説明

電極組立体、および二次電池

【課題】電池性能を低下させない範囲で電池安全性を最大限確保することが可能な電極組立体、および二次電池を提供する。
【解決手段】第1電極と、第2電極と、セラミックス物質からなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜を含むセパレータとを含み、多孔膜の厚さは4〜6μmであり、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さは12〜16μmであり、多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜は、第1電極と第2電極との間に位置する電極組立体が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体およびそれを備える二次電池(Electrode Assembly and Secondary Battery having the Same)に関し、特に、電池性能を低下させない範囲で電池安全性を最大限確保することができる二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電子機器の小型化および軽量化が急速に進んでおり、その駆動電源として用いる電池の小型化および高容量化に対する必要性が大きくなっている。特に、リチウム二次電池の作動電圧は3.6V以上であって、携帯電子機器の電源として多く利用されるニッケル−カドミウム電池や、ニッケル−水素電池よりも作動電圧が3倍も大きく、単位質量当たりエネルギー密度が高いということで、その需要は急激に増えている。
【0003】
リチウム二次電池とは、リチウムイオンが正極および陰極においてインターカレーション/デインターカレーション時の酸化、還元反応により電気エネルギーを生成するものである。このようなリチウム二次電池は、リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーションすることができる物質を正極と陰極の活物質として用いて、正極と陰極との間に有機電解液またはポリマー電解液を充電して製造する。
【0004】
リチウム二次電池は、陰極板および正極板がセパレータを間にして一定形態、例えば、ゼリーロール(jelly−roll)状に巻回されている電極組立体と、この電極組立体および電解液が収納される缶と、缶の上部に組み立てられるキャップ組立体とで構成される。
【0005】
従来のセパレータとしては、通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系微多孔性高分子膜またはそれらの多重膜が用いられていたが、そのようなポリオレフィン系セパレータは多孔膜層がシート(sheet)またはフィルム(film)形状であるため、内部短絡や過充電による発熱によって多孔膜の気孔の詰まりとともに、シート上のセパレータも収縮するという欠点を有する。
【0006】
したがって、シート上のセパレータが電池の内部発熱により収縮されて縮まると、セパレータが減ってなくなった部分に正極と陰極が直接接触されることになるので、発火、破裂、爆発に至るような問題がある。
【0007】
したがって、上述のようなフィルム上におけるセパレータの問題点を補完するために、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)のセラミックス物質とバインダーの結合により形成される多孔膜をコーティングして、セパレータとして適用するセラミックスセパレータに関する研究が活発に行われている。
【0008】
この場合、セラミックスセパレータは、ポリオレフィン材質のフィルム上のセパレータが120℃以上の高温で溶融、収縮するという短所を補完する役割をし、したがって、既存のフィルム上のセパレータとセラミックスセパレータとを兼用する趨勢である。
【0009】
しかし、フィルム上のセパレータとセラミックスセパレータとを兼用する場合、電池の安全性は向上するが、既存のような電池のセル容量を維持するために、フィルム上のセパレータの厚さがセラミックスセパレータの厚さ程度に薄くなければならない。
【0010】
すなわち、セラミックス層厚が所定の厚さ以下の場合はセラミックス層の安全性向上効果を奏することができず、所定の厚さ以上の場合は電池性能が低下されるという問題が発生する。また、フィルム上のセパレータの場合も厚さが所定の厚さ以下になると電池の熱特性は悪く、また厚すぎると電池性能は低下するという問題がある。
【0011】
したがって、フィルム上のセパレータとセラミックスセパレータとの適合性が重要であって、結局、電池性能を低下させない範囲で電池安全性が最大限確保される最適の設計が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許第2007−0012833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電池性能を低下させない範囲で電池安全性を最大限確保することが可能な、新規かつ改良された電極組立体、および二次電池を提供することにある。
【0014】
また、本発明は、容量維持率が優れ、熱露出特性および機械的安全性が優れる二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、第1電極と、第2電極と、セラミックス物質からなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜を含むセパレータとを含み、上記多孔膜の厚さは4〜6μmであり、上記ポリオレフィン系樹脂膜の厚さは12〜16μmであり、上記多孔膜および上記ポリオレフィン系樹脂膜は、上記第1電極と上記第2電極との間に位置する電極組立体が提供される。
【0016】
また、上記第1電極は正極活物質層を含む正極からなり、上記第2電極は陰極活物質層を含む陰極からなってもよい。
【0017】
また、上記多孔膜および上記ポリオレフィン系樹脂膜は、上記正極活物質層および上記陰極活物質層のうち少なくともいずれか1つで形成されてもよい。
【0018】
また、上記多孔膜は上記正極活物質層または上記陰極活物質層上にコーティングされ、上記ポリオレフィン系樹脂膜は上記多孔膜上に位置してもよい。
【0019】
また、上記ポリオレフィン系樹脂膜は上記正極活物質層または上記陰極活物質層上に位置し、上記多孔膜は上記ポリオレフィン系樹脂膜上にコーティングされてもよい。
【0020】
上記ポリオレフィン系樹脂膜は、ポリエチレン(PE)単層膜、ポリプロピレン(PP)単層膜またはポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレン多層膜であってもよい。
【0021】
また、上記多孔膜は、セラミックス物質およびバインダーを含んで形成されてもよい。
【0022】
また、上記多孔膜のセラミックス物質は、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)およびジルコニウム、アルミニウム、シリコン、チタンのそれぞれの絶縁性窒化物、水酸化物、ケトン化物、上記化合物の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0023】
また、上記バインダーは、合成ゴム系ラテックス状バインダーまたは架橋構造を有するアクリル系ゴムであってもよい。
【0024】
また、上記合成ゴム系ラテックス状バインダーは、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスおよび変性ポリオカノシロキサン系重合体ラテックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0025】
また、上記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、アクリル系主単量体の重合体と架橋性共単量体の架橋反応によって形成されるか、またはアクリル系主単量体の共重合体と架橋性共単量体との架橋反応によって形成されてもよい。
【0026】
また、上記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、2〜10個の架橋点を有する3次元架橋構造からなってもよい。
【0027】
また、上記架橋構造を有するアクリル系ゴムバインダーは、主鎖分子の1万分子量単位に対して4〜5個の架橋点を有してもよい。
【0028】
また、上記アクリル系主単量体は、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、ジサイクロペンテニルロキシエチルアクリレート中から選択されるアルコキシアルキルアクリレートと、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブチニルメタクリレート、3,3−ジメチルブチニルアクリレート中から選択されるアルケニルアクリレートまたはアルケニルメタクリレートと、ジビニルイタコネート、ジビニルマリート中から選択される不飽和ジカルボキシ酸エステルと、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブチニルエーテル中から選択されるビニル基含有エーテルと、1−アクリルロイルロキシ−1−フェニルエテンと、メチルメタクリレートとからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0029】
また、上記架橋性共単量体は、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート中から選択されるアルキルアクリレートと、ビニルクロロアセテート、アクリルクロロアセテート中から選択されるアルケニルクロロアセテートと、グルシジルアクリレート、ビニルグルシジルエテル、アクリルグルシジルエテル中から選択されるグルシジル基含有エステルまたはエーテルと、アクリル酸、メタクリル酸、マレー酸中から選択される不飽和カルボキシ酸と、2−クロロエチルビニルエテルと、クロロメチルスチレンと、アクリロニトリルとからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0030】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、第1電極と、第2電極と、セラミックス物質からなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜を含むセパレータと、電解液と含み、上記多孔膜の厚さは4〜6μmであり、上記ポリオレフィン系樹脂膜の厚さは12〜16μmであり、上記多孔膜および上記ポリオレフィン系樹脂膜は上記第1電極と上記第2電極との間に位置する二次電池が提供される。
【0031】
また、上記第1電極は正極活物質層を含む正極からなり、上記第2電極は陰極活物質層を含む陰極からなってもよい。
【0032】
また、上記多孔膜および上記ポリオレフィン系樹脂膜は、上記正極活物質層および上記陰極活物質層のうち少なくともいずれか1つで形成されてもよい。
【0033】
また、上記多孔膜は上記正極活物質層または上記陰極活物質層上にコーティングされ、上記ポリオレフィン系樹脂膜は上記多孔膜上に位置してもよい。
【0034】
また、上記ポリオレフィン系樹脂膜は上記正極活物質層または上記陰極活物質層上に位置し、上記多孔膜は上記ポリオレフィン系樹脂膜上にコーティングされてもよい。
【0035】
また、上記ポリオレフィン系樹脂膜は、ポリエチレン(PE)単層膜、ポリプロピレン(PP)単層膜またはポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレン多層膜であってもよい。
【0036】
また、上記多孔膜は、セラミックス物質およびバインダーを含んで形成されてもよい。
【0037】
また、上記多孔膜のセラミックス物質は、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)およびジルコニウム、アルミニウム、シリコン、チタンのそれぞれの絶縁性窒化物、水酸化物、ケトン化物、上記化合物の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0038】
また、上記バインダーは、合成ゴム系ラテックス状バインダーまたは架橋構造を有するアクリル系ゴムであってもよい。
【0039】
また、上記合成ゴム系ラテックス状バインダーは、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスおよび変性ポリオカノシロキサン系重合体ラテックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0040】
また、上記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、アクリル系主単量体の重合体と架橋性共単量体との架橋反応によって形成されるか、またはアクリル系主単量体の共重合体と架橋性共単量体との架橋反応によって形成されてもよい。
【0041】
また、上記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、2〜10個の架橋点を有する3次元架橋構造からなってもよい。
【0042】
また、上記架橋構造を有するアクリル系ゴムバインダーは、主鎖分子の1万分子量単位に対して4〜5個の架橋点を有してもよい。
【0043】
また、上記アクリル系主単量体は、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、ジサイクロペンテニルロキシエチルアクリレート中から選択されるアルコキシアルキルアクリレートと、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブチニルメタクリレート、3,3−ジメチルブチニルアクリレート中から選択されるアルケニルアクリレートまたはアルケニルメタクリレートと、ジビニルイタコネート、ジビニルマリート中から選択される不飽和ジカルボキシ酸エステルと、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブチニルエーテル中から選択されるビニル基含有エーテルと、1−アクリルロイルロキシ−1−フェニルエテンと、メチルメタクリレートとからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0044】
上記架橋性共単量体は、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート中から選択されるアルキルアクリレートと、ビニルクロロアセテート、アクリルクロロアセテート中から選択されるアルケニルクロロアセテートと、グルシジルアクリレート、ビニルグルシジルエテル、アクリルグルシジルエテル中から選択されるグルシジル基含有エステルまたはエーテルと、アクリル酸、メタクリル酸、マレー酸中から選択される不飽和カルボキシ酸と、2−クロロエチルビニルエテルと、クロロメチルスチレンと、アクリロニトリルとからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0045】
また、上記電解液は非水性有機溶媒を含み、上記非水性有機溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ブチロラクトン(BL)、デカノリド、バレロラクトン、メバロノラクトン、カプロラクトン、n−メチルアセテート、n−エチルアセテート、n−プロピルアセテート、ジブチルエーテルおよびポリメチルビニルケトンからなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0046】
また、上記電解液はカーボネート系溶媒および芳香族炭化水素系有機溶媒を含み、上記カーボネート系溶媒と上記芳香族炭化水素系溶媒との体積比が1:1〜30:1であってもよい。
【0047】
また、上記電解液は、リチウム塩を含んでもよい。
【0048】
また、上記リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2x+1SO)(ここで、xおよびyは自然数である)、LiSOCFおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質であってもよい。
【0049】
また、上記リチウム塩の濃度は、0.6〜2.0Mであってもよい。
【0050】
また、上記リチウム塩の濃度は、0.7〜1.6Mであってもよい。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、電池性能を低下させない範囲で電池安全性を最大限確保することができる。
【0052】
また、本発明によれば、容量維持率が優れ、熱露出特性および機械的安全性が優れる二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態に係る電極組立体を示す断面図である。
【図2B】本発明の実施形態に係る電極組立体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0055】
本発明の上記目的と技術的構成およびその作用効果については、以下の本発明の詳細な説明によって明確に理解することができる。
【0056】
次に、本発明の実施形態に係るセパレータを含む電極組立体およびそれを備える二次電池について説明する。
【0057】
図1は本発明の実施形態に係る二次電池10を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る二次電池10は、缶12を含み、缶12は電極組立体14を収容している。
【0058】
電極組立体14は、第1電極板16、第2電極板18および二つの電極板間に位置するセパレータ20を含んで形成される。電極組立体14は当業界において周知のように巻回されてゼリーロール状を有することができる。
【0059】
第1電極タップ22および第2電極タップ24は、それぞれ第1電極板16および第2電極板18に接続されている。
【0060】
一方、缶12の開口部26は、周知のように、キャップ組立体28によって密封される。キャップ組立体28は、絶縁ケース30、ターミナルプレート32、絶縁プレート34およびキャッププレート36を含んで構成される。
【0061】
絶縁ケース30は、第1電極タップ22が通過するタップグルーブ38および第2電極タップ24が通過するタップ通孔40を含む。また、絶縁ケース30は第1電極タップ22と第2電極タップ24間の絶縁を提供する。
【0062】
第2電極タップ24は、ターミナルプレート32と接続され、電極端子42はターミナルプレート32と接続される。
【0063】
また、電極端子42は、キャッププレート36、絶縁プレート34およびターミナルプレート32内に形成されている通孔44を通過し、第2電極タップ24に接続される。
【0064】
第1電極タップ22は、タップグルーブ38を介してキャッププレート36に接続され、また、第1電極タップ22は絶縁プレート34によって第2電極タップ24およびターミナルプレート32と絶縁される。
【0065】
一方、電極端子42は、絶縁ガスケット46を介してキャッププレート36と絶縁される。
【0066】
また、図1に示すように、キャッププレート36および絶縁ケース30には電解液を缶12に注入するための電解液注入口50が形成され、電解液注入口50を密閉するための蓋52が含まれている。
【0067】
なお、図1に示す二次電池10は単に一実施形態である。つまり、本発明は、図1に示す二次電池10によって発明の範囲が限定されず、本発明に反映される他の形態の二次電池も本発明の発明の範囲に含まれるものとする。
【0068】
図2Aおよび図2Bは、本発明の実施形態に係る電極組立体を示す断面図である。図2Aおよび図2Bに示すように、本発明に係るセパレータは、セラミックス物質とバインダーによる結合からなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜を含んで形成され、図に示された多孔膜60およびポリオレフィン系樹脂膜70の順序は本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で置換することができる。
【0069】
より詳しくは、第1電極16は集電体64の両面にコーティングされた活物質層62を含み、第2電極18は集電体68の両面にコーティングされた活物質層66を含んで形成される。図2Aに示すように、多孔膜60は第1電極16の活物質層62上に位置し、ポリオレフィン系樹脂膜70は多孔膜60上に位置することができる。また、図2Bに示すように、ポリオレフィン系樹脂膜70は第1電極16の活物質層62上に位置し、ポリオレフィン系樹脂膜70上に多孔膜60が位置することができる。
【0070】
すなわち、本発明の実施形態では、多孔膜60とポリオレフィン系樹脂膜70が共に二次電池内でセパレータ20として作用することになる。
【0071】
まず、ポリオレフィン系樹脂膜70としては、例えば、ポリエチレンPE単層膜、ポリプロピレンPP単層膜、ポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレン多層膜などが用いられるが、本発明の実施形態がポリオレフィン系樹脂膜の種類および形態を限定するものではない。
【0072】
次に、多孔膜60は、セラミックス物質とバインダーの結合からなる。セラミックス物質としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)からなる群から選択される少なくとも1つの物質が用いられ、また、例えば、ジルコニウム、アルミニウム、シリコン、チタンのそれぞれの絶縁性窒化物、水酸化物、ケトン化物、またはこれら化合物の混合物を用いることができる。この場合、絶縁性窒化物との限定は、チタンナイトライド(TiN)などは導電性を有するため、本発明のセラミックス物質として好ましくないので限定したものである。
【0073】
バインダーとしては、合成ゴム系ラテックス状バインダーまたは架橋構造を有するアクリル系ゴムを用いることができる。
【0074】
合成ゴム系ラテックス状バインダーは、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスおよび変性ポリオカノシロキサン系重合体ラテックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含むものとすることができる。このような高分子ラテックスは水系分散体からなっていることが好ましく、その含量は電極活物質100質量部に対して固形分として0.1〜20質量部に用いることが好ましいが、0.1質量部未満の場合は集電体などに良好な接着力が得られなく、20質量部を超える場合は電池特性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0075】
また、架橋構造を有するアクリル系ゴムは、アクリル系主単量体の重合体または共重合体と架橋性共単量体の架橋反応によって形成されることができる。アクリル系主単量体の重合体または共重合体の1つのみを用いた場合に結合構造が弱くて切れやすいが、アクリル系主単量体の重合体または共重合体に架橋性単量体を入れると、架橋性単量体がアクリル系主単量体の重合体または共重合体構造と結合してさらに堅い網構造を形成することができる。このような網構造を有する高分子は、架橋度が増加するほど溶媒中に膨潤しにくい。架橋構造を有するアクリル系ゴムバインダーは主鎖分子の1万分子量単位に対して2〜10個の架橋点、好ましくは4〜5個の架橋点を有する3次元の架橋構造からなることができる。したがって、本発明の実施形態に係る架橋構造を有するアクリル系ゴムは電解液が含湿された場合に膨潤しない耐膨脹性を有することができる。
【0076】
セラミックス物質の本来の特性により分解温度が1000℃以上であり、またバインダーとしては、分解温度が250℃以上の架橋構造を有するアクリル系ゴムバインダーを用いるので、耐熱性の高い電池が得られ内部短絡に対する安全性が高くなる。
【0077】
アクリル系主単量体は、例えば、メトキシメチルアクリレート(methoxymethyl acrylate)、メトキシエチルアクリレート(methoxyethyl acrylate)、エトキシエチルアクリレート(ethoxyethyl acrylate)、ブトキシエチルアクリレート(buthoxyethylacrylate)、メトキシエトキシエチルアクリレート(methoxyethoxyethyl acrylate)、ジサイクロペンテニルロキシエチルアクリレート(dicyclopentenyloxyethyl acrylate)中から選択されるアルコキシアルキルアクリレート(alkoxyalkyl acrylate)と、ビニルメタクリレート(vinyl methacrylate)、ビニルアクリレート(vinyl acrylate)、アリルメタクリレート(allyl methacrylate)、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート(1,1−dimethylpropenyl methacrylate)、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート(1,1−dimethylpropenyl acrylate)、3,3−ジメチルブチニルメタクリレート(3,3−dimethylbutenyl methacrylate)、3,3−ジメチルブチニルアクリレート(3,3−dimethylbutenyl acrylate)中から選択されるアルケニルアクリレートまたはアルケニルメタクリレートと、ジビニルイタコネート(divinyl itaconate)、ジビニルマリート(divinyl maleate)中から選択される不飽和ジカルボキシ酸エステル(unsaturated dicarboxylic acid ester)と、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル(vinyl 1,1−dimethylpropenyl ether)、ビニル3,3−ジメチルブチニルエーテル(vinyl 3,3−dimethylbutenyl ether)中から選択されるビニル基含有エーテルと、1−アクリルロイルロキシ−1−フェニルエテン(1-acryloyloxy-1-phenylethene)と、メチルメタクリレート(methyl methacrylate)と、からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることができる。
【0078】
架橋性共単量体は、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート(2-ethylhexyl acrylate)、メチルアクリレート(methyl acrylate)、エチルアクリレート(ethyl acrylate)、プロピルアクリレート(propyl acrylate)、ブチルアクリレート(buthyl acrylate)、オクチルアクリレート(octyl acrylate)、イソオクチルアクリレート(iso−octyl acrylate)中から選択されるアルキルアクリレート(alkyl acrylate)と、ビニルクロロアセテート(vinyl chloroacetate)、アクリルクロロアセテート(acryl chloroacetate)中から選択されるアルケニルクロロアセテート(alkenyl chloroacetate)と、グルシジルアクリレート(glycidyl acrylate)、ビニルグルシジルエテル(vinylglycidyl ether)、アクリルグルシジルエテル(acryl glycidyl ether)中から選択されるグルシジル基含有エステルまたはエーテルと、アクリル酸(acrylic acid)、メタクリル酸(methacrylic acid)、マレー酸(maleic acid)中から選択される不飽和カルボキシ酸と、2−クロロエチルビニルエテル(2-chloroehtyl vinyl ether)と、クロロメチルスチレン(chloromethyl styrene)と、アクリロニトリル(acrylonitrile)と、からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることができる。
【0079】
本発明の実施形態において、セラミックス物質とバインダーによる結合からなる多孔膜60およびポリオレフィン系樹脂膜70を含んでなるセパレータ20は、16〜22μmであることが好ましい。
【0080】
セパレータ20の厚さが16μm未満の場合はセパレータの陰極と正極とを分離させてショートを防止することが困難であり、22μmを超える場合はセパレータの厚さ増加による同一大きさの二次電池でセル容量を出せる構成の厚さが減少するため、セル容量の側面から電池性能が低下する問題点がある。
【0081】
この場合、多孔膜60であるセラミックスセパレータの厚さは4〜6μmであることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂膜であるフィルム上のセパレータ70は、12〜16μmであることが好ましい。
【0082】
多孔膜60の厚さが4μm未満の場合は、機械的安全性が悪くなる問題点があり、多孔膜60の厚さが6μmを超える場合は機械的安全性が向上するものの、相対的にポリオレフィン系樹脂膜の厚さが薄くなるため、熱露出特性が低下する問題点がある。また、セラミックス層の抵抗がポリオレフィン系樹脂膜に比べて大きいので、寿命特性が低下するという問題がある。
【0083】
また、ポリオレフィン系樹脂膜70の厚さが12μm未満の場合は、熱露出特性が低下する問題があり、ポリオレフィン系樹脂膜70の厚さが16μmを超える場合は、相対的に多孔膜の厚さが薄くなるため機械的安全性が低下する問題とともに、抵抗層が厚くなって寿命特性が低下する問題がある。
【0084】
したがって、多孔膜であるセラミックスセパレータの厚さは4〜6μmであることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂膜であるフィルム上のセパレータは12〜16μmであることが好ましい。
【0085】
次に、本発明の実施形態に係るセパレータ20を含む電極組立体14およびそれを備える二次電池10は、正極16および陰極18を含む。
【0086】
正極16はリチウムイオンを可逆的にインターカレーションおよびデインターカレーションすることができる正極活物質を含んでおり、このような正極活物質の代表的な例としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、またはLiNi1−x−yCoxMyO(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1、MはAl、Sr、Mg、Laなどの金属)のようなリチウム−転移金属酸化物を用いることができるが、本発明の実施形態が正極活物質の種類を限定するものではない。
【0087】
陰極18はリチウムイオンをインターカレーションおよびデインターカレーションすることができる陰極活物質を含んでおり、このような陰極活物質としては、例えば、結晶質または非晶質の炭素、または炭素複合体の炭素系陰極活物質を用いることができるが、本発明が陰極活物質の種類を限定するものではない。
【0088】
正極および陰極は、電気伝導性を向上させるために導電材をさらに含むことができる。導電材としては、例えば、黒鉛系導電材、カーボンブラック系導電材、金属または金属化合物系導電材からなる群から選択される少なくとも1つを用いることができる。黒鉛系導電材の例としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛などがあり、カーボンブラック系導電材の例としては、例えば、アセチレンブラック、ケチェンブラック(ketjen black)、デンカブラック(denka black)、サーマルブラック(thermal black)、チャンネルブラック(channel black)などがあり、金属系または金属化合物系導電材の例としては、錫、酸化錫、燐酸錫(SnPO)、酸化チタン、チタン酸カリウム、LaSrCoO、LaSrMnOのようなペロブスカイト(perovskite)物質がある。
【0089】
電極活物質用バインダー(以下、「バインダー」とよぶ場合がある。)には、活物質のペースト化、活物質の相互接着、集電体との接着、活物質膨脹および収縮に対する緩衝効果などの役割をする物質として、例えば、ポリビニルリデンフルオライド、ポリヘキサフルオロプロピレン−ポリビニルリデンフルオライドの共重合体(P(VdF/HFP))、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、アルキレイティドポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどが用いられる。バインダーの含量は、電極活物質に対して1.1〜30質量%、好ましくは1〜10質量%である。バインダーの含量が少なすぎると電極活物質と集電体との接着力が不十分であり、バインダーの含量が大きすぎると接着力はよくなるが、電極活物質の含量がそれ分減少し電池容量を高容量化するのに不利となる。
【0090】
電極活物質、バインダーおよび導電材を分散させる際に使用する溶媒としては、非水溶媒または水系溶媒を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルアミノ−プロピルアミン、エチレンオキサイド、テトラハイドロフランなどが挙げられる。
【0091】
本発明の実施形態に係る多孔膜が陰極に形成される場合、陰極活物質のバインダーが水系、例えばスチレン−ブタジエンゴムであれば多孔膜に使用するバインダーは有機系を用い、陰極活物質のバインダーが有機系、例えばポリビニルリデンフルオライドであれば多孔膜に使用するバインダーは水系を用いることが好ましい。陰極活物質層と多孔膜に同一の有機系または水系バインダーを組み合わせて使用すると、その分散溶媒も同一の有機系または水系溶媒を用いなければならないので、すでに形成された陰極活物質層に多孔膜ペーストをコーティングする場合、すでに乾燥形成された陰極活物質層が多孔膜ペーストの溶媒にさらに溶け出すという問題点が発生する。
【0092】
多孔膜ペーストの溶媒は、有機系バインダーを用いる場合、NMP/サイクロヘキサノンを0:100〜50:50質量比、好ましくは30:70質量比で用いるか、またはNMPの代りにイソプロピルアルコール、トルエン、キシレン(xylene)などを用いることができる。陰極活物質のバインダーが有機系であれば多孔膜ペーストのバインダーは水系を用い、溶媒としては水を用いることができる。
【0093】
また、正極は正極集電体を含み、正極集電体としては、例えば、アルミニウムおよびアルミニウム合金などが用いられ、陰極は陰極集電体を含み、陰極集電体としては銅および銅合金などが用いられる。正極集電体および陰極集電体の形態としては、例えば、ホイル、フィルム、シート、パンチングされたもの、多孔質体、発泡体などが挙げられる。
【0094】
上述のように、本発明の実施形態では、多孔膜とポリオレフィン系樹脂膜が一緒に二次電池内でセパレータとして作用し、多孔膜とポリオレフィン系樹脂膜が正極または陰極または両方に形成された状態で二つの電極が積層されるか、または積層後に巻回されて電極群を形成することができる。
【0095】
このとき、多孔膜が正極活物質層または陰極活物質層にコーティングされた後、多孔膜の上部にポリオレフィン系樹脂膜が位置するか、または正極活物質層または陰極活物質層の上部にポリオレフィン系樹脂膜が位置した後にポリオレフィン系樹脂膜の上部に多孔膜がコーティングされるもので、本発明の実施形態では多孔膜とポリオレフィン系樹脂膜の積層順序を限定するものではない。
【0096】
ポリオレフィン系樹脂膜であるフィルム上のセパレータは、高温で収縮する問題があるが、多孔膜は収縮あるいは溶融(melting)する心配がない。すなわち、ポリオレフィン系フィルムセパレータは、内部短絡時に初期発熱で損傷された部分とともに、その周辺フィルムが継続的に収縮または溶融されてフィルムセパレータが焼けてなくなる部分が広くなるためよりハード(hard)なショートを発生することになるが、多孔膜が形成された電極は内部短絡が起きた部分に小さな損傷があるだけで、短絡部位が広がる現象は起きない。
【0097】
すなわち、本発明の実施形態では、多孔膜であるセラミックスセパレータによりポリオレフィン材質のフィルム上のセパレータが120℃以上の高温で溶融、収縮する短所を補完する役割をしており、特に、セラミックスセパレータとフィルム上のセパレータの厚さを限定し、電池性能を低下させない範囲で電池安全性を最大限確保することができる。
【0098】
次に、本発明の実施形態に係るセパレータを含む電極組立体を備える二次電池は電解液を含む。
【0099】
本発明の実施形態に係る電解液は、非水性有機溶媒を含み、非水性有機溶媒としては、例えば、カーボネート、エステル、エーテルまたはケトンを用いることができる。カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などが用いられる。エステルとしては、例えば、ブチロラクトン(BL)、デカノリド(decanolide)、バレロラクトン(valerolactone)、メバロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)、n−メチルアセテート、n−エチルアセテート、n−プロピルアセテートなどが用いられる。エーテルとしては、例えば、ジブチルエーテルなどが用いられ、また、ケトンとしては、例えば、ポリメチルビニルケトンが挙げられる。なお、本発明の実施形態は非水性有機溶媒の種類を限定するものではない。
【0100】
非水性有機溶媒がカーボネート系有機溶媒の場合に環状(cyclic)カーボネートと鎖状(chain)カーボネートを混合して用いることが好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートは1:1〜1:9の体積比で混合して用いることが好ましく、1:1.5〜1:4の体積比で混合して用いることがさらに好ましい。上記体積比に混合することで、電解質の性能が好ましくなる(例えば性能がより向上する)。
【0101】
本発明の実施形態に係る電解液は、カーボネート系溶媒に芳香族炭化水素系有機溶媒をさらに含むことができる。芳香族炭化水素系有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素系化合物が用いられる。
【0102】
芳香族炭化水素系有機溶媒の具体的な例としては、ベンゼン、フルオロベンゼン、コロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、フルオロトルエン、トリフルオロトルエン、キシレンなどが挙げられる。芳香族炭化水素系有機溶媒を含む電解質においてカーボネート系溶媒/芳香族炭化水素系溶媒の体積比が1:1〜30:1であることが好ましい。上記体積比に混合することによって、電解質の性能が好ましくなる(例えば性能がより向上する)。
【0103】
また、本発明の実施形態に係る電解液はリチウム塩を含み、リチウム塩は電池内においてリチウムイオンの供給源として作用することによって基本的なリチウム電池の作動ができるようにする。本発明の実施形態に係るリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2x+1SO)(ここで、xおよびyは自然数である)およびLiSOCFからなる群から選択される1つ以上またはこれらの混合物を含む。
【0104】
このとき、リチウム塩の濃度は0.6〜2.0M範囲内で用いることができ、0.7〜1.6M範囲が好ましい。リチウム塩の濃度が0.6M未満である場合は電解液の粘度が低くなって電解液性能が低下し、2.0Mを超える場合には電解液の粘度が増加してリチウムイオンの移動性が減少するという問題がある。
【0105】
上述のような本発明のセパレータを陰極と正極との間に介在して積層するか、または積層後巻回して電極群を形成した後、缶またはその類の容器に入れた後、電解液を注入して二次電池を製造する。
【0106】
また、上記の方法で製造された二次電池の外形には制限がなく、例えば、円筒状、角形またはパウチ(pouch)形でもよい。
【0107】
以下、本発明の好適な実施例および比較例を記載する。しかし、次の実施例は本発明の好適な実施例の一例であって、本発明が以下の実施例に限定されるのではない。
【0108】
[実施例1]
正極活物質としてLiCoO、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド(PVDF)および導電材としてカーボンを92:4:4の質量比で混合した後、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極スラリーを製造した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウムホイルにコーティングした後、乾燥、圧延して正極を製造した。陰極活物質として人造黒鉛、バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴムおよび増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを96:2:2の質量比で混合した後、水に分散させて陰極活物質スラリーを製造した。このスラリーを厚さ15μmの銅ホイルにコーティングした後、乾燥、圧延して陰極を製造した。
【0109】
製造した電極間にセラミックス物質とバインダーからなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜からなるセパレータを介在し、これを巻回および圧縮して円筒状缶に挿入した。
【0110】
このとき、多孔膜の厚さは4μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さは12μmとした。
【0111】
円筒状缶に電解液を注入してリチウム二次電池を製造した。
【0112】
[実施例2]
ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを16μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0113】
[実施例3]
多孔膜の厚さを6μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0114】
[実施例4]
多孔膜の厚さを6μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを16μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0115】
[比較例1]
多孔膜の厚さを2μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを20μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0116】
[比較例2]
ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを10μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0117】
[比較例3]
ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを18μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0118】
[比較例4]
多孔膜の厚さを8μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを10μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0119】
[比較例5]
多孔膜の厚さを6μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを10μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0120】
[比較例6]
多孔膜の厚さを6μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さを18μmとし、その他は実施例1と同様に実施した。
【0121】
上記実施例1〜4、比較例1〜6のリチウム電池を0.5C充放電速度で4.2V、CC−CV方式でカット−オフ充電した後、これを1C充放電速度で3V、CC方式でカットオフ放電を100回実施後、100回目の容量維持率を計算して100回の容量(%)を測定した。
【0122】
また、上記実施例1〜4、比較例1〜6におけるリチウム電池の衝突特性を測定した。衝突特性は、標準充電状態のリチウム電池を用いて実施し、リチウム電池を平坦な鉄板に水平に置き、所定直径(15.8mm)の丸棒を軸方向が互いに垂直になるように電池上に置いた後、丸棒上に所定質量(9.1kg)の追加所定高さ(610±25mm)から自由落下させて、丸棒と電池を衝突させた。このとき、電池下端に熱電対温度計を接続して衝突後の電池表面の温度変化および電池の変化を観察した。
【0123】
このとき、衝突特性検査をパスするためにはL1レベル以下を維持すべきであり、詳細な基準としては、L0は変化がない状態であって、L1は漏液が発生するレベルであり、L2は表面温度が200℃未満で煙が発生するレベル、また、L3は表面温度が200℃以上で煙が発生するレベル、L4は発火するレベル、L5は爆発、破裂が起きるレベルである。
【0124】
衝突特性を測定し、L1レベル以下の場合は「OK」、L2レベル以上の場合は「NG」と表示した。
【0125】
また、上記実施例1〜4、比較例1〜6のリチウム電池の熱露出特性を測定した。熱露出特性は標準充電状態のリチウムイオンの二次電池をチャンバに入れた後、温度を常温から130℃までに分当たり5℃の温度上昇速度で温度を増加させた後、130℃で1時間維持し、電池の変化を観察した。このとき、熱露出特性検査をパスするためには130℃において10分間はL1レベル以下を維持すべきであって、その詳細なレベル基準を次に示す。
【0126】
まず、L0は外観上の変化がない場合であって、漏液はなく閃光のみある場合、または電池の密閉性を維持していて試験中の衝撃によって変形した場合を含む。L1は電解液のような内部構成物の一部が損失されて当初電池重さの0.1%以上減少した場合、または、ベントのように電池設計上破壊を誘導していた部分が破壊された場合、または、肉眼により電池外観に電解液などが噴出した痕跡があった場合である。漏液確認のためには試験後に必ず電池の重さを測定して当初電池重さと比較すべきであるが、安全性試験項目の場合はこれを省略することができる。発煙、ガス噴出、発火を伴わず、試験中の衝撃により電池の機構物が破壊されて内部の電解液が漏出した場合も含む。L2は熱輻輳なしに煙だけ発生し、電池表面温度は200℃を超えない状態で電池内部に蒸気発生などの場合である。L3は熱輻輳とともに煙が発生し、電池表面温度が200℃を超えて激烈にガスが放出される状態あるいは外観上に煙発生痕跡は観察されないが、熱輻輳によって電池表面温度が200℃を超えた状態である。L4は電池の内容物が自己発火して花火が飛び、焼かれた状態で、激烈に花火が発生し続ける状態または外装材に焼き跡が残って発火と推定する状態である。L5は電池内部からの圧力により内部構造物が放出され、電池ケースが電池設計上に破壊を認めた部分以外の部分が破壊されて破片が放出されている状態である。
【0127】
この熱露出特性を測定してL1レベル以下の場合を「OK」、L2レベル以上の場合を「NG」として表示した。
【0128】
上記測定結果を以下の表1に示す。
【0129】
【表1】

【0130】
表1に示すように、実施例1と比較例1とを比較すると、多孔膜厚さとポリオレフィン系樹脂膜厚さとの合計は比較例1がもっと厚いが、衝突特性においては実施例1がさらによい結果を表している。これは、多孔膜厚さが4μm以上でなければ衝突特性による機械的な安全性効果が得られないことを示す。
【0131】
また、実施例1と比較例2とを比較した場合、ポリオレフィン系樹脂膜厚さが薄すぎると(10μm以下)、熱露出特性が低下することをわかるが、これは高温でポリオレフィン系樹脂膜がメルティングして吸熱されることになるが、厚さが薄いと吸熱反応は少なくなって、その理由で熱露出特性が低下するものと予想される。
【0132】
また、実施例2と比較例3とを比較した場合、ポリオレフィン系樹脂膜が厚すぎると(18μm以上)抵抗層が厚くなって寿命特性が低下することがわかる。
【0133】
また、実施例4と比較例5を比較した場合、多孔膜とポリオレフィン系樹脂膜厚さとの合計は実施例4がもっと厚いが、寿命特性は比較例5の場合がよくなく、これは多孔膜層がポリオレフィン系樹脂膜に比べて抵抗が大きいからと予想される。
【0134】
また、実施例3と比較例6を比較した場合、実施例1と比較例2との比較の場合のように、ポリオレフィン系樹脂膜の厚さが10μm以下になると、熱露出特性が低下することになるが、これは高温でポリオレフィン系樹脂膜がメルティングして吸熱されることになるが、厚さが薄いと吸熱反応が小さくなり、そのような理由で熱露出特性が低下するものと予想されており、これは多孔膜層の厚さが厚くても同一結果を示すことがわかる。
【0135】
また、実施例4と比較例7を比較した場合、ポリオレフィン系樹脂膜が厚すぎると(18μm以上)抵抗層が厚くなって寿命特性が低下することがわかる。
【0136】
したがって、本発明の実施形態では、多孔膜であるセラミックスセパレータの厚さは、4〜6μmであることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂膜であるフィルム上のセパレータは、12〜16μmであることが好ましく、セラミックスセパレータとフィルム上のセパレータとの厚さを限定することによって、電池性能を低下させない範囲で電池安全性を最大限確保することができる。
【0137】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0138】
10 二次電池
12 缶
14 電極組立体
16、18 第1電極板、第2電極板
20 セパレータ
22、24 第1電極タップ、および第2電極タップ
28 キャップ組立体
30 絶縁ケース
32 ターミナルプレート
34 絶縁プレート
36 キャッププレート
38 タップグルーブ
40 タップ通孔
42 電極端子
44 通孔
46 絶縁ガスケット
50 電解液注入口
52 蓋
60 多孔膜
62、66 活物質層
64、68 集電体
70 ポリオレフィン系樹脂膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と;
第2電極と;
セラミックス物質からなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜を含むセパレータと;
を含み、
前記多孔膜の厚さは4〜6μmであり、
前記ポリオレフィン系樹脂膜の厚さは12〜16μmであり、
前記多孔膜および前記ポリオレフィン系樹脂膜は、前記第1電極と前記第2電極との間に位置することを特徴とする、電極組立体。
【請求項2】
前記第1電極は正極活物質層を含む正極からなり、前記第2電極は陰極活物質層を含む陰極からなることを特徴とする、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記多孔膜および前記ポリオレフィン系樹脂膜は、前記正極活物質層および前記陰極活物質層のうち少なくともいずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記多孔膜は前記正極活物質層または前記陰極活物質層上にコーティングされ、前記ポリオレフィン系樹脂膜は前記多孔膜上に位置することを特徴とする、請求項3に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記ポリオレフィン系樹脂膜は前記正極活物質層または前記陰極活物質層上に位置し、前記多孔膜は前記ポリオレフィン系樹脂膜上にコーティングされることを特徴とする、請求項3に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記ポリオレフィン系樹脂膜は、ポリエチレン(PE)単層膜、ポリプロピレン(PP)単層膜またはポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレン多層膜であることを特徴とする、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記多孔膜は、セラミックス物質およびバインダーを含んで形成されることを特徴とする請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記多孔膜のセラミックス物質は、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)およびジルコニウム、アルミニウム、シリコン、チタンのそれぞれの絶縁性窒化物、水酸化物、ケトン化物、前記化合物の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項7に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記バインダーは、合成ゴム系ラテックス状バインダーまたは架橋構造を有するアクリル系ゴムであることを特徴とする、請求項8に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記合成ゴム系ラテックス状バインダーは、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスおよび変性ポリオカノシロキサン系重合体ラテックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、アクリル系主単量体の重合体と架橋性共単量体の架橋反応によって形成されるか、またはアクリル系主単量体の共重合体と架橋性共単量体との架橋反応によって形成されることを特徴とする、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、2〜10個の架橋点を有する3次元架橋構造からなることを特徴とする、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記架橋構造を有するアクリル系ゴムバインダーは、主鎖分子の1万分子量単位に対して4〜5個の架橋点を有することを特徴とする、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記アクリル系主単量体は、
メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、ジサイクロペンテニルロキシエチルアクリレート中から選択されるアルコキシアルキルアクリレートと;
ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブチニルメタクリレート、3,3−ジメチルブチニルアクリレート中から選択されるアルケニルアクリレートまたはアルケニルメタクリレートと;
ジビニルイタコネート、ジビニルマリート中から選択される不飽和ジカルボキシ酸エステルと;
ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブチニルエーテル中から選択されるビニル基含有エーテルと;
1−アクリルロイルロキシ−1−フェニルエテンと;
メチルメタクリレートと;
からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記架橋性共単量体は、
2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート中から選択されるアルキルアクリレートと;
ビニルクロロアセテート、アクリルクロロアセテート中から選択されるアルケニルクロロアセテートと;
グルシジルアクリレート、ビニルグルシジルエテル、アクリルグルシジルエテル中から選択されるグルシジル基含有エステルまたはエーテルと;
アクリル酸、メタクリル酸、マレー酸中から選択される不飽和カルボキシ酸と;
2−クロロエチルビニルエテルと;
クロロメチルスチレンと;
アクリロニトリルと;
からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項16】
第1電極と;
第2電極と;
セラミックス物質からなる多孔膜およびポリオレフィン系樹脂膜を含むセパレータと;
電解液と;
含み、
前記多孔膜の厚さは4〜6μmであり、
前記ポリオレフィン系樹脂膜の厚さは12〜16μmであり、
前記多孔膜および前記ポリオレフィン系樹脂膜は前記第1電極と前記第2電極との間に位置することを特徴とする、二次電池。
【請求項17】
前記第1電極は正極活物質層を含む正極からなり、前記第2電極は陰極活物質層を含む陰極からなることを特徴とする、請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記多孔膜および前記ポリオレフィン系樹脂膜は、前記正極活物質層および前記陰極活物質層のうち少なくともいずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
前記多孔膜は前記正極活物質層または前記陰極活物質層上にコーティングされ、前記ポリオレフィン系樹脂膜は前記多孔膜上に位置することを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項20】
前記ポリオレフィン系樹脂膜は前記正極活物質層または前記陰極活物質層上に位置し、前記多孔膜は前記ポリオレフィン系樹脂膜上にコーティングされることを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項21】
前記ポリオレフィン系樹脂膜は、ポリエチレン(PE)単層膜、ポリプロピレン(PP)単層膜またはポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレン多層膜であることを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項22】
前記多孔膜は、セラミックス物質およびバインダーを含んで形成されることを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項23】
前記多孔膜のセラミックス物質は、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)およびジルコニウム、アルミニウム、シリコン、チタンのそれぞれの絶縁性窒化物、水酸化物、ケトン化物、前記化合物の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項24】
前記バインダーは、合成ゴム系ラテックス状バインダーまたは架橋構造を有するアクリル系ゴムであることを特徴とする、請求項23に記載の二次電池。
【請求項25】
前記合成ゴム系ラテックス状バインダーは、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスおよび変性ポリオカノシロキサン系重合体ラテックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項24に記載の二次電池。
【請求項26】
前記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、アクリル系主単量体の重合体と架橋性共単量体との架橋反応によって形成されるか、またはアクリル系主単量体の共重合体と架橋性共単量体との架橋反応によって形成されることを特徴とする、請求項24に記載の二次電池。
【請求項27】
前記架橋構造を有するアクリル系ゴムは、2〜10個の架橋点を有する3次元架橋構造からなることを特徴とする、請求項26に記載の二次電池。
【請求項28】
前記架橋構造を有するアクリル系ゴムバインダーは、主鎖分子の1万分子量単位に対して4〜5個の架橋点を有することを特徴とする、請求項27に記載の二次電池。
【請求項29】
前記アクリル系主単量体は、
メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、ジサイクロペンテニルロキシエチルアクリレート中から選択されるアルコキシアルキルアクリレートと;
ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブチニルメタクリレート、3,3−ジメチルブチニルアクリレート中から選択されるアルケニルアクリレートまたはアルケニルメタクリレートと;
ジビニルイタコネート、ジビニルマリート中から選択される不飽和ジカルボキシ酸エステルと;
ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブチニルエーテル中から選択されるビニル基含有エーテルと;
1−アクリルロイルロキシ−1−フェニルエテンと;
メチルメタクリレートと;
からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項26に記載の二次電池。
【請求項30】
前記架橋性共単量体は、
2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート中から選択されるアルキルアクリレートと;
ビニルクロロアセテート、アクリルクロロアセテート中から選択されるアルケニルクロロアセテートと;
グルシジルアクリレート、ビニルグルシジルエテル、アクリルグルシジルエテル中から選択されるグルシジル基含有エステルまたはエーテルと;
アクリル酸、メタクリル酸、マレー酸中から選択される不飽和カルボキシ酸と;
2−クロロエチルビニルエテルと;
クロロメチルスチレンと;
アクリロニトリルと;
からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項26に記載の二次電池。
【請求項31】
前記電解液は非水性有機溶媒を含み、
前記非水性有機溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ブチロラクトン(BL)、デカノリド、バレロラクトン、メバロノラクトン、カプロラクトン、n−メチルアセテート、n−エチルアセテート、n−プロピルアセテート、ジブチルエーテルおよびポリメチルビニルケトンからなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項32】
前記電解液はカーボネート系溶媒および芳香族炭化水素系有機溶媒を含み、前記カーボネート系溶媒と前記芳香族炭化水素系溶媒との体積比が1:1〜30:1であることを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項33】
前記電解液は、リチウム塩を含むことを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項34】
前記リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2x+1SO)(ここで、xおよびyは自然数である)、LiSOCFおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの物質であることを特徴とする、請求項33に記載の二次電池。
【請求項35】
前記リチウム塩の濃度は、0.6〜2.0Mであることを特徴とする、請求項34に記載の二次電池。
【請求項36】
前記リチウム塩の濃度は、0.7〜1.6Mであることを特徴とする、請求項35に記載の二次電池。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公開番号】特開2009−302051(P2009−302051A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136727(P2009−136727)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】