説明

電気コネクタ

【課題】第1接続対象物との嵌合時にフローティングが可能で、安定した接続が得られる電気コネクタの提供。
【解決手段】電気コネクタ10において、第1接続対象物が入る挿入口を有し、挿入口に誘い部203を設け、挿入口の反対側にほぼ垂直に折曲られた第1折曲片202を設けた第1スリーブ20を第1接続対象物の挿入側に第1外部導体16を覆うように配置し、第1インシュレータ14と第1外部導体16との間に略筒状の第2ボディ24を配置し、略筒状で、第1接続対象物の挿入方向と反対側にほぼ垂直に折曲られた第2折曲片221を設けた第2スリーブ22を第1外部導体16の第2弾性片164側より、第2折曲片221が第1ボディ18に接するように挿入し、Z方向に変位可能なように第1スリーブ20の第1折曲片202と第2スリーブ22の第2折曲片221との間に弾性部材32を配置し、X、Y方向に変位可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用基地局等の電気機器や電子機器に使用される電気コネクタに関するもので、特に、相手物との位置ズレがあっても位置ズレを吸収できるフローティング機能を有した電気コネクタである。
【背景技術】
【0002】
通常、同軸コネクタは、一般的に、第1接続対象物と接触する接触部とインシュレータに固定される固定部と第2接続対象物と接続する接続部を有する中心導体と、該中心導体が固定される挿入孔を有するインシュレータと、該インシュレータを覆うように配置された外部導体と、該外部導体を覆うとともに前記第1接続対象物及び前記第2接続対象物(ケーブルを除く)と保持するための第1保持手段と第2保持手段とを有する第1ボディとを備えている。
同軸コネクタのフローティング構造の特許文献として、特許文献1(特願2000−277217)と特許文献2(特開2003−217754)と特許文献3(特願2007−87682)と特許文献4(特開2001−338736)を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許文献1の特願2000−277217の要約によると、コネクタ本体(4)を、相手方コネクタ(50)の挿入方向に合わせて、揺動及び移動自在に支持することができ、しかも、小型化することができるフローティングコネクタを提供することを目的とし、リング板(14)と、リング板(14)の外周に沿って湾曲しながら上方に傾斜する少なくとも3枚の円弧状板バネ片(15)とを、一枚の薄肉金属板を打ち抜いて一体に成形したスプリングワッシャー(2)を用いて、コネクタ本体(4)を、筒状シェル(3)内で揺動若しくは移動自在となるように、起立支持し、スプリングワッシャー(2)は、円弧状板バネ片(15)が互いに重ならずに撓み、コイルスプリングのように、上下に水平な巻端を設ける必要がないので、狭い収容スペースに配設することが可能で、フローティングコネクタが大型化しない構造のフローティングコネクタが開示されている。
【特許文献2】特許文献2の特開2003−217754の要約によると、大きな芯ずれにも対応可能なフローティング量を大きくとることのできるフローティング機構付き同軸コネクタを提案することを目的とし、フローティング機構付き同軸コネクタ1は、コネクタ本体2と、これを保持している取り付け用フランジ3から構成され、コネクタ本体2の外周面からは中心軸線2aに直交する方向に放射状に4枚のスライド片41〜44が突出し、取り付け用フランジ3の側には、コネクタ本体2が遊び(ΔD2)のある状態で貫通している円形貫通孔33、34と、スライド片41〜44を中心軸線2aに直交する方向にスライド自在の状態で保持しているスライド孔51〜54が形成され、コネクタ本体2は、中心軸線2aに直交する平面上を前後左右にスライドでき、また、その回転が、各スライド片41〜44が各スライド溝51〜54の内周面に当たることにより規制される構造のフローティング機構付き同軸コネクタが開示されている。
【特許文献3】特許文献3の特願2007−87682の要約によると、相手コネクタの挿入時にコネクタ本体が揺動及び移動しても、後端が動かない構造のフローティング付き同軸コネクタを得ることを目的とし、筒状外部シェル2内で揺動及び移動自在なコネクタ本体8は、筒状内部シェル9内に絶縁体10を介して配置した中心コンタクト11を、絶縁体10に固定した接続コンタクト部14と、その後部に電気的につながっていてスライド自在で且つ後端部がコネクタ本体8の後端部の外に突出しているスライドコンタクト15と、このスライドコンタクト15を押し出す後ろ向き付勢ばね16とを備えた構造とする。コネクタ本体8はフローティングばね20でフローティング可能に支持し、筒状外部シェル2はその底部4aの中心の貫通孔7に後部絶縁体21を介して後部中心コンタクト22を貫通状態で固定する。後部中心コンタクト22の前部には後部絶縁体21の前面に露出する接触受け部22aを設け、この接触受け部22aにスライドコンタクト15の後端面を突き当てる構造のフローティング付き同軸コネクタが開示されている。
【特許文献4】特許文献4の特開2001−338736の要約によると、嵌合時に発生する接触不良等を減らすことを目的とし、外導体22の移動・変形を規制する外側規制部材29a及び中心導体21の移動・変形を規制する内側規制部材21bを設ける。挿入されるプラグの先端はまずテーパ部22cにより誘導され芯ずれや傾きが補正され、残存した芯ずれや傾きは内側規制部材21b先端のテーパ部により補正され、外導体22や中心導体21に塑性変形は生じない構造のコネクタが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、前記第1接続対象物と電気コネクタとの嵌合時における位置ズレが発生した際にも互いに嵌合できるように電気コネクタに対して、フローティング機構の要求が強くなってきている。また、客先によっては、電気コネクタに前記第1接続対象物及び前記第2接続対象物(ケーブルを除く)を接続した場合に、小型化に逆行しても、Z(前記第1接続対象物の挿入方向)方向の変位量を十分に確保し、かつ、変位量が十分確保できても前記第2接続対象物(ケーブルを除く)が破損しないことが要求されることもある。
特許文献1及び特許文献3の構造では、Z(第1接続対象物の挿入)方向への変位をスプリングワッシャーを用いて行っているため、Z(第1接続対象物の挿入)方向への変位が制限される。つまり、2枚のスプリングの差分しか、変位することができない。また、明細書中にスプリングワッシャーを複数枚重ねれば、変位量を大きくできるという記載があるが、これでは組立てが手間で、工数が掛かり、コストアップになってしまう。さらに、特許文献1の従来技術に示されているようなコイルスプリングでは、Z方向の変位も確保でき、コストアップにもならないが、前記第2接続対象物がケーブルであれば、斜めに変位した際にも破損することはないが、ケーブル以外では斜めに変位した場合、前記第2接続対象物が破損する可能性があった。
特許文献2の構造では、X・Y方向への変位は出来るもののZ(第1接続対象物の挿入)方向及び斜め方向へは変位することはできない。
特許文献4の構造では、テーパ部でズレを吸収できる構造のため、テーパ部の大きさで吸収できる大きさが決まってしまい、変位量に制限があり、かつ、ZZ(第1接続対象物の挿入)方向及び斜め方向へは変位することはできない。
特許文献3にはケーブル以外のものが第2接続対象物として使用されても、中心コンタクトを3分割することで前記第2接続対象物(ケーブルを除く)が破損しない構造が開示されている。この構造に、仮に、特許文献1の従来技術のようなコイルスプリングを用いた場合、外部導体を第1接続対象物の挿入方向と反対側に延設し、かつ、ボディとの導通を図る手段を設ける必要が生じる。外部導体を延設した場合、斜めに変位すると外部導体が破損することがあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、第1接続対象物との嵌合時にフローティング(X・Y・Z方向)が可能で、安定した接続が得られ、第2接続対象物や外部導体の破損のない電気コネクタを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、請求項1記載の電気コネクタのように、パネルやシャーシや筐体に複数配置される電気コネクタであって、第1接続対象物と接触する第1接触部と第1インシュレータに固定される第1固定部と第2接続対象物(ケーブルを除く)と接続する第1接続部を有する第1中心導体と、該第1中心導体が固定される第1挿入孔を有する第1インシュレータと、該第1インシュレータを覆うように配置された第1外部導体と、該第1外部導体を覆うとともに前記第1接続対象物及び前記第2接続対象物(ケーブルを除く)と保持するための第1保持手段と第2保持手段とを有する第1ボディとを備える電気コネクタにおいて、前記第1外部導体には前記挿入口方向及びその反対側に第1スリット及び第2スリットを設けることにより第1弾性片及び第2弾性片を形成し、前記第2弾性片の先端に突出部を設け、前記第1接続対象物が入る挿入口を有するとともに前記挿入口に誘い部を設け、前記挿入口の反対側にほぼ垂直に折曲られた第1折曲片を設けた第1スリーブを前記第1接続対象物の挿入側に前記第1外部導体を覆うように配置し、前記第1インシュレータと前記第1外部導体との間に略筒状の第2ボディを配置し、略筒状で、前記第1接続対象物の挿入方向と反対側にほぼ垂直に折曲られた第2折曲片を設けた第2スリーブを前記第1外部導体の第2弾性片側より、前記突出部が第2スリーブの内側と前記突出部の反対側が前記第2ボディと接触し、かつ、前記第2折曲片が前記第1ボディに接するように挿入し、Z方向に変位可能なように前記第1スリーブの第1折曲片と前記第2スリーブの第2折曲片との間に弾性部材を配置し、X、Y方向に変位可能なように前記第1スリーブと前記第1ボディとの間にクリアランスを設けることを特徴とする電気コネクタにより達成できる。
【0007】
請求項2記載の電気コネクタは、前記弾性部材を、コイルスプリングにすることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタにある。
また、請求項3記載の電気コネクタは、前記第1スリーブは前記第1接続対象物が挿入された際に斜め方向にも変位することを特徴とする請求項1または2記載の電気コネクタにある。
さらに、請求項4記載の電気コネクタは、前記第1ボディを前記第2接続対象物の装着方向に延設し、延設した前記第1ボディ内に第2挿入孔を有する第2インシュレータを装着し、前記第2インシュレータの第2挿入孔に、前記第2接続対象物と接続する第2接続部を有するとともに反対側に装着孔を有する第2中心導体を挿入し、前記第2中心導体の装着孔にピンを装着し、前記ピンを前記第1中心導体の第1接続部に接触させることを特徴とする請求項1または2、3記載の電気コネクタにある。
請求項5記載の電気コネクタは、前記ピンの先端を、前記第1中心導体の第1接続部に点接触させることにより前記第1接続対象物が挿入された際に斜め方向にも変位することを特徴とする請求項1、2または3、4記載の電気コネクタにある。
【0008】
上記のような請求項1〜5の電気コネクタの構造では、フローティングを持たせる構造であるため多少の隙間があり、高周波パワー漏れが発生することが考えられるため、下記のようにバネリングを追加した。
請求項6記載の電気コネクタは、前記第1外部導体の第2弾性片の周囲に、弾性を有するバネリングを配置することを特徴とする請求項1、2または3、4、5記載の電気コネクタにある。
また、請求項7記載の電気コネクタは、弾性を持たせるために前記バネリングに第3スリットを設け、かつ、前記バネリングの径方向の大きさは前記第1外部導体の突出部より薄くすることを特徴とする請求項6記載の電気コネクタにある。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明の電気コネクタによると、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載の電気コネクタ10は、パネルやシャーシや筐体に複数配置される電気コネクタであって、第1接続対象物と接触する第1接触部と第1インシュレータに固定される第1固定部と第2接続対象物(ケーブルを除く)と接続する第1接続部を有する第1中心導体と、該第1中心導体が固定される第1挿入孔を有する第1インシュレータと、該第1インシュレータを覆うように配置された第1外部導体と、該第1外部導体を覆うとともに前記第1接続対象物及び前記第2接続対象物(ケーブルを除く)と保持するための第1保持手段と第2保持手段とを有する第1ボディとを備える電気コネクタにおいて、前記第1外部導体には前記挿入口方向及びその反対側に第1スリット及び第2スリットを設けることにより第1弾性片及び第2弾性片を形成し、前記第2弾性片の先端に突出部を設け、前記第1接続対象物が入る挿入口を有するとともに前記挿入口に誘い部を設け、前記挿入口の反対側にほぼ垂直に折曲られた第1折曲片を設けた第1スリーブを前記第1接続対象物の挿入側に前記第1外部導体を覆うように配置し、前記第1インシュレータと前記第1外部導体との間に略筒状の第2ボディを配置し、略筒状で、前記第1接続対象物の挿入方向と反対側にほぼ垂直に折曲られた第2折曲片を設けた第2スリーブを前記第1外部導体の第2弾性片側より、前記突出部が第2スリーブの内側と前記突出部の反対側が前記第2ボディと接触し、かつ、前記第2折曲片が前記第1ボディに接するように挿入し、Z方向に変位可能なように前記第1スリーブの第1折曲片と前記第2スリーブの第2折曲片との間に弾性部材を配置し、X、Y方向に変位可能なように前記第1スリーブと前記第1ボディとの間にクリアランスを設けることを特徴とする電気コネクタにしているので、X方向及Y方向に中心軸を支点にして±0.5mm、Z方向に0〜1.6mm、斜め方向に中心軸と第1外部導体の第1挿入孔の底面との交点を基準に相手コネクタの挿入方向に対し0〜3°のフローティングが可能になり、位置ズレがあっても確実に嵌合することができ、ケーブル以外の第2接続対象物であってもフローティングの際に第2接続対象物や外部導体が破損することがなく、安定した接続が得られる電気コネクタを提供できる。
(2)請求項2の電気コネクタは、前記弾性部材を、コイルスプリングにすることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタにしているので、X方向及Y方向に中心軸を支点にして±0.5mm、Z方向に0〜1.6mm、斜め方向に中心軸と第1外部導体の第1挿入孔の底面との交点を基準に相手コネクタの挿入方向に対し0〜3°のフローティングが可能になり、位置ズレがあっても確実に嵌合することができ、ケーブル以外の第2接続対象物であってもフローティングの際に第2接続対象物や外部導体が破損することがなく、安定した接続が得られる電気コネクタを提供できる。
(3)請求項3の電気コネクタは、前記第1スリーブは前記第1接続対象物が挿入された際に斜め方向にも変位することを特徴とする請求項1または2記載の電気コネクタにしているので、X方向及Y方向に中心軸を支点にして±0.5mm、Z方向に0〜1.6mm、斜め方向に中心軸と第1外部導体の第1挿入孔の底面との交点を基準に相手コネクタの挿入方向に対し0〜3°のフローティングが可能になり、位置ズレがあっても確実に嵌合することができ、ケーブル以外の第2接続対象物であってもフローティングの際に第2接続対象物や外部導体が破損することがなく、安定した接続が得られる電気コネクタを提供できる。
(4)請求項4の電気コネクタは、前記第1ボディを前記第2接続対象物の装着方向に延設し、延設した前記第1ボディ内に第2挿入孔を有する第2インシュレータを装着し、前記第2インシュレータの第2挿入孔に、前記第2接続対象物と接続する第2接続部を有するとともに反対側に装着孔を有する第2中心導体を挿入し、前記第2中心導体の装着孔にピンを装着し、前記ピンを前記第1中心導体の第1接続部に接触させることを特徴とする請求項1または2、3記載の電気コネクタにしているので、X方向及Y方向に中心軸を支点にして±0.5mm、Z方向に0〜1.6mm、斜め方向に中心軸と第1外部導体の第1挿入孔の底面との交点を基準に相手コネクタの挿入方向に対し0〜3°のフローティングが可能になり、位置ズレがあっても確実に嵌合することができ、斜めに変位しても第2接続対象物に影響がなく、ケーブル以外の第2接続対象物であってもフローティングの際に第2接続対象物や外部導体が破損することがなく、安定した接続が得られる電気コネクタを提供できる。
(5)請求項5の電気コネクタは、前記ピンの先端を、前記第1中心導体の第1接続部に点接触させることにより前記第1接続対象物が挿入された際に斜め方向にも変位することを特徴とする請求項1、2または3、4記載の電気コネクタにしているので、X方向及Y方向に中心軸を支点にして±0.5mm、Z方向に0〜1.6mm、斜め方向に中心軸と第1外部導体の第1挿入孔の底面との交点を基準に相手コネクタの挿入方向に対し0〜3°のフローティングが可能になり、位置ズレがあっても確実に嵌合することができ、点接点のため自由度があり、かつ、斜めに変位しても第2接続対象物に影響がなく、ケーブル以外の第2接続対象物であってもフローティングの際に第2接続対象物や外部導体が破損することがなく、安定した接続が得られる電気コネクタを提供できる。
【0010】
(6)請求項6の電気コネクタは、前記第1外部導体の第2弾性片の周囲に、弾性を有するバネリングを配置することを特徴とする請求項1、2または3、4、5記載の電気コネクタにしているので、高周波パワー漏れを抑えることができる。
(7)請求項7の電気コネクタは、弾性を持たせるために前記バネリングに第3スリットを設け、かつ、前記バネリングの径方向の大きさは前記第1外部導体の突出部より薄くすることを特徴とする請求項6記載の電気コネクタにしているので、高周波パワー漏れを抑えることができ、コネクタを大きくすることもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A) 本発明の電気コネクタを中心で断面した断面図である。(B) 本発明の電気コネクタに第1接続対象物を挿入する際に斜めに変位した状態の断面図である。
【図2】(A) 第1中心導体の断面図である。(B) 第1インシュレータの断面図である。
【図3】(A) 第1外部導体の断面図である。(B) 第1ボディの断面図である。
【図4】(A) 第1スリーブの断面図である。(B) 第2スリーブの断面図である。
【図5】第2ボディの断面図である。
【図6】(A) 第2中心導体の断面図である。(B) 第2インシュレータの断面図である。
【図7】ピンの断面図である。
【図8】(A) バネリングを追加した本発明の電気コネクタを中心で断面した断面図である。(B) バネリングを追加した本発明の電気コネクタに第1接続対象物を挿入する際に斜めに変位した状態の断面図である。(C) バネリングの平面図と縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の特徴は、パネルやシャーシや筐体に複数配置される電気コネクタ10であって、第1接続対象物と接触する第1接触部121と第1インシュレータ14に固定される第1固定部122と第2接続対象物(ケーブルを除く)と接続する第1接続部123を有する第1中心導体12と、該第1中心導体12が固定される第1挿入孔141を有する第1インシュレータ14と、該第1インシュレータ14を覆うように配置された第1外部導体16と、該第1外部導体16を覆うとともに前記第1接続対象物及び前記第2接続対象物(ケーブルを除く)と保持するための第1保持手段と第2保持手段とを有する第1ボディ18とを備える電気コネクタ10において、前記第1外部導体16には前記挿入口方向及びその反対側に第1スリット161及び第2スリット163を設けることにより第1弾性片162及び第2弾性片164を形成し、前記第2弾性片164の先端に突出部165を設け、前記第1接続対象物が入る挿入口201を有するとともに前記挿入口201に誘い部203を設け、前記挿入口201の反対側にほぼ垂直に折曲られた第1折曲片202を設けた第1スリーブ20を前記第1接続対象物の挿入側に前記第1外部導体16を覆うように配置し、前記第1インシュレータ14と前記第1外部導体16との間に略筒状の第2ボディ24を配置し、略筒状で、前記第1接続対象物の挿入方向と反対側にほぼ垂直に折曲られた第2折曲片221を設けた第2スリーブ22を前記第1外部導体16の第2弾性片164側より、前記突出部165が第2スリーブ22の内側と前記突出部165の反対側が前記第2ボディ24と接触し、かつ、前記第2折曲片221が前記第1ボディ18に接するように挿入し、Z方向に変位可能なように前記第1スリーブ20の第1折曲片202と前記第2スリーブ22の第2折曲片221との間に弾性部材32を配置し、X、Y方向に変位可能なように前記第1スリーブ20と前記第1ボディ18との間にクリアランスを設けることを特徴とする電気コネクタ10である。
つまり、X方向及Y方向に中心軸を支点にして±0.5mm、Z方向に0〜1.6mm、斜め方向に中心軸と第1外部導体の第1挿入孔の底面との交点を基準に相手コネクタの挿入方向に対し0〜3°のフローティングが可能にし、かつ、斜めに変位した際にも第2接続対象物や外部導体が破損しないようにしたものである。
【0013】
図に基づいて、本発明の電気コネクタの一実施例を説明する。図1(A)は本発明の電気コネクタを中心で断面した断面図であり、(B)は本発明の電気コネクタに第1接続対象物を挿入する際に斜めに変位した状態の断面図である。図2(A)は第1中心導体の断面図であり、(B)は第1インシュレータの断面図である。図3(A)は第1外部導体の断面図であり、(B)は第1ボディの断面図である。図4(A)は第1スリーブの断面図であり、(B)は第2スリーブの断面図である。図5は第2ボディの断面図である。図6(A)は第2中心導体の断面図であり、(B)は第2インシュレータの断面図である。図7はピンの断面図である。
【0014】
本発明の電気コネクタ10は、少なくとも第1中心導体12と第1インシュレータ14と第1外部導体16と第1ボディ18と第1スリーブ20と第2スリーブ22と第2ボディ24と弾性部材32とを備えている。本実施例では、さらに、第2中心導体26と第2インシュレータ28とピン30とを備えた電気コネクタについて説明する。以下で、それぞれの部位について説明する。
【0015】
まず、第1中心導体について説明する。この第1中心導体12は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記第1中心導体12の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第1中心導体12は主に第1接続対象物と接触する第1接触部121と前記第1インシュレータ14に固定される第1固定部122と第2接続対象物(ケーブルを除く)と接続する第1接続部123とを備えている。
【0016】
前記第1接続対象物としては、相手コネクタ等が挙げられ、本実施例では相手コネクタが嵌合する。
前記第2接続対象物としては、基板や相手コネクタ等が挙げられるが、ここでは後述する前記ピン30の第2接触部301と接続する。
【0017】
前記第1接触部121は、相手コネクタと接触する部分であり、相手コネクタと接触できれば、如何なる形状・大きさでもよいが、コネクタの小型化や接続安定性や加工性や相手物の形状等を考慮して適宜設計している。本実施例では図2(A)のように円筒形にしている。
前記第1固定部122は、前記第1インシュレータ14に固定する部分であり、固定出来れば、如何なるものでもよい。固定方法としては圧入や溶着や引っ掛け(ランス)等を挙げることができるが、本実施例では圧入により固定している。
前記第1接続部123は、前記ピン30の第2接触部301と接続(接触)する部分であり、接触できれば、如何なる形状でもよいが、前記ピン30の自由度を考慮して、前記ピン30と点接触するように、前記第1接続部123は図2(A)のように接触する部分を平らな面にしている。
【0018】
次に、第1インシュレータについて説明する。この第1インシュレータ14は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としてはインピーダンス整合や寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
【0019】
前記第1インシュレータ14は略筒状であり、貫通した第1挿入孔141が設けられている。前記第1挿入孔141は前記第1中心導体12が固定されるものであり、固定できれば如何なるものでもよく、前記第1挿入孔141の形状・大きさは前記第1中心導体12に沿うように適宜設計している。
【0020】
次に、第1外部導体について説明する。この第1外部導体16は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記第1外部導体16の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第1外部導体16は略筒状をしており、前記第1接続対象物が入る第1孔166と前記第2ボディ24が入る第2孔167とが連通するように貫通孔として設けられている。前記第1孔166側には第1スリット161を設けることで第1弾性片162を形成し、前記第2孔167側には第2スリット163を設けることで第2弾性片164を形成しており、さらに、前記第2弾性片164の先端には外側に突出した突出部165を設け、前記第1弾性片162の先端には内側に突出した凸部168が設けられている。
【0021】
前記第1孔166と前記第1弾性片162と前記凸部168は、前記第1接続対象物が入り、かつ、前記第1接続対象物に前記凸部168が接すればよく、前記第1接続対象物の形状に沿い、安定した接触が得られることを考慮して適宜設計する。前記凸部168が前記第1接続対象物と接し、導通をとっている。安定した接触が得られるように、前記第1スリット161を設けることで前記第1弾性片162に弾性を持たせている。
【0022】
前記第2孔167と前記第2弾性片164と前記突出部165は、前記第2ボディ24が入り、前記突出部165の先端が前記第2スリーブ22と接触し、かつ、前記突出部165の反対側が前記第2ボディ24と接触すればよく、前記第2ボディ24の形状に沿い、安定した接触が得られることを考慮して適宜設計する。前記突出部165が前記第2スリーブ22及び前記第2ボディ24と接触し、導通をとっている。安定した接触が得られるように、前記第2スリット163を設けることで前記第2弾性片164に弾性を持たせている。
【0023】
次に、第1ボディについて説明する。この第1ボディ18は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記第1ボディ18の材質としては、バネ性や摺動性や加工性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第1ボディ18は略筒状をしており、前記第1接続対象物(相手コネクタ)の挿入側から5つの挿入溝(第1挿入溝181、第2挿入溝182、第3挿入溝183、第4挿入溝184、第5挿入溝185)が設けられている。前記第1ボディ18の外周の前記第1接続対象物(相手コネクタ)の挿入側付近には、鍔部187が設けられ、また、ほぼ鍔部187から前記第1接続対象物(相手コネクタ)の挿入側と反対側先端付近まで雌ネジ部188が設けられている。
【0024】
前記第1挿入溝181は、第1ワッシャ42が圧入される溝であり、前記第1ワッシャが圧入出来れば如何なるものでもよく、その大きさは前記第1ワッシャ42とほぼ同一にしている。
前記第2挿入溝182は、前記第1スリーブ20の第1折曲片202がX及びY方向に変位した際の逃げであり、その大きさは前記第1折曲片202の大きさとX及びY方向の変位量を考慮し、変位した際に前記第1折曲片202の先端が前記第2挿入溝182の内周面に接しないことや強度や加工性等を考慮して適宜設計している。
【0025】
前記第3挿入溝183は、前記第1スリーブ20の第1折曲片202と前記第2スリーブ22の第2折曲片221とに挟持された弾性部材及び前記第2スリーブ22が変位した際の逃げ部分であり、その大きさは変位した際に前記弾性部材及び前記第2スリーブ22の第2折曲片221の先端が前記第3挿入溝の内周面に接しないことや強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
前記第4挿入溝184は、2段になっており、前記第2インシュレータ28が保持される部分である。2段にすることで、位置決めや高周波特性の向上等を行っている。その大きさは前記第2インシュレータ28が保持できればよく、上記役割や前記インシュレータの大きさや加工性や強度等を考慮して適宜設計している。
【0026】
前記第5挿入溝185は、前記第2接続対象物(本実施例では相手コネクタ(図示せず))が入り、前記第2中心導体26の第2接続部262と接続する部分であり、その大きさは前記第2接続対象物(本実施例では相手コネクタ(図示せず))の大きさや加工性や強度等を考慮して適宜設計している。
【0027】
一般的には、前記第1ボディ18は前記第4挿入溝184の1段目まであるが、本実施例では前記第1接続対象物(相手コネクタ)の挿入側と反対方向に延設した延設部を設けている。前記延設部186は、前記第2インシュレータ28や前記第2中心導体26を覆うために延設したものである。
【0028】
前記雌ネジ部188に2枚のワッシャ38、38とナット36をいれ、前記鍔部187と2枚のワッシャ38、38及びナット36とで、挟持することでパネルやシャーシや筐体等に固定している。
【0029】
前記第1挿入溝201に入る第1ワッシャ42には、貫通した孔が設けられており、前記第1スリーブ20と孔との間には、X及びY方向に変位できるように、クリアランス40が設けられている。このクリアランスの大きさは、X及びY方向に変位量するための逃げである。そのため、クリアランスの大きさは、X及びY方向に変位した際に接触しないように適宜設計している。前記第1ワッシャ42は市販のものを使用することもでき、前記第ボディ18の第1挿入溝201に圧入によって固定されている。
【0030】
次に、第1スリーブについて説明する。この第1スリーブ20は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記第1スリーブ20の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第1スリーブ20は略筒状をしており、前記第1接続対象物(相手コネクタ)の挿入方向に、挿入口201が設けられ、かつ、その先端には前記第1接続対象物(相手コネクタ)を誘い易くするために誘い部203が設けられている。また、前記挿入口201の反対側には、前記挿入口201と連通し、かつ、前記第1外部導体16の第1弾性片162が入る装備孔204が設けられ、さらに、ほぼ垂直に折り曲げられた第1折曲片202が設けられている。
【0031】
前記挿入口201と前記誘い部203の形状・大きさは前記第1接続対象物(相手コネクタ)が入ればよく、前記第1接続対象物(相手コネクタ)に沿うことや強度や加工性等を考慮して適宜設計している。本実施例では、前記挿入口201は前記第1接続対象物(相手コネクタ)より0.05〜0.1mm程度大きくし、前記誘い部203は強度等を考慮して前記第1接続対象物(相手コネクタ)の挿入方向に対して約30°の傾斜にしている。
【0032】
前記装備孔204の形状・大きさは前記第1外部導体16が入ればよく、前記第1外部導体16に沿うことや加工性や強度等を考慮して適宜設計している。
前記第1折曲片202は、前記第2スリーブ22の第2折曲片222との間で弾性部材を挟持し、前記第1スリーブ20が摺動できるようになっている。また、前記第1折曲片202の先端と前記第1ボディ18の第2挿入溝183とのクリアランスによって、X及びY方向の変位量の変位量が決まる構造になっている。本実施例ではX及びY方向の変位量を中心軸を支点にして±0.5mm変位できるようにしている。
【0033】
次に、第2スリーブについて説明する。この第2スリーブ22は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記第2スリーブ22の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第2スリーブ22は略筒状をしており、前記第1外部導体16が入る第1貫通孔222が設けられ、また、前記第1接続対象物の挿入方向と反対側にほぼ垂直に折曲られた第2折曲片221が設けられている。
【0034】
前記第1貫通孔222の内面には、前記第1外部導体16の突出部165が接触し、また、前記第2折曲片221は、前記第1ボディ18と接触することで、前記第1外部導体16と前記第1ボディ18間の導通を取っている。
さらに、前記第2折曲片221は、前記第1スリーブ20の第1折曲片202との間で弾性部材を挟持し、前記第1スリーブ20が摺動できるようになっている。
前記第1貫通孔222と前記第2折曲片221の形状・大きさは、上記役割や接続安定性や嵌合時の変位等を考慮して適宜設計する。
【0035】
次に、第2ボディについて説明する。この第2ボディ24は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記第2ボディ24の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第2ボディ24は略筒状をしており、前記第1インシュレータ14が入る第2貫通孔241が設けられ、また、前記第2貫通孔241の内部には前記第1インシュレータ14を位置決めるための段差部242が設けられている。
【0036】
前記第2ボディ24に、前記第1インシュレータ14は圧入や挟み込み(第1外部導体16)によって保持されるが、本実施例では挟み込みによって保持されている。
前記第2貫通孔の形状・大きさは、前記第1インシュレータ14が保持できればよく、前記第1インシュレータ14に沿い、かつ、前記第1インシュレータ14が十分に保持できるように適宜設計している。
また、前記段差部242は前記第1インシュレータ14を位置決めするための部分や保持するための部分であり、前記第1インシュレータ14の外側にも段差があり、その段差と係合することで位置決めしている。前記段差部242の大きさは、この役割とコネクタの小型化や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0037】
次に、弾性部材について説明する。前記弾性部材は、前記第1スリーブ20の第1折曲片202と前記第2スリーブ22の第2折曲片221とで挟持することで、Z方向(相手コネクタの挿入方向)に変位できるようにするものである。前記弾性部材は上記役割を満足できるものであれば、如何なるものでもよく、コイルバネや複数枚の皿バネ等を挙げることができる。本実施例ではガイドし易さを考慮して、コイルバネを使用している。
【0038】
次に、第2中心導体について説明する。この第2中心導体26は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記第2中心導体26の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記第2中心導体26は主にピン30が装着される装着孔261と前記第2インシュレータ28に固定される第2固定部263と第2接続対象物(ケーブルを除く)と接続する第2接続部262とを備えている。
【0039】
前記第2接続対象物としては、相手コネクタや基板等が挙げられ、本実施例では、相手コネクタと接続する。
【0040】
前記装着孔261は、前記ピン30が挿入される部分であり、前記ピン30が挿入できれば、如何なる形状・大きさでもよいが、前記ピン30の第2接触部301が変位できるように、適宜設計している。
前記第2固定部263は、前記第2インシュレータ28に固定する部分であり、固定出来れば、如何なるものでもよい。固定方法としては圧入や溶着や引っ掛け(ランス)等を挙げることができるが、本実施例では圧入により固定している。
前記第1接続部123は、前記第2接続対象物と接続する部分であり、接続できれば如何なる形状でもよい。本実施例では相手コネクタと接続するため、図6(A)のように等間隔にスリットを設け、バネ性によって接続させている。
【0041】
次に、第2インシュレータについて説明する。この第2インシュレータ28は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としてはインピーダンス整合や寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
【0042】
前記第2インシュレータ28は略筒状であり、貫通した第2挿入孔281が設けられている。前記第2挿入孔281は前記第2中心導体26が固定されるものであり、固定できれば如何なるものでもよく、前記第2挿入孔281の形状・大きさは前記第2中心導体26に沿うように適宜設計している。
【0043】
次に、前記バネリング44について説明する。このバネリング44は金属製であり、公知技術の切削加工やプレス加工によって製作されている。前記バネリング44の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記バネリング44は略円筒形をしており、前記第1外部導体16の第2弾性片164の周囲に、前記第2弾性片164を覆うように配置されている。前記バネリング44には、弾性を持たせるために第3スリット441が設けられている。前記バネリング44の径方向の大きさは、前記第1外部導体16の突出部165より出っ張らない(突出しない)ように配置されている。
【0044】
最後に、ピンについて説明する。このピン30は金属製であり、公知技術の切削加工によって製作されている。前記ピン30の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記ピン30は主に前記第1中心導体12と接触する第2接触部301と前記第2中心導体26の装着孔261に入る第3接続部302を備えている。前記ピン30は略円筒形をしている。
【0045】
前記第2接触部301は、前記第1中心導体12の第1接続部123と接続(接触)する部分であり、フローティングの変位の際に変位に自由度を持たせるために点接触構造にしており、前記第2接触部301の先端は略R形状にしている。
前記第3接続部302は、前記第2中心導体26の装着孔261に入ればよく、前記装着孔261に沿うように適宜設計している。変位し易いように、前記第3接続部302と前記装着孔261との間には、0.01〜0.05mm程度(片側)のクリアランスを持たせるとともに前記第3接続部302の底面に前記ピン30の中心軸に対して12〜18度のテーパー部303を設けている。前記テーパー部303を設けることで、変位し易く、かつ、自由度を持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の活用例としては、、通信基地局等の電気機器や電子機器に使用される電気コネクタ10に活用され、特に、相手物との位置ズレがあっても位置ズレを吸収できるフローティング機能を有した電気コネクタ10に関するものである。
【符号の説明】
【0047】
10 電気コネクタ
12 第1中心導体
121 第1接触部
122 第1固定部
123 第1接続部
14 第1インシュレータ
141 第1挿入孔
16 第1外部導体
161 第1スリット
162 第1弾性片
163 第2スリット
164 第2弾性片
165 突出部
166 第1孔
167 第2孔
168 凸部
18 第1ボディ
181 第1挿入溝
182 第2挿入溝
183 第3挿入溝
184 第4挿入溝
185 第5挿入溝
186 延設部
187 鍔部
188 雌ネジ部
20 第1スリーブ
201 挿入口
202 第1折曲片
203 誘い部
204 装備孔
22 第2スリーブ
221 第2折曲片
222 第1貫通孔
24 第2ボディ
241 第2貫通孔
242 段差部
26 第2中心導体
261 装着孔
262 第2接続部
263 第2固定部
28 第2インシュレータ
281 第2挿入孔
30 ピン
301 第2接触部
302 第3接続部
303 テーパー部
32 弾性部材
34 スプリング
36 ナット
38 ワッシャ
40 クリアランス
42 第1ワッシャ
44 バネリング
441 第3スリット
80 相手コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルやシャーシや筐体に複数配置される電気コネクタであって、
第1接続対象物と接触する第1接触部と第1インシュレータに固定される第1固定部と第2接続対象物(ケーブルを除く)と接続する第1接続部を有する第1中心導体と、
該第1中心導体が固定される第1挿入孔を有する第1インシュレータと、
該第1インシュレータを覆うように配置された第1外部導体と、
該第1外部導体を覆うとともに前記第1接続対象物及び前記第2接続対象物(ケーブルを除く)と保持するための第1保持手段と第2保持手段とを有する第1ボディとを備える電気コネクタにおいて、
前記第1外部導体には前記挿入口方向及びその反対側に第1スリット及び第2スリットを設けることにより第1弾性片及び第2弾性片を形成し、前記第2弾性片の先端に突出部を設け、
前記第1接続対象物が入る挿入口を有するとともに前記挿入口に誘い部を設け、前記挿入口の反対側にほぼ垂直に折曲られた第1折曲片を設けた第1スリーブを前記第1接続対象物の挿入側に前記第1外部導体を覆うように配置し、
前記第1インシュレータと前記第1外部導体との間に略筒状の第2ボディを配置し、
略筒状で、前記第1接続対象物の挿入方向と反対側にほぼ垂直に折曲られた第2折曲片を設けた第2スリーブを前記第1外部導体の第2弾性片側より、前記突出部が第2スリーブの内側と前記突出部の反対側が前記第2ボディと接触し、かつ、前記第2折曲片が前記第1ボディに接するように挿入し、
Z方向に変位可能なように前記第1スリーブの第1折曲片と前記第2スリーブの第2折曲片との間に弾性部材を配置し、
X、Y方向に変位可能なように前記第1スリーブと前記第1ボディとの間にクリアランスを設けることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記弾性部材を、コイルスプリングにすることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記第1スリーブは前記第1接続対象物が挿入された際に斜め方向にも変位することを特徴とする請求項1または2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記第1ボディを前記第2接続対象物の装着方向に延設し、
延設した前記第1ボディ内に第2挿入孔を有する第2インシュレータを装着し、
前記第2インシュレータの第2挿入孔に、前記第2接続対象物と接続する第2接続部を有するとともに反対側に装着孔を有する第2中心導体を挿入し、
前記第2中心導体の装着孔にピンを装着し、
前記ピンを前記第1中心導体の第1接続部に接触させることを特徴とする請求項1または2、3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記ピンの先端を、前記第1中心導体の第1接続部に点接触させることにより前記第1接続対象物が挿入された際に斜め方向にも変位することを特徴とする請求項1、2または3、4記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記第1外部導体の第2弾性片の周囲に、弾性を有するバネリングを配置することを特徴とする請求項1、2または3、4、5記載の電気コネクタ。
【請求項7】
弾性を持たせるために前記バネリングに第3スリットを設け、かつ、前記バネリングの径方向の大きさは前記第1外部導体の突出部より薄くすることを特徴とする請求項6記載の電気コネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−170710(P2010−170710A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9690(P2009−9690)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000208835)第一電子工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】