説明

電気インピーダンス断層撮影を行うためのシステムおよび方法

【課題】電気インピーダンス断層撮影を行うためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】多材料物体内の電気的性質の分布を再構築するための電極アレイ、システム、および方法。一実施形態は、1つまたは複数の螺旋アレイを設けるように3次元螺旋経路に沿って配置された電極と、構造体の内部を表す導電率またはアドミティビティ分布を計算するために信号を測定する回路とを含む。多材料領域を表す画像データを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、多材料物体の非破壊または非侵襲評価に関し、より具体的には、多材料物体と呼ばれる、閉境界内に異なる材料を含む物体の電気インピーダンス断層撮影を行うためのデータを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気インピーダンス断層撮影(EIT)の原理は、検査中の物体には電気的性質、例えば導電率および誘電率に変動があり、それらの変動が密度または化学組成など材料特性と非常に相関があるという知見に基づく。例えば、人体では、体内組織間で導電率に大きな変動がある。
【0003】
産業活動および他の非臨床用途において、身体ボリューム(body volume)の組成を決定する、あるいは特徴物のサイズおよび形状を、または注目する物体内の他の状態を特性評価するために、非侵襲性のモニタリングまたは画像化を行うことが望ましい。一般に、EITは、区別可能な電気的性質によって特徴づけられるボリューム内の特徴物を画像化するのに有用である。しかし、画像を生成する代わりに、最終結果をボリューム内の異なる材料の場所、比率、または他の性質を示す数学的値または1組の数学的値とすることができる方法でEITを使用することもできる。例えば、異なる密度を有するボリューム内の特徴物はこれに基づいて分析することができる。例えば、多相流体混合物では、導電率が相(例えば、液体または気体)または化学組成に基づいて変化することが知られている。原理的には、比較的簡単な計測器で行われる電気計測は、(i)ボリューム中で特定の材料がある場所、(ii)異なる構成成分の相対的比率、および(iii)ボリューム内の異なる材料間の境界の形状、を示すデータを提供することができる。相濃度を決定することができる混合物の例は、スラリなどの固体−液体組成、石油送管中に存在するような気体−液体組成、ならびに、一般に、液体−液体混合物および固体−気体−液体混合物である。混合物は静止しているか、または流れていることができる。パイプを通って流れる流体の場合、異なる相の材料の間、または異なる化学的性質を有する材料(例えば、水および石油)の間の導電率を決定すると、存在する相対的体積を決定することができる。
【0004】
一般に、これらのタイプの多相流プロセスでは内部流れ特性を決定する必要があるが、それは、この情報が、工業プロセスの設計および制御の改善、ならびに既存および新規の処理装置の稼働効率の向上を可能にするからである。多相プロセスの性能を予測するのに使用される流れ特性は、例えば、相の空間分布(空間体積相分率(spatial volumetric phase fractions))、流れ領域、界面区域の定義、相または材料間の絶対的または相対的速度の決定を含むことができる。材料の不均一な分布は、化学反応または変換に使用できる材料間の界面区域を減少させる傾向があり、空間的に不均一な反応域または濃度を生成する再循環流れをもたらすことがあるので、材料の空間分布を知ることは特に有用である。さらに、体積相分率および速度は、多相流の適切で適時な制御を可能にする重要なパラメータである。
【0005】
パイプ中の液相および気相の体積分率をEITを使用して決定することに関して、調査中の本体の周辺に沿って、例えば、パイプの内部表面に沿った円に一連の電極を配置することによってデータを取得することが常套的である。すべてが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,486,835号、第4,539,640号、第4,920,490号、および5,381,333号を参照されたい。前述の文献で説明されているシステムでは、1組の電気信号(電圧または電流)が電極を介してボリュームに印加される。測定電気信号(電圧または電流)を使用して、調査中のボリューム内の空間特徴物を再構築し、その結果、特徴物を表す画像を生成することができる。これに関して、逆問題としばしば呼ばれるものがあり、取得データに対応する一意的な解、すなわち画像がないことがある。印加電気信号の組は一般に一連の励振パターンである。比較的大きい一連のそのような励振パターンで電極の組を連続して駆動することが必要である。一例として、一連の中の励振パターンの1つでは、すべての電極には、互いに位相シフトされた正弦波電圧信号を印加することができる。対応する電流信号が励振パターンの各組に応じて測定される。一連の励振パターンの印加により取得されたデータを使用して、ボリューム内の電気的性質の分布、したがって様々な材料の分布を見いだすためにアルゴリズムが適用される。
【0006】
調査中の本体を切断する選択面に沿って電極が位置決めされるとき、アルゴリズムは同じ面に沿った電気的性質の分布を提供するように意図される。一般に、多種多様な数学的方法および数値技法を適用して、選択面に沿って多材料物体を表す電気的性質の分布が決定されている。電流が検査中の構造体を通って移動するとき、第3の次元(電極が配置される平面から外へ)に拡がり、微細構造の詳細が簡単に分析されないことがあることに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0265150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電気インピーダンス断層撮影を行うためのシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態では、電極アレイが、電気信号の生成および測定で使用するために設けられる。アレイは、構造体の内部領域中の多材料物体内の電気的性質の分布を再構築するのに好適である。そのような領域は、領域を通る電気信号の伝送に影響を及ぼす異なる導電率またはアドミティビティ(admittivity)を有する材料によって特徴づけることができる。電極アレイは、多材料領域のまわりに1つまたは複数の螺旋アレイの電極を設けるために少なくとも1つの3次元螺旋経路に沿って配置された複数の電極を含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、多材料物体内の電気的性質の分布を再構築するためにデータを生成する方法が提供される。複数の電極は、多材料物体のまわりに3次元アレイの電極を設けるように3次元螺旋経路に沿って構成される。1組の信号パターンが電極に印加される。この組の信号パターンの印加に応じて、測定された1組の電気信号が電極から得られる。例示の実施形態では、多数のタイプの電界パターンが多材料物体内に連続して生成される。
【0011】
構造体の内部の多材料領域の画像を再構築するために電気信号を生成し測定するための電気インピーダンス断層撮影システムがさらに提供される。その領域は、領域を通る電気信号の伝送に影響を及ぼす異なる導電率またはアドミティビティを有する材料によって特徴づけることができる。このシステムは、多材料領域のまわりに位置決めすることができる1つまたは複数の螺旋アレイの電極を設けるために少なくとも1つの3次元螺旋経路に沿って配置された複数の電極を含む。このシステムは、さらに、1組の信号パターンの印加に応答して、電極が位置決めされる構造体の領域における構造体の内部を表す導電率またはアドミティビティ分布を計算するのに好適な電極から、測定された1組の電気信号を得るための処理回路を含む。実施形態によれば、このシステムは、異なる導電率またはアドミティビティを有する2つ以上の領域を含む構造体中の多材料領域を表す画像データを決定することができる。さらに、例示の実施形態によれば、測定データを使用して、モニタ上での表示またはさらなる電子伝送のために多材料物体の画像を再構築することができる。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、同様の文字が図面の全体を通して同様の部分を表す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むとき、一層よく理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】例示の実施形態による石油生産設備のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による多相流量計を組み込んだ電気インピーダンス断層撮影(EIT)ベース画像化システムの概略図である。
【図3】本発明の実施形態による、流量計に螺旋アレイで配置された一連の電極の側面図である。
【図4】図3に示された螺旋アレイの展開図である。
【図5】図2のシステムの一部を形成する回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、多材料物体内の電気的性質の分布を使用して多相流中の構成要素の比率を決定することができる用途で本発明を説明する。この例では、多材料はパイプまたは管路の内部を一緒に流れる。本発明の実施形態は、パイプを通って流れる石油、水、および炭化水素ガスの割合および流量を推定するために、石油産業で使用されるものなどの多材料システムの特性を測定するためのシステムおよび方法を提供する役目を果たす。本発明は、石油/ガス/水測定での使用を参照して説明されるが、そのような用途に決して限定されない。むしろ、本発明は、例えば、医学画像化、癌診断、および水処理プロセスなどの多種多様な工業、健康管理、および化学プロセスに適用可能である。
【0015】
パイプを通る多材料流れは、固体、液体、および気体の2つ以上の物理的状態を含むことがある。多相流プロセスを正確に特性評価すると、石油、製薬、食品、および化学工業で使用されるシステムおよび処理装置の設計の改善および稼働効率の向上が可能になる。多相プロセスの性能を予測するのに使用される関連性のある流れ特性は、例えば、相の空間分布(空間体積相分率)、流れ領域特性評価、界面区域、および異なる相または材料間の絶対的または相対的速度を含むことができる。多相流れ中の材料の不均一空間分布をより正確に決定する機能を用いて、より望ましい結果のためにプロセスを管理および制御することが可能になる。例えば、石油生成物を搬送するパイプラインにおいて、液体構成成分に対するガスの比率を最小限にすることができる。石炭スラリ移送では、単位体積当たりの最大達成可能エネルギー含量を保証するために水と石炭の体積比率を最適化することができる。製造プロセスを最適化するのに適用できる別の例として、化学反応または変換を受ける材料の不均一分布をモニタし、低減することが重要である。そのようなプロセスでは、例えば、空間的に不均一な反応域または濃度を生成する再循環流れに起因する材料間の界面区域を低減することができる。
【0016】
したがって、体積相分率および関連する構成要素の実時間知見により、多相プロセスの適時で効果的な制御が可能になる。しかし、そのような特性評価を得るための計算要件のため、過度の複雑さが加わることがあり、モニタされているプロセスを適時に制御するのに必要な応答時間が遅延することがある。このために、材料比率を決定し、多相システムでの材料の分離を特性評価するのに、先行システムの多くは近似に依存している。
【0017】
典型的なEITシステムは、対の電極に入力信号を順次に印加し、それに応答する信号を1つまたは複数の他の電極で感知することに基づくことができる。例えば、電流が、複数の対の電極間で、一度に1対に流れ、電圧を残りの電極で測定することができる。代替として、電圧が、複数の対の電極にわたって、一度に1対に印加され、電流を1つまたは複数の他の電極で測定することができる。本発明の例示の実施形態によれば、比較的大量の電気的データが、電極のすべてに電流または電圧を同時に印加することによってより迅速に取得される。印加電流または電圧は事前定義された位相シフトまたは事前定義された周波数シフトを有することができ、あるいは電気的に互いに同位相とすることができ、かつ振幅変化を有することができる。増加した量の電気的データを生成することにより、より高い信号対雑音比およびより高い解像度を実現することが可能になる。電極が特定の信号パターンで励振されると、特定の電界パターンが多材料物体内に生じる。この電界パターンは、電極がすべて同時に励振されたとき柔軟に制御、合焦、および変更を行うことができる。これは、検査中の本体が比誘電率または比導電率の変化の小さい構成要素を含み、必要な解像度をもたらすために比較的多数の測定値を必要とする場合に特に重要である。
【0018】
EITで画像を再構築するために電流信号で電気的データを生成する場合、画像化されるボリュームに注入される電流は、一般に、電極から電極まで直線では移動しない。むしろ、電流は拡がり、多くの場合、3次元すべてを含む多数の経路を取る。ボリュームを通る電流は、1組の電極が配置された平面などの2次元内で直線または曲線に沿って移動するという仮定は、電流流れ経路を不適切に特性評価することに起因する誤差をもたらすことがある。低下した品質の画像、すなわち、微細構造の詳細を簡単に分析することができないことが、電流が検査中の構造体を通って移動するとき第3の次元(電極が配置される平面から外へ)に拡がることから引き起こされる。例えば、電流は、電極が配置される平面から外に、導電率がより低い平面の材料領域のまわりの経路に従って進行することがある。そのような状況では、EIT技法の解像度は、測定電気信号が電極の平面内の材料分布を示すだけでなく、電極が配置されている平面の外側の材料分布も示すので非常に劣化する。したがって、評価中の3次元多材料物体が応答指令信号を完全に送られ、内部材料分布がより高い解像度で明確に決定されるように、多材料物体の応答指令信号を改善することができる技法を見いだすことが望ましい。
【0019】
図1に示した簡単化された概略図を参照しながら、本発明の例示の実施形態が、配管システム14に接続された多数の油井12iを有する典型的な石油生産設備10で説明される。配管システム14は、各坑井12iからの流れFiを受け取り、全流れFを産出するように結合された生産マニホルド16を含む。各坑井からの流れFiは、マニホルド16に入る前に本発明による多相流量計(MPFM)18を通過し、例えば液相および気相の全体的な比率を調整するようにバルブシステム19で制御することができる。
【0020】
各多相流量計は、坑井近くの未処理の坑井流れを測定できるようにするシステムの一部であり、したがって、坑井性能の連続モニタリングを行うことができる。各多相流量計システムで処理された情報は、より良好な貯蔵管理および流れ管理に使用することができる。油井12iからポンプで汲み上げられた流体は生産マニホルド16を通って不純物分離装置20に送られる。試験分離装置(図示せず)が多相流量計システムに組み込まれることがある。試験分離装置に対する多相流量計システムの1つの利点は、流れの組成を特性評価するのに必要とされる時間が短縮されることである。
【0021】
不純物分離装置20は坑井からポンプで汲み上げられた石油、ガス、および水を分離する。不純物分離装置20は、例えば、水の量、または水が坑井から引き出される割合を測定する水量計、および坑井から引き出される石油の量を測定するエマルジョン計を含む1つまたは多数の測定デバイスをさらに含むことができる。他の典型的な測定デバイスは坑口圧力センサおよび温度計を含む。
【0022】
次に、図2の簡単化された概略図を参照すると、図1のMPFM18のうちの1つを組み込む電気インピーダンス断層撮影(EIT)画像再構築システム40の部分図が示される。本発明の例示の実施形態によれば、システム40は導電率再構築に基づいて画像を生成するように構成される。しかし、原理的には、EIT画像再構築は導電率および/または誘電率(時にはアドミティビティと呼ばれる)に基づくことができることが理解されるべきである。システム40を用いて、各組の電流または電圧信号が電極に印加されるとき調査中のボリュームの周辺の近くの電極から得られる境界電気計測値に基づいて、観測されている材料の導電率および/または誘電率が推測される。
【0023】
一群の例示の実施形態によれば、大量のデータが、信号の一連の多数の組の各々に対してすべての電極から測定値を得ることによって取得される。すなわち、測定は、多数の異なる構成またはパターンの印加電流および/または電圧で繰り返される。1つまたは複数の組の時間変化信号が印加される場合、データは電極から周期的に取得される。
【0024】
図示のMPFMシステム40は、L個の電極44iを電子回路に接続する配線42を含む。電極44iは、図3および4でより完全に示されるように管路46の表面45に沿って分配される。例示の実施形態では、表面45は、対称の中心軸47のまわりに形成された概して円柱形状である。明確には示されていないが、管路46は、多相構成要素が管路を通過するように図1の油井12iのうちの1つとマニホルド16との間のラインに配置される。電極44iは、p個の螺旋アレイHjの組として形成され、ここで、jは1からpにわたる。より一般的には、電極は、1つまたは多数の螺旋経路に沿った規則的なアレイとして形成することができる。p個のアレイに形成されたL個の電極を有する図示の実施形態では、各アレイは、螺旋経路に沿って形成された一続きのr個の電極44iを含み、ここで、iは1からrにわたる。よく知られているように、3次元表面、例えば、円柱面または球面のまわりに形成された螺旋形状は、分析的に記述することができる規則的な形態とすることができ、または不規則な螺旋幾何学的形状とすることができる。本明細書で説明する実施形態は、表面45のまわりの経路が簡単な数学で記述することができる規則的形状を有する螺旋経路に沿って位置決めされた電極を含む。他の実施形態では、電極44iは、不規則形状の経路を含むより複雑な経路に沿って分配することができることが理解されるべきである。
【0025】
図3は、管路46のまわりに対称的に巻かれているp=12の螺旋アレイを示すMPFM18の側面図を表示する。図4は、図3に示された12個の螺旋アレイの360度図を提供する。図4に示された螺旋アレイの図は、円筒形状管路46のまわりの3次元輪郭から本明細書で「展開」図と呼ばれる平面の図への変換である。すなわち、図4の図は、3次元形状表面が切り開かれ、平面に沿って広げられて、横軸が管路46のまわりの円周を示し、縦軸が軸方向に沿っている2次元すなわち平面図を与えるかのように生成される。
【0026】
開示の実施形態では、各アレイHjは規則的螺旋の経路に沿って形成される。図3および4は、j=1〜12に対して螺旋アレイHjの各々が形成される螺旋経路の各々を実線で示す。電極44iは、各螺旋経路に沿ってドットとして示される。j=1では、第1の電極441が、アレイH1の平面P1に沿ってリングr=1に位置決めされ、最後の電極44144は、アレイH12の平面P12に沿ってリングr=12に位置決めされる。アレイ中の電極が位置決めされる螺旋経路は、3次元空間内の規則的で傾斜していない螺旋に対する式1A、1B、および1C、すなわち
1A X(θ)=[h/(2×π)]θ
1B Y(θ)=Rcos(θ)
1C Z(θ)=Rsin(θ)
の関係に従って生成することができ、ここで、X座標は軸47と平行な長手方向に沿っており、YおよびZ座標は軸47を横断する方向に沿っており、互いに直交する。θは、X軸を横断するY−Z平面内で測定された方位角である。パラメータhは、回転当たりのX方向の前進を規定する。Rは、管路46の対称軸に対する螺旋経路の半径である。すなわち、規則的な形状を有する実施形態では、Rは、軸47から表面45に沿った経路上の点までの半径距離に対応する。
【0027】
螺旋経路の3次元空間曲線は、式2A、2B、および2C、すなわち
2A X(θ)=[h/(2×π)]θ+Ansin(nθ)
2B Y(θ)=Rcos(θ)
2C Z(θ)=Rsin(θ)
の関係に従って生成される規則的な螺旋幾何学的形状とすることもできる。
【0028】
X(θ)の式の項Ansin(nθ)は、項Anの大きさおよび符号に比例して、Y−Z平面に対する正または負の傾斜を回転の各々に与える変調成分である。nの値に応じて、項Ansin(nθ)は、さらに、軸のまわりの曲線(すなわち螺旋経路)の360度回転ごとに変調、すなわち、正弦波変化を導入する。n=1では、楕円体形状が各回転に与えられる。n>1に対応する正弦波成分を有するより複雑なパターンが、電極が配置される螺旋経路の設計にとって好適であることがある。Ansin(nθ)項を付加し、n=1では、螺旋経路は、X軸、例えば管路46の対称軸に直交する平面に対する傾斜を含む。
【0029】
さらに、より一般的には、螺旋形状経路の3次元空間曲線は、式3に従って生成することができ、
3A X(θ)=[h/(2×π)]θ±ΣAn1(nθ)
3B Y(θ)=Rf2(θ)
3C Z(θ)=Rf3(θ)
ここで、f1、f2、およびf3は、三角関数または数式とすることができるが、それに限定されない任意の関数である。さらに、電極が位置決めされる螺旋経路は、各々が軸47のまわりで単一の回転を行うように図に示されているが、経路が軸のまわりで得る回転数は設計選択であることが理解されるべきである。
【0030】
電極アレイの例示の実施形態は高度に対称的であるが、異なるアレイHjの内およびそれの間で電極44iの多数の非対称分布を有することができる。図示の実施形態では、各螺旋アレイHjの各系列のr個の電極中の電極44iは、同じアレイHj中の次または前の電極44iから等距離で間隔を置かれる。各アレイ中の電極間のこの等距離間隔は、他の各アレイ中の電極間の等距離間隔と同じである。さらに、アレイHjは、所定の位相角だけ表面45に沿って離間される。したがって、所与の例では、p=12により、各アレイは、軸47のまわりで、次または前のアレイから回転的に30度離間される。これは、異なる螺旋アレイの電極間の等距離間隔により円形の組の電極、すなわち、各々がp=12の電極を含む一連の円形様リングRをもたらし、各リングRは次または前のリングRから等距離で間隔を置かれ、各リング内の12個の電極は円形パターンで管路表面45に沿って軸47のまわりに30度離して位置決めされる。例えば、軸47に沿って測定可能な高さhを有する管路では、各リングR間の間隔はh/12で設定することができる。図4は、各々が異なる平面Piに沿って形成される12個のリングri(i=1〜12)の各々を示す。
【0031】
図2において、MPFM18の図は、1つのそのようなリングriを通って切断した平面Piに沿った断面のものである。例示的リングriは、12個の例示的螺旋アレイHjの各々からの1つの電極44iを含む。本発明を示す目的で、螺旋アレイは、12個のリングの構成で管路46の円柱面45のまわりに形成された144個の電極44iを総体として含む。しかし、画像化されるべきボリュームのまわりに位置決めされる電極の総数Lは、調査中のボリュームのサイズおよび所望の画像解像度に部分的に依存して、144個よりも少なくまたは144個よりも多くすることができる。一実施形態では、電極44iの各々は管路46の内壁に沿って取り付けることができ、外部信号源からの配線42を介した電気接続が、外壁を貫通し、電極に接続される。被覆を各電極に塗布して、電極と管路46を通って流れる媒体との間の接触抵抗を低減することができる。
【0032】
12個の電極44iが、図2に、管路46の円柱面45に沿って、および中心軸47を通って切断された平面Pi内に、円形構成で構成されるように示されている。この例およびこの図では、全体的に、平面Piは軸47に直交しているが、リングRは可変角度で軸47を通って切断することができる。さらに、螺旋アレイHiは、球または楕円の輪郭を有する表面などの他の3次元表面に沿って形成することができる。リングRは、形状が円形である必要はない。
【0033】
図2はリングRの12個の電極44iの信号源との接続を示し、これは、配線42を通って電子回路48までの信号源とすべての電極44iの接続の例示であり、電子回路48は、例えば、電極ごとに、電流または電圧源、D−A変換器、A−D変換器、差動増幅器、および1つまたは複数のフィルタを含む。回路48は、複数組の入力信号を電極に供給するために、アナログ多重装置、クロック回路、および/またはコンピュータ50に結合されたデジタルI/Oユニットをさらに含む。回路48の特定の構成が当技術分野で知られているが、本発明の説明は特定の回路設計の説明を必要としないので本明細書ではさらには説明されない。
【0034】
コンピュータ50は、画像再構築で使用されるタイプの従来のデジタル信号プロセッサを含む高速プロセッサと、本発明により生成された画像を観察するのに好適な表示装置52とを含むことができる。フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)およびコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などの他の処理回路を、コンピュータ50またはシステム40の他の部分に組み込むことができる。
【0035】
各組の電気信号が螺旋アレイHjのうちの1つの電極44iに印加されると、表面45によって囲まれたボリューム内に生成された電界は螺旋式、すなわちねじ様式で回転する。螺旋アレイHjの異なるものに印加される信号は、螺旋アレイHjのうちの1つによって生成される時間変化パターンを増大させるように、例えば規定された位相関係による調整方法で変化させることができる。以下の例示的な説明では、電圧信号が電極に印加され、それに応答して、画像再構築のために必要とされるデータを生成するように電流信号が取得されることを仮定する。電圧源を使用して、電極44iに各組のパターンを印加し、電極の各々での対応する組の電流信号が測定される。他の実施形態では、電圧パターンの組の印加の代わりに、またはそれに加えて、1つまたは複数の組の電流源パターンが電極に印加され、注入された電流に基づいて、電圧が電極の両端で測定される。所与の時間tにおける各螺旋アレイの中の電極のうちの異なるものへの各信号パターンの印加は電極間で異なる。
【0036】
一実施態様では、多数の組の電気信号パターンが位相変調により螺旋アレイHjに印加される。すなわち、漸増する位相シフトが一続きの螺旋アレイHjの各々に割り当てられる。例えば、k番目の組のパターンに対して、特定のリングR内の一続きの電極に印加される信号を観察すると、次第に増加する位相シフト、ファイ、がp=12の電極間に与えられる。r番目のリングのi番目の電極では、印加信号の位相シフトは、
(4) Φ=(2πk(i−1)/L−2πk(r−1)/R) Mod 2π
で与えられ、ここで、Modはモジュロ演算子である。すなわち、Φは(2πk(i−1)/L−2πk(r−1)/R)を2πで除算したものに由来する余りである。
【0037】
位相変調では、電極はすべて同じ最大振幅A0を有する信号を受け取る。例えば、リングのうちの任意のもののi番目の電極におけるk番目のパターンの振幅Aは、
(5) Ak,i=A0sin(ωt+Φ)
または
(6) Ak,i=A0sin(ωt−Φ)
で与えることができるが、他の実施形態では、螺旋アレイ中の電極は振幅変調により変化することができる。例えば、r番目のリングのi番目の電極におけるk番目のパターンの振幅Aは、
(7) A=A0cos(2πk(i−1)/L−2πk(r−1)/R)
で与えることができ、ここで、再度、A0は最大振幅である。同様の組のL個の信号は、式(5)、(6)、または(7)の余弦関数を正弦関数に置き替えることによって生成することができる。
【0038】
螺旋アレイHjの異なるものに印加される信号が、位相、振幅、または周波数変調に基づいているかどうかに基づいて実施形態は異なることができるが、開示する実施形態の一般的な特徴は、各組の電気信号が電極44iに印加されると、表面45で囲まれたボリューム内に生成された時間変化電界は螺旋状ねじの旋回に類似していることである。
【0039】
図5は、図2のシステム40の一部を形成する印加電圧EITシステム60の簡単化された概略図である。システム60は、各々がr=12の電極44iを含むp=12の螺旋アレイHjを駆動する。電極の総数L=rp=144。この例では、各アレイのr個の電極は各々異なる電圧源回路62iに接続され、表面45で囲まれたボリューム内に電界を生成するために位相、振幅、または周波数変調電圧信号を受け取る。回路62iは、印加電圧に応じて生成された電流信号を測定するための電流計と、印加電圧を直接測定するための電圧計とを含むことができる。スイッチングネットワーク63は、電圧源/電流計/電圧計回路のいずれかに単一の較正回路64を接続できるようにして、全システムが単一の基準源に較正されるようにすることができる。デジタルコントローラ(図示せず)は、較正、信号生成、および測定データの取得を含む機能の切替えを行うように前述の構成要素と連係する。測定データはコンピュータ50によって本発明に従って処理され、電極が配置されている平面P内の導電率分布が決定される。
【0040】
導電率および誘電率分布をさらに処理して、液相、例えば石油および水における異なる相の分布、または異なる材料の分布を含む多相流れの材料特性を決定する。導電率分布の分析により、多材料システムの個々の構成要素の流れ領域、相分率、および速度を決定することができる。流れ領域は、例えば、気泡流れ、チャーン流れ、スラグ流れ、または環状流れを含むことができる。
【0041】
電圧源の実施形態では、電極間の電流流れは、すべての電極の両端に印加された相対電圧と、電極が構成される平面Pに沿った導電率分布および誘電率分布の関数である。例えば、材料は石油だけとすることができ、または、石油−水液体混合物ならびに分離ガス相とすることができる。材料構成成分の分布に応じて、電極間の導電率および誘電率は変化することになり、その結果、電極間の電流のレベルも変化することになる。したがって、1つまたは複数の電圧の組の印加と、対応する測定電流データとにより、平面Pに沿った導電率の変化に対応する導電率値の行列を計算することができる。これらの導電率値は平面Pを通過する材料の導電率および誘電率に対応するので、導電率を分析することによって材料組成または相流れ分布を決定することができる。
【0042】
各組の電圧パターンは、管路46の内部の時間変化電界、すなわち、印加信号周波数ωまたはそれの整数倍の関数である角速度で軸47のまわりを回転する、螺旋に類似する電界を生成するのに寄与する時間変化関数である。一定周波数ωでは、電界が回転する角速度は一定になるはずである。図5のシステム60によって、各電極に専用の回路62は、すべてが共通のクロック信号下で動作し、各々が同じ螺旋アレイHj中の隣接する電極のために生成された波形の位相に対して異なる位相を有する波形を生成する。したがって、多数の位相シフト波形が、各螺旋アレイHjの等しく離間された電極のうちの異なるものに同時に印加され、アレイのうちの異なるものの電極は互いに対して位相シフトされる。すなわち、軸47のまわりに30度離間され、信号が異なる螺旋アレイの要素である同じリングR内の一続きの電極に印加されるp=12の螺旋アレイHjでは、各位相が、リングに沿って次または前の電極に印加される信号に対して位相シフトされている最大振幅A0を有する。まとめると、時間変化入力信号は、軸47のまわりに回転するねじれ電界パターンを生成する。
【0043】
一実施形態では、導電率分布だけが決定されることになる場合、相分布に関する完全な情報を取得するために電極に印加される電圧パターンの組の総数は、k=L/2と小さくすることができる。L/2個のパターンは、軸47のまわりで右回りにねじれる電界を生成する前進パターン、または軸47のまわりで左回りにねじれる電界を生成する後退パターンのいずれかとすることができる。
【0044】
本発明の一実施形態によるデータ取得プロセスでは、k組の電圧パターンが電極44iに連続して印加される。他の実施形態では、複数の組の印加電気信号は、1つまたは複数の組の電流値と、1つまたは複数の組の電圧値とを含むことができる。よりよく理解するために、第1の電気信号の組は1組の電圧値であると仮定される。
【0045】
各組の印加電圧パターンに対して、1組の電気信号パターンが、例えば、図6のシステム60により測定される。各組の印加電圧パターンに対して得られるデータ要素の例示的な数は、電極の数と印加信号の1サイクル当たりに得られる測定値の数の積である。A/D変換器を含むシステム40の回路48により、電圧励振パターンごとに、時系列の電流データがL個の電極の各々に対して記録される。この時系列データを処理して、すべてのL個の電極での電流の振幅および位相が抽出される。各電極の時系列データはその電極での電流の1つの振幅および1つの位相値を与える。したがって、L個の電極では、L個の測定値がある。このプロセスがk組の電圧パターンのすべてについて繰り返され、測定時系列データのkL要素が与えられる。
【0046】
完全な印加電気信号の組(L,L)、測定電気信号の得られた完全な組(L,L)、および完全な印加電気信号の組の逆に基づいて、管路中の材料分布を示すインピーダンス行列またはアドミタンス行列が決定される。一実施形態では、擬似逆を利用して、印加信号の組の逆を決定することができる。計算された行列は管路中の材料分布を表し、サイズ(L×L)である。この行列は、それ自体の転置に等しい複素エントリ(complex entries)をもつ対称行列であり、すなわち、すべての添字iおよびjについて、行列aのi行j列の要素は行列aのj行i列の要素と等しく、
(8)ai,j=aj,i
である。
【0047】
測定時系列データのkL個の要素に基づいて、管路46中の材料分布を表す導電率行列が決定される。画像再構築は、導電率および/またはアドミティビティ行列に基づいて行われる。材料分布を示す行列値の例示的な決定に関するさらなる説明については、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第12/652,116号を参照されたい。
【0048】
印加信号の組は行列Pで示すことができ、測定信号の組は行列Qで示すことができる。次に、インピーダンスネットワークは行列Zで示され、ここで、
(8) Z=P×Q-1
である。しかし、行列Qは測定信号の組であり、不適切行列(ill posed matrix)である。したがって、この行列の逆を見つけるのは困難である。したがって、アドミタンス行列は以下で与えられるように計算することができるので、アドミタンス行列を計算するのはこの場合はより容易である。
【0049】
(9) Y=Q×P-1
印加信号の組、例えば電圧の組は、この場合には、測定信号の組、例えば電流の組よりも良好な忠実度を有する。さらに、印加信号の組は事前によく分かっているので、それをコンピュータに記憶することができ、その逆もコンピュータに記憶される。したがって、アドミタンス行列を決定するために、測定信号の組が印加電圧信号の利用可能な逆と直接乗算される。一実施形態では、印加信号の組が電流の組Mであり、測定信号の組が電圧の組Sである場合、材料分布は同様にインピーダンス行列Zで示し、計算することができる。この場合のインピーダンス行列Zは、
(10) Z=S×M-1
で与えられる。
【0050】
両方の式(9)および(10)において、一実施形態では、擬似逆を利用して行列PおよびMの逆が計算される。擬似逆技法は、例えば、片側逆(one−sided inverse)、Drazin逆、Group逆、Bott−DufFin逆、またはMoore−Penrose擬似逆を含むことができる。したがって、逆計算技法を使用して、数値法または反復法を使用する代わりに、インピーダンス行列またはアドミタンス行列の直接計算が得られる。次に、式(9)および(10)のアドミタンス行列Yおよびインピーダンス行列Zは、
(11) Y=Q×((PHP)-1×PT
(12) Z=S×((MHM)-1×MT
のように計算することができ、ここで、PHおよびMHは行列PおよびMの共役転置である。
【0051】
プロセスシステムによっては、多材料システムの構成要素のアドミタンス値またはインピーダンス値が時間とともに変化することがある。しかし、印加信号の組は一定であり、測定信号の組は実時間で測定されるので、時間変化アドミタンス行列またはインピーダンス行列を同様に計算することができる。一実施形態では、不規則な流れ領域モデルの様々な事前計算した表または行列がコンピュータに記憶され、システムが電気的ネットワーク表示を決定すると、それは記憶された行列と簡単に比較され、それにより、流れ領域が識別される。別の実施形態では、アドミタンスまたはインピーダンス行列が発見的アルゴリズムによって分析され、相流れまたは材料分布が決定される。発見的アルゴリズムは、例えば、ファジー理論アルゴリズムまたは遺伝的アルゴリズムまたはニューラルネットワークアルゴリズムを含むことができる。ファジー理論アルゴリズムは、漠然とした、曖昧な、不正確な、雑音のある、または欠落した入力情報に基づいて一定の結論に達するための簡単な方法を提供する。ファジー理論アルゴリズムの結果は正確であるというよりむしろ近似である。さらに、ニューラルネットワークは、多材料システムの特性を決定するために、流れの履歴および事前計算された行列に基づいて、流れ領域を識別し、最も可能性のある導電率分布を計算するように仕込むことができる。
【0052】
多相媒体の画像、または人体の臓器もしくは他の部分の医用画像とすることができ、より一般的には、異なる電気的性質によって特性評価されるボリューム内の特徴物の画像とすることができる構造体の内部の画像を表示する方法が説明された。開示した実施形態では、画像を生成して、管路を通って流れる多相流体(例えば、石油、水、および炭化水素ガス)、またはボリュームを通る電気信号の伝送に影響を及ぼす異なる導電率を有する多数の領域を含むボリュームが特性評価される。決定された画像情報を使用して、管路を通って流れる液体およびガス材料の相対的比率を推定することができる。
【0053】
本発明の実施形態の特徴は、螺旋アレイに位置決めされた一連の電極を設けること、および3次元表面のまわりに電極の多数のそのような螺旋アレイを設けることである。電気信号の組を、様々な位相シフト、振幅、または周波数変調により電極に印加して、構造体の内部を特性評価するのに有用な電界を生成することができる。異なる導電率を有する2つ以上の領域を含む構造体では、本発明は、電気インピーダンス断層撮影で画像生成するための計算上より効率的な手法に従って、構造体の内部を表す画像を決定する。
【0054】
本発明の開示された実施形態では、一連の印加電気信号の組は各々電圧入力パターンを含み、測定電気信号の組は各々測定電流レベルを含む。他の実施形態では、一連の印加電気信号の組は各々電流入力パターンを含み、測定電気信号の組は各々測定電圧レベルを含む。さらなる他の実施形態では、一連の印加電気信号の組は電圧入力パターンを含むことがあるが、一連の印加電気信号の組は電流入力パターンを含むこともあり、測定電気信号の組は測定電流レベルを含むことがあるが、測定電気信号の組は測定電圧レベルを含むこともある。
【0055】
本発明のいくつかの特徴だけが本明細書で図示され説明されているが、多くの変更および変形が当業者には思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨内にあるそのような変更および変形をすべて包含するものである。
【符号の説明】
【0056】
10 石油生産設備
12i 油井、坑井
14 配管システム
16 マニホルド、生産マニホルド
18 多相流量計(MPFM)
19 バルブシステム
20 不純物分離装置
40 電気インピーダンス断層撮影(EIT)画像再構築システム、MPFMシステム
42 配線
44i 電極
441 第1の電極
44144 最後の電極
45 管路の表面、管路の円柱面
46 円筒形状管路、管路
47 軸、中心軸
48 電子回路
50 コンピュータ
52 表示装置
60 印加電圧EITシステム
62 回路
62i 電圧源回路、回路
63 スイッチングネットワーク
64 単一の較正回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多材料物体内の電気的性質の分布を再構築するためにデータを生成する方法であって、
前記多材料物体のまわりに3次元アレイ(Hj)の電極(44i)を設けるように3次元螺旋経路に沿って複数の電極(44i)を構成するステップと、
入力用の1組の信号パターンを前記電極(44i)に印加し、前記組の信号パターンの印加に応答して、測定された1組の電気信号を前記電極(44i)から得るステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記測定された1組の電気信号を用いて、前記電極(44i)が配置されている構造体の領域における前記構造体の内部を表す3次元導電率またはアドミティビティ分布を計算するステップと、
異なる導電率またはアドミティビティを有する2つ以上の領域を含む前記構造体中の多材料領域を表す3次元画像データを決定するステップと
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記複数の電極(44i)を構成するステップが、各々が一続きのr個の電極(44i)を含むp個の螺旋アレイ(Hj)を設けるように一連の3次元螺旋経路に沿って前記電極(44i)を位置決めするステップを含み、
入力用の前記組の信号パターンを前記電極(44i)に印加するステップが、前記組の信号パターンを前記電極(44i)に所与の時間に印加するとき前記電極(44i)のうちの異なるものに異なる信号パターンを印加するステップを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
各螺旋アレイが、規則的な順序のように配置されたri電極(44i)を含み、iの所与の値に対して、各々が異なる螺旋に関連する前記電極(44i)riが、リング様パターンで共通平面Piに沿って位置決めされる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
多数の組の信号パターンが前記電極(44i)に連続して印加され、前記一連の印加電気信号の組が各々電圧入力パターンを含み、測定された電気信号の組の電流レベルが印加信号の組ごとに得られる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記構造体が、異なる導電率を有する材料が流れる管路(44)である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記構造体が、異なる相を有する材料が流れる管路(44)である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記材料が石油および炭化水素ガスを含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
画像情報が、前記管路(44)を通って流れる液体およびガス材料の相対的比率を決定するために使用される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記構造体の前記内部を表す画像を観察するための表示装置に前記画像データを供給するステップをさらに含む、請求項2記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−42463(P2012−42463A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173484(P2011−173484)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】