説明

電子部品用測定冶具

【課題】 製造が容易で、壊れにくい電子部品用測定冶具を提供する。
【解決手段】 本発明の電子部品用測定冶具100は、絶縁基板1と、金属箔2と、ソルダーレジスト膜3と、複数の金属端子7を備え、ソルダーレジスト膜3は、ソルダーレジスト膜非形成部4aを有し、金属端子7は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部7aを金属箔2の形成されていない絶縁基板1上に延出させた状態で、金属箔2のソルダーレジスト膜非形成部4aにはんだ付けされ、金属箔2の厚みXが、金属端子7の厚みYに対し、X≧0.5Yの関係になるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品用測定冶具に関し、更に詳しくは、製造が容易で、壊れにくい電子部品用測定冶具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器、電子機器などの発達にともない、種々の電子部品が開発され、大量に製造され、使用されている。この電子部品は、本来、全てが良品として製造されることが理想的であるが、種々の原因により、不良品が発生してしまうことがある。そして、不良品の電子部品を電気機器や電子機器に使用すると、電気機器や電子機器が不良品になってしまうため、製造された電子部品の特性を測定し、不良品を発見し、使用しない(廃棄等する)ことが重要である。
【0003】
製造された電子部品の特性を測定する電子部品用測定冶具として、例えば、特許文献1(特開2000‐356650号公報)に開示されたものがある。この電子部品用測定冶具は、絶縁基板上に複数の測定電極を形成し、その上に垂直方向にのみ導電性を発現する異方導電ゴムシートを敷き、その上に電子部品を載せて特性を測定するようにしている。すなわち、絶縁基板に形成された各測定電極の直上に、電子部品の各端子電極が位置するように電子部品を配置し、異方導電ゴムシートを介して測定電極と端子電極との導通を図り、特性を測定するようにしている。異方導電ゴムシートを利用するのは、測定の際に電子部品の端子電極が損傷することを防止したり、測定電極と端子電極間の接触をより確実にしたりすることなどが目的であると考えられる。
【0004】
しかしながら、この異方導電ゴムシートを利用する電子部品用測定冶具は、電子部品の特性を一定回数繰り返して測定すると異方導電ゴムシートが磨耗してしまうため、定期的に異方導電ゴムシートを交換しなければならず、コスト負担が大きい、維持管理に手間がかかるといった問題があった。
【0005】
そこで、別の電子部品用測定冶具として、図5(A)〜(C)に示すものが利用されている。なお、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)の矢印S‐S部分の断面図、図5(C)は図5(B)に測定される電子部品を加えた断面図である。
【0006】
この従来の電子部品用測定冶具500は、絶縁基板101の主面に1対の銅箔102が形成され、絶縁基板101及び銅箔102の上にソルダーレジスト膜103が形成されている。なお、図5(A)においては、銅箔102は、周縁がソルダーレジスト膜103に覆われて隠れているため破線で示している。
【0007】
ソルダーレジスト膜103は、それぞれの銅箔102の上において、ソルダーレジスト膜非形成部104a及び104bを有している。
【0008】
ソルダーレジスト膜非形成部104aから露出した銅箔102には、はんだ105aにより、スペーサ用金属片106が取り付けられている。そして、更に、スペーサ用金属片106には、はんだ105bにより、金属端子107が取り付けられている。金属端子107は、先端に、測定される電子部品108の端子電極108aが当接する当接部107aを備えている。
【0009】
スペーサ用金属片106は、金属端子107の当接部107aに電子部品108の端子電極108aが当接して、金属端子107の先端が下側に撓んだ際に、金属端子107の先端が絶縁基板101上のソルダーレジスト膜103に接触することがないように、嵩上げのために設けられたものである。
【0010】
なお、ソルダーレジスト膜非形成部104bは、測定装置などに接続されたリード線(図示せず)を、銅箔102に接続するために設けられたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000‐356650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した、図5(A)〜(C)に示した従来の電子部品用測定冶具500は、銅箔102の上に、スペーサ用金属片106をはんだ105aにより取り付け、更にその上に、金属端子107をはんだ105bにより取り付けているため、製造が煩雑で、しかも製造が難しいという問題があった。また、使用中に、電子部品108の端子電極108aが金属端子107の当接部107aを強く押しつけてしまうと、スペーサ用金属片106や金属端子107が取れてしまい、壊れやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述した、図5(A)〜(C)に示した従来の電子部品用測定冶具500の問題点を解消するためになされたものである。その手段として、請求項1にかかる本発明の電子部品用測定冶具は、絶縁基板と、絶縁基板に部分的に形成された金属箔と、絶縁基板及び金属箔の上に形成されたソルダーレジスト膜と、複数の金属端子を備え、ソルダーレジスト膜は、少なくとも金属箔の上に、ソルダーレジスト膜非形成部を有し、金属端子は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を金属箔の形成されていない絶縁基板上に延出させた状態で、金属箔のソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされ、金属箔の厚みXは、金属端子の厚みYに対し、X≧0.5Yの関係になるようにした。
【0014】
また、請求項2にかかる本発明の電子部品用測定冶具は、絶縁基板と、絶縁基板に部分的に形成された金属箔と、絶縁基板及び金属箔の上に形成されたソルダーレジスト膜と、複数の金属端子を備え、ソルダーレジスト膜は、少なくとも金属箔の上に、ソルダーレジスト膜非形成部を有し、金属端子は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を金属箔の形成されていない絶縁基板上に延出させた状態で、金属箔の前記ソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされ、金属箔の厚みXが、50μm以上になるようにした。
【0015】
更に、請求項3にかかる本発明の電子部品用測定冶具は、絶縁基板と、絶縁基板に部分的に形成された金属箔と、絶縁基板及び金属箔の上に形成されたソルダーレジスト膜と、複数の金属端子を備え、ソルダーレジスト膜は、絶縁基板及び金属箔の上に、それぞれソルダーレジスト膜非形成部を有し、金属端子は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を金属箔の形成されていない絶縁基板上に延出させた状態で、金属箔のソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされ、絶縁基板の、金属端子の先端が延出された部分に、ソルダーレジスト膜非形成部が設けられるようにした。
【0016】
なお、金属箔としては、例えば銅箔を用いることができる。銅箔は種々の種類のものが汎用品として大量かつ安価に市場に流通しているため、この場合には、電子部品用測定冶具を安価に作製することができる。
【0017】
また、金属端子の材質としては、例えばベリリウム銅を用いることができる。この場合には、金属端子のバネ性が優れ、かつ耐久性も向上する。
【0018】
なお、金属端子とは別に、第2金属端子を備え、第2金属端子の厚みZは、金属端子の厚みYよりも小さく、第2金属端子が、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を含めて、金属箔のソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされるようにしても良い。この場合には、複数の第2金属端子間を、絶縁基板上に形成された金属箔で電気的に接続することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電子部品用測定冶具は、金属端子が単板からなり、スペーサ用金属片を介することなく、直接に金属箔に取り付けられた構造からなるため、製造が容易である。また、使用中に大きな力が加わっても、金属端子が金属箔から取れにくく、壊れにくい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電子部品用測定冶具100を示し、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)の矢印T‐T部分の断面図、図1(C)は図1(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる電子部品用測定冶具200を示し、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)の矢印U‐U部分の断面図、図2(C)は図2(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかる電子部品用測定冶具300を示し、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)の矢印V‐V部分の断面図、図3(C)は図3(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかる電子部品用測定冶具400を示し、図4(A)は平面図、図4(B)は図4(A)の矢印W‐W部分の断面図、図4(C)は図4(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【図5】従来の電子部品用測定冶具500を示し、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)の矢印S‐S部分の断面図、図5(C)は図5(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1(A)〜(C)に、本発明の第1実施形態にかかる電子部品用測定冶具100を示す。なお、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)の矢印T‐T部分の断面図、図1(C)は図1(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【0023】
電子部品用測定冶具100は、絶縁基板1の主面に1対の金属箔2が形成され、絶縁基板1及び金属箔2の上にソルダーレジスト膜3が形成されている。
【0024】
絶縁基板1には、例えばガラスエポキシ基板を用いることができる。
【0025】
金属箔2には、例えば銅箔を用いることができる。金属箔2の厚みXについては後述する。
【0026】
ソルダーレジスト膜3には、例えば熱硬化性エポキシ樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト膜3は、例えば20〜30μm程度の厚みに形成される。
【0027】
なお、図1(A)においては、金属箔2は、周縁がソルダーレジスト膜3に覆われて隠れているため破線で示している。
【0028】
ソルダーレジスト膜3は、金属箔2の上において、ソルダーレジスト膜非形成部4a及び4bが形成されている。
【0029】
ソルダーレジスト膜非形成部4aから露出した金属箔2には、はんだ5により、金属端子7が取り付けられている。金属端子7は、単板からなり、例えばベリリウム銅などの材質からなる。金属端子7の厚みYは、例えば80μm〜120μm程度のものが用いられる。本実施形態では、金属端子7の厚みYを100μmとした。はんだ5の厚みは、通常、5μm程度である。金属端子7には、図1(C)に示すように、特性が測定される電子部品8の端子電極8aが当接する当接部7aが設けられている。金属端子7は、当接部7aが、金属箔2の形成されていない絶縁基板1上に延出された状態で、金属箔2に取り付けられている。
【0030】
なお、ソルダーレジスト膜非形成部4bは、測定装置などに接続されたリード線(図示せず)を、金属箔2に接続するために設けられたものである。
【0031】
本実施形態における、絶縁基板1、金属箔2、ソルダーレジスト膜3からなる基本的な構成は、一般に、プリント基板として広く活用されている構成である。すなわち、本実施形態の電子部品用測定冶具100は、広く活用されているプリント基板を利用して、安価に製造することができる。
【0032】
本実施形態においては、金属箔2の厚みXが、金属端子7の厚みYに対し、X≧0.5Yの関係になるように設定される。すなわち、金属端子7の厚みYが80μmの場合には、金属箔2の厚みXは40μm以上に設定される。また、金属端子7の厚みYが100μmの場合には、金属箔2の厚みXは50μm以上に設定される。本実施形態においては、金属端子7の厚みYが100μmであるため、金属箔2の厚みXは50μmとした。
【0033】
一般に、プリント基板においては、金属箔(銅箔)に35μmの厚みのものが用いられることが多い。従って、本実施形態にかかる電子部品用測定冶具100の金属箔2には、厚みの大きなものを用いていることになる。電子部品用測定冶具100において、厚みの大きな金属箔2を用いる理由は、金属端子7の当接部7aが電子部品8の端子電極8aと当接して、金属端子7の先端が下側に撓んだ際に、金属端子7の先端が絶縁基板1上のソルダーレジスト膜3に接触することがないように、金属端子7の相対的な高さを大きくするためである。金属箔2の厚みXを、金属端子7の厚みYに対し、X≧0.5Yの関係にしたのは、測定される電子部品8の端子電極8aが当接部7aに当接し、金属端子7の先端が下側に撓んだとしても、金属端子7の厚みYの1/2程度にまで撓むことはなく、ソルダーレジスト膜3の厚みを考慮しても、この関係にしておけば、金属端子7の先端がソルダーレジスト膜3に接触してしまうことがないからである。
【0034】
かかる構造からなる、第1実施形態にかかる電子部品用測定冶具100は、例えば次の方法により製造される。
【0035】
まず、絶縁基板1を用意する。
【0036】
次に、絶縁基板1の主面に接着剤を塗布し、その上に金属箔を載せ、ローラープレス機で押圧して、絶縁基板1の主面全面に金属箔を貼着する。
【0037】
次に、絶縁基板1に貼着した金属箔上に、所望の形状からなるエッチングレジスト膜を形成した上で、エッチング液を付与し、不要部分を除去して、所望の形状からなる1対の金属箔2を形成する。例えば、金属箔が銅箔からなる場合には、エッチング液に塩化第二鉄溶液を用いることができる。また、エッチングレジスト膜には、エッチング液に対して防蝕性のある薬剤を用いることができる。エッチングレジスト膜の形成には、例えばスクリーン印刷法を用いることができる。なお、エッチングレジスト膜は、金属箔2を形成した後に、所定の薬剤などにより除去する。
【0038】
次に、絶縁基板1及び金属箔2の上に、ソルダーレジスト膜3を形成する。ソルダーレジスト膜3は、所望の形状に、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂をスクリーン印刷し、加熱して硬化させることにより形成する。このとき、金属箔2の上に、ソルダーレジスト膜非形成部4a及び4bを設けておく。
【0039】
次に、ソルダーレジスト膜非形成部4aから露出した金属箔2に、はんだ5により、金属端子7を取り付ける。具体的には、金属箔2にクリームはんだを印刷し、その上に金属端子7を載せ、加熱してリフローすることにより、金属箔2に金属端子7を取り付ける。
【0040】
以上により、本発明の第1実施形態にかかる電子部品用測定冶具100は完成する。
【0041】
図1(C)は、電子部品用測定冶具100の使用状態の一例を示している。この例では、両端に1対の端子電極8aを有する電子部品8の特性が測定されている。
【0042】
電子部品8の端子電極8aが、金属端子7の当接部7aに当接し、金属端子7の先端が下側に撓んでいる。このとき、金属端子7が適度なバネ性を示し、端子電極8aと当接部7aが良好に導通するため、電子部品8の特性を精度良く測定することができる。
【0043】
なお、測定時に、金属端子7の先端が下側に撓むが、本実施形態にかかる電子部品用測定冶具100においては、金属箔2の厚みを大きくしているため、金属端子7の先端が、基板1の上に形成されたソルダーレジスト膜3に接触してしまうことがない。
【0044】
以上、第1実施形態にかかる電子部品用測定冶具100の構造、その製造方法の一例、使用方法の一例について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の主旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
【0045】
例えば、金属端子7の形状、個数、配置などは任意であり、特性が測定される電子部品の種類、構造などにより、適宜、変更することができる。
【0046】
また、ソルダーレジスト膜3の材質、厚み、形成される範囲も任意であり、適宜、変更することができる。例えば、金属箔2の上だけではなく、絶縁基板1の上にも、ソルダーレジスト膜非形成部を設けるようにしても良い。
【0047】
[第2実施形態]
図2(A)〜(C)に、本発明の第2実施形態にかかる電子部品用測定冶具200を示す。なお、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)の矢印U‐U部分の断面図、図2(C)は図2(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【0048】
電子部品用測定冶具200は、上述した第1実施形態にかかる電子部品用測定冶具100に対し、次の変更が加えられている。
【0049】
まず、電子部品用測定冶具100では、金属箔2の厚みYは50μmであったが、電子部品用測定冶具200では、金属箔12の厚みYを35μmにした。すなわち、プリント基板において、一般に、広く用いられている金属箔(銅箔)の厚みにした。
【0050】
これに加えて、電子部品用測定冶具200では、金属端子7の当接部7a及び先端の直下の絶縁基板1上に、ソルダーレジスト膜非形成部4cが形成されている。
【0051】
電子部品用測定冶具200のその他の構成は、電子部品用測定冶具100と同様にした。
【0052】
本実施形態にかかる電子部品用測定冶具200においては、金属箔12の厚みYが35μmであり、第1実施形態に比べて小さくなっているが、新たにソルダーレジスト膜非形成部4cが形成されているため、図2(C)に示すように、特性が測定される電子部品8の端子電極8aが金属端子7の当接部7aに当接し、金属端子7の先端が下側に撓んでも、金属端子7の先端が絶縁基板1に接触してしまうことがない。
【0053】
[第3実施形態]
図3(A)〜(C)に、本発明の第3実施形態にかかる電子部品用測定冶具300を示す。なお、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)の矢印V‐V部分の断面図、図3(C)は図3(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【0054】
電子部品用測定冶具300は、上述した第2実施形態にかかる電子部品用測定冶具200に対し、次の変更が加えられている。
【0055】
電子部品用測定冶具200では、金属端子7は2個であったが、電子部品用測定冶具300では、更に同様の構造からなる2個の金属端子17が追加され、合計4個とされている。すなわち、電子部品用測定冶具300では、図3(A)における縦方向に、1対の金属箔22が形成され、かつ、各金属箔22の上にソルダーレジスト膜非形成部14a及び14b、絶縁基板1の上に2個のソルダーレジスト膜非形成部14cが形成されている。そして、ソルダーレジスト膜非形成部14aから露出した金属箔22に、金属端子17が取り付けられている。なお、ソルダーレジスト膜非形成部14cは、金属端子17の当接部17a及び先端の直下に形成されている。
【0056】
電子部品用測定冶具300のその他の部分は、電子部品用測定冶具200と同様にした。
【0057】
図1(C)に示すように、電子部品用測定冶具300では、例えば、入出力用の1対の端子電極18aと、グランド用の1個の端子電極18bを有する電子部品18の特性が測定される。測定時には、電子部品18の各端子電極18aが金属端子7の各当接部7aに当接するとともに、端子電極18bが2個の金属端子17の当接部17aに当接し、金属端子7、17の先端は下側に撓む。
【0058】
このように、本発明において、金属端子7、17の個数は任意であり、本実施形態にかかる電子部品用測定冶具300では、4個の金属端子7、17を設けた。
【0059】
[第4実施形態]
図4(A)〜(C)に、本発明の第4実施形態にかかる電子部品用測定冶具400を示す。なお、図4(A)は平面図、図4(B)は図4(A)の矢印W‐W部分の断面図、図4(C)は図4(B)に特性が測定される電子部品を加えた断面図である。
【0060】
電子部品用測定冶具400は、上述した第3実施形態にかかる電子部品用測定冶具300に対し、次の変更が加えられている。
【0061】
まず、電子部品用測定冶具300では、図3(A)における縦方向に、1対(2個)の金属箔22を形成されているが、電子部品用測定冶具400では、図4(A)における縦方向に、1個の長い金属箔32が形成されている。金属箔32は、電子部品用測定冶具300の2個の金属箔22を連結した形状からなる。
【0062】
そして、金属箔32の中央部分上に、1個の長いソルダーレジスト膜非形成部24aが形成されている。また、金属箔32の上の、ソルダーレジスト膜非形成部24aの両外側(図4(A)における上下両側)に、それぞれ、ソルダーレジスト膜非形成部24bが形成されている。
【0063】
そして、ソルダーレジスト膜非形成部24aから露出した金属箔32に、はんだ15により、1対の、非可動の第2金属端子27が取り付けられている。すなわち、各第2金属端子27は、それぞれ当接部27aを有しているが、第2金属端子27は、当接部27aも含めて、はんだ15により金属箔32に取り付けられており、第2金属端子27の当接部27a及び先端は、図4(C)に示すように、電子部品18のグランド用の端子電極18bが当接しても、下側には撓まない。
【0064】
しかしながら、第2金属端子27が非可動になると、金属端子7の当接部7aに電子部品18の端子電極18aが当接した際に、金属端子7の先端も下側に撓むことができず、バネ性を発現できなくなってしまう。そこで、電子部品用測定冶具400においては、第2金属端子27の厚みZを、金属端子7の厚みYよりも小さくした。例えば、第2金属端子27の厚みZを80μm、金属端子7の厚みYを100μmとした。この結果、電子部品用測定冶具400は、図4(C)に示すように、電子部品18の特性を測定する際に、端子電極18bが第2金属端子27の当接部17aに当接しても、第2金属端子27の先端は下側に撓まないが、端子電極18aが当接部7aに当接した金属端子7の先端は、適度なバネ性をもって下側に撓む。従って、端子電極18aと当接部7aが良好に導通し、端子電極18bも当接部27aと良好に導通するため、電子部品18の特性を精度良く測定することができる。
【0065】
第4実施形態にかかる電子部品用測定冶具400の構造は、例えば、絶縁基板1上において、1対の第2金属端子27同士を電気的に接続しなければならない場合に採用することができる。本実施形態においては、1対の第2金属端子27は、それぞれ、はんだ15を介して、同一の金属箔32に取り付けられており、両者は電気的に接続されている。
【符号の説明】
【0066】
1:絶縁基板
2、12、22、32:金属箔
3:ソルダーレジスト膜
4a、4b、4c、14a、14b、14c:ソルダーレジスト膜非形成部
5、15:はんだ
7、17:金属端子
7a、17a:当接部
27:第2金属端子(非可動)
27a:当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板に部分的に形成された金属箔と、
前記絶縁基板及び前記金属箔の上に形成されたソルダーレジスト膜と、
複数の金属端子を備えた電子部品用測定冶具であって、
前記ソルダーレジスト膜は、少なくとも前記金属箔の上に、ソルダーレジスト膜非形成部を有し、
前記金属端子は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を前記金属箔の形成されていない前記絶縁基板上に延出させた状態で、前記金属箔の前記ソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされ、
前記金属箔の厚みXは、前記金属端子の厚みYに対し、X≧0.5Yの関係にある電子部品用測定冶具。
【請求項2】
絶縁基板と、
前記絶縁基板に部分的に形成された金属箔と、
前記絶縁基板及び前記金属箔の上に形成されたソルダーレジスト膜と、
複数の金属端子を備えた電子部品用測定冶具であって、
前記ソルダーレジスト膜は、少なくとも前記金属箔の上に、ソルダーレジスト膜非形成部を有し、
前記金属端子は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を前記金属箔の形成されていない前記絶縁基板上に延出させた状態で、前記金属箔の前記ソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされ、
前記金属箔の厚みXが、50μm以上である電子部品用測定冶具。
【請求項3】
絶縁基板と、
前記絶縁基板に部分的に形成された金属箔と、
前記絶縁基板及び前記金属箔の上に形成されたソルダーレジスト膜と、
複数の金属端子を備えた電子部品用測定冶具であって、
前記ソルダーレジスト膜は、前記絶縁基板及び前記金属箔の上に、それぞれソルダーレジスト膜非形成部を有し、
前記金属端子は、単板からなり、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を前記金属箔の形成されていない前記絶縁基板上に延出させた状態で、前記金属箔の前記ソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされ、
前記絶縁基板の、前記金属端子の先端が延出された部分に、前記ソルダーレジスト膜非形成部が設けられている電子部品用測定冶具。
【請求項4】
前記金属箔が銅箔である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された電子部品用測定冶具。
【請求項5】
前記金属端子がベリリウム銅からなる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された電子部品用測定冶具。
【請求項6】
前記金属端子とは別に、第2金属端子を備え、
前記第2金属端子の厚みZは、前記金属端子の厚みYよりも小さく、
前記第2金属端子が、測定する電子部品の端子電極が当接する当接部を含めて、前記金属箔の前記ソルダーレジスト膜非形成部にはんだ付けされている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された電子部品用測定冶具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242241(P2012−242241A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112578(P2011−112578)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】