説明

電子部品

【課題】外部電極の端部における応力集中によりセラミック素体のクラックを抑制することを可能とする電子部品を提供する。
【解決手段】第1,第2の外部電極5,6が、セラミック素体2の側面を覆う外部電極本体部と、外部電極本体部に繋がっており、セラミック素体2の上面及び下面に至っている折り返し部とを有する。セラミック素体2内に、複数の補強電極7,8が形成されている。複数の補強電極7,8のうち少なくとも1つの補強電極の端部が、セラミック素体2の上面または下面において、折り返し部における厚膜電極層5a,6aよりもセラミック素体2の内側において露出している。めっき層5b,6bが、厚膜電極層5a,6a及び少なくとも1つの補強電極の露出している部分を覆うように形成されており、それによって折り返し部において、厚膜電極層5a,6aの内側端縁よりめっき層5b,6bの内側端縁が内側に位置している、電子部品1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば積層セラミックコンデンサのような電子部品に関し、特に、セラミック焼結体内において異なる電位に接続される複数の内部電極がセラミック層を介して積層されている構造を有する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の内部電極がセラミック焼結体内に配置された電子部品が広く用いられている。下記の特許文献1には、図23(a)に示す積層セラミックコンデンサ101が開示されている。積層セラミックコンデンサ101は、セラミック焼結体102を有する。セラミック焼結体102内には、複数の第1の内部電極103及び複数の第2の内部電極104が形成されている。
【0003】
セラミック焼結体102の第1の端面102aには、第1の外部電極105が形成されている。第2の端面102bには、第2の外部電極106が形成されている。第1の外部電極105は、導電ペーストの焼付けにより形成された厚膜電極層105aを有する。厚膜電極層105a上に、めっき膜105b,105cが積層されている。めっき膜105bは、Niからなり、半田喰われを防止するために設けられている。めっき膜105cは、Snなどからなり、半田付け性を高めるために設けられている。
【0004】
上記第1,第2の外部電極105,106は、セラミック焼結体102の第1,第2の端面102a,102bを覆うように形成されている。加えて、実装性を高めるために、外部電極105,106は、セラミック焼結体102の上面102c、下面102dに至る折り返し部を有するように形成されている。
【0005】
上記めっき膜105bは、厚膜電極層105aの全面を覆うように形成されている。めっき膜105cは、めっき膜105bの外表面の全面を覆うように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−210545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
積層セラミックコンデンサ101では、厚膜電極層105aの形成に際し、導電ペーストを塗布し焼付ける。この焼付け後に、図23(b)に矢印Aで示す位置、すなわち折り返し部の端部に残留応力が生じる。この残留応力は、焼成に際してのセラミックスと、厚膜電極層105aとの熱膨張係数差に起因する。
【0008】
加えて、積層セラミックコンデンサ101が基板に実装される場合には、第1,第2の外部電極105,106が半田等の導電性接合材により基板上の電極ランドに接合される。接合後に、撓みなどのストレスが外部から加わると、上記外部電極105,106の折り返し部の端部に応力が生じる。すなわち、矢印Aで示す部分に応力が生じる。
【0009】
上記のように、外部電極形成時の残留応力、並びに実装時及び実装後の基板の撓みや熱衝撃などのストレスによる応力が矢印Aで示す部分に集中することとなる。そのため、応力が集中している部分を起点としてセラミック焼結体102にクラックが生じるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、外部電極の端部における応力集中によるセラミック素体のクラックを抑制することを可能とする電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電子部品は、セラミック素体と、第1,第2の外部電極と、複数の補強電極とを備える。セラミック素体は、上面及び下面と、上面と下面とを結ぶ第1〜第4の側面とを有する直方体状の形状を有する。第1の外部電極は、第1〜第4の側面のうち1つの側面に形成されている。第2の外部電極も、第1〜第4の側面のうち1つの側面に形成されている。
【0012】
第1,第2の外部電極は、焼結金属からなる厚膜電極層と、厚膜電極層を覆うように形成されためっき層とを有する。
【0013】
他方、第1,第2の外部電極は、前記第1,第2の外部電極が形成されている側面を覆う外部電極本体部と、外部電極本体部に連なっており、前記セラミック素体の上面及び下面に至っている折り返し部とを有する。
【0014】
上記複数の補強電極は、セラミック素体内に形成されている。複数の補強電極のうち少なくとも1つの補強電極の端部が、前記セラミック素体の上面または下面において、前記折り返し部における厚膜電極層よりもセラミック素体の内側において露出している。また、前記めっき層が、厚膜電極層及び前記少なくとも1つの補強電極端部の露出部分を覆うように形成されている。それによって、折り返し部において、厚膜電極層の内側端縁よりもめっき層の内側端縁が内側に位置している。
【0015】
本発明に係る電子部品のある特定の局面では、前記セラミック素体が、前記セラミック焼結体と、セラミック焼結体内においてセラミック層を介して重なり合うように配置されている複数の内部電極とを有する。ここでは、複数の内部電極が、前記セラミック素体の第1〜第4の側面のうち少なくとも1つの側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック素体の前記第1〜第4の側面のうちの少なくとも1つの側面に引き出された第2の内部電極とを有する。第1,第2の外部電極は、上記第1,第2の内部電極が引き出されている側面にそれぞれ形成されている。
【0016】
本発明に係る電子部品の他の特定の局面では、異なる電位に接続される前記内部電極同士がセラミック層を介して重なり合っている領域を有効領域とし、前記有効領域の外側の領域であって、有効領域と、第1,第2の内部電極が引き出されている側面との間の領域をそれぞれ第1,第2の引き出し領域とする。前記複数の補強電極が、前記第1の引き出し領域と前記有効領域とに跨がるように形成された複数の第1の補強電極と、前記第2の引き出し領域と前記有効領域とに跨がるように形成された複数の第2の補強電極とを有する。
【0017】
本発明に係る電子部品のさらに他の特定の局面では、前記複数の内部電極が配置されている部分の上方及び下方の少なくとも一方の外層部分において、前記複数の第1,第2の補強電極が配置されている。
【0018】
本発明に係る電子部品では、好ましくは、第1,第2の補強電極が、複数の内部電極が重なり合っている部分の上方の外層及び下方の外層部分の双方に設けられる。それによって、セラミック焼結体の上面及び下面における第1,第2の外部電極の折り返し部の端部におけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
【0019】
本発明に係る電子部品の他の特定の局面では、複数の第1,第2の補強電極の面積が、上面及び下面のうち近い方の面に近づくほど小さくされている。それによって、補強電極のセラミック焼結体外表面への露出具合を容易に調整することができる。
【0020】
本発明に係る電子部品のさらに他の特定の局面では、前記第1,第2の補強電極の前記有効領域側端部と、反対側の端部を結ぶ寸法を第1,第2の補強電極の長さとしたときに、前記複数の第1,第2の補強電極の長さが、前記セラミック焼結体の上面及び下面のうち近い方の面に近づくほど短くされている。この場合においても、第1及び第2の補強電極のセラミック焼結体外表面への露出程度を容易に調整することができる。
【0021】
本発明に係る電子部品のさらに他の特定の局面では、第1,第2の引き出し補助電極が設けられている。第1,第2の引き出し補助電極は、前記第1,第2の引き出し領域において、前記セラミック焼結体の第1,第2の内部電極が引き出されている側面にそれぞれ引き出されており、かつ前記有効領域に至っていない。第1,第2の引き出し補助電極は、第1,第2の引き出し領域において、前記第1,第2の内部電極とセラミック層を介して重なり合うように設けられている。第1,第2の引き出し補助電極が設けられている構成においても、本発明に従って、セラミック素体におけるクラックを確実に抑制することができる。
【0022】
本発明に係る電子部品のさらに別の特定の局面では、前記第1〜第4の側面の内、対向し合う第1,第2の側面に前記第1,第2の内部電極がそれぞれ引き出されている。この場合、前記第1,第2の内部電極と前記第1,第2の外部電極とを有するユニットが複数形成されている構造であってもよい。
【0023】
本発明に係るさらに他の特定の局面では、前記第1〜第4の側面の内、対向し合う第1,第2の側面に前記第1の内部電極が引き出されており、かつ対向し合う第3,第4の側面に前記第2の内部電極が引き出されている。
【0024】
さらに、本発明に係る電子部品は、特に限定されるわけではないが、本発明のより限定的な局面では、積層セラミックコンデンサが構成され、クラックが生じ難い積層セラミックコンデンサを本発明に従って提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る電子部品では、少なくとも1つの補強電極の端部がセラミック素体の上面または下面に露出しており、該露出している端部を覆うようにめっき層が形成されている。従って、折り返し部において、厚膜電極層の内側端縁よりもめっき層の内側端縁が内側に位置している。よって、セラミック素体における応力が集中する部分を分散させることができる。そのため、セラミック素体のクラックを効果的に抑制することが可能となる。しかも、めっき膜の厚膜電極層の内側端縁よりも内側に位置している部分のセラミック素体への密着強度も十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る電子部品の正面図及びその要部を拡大して示す部分切欠正面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の電子部品を製造するのに用意されるマザーの積層体を示す斜視図である。
【図3】(a)は図2に示すマザーの積層体から切り出された1つの電子部品単位のバレル研磨前の積層体の要部を示す部分切欠き正面断面図であり、(b)はバレル研磨後の積層体を示す斜視図であり、(c)は第1の実施形態の電子部品の外観を示す斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は、第1の実施形態の電子部品で形成される第1,第2の内部電極を説明するための各模式的平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるバレル研磨後のセラミック素体の略図的平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるバレル研磨後のセラミック素体の略図的底面図である。
【図7】第1の実施形態において、セラミックグリーンシート上に形成される第1,第2の補強電極の平面形状を示す模式的平面図である。
【図8】(a)〜(c)は、それぞれ、セラミックグリーンシート上に形成される補強電極パターンの形状の変形例を説明するための各平面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の電子部品の製造例におけるセラミック焼結体の上方から観察した電子顕微鏡写真である。
【図10】本発明の第1の実施形態においてセラミック焼結体に厚膜電極層を形成した構造を示す斜視図である。
【図11】(a)は第1の実施形態の作用効果を説明するための模式的部分切欠正面断面図であり、(b)は従来の電子部品における外部電極折り返し部の端部付近を示す模式的部分切欠正面断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態において、外部電極形成に際し、めっき層を形成する工程を説明するための部分切欠正面断面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態についての実施例の電子部品と、比較のために用意した従来例の電子部品の実装後の基板たわみ量と、セラミック焼結体におけるクラック発生率との関係を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るセラミック電子部品の一部を拡大して示す略図的断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のセラミック電子部品の部分拡大正面断面図である。
【図16】(a)は本発明の第2の実施形態において、バレル研磨前の積層体の要部を示す部分切欠き正面断面図であり、(b)は(a)中の円Zで囲まれた部分の拡大図である。
【図17】第2の実施形態に係るセラミック電子部品の一部を表す電子顕微鏡写真である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。
【図19】(a)〜(c)は、第3の実施形態で形成される第1,第2の内部電極及び端子電極を説明するための各模式的平面図である。
【図20】(a)は第4の実施形態に係る電子部品の斜視図であり、(b)〜(d)は、第4の実施形態でセラミック焼結体内に形成されている電極パターンを説明するための各模式的平面図である。
【図21】(a)〜(c)は、複数の第1,第2の補強電極の形状が異なる変形例を示す各模式的平面図である。
【図22】(a)〜(c)は、複数の第1,第2の補強電極の形状が異なる他の変形例を示す各模式的平面図である。
【図23】(a)及び(b)は、従来の積層セラミックコンデンサの正面断面図及びその要部を拡大して示す部分切欠き正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0028】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る電子部品としての積層セラミックコンデンサを示す部分切欠正面断面図であり、その外観を図3(c)に斜視図で示す。
【0029】
積層セラミックコンデンサ1は、セラミック素体としてのセラミック焼結体2を有する。セラミック焼結体2は、直方体状の形状を有する。もっとも、後述するように、バレル研磨により、コーナー部及び稜線部が丸められている。
【0030】
セラミック焼結体2は、上面2aと、下面2bと、対向し合う第1,第2の側面2c,2dと、図1(a)では図示されていない対向し合う第3,第4の側面とを有する。
【0031】
図1(a)に示すように、セラミック焼結体2内には、複数の第1の内部電極3と、複数の第2の内部電極4とがセラミック層を介して重なり合うように配置されている。第1の内部電極3と第2の内部電極4とは異なる電位に接続される。第1の内部電極3及び第2の内部電極4は、上面2a及び下面2bと平行に配置されている。もっとも、図1(a)に示すように、後述の積層・加圧及び焼成工程において、部分的にその形状が変形している。従って、第1,第2の内部電極3,4は、実際には、上面2a,下面2bと正確に平行ではなく、略平行とされている。
【0032】
第1の内部電極3は、第1の側面2cに引き出されている。第2の内部電極4は、第2の側面2dに引き出されている。第1の側面2cと第2の側面2dとを結ぶ方向を長さ方向とする。また、セラミック焼結体2の第3,第4の側面を結ぶ方向を幅方向、上面2a及び下面2bを結ぶ方向を厚み方向とする。セラミック焼結体2の長さ方向寸法は、上記幅方向の寸法よりも大きくされているが、逆であってもよい。
【0033】
第1の内部電極3と第2の内部電極4とがセラミック層を介して長さ方向中央において重なり合っている。この重なり合っている部分を有効領域Xとする。有効領域Xは、静電容量を取り出す部分である。
【0034】
また、有効領域Xの外側であって、第1の側面2cと有効領域Xとの間を第1の引き出し領域Y1とする。有効領域Xと第2の側面2dとの間の領域を第2の引き出し領域Y2とする。
【0035】
第1の引き出し領域Y1では、複数の第1の内部電極3のみがセラミック層を介して重なり合っている。同様に、第2の引き出し領域Y2では、複数の第2の内部電極4のみがセラミック層を介して重なり合っている。
【0036】
セラミック焼結体2においては、上記第1,第2の内部電極3,4が設けられている部分の上方部分を第1の外層部分とし、下方の部分を第2の外層部分とする。
【0037】
上記セラミック焼結体2は、チタン酸バリウム系セラミックスのような適宜の誘電体セラミックスからなる。第1,第2の内部電極3,4は、後述する製造方法から明らかなように、セラミックグリーンシート上に印刷された導電ペーストを焼成に際し焼き付けることにより形成されている。このような第1,第2の内部電極3,4を構成する金属材料については、Ag、Ag−Pdなどの適宜の金属を用いることができる。
【0038】
第1の側面2cを覆うように第1の外部電極5が形成されている。また、第2の側面2dを覆うように第2の外部電極6が形成されている。第1,第2の外部電極5,6は、第1,第2の側面2c,2dを覆っている外部電極本体部分に加えて、セラミック焼結体2の上面2a及び下面2b並びに第3及び第4の側面に至っている折り返し部を有する。
【0039】
また、第1の外部電極5は、導電ペーストの焼き付けにより形成された厚膜電極層5aと、厚膜電極層5a上に形成されためっき層5bとを有する。同様に、第2の外部電極6も、厚膜電極層6aと、めっき層6bとを有する。厚膜電極層5a,6aは、Agペーストのような導電ペーストを焼き付けることにより形成された焼結金属層からなる。めっき層5b,6bは、Ni、Snなどの金属をめっきすることにより形成されている。めっき層5b,6bは、複数のめっき層を積層した構造を有していてもよい。
【0040】
めっき層5b,6bの膜厚は、焼結金属からなる厚膜電極層5a,6aよりも薄くされている。
【0041】
積層セラミックコンデンサ1の特徴は、複数の第1の補強電極7及び複数の第2の補強電極8が形成されていること、並びに折り返し部においてめっき層5b,6bの端部が、厚膜電極層5a,6aの端部の位置とずらされていることにある。これをより詳細に説明する。
【0042】
上述したように、セラミック焼結体2内においては、第1,第2の内部電極3,4が重なり合っている部分の上方に第1の外層部分が、下方に第2の外層部分が設けられている。この第1,第2の外層部分において、それぞれ、複数の第1の補強電極7及び複数の第2の補強電極8が形成されている。図1(b)は、第1の側面2c側の下方部分を拡大して示す部分切欠正面断面図である。図1(b)に示すように、複数の第1の補強電極7は、第2の外層部分内に設けられている。複数の第1の補強電極7は、適宜の金属材料からなる。このような金属材料としては、第1,第2の内部電極3,4と同じ金属材料を用いることが好ましい。それによって、製造工程の簡略化及び材料の種類の低減を果すことができる。
【0043】
もっとも、第1,第2の補強電極7,8を形成する材料は、第1,第2の内部電極3,4と異なる材料であってもよい。
【0044】
複数の第1の補強電極7は、上記引き出し領域Y1と、有効領域Xとに跨がるように形成されている。第1の補強電極7の有効領域側端部は、有効領域Xの下方に位置している。複数の第1の補強電極7は、セラミック層を介して重なり合っている。
【0045】
図1(b)に示すように、第1の側面2cに第1の補強電極7が引き出されている。第1の補助電極7の上記有効領域側端部とは反対側の端部が第1の外部電極5の厚膜電極層5aに接続されている。なお、第1の側面2cは、上下方向に延びる面であるが、後述するバレル研磨によりコーナー部が丸められている。従って、第1の補強電極7の有効領域側端部とは反対側の端部は、この丸められた部分においても露出している。
【0046】
複数の第1の補強電極7のうち少なくとも1つの補強電極7の有効領域側端部が、セラミック焼結体2の下面2bに露出している。従って、めっき層5bの形成に際し、めっき層5bを、第1の補強電極7の下面2bに露出している部分上にも付着させることができる。そのため、図1(b)に示すように、めっき層5bは、厚膜電極層5aの外表面を被覆しているだけでなく、厚膜電極層5aの折り返し部の端部5a1よりも内側すなわち有効領域X側に延びている。すなわち、めっき層5bは、第1の補強電極7の露出している端部上にも付着している。
【0047】
図1(b)では、セラミック焼結体2の第1の側面2cの下方部分を示した。セラミック焼結体2の第1の側面2cの上方部分、並びに第2の側面2dの上方部分及び下方部分も、同様に構成されている。
【0048】
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1では、上記のように、厚膜電極層5aの折り返し部の端部5a1に比べて、めっき層5bの折り返し部における端部5b1が長さ方向においてL1の距離だけ内側にずれている。積層セラミックコンデンサ1の製造に際しては、セラミック焼結体2の側面2c,2dを覆うように導電ペーストを塗布し、焼き付ける。この際に厚膜電極層5aの端部5a1に応力が集中し、残留応力が生じる。
【0049】
前述したように、従来の積層セラミックコンデンサ101では、この折り返し部の端部において厚膜電極層の端部とめっき膜の端部とが一致しているため、応力の集中が生じていた。これに対して、本実施形態では、めっき層5bの折り返し部における端部5b1が距離L1だけ端部5a1とずらされている。
【0050】
他方、積層セラミックコンデンサ1を基板に実装する際や実装後に、基板のたわみや熱衝撃が加わった場合に応力が集中するのは外部電極5の折り返し部の端部、すなわちめっき層5bの端部5b1となる。よって、この場合に応力が集中する部分と、製造時に応力が集中し残留応力が生じる部分とが距離L1だけずらされることになる。そのため、基板のたわみや熱衝撃が加わったとしても、クラックが生じ難い。
【0051】
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例を説明する。
【0052】
図2は、本発明の第1の実施形態の積層セラミックコンデンサ1を得るために用意するマザーの積層体11を示す。マザーの積層体11は、以下の工程により得られる。
【0053】
まず、マザーの矩形のセラミックグリーンシートを用意する。次に、マザーのセラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリーン印刷し、それによって、第1の内部電極が複数集合されている内部電極パターンを形成する。次に、別のマザーのセラミックグリーンシート上に、第2の内部電極が複数集合されている内部電極パターンを導電ペーストのスクリーン印刷により形成する。
【0054】
内部電極パターンの形成は、導電ペーストのスクリーン印刷に限らず、蒸着、めっきもしくはスパッタリングなどの薄膜形成方法により行ってもよい。
【0055】
上記第1の内部電極形成用内部電極パターンが形成されたマザーのセラミックグリーンシートと、第2の内部電極を形成するための内部電極パターンが形成されたマザーのセラミックグリーンシートとを交互に積層する。さらに、このようにして得られる積層体の上下に、複数枚の無地のマザーのセラミックグリーンシートを積層する。さらに、上部及び下部に、前述した補強電極を形成するための電極パターンが形成されたマザーのセラミックグリーンシートを複数枚積層する。上記無地のマザーのセラミックグリーンシート及び補強電極を形成するための電極パターンが印刷されたマザーのセラミックグリーンシートは、前述した外層部分を構成するものである。
【0056】
なお、以下においては、外層部分において最も積層方向外側に配置されているマザーのセラミックグリーンシートを最外層シートと呼ぶこととする。この製造方法では、最外層シートの上面にも補強電極を形成するための電極パターンが形成されている。すなわち、図2に示すように、マザーの積層体11の上面に、電極パターン10が形成されている。この電極パターン10は、第1,第2の補強電極7,8に分割される部分である。後述するように、バレル研磨により積層体チップを研磨するため、積層体11上に露出している最外層シート上の電極パターン10は削除されることとなる。もっとも、最外層シートの外表面側に補強電極を形成するための電極パターン10を必ずしも形成しなくともよい。
【0057】
上記のようにして得られたマザーの積層体11を厚み方向に加圧する。この加圧は、セラミックグリーンシート同士の密着性を高めるために行う。この場合、図1(a)に示した有効領域Xと第1,第2の引き出し領域Y1,Y2とでは、電極積層数が異なる。そのため、第1,第2の内部電極3,4が、図1(a)に示すように変形することとなる。同様に、第1,第2の補強電極7,8も図1(a)に示すように、正面断面視において変形することとなる。
【0058】
次に、マザーの積層体11を図2の破線C及びDに沿って切断する。それによって、個々の積層セラミックコンデンサ単位の積層体を得る。
【0059】
上記のようにして得られた積層体では、隣り合う面が略90°の角度をなしている。また、角部が尖っている。そのため、積層体同士がぶつかると、割れや欠けが生じやすい。そこで、バレル研磨処理を行う。それによって、稜線部及び角部を丸める。
【0060】
図3(a)は、上記積層体のバレル研磨の量を説明するための模式的部分切欠正面断面図である。図3では、上記のようにして得られた個々の積層セラミックコンデンサ単位の積層体12Aの下方部分が示されている。積層体12Aをバレル研磨により、破線Bで示す部分まで研磨する。このようにして、角部や稜線が丸められた図3(b)に示す積層体12Aを得ることができる。
【0061】
積層体12Aでは、第1,第2の内部電極3,4は図4(a),(b)に示すように位置している。従って、前述した加圧工程を実施すると、有効領域Xと、第1の引き出し領域Y1とでは、厚みが異なっていることになる。すなわち、内部電極積層数の差により、有効領域Xでは厚みが相対的に厚くなっている。そのため、第1,第2の内部電極3,4が積層体12Aの厚み方向において中央側に屈曲している。さらに、外層部分に設けられた第1の補強電極7についても、下方部分では、図示のように有効領域Xにおいて屈曲している。
【0062】
従って、破線Bで示すようにバレル研磨されると、有効領域Xに位置している複数の第1の補強電極7の端部がバレル研磨後の積層体下面に露出することとなる。
【0063】
第1,第2の補強電極7,8の積層体12Aの外表面への露出状態を、図5及び図6を参照してより詳細に説明する。
【0064】
図5は、バレル研磨後の積層体12Aの略図的平面図である。図5に示すように、積層体12Aの上面12aにおいて、第1,第2の補強電極7,8のうち少なくとも1つの補強電極7,8の端部7a,8aが積層体12Aの上面12a上に露出している。なお、端部7a,8aとは反対側の端部7b,8bは、積層体12Aの側面12c,12dの上方部分及び上面12aの一部に露出している。
【0065】
また、複数の端部7a,8aは、上面12a上において間隔を隔てて露出している。
【0066】
図6に示すように、積層体12Aの下面12bにおいても、複数の第1,第2の補強電極7,8の少なくとも1部の端部7a,8aが下面12bに露出している。
【0067】
なお、本発明においては、複数の第1の補強電極7のうち少なくとも1つの補強電極7の有効領域側端部がセラミック焼結体2の上面2aまたは下面2bに露出しておればよい。同様に、複数の第2の補強電極8においても、少なくとも1つの第2の補強電極8において有効領域側端部が露出しておればよい。
【0068】
図7は、積層体12Aを得るのに用いた第1,第2の補強電極7,8の平面形状を説明するための模式的平面図である。
【0069】
実際には、前述した加圧工程において厚み方向に加圧するため、平面形状が矩形の補強電極7,8は、図3(a)に示すように変形する。また、前述したように、バレル研磨により積層体12Aの外表面を図3(a)に示した破線Bで示す位置まで研磨する。そのため、図3(b)、図5及び図6に示すように、積層体12Aの上面12aまたは下面12bにおいて、第1の側面12cまたは第2の側面12dと上面12aまたは下面12bとのなす端縁に対して有効領域側端部は、積層体12Aの内側に向かって凸状の曲線の形態で露出していることとなる。
【0070】
第1,第2の補強電極7,8における隣接する補強電極間の間隔は0.5μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。補強電極間の間隔が広すぎると、めっきがつきにくくなるか、もしくは、めっき成長させるのに要する時間が長くなる傾向がある。また、めっき層5b,6bを厚くつけることが困難になる場合がある。一方、補強電極間の間隔が狭いと、補強電極の枚数が多くなるため製造コストがかかる場合がある。
【0071】
なお、補強電極の間隔を調整する方法としては、補強電極間に積層されるセラミック層の数及び/または厚みを調整する方法が挙げられる。
【0072】
第1,第2の補強電極7,8のそれぞれの数量は、例えば、10〜40程度であることが好ましい。この場合には、第1,第2の補強電極7,8の端部の露出している部分の密度を高めることができる。従って、後述するめっき層5b,6bの形成時に、めっき成長がおこりやすくなる。めっき成長がより起こりやすくする観点からは、第1,第2の補強電極7,8の間隔は、20μm以下であることが好ましい。上面2aまたは下面2b上における第1,第2の補強電極7,8の間隔が大きすぎると、第1,第2の補強電極7,8の上面2aまたは下面2b上に位置する部分の厚みが薄くなりすぎることがある。
【0073】
また、第1,第2の補強電極7,8の厚さは、0.3μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。第1,第2の補強電極7,8が薄すぎると、後述する静水圧プレス工程において、第1,第2の補強電極7,8を好適に湾曲させることが困難となる。一方、第1,第2の補強電極7,8が厚すぎると、第1及び第2の内部電極3,4の、厚み方向において第1,第2の補強電極7,8と重畳する部分が強く押圧されすぎる。そのため、構造欠陥がおきやすく得られる積層セラミックコンデンサ1の信頼性が低下する場合がある。
【0074】
また、第1,第2の補強電極7,8の厚みが0.7μmで、かつ、第1,第2の補強電極7,8の端部の傾斜角が10°であるとすると、第1,第2の補強電極7,8の露出部の幅は、約4μmであることが好ましい。第1,第2の補強電極7,8の端部の屈曲角度は、周囲の電極形状や、プレス圧がかけられた状態の如何によって異なるため、第1,第2の補強電極7,8の全てが一定の角度で屈曲している訳ではなく、屈曲角度は、例えば、5°〜20°の範囲でばらつく。また、第1,第2の補強電極7,8の露出部の幅も、例えば、2μm〜8μmの範囲内でばらつく。そのため、補強電極の間隔や、バレル研磨処理を調整する。
【0075】
このようにして調整されることで上面2aに露出している第1の補強電極7の面積は、上面2a側から見た外部電極のめっき膜の面積の30%以上とすることができる。第1の補強電極7の露出面積が小さすぎると、後のめっき工程において、十分にめっき成長せず、所望の厚みのめっき層5b,6bを得ることが困難になる場合がある。第2の補強電極に関しても同様である。
【0076】
図9は、上記セラミック焼結体2の上面を電子顕微鏡写真で撮影した結果を示す図である。
【0077】
図9から明らかなように、セラミック焼結体2の上面において、第1,第2の補強電極の折り返し部側端部が曲線状の模様となって露出していることがわかる。
【0078】
上記のように、セラミック焼結体2の第1の側面2cから第1の補強電極7の有効領域側端部までの距離は、焼成前に形成されていた補強電極7の長さ方向寸法により決定される。第2の補強電極8についても同様である。そのため、第1,第2の補強電極7,8についてはその有効領域側端部の位置を高精度に設定することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、図7に示した矩形の第1,第2の補強電極7,8を用いたが、図8(a)に示すように、積層体12Aの全幅に至るように、すなわち得られるセラミック焼結体2の全幅に至るように第1,第2の補強電極7,8を形成してもよい。また、図8(b)に示すように、半円状の第1,第2の補強電極7,8を形成してもよい。さらに、図8(c)に示すように、第1,第2の補強電極7,8は積層体12Aの全幅に至り、かつ有効領域側端縁が中央において凸状の曲線状であってもよい。
【0080】
なお、上記マザーのセラミックグリーンシートの厚みは、0.5〜3.0μmの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、バレル研磨により、角部を容易に丸めることができ、補強電極の有効領域側端部をより一層確実に露出させることができる。より好ましくは、マザーのセラミックグリーンシートの厚みは、0.5〜1μmである。なお、マザーのセラミックグリーンシートの厚みが0.5μm未満では、取り扱いが困難となったり、内部電極間の絶縁性の確保が困難となったりすることがある。また、マザーのセラミックグリーンシートの厚みが厚すぎると、研磨により稜線部及び角部を丸めることが困難となることがある。従って、補強電極の端部を露出させることが困難となることがある。
【0081】
上記バレル研磨により、第1,第2の補強電極7,8が変形し、厚み方向において屈曲変形する。そのため、第1,第2の補強電極7,8が、最終的に得られるセラミック焼結体2の上面2aまたは下面2bにおいて、前述したように、曲線状の形で露出することとなる。
【0082】
なお、本実施形態では、図2に示したように、補強電極7,8は最外層シートの外表面にも形成されていた。もっとも、最外層シートに補強電極を形成せずともよい。また、本実施形態のように最外層シートに補強電極7,8が形成されている場合、バレル研磨により最外層シートの補強電極が削除されてもよい。その場合であっても、最外層の補強電極よりも内側に位置している補強電極が複数枚残存する。そのため、折り返し部側端部がセラミック焼結体の上面または下面に露出している複数の補強電極を残すことができる。
【0083】
次に、上記のようにして得られた積層体12Aを焼成する。焼成により、前述したセラミック焼結体2を得る。
【0084】
次に、得られたセラミック焼結体2の第1の側面及び第2の側面に導電ペーストを付与する。この導電ペーストを焼き付けることにより、図10に示す厚膜電極層5a,6aとを形成する。この場合、導電ペーストの塗布部分は、前述した端部5a1が第1または第2の引き出し領域Y1,Y2内に留まるように行う。
【0085】
図10に示すように、セラミック焼結体2では、第1,第2の側面2c,2dを覆うように厚膜電極層5a,6aが形成されている。ここでは、厚膜電極層5a,6aは、第1,第2の側面を覆っているだけでなく、上面2a、下面2b、第3の側面2e及び第3の側面2eとは反対側の第4の側面に至る折り返し部を有するように形成されている。もっとも、折り返し部は、上面2a及び下面2bにのみ存在するように厚膜電極層5a,6aを形成してもよい。
【0086】
しかる後、無電解めっきまたは電解めっきにより、めっき層5b,6bを形成する。この場合、第1,第2の補強電極7,8の有効領域側端部が露出しているため、めっき膜が、該露出している端部まで延びるように形成される。従って、上記実施形態のように、端部5a1と距離L1だけずらされた有効領域側端部5b1を有するめっき層5bを形成することができる。
【0087】
好ましくは、第1,第2の補強電極7,8の有効領域側端部とは反対側の端部は、図1(a)に示すように厚膜電極層5a,6aに覆われていることが好ましい。それによって、電解めっきを施す場合、第1,第2の補強電極7,8に確実に通電させることができる。従って、有効領域側端部において露出している補強電極部分に確実にめっき層を付着することができる。
【0088】
上記のようにして、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1を得ることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、セラミック焼結体2を得た後に、導電ペーストを塗布していた。これに対して、積層体12Aを得た後に、導電ペーストを塗布し、しかる後積層体12Aと導電ペーストを一体焼成してもよい。すなわち、同時焼成により、セラミック焼結体2と厚膜電極層5a,6aを形成してもよい。厚膜電極層5a,6aは、補強電極7,8と焼結により一体化する。そのため、内部電極折り返し部から水分の進入を抑制することができる。これを、図11(a)を参照して説明する。図11(a)に、第2の補強電極8が形成されている部分を拡大して示す。この構造では、複数の第2の補強電極8の有効領域側端部とは反対側の端部が厚膜電極層6aと焼結により一体化されている。そのため、矢印Eで示すように水分が内部電極折り返し部から進入したとしても、水分の進入経路が長くなる。すなわち、第2の補強電極8と厚膜電極層6aとの焼結部分を超えて水分が第2の側面2d上を伝って下方に移動しないので、水分の進入経路が長くなる。
【0090】
これに対して、図11(b)に示すように、従来の積層セラミックコンデンサでは、外部電極106の端部106aから侵入した水分が矢印Fで示すように移動する。すなわち、セラミック焼結体102の外表面を伝って下方に移動する。そのため、水分の進入経路が短くなり、耐湿性が低下する。
【0091】
また、ディッピング工法で問題となる外部電極折り返し部の形状が三日月状となる問題も生じ難い。三日月状になると、電子部品実装に際しての実装不良が生じやすくなる。
【0092】
また、上記実施形態の製造方法では、外部電極折り返し部の前記長さ方向に沿う寸法が導電ペーストの塗布工程に左右されない。導電ペーストの塗布では、平板上に導電ペーストを一定の厚みで層状に形成し、この導電ペーストの層に、セラミック焼結体102の第1側面および第2側面を浸漬することで付与する。したがって、±30μm以内の高精度に寸法を制御することは困難である。これに対し、本実施形態では、折り返し部の全長はめっき層5b,6bにより決定されることになる。従って、上記補強電極の露出部を高精度に制御し得るので、めっき層5b,6bの折り返し部における長さ方向寸法を一定にすることも容易である。さらに、折り返し部の面積や厚みも高精度に制御することができる。
【0093】
加えて、第1,第2の補強電極7,8の長さ方向寸法を選択することにより、厚膜電極層5a,6aの折り返し部側の端部と、めっき層5b,6bの端部の距離L1も容易に調整することができる。好ましくは、上記距離L1は、応力集中を分散させるため、および浸漬による導電ペースト塗布の精度を考慮すると少なくとも30μm以上であることが望ましい。
【0094】
さらに、電解めっきによりめっき層5b,6bを形成する場合、図12に示すように第1の補強電極7の有効領域側端部とは反対側の端部が厚膜電極層5aにより被覆されている。従って、無電解めっきに際して用いられるメディアボール21が厚膜電極層5aに確実に接触する。そして、厚膜電極層5aと第1の補強電極7とが接続されているため、第1の補強電極7の露出している端部5b1側においても、めっき膜を確実に形成することができる。
【0095】
上記のようにして得られた本実施形態の積層セラミックコンデンサにおける基板実装時のクラック発生率を評価した。上記実施形態の積層セラミックコンデンサとして、長さ1.6mm×幅0.8mm×厚み0.8mmのセラミック焼結体を有するものを用いた。第1,第2の補強電極の積層数は上方で40枚、下方で40枚とした。前述した距離Lは50μm、外部電極折り返し部の長さ方向寸法は150μmとした。
【0096】
厚み1mm×幅40mm×長さ100mmの基板を用意した。この基板の中央に積層セラミックコンデンサの長さ方向と基板の長さ方向を合わせて積層セラミックコンデンサを実装した。基板の長さ方向に位置する両端部を保持し、積層セラミックコンデンサが実装された基板の裏側から曲率半径230mmの押圧面を有する治具を押し付けることにより基板を撓ませた。この押し付け量、すなわち、基板裏面の最大変位量をたわみ量とした。なお、クラックとしては、有効層に届いているクラックをカウントしている。このたわみ量とセラミック焼結体におけるクラックの発生率との関係を図13に示す。なお、図13は、各サンプル10個の測定結果の平均値を示す。
【0097】
比較のために、第1,第2の補強電極を有しないことを除いては上記と同様にして構成した従来例の積層セラミックコンデンサについても同様に評価した。結果を図13に示す。
【0098】
図13から明らかなように、本実施形態によれば、基板のたわみ量が大きくなったとしても、クラック発生率の上昇を効果的に抑制し、クラックの発生を効果的に低減し得ることがわかる。
【0099】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの要部を示す部分切欠拡大断面図である。第2の実施形態では、図14に示すように、第1の引き出し補助電極31aが形成されている。第1の引き出し補助電極31aは、セラミック焼結体2の第1の側面2c側において、第1の内部電極3と重なり合っている。第1の引き出し補助電極31aは、第1の側面2cに引き出されている。また、第1の引き出し補助電極31aは、第2の内部電極4とほぼ同じ高さ位置に形成されている。
【0100】
図14では図示していないが、反対側の側面においても、第2の引き出し補助電極が第2の内部電極4とセラミック層を介して重なり合うように形成されている。
【0101】
図15は、第2の実施形態を得るのに用いた積層体12Aの平面断面図である。積層体12A内において、第1の内部電極3と同じ高さ位置に、第2の引き出し補助電極31bが形成されている。また、破線で示す第1の引き出し補助電極31aは、第1の内部電極3とセラミック層を介して重なり合うように配置されている。
【0102】
第2の実施形態の積層セラミックコンデンサは、上記第1,第2の引き出し補助電極31a,31bが形成されていることを除いては、第1の実施形態の積層セラミックコンデンサと同様である。
【0103】
図16(a)は、積層体12Aを第1の実施形態と同様にして得た後に、バレル研磨する部分を説明するための正面断面図であり、(b)は(a)中の円Zで囲まれた部分の拡大図である。本実施形態では、複数の第1の内部電極3が引き出されている第1の側面側に複数の第1の引き出し補助電極31aが積層されている。図16では、バレル研磨前の状態を示す。バレル研磨により、図16の一点鎖線Fで示す部分までセラミック積層体12Aが研磨される。第1の引き出し補助電極31aは、複数の第1の内部電極3間に積層されており、バレル研磨により露出された第1の側面12cに露出することとなる。
【0104】
引き出し補助電極31aは、バレル研磨により研磨される部分よりも長さ方向外側に延ばされている。そのため、複数の第1の補強電極7は、図示のように屈曲する。すなわち、引き出し補助電極31aが形成されている部分において、厚み方向外側に位置するように屈曲する。このような構造においても、一点鎖線Fで示す部分まで研磨した場合、第1の補強電極7の折り返し部側端部がセラミック積層体表面に露出し、他方側端部は、コーナー部または稜線の端面に露出することとなる。このような引き出し補助電極31aを設けた構造にも、本発明を適用することができる。
【0105】
なお、第2の側面側においても、またセラミック積層体の上方の外層部分側においても同様に第1,第2の補強電極7,8が形成されている。
【0106】
上記引き出し補助電極31a,31bを設けた場合、第1の補強電極7は、上述したように湾曲する。この場合、積層体表面に露出している第1の補強電極7間の間隔は、コーナー部から離れる程小さくなり、コーナー部に近づくほど大きくなる。従って、コーナー部において、第1の補強電極7の露出部分の間隔か大きくなり、十分幅の広い補強電極露出部分が形成される。従って、コーナー部において、内部電極の厚みを十分に厚くすることが容易となる。
【0107】
上記引き出し補助電極31a,31bの厚みは、0.3〜2.0μmの範囲であることが好ましい。引き出し補助電極の厚みが薄くなりすぎると、第1の補強電極7を図示のように湾曲させることができないことがある。また厚すぎると、引き出し部において、第1の内部電極3が厚み方向において上方または下方にシフトしすぎ、信頼性が低下することがある。なお、各寸法は、積層セラミックコンデンサの断面を研磨し、光学顕微鏡で断面を計測することで得られる。
【0108】
図17は、第2の実施形態で得られたセラミック焼結体の補強電極の湾曲状態を示す電子顕微鏡写真である。図17から明らかなように、第2の実施形態においても、複数の補強電極が湾曲し、有効領域側の端部の少なくとも1部がセラミック焼結体の下面に露出していることがわかる。
【0109】
図18は、本発明の第3の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ41を示す斜視図である。
【0110】
積層セラミックコンデンサ41は、直方体状のセラミック焼結体42を有する。セラミック焼結体42は、上面42aと、下面42bと、上面42a及び下面42bを結ぶ第1〜第4の側面42c〜42fを有する。
【0111】
本実施形態では、第1の側面42c側に、複数の第1の外部電極5が形成されている。すなわち、第1の外部電極5は、第1の側面42c上を上下に延びており、さらに上面42a及び下面42bに至っている折り返し部を有する。第2の側面42d上においても、同様にして、複数の第2の外部電極6が形成されている。外部電極5,6は、第1の外部電極5,6と同様に構成されている。
【0112】
セラミック焼結体42内においては、図19(a)に示す第1の内部電極3Bと、図19(b)に示す第2の内部電極4Bとがセラミック層を介して重なり合っている。すなわち、複数の第1の内部電極3Bは、第1の側面42cに引き出されている。この複数の第1の内部電極3Bは、複数の第1の外部電極5に、それぞれ電気的に接続されている。同様に、複数の第2の内部電極4Bは、複数の第2の外部電極6にそれぞれ電気的に接続されている。
【0113】
従って、本実施形態では、第1,第2の内部電極3,4及び第1,第2の外部電極5,6からなるコンデンサユニットが、セラミック焼結体42内において、第3の側面42eと第4の側面42fとを結ぶ方向において複数並設されている。言い換えれば、第1の実施形態の積層セラミックコンデンサ1が、複数個一体化された構造を有する。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1,第2の外部電極5,6が、厚膜電極層及びめっき層を積層した構造を有する。また、本発明の特徴である第1,第2の補強電極が、第1,第2の外層部分に設けられている。
【0114】
図19(c)は、上記セラミック焼結体42を得るに際し、セラミックグリーンシート上に形成された補強電極パターンを説明するための模式的平面図である。ここでは、焼成前の矩形のセラミックグリーンシート44において、一方の端縁44aに沿うように、第1の補強電極を形成するための電極パターン7Bが形成されている。同様に、第2の端縁44b側において、第2の補強電極を形成するための電極パターン8Bが形成されている。この端縁44a,44bは、焼成後のセラミック焼結体42における第1の側面42c及び第2の側面42dに相当する位置である。
【0115】
上記補強電極を形成するための電極パターン7B,8Bが印刷されたセラミックグリーンシート44を、複数枚積層することにより、第1,第2の補強電極形成部分が構成される。
【0116】
本実施形態のように、本発明の電子部品では、第1,第2の補強電極を有する電子部品ユニットが、1つのセラミック焼結体42において複数設けられていてもよい。
【0117】
図20(a)は、本発明の第4の実施形態に係る電子部品としての積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。積層セラミックコンデンサ51は、セラミック焼結体52を有する。セラミック焼結体52は、直方体状の形状を有する。
【0118】
図20(b)は、セラミック焼結体52内に配置されている第1の内部電極53を説明するための平面断面図である。セラミック焼結体52内において、第1の側面52cと第1の側面52cと対向し合う第2の側面52dとに至るように、第1の内部電極53が形成されている。
【0119】
第1の内部電極53とセラミック層を介して重なり合うように、図20(c)に示す第2の内部電極54が形成されている。第2の内部電極54は、セラミック焼結体52の対向し合う第3,第4の側面52e,52fの中央に引き出されている。
【0120】
上記のように、第1の内部電極53は貫通電極として形成されている。好ましくは、第2の内部電極54がグラウンド電位に接続される内部電極として用いられる。
【0121】
第1の側面52cと第2の側面52dとを結ぶ方向を長さ方向とする。第1,第2の内部電極53,54が上記のように形成されているので、図20(a)に示すように、セラミック焼結体52の長さ方向両端に第1の外部電極55,56が形成されている。第1の外部電極55,56は、第1の内部電極53に電気的に接続されている。他方、セラミック焼結体52の第3,第4の側面52e,52fを覆うように、第2の外部電極55A,56Aが形成されている。第2の外部電極55A,56Aは、第2の内部電極54に電気的に接続されている。
【0122】
上記第1の内部電極53及び第2の内部電極54は、セラミック焼結体52の厚み方向において交互に複数層積層されている。
【0123】
本実施形態においても、上記第1,第2の内部電極53,54が積層されている部分の上下に外層部が構成されている。そして、外層部に、第1の実施形態と同様に複数の第1,第2の補強電極が形成されている。
【0124】
図20(d)は、補強電極を形成するための電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート57を示す模式的平面図である。セラミックグリーンシート57の長さ方向両端に位置しており、かつ幅方向に延びる端縁57a,57bは、第1,第2の側面52c,52dが位置している部分に相当する。端縁57a,57bから内側に向かって、第1の補強電極層を形成するための電極パターン58a,58bが形成されている。
【0125】
同様に、長さ方向に延びる端縁57c,57d中央においては、内側に延びるように、第2の補強電極を形成するための電極パターン59a,59bが形成されている。このような電極パターン58a,58b,59a,59bが印刷された複数枚のセラミックグリーンシート57を積層することにより、外層部を構成することができる。そして、前述したように、セラミック積層体を得た後をバレル研磨し焼成することにより、第1の実施形態と同様に第1,第2の補強電極を形成することができる。すなわち、セラミック焼結体52を得た段階で、複数の第1,第2の補強電極の有効領域側端部の少なくとも1部をセラミック焼結体52の上面52a及び下面52bに露出させることができる。よって、第1の実施形態と同様に厚膜電極層及びめっき層を形成することにより、外部電極55,56の有効領域側端部と、厚膜電極層の有効領域側の端部とをずらすことができる。
【0126】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、応力集中によるクラックが生じ難い積層セラミックコンデンサ51を得ることができる。
【0127】
なお、本実施形態において、有効領域とは、第1の内部電極53と第2の内部電極54とがセラミック層を介して重なり合う領域であり、本実施形態では、第1の引き出し領域が、セラミック焼結体52において、有効領域の長さ方向両側に設けられ、第2の引き出し領域は、有効領域のセラミック焼結体52の幅方向両側に設けられることになる。
【0128】
前述したように、第2の内部電極54をグラウンド電位に接続される内部電極として用いることが望ましい、この場合、第2の外部電極55A,56Aは、グラウンド電位に接続される側の外部電極となる。従って、さほど高い信頼性を求められない。よって、第2の外部電極55A,56Aは、厚膜電極層を有せず、めっき層のみにより形成されていてもよい。
【0129】
第2〜第4の実施形態から明らかなように、本発明が適用される電子部品における内部電極の積層形態や引き出し位置は特に限定されるものではない。
【0130】
第1の実施形態では、複数の第1の補強電極において、補強電極の焼成前の積層体段階における平面形状を同一としていた。しかしながら、複数の第1の補強電極の焼成前の平面形状は異ならせてもよい。
【0131】
例えば、図21(a)〜(c)は、第1の実施形態の積層セラミックコンデンサ1を得るのに用いた焼成前の積層体12A内における複数の第1,第2の補強電極7,7A,7B,8,8A,8Bの平面形状を模式的に示す。ここでは、第1,第2の補強電極7,8から、図21(c)に示す第1,第2の補強電極7B,8Bに至るにつれて、幅方向寸法が大きくされている。この場合、いずれの側が積層体の外表面側に位置していてもよいが、このように、補強電極の幅方向寸法を異ならせることにより、バレル研磨及び焼成後における第1,第2の補強電極のセラミック焼結体の上面または下面に露出している部分の露出度合いを容易に調整することができる。
【0132】
同様に、図22(a)〜(c)に示すように、第1の補強電極7,7C,7D及び第2の補強電極8,8C,8Dの前述した長さ方向寸法すなわち有効領域側端部の位置を異ならせてもよい。この場合においても、積層体12Aをバレル研磨し、焼成した後の、第1,第2の補強電極の露出程度を容易に調整することができる。
【0133】
上述した実施形態では、セラミックコンデンサとしての本発明の電子部品を説明したが、本発明は、セラミックコンデンサに限定されるものではない。すなわち、本発明の電子部品は、セラミック圧電素子、半導体セラミックを用いたサーミスタ素子、セラミックインダクタ素子またはセラミック抵抗素子であってもよい。従って、サーミスタ素体は、圧電体セラミックス、半導体セラミックス、磁性体セラミックスまたは抵抗体セラミックスにより適宜形成することができる。
【0134】
また、上記各実施形態及び変形例では、セラミック素体内に複数の内部電極が形成されていたが、本発明は、セラミック素体内に上記補強電極以外の内部電極を有しない電子部品であってもよい。例えば、抵抗体セラミックスからなるセラミック素体の両端面に第1,第2の外部電極が形成されている電子部品であってもよい。その場合においても、本発明に従って複数の補強電極をセラミック素体内に形成することにより、厚膜電極層の内側端縁よりも内側端縁が内側に位置している外部電極を形成することができる。それによって、めっき層のセラミック素体への密着強度を高め、信頼性を高めることができる。加えて、セラミック素体の外部応力によるクラックを効果的に抑制することができる。
【符号の説明】
【0135】
1…積層セラミックコンデンサ
2…セラミック焼結体
2a…上面
2b…下面
2c,2d…第1,第2の側面
2e…側面
3,3B…第1の内部電極
4,4B…第2の内部電極
5,6…第1,第2の外部電極
5a,6a…厚膜電極層
5a1,5b1…端部
5b,6b…めっき層
7,7A,7B,7C,7D…第1の補強電極
8,8A,8B,8C,8D…第2の補強電極
7a,7b,8a,8b…端部
10…電極パターン
11…マザーの積層体
12A…積層体
12a…上面
21…メディアボール
31a,31b…第1,第2の引き出し補助電極
41…積層セラミックコンデンサ
42…セラミック焼結体
42a…上面
42b…下面
42c〜42f…第1〜第4の側面
44…セラミックグリーンシート
44a,44b…端縁
7B,8B…電極パターン
51…積層セラミックコンデンサ
52…セラミック焼結体
52c〜52f…第1〜第4の側面
53,54…第1,第2の内部電極
55,56…第1の外部電極
55A,56A…第2の外部電極
57…セラミックグリーンシート
57a〜57d…端縁
58a,58b,59a,59b…電極パターン
X…有効領域
Y1,Y2…第1,第2の引き出し領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面と、上面と下面とを結ぶ第1〜第4の側面とを有する直方体状のセラミック素体と、
前記第1〜第4の側面のうち1つの側面に形成された第1の外部電極と、
前記第1〜第4の側面のうち1つの側面に形成された第2の外部電極とを備え、
前記第1,第2の外部電極が、焼結金属からなる厚膜電極層と、厚膜電極層を覆うように形成されためっき層とを有し、
前記第1,第2の外部電極が、前記第1,第2の外部電極が形成されている側面を覆う外部電極本体部と、外部電極本体部に連なっており、前記セラミック素体の上面及び下面に至っている折り返し部とを有し、
前記セラミック素体内に形成された複数の補強電極をさらに備え、該複数の補強電極のうち少なくとも1つの補強電極の端部が、前記セラミック素体の上面または下面において、前記折り返し部における前記厚膜電極層よりもセラミック素体の内側において露出しており、前記めっき層が、厚膜電極層及び前記少なくとも1つの補強電極の端部の露出している部分を覆うように形成されており、前記折り返し部において、前記厚膜電極層の内側端縁よりも前記めっき層の内側端縁が内側に位置している、電子部品。
【請求項2】
前記セラミック素体が、前記セラミック焼結体と、セラミック焼結体内においてセラミック層を介して重なり合うように配置されている複数の内部電極とを有し、複数の内部電極が、前記セラミック素体の第1〜第4の側面のうち少なくとも1つの側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック素体の前記第1〜第4の側面のうちの少なくとも1つの側面に引き出された第2の内部電極とを有し、
前記第1,第2の外部電極が、前記第1,第2の内部電極が引き出されている側面にそれぞれ形成されている、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
異なる電位に接続される前記内部電極同士がセラミック層を介して重なり合っている領域を有効領域とし、前記有効領域の外側の領域であって、有効領域と、第1,第2の内部電極が引き出されている側面との間の領域をそれぞれ第1,第2の引き出し領域としたときに、前記複数の補強電極が、前記第1の引き出し領域と前記有効領域とに跨がるように形成された複数の第1の補強電極と、前記第2の引き出し領域と前記有効領域とに跨がるように形成された複数の第2の補強電極とを有する、請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記複数の内部電極が配置されている部分の上方及び下方の少なくとも一方の外層部分において、前記複数の第1,第2の補強電極が配置されている、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第1,第2の補強電極が、前記複数の内部電極が重なり合っている部分の上方の外層及び下方の外層部分の双方に設けられている、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記複数の第1,第2の補強電極の面積が、前記セラミック素体の上面及び下面のうち近い方の面に近づくほど小さくされている、請求項4または5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第1,第2の補強電極の前記有効領域側端部と、反対側の端部を結ぶ寸法を第1,第2の補強電極の長さとしたときに、前記複数の第1,第2の補強電極の長さが、前記セラミック焼結体の上面及び下面のうち近い方の面に近づくほど短くされている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記第1,第2の引き出し領域において、前記セラミック焼結体の前記第1,第2の内部電極が引き出されている側面にそれぞれ引き出されており、かつ前記有効領域に至らない第1,第2の引き出し補助電極が、前記第1,第2の内部電極とセラミック層を介して重なり合うように設けられている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項9】
前記第1〜第4の側面の内、対向し合う第1,第2の側面に前記第1,第2の内部電極がそれぞれ引き出されている、請求項4〜8のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項10】
前記第1〜第4の側面の内、対向し合う第1,第2の側面に前記第1の内部電極が引き出されており、かつ対向し合う第3,第4の側面に前記第2の内部電極が引き出されている、請求項4〜8のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項11】
前記第1,第2の内部電極と前記第1,第2の外部電極とを有するユニットが複数形成されている、請求項2〜10のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項12】
積層セラミックコンデンサである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−44151(P2012−44151A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131439(P2011−131439)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】