説明

電気光学装置および電子機器

【課題】駆動トランジスタのゲートの電位が初期化線の電位に連動して変化することを抑制しながら画素回路を高精細化する。
【解決手段】画素回路Pは、複数の走査線31と複数の信号線40との各交差に対応して配置される。初期化線60は、複数の画素回路Pに初期化電位VRSを供給する。複数の画素回路Pの各々は、駆動電流IDRの電流量に応じた階調となる電気光学素子Eと、信号線40の階調電位VD[j]に応じて両端間の電圧が設定される保持容量C0と、初期化線60を保持容量C0に導通させることで両端間の電圧を初期化するトランジスタTR1〜TR3と、保持容量C0の電圧に応じて駆動電流IDRの電流量を制御する駆動トランジスタTDRと、駆動トランジスタTDRのゲートに導通するとともに初期化線60に重なる電極e2Bと、電極e2Bと初期化線60との間に介在する電極e2Aとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学素子を駆動するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electroluminescence)素子などの電気光学素子を利用した電気光学装置が従来から提案されている。例えば特許文献1に開示された画素回路は、外部から指定された階調に応じた電圧を保持する保持容量と、保持容量の電圧に応じた駆動電流を生成する駆動トランジスタと、駆動電流の電流量に応じた階調となる電気光学素子とを含んで構成される。保持容量の両端間の電圧は、初期化電位が供給される初期化線を電極に導通させることで初期化される。
【特許文献1】特開2006−30635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、画素回路の各要素を重ねて配置すれば、画素回路の各要素が重ならない構成と比較して画素回路の小型化(高精細化)が実現される。以上の観点から、例えば、駆動トランジスタのゲートに導通する配線や電極などの導電体(以下「ゲート導通体」という)に初期化線を重ねて配置した構成が考えられる。しかし、相対向する初期化線とゲート導通体との間に容量が付随するから、保持容量の初期化時に電流が流れることで初期化線の電位が変動すると、ゲート導通体の電位も連動して変化する。駆動電流の電流量は駆動トランジスタのゲートの電位に応じて制御されるから、初期化線の電位の変動を原因として電気光学素子の階調に誤差が発生するという問題がある。一方、初期化線がゲート導通体と重ならない構成では画素回路の高精細化が制約される。以上の事情に鑑みて、本発明は、駆動トランジスタのゲートの電位が初期化線の電位に連動して変化することを抑制しながら画素回路を高精細化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、複数の走査線と複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素回路と、複数の画素回路に初期化電位を供給する初期化線とを具備し、複数の画素回路の各々は、駆動電流の電流量に応じた階調となる電気光学素子と、信号線の電位に応じて両端間の電圧が設定される保持容量(例えば図2の保持容量C0〜C2や図13の保持容量C2)と、初期化線を保持容量に導通させることで両端間の電圧を初期化する初期化手段(例えば図2のトランジスタTR1〜TR3や図13のトランジスタTR4)と、保持容量の電圧に応じて駆動電流の電流量を制御する駆動トランジスタと、駆動トランジスタのゲートに導通するとともに初期化線に重なる第1導電体と、第1導電体と初期化線との間に介在する第2導電体とを含む。以上の構成においては、第1導電体と初期化線とが重なるから、第1導電体と初期化線とが重ならない構成と比較して画素回路が小型化(高精細化)される。また、第2導電体が第1導電体と初期化線との間に介在するから、初期化線の初期化電位の変動が第1導電体の電位(駆動トランジスタのゲートの電位)に与える影響が低減される。
【0005】
本発明の好適な態様において、駆動トランジスタは、ゲート絶縁層を挟んで相対向する半導体層およびゲート電極と、ゲート電極を覆う絶縁層の面上に形成されて半導体層に導通する配線層とを含み、初期化線は、配線層と同層から形成され、第1導電体は、半導体層と同層から形成され、第2導電体は、ゲート電極と同層から形成される。以上の態様においては、初期化線や第1導電体および第2導電体が駆動トランジスタの各要素と同層から形成されるから、初期化線や第1導電体および第2導電体を駆動トランジスタとは別個の工程で形成する場合と比較して画素回路の製造が簡素化される。
【0006】
本発明の好適な態様において、第2導電体は、電気光学素子に駆動電流を供給する給電線を含む。給電線においては電位の変動が発生し難いから、初期化線の初期化電位の変動が第1導電体の電位(駆動トランジスタのゲートの電位)に与える影響が有効に低減される。また、保持容量が、信号線から階調電位が供給される第1電極(例えば図8の電極e0A)と、駆動トランジスタのゲートに接続された第2電極(例えば図8の電極e0B)とを含む構成においては、第2導電体は、第1電極に導通する部分(例えば図8の電極e0C)を含む態様(例えば後述する第2実施形態)も好適である。
【0007】
本発明の好適な態様において、第2導電体は、第1導電体に重なる部分以外の部分(例えば図11や図12の分岐部55)において初期化線に重なる。以上の態様によれば、第2導電体と初期化線とで形成される容量が初期化線に付随するから、初期化線における初期化電位の変動を抑制できるという利点がある。
【0008】
本発明に係る電気光学装置は各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、電気光学装置を表示装置として利用した機器である。本発明に係る電子機器としてはパーソナルコンピュータや携帯電話機が例示される。もっとも、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するための露光装置(露光ヘッド)としても本発明の電気光学装置が適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置のブロック図である。電気光学装置100は、電子機器に搭載されて画像を表示する表示体として機能する。図1に示すように、電気光学装置100は、複数の画素回路Pが面状に配列された素子部10と、各画素回路Pを駆動する走査線駆動回路22および信号線駆動回路24と、電気光学装置100にて使用される電位を生成する電位生成回路26とを具備する。なお、走査線駆動回路22と信号線駆動回路24と電位生成回路26との一部または全部を単一の回路とした構成や、走査線駆動回路22や信号線駆動回路24を複数の集積回路に分散して実装した構成も採用される。
【0010】
図1の素子部10は基板12の面上に配置される。素子部10には、X方向に延在するm組の制御線群30と、X方向に交差(直交)するY方向に延在するn本の信号線40とが形成される(m,n:自然数)。複数の画素回路Pは、各制御線群30と各信号線40との交差に配置されて縦m行×横n列の行列状に配列する。また、素子部10には、各制御線群30とともにX方向に延在するm本の給電線50と、各信号線40とともにY方向に延在するn本の初期化線60とが形成される。
【0011】
走査線駆動回路22は、複数の画素回路Pを行単位で順次に選択する。信号線駆動回路24は、走査線駆動回路22による選択に同期してn系統の階調電位VD(VD[1]〜VD[n])を各信号線40に並列に出力する。第i行(i=1〜m)の選択時に第j列目(j=1〜n)の信号線40に出力される階調電位VD[j]は、第i行に属する第j列の画素回路Pに指定された階調値に対応した電位に設定される。
【0012】
電位生成回路26は、電源の高位側の電位VELおよび低位側の電位GNDと、所定値に設定された初期化電位VRSとを生成する。電位VELは、m本の給電線50に出力されて各画素回路Pに共通に供給される。また、初期化電位VRSは、n本の初期化線60に出力されて各画素回路Pに共通に供給される。なお、電位VELや電位GNDを生成する回路と初期化電位VRSを生成する回路とは別個の回路として実装され得る。
【0013】
図2は、画素回路Pの回路図である。図2においては、第i行に属する第j列の1個の画素回路Pのみが代表的に図示されている。図2に示すように、画素回路Pは、電位VELが供給される給電線50と電位GNDが供給される接地線とを連結する経路上に配置された電気光学素子Eを含む。電気光学素子Eは、給電線50から接地線に流れる駆動電流IDRの電流量に応じた階調となる電流駆動型の発光素子である。例えば、相対向する陽極と陰極との間に有機EL材料の発光層を介在させた有機EL素子が電気光学素子Eとして好適である。
【0014】
図2に示すように、図1における1組の制御線群30は4本の配線(走査線31,第1制御線32,第2制御線33,発光制御線34)で構成される。走査線駆動回路22は制御線群30の各配線に信号を供給する。例えば、走査線31には、第i行を選択するための走査信号GW[i]が供給される。また、第1制御線32には第1制御信号Ga[i]が供給され、第2制御線33には第2制御信号Gb[i]が供給される。発光制御線34には、発光制御信号GEL[i]が供給される。
【0015】
駆動電流IDRの経路上にはPチャネル型の駆動トランジスタTDRとNチャネル型の発光制御トランジスタTELとが配置される。駆動トランジスタTDRは、給電線50にソースが接続されるとともにドレインが発光制御トランジスタTELのドレインに接続され、自身のゲートの電位(以下「ゲート電位VG」という)に応じて駆動電流IDRの電流量を制御する。発光制御トランジスタTELは、発光制御線34にゲートが接続されるとともにソースが電気光学素子E(陽極)に接続され、電気光学素子Eに対する駆動電流IDRの供給の可否を制御する。なお、駆動トランジスタTDRや発光制御トランジスタTELを電気光学素子Eと接地線との間に配置した構成も採用される。
【0016】
図2の保持容量C0は、電極e0Aと電極e0Bとの間の電圧を保持する。電極e0Bは駆動トランジスタTDRのゲートに接続される。保持容量C0の電極e0Aと信号線40との間には、両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御するNチャネル型の選択トランジスタTSLが介在する。選択トランジスタTSLのゲートは走査線31に接続される。また、保持容量C1は電極e0Aの電位を保持し、保持容量C2は電極e0Bの電位(ゲート電位VG)を保持する。保持容量C1は、給電線50に接続された電極e1Aと電極e0Aに接続された電極e1Bとで構成される。保持容量C2は、給電線50に接続された電極e2Aと電極e0Bに接続された電極e2Bとで構成される。
【0017】
駆動トランジスタTDRのゲートとドレインとの間にはNチャネル型のトランジスタTR1が介在する。保持容量C0の電極e0Aと初期化線60との間にはNチャネル型のトランジスタTR2が介在する。トランジスタTR1およびトランジスタTR2の各々のゲートは第1制御線32に接続される。また、トランジスタTR1とトランジスタTR2との間にはNチャネル型のトランジスタTR3が介在する。トランジスタTR3のゲートは第2制御線33に接続される。
【0018】
図3は、電気光学装置100の動作のタイミングチャートである。図3に示すように、走査信号GW[1]〜GW[m]は、書込期間(水平走査期間)PW毎に順番にハイレベル(第i行の選択を意味するレベル)に設定される。第1制御信号Ga[i]は、走査信号GW[i]がハイレベルとなる書込期間PWの開始前の初期化期間PRSにてハイレベルとなり、初期化期間PRS以外の期間でローレベルを維持する。初期化期間PRSは、期間P1と期間P2とに区分される。期間P1は、保持容量C0の両端間の電圧を所定値に初期化する期間であり、期間P1の経過後の期間P2は、駆動トランジスタTDRのゲート電位VGを自身の閾値電圧VTHに応じた電位に設定する期間である。
【0019】
第2制御信号Gb[i]は、期間P1にてハイレベルに設定されるとともに期間P1以外の期間でローレベルに維持される。発光制御信号GEL[i]は、走査信号GW[i]がハイレベルとなる書込期間PWの経過後から第1制御信号Ga[i]が次にハイレベルとなる初期化期間PRSの開始前までの発光期間PELにてハイレベルとなり、発光期間PEL以外の期間にてローレベルを維持する。初期化期間PRSと書込期間PWと発光期間PELとに区分して画素回路Pの動作を以下に説明する。
【0020】
初期化期間PRSの期間P1では第1制御信号Ga[i]および第2制御信号Gb[i]がハイレベルに設定されるから、トランジスタTR1とトランジスタTR2とトランジスタTR3とがオン状態に変化する。したがって、保持容量C0の電極e0Aと電極e0Bとが導通するとともに電極e0Aおよび電極e0Bの双方に初期化線60から初期化電位VRSが供給される。電極e0Aと電極e0Bとが導通することで、初期化期間PRSの開始時に保持容量C0に蓄積されていた電荷は放電される。
【0021】
初期化期間PRSの期間P2では第1制御信号Ga[i]のみがハイレベルに設定されるから、トランジスタTR1とトランジスタTR2とがオン状態を維持する(トランジスタTR3はオフ状態に変化する)。したがって、期間P1から引続き、保持容量C0の電極e0Aには、初期化線60からトランジスタTR2を介して初期化電位VRSが供給される。また、駆動トランジスタTDRのゲートとドレインとがトランジスタTR1を介してダイオード接続されるから、駆動トランジスタTDRのゲート(保持容量C0の電極e0B)の電位は、給電線50の電位VELよりも閾値電圧VTHだけ低い電位に上昇する。以上のように、保持容量C0の両端間の電圧は、初期化期間PRSにて所定値(|VEL−VTH−VRS|)に初期化される。同様に、保持容量C1および保持容量C2の電圧は所定値に初期化される。
【0022】
書込期間PWでは、走査信号GW[i]がハイレベルに設定されることで選択トランジスタTSLがオン状態に変化するから、保持容量C0の電極e0Aの電位は、初期化期間PRSにて設定された初期化電位VRSから信号線40の階調電位VD[j]に変化する。書込期間PWにおいてはトランジスタTR1がオフ状態に遷移することで駆動トランジスタTDRのゲートは電気的なフローティング状態にあるから、駆動トランジスタTDRのゲート(電極e0B)の電位は、初期化期間PRSにて設定された電位(VEL−VTH)から電極e0Aの電位の変動量(VRS→VD[j])に応じて変化する。すなわち、駆動トランジスタTDRのゲート電位VGは、階調電位VD[j]と自身の閾値電圧VTHとに応じた電位に設定される。
【0023】
発光期間PELでは、発光制御信号GEL[i]がハイレベルに遷移することで発光制御トランジスタTELがオン状態に変化する。したがって、駆動トランジスタTDRのゲート電位VGに応じた電流量の駆動電流IDRが給電線50から駆動トランジスタTDRと発光制御トランジスタTELとを経由して電気光学素子Eに供給される。電気光学素子Eは駆動電流IDRの電流量に応じた階調(階調電位VD[j]に応じた階調)に制御される。発光期間PELにおけるゲート電位VGには自身の閾値電圧VTHが反映されるから、各駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHの相違に起因した電気光学素子Eの階調のムラは補償される。
【0024】
次に、以上に説明した画素回路Pの構造を説明する。図4は、1個の画素回路Pの平面図である。図4に示すように、画素回路Pは、基板12の表面に画定された矩形状の単位領域A内に形成される。単位領域A内には、給電線50および走査線31がX方向に延在するとともに信号線40および初期化線60がY方向に延在する。給電線50と走査線31と信号線40と初期化線60とに包囲された領域内に駆動トランジスタTDRが配置される。
【0025】
駆動トランジスタTDRと走査線31との間に選択トランジスタTSLが配置される。給電線50を挟んで駆動トランジスタTDRとは反対側の領域においては発光制御線34がX方向に延在する。給電線50と発光制御線34との間に発光制御トランジスタTELが配置される。また、走査線31を挟んで駆動トランジスタTDRとは反対側の領域に第1制御線32が形成され、第1制御線32を挟んで走査線31とは反対側の領域に第2制御線33が形成される。トランジスタTR1およびトランジスタTR2は走査線31と第1制御線32との間に配置され、トランジスタTR3は第1制御線32と第2制御線33との間に配置される。
【0026】
図5は、図4におけるV−V線の断面図である。駆動トランジスタTDRは、基板12の面上に半導体材料(例えばポリシリコン)で形成された半導体層122と、半導体層122のチャネル領域に対向するゲート電極124とを含む。半導体層122とゲート電極124との間には、基板12の全域にわたって連続するゲート絶縁層L0が介在する。ゲート電極124が形成されたゲート絶縁層L0の面上には絶縁層L1が基板12の全域にわたって連続に形成される。絶縁層L1の面上に形成された配線層126(ソース電極およびドレイン電極)が導通孔を介して半導体層122に導通する。
【0027】
画素回路Pを構成する各トランジスタT(TR1,TR2,TR3,TEL,TSL)は駆動トランジスタTDRと共通の工程で形成される。すなわち、トランジスタTの各要素と駆動トランジスタTDRの各要素とは、単一の膜体を選択的に除去することで共通の工程で一括的に形成(以下では単に「同層から形成」という)される。例えば、各トランジスタTの半導体層は駆動トランジスタTDRの半導体層122と同層から形成され、各トランジスタTのゲート電極は駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層から形成される。図4においては、同層から形成された各導電体(電極や配線)に対して共通の態様のハッチングが付されている。なお、画素回路Pを構成する各トランジスタはボトムゲート構造でもよい。
【0028】
制御線群30(走査線31,第1制御線32,第2制御線33,発光制御線34)と給電線50とは駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層から形成される。また、初期化線60と信号線40とは駆動トランジスタTDRの配線層126(ソース電極およびドレイン電極)と同層から形成される。画素回路Pの各要素の接続の関係は図2を参照して説明した通りである。電気光学素子Eの陽極(画素電極)は、絶縁層L1を被覆する絶縁層の導通孔H1(図4)を介して発光制御トランジスタTELのソース電極に導通する。
【0029】
図6は、図4におけるVI−VI線の断面図であり、図7は、図4におけるVII−VII線の断面図である。図6および図7に示すように、保持容量C0の電極e0Aと保持容量C1の電極e1Bと保持容量C2の電極e2Bとは駆動トランジスタTDRの半導体層122と同層から形成される。一方、保持容量C0の電極e0Bと保持容量C1の電極e1Aと保持容量C2の電極e2Aとは駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層から形成される。図4に示すように、保持容量C1の電極e1Aと保持容量C2の電極e2Aとは給電線50に連続する。
【0030】
保持容量C2の電極e2Bは、配線層126と同層から形成された配線70を介して駆動トランジスタTDRのゲート電極124(保持容量C0の電極e0B)に導通する。すなわち、図6に示すように、配線70は、絶縁層L1とゲート絶縁層L0とを貫通する導通孔H2を介して保持容量C2の電極e2Bに導通するとともに、絶縁層L1を貫通する導通孔H3を介してゲート電極124に導通する。
【0031】
図6および図7に示すように、保持容量C2の電極e2Bは、基板12に垂直な方向からみて初期化線60に重なる領域S2を含む。保持容量C2の電極e2A(給電線50)は、電極e2Bと初期化線60との間に介在する。図6および図7に示すように、電極e2Aは、電極e2Bの領域S2(電極e2Bと初期化線60とが重なる領域)の全域と重なるように形成される。同様に、保持容量C1の電極e1Bは、図7に示すように、基板12に垂直な方向からみて初期化線60に重なる領域S1を含む。保持容量C1の電極e1A(給電線50)は、電極e1Bの領域S1の全域と重なるように電極e1Bと初期化線60との間に介在する。
【0032】
以上の形態においては、基板12に垂直な方向からみて容量素子C1(電極e1A,電極e1B)と容量素子C2(電極e2A,電極e2B)とに部分的に重なるように初期化線60が形成されるから、初期化線60が容量素子C1および容量素子C2に重ならない構成と比較して画素回路P(単位領域A)の面積が縮小される。したがって、素子部10に表示される画像が高精細化されるという利点がある。
【0033】
さらに、本形態においては、図6および図7に示したように、駆動トランジスタTDRのゲート電極124に導通する電極e2Bと初期化線60との間に電極e2A(給電線50)が介在する。したがって、初期化期間PRSにて保持容量C0に初期化線60を接続する(初期化線60に電流が流れる)ことで初期化電位VRSが変動した場合であっても、電極e2Bの電位(ゲート電位VG)の変動は抑制される。すなわち、電極e2Aは、初期化電位VRSの変動が電極e2Bの電位に与える影響を低減するシールドとして機能する。
【0034】
同様に、図7に示したように保持容量C1の電極e1Bと初期化線60との間に介在する電極e1A(給電線50)は、初期化電位VRSの変動が電極e1Bの電位に与える影響を低減するシールドとして機能する。したがって、初期化電位VRSが変動した場合であっても電極e1Bの電位(さらにはゲート電位VG)の変動は抑制される。
【0035】
以上のように本形態においては、駆動トランジスタTDRのゲート電位VGが高精度に設定されるから、初期化電位VRSの変動に起因した電気光学素子Eの階調の誤差が有効に低減されるという利点がある。すなわち、画素回路Pの高精細化とゲート電位VGの正確な制御とを両立することが可能である。
【0036】
ところで、図7に示すように電極e1Aおよび電極e2A(給電線50)は絶縁層L1を挟んで初期化線60に対向するから、絶縁層L1を誘電体として初期化線60と電極e1Aおよび電極e2Aとで構成される容量CPが初期化線60と給電線50との間に付随する。以上のように初期化線60には容量CPが付随するから、初期化電位VRSの変動そのものが抑制される。同様に、給電線50に容量CPが付随するから、給電線50から電気光学素子Eに駆動電流IDRが流れることで発生する電位VELの変動は抑制される。すなわち、容量CPは、初期化線60および給電線50における電位の変動を平滑化する手段としても機能する。
【0037】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各形態において第1実施形態と共通する要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0038】
図8は、本形態に係る画素回路Pの平面図であり、図9は、図8におけるIX−IX線の断面図である。図8および図9に示すように、保持容量C1の電極e1Bと初期化線60との間に電極e1Aが介在する構成や、保持容量C2の電極e2Bと初期化線60との間に電極e2Aが介在する構成は第1実施形態と同様である。
【0039】
図10は、保持容量C1や保持容量C2の近傍の平面図である。図10では初期化線60の外形が鎖線で図示されている。図8および図10に示すように、単位領域Aのうち保持容量C1と保持容量C2との間隙の領域には電極e0Cと電極e0Dとが形成される。電極e0Cは、保持容量C2の電極e2Bに連続する部分(したがって半導体層122と同層から形成される)であり、電極e2Bとともに配線70を介して駆動トランジスタTDRのゲート電極124に導通する。一方、電極e0Dは、駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層から形成され、導通孔H4を介して電極e0Aに導通する。以上の構成においては、電極e0Bと電極e0Cとが保持容量C0における駆動トランジスタTDR側の電極を構成し、電極e0Aと電極e0Dとが保持容量C0の選択トランジスタTSL側の電極を構成する。したがって、第1実施形態と比較して保持容量C0の容量値を充分に確保できるという利点がある。
【0040】
図9に示すように、電極e0Cの領域S3は、基板12に垂直な方向からみては初期化線60に重なる。電極e0Dは、電極e0Cと初期化線60との間に介在する。図9や図10に示すように、電極e0Dは、電極e0Cの領域S3(電極e0Cと初期化線60とが重なる領域)の全域と重なるように形成される。したがって、保持容量C1や保持容量C2と同様に、初期化線60の初期化電位VRSが変動した場合であっても電極e0Cの電位(ゲート電位VG)の変動は抑制される。すなわち、電極e0Dは、初期化電位VRSの変動が電極e0Cの電位に与える影響を低減するシールドとして機能する。また、初期化線60と電極e0Dとが絶縁層L1を挟んで対向することで容量CPが形成されるから、初期化電位VRSの変動が抑制されるという利点もある。
【0041】
なお、以上のように初期化線60と電極e0Dとで容量CPが形成されるから、初期化電位VRSの変動に連動して電極e0Dの電位が変動する可能性はある。しかし、電極e0Dの電位の変動に起因した駆動トランジスタTDRのゲート電極124の電位の変動量は、電極e0Dの電位の変動量を保持容量C0と保持容量C2との容量比に応じて分割した電圧に過ぎないから、初期化電位VRSの変動が直接的に電極e0Cの電位を変動させる場合(すなわち、電極e0Cと初期化線60との間に電極e0Dが介在しない場合)と比較すれば、ゲート電位VGの変動は確かに抑制される。
【0042】
<C:第3実施形態>
図11は、本発明の第3実施形態に係る画素回路Pの平面図である。図11に示すように、給電線50には分岐部55が形成される。分岐部55は、給電線50のうち初期化線60と交差する部位から保持容量C1や保持容量C2とは反対側に分岐してY方向に延在する。図11の構成においては、分岐部55と初期化線60とが絶縁層L1を介して対向することで容量が形成されるから、初期化線60と給電線50との間の容量CPを充分に確保できる。したがって、初期化線60や給電線50の電位の変動を有効に抑制できるという利点がある。なお、図11のように給電線50に分岐部55を形成した構成は第2実施形態にも同様に適用される。
【0043】
<D:第4実施形態>
図12は、本発明の第4実施形態に係る画素回路Pの平面図である。図12に示すように、初期化線60は部分62Aと部分62Bとを含んで構成される。部分62Aは、第1実施形態から第3実施形態の初期化線60と同形状の部分である。部分62Bは、駆動トランジスタTDRの半導体層122と同層から形成される。図12に示すように、部分62Bは、給電線50の分岐部55を挟んで部分62Aに重なる。すなわち、分岐部55は、初期化線60の部分62Aと部分62Bとの間に介在する。部分62Aは、絶縁層L1とゲート絶縁層L0とを貫通する導通孔H5を介して部分62Bに導通する。
【0044】
以上の構成において、分岐部55と初期化線60の部分62Aとは、両者間の絶縁層L1を誘電体として容量を形成する。また、分岐部55と部分62Bとは、ゲート絶縁層L0を誘電体として容量を形成する。以上のように初期化線60と給電線50との間の容量CPを充分に確保できるから、初期化線60や給電線50の電位の変動が有効に抑制される。特に、ゲート絶縁層L0は絶縁層L1と比較して膜厚が小さいから、分岐部55と部分62Bとで構成される容量に充分な容量値を容易に確保できるという利点がある。
【0045】
<E:第5実施形態>
図13は、本発明の第5実施形態に係る電気光学装置100における画素回路Pの回路図である。第1実施形態と同様に、給電線50から電気光学素子Eに供給される駆動電流IDRの経路上に駆動トランジスタTDRが配置される。駆動トランジスタTDRのゲートと給電線50との間には保持容量C2が介在する。すなわち、保持容量C2の電極e2Aが給電線50に接続されるとともに電極e2Bが駆動トランジスタTDRのゲートに接続される。
【0046】
選択トランジスタTSLは、駆動トランジスタTDRのゲートと信号線40との間に介在する。トランジスタTR4は、駆動トランジスタTDRのゲートと初期化線60との間に介在する。図13に示すように、本形態の1組の制御線群30は、走査信号GW[i]が供給される走査線31と制御信号Gc[i]が供給される制御線36とで構成される。選択トランジスタTSLのゲートは走査線31に接続され、トランジスタTR4のゲートは制御線36に接続される。
【0047】
図14は、画素回路Pの動作を示すタイミングチャートである。図14に示すように、制御線36に供給される制御信号Gc[i]は、走査線31の走査信号GW[i]がハイレベルとなる書込期間PWの開始前の初期化期間PRSにてハイレベルに設定され、初期化期間PRS以外の期間にてローレベルを維持する。
【0048】
初期化期間PRSでは、制御信号Gc[i]がハイレベルに設定されることでトランジスタTR4がオン状態に遷移するから、駆動トランジスタTDRのゲートには初期化線60からトランジスタTR4を介して初期化電位VRSが供給される。したがって、保持容量C2の両端間の電圧は、初期化期間PRSにて所定値(電位VELと初期化電位VRSとの差分)に初期化される。一方、書込期間PWでは、走査信号GW[i]がハイレベルに設定されることで選択トランジスタTSLがオン状態に変化するから、階調電位VD[j]が信号線40から駆動トランジスタTDRのゲートに供給される。駆動トランジスタTDRのゲート電位VGは、書込期間PWの経過後も保持容量C2によって保持される。したがって、階調電位VD[j]に応じた電流量の駆動電流IDRが電気光学素子Eに供給される。
【0049】
図15は、画素回路Pの平面図であり、図16は、図15におけるXVI−XVI線の断面図である。図15に示すように、単位領域A内には給電線50がX方向に延在するとともに駆動トランジスタTDRが配置される。給電線50は、駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層から形成される。走査線31は、駆動トランジスタTDRを挟んで給電線50とは反対側の領域でX方向に延在する。選択トランジスタTSLは、駆動トランジスタTDRと走査線31との間に配置される。また、駆動トランジスタTDRと給電線50との間には、トランジスタTR4と制御線36とが形成される。画素回路Pの各要素の接続の関係は図13を参照して説明した通りである。
【0050】
初期化線60は、部分64Aと部分64Bと部分64Cとを含んで構成される。部分64Aは、駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層(給電線50と同層)から形成され、部分64Bは、駆動トランジスタTDRの配線層126と同層から形成される。部分64Aは、給電線50を挟んで駆動トランジスタTDRとは反対側の領域でX方向(給電線50と平行な方向)に延在する。部分64Cは、トランジスタTR4の半導体層から連続する部分である。したがって、部分64Cは、駆動トランジスタTDRの半導体層122と同層から形成される。図15に示すように、部分64Bは、絶縁層L1を貫通する導通孔H6を介して部分64Aに導通するとともに、絶縁層L1とゲート絶縁層L0とを貫通する導通孔H7を介して部分64Cに導通する。
【0051】
部分64Bは、X方向に延在する部分64AからY方向に分岐してトランジスタTR4(ソース)まで連続する。したがって、図15および図16に示すように、部分64Bは、絶縁層L1を挟んで給電線50に重なる。また、部分64Cは、ゲート絶縁層L0を挟んで給電線50に重なる。すなわち、給電線50は、初期化線60の部分64Bと部分64Cとの間に介在する。したがって、図16に示すように、給電線50と初期化線60の部分64Bとは、両者間の絶縁層L1を誘電体として容量CP1を形成し、給電線50と初期化線60の部分64Cとは、両者間のゲート絶縁層L0を誘電体として容量CP2を形成する。容量CP1と容量CP2とは、初期化線60と給電線50との間に並列に配置される。したがって、初期化線60や給電線50における電位の変動を有効に抑制することが可能である。また、第3実施形態と同様に、絶縁層L1よりも薄いゲート絶縁層L0を容量CP2の誘電体として利用することで、容量CP2に充分な容量値が確保されるという利点もある。
【0052】
図15および図16に示すように、保持容量C2は電極e2Aと電極e2Bとで構成される。電極e2Bは、駆動トランジスタTDRの半導体層122と同層から形成され、配線72を介して駆動トランジスタTDRのゲート124に導通する。電極e2Aは、給電線50のうち基板12に垂直な方向からみて電極e2Bに重なる部分(したがって駆動トランジスタTDRのゲート電極124と同層から形成される)である。
【0053】
図15および図16に示すように、初期化線60の部分64Bは、基板12に垂直な方向からみて保持容量C2の電極e2Bに重なる。給電線50(電極e2A)は、電極e2Bのうち初期化線60に重なる領域S4の全域と重なるように初期化線60と電極e2Bとの間に介在する。以上の構成における給電線50(電極e2A)は、初期化線60における初期化電位VRSの変動が電極e2Bの電位(ゲート電位VG)に与える影響を低減するシールドとして機能する。したがって、第1実施形態から第4実施形態と同様に、保持容量C2を初期化線60と重ねることで画素回路Pの小型化を実現しながら、駆動トランジスタTDRのゲート電位VGを正確に制御できるという利点がある。
【0054】
<F:変形例>
以上の各形態は様々に変形される。各形態に対する変形の具体的な態様を以下に例示する。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
【0055】
(1)変形例1
画素回路Pの構成は以上の例示に限定されない。保持容量(図2の保持容量C0〜C2や図11の保持容量C2)の電圧に応じて電気光学素子Eの階調を制御する駆動トランジスタTDRと、初期化線60を保持容量に導通させることで両端間の電圧を初期化する手段(例えばトランジスタTR1〜TR4)とを具備する画素回路Pが本発明では好適に採用され、他の要素の具体的な構成は本発明において不問である。
【0056】
(2)変形例2
以上の各形態においては初期化線60や給電線50を画素回路P内のトランジスタ(例えば駆動トランジスタTDR)の要素と同層から形成したが、初期化線60や給電線50はトランジスタとは別個の工程で形成され得る。ただし、初期化線60や給電線50を画素回路P内のトランジスタの要素と同層から形成した構成によれば、画素回路Pを形成する工程が簡素化されるという利点がある。
【0057】
(3)変形例3
第2実施形態(図8)においては、保持容量C1と保持容量C2と電極e0Cおよび電極e0Dとが初期化線60に重なる構成を例示したが、保持容量C1や保持容量C2が初期化線60に重ならない構成(電極e0Cおよび電極e0Dが初期化線60に重なる構成)も採用される。
【0058】
(4)変形例4
有機EL素子は電気光学素子Eの例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を配列した電気光学装置にも以上の各態様と同様に本発明が適用される。本発明における電気光学素子は、電流電流IDRの電流量に応じて階調(輝度)が変化する要素である。
【0059】
<G:応用例>
次に、以上の各態様に係る電気光学装置100を利用した電子機器について説明する。図17ないし図19には、電気光学装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
【0060】
図17は、電気光学装置100を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。電気光学装置100は有機EL素子を電気光学素子Eとして使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0061】
図18は、電気光学装置100を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。
【0062】
図19は、電気光学装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が電気光学装置100に表示される。
【0063】
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図17から図19に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、電子写真方式の画像形成装置において露光により感光体ドラムに潜像を形成する露光装置としても本発明の電気光学装置は利用される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置のブロック図である。
【図2】画素回路の回路図である。
【図3】電気光学装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】画素回路Pの平面図である。
【図5】図4におけるV−V線の断面図である。
【図6】図4におけるVI−VI線の断面図である。
【図7】図4におけるVII−VII線の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態における画素回路の平面図である。
【図9】図8におけるIX−IX線の断面図である。
【図10】保持容量の近傍の平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態における画素回路の平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態における画素回路の平面図である。
【図13】本発明の第5実施形態における画素回路の回路図である。
【図14】電気光学装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図15】画素回路の平面図である。
【図16】図15におけるXVI−XVI線の断面図である。
【図17】電子機器(パーソナルコンピュータ)の斜視図である。
【図18】電子機器(携帯電話機)の斜視図である。
【図19】電子機器(携帯情報端末)の斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
100……電気光学装置、10……素子部、12……基板、22……走査線駆動回路、24……信号線駆動回路、26……電位生成回路、30……制御線群、31……走査線、32……第1制御線、33……第2制御線、34……発光制御線、36……制御線、40……信号線、50……給電線、60……初期化線、51……分岐部、122……半導体層、124……ゲート電極、126……配線層、E……電気光学素子、A……単位領域、TDR……駆動トランジスタ、TEL……発光制御トランジスタ、TSL……選択トランジスタ、TR1〜TR4……トランジスタ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素回路と、
前記複数の画素回路に初期化電位を供給する初期化線とを具備し、
前記複数の画素回路の各々は、
駆動電流の電流量に応じた階調となる電気光学素子と、
前記信号線の電位に応じて両端間の電圧が設定される保持容量と、
前記初期化線を前記保持容量に導通させることで前記両端間の電圧を初期化する初期化手段と、
前記保持容量の電圧に応じて前記駆動電流の電流量を制御する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲートに導通するとともに前記初期化線に重なる第1導電体と、
前記第1導電体と前記初期化線との間に介在する第2導電体とを含む
電気光学装置。
【請求項2】
前記駆動トランジスタは、
ゲート絶縁層を挟んで相対向する半導体層およびゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う絶縁層の面上に形成されて前記半導体層に導通する配線層とを含み、
前記初期化線は、前記配線層と同層から形成され、
前記第1導電体は、前記半導体層と同層から形成され、
前記第2導電体は、前記ゲート電極と同層から形成される
請求項1の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2導電体は、前記電気光学素子に駆動電流を供給する給電線を含む
請求項1または請求項2の電気光学装置。
【請求項4】
前記保持容量は、前記信号線から階調電位が供給される第1電極と、前記駆動トランジスタのゲートに接続された第2電極とを含み、
前記第2導電体は、前記第1電極に導通する部分を含む
請求項1から請求項3の何れかの電気光学装置。
【請求項5】
前記第2導電体は、前記第1導電体に重なる部分以外の部分において前記初期化線に重なる
請求項1から請求項4の何れかの電気光学装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかの電気光学装置を具備する電子機器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−19951(P2010−19951A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178722(P2008−178722)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】