説明

電気プラグコネクタ

【課題】コネクタの電気接点に給電ラインを接続するにおいて様々に要求される形態の接続に対し、簡単で、迅速で、安全な実施を提案する。
【解決手段】プラグコネクタハウジング(6)の中に軸方向に挿入可能な、互いに平行に配置された接触ピン又は接触ソケットの形態の多数の接点(22)を有する絶縁性接点キャリア(12)、を備えた電気プラグコネクタ(1)に関するものであり、該接点は、接点キャリア(12)の前側からアクセス可能であり、電力供給ラインに接続するために、該接点キャリア(12)の後側に接続要素(15、23)を有する。本発明は、挿入方向においてプラグコネクタハウジング(6)を、挿入方向に直角に配置されたスイベル軸(21)によってヒンジ継手に接続される前方ハウジング部(10)と後方ハウジング部(11)に分割することを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性接点キャリアを備えた電気プラグコネクタに関し、該絶縁性接点キャリアは、互いに平行に配置された接触ピン又は接触ソケットの形態の多数の接点を有し、プラグコネクタハウジングの中に軸方向に挿入されることができ、接点キャリアの前側からアクセス可能な接点を有し、電力供給ラインに接続するための接点キャリアの後側に接続エレメントを有する接点を備える。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、こうしたプラグコネクタは、多相電流のユーザー、特にその正確な作用が電力供給の正確な接続によって決まる多相モーターに電圧を供給するために使用することができる。多相モーターの回転方向とパワーは、接続の種類によって決まることが一般に知られている。当業者に知られている多相モーターに関する接続の一般的種類は、デルタ結線とスター結線である。
【0003】
販売業者は、在庫を保持しなければならない種々のモーター類を低減するため、電力ケーブルなしに、多くは未構成状態で、多相モーターを提供する。多相モーターにおいて、巻線導体の端部は、通常、回転式電流源の給電ラインに巻線導体を接続する目的で、モーターハウジングに用意されるモーター接続ボックスにアクセス可能である。こうしたモーターにおいて、電気接続とその構成は、多くは、モーター接続ボックスに配置された接続端子ブロックを介して形成される。接続を形成する作業を簡単にしてそれに要する時間を短くする目的で、接続端子ブロックを、モーター接続ボックスの外側に延びる適切な数の接点を有する接続プラグとして設計することが、慣行になっている。接触ソケットを有するコネクタが、接続プラグの中に挿入されて固定される。回転式電流源の給電ラインは、電源ケーブルによってコネクタに到達し、必要なシーケンスと必要なブリッジ構成でソケットに接続することができる。
【0004】
モーターの取り付け後、電気技術者の助けを借りることなく、迅速、簡単、かつ安全にそのモーターを電気接続・切断することができるように、モーターの取り付けとは別に、電気技術者によって、コネクタを備えた電力ケーブルを調製することができる。人的保護のため、給電ラインとブリッジは、コネクタの包囲接続チャンバー内のソケットに接続され、そのソケット内に、ケーブルブッシングを介して電力ケーブルが入り込む。電気的に安全な接続チャンバーにアクセスする目的で、こうしたコネクタのハウジングは、通常、取り外し可能なハウジングを有するか、又はコネクタハウジングに一般にボルト付けされるデバイスを有する。安全上の理由で、スクリュードライバーのような道具が、ハウジングのカバーを取り外すために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうしたコネクタは次の理由で問題があると考えられ、即ち、一方では、プラグコネクタの電気的に安全な接続チャンバーにアクセスするのに時間がかかり、他方では、プラグコネクタのハウジング、ハウジングのカバー、さらに多くの場合に取り付けネジが、互いに完全にバラバラであることがあり、ハウジングのカバー及び/又は取り付けネジを置き間違える又は喪失し得ることがあるためである。いずれの場合も、これらは望ましくない追加の時間を必要とする。また、接続チャンバーに入れ込む取り付けネジは、とりわけプラグコネクタが小さい場合、給電ラインの端部用の収納スペースを減らすことになる。
【0006】
本発明は、コネクタの電気接点に給電ラインを接続するにおいて様々に要求される形態の接続に対し、簡単で、迅速で、安全な実施を可能にする種々の方法を提案するための問題を対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、これらの問題は、下記の特徴を有する本発明の電気プラグコネクタによって解決される。
【0008】
即ち、本発明は、プラグコネクタハウジング(6)の中に軸方向に挿入可能な、互いに平行に配置された接触ピン又は接触ソケットの形態の多数の電気接点(22)を有する絶縁性接点キャリア(12)、を備えた電気プラグコネクタ(1)であって、
接点(22)は、接点キャリア(12)の前側(13)からアクセス可能であって、電力供給ラインに接続するための、接点キャリア(12)の後側(16)に接続エレメント(15、23)を有し、
プラグコネクタハウジング(6)は、挿入方向において、挿入方向に直角に配置されたスイベル軸(21)を備えたヒンジ継手によって互いに接続され、プラグコネクタハウジング(6)の角度のあるアセンブリー位置から真直ぐな操作位置までスイベル回転することができ、その逆もまた成り立つ、前方ハウジング部(10)と後方ハウジング部(11)を有し、
接点キャリア(12)は、プラグコネクタハウジング(6)が操作位置にあるとき、ハウジング部(10、11)の中に位置することができ、有効位置において、少なくとも部分的に前方ハウジング部(10)及び後方ハウジング部(11)と係合して、少なくとも断面において、ハウジング部(10、11)の内側表面と横方向に接触し、それによってハウジング部(10、11)のスイベル回転を信頼よく防止する、
ことを特徴とする電気プラグコネクタである。
【0009】
好ましくは、接点キャリア(12)が、前方ハウジング部(10)及び/又は後方ハウジング部(11)の中で、軸方向に移動可能な仕方で案内される。
【0010】
また、好ましくは、真直ぐな状態において、2つのハウジング部(10、11)が、接点キャリア(12)によって一緒にロックされることができる。
【0011】
また、好ましくは、接点キャリア(12)が、前方ハウジング部(10)及び/又は後方ハウジング部(11)を補完する形態のラッチ要素(27、28、29)を有する。
【0012】
また、好ましくは、接点キャリア(12)が封入コード化チャンバー(19)を有し、電気接点(22)のブリッジ構造を選択することができる。
【0013】
また、好ましくは、ブリッジ構造が、内部プラグ接続の形態を有し、好ましくは、コード化プラグを用いて構成することができる。
【0014】
また、好ましくは、前方ハウジング部(10)と後方ハウジング部(11)が、スイベル回転可能に接合され、後方ハウジング部(11)は、前方ハウジング部(10)に対して約90度以上スイベル回転可能である。
【0015】
挿入方向で見ると、本発明による電気プラグコネクタのプラグコネクタハウジングは、挿入方向に直角なスイベル軸を備えるヒンジ継手によって互いに接続される前方ハウジング部と後方ハウジング部を有し、プラグコネクタハウジングの角度のあるアセンブリー位置から真直ぐな操作位置までスイベル回転することができ、その逆もまた成り立つ。操作位置において、プラグコネクタハウジングの中に軸方向に挿入可能な接点キャリアは、ハウジング部に位置することができ、ハウジング部分のスイベル回転、即ち、有効位置におけるプラグコネクタハウジングの開きを信頼よく防ぐことができる。有効位置において、接点キャリアは、少なくとも部分的に前方ハウジング部と後方ハウジング部と係合し、少なくとも断面において、ハウジング部の内側表面と横方向に接触し、とりわけ、プラグコネクタハウジングのスイベル軸に直角に延在しない前方ハウジング部と後方ハウジング部の内側表面に接触する。
【0016】
好ましくは、前方ハウジング部と後方ハウジング部は、互いにスイベル回転可能に接続され、2つのハウジング部の非固定状態において、後方ハウジング部は、前方ハウジング部に対して、約90度以上でスイベル回転可能である。
【0017】
好ましくは、互いに平行に配置された多数の電気接点を有するプラグコネクタの挿入用接点キャリアは、プラグコネクタの挿入方向の反対方向に、プラグコネクタハウジングの中に軸方向に挿入することができる。後方ハウジング部から横方向に延在する前方ハウジング部を用い、接点キャリアが、後方から最初に軸方向前側に、あるいは前方から最初に後側に、前方ハウジング部の中に挿入することができる。別な態様として、その角度のあるアセンブリー位置のプラグコネクタハウジングを用い、後方ハウジング部の中に、軸方向に後側を最初に挿入することができる。しかしながら、この態様は、少なくとも接続される供給ラインなしに、全体の接点キャリアを後方ハウジング部が受け入れることを必要とする。接点キャリアが挿入された後、前方ハウジング部又は後方ハウジング部によって、少なくとも部分的に、保持され、有利には、その外側周囲上を軸方向に案内される。プラグコネクタハウジングを閉じる目的で、前方ハウジング部の後側は、後方ハウジング部より先に出てはならず、及び/又は接点キャリアの前側は、後方ハウジング部の方向で前方ハウジング部より先に出てはならない。仮にそのような場合には、ハウジング部は、操作位置までスイベル回転することができず、プラグコネクタハウジングを閉じることができない。操作位置において、接点キャリアは、有効位置まで移動することができ、そこでは、ハウジング部のスイベル回転が許容されず、したがって、プラグコネクタハウジングの開きが許容されない。
【0018】
好ましくは、真直ぐな状態において、双方のハウジング部が、接点キャリアによって、それらの正面側で互いに固定されることができる。2つのハウジング部を互いに固定する目的で、接点キャリアを有効位置まで軸方向に移動させ、挿入方向において、接点キャリアの後部が後方ハウジング部を確実に覆うまで、かつ挿入方向において、前方接点キャリア部分が、少なくともある領域の前方ハウジング部を確実に覆うまで、プラグコネクタハウジングを閉じ、これら双方は、以下のようにして行う。プラグコネクタハウジングに対する接点キャリアのこの位置において、前方ハウジング部と後方ハウジング部は、少なくともある領域で、上から中央接点キャリア部を確実に覆う。前方ハウジング部における中央接点キャリア部の確実な係合と、後方ハウジング部の前方ハウジング箇所における後方接点キャリア部の対応する係合は、2つのハウジング部をスイベル回転から信頼よく恒久的に防止する。双方のハウジング部がロックされると、後方接点キャリア部は、挿入方向において、後方ハウジング部の後方ハウジング箇所までは延在せず、この結果、キャビティが、電気プラグコネクタの接続チャンバーとして後方ハウジング部に残る。
【0019】
本発明による電気プラグコネクタは、任意の種類の断面形状を有するプラグコネクタからなることができる。例えば、モータープラグコネクタのような特別な用途について、基本的に四角形の断面を有する平らなコネクタが、特に良好に役立つことがある。本発明によるプラグコネクタの全ての幾何学的設計において、接点キャリアがプラグコネクタハウジングから分離したとき、又は前方ハウジング部に収納されたとき、給電ラインは接続されてもよく、プラグコネクタの2つのハウジング部は、互いに対して角度のある位置にある。このことは、給電ラインに接続するため、さらには給電ラインの端部を収容するための接続チャンバーに接続するための、接点キャリアの後側に位置する接点の接続要素に対する自由アクセスを与える。
【0020】
接続構造が完成した後、必要により前方又は後方ハウジング部の中に接点キャリアを挿入した後、接続チャンバーを閉じる目的で、電気プラグコネクタが、真直ぐな状態で導入され、その後、中央接点キャリア部がプラグコネクタハウジングのスイベル軸の反対に位置するまで接点キャリアを移動することによって、ハウジング部のスイベル回転から保護される。この状態において、2つのハウジング部の間のスイベル接合はブロックされ、それによって、前方及び後方ハウジング部のしっかりした接続を与える。とりわけプラグコネクタを挿入するときに、プラグコネクタハウジングを内側に又はそれを外側に移動させることから接点キャリアを信頼よく防止する目的で、2つのハウジング部の少なくとも1つに接点キャリアを非恒久的に固定することが必要である。このことは、例えば、ネジ接続、ラッチ配置、又は何らかの他の手段によって行うことができる。
【0021】
前方ハウジング部によって電気プラグコネクタの接点キャリアが支持されるならば、接続操作にとって有益なことが分かっている。このことは、接点キャリアの後側に位置する電気接点接続要素に対する給電ラインの接続を、著しく簡単にする。これは、接点キャリアを捕獲するといった付加的長所を有する。
【0022】
好ましくは、接点キャリアは、挿入方向と同時にその反対方向にも軸方向に移動可能に、前方ハウジング部に装着され、2つのハウジング部が互いに直線状にあるとき、接点キャリアの後方接点キャリア部が後方ハウジング部に係合して前方接点キャリア部が下から前方ハウジング部に係合するまで、接点キャリアは、簡単な仕方で、前方ハウジング部から後方ハウジング部まで問題なく、中心にある状態で移動させることができ、その逆もまた成り立つ。
【0023】
また、本発明の優先的な態様として、プラグコネクタハウジングにおける軸方向の放射状ラッチロックによって、接点キャリアは、ハウジング部に関して非恒久的に適所に固定されることができる。好ましくは、このことは、接点キャリア上の補完的ラッチング要素とハウジング部の少なくとも1つによって達成される。対応するラッチング要素が適合位置に到達したときに接点キャリアがプラグコネクタハウジング内で自動的にラッチロックするならば、目的が達成される。プラグコネクタハウジングが開けられるべきであれば、接点キャリアの前側から道具を用いてラッチング要素の係合を簡単に外すことによって、必要なときに手動でラッチ解除が行われる。原理的に、接点キャリアは、プラグコネクタハウジングの前方ハウジング部、後方ハウジング部、又は双方のハウジング部とラッチロックすることができる。後方ハウジング部におけるラッチロックは、とりわけ、前方ハウジング部の曲げに関する付加的な安定性をもたらす。
【発明の効果】
【0024】
電気プラグコネクタの1つの態様において、プラグコネクタハウジングは、接続チャンバーから分離した封入コード化チャンバーを有し、プラグコネクタの電気接点のブリッジ構造を行うことができる。このことは、多相モーターに接続を形成するために電気プラグコネクタを使用すべきとき、特に有益である。ブリッジ構造によって、接続チャンバーにおける電気接点に対する給電ラインのシーケンスを変化させずに、デルタ接続又はスター接続のモーターの作動モードを選択することが簡単である。このことはまた、多相モーターの作動モードと回転方向を選択する目的で、モーター自身に付加的工程を払う必要が無いといった長所を与える。
【0025】
有益な態様において、ブリッジ構造は、好ましくはコード化プラグによってコード化チャンバーに形成される内部プラグ接続の形態を取る。ある電気接点のブリッジングは、好ましくは、適切な格子寸法に予備形成されてプラグコネクタを含められた電気ブリッジとして機能する、型打ち及び/又は湾曲ワイヤー及び/又は型打ち湾曲部品によって行われる。このことは、接点間に迅速かつ確実に電気接続を確立することを、簡単な仕方で可能にする。このことはまた、迅速かつ問題なしに、作動モードを変化することを可能にする。好ましくは、ブリッジング要素は、電気接点に関する極性不良もまた防止するプラスチックキャリアに埋設される。
【0026】
本発明によるプラグコネクタのもう1つの態様において、電気接点の各々は、給電ラインを取り付けるための接続要素としてのバネ端子を有する。バネ端子は、接点キャリアの後側から先に出る端子プランジャーを介して作動し、このことは、給電ラインを接続する又は電気接点から接続を切ることを特に容易にする。
【0027】
以下、図面に示す態様に関して、本発明を詳細に説明する。本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲と添付図面と共に、本発明の態様の以下の説明から示される。本発明の個々の特徴は、それら自身で、又は本発明の種々の態様のいくつかを組み合わせて、実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】結合要素として設計された本発明によるプラグコネクタが装着された、接続プラグを備えた多相モーターの斜視図を示す。
【図2】閉じたプラグコネクタハウジングを備えた図1のプラグコネクタの斜視図を示す。
【図3】開いたプラグコネクタハウジングを備えた図2のプラグコネクタの斜視図を示す。
【図4】固定状態(図4(A))、非固定状態(図4(B))、及び解放状態(図4(C))における図1のプラグコネクタの開いたプラグコネクタハウジングを備えた図2のプラグコネクタの縦断面図を示す。
【図5】固定状態(図5(A))と非固定状態(図5(B))でプラグコネクタハウジング内に支持された、その中に配置された電気接点を備えた図1のプラグコネクタの接点キャリアの横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面に示された態様は、本発明による電気プラグコネクタを示し、接点キャリアは、軸方向に移動可能な状態で、前方ハウジング部に案内され、有効位置で保持する目的で、そこで特にラッチロックによって固定することができる。
【0030】
図1は、接続プラグ3が外側に取り付けられたモーターハウジング2を備えた多相モーター1を示す。接続プラグ3の接点(図1に示さず)は、モーター1の巻線導体に電気を導く仕方で接続される。結合要素として設計された本発明によるプラグコネクタ4を介して多相モーター1に電力が供給され、接続プラグ3とプラグコネクタ4は、一緒にプラグ接続される。プラグコネクタ4は、給電ライン(図示せず)によって回転式電流源に接続される。給電ラインをプラグコネクタハウジング6に挿入する目的で、プラグコネクタ4は、後方端部7に2つのケーブルハウジング8を有する。プラグコネクタ4と接続プラグ3は、コネクタハウジング6にスイベル回転可能に取り付けられたバネ作用を有するロッキングクリップ9によって一緒に固定される。
【0031】
図2は、多相モーター1から分離して拡大した、上から後方端部7の方を見た図1のプラグコネクタを示す。プラグコネクタハウジング6は、図3に示すように、互いの関係でスイベル回転可能な前方ハウジング部10と後方ハウジング部11を有する。その中に位置する電気接点(図中に見えず)を備えた接点キャリア12は、プラグコネクタハウジング6に配置され、前方ハウジング部10よりも前に出る。接点キャリア12の前側13の設計は、接続プラグ3の挿入側のそれを補完する。
【0032】
図3は、開いた状態における図2に示すプラグコネクタハウジング6を示す。プラグコネクタハウジング6の2つのハウジング部10、11は、スイベル回転可能に接合される。挿入方向に直角に配置されて図4(A)〜(C)に示すスイベル軸21を介して、後方ハウジング部11は、前方ハウジング部10に対して約90度スイベル回転し、その結果、プラグコネクタ4の接続チャンバー14と同時に接点キャリア12の後側16にある電気接点(見えない)の接続要素15にアクセスが提供される。プラグコネクタハウジング6が開いたとき、接点キャリア12は、プラグコネクタハウジング6が閉じたときよりも、前方ハウジング部10より前に出る。
【0033】
挿入方向及びその反対方向に、軸方向に移動可能な前方ハウジング部10に案内される接点キャリア12は、ある仕方で後方ハウジング部11に挿入されるとき、ロックのような作用をし、図2に示すプラグコネクタ4の真直ぐな状態に、2つのハウジング部10、11をしっかりと固定する。図4(B)〜4(C)に見られるような非ロック状態の前方ハウジング部10が、上から接点キャリア12の後部17を覆うのみであるという状況により、接点キャリア12の中央部18に配置された封入コード化チャンバー19は、ブリッジ構造に対してアクセス可能になる。図4(A)に示すプラグコネクタハウジング6の双方のハウジング部10、11のロック状態において、前方ハウジング部10は、上から封入コード化チャンバー19を少なくとも部分的に覆うことによって、封入コード化チャンバー19へのアクセスを妨げる。
【0034】
図4(A)〜(C)は、段階的に縦断面図でプラグコネクタハウジング6の開きを示す。プラグコネクタハウジング6の閉じは、逆の順序で行われる。
【0035】
図4(A)は、真直ぐな状態の互いにロックされた、プラグコネクタハウジング6の前方ハウジング部10と後方ハウジング部11を示す。その後方接点キャリア部17を用い、接点キャリア12は、後方ハウジング部11の前方ハウジング箇所20を拘束する。その前方ハウジング箇所20を用い、後方ハウジング部11は、上から少なくともある領域において、接点キャリア12を確実に覆う。また、前方ハウジング部10は、上から接点キャリア部18の少なくともある区域を確実に覆い、その結果、中央接点キャリア部17におけるコード化チャンバー19へのアクセスが保証される。
【0036】
図4(B)は、ロックしていない状態であるが、それ以外は図4(A)から変化がないプラグコネクタ4を示す。プラグコネクタ4の挿入方向において、接点キャリア12は、後方接点キャリア部17が上から前方ハウジング部10によって覆われただけ後方ハウジング部11の前方ハウジング箇所20から十分に遠くに引張られる。結果として、2つのハウジング10、11は、もはや一緒にロックされていない。また、コード化チャンバー19へのアクセスは、もはや前方ハウジング部10によって妨げられない。このとき、前方ハウジング部10は、後方ハウジング部11に対して90度以上までスイベル回転可能である。この目的のため、2つのハウジング部10、11は、挿入方向に直角な向きのスイベル軸21によって可動的に接合される。
【0037】
図4(C)は、曲げられて開いた状態の本発明によるプラグコネクタ4を示す。前方ハウジング部10は、基本的に、後方ハウジング部11に垂直に延在する。ハウジング部10、11が真直ぐな配置にあるときに閉じられた接続チャンバーは、この時点で、アクセス可能である。また、接点キャリア17の後側16の接続要素15には、この位置で到達することができる。
【0038】
図5は、図4(A)と図4(B)のプラグコネクタ4であるが、断面表示でコード化チャンバー19の上面図を示す。図5(A)と図5(B)は、接点キャリア12の隣り合った配置で見ることができる多数の電気接点を示す。それらは、接点キャリア12の後側16から前側13まで互いに平行に延在する。接点キャリア12は、真直ぐな構造に配置された前方ハウジング部10と後方ハウジング部11からなるプラグコネクタハウジング6の中に挿入される。後方ハウジング部11において、接続チャンバー14が形成され、給電ライン(図示せず)が、ケーブルブッシング8を通して該チャンバーに至る。
【0039】
接点キャリア12の後側16で、電気接点22は、給電ラインと接続するためのバネ端子23を有し、中央の接点キャリア部18において、それらは、コード化チャンバー19のブリッジ構造のための接触ソケット24を有する。また、制御ライン用のパススルー要素25が、電気接点22の隣に配置される。接点22と同様に、パススルー要素25は、制御ラインの接続用のバネ端子25を有し、バネ端子25は、末端プランジャーによって作動させることができる。
【0040】
接点キャリア12の反対側面26に、ハウジング部10、11を一緒にロックするため、前方ハウジング部10のラッチリセス28と相互作用するラッチフックが成形される。図5(A)に示すロックされた状態において、ラッチフック27は、ラッチリセス28と係合する。ラッチフック27とラッチリセス28を一緒にラッチ要素29と称する。図5(A)の拡大細部Yにおいて、ラッチ要素29は拡大して示され、ラッチ要素29とそれらの係合の設計を明確に見ることができる。ここで、前方ハウジング部10は、中央の接点キャリア部18を確実に覆い、後方ハウジング部11は、後方の接点キャリア部17をその周囲で確実に覆う。このことは、2つのハウジング部10、11を一緒に安定な位置にロックし、そのロックは、ラッチ要素によって非恒久的に固定される。
【0041】
図5(B)は、ロックされていない真直ぐな状態のプラグコネクタ1を示す。ラッチ要素29は、図5(B)の拡大細部Zから分かるように、係合を外されている。また、図5(A)に示したものと比較して、接点キャリア12は、プラグコネクタハウジング6に対してプラグコネクタ1の挿入方向に移動している。この段階で、後方接点キャリア部17は、もはや後方ハウジング部11と係合しない。それは、前方ハウジング部10によってその全体で保持される。このことは、プラグコネクタハウジング6の2つのハウジング部10、11のロックを外し、その結果、プラグコネクタハウジング6を開ける目的で、前方ハウジング部10は、後方ハウジング部11との関係でスイベル回転可能であり、逆もまた成り立つ。後方接点キャリア部17において、接点キャリア12を前方ハウジング部10のロックされていない状態に保持するプラグコネクタ4の挿入方向であって、ラッチフック27の後方に、保持カラー30が成形される。
【符号の説明】
【0042】
1 電気プラグコネクタ
6 プラグコネクタハウジング
10 前方ハウジング部
11 後方ハウジング部
12 接点キャリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタハウジング(6)の中に軸方向に挿入可能な、互いに平行に配置された接触ピン又は接触ソケットの形態の多数の電気接点(22)を有する絶縁性接点キャリア(12)、を備えた電気プラグコネクタ(1)であって、
接点(22)は、接点キャリア(12)の前側(13)からアクセス可能であって、電力供給ラインに接続するための、接点キャリア(12)の後側(16)に接続エレメント(15、23)を有し、
プラグコネクタハウジング(6)は、挿入方向において、挿入方向に直角に配置されたスイベル軸(21)を備えたヒンジ継手によって互いに接続され、プラグコネクタハウジング(6)の角度のあるアセンブリー位置から真直ぐな操作位置までスイベル回転することができ、その逆もまた成り立つ、前方ハウジング部(10)と後方ハウジング部(11)を有し、
接点キャリア(12)は、プラグコネクタハウジング(6)が操作位置にあるとき、ハウジング部(10、11)の中に位置することができ、有効位置において、少なくとも部分的に前方ハウジング部(10)及び後方ハウジング部(11)と係合して、少なくとも断面において、ハウジング部(10、11)の内側表面と横方向に接触し、それによってハウジング部(10、11)のスイベル回転を信頼よく防止する、
ことを特徴とする電気プラグコネクタ。
【請求項2】
接点キャリア(12)が、前方ハウジング部(10)及び/又は後方ハウジング部(11)の中で、軸方向に移動可能な仕方で案内される請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項3】
真直ぐな状態において、2つのハウジング部(10、11)が、接点キャリア(12)によって一緒にロックされることができる請求項1又は2に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項4】
接点キャリア(12)が、前方ハウジング部(10)及び/又は後方ハウジング部(11)を補完する形態のラッチ要素(27、28、29)を有する請求項3に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項5】
接点キャリア(12)が封入コード化チャンバー(19)を有し、電気接点(22)のブリッジ構造を選択することができる請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項6】
ブリッジ構造が、内部プラグ接続の形態を有し、好ましくは、コード化プラグを用いて構成することができる請求項5に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項7】
前方ハウジング部(10)と後方ハウジング部(11)が、スイベル回転可能に接合され、後方ハウジング部(11)は、前方ハウジング部(10)に対して約90度以上スイベル回転可能である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−114080(P2010−114080A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251910(P2009−251910)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(599060799)コニンフェールス ゲーエムベーハー (10)
【Fターム(参考)】