ12L・12Rが装置内でスムーズに挿入でき、他のテープと混在しないようにするため、左右のテープ12L・12R毎に仕切られたトンネル構造となっている。
【0021】
上ケース1Uの内部には、テープ走行経路3L・3Rに沿ってテープ12L・12Rをそれぞれ走行駆動するモータとウォームギアからなる駆動装置が組み込まれるとともに、テープ12L・12Rからカバーテープをそれぞれ剥ぎ取るモータとウォームギアからなる駆動装置が組み込まれて、その剥ぎ取られたカバーテープの収集部も設けられている。
また、下ケース1Dの内部には、制御基板による制御部が組み込まれている。
【0022】
テープ入口2L・2Rに向かって、リール11L・11Rから引き出されたテープ12L・12Rをそれぞれ挿入する。
こうして、テープ入口2L・2Rにそれぞれ挿入したテープ12L・12Rは、テープ走行経路3L・3Rをそれぞれ通り、部品供給部4に送り出させる。この部品供給部4において、図示しない表面実装装置により左右のテープ12L・12R上の電子部品がそれぞれ吸着される。
【0023】
リール11L・11Rは、図4に示すように、リール収納部に置いて使用する。すなわち、左側レーン用のリール11Lは、下ケース1Dに仕切部品9を介して取り付けたリールホルダ8に保持して収納することができる。
そして、右側レーン用のリール11Rは、電子部品供給装置1を取り付ける取付台30の下部に置いて収納することができる。
なお、取付台30には、下部に置いたリール11Rから引き出されるテープ12Rをガイドする横置きのガイド棒31が備えられている。
【0024】
仕切部品9は、テープ入口2L・2Rにそれぞれ連続する左右のテープガイド91L・91Rを有するとともに、テープ入口2L・2Rの間を仕切るリブ状の仕切部92を有している。
左右のテープガイド91L・91Rは、テープ入口2L・2Rと同様、上下にレイアウトされ、かつ、前後にレイアウトされている。
【0025】
左右のテープ12L・12Rの搬送方法は、部品供給部4において、テープ12L・12Rに電子部品と平行して一列に並んだ送り穴と呼ばれる空孔が設けられていて、図5に示すように、上ケース1Uの内部に、チェーンホイール状の凸形状が放射線状に設けられたスプロケット41L・41Rが配置されている。
左右のテープ12L・12Rの送り穴にスプロケット41L・41Rの凸部をそれぞれ入れ、前述した駆動装置の駆動により左右のスプロケット41L・41Rが回転することで、テープ12L・12Rがそれぞれ送られる。
【0026】
そして、部品供給部4においては、左右のスプロケット41L・41Rからテープ12L・12Rの送り穴がそれぞれ外れないように、図6及び図7に示すように、左右のテープ12L・12Rをテープ押さえ42L・42Rでそれぞれしっかりと押し付けて、搬送動作を安定させる。
また、表面実装装置のノズルが電子部品を吸着するには、電子部品がパッケージされたテープ12L・12Rからカバーテープを剥がす必要があり、部品供給部4にて、前述した駆動装置の駆動によりテープ12L・12Rからカバーテープのみを剥がす。
【0027】
ここで、左右のテープ12L・12R毎に部品供給部4がそれぞれある構成となっており、部品供給部4は、図6に示すように、装置幅方向に平行なレイアウトとなっている。
こうして、平行レイアウトした部品供給部4において、複数の電子部品を表面実装装置に同時吸着してもらうことで、生産タクトをあげることができる。
【0028】
実施形態では、省スペースの装置幅に複数のテープセットを実現するために、電子部品供給装置1の部品供給部4の左右のテープ押さえ42L・42Rの幅をテープ12L・12Rの幅より小さく設定することで、テープ押さえ42L・42Rよりも左右包み込んでいない分、幅方向を小さくすることができる。
具体的には、搬送路幅17mm以内において、幅8mmの左右のテープ12L・12Rを配置している。
【0029】
また、左右のガイドが無くなったため、テープ12L・12Rの蛇行を防止する機構としてテープ搬送に使用しているスプロケット41L・41Rの前(または後)に、サブスプロケット43L・43Rを設けている。
これにより、テープ12L・12Rが蛇行しようとしても、テープ12L・12Rの送り穴にスプロケット41L・41R及びサブスプロケット43L・43Rがそれぞれ入っているため、蛇行を規制できる構造となっている。
このように、テープ送り穴を使用し、蛇行を規制することで、テープ幅方向にガイドを設ける必要がなく、装置幅方向を小さくすることができる。
【0030】
実施形態においては、図1に示したように、テープ入口2L・2Rを上下レイアウトにしたことで、同じ高さにレイアウトした場合よりテープ12L・12Rに上下差が発生し、同一のテープでも左側レーン用、右側レーン用の識別性が向上する。
【0031】
ここで、同じ高さのレイアウトでトンネル構造をしようとした場合、装置幅を小さくしようとすると、他のテープとの仕切壁を薄くするか省く必要が有り、装置フレームの強度確保が困難となる。
また、仕切壁の強度確保しながら装置幅を小さくしようとすると、テープ走行経路の幅を狭くする必要があるが、折れ曲がったテープやスプライステープなどによりテープ側面が仕切壁等と擦ってしまい、テープ搬送の抵抗となってしまうため、テープ送りの不具合発生率が高くなる。
また、同じ高さにレイアウトした場合、装置に挿入するテープ走行経路の幅をテープ同等幅まで小さくしても、テープが収納されているリールのサイズが決まっているため、装置幅を小さくしても平行に置かれたリール幅が面積を取るため、結果として装置幅よりリール幅により面積生産性として劣る結果となる。
【0032】
これに対し、実施形態のように、1本は電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8にリール11Lを収納して保持し、2本目は電子部品供給装置1の取付台30の下部にリール11Rを置いて収納するレイアウトにすることで、図8に示すように、電子部品供給装置1の幅内に2本のリール11L・11Rを収納できる。
また、リール収納部として、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8にリール11Lを収納し、電子部品供給装置1の取付台30に下部にリール11Rを置いて収納する上下にレイアウトしたことで、テープ残量確認ができ、次回生産テープ準備などの目安となる。
【0033】
以上の要因により、電子部品供給装置1の幅を小さくでき、リール11L・11Rも装置幅内に収め、搬送路幅もトンネル構造のままで装置フレームの強度確保が容易にでき、折れ曲がったテープやスプライステープなどの抵抗を受けにくい搬送路幅を確保したレイアウトとして、上下レイアウトを採用した。
【0034】
そして、テープ入口2L・2Rを、電子部品供給装置1にリールホルダ8を取り付ける仕切部品9の仕切部92で仕切ったため、左右のテープ12L・12Rを誤装着できない構造となっている。
また、仕切部品9は、左右のテープ12L・12Rの挿入を目視にて確認できるように透明な樹脂や穴があいてテープ先端などが確認できる機能を有する。
【0035】
すなわち、実施形態では、仕切部品9を透明樹脂にて製作している。
【0036】
そして、電子部品供給装置1に取り付けるリールホルダ8は、梱包状態を小さくするため、着脱可能な機構があり、開梱時、装置使用状態に組み付けすることで使用できる状態となるが、ドライバ等の工具を使用せず装置に組付け可能としている。
【0037】
すなわち、実施形態では、図9及び図10に示すように、リールホルダ8に形成した上下のダルマ形状穴83に、仕切部品9に設けた上下のボス部93をそれぞれ引っ掛けて取り付ける構造としている。
さらに、リールホルダ8を電子部品供給装置1に装着した状態で衝撃等により簡単に脱落しないように、仕切部品9に突起部94を設け、リールホルダ8に丸穴84を開けて、この丸穴84に突起部94を嵌め込むことで、脱落防止機能としている。
【0038】
このように、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8は、取付同様に工具無しで取り外すことが可能となっている。
【0039】
また、リールホルダ8が取り外し可能なことにより、図12に示すように、左右のリール11L・11Rともに床置きとして大径リールを使用することも可能である。
【0040】
また、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8は、横方向からの荷重に対し、たわむことで、電子部品供給装置1それ自体は動くことなく、部品供給位置に影響を与えない構造を有する。
すなわち、実施形態では、リールホルダ8を取り付ける仕切部品9を樹脂にて製作し、その樹脂として横方向荷重に対し撓む耐衝撃性樹脂を使用することで、樹脂が割れる等の不具合を防止している。
【0041】
また、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8に対するリール11Lの交換は、リール11Lのセンターに回転中心穴が有り、リールサポート81の軸81aに挿入されている。軸81aからリール11Lを抜く時に隣接するフィーダを避けて交換する必要がある。
そのため、フィーダを半抜き状態にし、隣接フィーダをかわしてリールを取り出さないといけないが、リールサポート81を円弧回転させることで、フィーダを半抜き状態にしなくとも隣接するフィーダを避けて、リール11Lの交換を容易に行うことができる。
【0042】
すなわち、図13はリールサポート81を円弧回転させてリール11Lを交換する状態を示す。
図13(a)及び(b)に示すように、操作レバー82を操作してリールサポート81を円弧回転させ、ジョイントする次のリール11Lをセットすることで、ジョイント作業時にテープ12Lの巻き付けが緩まず、ジョイント作業性が向上する。
【0043】
以上のとおり、実施形態の電子部品供給装置1によれば、省スペースとした装置幅に複数のテープ12L・12Rをセットできるため、面積生産性が向上する。
【0044】
さらに、電子部品供給装置1の部品供給部分だけでなく、リール収納部も複数のリール11L・11Rを装置幅内に収め、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8にリール11Lを収納して、電子部品供給装置1の取付台30の下部にリール11Rを収納することにより、上下にレイアウトしたことで、左右のテープ12L・12Rのセット時に識別性も向上し、テープ残量確認ができるため、次回生産テープ準備などの目安となる。
【0045】
また、テープ入口2L・2Rを仕切部品9の仕切部92によりテープ12L・12R毎に仕切ることにより作業ミスが無くなり、表面実装装置が吸着する時に判断する必要がなくなり、動作停止割合が低減するため、生産性の向上につながる。
【0046】
すなわち、テープ入口2L・2Rをテープ12L・12Rを誤装着出来ないようリールホルダ8を保持している仕切部品9の仕切部92にて仕切したので、左右のテープ12L・12Rの誤装着を防止することができる。
【0047】
そして、装置幅内で1本のリール11Lを電子部品供給装置1が保持でき、2本のリール11Rは電子部品供給装置1の取付台30が保持できるので、電子部品供給装置1の幅内に2本のリール11L・11Rを収納することができる。
【0048】
また、テープ入口2L・2Rをテープ12L・12Rを誤装着出来ないように、リールホルダ8を保持している仕切部品9は、テープ12L・12Rの挿入時にテープ先端が目視可能なので、左右のテープ12L・12Rの誤装着を防止することができる。
【0049】
さらに、電子部品供給装置1に取り付けた仕切部品9に対しリールホルダ8は、梱包状態を小さくするため、ダルマ形状穴83とボス部93の係合により簡単に着脱可能なので、開梱時、装置使用状態にドライバ等の工具を使用せず着脱可能とする。
また、リールホルダ8は、電子部品供給装置1に取り付けた仕切部品9に装着した状態で、丸穴84と突起部94の嵌め込みにより衝撃等によっても簡単に脱落しない。
【0050】
また、リールホルダ8は、取付同様に工具無しで取り外すことが可能で、すなわち、電子部品供給装置1側のリールホルダ8が取り外し可能なことにより、床置きのリール11Lとして大径リールを使用することもできる。
【0051】
そして、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8は、横方向からの荷重に対し撓むことで、装置本体は動くことなく、部品供給位置に影響を与えない。
【0052】
さらに、電子部品供給装置1に取り付けたリールホルダ8のテープジョイント作業にて、リールサポート81を円弧回転させて、ジョイントする次のリール11Lをセットすることで、ジョイント作業時にテープ12Lの巻き付けが緩まず、ジョイント作業性が向上する。
【0053】
(変形例)
以上の実施形態においては、2本のテープを装着できる電子部品供給装置としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3本以上のテープを装着できる装置であってもよい。
また、テープ走行経路入口、リールホルダ、仕切部、取付台、リール収納部、透視部、及びリールサポートの形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 電子部品供給装置
1U 上ケース
1D 下ケース
2L・2R テープ入口
3L・3R テープ走行経路
4 部品供給部
41L・41R スプロケット
42L・42R テープ押さえ
43L・43R サブスプロケット
5 グリップ部
6 本体取付用レバー
7 本体取付部
8 リールホルダ
81 リールサポート
82 操作レバー
83 ダルマ形状穴
84 丸穴
9 仕切部品
91L・91R テープガイド
92 仕切部
93 ボス部
94 突起部
11L・11R リール
12L・12R テープ
30 取付台
31 ガイド棒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、
各テープごとに個別に設けられたテープ走行経路入口は部品供給部におけるテープの順序と同じ配置で並んでいると同時に、各テープ走行経路入口は互いに上下にレイアウトされていることを特徴とする電子部品供給装置。
【請求項2】
前記テープ走行経路入口は互いに幅方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品供給装置。
【請求項3】
電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、
前記テープ走行経路入口に、1本のテープが巻き付けられたリールを保持するリールホルダを備えるとともに、
前記リールホルダに、前記テープ走行経路入口にテープを誤装着できないように並列に仕切る仕切部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品供給装置。
【請求項4】
当該電子部品供給装置の取付台に、前記1本以外の他のテープが巻き付けられたリールの収納部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項5】
前記仕切部に、前記1本以外の他のテープを前記テープ走行経路入口に挿入する際に、そのテープ先端を側方から目視可能とする透視部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項6】
前記リールホルダを前記仕切部に対し着脱可能な係合関係による連結構造としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項7】
前記仕切部は、横方向からの荷重に対する可撓性を具備することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項8】
前記リールホルダに、1本のテープが巻き付けられたリールを円弧回転させて、リールの交換を可能とする可動のリールサポートを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項1】
電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、
各テープごとに個別に設けられたテープ走行経路入口は部品供給部におけるテープの順序と同じ配置で並んでいると同時に、各テープ走行経路入口は互いに上下にレイアウトされていることを特徴とする電子部品供給装置。
【請求項2】
前記テープ走行経路入口は互いに幅方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品供給装置。
【請求項3】
電子部品をパッケージングしたテープを並列に2本以上セットすることのできるテープ走行経路入口を備える電子部品供給装置において、
前記テープ走行経路入口に、1本のテープが巻き付けられたリールを保持するリールホルダを備えるとともに、
前記リールホルダに、前記テープ走行経路入口にテープを誤装着できないように並列に仕切る仕切部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品供給装置。
【請求項4】
当該電子部品供給装置の取付台に、前記1本以外の他のテープが巻き付けられたリールの収納部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項5】
前記仕切部に、前記1本以外の他のテープを前記テープ走行経路入口に挿入する際に、そのテープ先端を側方から目視可能とする透視部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項6】
前記リールホルダを前記仕切部に対し着脱可能な係合関係による連結構造としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項7】
前記仕切部は、横方向からの荷重に対する可撓性を具備することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項8】
前記リールホルダに、1本のテープが巻き付けられたリールを円弧回転させて、リールの交換を可能とする可動のリールサポートを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−248784(P2012−248784A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121442(P2011−121442)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
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