説明

電気二重層キャパシタ用電極およびこれを用いた電気二重層キャパシタ

【課題】 ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体を、電気二重層キャパシタ用集電体として電極に用いることにより、電気二重層キャパシタの体積エネルギー密度を高く、内部抵抗を低くし、かつ製造工程を簡便に短縮することを目的とする。
【解決手段】 三次元網目構造の金属骨格とその金属骨格間に空孔を有する、厚さが5mmを超え、100mm以下のアルミニウム多孔質焼結体の集電体と、前記集電体の空孔内に分極性電極材料および結合剤を含むことを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極、およびこの電極を含む電気二重層キャパシタである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気二重層キャパシタの電極およびこれを用いた電気二重層キャパシタに関するものである。三次元網目構造を有する厚さの厚い多孔質アルミニウムを集電体に用い、その内部に分極性活物質合剤スラリーを含浸、乾燥、プレス圧密して製造した電極を用いることにより、耐電圧が高く、体積容量密度が大きい電気二重層キャパシタを提供する。とくに、太陽電池発電システム用の補助電源として好適である。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題、とりわけ地球温暖化問題への関心の高まりとともに、再生可能エネルギーの発電システム、例えば太陽電池発電システムの普及が拡大している。しかし、太陽電池のような自然エネルギーを電力に変換する発電システムにおいては、発電量が天候等の自然現象に左右されるため、電力の需要と供給が一致しない場合が多い。そのミスマッチを解消する方法の一つに、蓄電媒体を補助電源として併用し、発電の過剰量を補助電源に充電し、不足量を補助電源から補充することで電力需給をバランスさせるという方法がある。そのようなシステムに組み込まれる補助電源は、充放電の変動が激しい過酷な使われ方になる。そのため、補助電源には通常、負荷変動に対する耐久性に優れた鉛蓄電池やニッケル水素電池が利用されている。しかし、鉛蓄電池は、重量が重い、有害な金属を含むなどの問題があり、ニッケル水素電池は、充電深度が浅いと電極のメモリー効果によって放電電圧が低くなるなどの問題がある。
【0003】
一方、電気二重層キャパシタは、鉛蓄電池に比べて軽量であり、有害金属を含まない。しかも、充放電の反応において活物質の化学変化を伴わないので耐久性に優れるなどの特徴を有することから、鉛蓄電池やニッケル水素電池に代替する補助電源として有望である。
【0004】
電気二重層キャパシタは電解液中で電極表面に形成する電気二重層によって電荷を蓄えるキャパシタであり、活物質表面への電解質イオンの吸脱着によって充放電する。二次電池のような化学反応を伴わないので極めて耐久性に優れ、所定の電圧以下で使用すれば1万回以上充放電サイクルを繰り返してもほとんど劣化しない。活物質には通常、比表面積が大きい活性炭が使用される。電気二重層キャパシタの電極は、従来、活性炭に加えて、導電剤として黒鉛、および結着剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂等を配合した分極性電極活物質合剤を溶剤と混合してスラリー状にし、厚さ0.05〜0.15mmにアルミニウム箔の両面に塗布した後、乾燥、圧密して製造されている。このとき、アルミニウム箔は集電体として作用する。
【0005】
電気二重層キャパシタの形態には、円形の2枚の電極に1枚のセパレータを挟んで重ねるコイン型のもの、電極を長尺のリボン状として、2枚の電極を1枚のセパレータを介して倦回して製造する円筒型のもの、複数枚の電極を複数枚のセパレータを介して積層して製造する箱型のもの(特許文献1)などがある。
【0006】
コイン型の電気二重層キャパシタについて述べると、単セルで電極面積も小さいので充放電容量が小さく、太陽電池等の補助電源には不向きな形態である。
【0007】
円筒型の電気二重層キャパシについて述べると、2枚の電極とセパレータからなる1組の部材を巻回して製造するので、量産性に優れる。しかし、容量を大きくするためには電極が長くする必要があり、タブから電極の端までの距離が遠くなるので、電極の内部抵抗が大きくなるという問題がある。また、補助電源として十分な充放電容量を確保するためには組電池として複数個の電気二重層キャパシタを接続して使用する方法もあるが、そのときに、円筒型では隣り合うキャパシタ間にデッドスペースができてしまい、体積エネルギー密度が小さくなる、という欠点がある。
【0008】
箱形の電気二重層キャパシタについて述べると、直方体であるため、複数の電気二重層キャパシタを組電池としたときにデッドスペースが生じない。また、タブから電極の端までの距離が短いので、内部抵抗が小さい。従って、太陽電池等の補助電源に適した形態といえる。しかし、箱型の電気二重層キャパシタは、複数枚の電極のそれぞれにタブを取り付けた後、それらの電極を積層し、複数枚のタブを溶接するため、製造時の工程数が多く、コスト高になる、という欠点がある。
【0009】
一方、集電体にアルミニウム箔ではなく、海綿状の三次元構造(三次元網目構造)を有するシート状の多孔質アルミニウムを使用し、厚さ0.2〜2mmの電極とした電気二重層キャパシタが開示されている(特許文献2)。その電極は、厚さ0.3〜5mmの多孔質アルミニウムを集電体に用い、集電体内部にも分極性活物質合剤のスラリーを注入し、乾燥後、プレスして圧密化して製造される。アルミニウム箔を集電体に使う電極は厚さが0.1〜0.3mmなのに対して、シート状の多孔質アルミニウムを使う電極は厚さを0.2〜2mmと厚くできるので、同じ充放電容量の電気二重層キャパシタを組み立てるのに必要な電極枚数を少なくすることができ、タブ溶接の数も減る。そのため、電気二重層キャパシタの製造工程を短縮することができる。
【0010】
さらに、特許文献2に記載されるように、三次元網目構造を有するシート状の多孔質アルミニウムを集電体に使用すると電気二重層キャパシタの耐電圧性が向上することが知られている。すなわち、キャパシタのエネルギー密度Eは、印過電圧Vの二乗と二重層容量Cに比例する。
E=CV/2
例えば、単セルあたりの常用の充電電圧を2.4Vから2.8Vに高めることができると、
2.8V/E2.4V={(2.8/2)・C}/{(2.4/2)・C}=1.361
エネルギー密度を36.1%高くすることができる。
【0011】
従って、厚さの厚い多孔質アルミニウムを集電体に用いて箱型の電気二重層キャパシタを組み立てることができると、多孔質アルミニウムを集電体とするため常用の充電電圧を高めに設定できるので体積エネルギー密度が高く、箱型なので組電池にしたときのデッドスペースが小さい電気二重層キャパシタを、少ない電極枚数で組み立てることができるので短い工程数で製造することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平4―154106号
【特許文献2】特許3591055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、多孔質アルミニウムを集電体に用い、それに分極性活物質合剤のスラリーを含浸して電気二重層キャパシタの電極を製造しようするとき、多孔質アルミニウムの厚さが厚くなると、多孔質アルミニウムの内部に均一に分極性活物質合剤を保持させることが困難になるという問題がある。とくに厚さが5mmを超えると、孔径にもよるが、中心付近に分極性活物質合剤が少ない部位が形成したり、分極性活物質合剤が存在しない部位が形成されたりするようになり、所望の体積容量密度が得られなくなる。一方、多孔質アルミニウムの孔径を大きくすれば、分極性活物質合剤のスラリーは含浸しやすくなるが、孔径が大きくなりすぎると、分極性活物質合剤が脱落したり、前述の多孔質アルミニウムによる耐電圧向上の効果が発現しにくくなったりする、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで本発明者らは、多孔質アルミニウム集電体の内部に均一に分極性活物質合剤が保持された、厚さが厚く、耐電圧性に優れた電気二重層キャパシタの電極を製造すべく試行錯誤を重ねた結果、
アルミニウム粉末の焼結体からなる三次元網目状構造を有する多孔質アルミニウムは、骨格に凹凸があって分極性活物質合剤との密着性に優れることから、電気二重層キャパシタの集電体に適していることがわかった。アルミニウム粉末の焼結体からなる多孔質アルミニウムは、本発明者らが別途考案した方法、すなわち、アルミニウム粉末にチタン粉末を少量配合し、公知のスラリー発泡法等を用いて発泡体状に成形し、アルゴン雰囲気中で所定の温度に加熱して焼成する方法によって製造することができる。
【0015】
また、チタン粉末を配合することにより、多孔質アルミニウムの強さが改善されるとともに、電極の内部抵抗を下げる効果があることがわかった。アルミニウム粉末とチタン粉末の混合粉末を焼成して得られた焼結体は、チタンおよびアルミニウムとチタンの化合物がアルミニウム焼結体中に分散分布したミクロ組織をしているが、チタンが存在しない部位よりもチタンが存在する部位の方が、焼結体表面の酸化皮膜の厚さが薄い。それが内部抵抗の低下に寄与しているものと考えられる。
【0016】
次に、孔径の大きな多孔質アルミニウムの表面付近の骨格密度をあらかじめ高くしておき、その多孔質アルミニウムに分極性活物質合剤のスラリーを含浸し、乾燥し、プレス圧密すると、多孔質アルミニウムの内部に均一に分極性活物質合剤を保持させることができることがわかった。多孔質アルミニウムは、所定の圧下率でロール圧延等することによって表面近傍の骨格密度を高くすることができる。
【0017】
さらに、アルミニウム粉末の焼結体からなる三次元網目状構造を有する多孔質アルミニウムを集電体に使用する場合には、圧密前の孔径が、長さ1cmの線分が横切る平均の孔数が8以上の多孔質アルミニウムを用いると、耐電圧性向上の効果が発現することがわかった。
【0018】
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、厚さの厚い三次元網目構造を有する多孔質アルミニウムを集電体に用いた、耐電圧が高く、体積容量密度が大きい電気二重層キャパシタの電極を製造するための課題を、以下に示す構成によって解決したものである。
(1)三次元網目構造の金属骨格とその金属骨格間に空孔を有する、厚さが5mmを超え、100mm以下のアルミニウム多孔質焼結体の集電体と、前記集電体の空孔内に分極性電極材料および結合剤を含むことを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極。
(2)金属骨格にAl−Ti化合物が分散している、上記(1)記載の電気二重層キャパシタ用電極。
(3)アルミニウム多孔質焼結体が、角柱型または円柱型である、上記(1)または(2)記載の電気二重層キャパシタ用電極。
(4)ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体をロール圧延またはプレスして表面の骨格密度を高くする工程、分極性電極材料を溶剤とともに混練した分極性電極材料含有スラリーを前記アルミニウム多孔質焼結体に含浸する工程、乾燥する工程、および圧密する工程、をこの順で含む電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか記載の電気二重層キャパシタ用集電体を含む、電気二重層キャパシタ。
(6)上記(5)記載の電気二重層キャパシタ用集電体と、太陽電池とを含む、太陽電池発電システム。
【発明の効果】
【0019】
本発明(1)によれば、高容量、高体積エネルギー密度で、低内部抵抗の電気二重層キャパシタを、簡便な短い工程で製造することができる。また、本発明(5)によれば、特に、太陽電池発電システムの補助電源として好適な電気二重層キャパシタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電解液流通孔を有する円柱状のアルミニウム多孔質焼結体を備える集電体の模式図である。
【図2】角柱型の電極を使用した電気二重層キャパシタの模式図の例である。
【図3】角柱型の電極を使用した電気二重層キャパシタの模式図の例である。
【図4】円柱型の電極を使用した電気二重層キャパシタの模式図の例である。
【図5】試験セルで用いた外装体の模式図である。
【図6】比較例1の正極・負極の積層方法を説明する図である。
【図7】比較例1の正極集電タブ・負極集電タブの溶接部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量基準の%である。
【0022】
〔電気二重層キャパシタ用電極〕
本発明の電気二重層キャパシタ用電極(以下、「電極」という)は、三次元網目構造の金属骨格とその金属骨格間に空孔を有する、厚さが5mmを超え、100mm以下(以下、「ブロック状」という)のアルミニウム多孔質焼結体の集電体と、前記集電体の空孔内に分極性電極材料および結合剤を含むことを特徴とする。ここで、高体積エネルギー密度化の観点から、厚さは、5mmより厚く、10mm以上が好ましく、20mm以上が、より好ましい。また、良好な出力特性維持、低い内部抵抗の維持の観点から、厚さは、100mm以下である。ここで、厚さとは、セパレータと接する面と垂直方向の長さとする。
【0023】
例えば、箱形電気二重層キャパシタに使用される従来の箱形用電極の厚さは、通常、0.2mm程度である。ここで、本発明の電極の厚さを、例えば20mmにすると、従来の箱形用電極の厚さの100倍となり、分極性電極材料の体積密度が同じであれば、本発明の電極は、従来の箱形用電極100枚分に相当する。また、従来の箱形用電極を100枚積層する場合には、電極間に隙間やずれが生じ、積層方法によっては相応数のセパレータが必要となるため、体積エネルギー密度が小さくなる。さらに、電極100枚を積層するのは、工程数が多く、かつハンドリングが難しい、という問題もある。本発明の電極は、これらの問題を克服することが可能である。なお、電気二重層キャパシタは、電極近傍の電気二重層により充放電を行うため、電極が厚くてもハイレートの充放電が可能である。
【0024】
アルミニウム多孔質焼結体は、三次元網目構造の金属骨格を有し、かつ前記金属骨格間に空孔を有する。より詳しくは、アルミニウム多孔質焼結体は、三次元網目構造の金属骨格により、空孔を形成する。また、金属骨格自体も、高気孔率である。
【0025】
アルミニウム多孔質焼結体の金属骨格は、所望のアルミニウム多孔質焼結体強度、空孔径および空孔率を得るために、金属骨格径(金属骨格を形成する各金属骨の最も細い部分の太さ)が5〜100μmであることが好ましい。また、この金属骨格は、孔径:0.1〜3μmの骨格内空孔を有するものが好ましい。ここで、金属骨格径および骨格内空孔の空孔径は、骨格表面および骨格断面の走査電子顕微鏡写真により測定する。
【0026】
また、金属骨格間の空孔(以下、骨格間空孔という)は、分極性電極材料、結合剤等を含ませやすくする観点、および電解液との良好な導電性確保の観点から、連通していることが好ましい。
【0027】
骨格間空孔の空孔径は、所望量の分極性電極材料を充填させる観点から、20〜500μmであることが好ましい。なお、圧延またはプレス等による圧密後には、骨格間空孔の空孔径は、アルミニウム多孔質焼結体の長手方向が長い楕円形状となり、長手方向の空孔径は、300〜1100μmであると好ましく、厚さ方向の空孔径は、50〜300μmであると好ましい。ここで、空孔径は、試料の表面および断面の走査電子顕微鏡写真により測定する。
【0028】
アルミニウム多孔質焼結体の全体気孔率は、所望量の分極性電極材料を充填させる観点から、70〜99%であることが好ましく、80〜97%であると、より好ましい。なお、圧密後の空孔率は、55〜92%であると好ましく、70〜90%であると、より好ましい。ここで、気孔率は、アルミニウム多孔質焼結体の寸法、質量、および密度から算出する。
【0029】
また、アルミニウム多孔質焼結体は、圧密前の孔径が、長さ1cmの線分が横切る平均の孔数が8以上であると、耐電圧性向上の効果が発現し、好ましい。ここで、平均の孔数は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から計測する。
【0030】
ここで、アルミニウム多孔質焼結体は、金属骨格にAl−Ti化合物が分散していると、好ましい。金属骨格のAl−Ti化合物は、アルミニウム多孔質焼結体を製造するときに使用される焼結助剤に含まれるチタンに由来する。チタンは、アルミニウム多孔質焼結体を非加圧焼結で製造することを可能にするだけではなく、Al−Ti化合物を形成することにより、アルミニウム多孔質焼結体を高強度、特に高引張り強度にする。
【0031】
アルミニウム多孔質焼結体が、アルミニウムとチタンの合計100質量部に対して、チタンを0.1〜20質量部含むことが好ましい。チタンが、0.1質量部未満では、良好なアルミニウム多孔質焼結体が得られず、20質量部を超えると、焼結時に、アルミニウム混合原料粉末中で、チタンを含む焼結助剤粉末同士が接点を持つようになり、アルミニウムとチタンの反応熱を制御できなくなるとともに所望の多孔質焼結体が得られないようになる。ここで、アルミニウムとチタンの定量分析は、ICP法で行う。
【0032】
ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体は、角柱型または円柱型であると、非水電解質二次電池を、容易に製造できる観点から好ましい。ここで、圧密前に、角柱型の場合には、短辺が5〜200mmであると好ましく、15〜100mmであると、より好ましい。長辺は、5〜200mmであると好ましく、15〜100mmであると、より好ましい。なお、短辺と長辺の長さが同じ、すなわち直方体でもよい。円柱型の場合には、直径が5〜200mmであると好ましく、15〜100mmであると、より好ましい。また、エネルギー密度向上、出力特性の観点から、圧延等により、圧下率が5〜35%の範囲で圧密すると好ましく、8〜25%高密度化すると、より好ましい。なお、圧延等前の厚さについては、5〜100mmであると好ましく、7〜70mmであると、より好ましい。圧延等後の厚さについては、上述のとおりである。
【0033】
アルミニウム多孔質焼結体の空孔内に含有される分極性電極材料としては、電気二重層型キャパシタ用分極性電極材料として使用されるものが挙げられ、電解液中で分極が可能なものであれば、特に限定されるものではない。従来、一般的に用いられているものであればよく、具体的には、ナノサイズの空孔を有する活性炭が好ましい。この分極性電極材料は、平均粒子径が2〜20μmの粉末であると、電気二重層型キャパシタの高容量化の観点から好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法によって測定する。
【0034】
アルミニウム多孔質焼結体の空孔内に分極性電極材料とともに含有される結合剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、SBR、ポリイミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
アルミニウム多孔質焼結体100質量部に対して、分極性電極材料を100〜800質量部含むと、電気二重層型キャパシタのエネルギー密度向上の観点から好ましく、250〜750質量部含むとより好ましい。
【0036】
アルミニウム多孔質焼結体100質量部に対して、結合剤を2〜80質量部含むと、アルミニウム多孔質焼結体の空孔内に分極性電極材料を適切に保持する観点から好ましく、6〜60質量部含むとより好ましい。
【0037】
なお、本発明においては、アルミニウム多孔質焼結体の空孔内に、分極性電極材料および結合剤が含まれているが、集電体であるアルミニウム多孔質焼結体とセパレータ間にも、分極性電極材料および結合剤が含まれ得る。本発明においては、電気二重層型キャパシタ内の分極性電極材料および結合剤の合計100質量部に対して、アルミニウム多孔質焼結体の空孔内に含まれる分極性電極材料および結合剤が90〜99.5質量部であると、電気二重層型キャパシタの高エネルギー密度の向上、高出力化の観点から好ましい。
【0038】
また、アルミニウム多孔質焼結体の空孔内には、さらに導電助剤を含むと、高出力化の観点から好ましい。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0039】
アルミニウム多孔質焼結体100質量部に対して、導電助剤を1〜100質量部含むと、電気二重層型キャパシタの高容量化の観点から好ましく、7〜70質量部含むとより好ましい。
【0040】
本発明の電極を使用するときの電解液としては、水系電解液、非水系電解液が挙げられるが、電解液の電位窓の広さ、およびアルミニウム多孔質焼結体を溶解しない観点から、非水系が好ましい。非水電解液は、好ましい一例を以下に示すが、通常の電気二重層キャパシタで用いられるものであればよく、特に限定されない。
【0041】
非水系電解液の支持電界質には、例えば、一般式;R、および一般式;R(Rはアルキル基)であらわされる四級オニウムカチオンと、BFなどの硼弗化物アニオン、およびPF6などの燐弗化物アニオンとの塩を使用できる。
【0042】
非水系電解液の溶媒には、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート、エチレンカーボネート誘導体、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの有機溶媒を使用できる。
【0043】
なお、ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体には、電解液流通孔を設けることができる。図1に、電解液流通孔200を有する円柱状のアルミニウム多孔質焼結体100を備える集電体の模式図を示す。電解液流通孔200は、電解質の流路を確保し、電気二重層キャパシタの内部抵抗の増加を抑制することにより、良好な出力特性に寄与し得る。このため、図1のように、電解液流通孔200は、一定間隔で形成することが好ましく、また、電解液流通孔200は、厚さ方向に貫通していると好ましい。また、電解液流通孔200の直径は、0.5〜2mmが好ましく、電解液流通孔200は、1〜7mm間隔で形成されることが好ましく、電解液流通孔200は、1cm当たりに3〜90個形成されることが好ましい。
【0044】
〔電気二重層キャパシタ〕
図2、図3、図4に本発明の電気二重層キャパシタの模式図を示す。図2、図3では、角柱型の電極を、図4では、円柱型の電極を使用したときの例である。図2〜4からわかるように、ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体を利用した電極1、11を用いることにより、電気二重層キャパシタに占めるセパレータ3、13の体積を著しく減少させることができる。特に、図2では、セパレータ3、13の占める体積が著しく小さくなり、図3、図4では、タブ2、12を同じ方向に容易に取り付けることができる。したがって、電気二重層キャパシタへの電気接続の便宜等により、適宜選択することができる。実際に使用するときには、電気二重層キャパシタは、缶やパック等の外装缶に、電気的に接続された状態で密封して収納される。缶やパックには、適切に絶縁処理されたアルミニウムやステンレス等の当業者に公知の材料を用いる。なお、電極1、11からはみ出したセパレータ3、13は、缶やパック等の外装体に収納するときに、いずれかの側に折りたためばよい。
【0045】
タブ2、12と、電極1、11の末端(タブから一番遠い他端)との距離は、従来の箱形電極のときと変わらないので、タブ2、12は1箇所でも内部抵抗が小さい。また、従来のアルミニウム博の場合には、分極性電極材料等を塗布・乾燥した後、タブを取り付けなければならないが、本発明の電極では、予めタブ2、12を形成しておくことができ、例えば、電極を、分極性電極材料を含むスラリーに浸漬させるときには、タブを持って行うことができるので、好適である。タブは、溶接等によって接合することができ、アルミニウム多孔質焼結体の焼結時に同時に接合させることもできる。
【0046】
本発明の電気二重層キャパシタは、太陽電池発電システム用の補助電源として好適である。ここで、複数の電気二重層キャパシタを接続して使用する場合には、角柱型の電極を用いる方が、各電気二重層キャパシタ間のデッドスペースを減らす観点から好ましい。太陽電池発電システムとして用いる場合には、1個または複数の電気二重層キャパシタと太陽電池を積層して使用することもできる。また、太陽電池発電システムの補助電源として使用するときには、所定の制御回路を備えることが好ましく、この制御回路は、当業者に公知のものでよい。
【0047】
〔電気二重層キャパシタ用集電体の製造方法〕
ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体の製造方法を、好ましい材料である、金属骨格にAl−Ti化合物が分散しているアルミニウム多孔質焼結体であるときについて、以下に説明する。
【0048】
1)原料Al粉末含有スラリーの調製
Al粉末+1〜10質量%Ti粉末:100質量部
水溶性メチルセルロース誘導体:5〜10質量部
水:100質量部
界面活性剤:0.1〜1質量部
上記を混合し、B型粘度計を用い、回転数100rpmで、50,000〜80,000cPsとなるようにする。
【0049】
ここで、Al粉末の平均粒子径は、好ましくは2〜200μm、より好ましくは2〜100μm、さらに好ましくは7μm〜40μmの範囲内のものが用いられる。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法で測定される。
【0050】
Ti粉末としては、金属Ti、水素化チタンを用いることができ、焼結性の観点から、水素化チタンが好ましい。また、水素化チタンの平均粒子径は、0.1(μm)≦r≦30(μm)が好ましいが、より好ましくは4(μm)≦r≦20(μm)である。水素化チタンの平均粒径が、0.1μmより小さいと、自然発火する恐れがあり、30μmを超えると、焼結体に所望の強さが得られなくなるためである。水素化チタンの配合量は、1(質量%)≦W≦10(質量%)が好ましい。1質量%よりも少ないと焼結が不十分となり、一方、焼結助剤粉末の配合比Wが10質量%を超えると、焼結体が脆くなって、所望の多孔質焼結体が得られないようになるからである。
【0051】
2)成型・焼結
上記で作製した粘性塑性物を準備する。
→泡立て器で攪拌し、クリーム状にする。
→クリーム状にした粘性組成物を、型に流し込む。
→型ごと減圧できる容器に入れる。
→減圧容器ごと1〜5℃に冷却する。この工程は、凍結を速やかに行うためプレクーリングである。
→減圧して泡サイズを大きくする。このときの圧力で粘性塑性物中の孔径を制御することができる。
→減圧したまま、減圧容器ごと凍結する。
→凍結乾燥する。
→成形体を取り出す。
→脱バインダーを、大気中、360〜420℃×1〜10分間行う。
→焼結を、Ar中、660〜665℃×1〜30分間行う。
【0052】
上記で用いる型は、焼結時の収縮率を考慮して、作製する。また、減圧は、0.05〜0.5気圧で行うことが好ましい。
【0053】
〔電気二重層キャパシタ用電極の製造方法〕
電気二重層キャパシタ用電極の製造方法は、ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体をロール圧延またはプレスして表面の骨格密度を高くする工程、分極性電極材料を溶剤とともに混練した分極性電極材料含有スラリーを、前記アルミニウム多孔質焼結体に含浸する工程、乾燥する工程、圧密する工程、をこの順で含む。
【0054】
まず、ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体をロール圧延またはプレスして表面近傍の骨格密度を高くし、その部位の気孔率を低くする。このとき、多孔質アルミニウムの内部に均一に分極性電極材料含有スラリーを保持させることができる観点から、厚さ方向で、表面から5%程度まで骨格密度が高いと好ましく、表面近傍の気孔率は、70〜80%であると、好ましい。
【0055】
分極性電極材料含有スラリーは、以下の含有量で作製する。
活性炭粉末(分極性電極材料):80−90質量部
ケッチェンブラック(導電材):5−10質量部
水溶性セルロース誘導体(増粘剤):0.1−2質量部
ポリテトラフルオロエチレン樹脂分散液(結合剤+溶剤):5−15質量部
上記を混練し、B型粘度計を用い、回転数100rpmで、5,000〜20,000cpsとなるようにする。
【0056】
次に、アルミニウム多孔質焼結体の空孔に、上記分極性電極材料含有スラリーを含浸し、乾燥する。含浸させる方法は、アルミニウム多孔質焼結体を分極性電極材料のスラリーにディッピングする方法、アルミニウム多孔質焼結体の上部からスラリーを注ぐ方法等が挙げられ、さらに、2本のロール間を通したり、へらでこすったりして表面に付着した余剰の分極性電極材料のスラリーを内部に押し込むことによって、より効果的にアルミニウム多孔質焼結体の空孔に分極性電極材料を充填することができる。乾燥は、大気中で放置してもよく、乾燥機等を用いてもよい。乾燥後、アルミニウム多孔質焼結体と、分極性電極材料および結合剤との質量比を測定し、分極性電極材料および結合剤の質量比が低い場合には、再度、浸漬・乾燥を繰り返し、所望量とすることができる。他方、分極性電極材料および結合剤の質量比が高い場合には、スラリーの粘性を低くして、浸漬・乾燥をやり直し、所望量とすることができる。
【0057】
次に、分極性電極材料および結合剤を含むアルミニウム多孔質焼結体を、圧密し、電極を得る。圧密は、ロール圧延またはプレス等により行う。ロール圧延等によりアルミニウム多孔質焼結体を所望の厚さまで、圧延等することができ、電極体の空隙率を減少させ、電極密度を高めることができ、これにより電気二重層キャパシタを高体積エネルギー密度化する。ここで、生産性の観点からは、圧延する方が好ましく、均一に高密度化させる観点からは、金型を用いたメカプレスが好ましい。
【0058】
本発明の電気二重層キャパシタ用電極は、高体積エネルギー密度で、低内部抵抗の電気二重層キャパシタを、簡便で短い工程で製造することができる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
〔ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体の作製〕
上述の実施の形態にしたがって、ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体を製造した。まず、平均粒子径:24μmのアルミニウム粉末(不純物として、Fe:0.15質量%、Si:0.05質量%およびNi:0.01質量%を含む)と、平均粒子径9.1μmの水素化チタン粉末を、アルミニウム粉末と水素化チタン粉末の質量比が、95:5となるように合計500gで混合し、アルミニウム混合原料粉末を調製した。
【0061】
バインダー溶液は、水溶性メチルセルロース誘導体:25g、水:500g、界面活性剤:1gで調整した。
【0062】
アルミニウム混合原料粉末と、バインダー溶液と、を混合して、原料Al粉末含有スラリーを調製した。
【0063】
次に、この原料Al粉末含有スラリーを、泡立て器で攪拌し、クリーム状にし、クリーム状にした原料Al粉末含有スラリーを、長さ:120mm、幅:60、高さ:100mmのポリテトラフルオロエチレン樹脂製の型に高さ:10mmに流し込んだ。その後、圧力ゲージとコック付排気口を具備したステンレス製減圧容器に入れ、前記減圧容器ごと1〜5℃に冷却した。冷却後、約0.1気圧まで減圧して、泡サイズを直径:0.5〜2mm程度まで大きくした。そして、減圧したまま、前記減圧容器ごと−20℃に設定した冷凍機に入れて凍結した後、減圧容器から凍結した成形体を取り出し、真空乾燥機に移して減圧して、凍結乾燥した。次に、凍結乾燥した成形体を取り出し、大気中、390℃に5分間保持の条件で加熱して脱バインダーをした後、Ar中、660℃に10分間保持の条件で加熱して焼成した。得られたアルミニウム多孔質焼結体は、長さ:105mm、幅:53、厚さ:88mmであった。アルミニウム多孔質焼結体を、X線回折で観察した結果、AlとAlTi化合物が確認された。
【0064】
得られたアルミニウム多孔質焼結体をロール圧延機で圧下率2%の条件で3回圧延し、表面の骨格密度を高くした。
【0065】
〔電気二重層キャパシタ用電極の製造〕
(実施例1)
【0066】
分極性電極材料として椰子殻活性炭粉末と、導電材としてケッチェンブラックと、像年材として水溶性メチルセルロース誘導体と、結合剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂分散液とを、質量比80:9:2:9で、合計200g混合して分極性電極材料含有スラリーを調製した。
【0067】
次に、この分極性電極材料含有スラリーに、作製した正極集電体を10分間浸漬し、取り出して乾燥させた後に、メカプレスして厚さ:20mmの電極を作製した。ここで、分極性電極材料スラリーに、アルミニウム多孔質焼結体を浸漬し、乾燥した後、メカプレス前に、アルミニウム多孔質焼結体表面に付着した分極性電極材料含有スラリーを拭き取り、ほぼ全量の分極性電極材料および結合剤が、アルミニウム多孔質焼結体の空孔内に含まれるようにし、電極とした。電極は、2個作製した。
【0068】
〔試験セルの作製〕
電気二重層キャパシタの試験セルを作製した。2個の電極の端面の中央部1箇所に、アルミニウム製のタブを溶接した。
【0069】
また、セパレータとして、多孔質セルロースシート(厚さ:20μm)のセパレータ12を長さ:110mm、幅:62mmに切断した。図2に示すように、これらを、タブ2、電極、セパレータ3、電極1、タブ2の順に載置した。
【0070】
図5に示すように、上記載置体が収容可能な大きさに切断された、1辺の4Aを溶着したアルミニウムラミネートフィルムの外装体4を用意した。
【0071】
不活性雰囲気中で、外装体14の一方の開口部からに上記積層体を挿入し、タブ2を、一方の溶着部4Bで溶着した後、他方の開口部4Bから、1mol/Lの濃度でエトラエチルアンモニウム4フッ化ホウ素((C25)BF)を含むプロピレンカーボネート溶液を注液した後、この外装体4の残りの開口部4Bを溶着して密閉し、実施例1の試験セルを作製した。
【0072】
(比較例1)
厚さ:20μmのアルミニウム箔に、実施例1で作製した分極性電極材料含有スラリーを塗布、乾燥し、圧延した後、長さ:105mm、幅:88mmに20枚切断して、比較例1の正極・負極とした。このときの電極の厚さは、0.2mmであった。
【0073】
正極・負極に、アルミニウム製の正極集電タブ・負極集電タブを溶接した後、図6に示すように、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に10組積層した。セパレータは、実施例1と同じものを長さ:110mm、幅:62mmに切断して用いた。
【0074】
次に、図7に示すように、10枚の正極集電タブ51a、10枚の負極集電タブ51bを、正極集電タブの溶接部51b、負極集電タブの溶接部51bで溶接し、一体とした。なお、図6、図7では、便宜上3組のセルで説明する。一体とした10組のセルを、実施例1と同様にして、外装体に挿入後、1mol/Lの濃度でエトラエチルアンモニウム4フッ化ホウ素((C25)BF)を含むプロピレンカーボネート溶液を注入、溶着し、比較例1の試験セルを作製した。
【0075】
〔試験セルの性能試験〕
(放電容量試験)
上記試験用セルを、雰囲気温度を60℃にし、充電電流密度:100mA/gで、2.5Vまで充電し、放電電流密度100mA/gで、0Vまで放電し、このときの放電容量を測定した。電流密度は、椰子殻活性炭粉末の質量を基準とした。上記の充放電を1000サイクル繰り返し、放電容量を測定した。なお、充電後、放電後には、1分間のレストを設けた。また、〔「1000サイクル後の放電容量」/「初回の放電容量」〕を容量維持率(単位は「%」)とした。同様の試験を充電電圧:3Vでも行った。表1に、これらの結果を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
表1からわかるように、実施例1は、充電電圧:2.5Vで、初回放電容量が高く、1000サイクル後での容量維持率は、98.9%と顕著に高かった。また、充電電圧:3.0Vでも初回放電容量が高く、1000サイクル後での容量維持率は、97.4%と著しく高かった。これに対して、比較例1は、2.5Vでも1000サイクル後の容量維持率が97.8%と低く、3.0Vでは1000サイクル後の容量維持率が52.6%とかなり低かった。
【0078】
以上のように、本発明の電気二重層キャパシタ用電極によれば、高容量、高体積エネルギー密度で、低内部抵抗の電気二重層キャパシタを、簡便な短い工程で製造することができる。製造された電気二重層キャパシタは、特に、太陽電池発電システム用のエネルギー貯蔵媒体やアシスト電源として好適である。
【符号の説明】
【0079】
1 角柱状のアルミニウム多孔質焼結体
2 タブ
3 セパレータ
4 外装体
4A 溶着部
4B 開口部兼溶着部
11 円柱状のアルミニウム多孔質焼結体
12 タブ
13 セパレータ
51 正極
51a 正極集電タブ
51a 正極集電タブの溶接部
52 負極
52a 負極集電タブ
52b 負極集電タブの溶接部
53 セパレータ
100 円柱状のアルミニウム多孔質焼結体
200 電解液流通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元網目構造の金属骨格とその金属骨格間に空孔を有する、厚さが5mmを超え、100mm以下のアルミニウム多孔質焼結体の集電体と、前記集電体の空孔内に分極性電極材料および結合剤を含むことを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極。
【請求項2】
金属骨格にAl−Ti化合物が分散している、請求項1記載の電気二重層キャパシタ用電極。
【請求項3】
アルミニウム多孔質焼結体が、角柱型または円柱型である、請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ用電極。
【請求項4】
ブロック状のアルミニウム多孔質焼結体をロール圧延またはプレスして表面の骨格密度を高くする工程、分極性電極材料を溶剤とともに混練した分極性電極材料含有スラリーを、前記アルミニウム多孔質焼結体に含浸する工程、乾燥する工程、圧密する工程、をこの順で含む、電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載の電気二重層キャパシタ用集電体を含む、電気二重層キャパシタ。
【請求項6】
請求項5記載の電気二重層キャパシタ用集電体と、太陽電池とを含む、太陽電池発電システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−119465(P2012−119465A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267353(P2010−267353)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】