説明

電子部品実装装置

【課題】1回で電子部品複数枚分を金型部に搬送し、キャリアテープに搭載されている電子部品に不良品が含まれる場合であっても良品の電子部品を複数枚単位で仮圧着部へ搬送することのできる電子部品実装装置を提供する。
【解決手段】基板301に電子部品125を仮圧着する仮圧着部200と、仮圧着部へ電子部品を供給するリール供給部100とを有する電子部品実装装置において、リール供給部は、電子部品が搭載されたキャリアテープ120の1回の送りで、複数枚の電子部品を打ち抜くことのできる金型部103と、十字形状を有し、十字の各先端に複数枚の電子部品を吸着できるピックアップヘッド102−1,102−2を備えたピックアップアーム101とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等のディスプレイパネルやプリント基板に、ドライバIC回路を含む半導体装置等の電子部品を、異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いて実装する電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品実装装置においては、TAB(Tape Automated Bonding)テープやCOF(Chip on Film)テープ、TCP(Tape Carrier Package)テープ等のキャリアテープに搭載された電子部品を、金型を用いて打ち抜いて各種ディスプレイパネルやプリント基板等の基板に実装(仮圧着)している。電子部品実装装置については、例えば特許文献1に開示されている。また、キャリアテープについては、例えば特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−202877号公報
【特許文献2】特開2008−66605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子部品実装装置において電子部品供給に用いられるテープキャリアは、COFやTCP等の電子部品1枚当たりの外形サイズが小さくなっても、パーフォレーション基準で打ち抜く場合には無駄領域が増大するだけで、材料費の低減やリール交換頻度の低減による生産性の向上にならない。
【0005】
キャリアテープには搬送用の穴であるパーフォレーションが4.75mmピッチ(固定)で設けられており、電子部品の送り方向の寸法がこのピッチのN倍(N:整数)に納まる場合には、ガイドピンを用いてパーフォレーションピッチのN倍(Nピッチ)を1単位としてキャリアテープを送り、金型を用いて電子部品を1枚ずつ打ち抜く。しかしながら、電子部品の送り方向の寸法がNピッチの距離に一致することはまれである。そのため、キャリアテープに無駄領域が発生する。
【0006】
図12Aにキャリアープの一例を示す。キャリアテープ120には電子部品125が複数搭載されている。この例では、電子部品125が金型で打ち抜かれた後、パーフォレーション121が5個(N=5)単位でキャリアテープ120が送られる。この場合、電子部品125の寸法とキャリアテープ120送り量とが一致していないため、テープの無駄領域123が存在する。ここで、符号122は1回送りで打ち抜かれる領域を示す。
【0007】
一方、図12Bでは、上記無駄領域123をなくすように2枚の電子部品を詰め、2枚単位でパーフォレーション121のピッチのN倍以内となるように電子部品を配置している。ガイドピンを用いて1回のキャリアテープの送りで2枚の電子部品をそれぞれ打ち抜く(領域122の2枚)ことになるが、キャリアテープ120の無駄領域123は図12Aに示した構成に比べ大幅に減少していることが分かる。これにより、キャリアテープの使用量を低減することができる。なお、電子部品は2枚に限らず、複数枚とすることができる。
【0008】
特許文献1にはTAB型半導体装置(電子部品)を1枚ずつTCPテープから打ち抜く技術が開示されている。しかしながら、1回のキャリアテープ送りで2枚(複数枚)の電子部品をそれぞれ打ち抜く技術に関しては何ら記載されていない。
【0009】
特許文献2には、キャリアテープの無駄領域を低減する技術が開示されている。しかしながら、キャリアテープから2枚(複数枚)の電子部品を打ち抜く技術、打ち抜いた後の各電子部品の取り扱い手順、特に2枚(複数枚)の電子部品が良品と不良品との組み合わせになった場合の取り扱いに関して何ら開示されていない。
【0010】
本発明の目的は、1回で複数枚分の電子部品を金型部に搬送し、キャリアテープに搭載されている電子部品に不良品が含まれる場合であっても良品の電子部品を複数枚単位で仮圧着部へ搬送することのできる電子部品実装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための一形態として、ディスプレイパネルやプリント基板を搬送する基板搬送部と、前記ディスプレイパネルやプリント基板に電子部品を、異方性導電膜を介して仮圧着する仮圧着部と、前記仮圧着部へ電子部品を供給するリール供給部とを有する電子部品実装装置において、前記リール供給部は、前記電子部品が搭載されたキャリアテープ1回の送りで、複数枚の前記電子部品を打ち抜くことのできる金型部と、各先端部に複数枚の前記電子部品を吸着、保持できる複数のピックアップヘッドを備えたピックアップアームと、前記ピックアップアームを回転させる機構部と、を有することを特徴とする電子部品実装装置とする。
【0012】
また、基板を搬送する基板搬送部と、前記基板に電子部品を仮圧着する仮圧着部と、前記仮圧着部へ電子部品を供給するリール供給部とを有する電子部品実装装置において、前記リール供給部は、前記電子部品が搭載されたキャリアテープ1回の送りで、複数枚の前記電子部品を打ち抜くことのできる金型部と、複数枚の前記電子部品を吸着、保持できるピックアップヘッドを備え、前記電子部品を前記仮圧着部へ搬送するピックアップアームと、を有することを特徴とする電子部品実装装置とする。
【発明の効果】
【0013】
1回で複数枚分の電子部品を金型部に搬送し、キャリアテープに搭載されている電子部品に不良品が含まれる場合であっても、良品の電子部品を複数枚単位で仮圧着部へ搬送することのできる電子部品実装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施例に係る電子部品実装装置の概略平面図である。
【図2A】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品の動きを説明するための要部平面図である。
【図2B】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。
【図2C】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。
【図2D】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。
【図2E】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。
【図2F】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。
【図3A】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図3B】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図3C】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図3D】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図3E】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図3F】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図4A】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図4B】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図4C】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図4D】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図4E】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図4F】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【図5A】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部の要部概略側面図である。
【図5B】第1の実施例に係る電子部品実装装置の金型部の側面図である。
【図5C】第1の実施例に係る電子部品実装装置の金型部の側面図である。
【図6】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品の取り扱い手順を説明するための要部概略側面図である。
【図7A】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図7B】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図7C】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図7D】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図7E】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図7F】第1の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図8A】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図8B】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図8C】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図8D】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図9A】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図9B】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図9C】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図9D】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図10A】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図10B】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図10C】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図10D】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図10E】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図10F】第2の実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目))の他の動きを説明するための要部平面図である。
【図11A】第3の実施例に係る電子部品実装装置の他の金型部の例を示す概略側面図である。
【図11B】第3の実施例に係る電子部品実装装置の他の金型押上げ部の例を示す概略側面図である。
【図12A】キャリアテープの1例を示す概略平面図である。
【図12B】キャリアテープの他の例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施例にて説明する。
【実施例1】
【0016】
第1の実施例について図1〜図7Fを用いて説明する。図1は、本実施例に係る電子部品実装装置の概略平面図である。
【0017】
図1を用いて電子部品実装装置の動作の概略を説明する。電子部品実装装置はリール供給部100、仮圧着部200、基板搬送部300を備えている。電子部品125が搭載されたキャリアテープ120は、リール供給部100に配置されたキャリアテープ用リール106から金型部103へリール回転用モータ107とピッチ送りモータ190−1、190−2とを用いて供給される。ピッチ送りモータは打抜き位置に合うようにキャリアテープを所定量送り、それにあわせてリール回転用モータはキャリアテープを送り出す。図1においてキャリアテープ用リール106が2巻記載されているが、一方は他方が使い切ったときの予備(バックアップ)である。本実施例では右側のリールを用い、他方をバックアップリールとする。
【0018】
金型部103で打ち抜かれた2枚の良品の電子部品は、ピックアップアーム101の先端部に設けられたピックアップヘッド102−1、102−2によりそれぞれ吸着、保持される。引き続き、ピックアップアーム101が水平方向に回転することにより仮圧着部200へ搬送される。
【0019】
なお、符号104は良品の電子部品仮置きトレー、符号105−1、105−2は不良の電子部品を廃棄する箱(ゴミ箱)、符号110は処理台である。2枚の電子部品が不良品を含む場合、2枚とも不良品の場合のリール供給部100における電子部品125の取り扱い手順については後述する。
【0020】
電子部品125がピックアップヘッド102に吸着、保持された状態で仮圧着部200に搬送されると、レール204上を部材搬送シャトル201がピックアップヘッド102の下まで水平方向に移動し、電子部品125がピックアップヘッド102から部材搬送シャトルへ201へと受け渡される。
【0021】
次に、部材搬送シャトル201はレール204を水平移動し、反転シャトル202が待機している場所まで電子部品125を搬送する。搬送された電子部品125は、反転シャトル202の電子部品ピックアップ202−1に吸着される。次に、電子部品ピックアップ202−1を支持するアーム部を垂直方向に半回転させ、電子部品125の表裏を反転させた状態で搭載ヘッド203へ受け渡す。
【0022】
なお、反転シャトル202のアーム部を半回転させることにより、上向きであった電子部品125の電極が下向きとなり、基板搬送部300で搬送されてきたガラス基板301の上向きの電極と対向可能な状態となる。
【0023】
また、反転シャトル202から搭載ヘッド203への電子部品の受け渡しに際し、一方を、又は双方を互いに適当な位置までレール204上を水平方向に移動させることができる。部材搬送シャトル201、反転シャトル202、搭載ヘッド203の位置関係の制御は、制御部(図示せず)により行なわれる。
【0024】
電子部品125を受け取った搭載ヘッド203は、電子部品125を仮圧着するガラス基板301の周辺部(処理辺)の予定領域まで移動させる。電子部品125とガラス基板301とのアライメントを行なった後、所定の加圧力を電子部品に作用させ、ACFを介して電子部品125とガラス基板301との仮圧着が行なわれる。なお、図1においてガラス基板301の左右に記載された矢印はガラス基板の移動方向を示す。
【0025】
次に、リール供給部におけるキャリアテープの動きについて説明する。図5Aは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部の要部概略側面図である。図5B、図5Cは、本実施例に係る電子部品実装装置の金型部の側面図である。
【0026】
図5Aに示すように、電子部品が搭載されたキャリアテープ120は、キャリアテープ用リール106からローラ108、送りパーフォレンシャルギヤ109−1、金型部103を経て巻き取りパーフォレンシャルギヤ109−2で送られる。符号136はキャリアテープの動きを示す。
【0027】
金型部103は、図5Bに示すように、2枚の電子部品125を打ち抜けるような構造を有する金型オス111、金型メス111−3、キャリアテープ120用のガイドピン112、2枚の電子部品125を吸着、保持するためのピックアップヘッド102−1、102−2が配置されている。なお、符号113は金型が上に押し上げられたときに元の位置に押し戻すためのバネを示す。
【0028】
電子部品125は、キャリアテープ120をガイドピンで位置決め固定した状態で、金型メス111−3に向けて金型オス111を押し上げることによりキャリアテープ120から打ち抜かれる(図5C)。符号135は金型オス111の動きを示す。打ち抜かれた2枚の電子部品は、下降してきたピックアップヘッド102−1,102−2により吸着、保持される。金型オス111が下降し、また電子部品がピックアップヘッドにより搬送されると、キャリアテープが移動し、次の2枚分の電子部品が金型オス111の上部まで送られる。電子部品実装装置が稼働中はこれら動作が繰り返される。
【0029】
なお、不良品の有無やキャリアテープ上での位置は不良品であることを示すバッドマークをセンサで検出することにより事前に確認することができ、金型部に送られてきた電子部品が2枚とも不良品の場合には打ち抜くことはせずスルーさせ、次の2枚が金型部へ送られる。
【0030】
次に、金型部103で打ち抜かれた電子部品のリール供給部100での動きについて説明する。図2A〜図2Fは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。打ち抜かれた電子部品が2枚とも良品である場合、図2Aに示されるようにピックアップアーム101−1の先端に設けられたピックアップヘッド102−1、102−2に吸着、保持された電子部品125−1は、半時計方向に四分の一回転だけ水平方向に移動する(図2B)。この状態で、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッドに2枚の電子部品を吸着、保持する。
【0031】
次に、ピックアップアームを同じように四分の一回転し、ピックアップアーム101−3のピックアップヘッドに2枚の電子部品を吸着、保持する(図2C)。同様の動作を再度繰り返すことにより、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1、102−2に吸着されていた電子部品125−1が仮圧着部200へ搬送される(図2D)。仮圧着部200へ搬送された電子部品の動きは先に述べた通りである。
【0032】
更にピックアップアームを同様に四分の一回転することにより(図2E)、空になったピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1、102−2へ電子部品が吸着、保持される。このとき、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッドに吸着、保持されていた電子部品が仮圧着部へ搬送される。
【0033】
更にピックアップアームを同様に四分の一回転することにより(図2F)、空になったピックアップアーム101−2のピックアップヘッド102−1、102−2へ電子部品が吸着、保持される。このとき、ピックアップアーム101−3のピックアップヘッドに吸着、保持されていた電子部品が仮圧着部へ搬送される。キャリアテープに搭載されている電子部品が良品である場合には、上記の動きが繰り返される。
【0034】
次に、2枚の電子部品に不良品が含まれる場合の電子部品の動きについて説明する。
【0035】
図3A〜図3Fは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目、一般に奇数回目))の動きを説明するための要部平面図である。なお、不良品の有無やキャリアテープ上での位置は不良品であることを示すバッドマークをセンサで検出することにより事前に確認することができる。
【0036】
図3Aはピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1,102−2に良品の電子部品125−1が吸着、保持され、次の打ち抜き電子部品2枚の内の1枚が不良品である状態を示す。ピックアップアームが半時計方向に四分の一回転することにより、ピックアップアーム101−2の先端のピックアップヘッド102−1に不良品の電子部品125−2が、ピックアップヘッド102−2に良品の電子部品125−1が吸着、保持される(図3B)。
【0037】
ピックアップアームが同方向に更に四分の一回転すると(図3C)、良品の電子部品125−1を仮置きする仮置きトレー104と、不良品の電子部品125−2を廃棄するゴミ箱が取り付けられた処理台110がピックアップヘッドの下に移動してくる。不良品の電子部品125−2をゴミ箱105−1へ廃棄し、良品の電子部品125−1は仮置きトレー104へ仮置きする。その結果、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッドには電子部品は未吸着となる。
【0038】
処理台110をピックアップヘッドの下から移動後、ピックアップアームを同方向に四分の一回転すると図3Dに示した状態に、更に同方向に四分の一回転すると図3Eの状態となる(なお、廃棄された不良品の電子部品は、廃棄時を除き図示せず)。このとき、ピックアップアーム101−2が仮圧着部200の領域に配置されるが、電子部品がないため電子部品の受け渡しは行なわれない。
【0039】
ピックアップアームを更に同方向に四分の一回転することにより図3Fの状態になる。引き続き打ち抜かれる電子部品が良品の場合には、良品が仮置きトレー104に仮置きされた状態で2枚とも良品の場合の動作が繰り返される。
【0040】
図3Cで示した状態に関し、図6(a)〜図6(e)を用いて更に説明する。なお、図6の各図は、図3を紙面に平行に上側から見た処理部近傍の側面図を示す。
【0041】
図6(a)はピックアップヘッドに電子部品が未吸着の状態を示す。図6(b)はピックアップヘッド102−1に不良品の電子部品125−2が、ピックアップヘッド102−1に良品の電子部品125−1が吸着、保持されている状態である。この場合には、不良品の電子部品125−2を吸着しているピックアップヘッド102−1の吸着が解除され、不良品の電子部品125−2はゴミ箱105−1へ落下する(図6(c))。符号131は不良品の電子部品の動きを示す。
【0042】
一方、良品の電子部品125−1はピックアップヘッドが仮置きトレー104の直上まで下降し、吸引している仮置きトレーに良品の電子部品125−1を受け渡し(図6(d))、ピックアップヘッドの吸着を解除してもとの高さまで戻る(図6(e))。良品の電子部品は仮置きトレーに吸着、保持されており、位置ずれはほとんどない。
【0043】
なお、不良品の廃棄は図6(d)のタイミングで行なってもよい。また、仮置きトレーでの電子部品の吸引のタイミングやピックアップヘッド102−2の吸着解除のタイミングは電子部品が仮置きできればよく、電子部品がトレーに置かれる前の開始でも置かれてからの開始でも構わない。
【0044】
次に、良品が仮置きトレー104に置かれた状態で、良品と不良品の電子部品が搬送される場合について図4A〜図4Fを用いて説明する。
【0045】
図4A〜図4Fは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目、一般に遇数回目))の動きを説明するための要部平面図である。図4Aは仮置きトレー104に良品の電子部品125−1が仮置きされ、キャリアテープ120に搭載された不良品の電子部品125−2が金型部103に搬送される直前の図を示す。
【0046】
次に、ピックアップアームが反時計方向に四分の一回転すると、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッド102−1に良品の電子部品125−1が、ピックアップヘッド102−2に不良品の電子部品125−2が吸着、保持される(図4B)。
【0047】
ピックアップアームが同方向に更に四分の一回転すると、良品の電子部品125−1を仮置きするトレー104と、不良品の電子部品125−2を廃棄するゴミ箱が取り付けられた処理台110がピックアップヘッドの下に移動してくる(図4C)。不良品の電子部品125−2をゴミ箱105−2へ廃棄し、仮置きトレーに仮置きされていた良品の電子部品125−1が、不良品の電子部品の代わりにピックアップヘッド102−2に吸着、保持される(図4D)。
【0048】
処理台110をピックアップヘッドの下から移動後、ピックアップアームを同方向に四分の一回転すると図4Eに示した状態に、更に同方向に四分の一回転すると図4Fの状態となる。このとき、ピックアップアーム101−2が仮圧着部200の領域に配置され、仮置きトレーに仮置きされていた電子部品を含む電子部品が部材搬送シャトル201に受け渡される。引き続き打ち抜かれる電子部品が良品の場合には、2枚とも良品の場合の動作が繰り返される。
【0049】
図4Cおよび図4Dで示した状態に関し、図6(f)〜図6(j)を用いて更に説明する。なお、図6の各図は、図4を紙面に平行に上側から見た処理部近傍の側面図を示す。図6(f)は、仮置きトレー104に既に良品の電子部品125−1が仮置きされているところへ、ピックアップヘッド102−1に良品の電子部品125−1、ピックアップヘッド102−2に不良品の電子部品125−2が吸着、保持されたピックアップアームが回転移動するとともに、処理台110がピックアップヘッドの下へ移動してきた状態を示す。
【0050】
次に、ピックアップヘッド102−2に吸着、保持されていた不良品の電子部品125−2が吸着解除され、ゴミ箱105−2へ廃棄される(図6(g))。次に、ピックアップヘッドは固定された状態で仮置きトレー104に仮置きされていた良品の電子部品125−1がピックアップヘッド102−2の下になるように処理台110が移動する(図6(h))。
【0051】
次に、ピックアップヘッド102−2が仮置きトレー104に向かって下降し、仮置きトレーに吸引されながら仮置きされていた良品の電子部品125−1を吸着する(図6(i))。仮置きトレー104による吸引解除後、良品の電子部品125−1が吸着、保持されたピックアップヘッドは元の位置へ上昇する。その後、ピックアップアームは回転移動する。符号132はピックアップヘッドの動き、符号133は処理台の動き、符号134はピックアップアームの動きを示す。
【0052】
図6(ff)〜図6(jj)は、図4Cにおいてピックアップヘッド102−1に不良品の電子部品が、ピックアップヘッド102−2に良品の電子部品が吸着、保持されたときの各部分の動きを示す。この場合には、ピックアップヘッド102−1の不良品の電子部品125−2をゴミ箱105−1へ廃棄し、仮置きトレー104に吸引仮置きされていた良品の電子部品をピックアップヘッド102−1で吸引、保持する。なお、ピックアップヘッド102−1に吸着、保持していた不良の電子部品をゴミ箱105−2に廃棄することもできる。
【0053】
次に、ゴミ箱105を処理台110に取り付けるのではなく、処理台110と金型部103との間の搬送経路上に配置した例について図7A〜図7Fを用いて説明する。図7Aは、仮置きトレー104に良品の電子部品が仮置きされ、キャリアテープ120に搭載された不良品の電子部品125−2が金型部103に搬送される直前の図を示す。
【0054】
次に、ピックアップアームが反時計方向に四分の一回転すると、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッド102−1に良品の電子部品125−1が、ピックアップヘッド102−2に不良品の電子部品125−2が吸着、保持される(図7B)。
【0055】
ピックアップアームが同方向に更に四分の一回転する途中で不良品の電子部品125−2はゴミ箱105に廃棄される。四分の一回転したところで仮置きされていた良品の電子部品125−1がピックアップヘッド102−2の下に移動するように処理台を移動させ、良品の電子部品125−1をピックアップヘッド102−2に吸着、保持させる(図7C)。
【0056】
処理台110をピックアップヘッドの下から移動後、ピックアップアームを同方向に四分の一回転すると図7Dに示した状態に、更に同方向に四分の一回転すると図7Eの状態となる。このとき、ピックアップアーム101−2が仮圧着部200の領域に配置され、仮置きトレーに仮置きされていた電子部品を含む電子部品が部材搬送シャトル201に受け渡される。更に同方向に四分の一回転すると図7Fの状態となる。引き続き打ち抜かれる電子部品が良品の場合には、2枚とも良品の場合の動作が繰り返される。
【0057】
ゴミ箱を金型部と処理台配置部との間に配置することにより、処理台においてピックアップヘッドでの不良品の電子部品と良品の電子部品との持ち替えの待ち時間が不要となる。
【0058】
これまでの説明は、図1において右側のリールから供給されるキャリアテープを用いる場合を示したが、右側のリールのキャリアテープを使い切り、バックアップ用の左側のリールを使う場合には、ピックアップアームを時計方向に回転させればよい。この場合、図7A〜図7Fで説明したゴミ箱105は縦方向のピックアップアームを中心にして左側の対称の位置に設置すればよい。
【0059】
なお、リール供給部を構成するピックアップアーム、金型部、処理台等の制御、キャリアテープの送り、ピックアップヘッドや仮置きトレーでの吸着のオン、オフ等の制御は制御部(図示せず)により行なわれる。
【0060】
以上、本実施例によれば、1回で電子部品2枚分を金型部に搬送し、キャリアテープに搭載されている電子部品に不良品が含まれる場合であっても良品の電子部品を2枚単位で仮圧着部へ搬送することのできる電子部品実装装置を提供することができる。また、シーケンスが一定であり、ピックアップアームのタクトが伸びない。また、不良品の電子部品を良品の電子部品を仮置きするトレーが取り付けられた処理部と金型部との間にゴミ箱を配置することにより、処理台においてピックアップヘッドでの不良品の電子部品と良品の電子部品との持ち替えの待ち時間が不要となる。
【実施例2】
【0061】
第2の実施例について図8A〜図10Fを用いて説明する。なお、実施例1に記載され、本実施例に未記載の事項は実施例1と同様である。
【0062】
本実施例ではピックアップアームの動きが実施例1とは異なる。図8A〜図8Dは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(2枚とも良品)の動きを説明するための要部平面図である。打ち抜かれた電子部品が2枚とも良品である場合、図8Aに示されるようにピックアップアーム101−1の先端に設けられたピックアップヘッド102−1、102−2に吸着、保持された電子部品125−1は、時計方向に四分の一回転だけ水平方向に移動する(図8B)。
【0063】
この際、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1、102−2に吸着されていた電子部品125−1が仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送される(図8B)。仮圧着部200へ搬送された電子部品の動きは実施例1で述べた通りである。一方、ピックアップアーム101−4のピックアップヘッドは、2枚の電子部品を吸着、保持する。
【0064】
次に、ピックアップアームを同じように四分の一回転することにより、図8Cに示すようにピックアップアーム101−4のピックアップヘッドに吸着されていた電子部品125−1が仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送される。一方、ピックアップアーム101−3のピックアップヘッドは2枚の電子部品を吸着、保持する。
【0065】
次に、ピックアップアームを同じように四分の一回転することにより、図8Dで示すように、ピックアップアーム101−3のピックアップヘッドに吸着されていた電子部品125−1は仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送され、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッドは2枚の電子部品を吸着、保持する。
【0066】
キャリアテープに搭載されている電子部品が良品である場合には、上記の動きが繰り返される。
【0067】
次に、2枚の電子部品に不良品が含まれる場合の電子部品の動きについて説明する。図9A〜図9Dは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(1回目、一般に奇数回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【0068】
図9Aはピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1,102−2に良品の電子部品125−1が吸着、保持され、次の打ち抜き電子部品2枚の内の1枚が不良品である状態を示す。ピックアップアームが時計方向に四分の一回転することにより、ピックアップアーム101−4の先端のピックアップヘッド102−1に不良品の電子部品125−2が、ピックアップヘッド102−2に良品の電子部品125−1が吸着、保持される(図9B)。
【0069】
不良品の電子部品125−2が吸着、保持された場合には、ピックアップアームは反時計方向に四分の一回転し、ピックアップアーム101−4をゴミ箱105−1、105−2及び仮置きトレーが取り付けられた処理台110の方へ電子部品を搬送する(図9C)。この状態で、不良品の電子部品125−2はゴミ箱105−1へ廃棄され、良品の電子部品125−1は仮置きトレーに仮置きされる。一方、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1、102−2は良品の電子部品125−1を吸着、保持する。
【0070】
なお、ピックアップヘッド102−2のピックアップヘッドには電子部品が未吸着のため、仮圧着部への電子部品の搬送は行なわれない。
【0071】
ピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1、102−2は良品の電子部品125−1を吸着、保持しているので、ピックアップアームは時計方向へ四分の一回転され、図9Dに示されるように、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッドに吸着されていた電子部品125−1は仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送され、ピックアップアーム101−4のピックアップヘッドは2枚の電子部品を吸着、保持する。キャリアテープに搭載されている電子部品が良品である場合には、時計方向への四分の一回転の動きが繰り返される。
【0072】
次に、良品が仮置きトレー104に置かれた状態で、良品と不良品の電子部品が搬送される場合について図10A〜図10Fを用いて説明する。図10A〜図10Fは、本実施例に係る電子部品実装装置のリール供給部における電子部品(良品+不良品(2回目、一般に遇数回目))の動きを説明するための要部平面図である。
【0073】
図10Aは仮置きトレー104に良品の電子部品125−1が仮置きされ、キャリアテープ120に搭載された不良品の電子部品125−2が金型部103に搬送される直前の図を示す。
【0074】
次に、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッドに吸着、保持されている電子部品は良品であるため、ピックアップアームは時計方向に四分の一回転する(図10B)。この場合、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッドに吸着、保持されていた電子部品は仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送され、ピックアップアーム101−4のピックアップヘッド102−1に不良品の電子部品125−2が、ピックアップヘッド102−2に良品の電子部品125−1が吸着、保持される。
【0075】
不良品の電子部品125−2が吸着、保持されたため、ピックアップアームは反時計方向に四分の一回転し、ピックアップアーム101−4をゴミ箱105−1、105−2及び仮置きトレーが取り付けられた処理台110の方へ電子部品を搬送する(図10C)。この状態で、不良品の電子部品125−2はゴミ箱105−1へ廃棄される。一方、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッド102−1、102−2は良品の電子部品125−1を吸着、保持する。
【0076】
なお、ピックアップアーム101−2のピックアップヘッドには電子部品が未吸着のため、仮圧着部への電子部品の搬送は行なわれない。仮置きされていた良品の電子部品125−1がピックアップアーム101−4のピックアップヘッド102−1に吸着、保持された様子を図10Dに示す。
【0077】
次に、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッドに吸着、保持されている電子部品は良品であるため、ピックアップアームは時計方向に四分の一回転する(図10E)。この場合、ピックアップアーム101−1のピックアップヘッドに吸着、保持されていた電子部品は仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送される。一方、金型部3の上部へ移動してきたピックアップアーム101−4のピックアップヘッドには既に電子部品が吸着、保持されているため、金型部103の動作は一旦停止となる。
【0078】
次に、ピックアップアーム101−4のピックアップヘッドには良品の電子部品が吸着、保持されているため、ピックアップアームは時計方向へ回転する(図10F)。ピックアップアーム101−4のピックアップヘッドに吸着、保持されていた電子部品は仮圧着部の部材搬送シャトル201へ搬送される。一方、ピックアップアーム101−3のピックアップヘッドは2枚の電子部品を吸着、保持する。
【0079】
キャリアテープに搭載されている電子部品が良品である場合には、時計方向への四分の一回転の動きが繰り返される。
【0080】
これまでの説明は、図1において右側のリールから供給されるキャリアテープを用いる場合を示したが、右側のリールのキャリアテープを使い切り、バックアップ用の左側のリールを使う場合には、良品の電子部品のみの場合にはピックアップアームを反時計方向に回転させ、不良品の電子部品を含む場合には時計方向に回転させればよい。
【0081】
なお、リール供給部を構成するピックアップアーム、金型部、処理台等の制御、キャリアテープの送り、ピックアップヘッドや仮置きトレーでの吸着のオン、オフ等の制御は制御部(図示せず)により行なわれる。
【0082】
以上、本実施例によれば、1回で電子部品2枚分を金型部に搬送し、キャリアテープに搭載されている電子部品に不良品が含まれる場合であっても良品の電子部品を2枚単位で仮圧着部へ搬送することのできる電子部品実装装置を提供することができる。また、2枚とも良品の電子部品の場合、ピックアップアームを時計方向に回転させることにより、打ち抜かれた電子部品は速やかに仮圧着部へ搬送されるため、電子部品がピックアップアーム上で待機することがなく、例えば、キャリアテープが終了して装置を停止する場合であっても端数が残らない。このため、キャリアテープに搭載する電子部品の品種変更を容易に行なうこともできる。
【実施例3】
【0083】
第3の実施例について図11A、図11Bを用いて説明する。なお、実施例1や実施例2に記載され、本実施例に未記載の事項はそれらと同様である。
【0084】
実施例1、2では金型オスを押し上げる駆動部は1つであったが、本実施例では駆動部を2つ設け、2枚の電子部品をそれぞれ1枚ずつ打ち抜ける構造とした。図11A、図11Bは、本実施例に係る電子部品実装装置の金型部の例を示す概略側面図である。
【0085】
図11A、図11Bに示した構造と、図5B、図5Cとの違いは、金型オス111を2つ(111−1、111−2)に分け、それぞれを押し上げる駆動部を個別に設けた点にある。駆動部が1つの場合には、必ず2枚の電子部品が打ち抜かれる。そのため、不良品の電子部品も一旦はピックアップヘッドに吸着されてしまった。そのため、廃棄する必要が生じた。
【0086】
本実施例に係る金型部を用いることにより、(1)不良品の電子部品を打ち抜かないことにより、不良品の廃棄の処理が不要となる。具体的には、実施例1の図3C、図4C、図7C、および実施例2の図9C、図10Cで示した工程での不良品の電子部品の廃棄処理が不要となる。それに伴い(2)高速動作が可能となる、(3)ゴミのカサを低減できる。
【0087】
なお、これまで実施例においてピックアップアームの腕の数を4本としたが、これに限らない。例えば、4本の腕の内3本を削除し、1本としても、2枚とも良品の場合には直接仮圧着部へ搬送し、2枚の内1枚が不良品の場合には良品1枚のみピックアップアームにより仮置きトレーに運搬(1回目(一般に奇数回目))し、また、仮置きトレーから受け取り(2回目(一般に偶数回目))仮圧着部へ搬送することができる。
【0088】
また、4本の腕の内1本あるいは2本を削除することもできる。この場合、仮圧着部に近い方の腕を2枚良品専用、遠い方を1枚良品専用とし、2枚良品と1枚良品とでピックアップアームの回転方向を変える(実施例2)ことによりピックアップアームを効率よく動作させることができる。また、5本以上であってもよい。言うまでもないが、金型オスを押し上げる駆動部が1つであっても腕の数を変えることができる。
【0089】
リール供給部を構成するピックアップアーム、金型部、処理台等の制御、キャリアテープの送り、ピックアップヘッドや仮置きトレーでの吸着のオン、オフ等の制御は制御部(図示せず)により行なわれる。
【0090】
以上、本実施例によれば、1回で電子部品2枚分を金型部に搬送し、キャリアテープに搭載されている電子部品に不良品が含まれる場合であっても良品の電子部品を2枚単位で仮圧着部へ搬送することのできる電子部品実装装置を提供することができる。また、不良品の電子部品を打ち抜かないことにより、不良品の廃棄処理が不要となり、高速動作が可能な電子部品実装装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0091】
100…リール供給部、101、101-1、101−2、101−3、101−4…ピックアップアーム、102、102−1、102−2…ピックアップヘッド、103…金型部、104…電子部品(良品)の仮置きトレー、105、105−1、105−2…電子部品(不良品)のゴミ箱、106…キャリアテープ用リール、107…リール回転用モータ、108…ローラ、109−1…送りパーフォレンシャルギヤ、109−2…巻き取りパーフォレンシャルギヤ、110…処理台、111、111−1、111−2…金型オス、111−3…金型メス、112…ガイドピン、113…バネ、120…キャリアテープ、121…パーフォレーション、122…一回送りで打ち抜かれる領域、123…無駄領域、125…電子部品、125−1…電子部品(良品)、125−2…電子部品(不良品)、131…不良品の動き、132…ピックアップヘッドの動き、133…処理台の動き、134…ピックアップアームの動き、135…金型オスの動き、136…キャリアテープの動き、190−1、190−2…ピッチ送りモータ、200…仮圧着部、201…部材搬送シャトル、202…反転シャトル、202−1…電子部品ピックアップ、203…搭載ヘッド、204…レール、300…基板搬送部、301…ガラス基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルやプリント基板を搬送する基板搬送部と、前記ディスプレイパネルやプリント基板に電子部品を、異方性導電膜を介して仮圧着する仮圧着部と、前記仮圧着部へ電子部品を供給するリール供給部とを有する電子部品実装装置において、
前記リール供給部は、
前記電子部品が搭載されたキャリアテープ1回の送りで、複数枚の前記電子部品を打ち抜くことのできる金型部と、
各先端部に複数枚の前記電子部品を吸着、保持できる複数のピックアップヘッドを備えたピックアップアームと、
前記ピックアップアームを回転させる機構部と、を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
請求項1記載の電子部品実装装置において、
前記仮圧着部への前記電子部品の供給は、前記金型部で前記電子部品を吸着、保持した前記ピックアップアームを回転することにより行われるものであることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子部品実装装置において、
前記リール供給部は、前記ピックアップアームの回転軸を中心として、前記仮圧着部側と別に良品の電子部品を仮置きする仮置きトレーを備えた処理台を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項4】
請求項3記載の電子部品実装装置において、
前記処理台は、不良品の電子部品を廃棄する箱を更に有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項5】
請求項3記載の電子部品実装装置において、
前記処理台と前記金型部との間の前記電子部品搬送路には、不良品の電子部品を廃棄する箱を更に有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項6】
請求項1乃至5記載の電子部品実装装置において、
前記金型部は、搬送されてきた電子部品の複数枚全てが不良品の場合には打ち抜かずスルーさせるものであることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子部品実装装置において、
前記リール供給部から前記仮圧着部への前記電子部品の供給は、前記ピックアップアームを一定方向回転することにより行なわれるものであることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子部品実装装置において、
前記金型部で吸着、保持した電子部品が、良品だけの場合と不良品が含まれる場合とで前記ピックアップアームの回転方向が異なるものであることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子部品実装装置において、
前記金型部は、複数枚の前記電子部品をそれぞれ打ち抜く個別の駆動部を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項10】
基板を搬送する基板搬送部と、前記基板に電子部品を仮圧着する仮圧着部と、前記仮圧着部へ電子部品を供給するリール供給部とを有する電子部品実装装置において、
前記リール供給部は、
前記電子部品が搭載されたキャリアテープ1回の送りで、複数枚の前記電子部品を打ち抜くことのできる金型部と、
複数枚の前記電子部品を吸着、保持できるピックアップヘッドを備え、前記電子部品を前記仮圧着部へ搬送するピックアップアームと、を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項11】
請求項10記載の電子部品実装装置において、
前記金型部は、複数枚の前記電子部品をそれぞれ打ち抜く個別の駆動部を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項12】
請求項11記載の電子部品実装装置において、
個別の前記駆動部は、前記金型部に送られてきた前記電子部品が良品であるときに駆動するものであることを特徴とする電子部品実装装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2011−35178(P2011−35178A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180291(P2009−180291)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】