説明

電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置、インピーダンス測定値による劣化診断方法およびその劣化診断装置

【課題】充電状態の電気二重層キャパシタの測定に関し、電荷放電を抑制して省エネルギー化を実現する。微小電圧変化での測定を可能にし、ノイズの影響を回避する。
【解決手段】充電された電気二重層キャパシタ(キャパシタモジュール4)に正弦波負荷(正弦波負荷回路12)を接続して放電回路(10)を形成し、前記正弦波負荷を付与して前記電気二重層キャパシタ(キャパシタモジュール4)を放電させ、前記放電回路に流れる電流を電流検出手段(電流検出回路20)で検出し、前記放電回路を介して放電中の前記電気二重層キャパシタの電圧を電圧検出手段(電圧検出回路22)で検出し、前記電流検出手段の検出電流と前記電圧検出手段の検出電圧とを用いて前記電気二重層キャパシタのインピーダンスを算出手段(演算部24、MPU32)により算出する。電気二重層キャパシタの劣化診断にはこのインピーダンスの算出結果を用いている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瞬低補償装置(瞬時電圧低下補償装置)の他、バックアップ電源などに用いられる電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置、インピーダンス測定値による劣化診断方法およびその劣化診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタは、静電容量が大きいなど、優れた特性を有しており、瞬低補償装置や無停電電源装置など、バックアップ電源に用いられている。バックアップ電源では、要求される電流容量、出力電圧などにより、複数個の電気二重層キャパシタを直列化、並列化または直並列化して用いられている。また、バックアップ電源には、停電時や瞬時電圧低下時、負荷への電力供給を保障するため、極めて高い信頼性が求められる。このため、搭載されている電気二重層キャパシタは、静電容量などの経時的変化を監視し、静電容量低下などの特性劣化を生じた場合には、可及的速やかに交換するなどの措置が取られる。
【0003】
このようなバックアップ電源に搭載されたキャパシタについて、特許文献1には、電源から切り離したキャパシタの充電電荷を既知負荷により放電させ、その端子電圧を基準電圧と比較することによりキャパシタに異常があるか否かを判断することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、方形波、台形波、三角波、のこぎり波などの直線波形成分信号を加えた際に、電気二重層キャパシタに発生する応答信号を積分し、その積分結果に基づいて特性変化を検出することが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、非電源システムに関し、蓄電池のインピーダンスの測定および劣化診断について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−346449号公報
【特許文献2】特開平06−342024号公報
【特許文献3】特表2006−524332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、キャパシタでは、定電流による充放電を行って電圧変化を検出し、この電圧変化によりキャパシタの持つ特性を算出する方法が一般的である。瞬低補償装置など、バックアップ電源は電気二重層キャパシタに電力を蓄積し、停電時や瞬時電圧低下時に負荷に供給するので、インピーダンス検出や劣化検出のために、駆動中に電気二重層キャパシタの蓄積電荷を放電することは好ましくない。検出中に停電が発生すると、電力供給ができない、供給電力が不足するなどの不都合を生じるので、瞬低補償待機中に放電を伴うインピーダンス検出や劣化検出は避けなければならない。
【0008】
検出中の停電などの不測の事態を回避するには、予め電荷を蓄積するなど、バックアップ電源の電荷蓄積能力を高めておく方法がある。この方法は、電荷蓄積能力を拡大するので、より多くの電気二重層キャパシタが必要となり、設備の大型化や設置費用の高額化などを招来する。
【0009】
ところで、電気二重層キャパシタの性能指標には、静電容量や、直流内部抵抗(Direct Current Internal Resistance:DCIR)がある。静電容量やDCIRを知れば、必要なエネルギーが供給できるか否かを判定することができる。静電容量やDCIRは経年により穏やかに劣化する。このため、バックアップ電源では、信頼性を維持するため、DCIRを定期的に測定し、評価する必要がある。図11はバックアップ電源の構成例であり、電気二重層キャパシタ602に蓄積された電力がDC−DCコンバータ604を介して負荷606に供給される。電気二重層キャパシタ602のDCIR608の多寡は、図12に示すように、DCIRの大きさが出力電圧に影響を与える。図12において、VL はDC−DCコンバータ604の入力下限電圧を示している。DCIRが大きい場合、小さい場合に比較して下限電圧に早く到達してしまう。このため、バックアップ電源など、大電力を出力する装置に用いられる電気二重層キャパシタは、DCIRの監視が不可欠である。
【0010】
このDCIRは、一般的に直流電流の充電または放電による電圧変化から算出できる。しかし、DCIRは極めて低い値であるため、その値を正確に測定するには電気二重層キャパシタに大電流を流し、大きな電圧変化を生じさせ、それを測定することが必要である。図13(a)は、DCIR測定時の放電による電圧変化を示している。充電中の電気二重層キャパシタについて、時点t1 で放電を開始し、この時点t1 から時間が経過した時点t2 における電圧降下DCIR・Vdropを示している。
【0011】
図13(b)は、DCIR測定時の充電による電圧変化を示している。この場合、時点t1 で充電を開始し、この時点t1 から時間が経過した時点t2 で充電を停止し、この充電停止とともに電気二重層キャパシタを開放し、時点t2 から時間が経過した時点t3 の電圧降下DCIR・Vdropを示している。
【0012】
このように、電気二重層キャパシタのDCIRは放電または充電により測定することができる。ところで、瞬低補償装置では、搭載されている電気二重層キャパシタが、充電中は定格電圧程度の電圧まで充電している。この電気二重層キャパシタに充電電流を流し込めば、充電がさらに進み、電気二重層キャパシタは定格電圧を超えて充電されることになる。定格電圧を超える充電は、電気二重層キャパシタの劣化を加速する恐れがあるため回避しなければならない。瞬低補償待機中の電気二重層キャパシタでは、充電電流を用いる場合には、定格電圧を超える充電を生じさせる恐れがあり、放電電流を用いる場合には、蓄電電力を放出させる不都合がある。DCIRは電気二重層キャパシタのインピーダンスに含まれるので、インピーダンスを測定すれば、DCIRやその変化を知ることができる。
【0013】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、充電状態にある電気二重層キャパシタの電荷放電を抑制してインピーダンス測定や劣化診断を実現した電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置、インピーダンス測定値による劣化診断方法およびその劣化診断装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、微小電圧変化での測定を可能にし、省エネルギー化やノイズの影響を回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法は、充電された電気二重層キャパシタに正弦波負荷を接続して放電回路を形成し、正弦波負荷を付与して前記電気二重層キャパシタを放電させ、前記放電回路に流れる電流を電流検出手段で検出し、前記放電回路を介して放電中の前記電気二重層キャパシタの電圧を電圧検出手段で検出し、前記電流検出手段の検出電流と前記電圧検出手段の検出電圧とを用いて前記電気二重層キャパシタのインピーダンスを算出手段により算出する。
【0016】
上記目的を達成するためには、上記電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法において、正弦波負荷は、電気二重層キャパシタの使用前のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、前記電気二重層キャパシタの経年劣化後のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、この各周波数で測定した値を比較し、一定の関係性が得られた周波数を測定周波数領域とし、この測定周波数領域の任意の周波数の正弦波電流であればよい。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気二重層キャパシタの劣化診断方法は、既述のいずれかの電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法で算出されたインピーダンスの値が基準値未満であるかまたは所定の基準範囲内にあるかを判定する。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置は、充電された電気二重層キャパシタに正弦波負荷を接続し、正弦波負荷を付与して前記電気二重層キャパシタを放電させる放電回路と前記放電回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記放電回路を介して放電中の前記電気二重層キャパシタの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電流検出手段の検出電流と前記電圧検出手段の検出電圧とを用いて前記電気二重層キャパシタのインピーダンスを算出する算出手段とを備える。
【0019】
上記目的を達成するためには、上記電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置において、正弦波負荷は、電気二重層キャパシタの使用前のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、前記電気二重層キャパシタの経年劣化後のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、この各周波数で測定した値を比較し、一定の関係性が得られた周波数を測定周波数領域とし、この測定周波数領域の任意の周波数の正弦波電流であればよい。
【0020】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気二重層キャパシタの劣化診断装置は、既述のいずれかの電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置で算出されたインピーダンスの値が基準値未満であるかまたは所定の基準範囲内にあるかを判定する判定手段を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置、インピーダンス測定値による劣化診断方法およびその劣化診断装置によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0022】
(1) 充電された電気二重層キャパシタに正弦波負荷を付与して電気二重層キャパシタを放電することによりインピーダンスを測定するので、電気二重層キャパシタの蓄積電荷の放電量が少なく、エネルギー損失を最小限にできる。
【0023】
(2) 瞬低補償装置などに搭載された電気二重層キャパシタのインピーダンスを稼働中に容易に測定できる。
【0024】
(3) 充電中の電気二重層キャパシタの劣化診断を迅速にしかも高精度に行うことができ、信頼性のある診断結果を得ることができる。
【0025】
(4) 正弦波負荷を付与して電気二重層キャパシタを放電させるので、微小電圧変化でのインピーダンス測定が可能となり、ノイズによる影響を回避でき、インピーダンスの測定精度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のインピーダンス測定回路を示す回路図である。
【図2】キャパシタモジュールの放電波形を示す図である。
【図3】本発明のインピーダンス測定回路により実現されるインピーダンス測定方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の電気二重層キャパシタの劣化診断装置を示す回路図である。
【図5】インピーダンス劣化診断装置の各部の動作波形を示す図である。
【図6】電圧波形のサンプリングの一例を示す図である。
【図7】劣化診断装置により実現される電気二重層キャパシタの劣化診断方法を示すフローチャートである。
【図8】インピーダンス算出の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明のインピーダンス劣化診断装置を示す図である。
【図10】本発明のインピーダンス測定システムを示す図である。
【図11】瞬低補償装置を示す図である。
【図12】DCIRの違いによるバックアップ電源の電圧変化特性を示す図である。
【図13】(a)は放電によるDCIR測定を示す図で、(b)は充電によるDCIR測定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法、インピーダンス測定装置、インピーダンス測定値による劣化診断方法およびその劣化診断装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明に用いる電気二重層キャパシタのインピーダンス測定回路を示している。このインピーダンス測定回路では、インピーダンスの測定対象としてキャパシタモジュール4が備えられ、このキャパシタモジュール4は直列に接続された複数の電気二重層キャパシタ(以下単に「キャパシタ」と称する)8で構成されている。このキャパシタモジュール4には図示しない充電装置が接続され、常に充電状態に維持される。このキャパシタモジュール4には放電回路10が接続され、この放電回路10には正弦波負荷回路12が接続されている。この正弦波負荷回路12は、能動素子の一例である電界効果トランジスタ(FET)14が備えられ、このFET14のゲートには正弦波発振器18が接続されている。この正弦波発振器18は、FET14を正弦波負荷として生成させる駆動源であり、インピーダンス測定時にFET14のゲートに駆動信号として正弦波信号Sfを印加する。
【0029】
このインピーダンス測定回路2について、キャパシタモジュール4が充電されている場合、その充電電圧をVcとする。正弦波発振器18の正弦波信号SfでFET14を駆動すると、FET14にはゲートに印加された正弦波電圧の振幅に比例した電流iが流れる。この電流iは電流検出抵抗16によって検出できる。
【0030】
この電流iを図示すると、図2の(A)に示すように、FET14のゲートに加えられた正弦波電圧に比例した振幅を持つ電流波形、すなわち正弦波負荷を付与した電流波形となり、しかも、この電流iはキャパシタモジュール4の放電方向のみに生成される。
【0031】
比較のため、図2の(B)に示すように、交流法測定電流は、放電方向と充電方向の双方に振幅を持つ電流波形となる。正弦波負荷を付与して生じた電流iは、キャパシタモジュール4の放電方向のみに振幅を生じている点で相違している。
【0032】
このように正弦波負荷回路12による正弦波負荷を接続してキャパシタモジュール4を放電する場合、キャパシタモジュール4の蓄積電荷や電力エネルギーの消費は極めて少なく、微少な電流および電圧の変化によりキャパシタモジュール4のインピーダンスを測定することができる。
【0033】
また、キャパシタモジュール4を構成するキャパシタ8の耐電圧を超えることもないため、キャパシタ8に過大な負荷を加えることもない。このため、キャパシタ8の寿命特性の劣化を引き起こすこともない。
【0034】
正弦波負荷回路12を介して生じた放電電流や放電電圧は正弦波信号Sfと同様に正弦波形であるから、インピーダンスの算出が容易であり、つまり、放電回路10から検出された放電電流や放電電圧の実効値は放電電流や放電電圧の最大値の二乗の平均の平方根で容易に算出できる。したがって、インピーダンスすなわち、実効インピーダンスはこれらの値から容易に演算することができる。
【0035】
また、正弦波負荷をキャパシタモジュール4に付与する方法では、交流電源は不要であり、低コストで試験信号である正弦波負荷を発生させればよい。しかも、キャパシタモジュール4に蓄積された電力エネルギーをインピーダンス測定回路2の電源に用いることができ、インピーダンス測定回路2のための外部電源は省略できる。
【0036】
このインピーダンス測定回路は正弦波負荷を付与して、測定対象としてキャパシタモジュール4のインピーダンスを測定する。DCIRは直流電流に対する抵抗であり、周波数特性を持たないのに対し、インピーダンスは周波数特性を持っている。
【0037】
インピーダンスは、周波数特性を持っている点で既述のDCIRと異なり、測定する周波数によって値が異なるが、DCIRを含んでいるので、DCIRと相関性を持っている。したがって、インピーダンスを測定すれば、その値からDCIRを予測することができる。たとえば、周波数f=1〔kHz〕で測定されたインピーダンスに特定の係数を乗算すれば、DCIRが算出できる。この係数は、事前にDCIRとインピーダンスを測定することにより求められ、キャパシタの構造や特性に応じた値である。
【0038】
DCIRとインピーダンスの相関性は周波数領域によって異なり、直線的または同一となる周波数領域と異なる周波数領域とが存在する。つまり、ある周波数におけるインピーダンスの経年変化がたとえば、50〔%〕である場合に、DCIRも50〔%〕だけ変化する周波数領域とそれ以外の周波数領域がある。そこで、インピーダンスは、DCIRとの相関性が直線的または同一となる周波数領域で測定すればよい。この周波数領域で測定されたインピーダンスからDCIRを求めれば、その良否を評価することができる。この周波数領域は、劣化前後のDCIRとインピーダンスから事前に求め、測定周波数領域を設定すればよい。この測定周波数領域の中の一つ、あるいは複数の周波数の正弦波負荷を用いればよい。
【0039】
より具体的に述べれば、周波数特性はキャパシタの仕様によって異なるので、同一仕様のキャパシタの使用前のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定する。そして、キャパシタの経年劣化後のDCIRとインピーダンスを同様に、各周波数で測定する。この各周波数で測定した値を比較し、一定の関係性、例えば、インピーダンスが50〔%〕の変化が生じた場合に、DCIRも50〔%〕だけ変化する周波数を測定周波数領域と定義する。この測定周波数領域は、キャパシタの仕様によって異なり、一定の関係性が得られる周波数領域が広い場合も狭い場合もある。場合によっては、特定の周波数でのみ一定の関係性が得られることもある。
【0040】
この測定周波数領域の中でも、キャパシタの蓄積電荷の放出量を抑制する観点からすれば、その周波数領域中のできるだけ高い周波数を用いて測定時間を短縮することが望ましい。
【0041】
このインピーダンス測定回路2の測定対象であるキャパシタモジュール4は、例えば瞬低補償装置6に搭載され、電力蓄積手段を構成している。瞬低補償装置6は、停電時や瞬時電圧低下時に、キャパシタモジュール4に蓄積されている電荷すなわち、電力エネルギーを商用交流電源に代わって負荷に供給するバックアップ電源である。したがって、このキャパシタモジュール4には図示しない充電装置が接続され、瞬低時の給電要求に対応する電力が蓄積される。
【0042】
このキャパシタモジュール4はキャパシタ8を備え、複数のキャパシタ8の直列回路で構成されている。キャパシタモジュール4は、複数のキャパシタ8の並列回路でもよいし、複数のキャパシタ8の直並列回路でもよい。インピーダンス測定回路2の測定対象はこのようなキャパシタモジュール4でもよいし、単一のキャパシタ8であってもよい。
【0043】
このキャパシタモジュール4には放電回路10が形成され、この放電回路10に正弦波負荷回路12が備えられている。この正弦波負荷回路12は、キャパシタモジュール4に正弦波負荷を付与することにより、キャパシタモジュール4から正弦波で励振された僅かな放電電流を流す回路である。正弦波負荷回路12は電界効果トランジスタ(FET)14を備えており、既述の放電回路10はFET14と電流検出抵抗16との直列回路で構成されている。FET14は、入力交流によって交流出力動作を行う能動素子の一例である。
【0044】
FET14は、スイッチング素子の一例であって、このFET14のゲートには正弦波発振器18が接続されている。正弦波発振器18は正弦波信号Sfを発生させればよい。この正弦波発振器18は特定周波数fの正弦波信号を発振することが可能で、測定周波数領域にある、正弦波信号Sfを発生する。この正弦波信号Sfは、FET14のゲートに入力され、ゲートを励振する。FET14は正弦波信号Sfの入力により駆動され、このFET14を含む正弦波負荷回路12により、キャパシタモジュール4から電流検出抵抗16およびFET14に正弦波で励振された、すなわち正弦波負荷を付与した電流iが流れる。この電流iは、キャパシタモジュール4の放電電流である。
【0045】
電流検出抵抗16には放電電流iによって電圧降下を生じ、この電圧降下は電流iと電流検出抵抗値rとの積で与えられる。この電圧降下は電流検出回路20に加えられ、この電流検出回路20は、放電回路10に流れる電流iを検出する。また、電圧検出回路22では、電流iによって変化する電圧vを検出する。
【0046】
電流検出回路20の検出電流i、電圧検出回路22の検出電圧vは、演算部24に加えられる。演算部24では、入力された検出電流iおよび検出電圧vからインピーダンスZを演算する。このインピーダンスZは、|v|/|i|(|v|、|i|はそれぞれ実効値)で求められ、キャパシタモジュール4における交流電流に対するACIR(交流内部インピーダンス)である。
【0047】
次に、図3は、図1に示すインピーダンス測定回路を用いて実現される電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法を示している。
【0048】
図3に示す測定方法では、正弦波信号Sfにより正弦波負荷回路12を駆動し(ステップS11)、放電回路10に流れる正弦波負荷を付与することにより流れる放電電流を検出するとともに、放電中のキャパシタモジュール4の電圧を検出する(ステップS12)。
【0049】
電流検出回路20の検出電流、電圧検出回路22の検出電圧を取り込み、インピーダンスを算出する(ステップS13)。このインピーダンスの算出では、既述のインピーダンス算出の一般式を用いることにより、すなわち、検出電圧を検出電流により除すことにより、キャパシタモジュール4のインピーダンスが求められる。
【0050】
本発明のインピーダンス測定方法の効果は以下の通りである。
【0051】
(1) 充電中のキャパシタモジュール4に正弦波負荷を付与して放電させキャパシタモジュール4のインピーダンスを測定するので、蓄積された電荷の放電量を少なくし、エネルギー損失を抑制できる。
【0052】
(2) 瞬低補償装置6などに搭載されて稼働中のキャパシタモジュール4のインピーダンスを容易に測定できる。
【0053】
次に、図4は本発明の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置とこの測定装置の結果に基づいて診断する劣化診断装置の全体図を示している。このインピーダンス測定回路30は既述のインピーダンス測定回路2を包含している。
【0054】
このインピーダンス測定回路30は、キャパシタモジュール4、放電回路10、正弦波負荷回路12、電流検出回路20、電圧検出回路22およびMPU(Micro Processor Unit)32を備えている。
【0055】
電流検出回路20は、差動増幅器34を備え、電流検出抵抗16の電圧降下から電流を算出する。電圧検出回路22は、ハイパスフィルタ36、非反転増幅器38およびDC加算回路40を備えている。したがって、電圧検出回路22では、放電回路10で検出された電圧の直流成分がハイパスフィルタ部36で除かれた(DCカット)後、非反転増幅器38で増幅された後、DC加算回路40で直流電圧が加算され、検出電圧が出力される。
【0056】
MPU32には、AD変換器42、DA変換器44、記憶部46、タイマー48、演算器50および入出力部(I/O)52が備えられている。
【0057】
AD(アナログ・ディジタル)変換器42では、アナログ信号である既述の検出電流および検出電圧がディジタル信号に変換され、記憶部46および演算器50に加えられ、記憶されるとともに、インピーダンスの算出などに用いられる。
【0058】
DA(ディジタル・アナログ)変換器44は、記憶部46から提供されるディジタル信号より、既述の正弦波信号を生成する。したがって、このDA変換器44は、既述の正弦波発振器18を構成している。
【0059】
記憶部46はプログラムやデータを記憶する手段の一例であって、ROM(Read-Only Memory)およびRAM(Random-Access Memory)を備えている。ROMは本発明のインピーダンス測定、劣化診断プログラムを格納し、RAMは測定データや演算データを格納する。
【0060】
タイマー48は計時手段の一例であって、インピーダンス測定タイミングやアナログ正弦波信号のタイミング信号を生成する。
【0061】
演算器50は、プログラムの実行に基づき、既述の検出電流データ、検出電圧データの取り込み、各データから充電器などの周辺装置のノイズ除去、各データを用いてインピーダンスを演算し、またはその演算結果から劣化の有無や劣化状態の診断を行う。
【0062】
入出力部(I/O)52は、外部装置54に接続され、外部装置54からの制御入力の取り込み、演算結果を外部装置54に提供する。外部装置54には、パーソナルコンピュータ、表示装置、外部記憶装置などの外部機器が含まれる。
【0063】
本発明のインピーダンス測定装置は、正弦波負荷回路12の正弦波発振器をDA変換器44で構成し、MPU32のプログラム制御によって正弦波負荷を生成する構成であるが、これに限定されない。図4に示す構成において、正弦波発振器18を独自に構成し、この正弦波発振器18とMPU32とを連係させ、上記実施の形態と同様の制御形態を実現してもよい。
【0064】
図5は劣化診断装置31の各部動作波形を示している。
【0065】
DA変換器44は、図5のAに示す正弦波電圧波形つまり、FET14のゲートドライブ信号を生成する。このゲートドライブ信号がFET14のゲートに加えられると、FET14が動作し、放電回路10には放電電流が生じる。この放電電流は、図5のBに示す電流波形となる。
【0066】
放電回路10の電圧検出回路22の接続点には、キャパシタ電圧として図5のCに示す電圧波形が得られる。この電圧波形からハイパスフィルタ36でDCカットが行われ、ハイパスフィルタ36の出力側には図5のDに示す電圧波形が得られる。
【0067】
このハイパスフィルタ36の出力は非反転増幅器38で増幅され、非反転増幅器38の出力側には図5のEに示す電圧波形が得られる。この電圧波形にDC加算回路40でDCバイアス電圧が加算され、DC加算回路40の出力側には図5のFに示す電圧波形が得られる。図5のFに示す電圧波形が検出電圧データとしてAD変換器42に加えられる。
【0068】
また、電流検出抵抗16には図5のGに示す電圧波形が得られ、この電圧波形が差動増幅器34で増幅され、この出力には図5のHに示す電圧波形が得られる。この電圧波形が、放電電流を表し、電流検出データとしてAD変換器42に加えられる。
【0069】
図6は電流検出抵抗16から検出された電圧波形およびそのサンプリングの一例である。図6において、Mは電流検出抵抗16の端子間電圧をオシロスコープで取得した電圧波形である。この電圧波形上に付された複数のポイントPは、サンプリングポイントである。これらのサンプリングポイントから電圧波形をMPU32のAD変換器42に取り込めば、検出電流や検出電圧を電流データや電圧データに変換し、既述のインピーダンス算出を行うことができる。
【0070】
次に、本発明の劣化診断方法について、具体的に説明する。図7は既述のインピーダンスの算出処理を含む電気二重層キャパシタの劣化診断におけるインピーダンス算出の処理手順を示している。
【0071】
このインピーダンス算出の処理手順はMPU32を実行主体として同期処理される。インピーダンス測定では、MPU32のDA変換器44を用いて正弦波負荷波形の出力処理(DA変換)を実行し(ステップS31)、この結果得られる既述の検出電圧および検出電流の各値の取り込みおよびそのAD変換を実行する(ステップS32)。各電圧データおよび電流データを記憶部46のRAMに格納し、保管する(ステップS33)。
【0072】
各データの取得の後、N周期の正弦波負荷の出力が完了したか否かを判断する(ステップS34)。N周期は、1以上の所定値であればよく、タイマー48のタイマー出力によって決定すればよい。つまり、N周期分の正弦波の入力期間において、電流検出および電圧検出が実行される。
【0073】
このN周期の正弦波負荷の出力が完了していなければ(ステップS34のNO)、ステップS31ないしS34の処理を繰り返す。そして、N周期の正弦波負荷の出力が完了すれば(ステップS34のYES)、DA変換出力の停止および正弦波負荷の停止を行い(ステップS35)、検出電流および検出電圧の振幅を算出し(ステップS36)、これらを用いてインピーダンスZを算出する(ステップS37)。このインピーダンスZは、Z=電圧振幅÷電流振幅によって求められる。
【0074】
この算出結果は、インピーダンスZを表すデータが外部装置へ出力される(ステップS38)。
【0075】
検出電流および検出電圧の取り込みや正弦波信号の生成を既述のN周期に同期させて処理し、また、検出電流および検出電圧の値はN周期間で平均化してもよく、また、各時点の値を以てインピーダンスを算出し、その値を平均化してもよい。各検出電流および検出電圧は平均値を用いてもよいし、最大値の二乗の平均の平方根である実効値を用いてもよい。
【0076】
次に、図8も電気二重層キャパシタの劣化診断方法を示している。この劣化診断方法では、既述のキャパシタモジュール4にインピーダンス測定回路30を接続する。FET14を正弦波信号で駆動し、放電回路10に正弦波負荷を付与し、正弦波負荷を付与した放電電流をiとする。
【0077】
図8に示す処理手順は、MPU32を実行主体として処理され、正弦波負荷回路12の駆動を開始し(ステップS21)、データ取込み処理(ステップS22)の後、取り込まれたデータをフーリエ変換、ディジタルフィルタなどソフトウェアによるノイズ除去処理など、波形処理が実行される(ステップS23)。
【0078】
この波形処理の後、検出電圧データおよび検出電流データを用いてインピーダンスの算出処理が実行され(ステップS24)、算出されたインピーダンスは劣化診断(ステップS25)に用いられる。
【0079】
この劣化診断では、インピーダンスの値が所定値以下か、所定範囲にあるかが診断される(ステップS26)。インピーダンスの値が所定値以下または所定範囲にあれば(ステップS26のYES)、キャパシタモジュール4は正常状態にあることを表す出力が得られる(ステップS27)。インピーダンスの値が所定値以下または所定範囲になければ(ステップS26のNO)、劣化状態を表す診断結果が得られる(ステップS28)。これらの診断結果が外部装置54に提供され、表示や記録に供される。
【0080】
次に、本発明の劣化診断装置について具体的に説明する。図9は、キャパシタモジュールからの外部電源回路を備えた電気二重層キャパシタの劣化診断装置を示している。この劣化診断装置31は、稼働中のキャパシタモジュールの蓄積電力を劣化診断装置の電源に利用している。
【0081】
図4に示すインピーダンス測定回路30では、電源を外部から供給する構成であるが、図9の劣化診断装置31に示すように、瞬低補償装置6に搭載されたキャパシタモジュール4の蓄積電力を活用してもよい。図9に示す劣化診断装置31では、キャパシタモジュール4から給電される電源回路56が備えられ、この電源回路56によって所望の電圧に変換し、かつ安定化出力を得ることにより、電流検出回路20、電圧検出回路22およびMPU32に給電している。
【0082】
斯かる構成とすれば、劣化診断装置31にバッテリの搭載が不要であり、装備の軽量化を図ることができる。
【0083】
図10は、複数のキャパシタユニットを備える電源装置の各キャパシタユニットの劣化診断装置の構成例である。
【0084】
この劣化診断装置33は、複数のキャパシタユニットで構成された電源装置の劣化診断装置であるが、既述のインピーダンス測定回路2(図1)や劣化診断装置31(図9)を用いているので、低コスト化や小型化を図ることができる。斯かる構成では、小規模な電源装置のキャパシタユニットのインピーダンス測定や劣化診断にも活用できる。
【0085】
電源装置60は、複数のキャパシタユニット41、42・・・4Nを備えた小規模な構成である。このようなキャパシタユニット41、42・・・4Nに対し、インピーダンス測定回路201、202を備え、これら測定回路201、202を測定対象に応じて接続を変更する構成であってもよい。各測定回路201、202には通信回路401、402を備え、測定結果をホストシステム500に伝送し、その測定結果からインピーダンス値を評価し、劣化診断を行う構成であってもよい。
【0086】
本発明の劣化診断装置では、測定したインピーダンスの値を用いてキャパシタの劣化診断を行っているが、算出したインピーダンスを用いて既述のDCIRを算出し、このDCIRを用いて劣化診断を行ってもよい。その場合、インピーダンスからDCIRに変換する際の係数は既述したとおり、予め測定し、MPU32のRAMに格納し、キャパシタに応じて選択すればよい。
【0087】
電流検出回路20で検出された電流、電圧検出回路22で検出された電圧を用いることにより、MPU32で電流や電圧を測定しているが、電流検出回路20や電圧検出回路22に測定機能を付与し、その測定結果をMPU32に取り込み、インピーダンス演算や劣化診断を行う構成としてもよい。
【0088】
正弦波負荷回路12について、FET14を例示しているがこれに限定されない。交流入力信号で交流出力動作すなわち、入力振幅によって内部抵抗が直線的または非直線的に変化する素子たとえば、バイポーラトランジスタなどの能動素子で構成してもよい。
【0089】
電流検出抵抗16を用いているが、電流検出手段としてたとえば、カレントトランスを用いてもよい。
【0090】
本発明の劣化診断方法及びその装置によれば次のような効果が期待できる。
【0091】
(1) ディジタル処理で演算を行えるので、周辺機器のノイズをディジタル処理によって排除でき、診断精度を高めることができる。
【0092】
(2) 瞬低補償装置などのバックアップ電源からキャパシタモジュール4を切り離すことなく、しかも、稼働中のキャパシタモジュール4の劣化診断を行うことができる。
【0093】
(3) 蓄積電荷の放出量を抑制し、迅速にしかも高精度に診断し、信頼性のある診断結果を得ることができる。
【0094】
(4) MPU32を用いて正弦波信号の生成、電流および電圧の取り込み、インピーダンスの算出を同期して一元化処理することができ、劣化診断処理の迅速化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、充電中の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定や、その測定値を用いた電気二重層キャパシタの劣化診断を行うことができ、インピーダンス測定には正弦波負荷を付与した電流を用いているので、測定に要する電荷エネルギーの損失を抑えることができる。
【0096】
また、本発明によれば、本発明のインピーダンス測定回路2や劣化診断装置30の機能を活用でき、稼働中のキャパシタの充電電荷を放出させることなく、劣化診断を行うことができ、経済的であるとともにエネルギー損失を大幅に低減することができ、有益である。
【符号の説明】
【0097】
2、30 インピーダンス測定回路
4 キャパシタモジュール
6 瞬低補償装置
8 電気二重層キャパシタ
10 放電回路
12 正弦波負荷回路
14 FET
16 電流検出抵抗
18 正弦波発振器
20 電流検出回路
22 電圧検出回路
24 演算部
31、33 劣化診断装置
32 MPU
34 差動増幅器
36 ハイパスフィルタ
38 非反転増幅器
40 DC加算回路
42 AD変換器
44 DA変換器
46 記憶部
48 タイマー
50 演算器
52 入出力部(I/O)
54 外部装置
56 電源回路
60 電源装置
41、42・・・4N キャパシタユニット
201、202 インピーダンス測定回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電された電気二重層キャパシタに正弦波負荷を接続して放電回路を形成し、正弦波負荷を付与して前記電気二重層キャパシタを放電させ、
前記放電回路に流れる電流を電流検出手段で検出し、
前記放電回路を介して放電中の前記電気二重層キャパシタの電圧を電圧検出手段で検出し、
前記電流検出手段の検出電流と前記電圧検出手段の検出電圧とを用いて前記電気二重層キャパシタのインピーダンスを算出手段により算出する
ことを特徴とする、電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法。
【請求項2】
前記正弦波負荷は、電気二重層キャパシタの使用前のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、前記電気二重層キャパシタの経年劣化後のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、この各周波数で測定した値を比較し、一定の関係性が得られた周波数を測定周波数領域とし、該測定周波数領域の任意の周波数の正弦波電流であることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法。
【請求項3】
請求項1または2の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定方法で算出されたインピーダンスの値が基準値未満であるかまたは所定の基準範囲内にあるかを判定することを特徴とする、電気二重層キャパシタの劣化診断方法。
【請求項4】
充電された電気二重層キャパシタに正弦波負荷を接続し、正弦波負荷を付与して前記電気二重層キャパシタを放電させる放電回路と、
前記放電回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記放電回路を介して放電中の前記電気二重層キャパシタの電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電流検出手段の検出電流と前記電圧検出手段の検出電圧とを用いて前記電気二重層キャパシタのインピーダンスを算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする、電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置。
【請求項5】
前記正弦波負荷は、電気二重層キャパシタの使用前のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、前記電気二重層キャパシタの経年劣化後のDCIRとインピーダンスを、各周波数で測定し、この各周波数で測定した値を比較し、一定の関係性が得られた周波数を測定周波数領域とし、該測定周波数領域の任意の周波数の正弦波電流であることを特徴とする請求項4に記載の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5の電気二重層キャパシタのインピーダンス測定装置で算出されたインピーダンスの値が基準値未満であるかまたは所定の基準範囲内にあるかを判定する判定手段を備えることを特徴とする、電気二重層キャパシタの劣化診断装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−50351(P2013−50351A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187722(P2011−187722)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年8月1日 社団法人電気設備学会発行の「2011年電気設備学会 全国大会論文集(CD−ROM)」に発表
【出願人】(000228578)日本ケミコン株式会社 (514)
【出願人】(000222037)東北電力株式会社 (228)
【Fターム(参考)】