説明

電気ケトル

【課題】転倒時止水バルブの動作に起因する転倒流水の発生を抑制し、また、転倒時止水バルブから蒸気口を経由した沸騰水の飛び散りを抑制する。
【解決手段】貯水容器12を含むケトル本体1は、把手3及び給湯口5を有し、貯水容器を閉鎖する蓋体4には、貯水容器内と給湯口との間を連通させる注出路15と、貯水容器内の蒸気を蒸気放出口8から外部に排出するための蒸気通路18と、把手3に配置された沸騰検知部20を経由させて蒸気を外部に排出する沸騰検知蒸気路19が設けられる。蒸気通路及び沸騰検知蒸気路中には、転倒時に蒸気通路及び沸騰検知蒸気路を閉鎖する転倒時止水バルブ装置24、25、26が設けられる。転倒時止水バルブ装置は、給湯口と把手を結ぶ線に対し、その両側に振り分けて配置された一対のバルブにより構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯水容器内の蒸気を放出するための蒸気路が蓋体に設けられた電気ケトルに関し、特に、ケトル本体が転倒した場合に蒸気路を閉鎖する転倒時止水バルブ装置の構成の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
電気ケトルは、ヒータを備えたケトル本体を給電台上に装着して電力の供給を受け、ヒータにより貯水容器内の水を加熱するように構成されている。加熱により得られる湯は、ケトル本体を電源台から持ち上げることで、取り出すことができる。従って電気ケトルは、コンロで加熱することにより湯を沸かすだけの、いわゆる「やかん」とは異なり、電源への接続により手軽に湯沸かしができ、かつ可搬型として手軽に取り扱うことができる。一方、便利に使用されるほど、使用者の安全、電気製品自体の安全に関し、危険率は増大する。
【0003】
電気ケトルにおける安全性を向上させるための構造について、特許文献1に開示された例を参照して説明する。図11は、特許文献1に開示された電気ケトルの外観を示す斜視図、図12は、その一部の内部構造を示す断面図である。但し、本発明に関連のある箇所のみを説明し、他の部分については図示されていても説明を省略する。
【0004】
電気ケトル51は、電源プレート52とケトル本体53から構成されている。電源プレート52は、その上面の中心側に給電機構(図示せず)を備え、ケトル本体53内のヒータに対する通電を可能としている。ケトル本体53は、上側開放の容器形状に構成された本体ボディ54と、その開口を覆う蓋体55とを主な要素として構成されている。この蓋体55は、ケトル本体53の上部の一端に設けられた揺動軸55a(図12参照)の周りに揺動自在に取り付けられている。蓋体55を上側に揺動させて蓋を開放した状態(開放姿勢)で、本体ボディ54内に注水することが可能となる。一方、蓋体55が本体ボディ54の開口を閉止した状態(閉鎖姿勢)で、湯の加熱が可能となっている。
【0005】
蓋体55は、蓋本体56と、その上部に装着された蓋カバー57と、蓋本体56の下側に結合され、閉鎖姿勢で内容器58を密閉する下板59を備えている。蓋カバー57には蒸気口60が、下板59には、湯水の流通孔61及び蒸気の流通孔62が夫々設けられている。ケトル本体53には、その上部側に注口63が、その反対側にハンドル64が設けられている。さらに、注口63とハンドル64との間に、蓋体55の開閉のための蓋開閉操作部65を備えるとともに、蒸気口60を備えている。注口63の内部側には給湯制御用の弁体66が設けられており、この弁体66が、給湯操作ボタン67による操作に応じて、上下方向に移動制御される。
【0006】
このように、弁体66が設けられることで、湯沸かし時を含む非注出時にケトル本体53が転倒しても、湯水の流通孔61を通じた湯水の流出を防ぐことができる。また、発生した蒸気は、蒸気の流通孔62を通じ蒸気路68を経由して、安全な位置である、蓋体上面の蒸気口60から放出される。これにより、注口63から無制限に蒸気が放出されることが抑制される。
【0007】
さらに、安全性を向上させるための構造として、転倒時止水バルブ69が設けられている。この転倒時止水バルブ69は、ケトル本体53が転倒した場合に内容器58から、蓋体55の上面に設けられた蒸気口60を介して、外部に湯水が漏出するのを防止する弁であり、ケトル本体53の内部から蒸気口60に繋がる蒸気路68中に配置されている。
【0008】
転倒時止水バルブ69は、三角錘台形状の錘体70と、この錘体70を収納する蓋本体56に設けられた錘体収納空間71とから構成されている。錘体収納空間71も概略三角錘台形状に構成され、当該空間71内で錐体70は少なくとも上下方向に移動可能である。転倒していない正常状態では、錐体70が錐体収納空間71の下部に位置することで、蒸気の流通が許容される。転倒した止水状態では、錐体70が錐体収納空間71の上部に位置することで、天面に設けられている蒸気路68を塞ぐことで、湯水の漏出を避けることができる。
【0009】
転倒時止水バルブ69は、蒸気路68の孔径を異ならせることにより止水速度を互いに異ならせた、一対の転倒時止水バルブ69として構成されている。これは、閉塞するタイミングをずらして大小異なった湯量に対応するための構成である。一対の転倒時止水バルブ69は、注口63とハンドル64との間に直線状に並べて設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−69016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、一対の転倒時止水バルブ69を、特許文献1のように注口63とハンドル64を結ぶ線上に直線状に並べて配置した場合、ケトル本体53が真横に転倒した場合、一対の転倒時止水バルブ69は横方向に並んだ状態になる。そのため、両方の転倒時止水バルブ69が同じように動作し、両方とも閉塞する事態が発生する惧れがある。そのような場合、いずれの転倒時止水バルブ69も、内容器58内の蒸気圧を開放する機能を果たすことができなくなり、蒸気圧に起因する流水が発生する惧れが生じる。
【0012】
また、特許文献1のように注口63とハンドル64を結ぶ線上に一対の転倒時止水バルブ69を直線状に並べて配置する場合、転倒時止水バルブ69の一方は、蓋カバー57の蒸気口60に対して水平方向に近接して配置せざるを得ない。転倒時止水バルブ69と蒸気口60の位置が水平方向に近接することは、転倒時止水バルブ69と蒸気口60が垂直方向で概ね直線上に並ぶ状態になる。そのため、内容器58内の蒸気圧による、転倒時止水バルブ69の隙間からの沸騰水の飛び散りが、蒸気口60を通して外部に直接排出される事態が発生し易い。
【0013】
以上のことを考慮して、本発明は、転倒時止水バルブの動作に起因する転倒流水の発生を抑制し、また、転倒時止水バルブから蒸気口を経由した沸騰水の飛び散りを抑制することが可能な電気ケトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の電気ケトルは、上端が開口した貯水容器及び前記貯水容器内の水を加熱するように配置されたヒータを含むケトル本体と、前記ケトル本体の外殻に設けられた把手と、前記ケトル本体における前記把手とは径方向の反対側の上端部に設けられた給湯口と、前記ケトル本体の上端部に着脱自在に装着され、前記貯水容器の開口を閉鎖または開放する蓋体と、前記貯水容器内と前記給湯口との間を連通させるように前記蓋体に設けられ、開閉操作が可能な注出路と、前記貯水容器内の蒸気を前記蓋体に設けられた蒸気放出口から外部に排出するように設けられた蒸気通路と、蒸気と接触することにより沸騰を検知する沸騰検知部と、前記貯水容器内の蒸気を前記沸騰検知部を経由させて外部に排出する沸騰検知蒸気路と、前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路中に配置され、前記ケトル本体が転倒した状態において前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路を閉鎖する転倒時止水バルブ装置とを備え、前記転倒時止水バルブ装置は、前記給湯口と前記把手を結ぶ線に対し、その両側に振り分けて配置された一対のバルブにより構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記構成の電気ケトルによれば、転倒時止水バルブ装置を構成する一対のバルブが、給湯口と把手を結ぶ線に対し、その両側に振り分けて配置されていることにより、ケトル本体が転倒した時に、必ずどちらか一方のバルブが上側に位置する。そのため、上側になったバルブは閉塞することがなく、貯水容器内の蒸気圧を開放する役目を維持するので、蒸気圧による流水を防ぐことができる。
【0016】
また、給湯口と把手を結ぶ線に対する両側に振り分けてバルブを配置することにより、蒸気放出口からのバルブの水平方向の距離を十分に長くすることができる。それにより、バルブと蒸気放出口が垂直方向の直線上に位置することを容易に回避可能となり、バルブの隙間からの沸騰水の飛び散りが、蒸気放出口を通して直接外部に排出されることが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明の実施の形態における電気ケトルの外観を示す斜視図
【図1B】同電気ケトルの蓋体を除いた構造を示す斜視図
【図2】同電気ケトルの断面図
【図3】同電気ケトルの蓋体の断面を図2のA―A線に沿って示した断面図
【図4】同電気ケトルの蓋体から内蓋を取り去って下部蓋部材の底面を示した底面図
【図5】同電気ケトルの内蓋の底面図
【図6】同電気ケトルの蓋体から上部蓋部材等を取り去って下部蓋部材の一部の上面を示した上面図
【図7】同電気ケトルの下部蓋部材の底面と内蓋の構造の位置関係を示す底面図
【図8】同電気ケトルの蓋体における要素の位置関係を示す上面図
【図9】同電気ケトルの蓋体の上部蓋部材を取り去った状態を示す斜視図
【図10】同電気ケトルの図9におけるC−C線に沿った断面図
【図11】従来例の電気ケトルの外観を示す斜視図
【図12】図11の電気ケトルの一部を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の電気ケトルは、上記構成を基本として以下のような態様をとることができる。
【0019】
すなわち、前記一対のバルブの一方は前記蒸気通路にのみ連通し、他方は前記沸騰検知蒸気路にのみ連通している構成とすることができる。この構成によれば、一方のバルブを経由して沸騰検知部に直通する蒸気通路が設けられるので、沸騰検知時間を早めることができる。
【0020】
また、前記蓋体は、前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路の一部が設けられた下部蓋部材と、前記下部蓋部材の上部を覆って装着された上部蓋部材と、前記下部蓋部材の下面を覆って装着され前記貯水容器内に面した内蓋とを備え、前記内蓋には、前記下部蓋部材が形成する前記内蓋上の空間に前記貯水容器内の蒸気を導く蒸気導出孔が設けられ、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間に導かれた蒸気が前記一対のバルブを経由して前記前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路に至る経路が形成されており、前記蒸気導入口は、前記一対のバルブの間の中間線上の位置に配置されている構成とすることができる。このように、蒸気導出孔を一対のバルブの中間部に集約して配置することにより、両方のバルブに対して近接し、蒸気が両バルブに到達する速度を十分に早く維持して、沸騰検知時間には影響を与えることはない。しかも、蒸気導出孔の配置箇所を集約させることにより、他の要素との配置関係の自由度を向上させることができる。
【0021】
この構成において、前記一対のバルブは、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間をバルブ室壁で区画して形成され、前記蒸気通路に連通する第1バルブ室及び前記沸騰検知蒸気路に連通する第2バルブ室と、前記第1及び第2バルブ室内に装着された錘部材とを備え、前記ケトル本体の傾きに応じた前記バルブ室内での前記錘部材の変位により前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路への連通が閉鎖されるように構成され、前記バルブ室壁には、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間を前記第1及び第2バルブ室に連通させる切欠きが設けられ、前記第1バルブ室と前記第2バルブ室とでは、前記バルブ室壁の前記切欠きの水平方向における向きが異なっており、それにより、前記蒸気導入口から導かれた蒸気が、前記第1バルブ室よりも前記第2バルブ室に入り易いように設定されている構成とすることができる。それにより、沸騰検知蒸気路に蒸気が到達し易くなり、沸騰検知の精度を向上させることができる。
【0022】
また、前記一対のバルブは、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間をバルブ室壁で区画して形成され、前記蒸気通路に連通する第1バルブ室及び前記沸騰検知蒸気路に連通する第2バルブ室と、前記第1及び第2バルブ室内に装着された錘部材とを備え、前記ケトル本体の傾きに応じた前記バルブ室内での前記錘部材の変位により前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路への連通が閉鎖されるように構成され、前記第1バルブ室から前記蒸気通路を経由して前記蒸気放出口へ到達する経路は、直線経路に比べて迂回する経路となるように構成されていることが好ましい。それにより、第1バルブ室から蒸気放出口までの距離が長くなり、第1バルブ室を経由した蒸気が蒸気放出口から直接、強く噴出する事態の発生が抑制される。
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
<実施の形態>
図1Aは、本発明の実施の形態における電気ケトルの外観を示す斜視図である。この電気ケトルは、ケトル本体1と、上面に給電機構(図示せず)を有する給電台2とから構成されている。ケトル本体1は、上側開放の概略筒状であり、その外殻に把手3が設けられている。ケトル本体1の上部の開口部を覆う蓋体4は、ケトル本体1の上端部に装着され、後述するように、その肩部と係合する部材により、装着状態がロックされている。ケトル本体1の肩部における把手3の反対側には、給湯口5が設けられている。
【0025】
蓋体4の上面部には、蓋体4を離脱可能とするための蓋開閉操作レバー6、及びケトル本体1内からの出湯可否を操作するための給湯操作部7が設けられている。蓋体4の上面部には、さらに、ケトル本体1内で発生する蒸気を排出するための開口である蒸気放出口8が設けられている。把手3の上部にはスイッチ操作部材9が配置され、把手3の内部に設けられた沸騰検知部(図2参照。後述。)を外部から操作可能となっている。
【0026】
図1Aにおける、蓋体4を取り去った構造を図1Bに示す。ケトル本体1の肩部近傍の内周面には、係止凹部10が設けられている。この係止凹部10は、蓋開閉操作レバー6に連動するように蓋体4に設けられた左右一対の突出係合片(後述)の先端が係合し、蓋体4をケトル本体1に対して固定するための機能の一部を果たす。また、把手3の上端がケトル本体1と結合する部位に対応する位置には、蒸気路接続口11が設けられ、ケトル本体1内で発生する蒸気を沸騰検知部を経由させて外部に排出するための沸騰検知蒸気路(図2参照。後述。)の一部を形成している。
【0027】
この電気ケトルの内部構造を図2に示す。ケトル本体1は、例えばステンレス鋼などの金属製の貯水容器12を、樹脂製あるいは鋼板製等の外装ケース13に収容して構成されている。ケトル本体1の下部には貯水容器12に接してヒータ14が配置され、貯水容器12に貯蔵された水をヒータ14により加熱して湯沸かしを行うことができる。蓋体4は、下部蓋部材4aと、その上部に装着された上部蓋部材4bと、下部蓋部材4aの下側に結合した金属製の内蓋4cを備えている。内蓋4cは、樹脂製の下部蓋部材4aを熱的に保護するとともに、貯水容器12内の湯水及び蒸気に対する通路を制限するために設けられる。下部蓋部材4aと上部蓋部材4bの間に形成される空間にも、種々の要素部材が配置されている。
【0028】
下部蓋部材4aには、内容液をケトル本体1の給湯口5に向けて注出させる注出路15が設けられ、注出路15の途中に給湯制御用の給湯弁16が配置されている。給湯弁16は、給湯操作部7により開閉機構17を介して上下方向に移動制御され、出湯可否の状態を制御可能である。下部蓋部材4aにはさらに、上部蓋部材4bに設けられた蒸気放出口8を通じて、貯水容器12内の蒸気を外部に排出するための蒸気通路18が設けられている。図2には図示を省略するが、内蓋4cにおける注出路15に対応する領域、及び蒸気通路18と連通する領域には、注水導出孔及び蒸気導出孔が設けられている。
【0029】
蒸気放出口8及び蒸気通路18からなる蒸気放出手段は、ケトル本体1の給湯口5から無制限に蒸気が放出される危険性を回避するために設けられる。蒸気放出口8は、所定の安全な位置、すなわち、給湯操作部7や蓋開閉操作レバー6から離れた位置に配置されている。蒸気通路18と併せて、沸騰検知蒸気路19が設けられ、ケトル本体1内で発生する蒸気を、把手3内の沸騰検知部20を経由させて外部へ排出可能となっている。
【0030】
沸騰検知蒸気路19は、蒸気放出口8からの蒸気放出機能を補うとともに、沸騰検知部20を動作させるために設けられる。すなわち、蒸気放出口8を通じた湯沸かし時に発生する蒸気の放出は、配置や容量に限度がある。そのため、外部への放出が制限されることによって生じる蒸気圧により、ケトル本体1で発生する蒸気の一部を把手3側の沸騰検知蒸気路19を経由させて排出することで、沸騰検知蒸気路19が上述のような機能を果たすことができる。沸騰検知蒸気路19の途中から検知室21を分岐させて、検知室21に流入する蒸気が沸騰検知部20に配置されたバイメタルスイッチに接触するように構成されている。
【0031】
給電台2には外部給電器具22が設けられ、ケトル本体1は、給電台2の上に載置された状態で外部給電器具22に接続される内部給電器具23を有し、給電台2に接続された家庭用電源から給電される。
【0032】
沸騰検知部20は、バイメタルスイッチにより構成され、給電のオン、オフ動作を行う。すなわち、沸騰検知部20にスイッチ操作部材9が係合し、沸騰検知部20を外部から操作可能となっている。沸騰検知部20によるヒータ14に対する通電がオフとなっている状態からスイッチ操作部材9を押圧することにより、バイメタルが変位して、沸騰検知部20はヒータ14に対する通電をオンとする姿勢に操作される。
【0033】
また沸騰検知部20は、沸騰検知蒸気路19と連通している検知室21に隣接して内蔵されていることにより、蒸気温度により沸騰を検知するセンサユニットとして機能し、沸騰検知に伴い給電をオフとするように動作してヒータ14への通電を遮断する。すなわち、貯水容器12の水が沸騰すると、発生する蒸気による昇温に応じてバイメタルが動作し、バイメタルスイッチは通電をオフとする姿勢に復帰する。それに伴い、スイッチ操作部材9も元の状態に復帰する。
【0034】
以上のように、蓋体4によって貯水容器12を閉じ、蓋体4に設けた注出路15を給湯操作部7によって開いたときだけ内容液を注出できる。従って、湯沸かし時を含む非注出時にケトル本体1が転倒しても、注出路15を通じた内容液の流出は防げられる。また、貯水容器12で発生する蒸気は、蓋体4に設けられた蒸気通路18を通じて、蒸気放出口8から放出され、また、沸騰検知蒸気路19を経由してケトル本体1の底部へ排出される。蒸気通路18及び沸騰検知蒸気路19は常時開放されており、湯沸かし時はもとより、その後も、発生する蒸気を外部に放出して、ケトル本体1内の圧力が上昇することを防止する。蒸気通路18及び沸騰検知蒸気路19中には転倒時止水バルブ装置が設けられ、ケトル本体1が転倒した状態において蒸気通路18及び沸騰検知蒸気路19を閉鎖することにより、安全性を高められている。
【0035】
以下に、蒸気通路18及び沸騰検知蒸気路19中に配置された転倒時止水バルブ装置について説明する。転倒時止水バルブ装置は、図2のA−A線に沿った位置に配置されている。但し、転倒時止水バルブ装置は、図1Aにおける給湯口5(注出口15の位置に対応)と把手3を結ぶ線上に対し、その両側に振り分けて配置された一対のバルブにより構成されているので、図2には図示されない。
【0036】
転倒時止水バルブ装置を、図3〜図6に示す。図3は、図2のA―A断面に沿った蓋体4の断面図である。図4は、蓋体4から内蓋4cを取り去った状態の下部蓋部材4aの底面図である。図5は内蓋4cの底面図、図6は、蓋体4から上部蓋部材4b等を取り去った状態の下部蓋部材4aの上面図である。
【0037】
図3、図4に示すように、下部蓋部材4aには、第1バルブ室24、及び第2バルブ室25が設けられ、各々錘部材26が配置されている。第1、第2バルブ室24、25は、それぞれ、第1、第2環状壁27、28により周囲の空間と区画されている。但し、図4に示すように、第1、第2環状壁27、28には切欠き27a、28aが形成されて、その部分で周囲の空間と連通している。
【0038】
第1、第2バルブ室24、25の上部には、通気路を形成する第1、第2通気部29、30が設けられ、その通気路は第1、第2バルブ室24、25の上部に開口している。但し、図3では、錘部材26が転倒時止水の状態に位置した場合が示されているので、第1、第2通気部29、30の開口部は錘部材26により封鎖されている。第1通気部29は、蒸気通路18と連通し、第2通気部30は、沸騰検知蒸気路19と連通している。
【0039】
第1、第2バルブ室24、25の下部は開口しており、その開口部にバルブ支持部材31が装着されている。バルブ支持部材31の上面に形成された着座面は、錘部材26の下面の錐体形状に適合する形状を有し、錘部材26を安定して支持することができる。また、バルブ支持部材31における錘部材26が着座する部分の周囲には透孔31aが形成されている。バルブ支持部材31は、内蓋4cの凹部32に載置されている。
【0040】
図5に示すように、内蓋4cの一対の凹部32の中間線上には、2個の蒸気導出孔33が設けられている。但し、中間線とは、一対の凹部32の中間点を通り、一対の凹部32の各々の中心を結ぶ線に直交する線を意味する。蒸気導出孔33を通じて、貯水容器12から発生する蒸気が、内蓋4cの上部空間、すなわち第1、第2環状壁27、28の周囲に導入される。また、凹部32の底部にも透孔34が設けられている。さらに、給湯弁16に対応する領域の内蓋4cには、注水導出孔35が設けられている。注水導出孔35は、主として給湯弁16を経由して注出路15に湯水を導出する機能を提供する。
【0041】
図3に示すように、下部蓋部材4aの上部には補助壁36が設けられ、その上端に密着するように補助中間板37が装着されている。それにより、下部蓋部材4aの上面と補助中間板37の間に、第1、第2通気部29、30の周囲を包囲する空間が形成され、蒸気通路18となっている。補助中間板37の一部に、蒸気放出口8が設けられている。第1通気部29から蒸気通路18を経て蒸気放出口8に至る経路、及び第2通気部30から沸騰検知蒸気路19に至る経路を形成する要素が、図6に示される。
【0042】
図6は下部蓋部材4aの上面図であり、補助中間板37が取り去られた状態を示す。なお図3に示した断面は、平面位置としては、図6に示すB−B線に沿った断面である。図3にも示されているが、第1通気部29は、その上端が閉鎖されており、側部に開口29aを有する。開口29aは、第1、第2通気部29、30の中間線に対して外方に向いている。第2通気部30は、その上端が開口しており、側部にも開口30aを有する。第2通気部30の側壁に結合させて、一対の溝壁38が形成されており、溝壁38により形成される溝38aが開口30aと連通している。溝38aは、沸騰検知蒸気路19の一部を形成している。
【0043】
図3に示すように、補助壁36上に補助中間板37が装着された状態においては、第2通気部30の上端は封鎖され、また、溝壁38の上端に補助中間板37が密着する。従って、下部蓋部材4aの上面、溝壁38及び補助中間板37により、周囲から封鎖された沸騰検知蒸気路19が形成される。これにより、補助壁36と補助中間板37で包囲された蒸気通路18には第1通気部29のみが連通し、沸騰検知蒸気路19には第2通気部30のみが連通した状態が得られる。
【0044】
図7は、図4に示した下部蓋部材4aの底面に対して、図5に示した内蓋4cが装着された状態を示す。図7に示されるように、第1、第2環状壁27、28で示される2個のバルブに対して、その中間線上に一列の蒸気導出孔33が配置されている。また、第1環状壁27に設けられた切欠き27aは、中間線に平行な向きに配置されているのに対して、第2環状壁28に設けられた切欠き28aは、蒸気導出孔33に向かって傾いた向きになるように配置されている。これにより、蒸気導出孔33から導かれた蒸気は、切欠き27aを通過して第1バルブ室24に入るよりも、切欠き28aを通過して第2バルブ室25に入る方が容易となるように設定されている。
【0045】
以上の構成において、ケトル本体1が正立している正常な状態下では、貯水容器12から発生する蒸気は、蒸気導出孔33を通じて、内蓋4cの上部空間に導入され、バルブ支持部材31の透孔31aを経由して第1、第2バルブ室24、25に至る。蒸気はさらに、第1、第2通気部29、30から、蒸気通路18、沸騰検知蒸気路19へ通過して、外部に排出される。
【0046】
一方、ケトル本体1が傾いて、バルブ支持部材31の錐体形状の着座面の傾斜が水平に対し反転する程度の傾きに至ったとき、錘部材26がバルブ支持部材31の着座面の傾斜に沿って第1、または第2通気部29、30の側に移動してそれを封鎖する。それにより、貯水容器12内の湯水が蒸気通路18、あるいは沸騰検知蒸気路19を通じて外部に流出するのを防止することができる。以上のとおり、第1、第2バルブ室24、25及び錘部材26等により、転倒時止水バルブ装置が構成されている。
【0047】
本実施の形態によれば、転倒時止水バルブ装置を構成する一対のバルブ配置は、図8に示すとおりになっている。すなわち、図8において破線で示す錘部材26は、バルブの位置に対応する。錘部材26(バルブ)は、給湯口5と把手3を結ぶ線上に対し、その両側に振り分けて配置されている。
【0048】
このように、給湯口5と把手3を結ぶ線に対し、その両側にバルブを配置することにより、ケトル本体1が転倒した時に、必ずどちらか一方のバルブが上側に位置する。すなわち、ケトル本体1の転倒状態では、真横に倒れた姿勢、あるいはや給湯口5または把手3が床に当接した姿勢となるので、給湯口5と把手3を結ぶ線に対する両側の一方は下側、他方は上側になるからである。そのため、上側になったバルブでは錘部材26が移動しないので閉塞されることがなく、貯水容器12内の蒸気圧を開放する役目を維持するので、蒸気圧による流水を防ぐことができる。
【0049】
また、給湯口5と把手3を結ぶ線に対する両側に振り分けてバルブを配置することにより、蒸気放出口8からのバルブの水平方向の距離を十分に長くすることができる。それにより、バルブと蒸気放出口8が垂直方向の直線上に位置することを容易に回避可能となり、貯水容器12水を入れすぎた場合であっても、バルブの隙間からの沸騰水の飛び散りが、蒸気放出口8を通して外部に排出される状態が発生し難くなる。
【0050】
さらに、蒸気放出口8に繋がる蒸気通路18には第1通気部29を介して第1バルブ室24のみが連通し、沸騰検知蒸気路19には第2通気部30を介して第2バルブ室25のみが連通している。これにより、一方のバルブを経由して沸騰検知部20に直通する蒸気通路が設けられるので、沸騰検知時間を早めることができる。
【0051】
図6に示したように、第1通気部29の開口29aは、第1、第2通気部29、30の中間線に対して外方に向いている。これにより、開口29aから蒸気通路18に進入する蒸気は、開口29aから蒸気放出口8に向かって迂回する経路を取らされる。これにより、第1バルブ室24から蒸気放出口8までの距離が長くなり、開口29aを出た蒸気が蒸気放出口8から直接、強く噴出する事態の発生が抑制される。
【0052】
図7に示したように、内蓋4cの蒸気導出孔33は、第1、第2バルブ室24、25の中間部のみに集約させて設けられているが、中間部に配置されることにより、第1、第2バルブ室24、25の両方に対して近接している。そのため、第1、第2バルブ室24、25に蒸気が到達する速度を十分に早く維持して、沸騰検知時間には影響を与えないようにすることができる。このように、蒸気導出孔33の配置箇所を集約させることにより、他の要素との配置関係の自由度を向上させることができる。例えば、下部蓋部材4aと上部蓋部材4bを結合するビスが、蒸気導出孔33から見える状態を回避するように蒸気導出孔33の位置を設定することができる。
【0053】
また、蒸気導出孔33から導かれた蒸気が、切欠き27aを通過して第1バルブ室24に入るよりも、切欠き28aを通過して第2バルブ室25に入る方が容易となるように、切欠き27a、28aの向きが設定されているので、沸騰検知蒸気路19には蒸気が到達し易くなっており、沸騰検知の精度を向上させることができる。
【0054】
次に、蓋開閉操作レバー6の機能に関連する構造について説明する。図9は、上記構成の電気ケトルの蓋体4の上部蓋部材4bを取り去った状態を示す斜視図、図10は、図9におけるC−C線に沿った断面図である。
【0055】
図9に示すように、一対の蓋開閉操作レバー6は各々、一対の突出係合片39に取り付けられ、上部蓋部材4bの開口部(図示せず)から上部に露出している。突出係合片39は、径方向に摺動可能なように上部蓋部材4bに支持され、その先端部39aを、下部蓋部材4aの側壁に設けられた窓を通って外側に突出させている。一対の突出係合片39の間にはレバースプリング40が取り付けられ、突出係合片39が外方に付勢されている。従って、通常は突出係合片39の先端部39aは蓋体4の外周面から突出しているが、レバースプリング40の付勢力に抗して、内部に後退させることも可能である。突出係合片39の先端部39aは、その突出状態において、図2に示したケトル本体1の係合凹部10と係合するように配置されている。
【0056】
蓋体4は、ケトル本体1に対して着脱自在であり、蓋開閉操作レバー6をつまんで着脱を操作するように構成されている。すなわち、図1Bに示した状態が、蓋体4を離脱させた状態であり、蓋体4を装着するときには、蓋開閉操作レバー6をつまんでケトル本体1の上端部に押し込むように操作する。その途中で突出係合片39の先端部39aがケトル本体1の上縁に当接する。先端部39aは下面が傾斜面となっているので、その当接により後退側へ押圧され、突出係合片39がレバースプリング40に抗して後退させられる。蓋体4が閉鎖状態となったときには、突出係合片39の先端部39aが下部蓋部材4aの窓を通って復帰し、ケトル本体1の係合凹部10と係合して、閉鎖状態がロックされる。
【0057】
蓋体4を開放するときには、蓋開閉操作レバー6を操作して、レバースプリング40の付勢力に抗して一対の突出係合片39が相互に近接する方向に力を加えることにより、突出係合片39の先端部39aは蓋体4の外周面から内部に後退する。そのため、突出係合片39とケトル本体1の係合凹部10の係合が解除され、蓋体4を上方に引き抜いてケトル本体1から離脱させることが可能となる。
【0058】
このように、蓋体4を開放する際には、スライド式のレバー6により、レバースプリング40が圧縮される向きの操作が行われる。その際、レバースプリング40が横方向に撓んで周辺の部材によって妨害され、正常に作動しないことがある。このため、本実施の形態では、レバースプリング40の横方向の変位を規制する側部ガイドリブ41aを下部蓋部材4a上に設けて、横方向の撓み防止を図っている。すなわち、レバースプリング40は、ガイドリブ41に当接することにより横方向の動きが規制され、撓み難くなる。
【0059】
側部ガイドリブ41aの断面形状が図10に示され、平面配置が図6に示される。側部ガイドリブ41aは、下部蓋部材4aの上面に形成されており、蒸気通路18を形成する補助壁36と連続して形成された吸気路壁42上に配置されている。吸気路壁42は、貯水容器12内を蒸気通路18に連通させる吸気路を形成し、内容液の注出時に蒸気放出口8から貯水容器12内に外気を吸入して、貯水容器12内が負圧にならずに出湯がスムーズに行われるように設けられた要素である。さらに、図10、図6に示されるように、レバースプリング40の上下方向の変位を規制する下部ガイドリブ41bを下部蓋部材4a上に設けて、上下方向の撓み防止を図っている。
【0060】
側部ガイドリブ41a及び下部ガイドリブ41bを吸気路部42上に設けることにより、側部ガイドリブ41aの基部に成形によるヒケが発生した場合でも、シール不良のような不都合を回避することができる。
【0061】
なお、ガイドリブを上部蓋部材4bの下面に設けることも考えられるが、ガイドリブを設けることにより上部蓋部材4bの上面に成形のヒケが発生する可能性があるため、好ましくはない。また、上部蓋部材4bの下面は凹曲面状であるため、レバースプリング40が上方向に撓んだ場合でも、中央部に戻り易いので、ガイドリブがなくとも不都合はない可能性が高い。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の電気ケトルは、転倒時止水バルブの動作に起因する転倒流水の発生を抑制し、また、転倒時止水バルブから蒸気口を経由した沸騰水の飛び散りを抑制することが可能であり、可搬型の電気ケトルとして有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 ケトル本体
2 給電台
3 把手
4 蓋体
4a 下部蓋部材
4b 上部蓋部材
4c 内蓋
5 給湯口
6 蓋開閉操作レバー
7 給湯操作部
8 蒸気放出口
9 スイッチ操作部材
10 係止凹部
11 蒸気路接続口11
12 貯水容器
13 外装ケース
14 ヒータ
15 注出路
16 給湯弁
17 開閉機構
18 蒸気通路
19 沸騰検知蒸気路
20 沸騰検知部
21 検知室
24 第1バルブ室
25 第2バルブ室
26 錘部材
27 第1環状壁
28 第2環状壁
27a、28a 切欠き
29 第1通気部
30 第2通気部
31 バルブ支持部材
33 蒸気導出孔
35 注水導出孔
36 補助壁
37 補助中間板
38 溝壁
38a 溝
39 突出係合片
39a 先端部
40 レバースプリング
41a 側部ガイドリブ
41b 下部ガイドリブ
42 吸気路壁42

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口した貯水容器及び前記貯水容器内の水を加熱するように配置されたヒータを含むケトル本体と、
前記ケトル本体の外殻に設けられた把手と、
前記ケトル本体における前記把手とは径方向の反対側の上端部に設けられた給湯口と、
前記ケトル本体の上端部に着脱自在に装着され、前記貯水容器の開口を閉鎖または開放する蓋体と、
前記貯水容器内と前記給湯口との間を連通させるように前記蓋体に設けられ、開閉操作が可能な注出路と、
前記貯水容器内の蒸気を前記蓋体に設けられた蒸気放出口から外部に排出するように設けられた蒸気通路と、
蒸気と接触することにより沸騰を検知する沸騰検知部と、
前記貯水容器内の蒸気を前記沸騰検知部を経由させて外部に排出する沸騰検知蒸気路と、
前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路中に配置され、前記ケトル本体が転倒した状態において前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路を閉鎖する転倒時止水バルブ装置とを備え、
前記転倒時止水バルブ装置は、前記給湯口と前記把手を結ぶ線に対し、その両側に振り分けて配置された一対のバルブにより構成されたことを特徴とする電気ケトル。
【請求項2】
前記一対のバルブの一方は前記蒸気通路にのみ連通し、他方は前記沸騰検知蒸気路にのみ連通している請求項1に記載の電気ケトル。
【請求項3】
前記蓋体は、前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路の一部が設けられた下部蓋部材と、前記下部蓋部材の上部を覆って装着された上部蓋部材と、前記下部蓋部材の下面を覆って装着され前記貯水容器内に面した内蓋とを備え、
前記内蓋には、前記下部蓋部材が形成する前記内蓋上の空間に前記貯水容器内の蒸気を導く蒸気導出孔が設けられ、
前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間に導かれた蒸気が前記一対のバルブを経由して前記前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路に至る経路が形成されており、
前記蒸気導入口は、前記一対のバルブの間の中間線上の位置に配置されている請求項1に記載の電気ケトル。
【請求項4】
前記一対のバルブは、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間をバルブ室壁で区画して形成され、前記蒸気通路に連通する第1バルブ室及び前記沸騰検知蒸気路に連通する第2バルブ室と、前記第1及び第2バルブ室内に装着された錘部材とを備え、前記ケトル本体の傾きに応じた前記バルブ室内での前記錘部材の変位により前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路への連通が閉鎖されるように構成され、
前記バルブ室壁には、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間を前記第1及び第2バルブ室に連通させる切欠きが設けられ、
前記第1バルブ室と前記第2バルブ室とでは、前記バルブ室壁の前記切欠きの水平方向における向きが異なっており、それにより、前記蒸気導入口から導かれた蒸気が、前記第1バルブ室よりも前記第2バルブ室に入り易いように設定されている請求項3に記載の電気ケトル。
【請求項5】
前記一対のバルブは、前記下部蓋部材と前記内蓋の間の空間をバルブ室壁で区画して形成され、前記蒸気通路に連通する第1バルブ室及び前記沸騰検知蒸気路に連通する第2バルブ室と、前記第1及び第2バルブ室内に装着された錘部材とを備え、前記ケトル本体の傾きに応じた前記バルブ室内での前記錘部材の変位により前記蒸気通路及び前記沸騰検知蒸気路への連通が閉鎖されるように構成され、
前記第1バルブ室から前記蒸気通路を経由して前記蒸気放出口へ到達する経路は、直線経路に比べて迂回する経路となるように構成されている請求項2に記載の電気ケトル。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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