説明

電気光学装置および電子機器

【課題】右眼用画像と左眼用画像との混在が観察者に知覚されることを抑制しながら表示画像の明度を向上させる。
【解決手段】複数の画素PIXは、複数の走査線32および複数の信号線34の各交差に対応して配置され、走査線32の選択時における信号線34の階調電位X[n]に応じた階調を表示する液晶素子CLを含む。駆動回路40は、各表示期間Pの単位期間U1では、走査線32を第1組ずつ選択期間H毎に選択するとともに奇数行の各画素PIXの指定階調に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給し、単位期間U2では、第1組とは1本ずれた組合せで複数の走査線32を区分した第2組を選択期間H毎に選択するとともに偶数行の各画素PIXの指定階調に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察者が立体感を知覚するように相互に視差が付与された右眼用画像と左眼用画像とを表示する技術に関連する。
【背景技術】
【0002】
右眼用画像と左眼用画像とを時分割で交互に表示するフレームシーケンシャル方式の立体視方法が従来から提案されている。右眼用画像および左眼用画像の一方が他方に変化する期間では右眼用画像と左眼用画像とが混在するから、観察者が画像を視認すると明確な立体感を認識することが困難となる(クロストーク)。以上の問題を解決するために、例えば特許文献1には、右眼用画像および左眼用画像の一方が他方に変化する期間(すなわち右眼用画像と左眼用画像とが混在する期間)において立体視用眼鏡の右眼用シャッターおよび左眼用シャッターの双方を閉状態として観察者に画像を視認させない技術が開示されている。
【0003】
具体的には、図12に示すように、右眼用画像に対応する右眼用期間と左眼用画像に対応する左眼用期間とが交互に設定される。右眼用期間の前半期間では表示画像が左眼用画像から右眼用画像に更新されるとともに後半期間では右眼用画像が表示され、左眼用期間の前半期間では表示画像が右眼用画像から左眼用画像に更新されるとともに後半期間では左眼用画像が表示される。右眼用期間および左眼用期間の各々の前半期間では、右眼用シャッターおよび左眼用シャッターの双方が閉状態に制御される。したがって、右眼用画像と左眼用画像との混在(クロストーク)は観察者に知覚されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−25436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術のもとでは、観察者が実際に画像を視認できる期間が、右眼用期間および左眼用期間の各々における後半期間(すなわち約半分)に制限される。したがって、表示画像の明度を充分に確保することが困難であるという問題がある。また、右眼用画像および左眼用画像を交互に表示する立体視(3D)表示では、画像表示のフレーム周波数を平面視(2D)表示の2倍以上となるように画像信号の転送速度や駆動回路の動作速度を高速化する必要があるため、駆動回路の回路規模や製造コストが増大するという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、右眼用画像と左眼用画像との混在が観察者に知覚されることを抑制しながら、動作速度の高速化を必要とせずに表示画像の明度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、右眼用画像と左眼用画像とを表示期間毎に交互に表示する電気光学装置であって、交互に配列された第1走査線および第2走査線を含む複数の走査線と、複数の走査線に交差する複数の信号線と、複数の走査線と複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素と、右眼用画像の表示期間および左眼用画像の表示期間の各々において、当該表示期間の第1単位期間では、相互に隣合う2本ずつ複数の走査線を区分した第1組を選択期間毎に順次に選択し、第1単位期間の経過後の第2単位期間では、第1組から1本ずれた組合せで複数の走査線を相互に隣合う2本ずつ区分した第2組を選択期間毎に順次に選択する走査線駆動回路と、右眼用画像の表示期間および左眼用画像の表示期間の各々において、第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第2組のうち第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給する信号線駆動回路とを具備する。
【0007】
以上の構成においては、各表示期間の第1単位期間では走査線を2本ずつ順次に選択して各画素に階調電位を供給するから、各表示期間にて走査線を1本ずつ順次に選択して各画素に階調電位を供給する構成と比較して、右眼用画像と左眼用画像とが混在する期間が短縮される。したがって、右眼用画像と左眼用画像とが混在する期間内で立体視用眼鏡の右眼用シャッターおよび左眼用シャッターの双方を閉状態に制御することで右眼用画像と左眼用画像との混在が観察者に知覚されることを抑制する場合でも、表示画像の明度を向上させることが可能である。また、第1単位期間および第2単位期間の各々では走査線が2本ずつ選択されるから、右眼用画像および左眼用画像の画像信号の転送速度や駆動回路(走査線駆動回路および信号線駆動回路)の動作速度を平面視(2D)表示と比較して高速化する必要がない。したがって、例えば平面視画像に使用される駆動回路と同等の動作速度の駆動回路で立体視表示を実現できる(すなわち、駆動回路の回路規模や製造コストを低減できる)という利点がある。なお、第1単位期間および第2単位期間の各々では表示画像の解像度が低下するが、第1単位期間の各選択期間では第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位が第1組の各画素に供給され、第1単位期間の経過後の第2単位期間の各選択期間では、第1組とは1本ずれた第2組の各画素に、第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位が供給される。したがって、各単位期間における表示画像の解像度の低下が観察者に知覚され難いという利点もある。
【0008】
本発明の好適な態様は、右眼用シャッターと左眼用シャッターとを含む立体視用眼鏡で立体視される右眼用画像および左眼用画像を表示する電気光学装置であって、各表示期間のうち第1単位期間の少なくとも一部を含む期間(第1単位期間の少なくとも一部に加えて第2単位期間の一部を含む場合も包含する)にて右眼用シャッターおよび左眼用シャッターの双方を閉状態に制御し、右眼用画像の各表示期間における第2単位期間の少なくとも一部を含む期間(第2単位期間の少なくとも一部に加えて第1単位期間の一部を含む場合も包含する)にて右眼用シャッターを開状態に制御するとともに左眼用シャッターを閉状態に制御し、左眼用画像の各表示期間における第2単位期間の少なくとも一部を含む期間(第2単位期間の少なくとも一部に加えて第1単位期間の一部を含む場合も包含する)にて左眼用シャッターを開状態に制御するとともに右眼用シャッターを閉状態に制御する眼鏡制御回路を具備する。
【0009】
本発明の第1態様において、走査線駆動回路は、相前後する右眼用画像の表示期間と左眼用画像の表示期間とを含む複数の制御期間の各々において、各表示期間の第1単位期間では第1組を選択期間毎に順次に選択するとともに第2単位期間では第2組を選択期間毎に順次に選択し、信号線駆動回路は、複数の制御期間の各々において、各表示期間の第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第2組のうち第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、複数の制御期間のうちの第1制御期間では、基準電圧に対する階調電位の極性を、各表示期間の第1単位期間にて第1極性に設定するとともに各表示期間の第2単位期間にて第1極性とは逆の第2極性に設定し、複数の制御期間のうち第1制御期間の直後の第2制御期間では、基準電圧に対する階調電位の極性を、各表示期間の第1単位期間にて第2極性に設定するとともに各表示期間の第2単位期間にて第1極性に設定する。第1態様の具体例は例えば第1実施形態として後述される。
【0010】
ところで、第1態様では、第1制御期間と第2制御期間との境界を挟む2個の単位期間にて階調電位が同極性に維持される。したがって、階調電位の極性の相違に起因したフリッカが観察者に知覚され易い。そこで、本発明の第2態様において、走査線駆動回路は、相前後する右眼用画像の表示期間と左眼用画像の表示期間とを含む複数の制御期間のうちの第1制御期間では、各表示期間の第1単位期間にて第1組を選択期間毎に順次に選択するとともに各表示期間の第2単位期間にて第2組を選択期間毎に順次に選択し、複数の選択期間のうち第1制御期間の直後の第2制御期間では、各表示期間の第1単位期間にて第2組を選択期間毎に順次に選択するとともに各表示期間の第2単位期間にて第1組を選択期間毎に順次に選択し、信号線駆動回路は、第1制御期間では、各表示期間の第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給するとともに、各表示期間の第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第2組のうち第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、第2制御期間では、各表示期間の第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第2組のうち第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給するとともに、各表示期間の第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、複数の制御期間の各々において、基準電圧に対する階調電位の極性を、各表示期間の第1単位期間にて第1極性に設定するとともに各表示期間の第2単位期間にて第1極性とは逆の第2極性に設定する。以上の態様では、階調電位の極性が単位期間毎に反転されるから、階調電位の極性の相違に起因したフリッカが観察者に知覚され難いという利点がある。また、右眼用画像または左眼用画像の指定階調に応じた階調電位が正極性に設定される時間長と負極性に設定される時間長とが均等化されるから、画素に対する直流電圧の印加を抑制できるという利点がある。なお、第2態様の具体例は例えば第3実施形態として後述される。
【0011】
選択期間にて任意の本数Zの走査線を同時に選択する場合を想定すると、本発明の電気光学装置は、右眼用画像と左眼用画像とを表示期間内に交互に表示する電気光学装置であって、相互に交差する複数の走査線および複数の信号線と、複数の走査線と複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素と、各表示期間において、当該表示期間のZ個(Zは2以上の自然数)の単位期間のうち第1番目の第1単位期間では、相互に隣合うZ本ずつ複数の走査線を区分した第1組を選択期間毎に順次に選択し、当該表示期間のうち第z単位期間(2≦z≦Z)では、第1組から(z-1)本ずれた組合せで複数の走査線を相互に隣合うZ本ずつ区分した第z組を選択期間毎に順次に選択する走査線駆動回路と、各表示期間において、当該表示期間の第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、当該表示期間の第z単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第z組のうち第z走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給する信号線駆動回路とを具備する構成として表現される。
【0012】
例えば選択期間にて3本の走査線を選択する構成(Z=3)において、走査線駆動回路は、各表示期間に含まれる第1単位期間から第3単位期間のうちの第1単位期間では、相互に隣合う3本ずつ複数の走査線を区分した第1組を選択期間毎に順次に選択し、第1単位期間の経過後の第2単位期間では、第1組から1本ずれた組合せで複数の走査線を相互に隣合う3本ずつ区分した第2組を選択期間毎に順次に選択し、第2単位期間の経過後の第3単位期間では、第1組から2本ずれた組合せで複数の走査線を相互に隣合う3本ずつ区分した第3組を選択期間毎に順次に選択し、信号線駆動回路は、各表示期間において、第1単位期間の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、第2単位期間の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第2組のうち第1走査線とは異なる第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給し、第3単位期間の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第3組のうち第1走査線および第2走査線とは異なる第3走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を各信号線に供給する。以上の態様では、右眼用画像の表示期間の第2単位期間および第3単位期間にて右眼用シャッターを開状態に制御し、左眼用画像の表示期間の第2単位期間および第3単位期間にて左眼用シャッターを開状態に制御することで、表示画像の明度を高めることが可能である。以上の態様の具体例において、信号線駆動回路は、基準電位に対する階調電位の極性を、相前後する2個の単位期間にて同極性に設定するとともに2個の単位期間を単位として反転させる。以上の態様の具体例は、例えば第4実施形態として後述される。
【0013】
以上の各態様に係る電気光学装置は表示体として各種の電子機器に採用される。例えば、以上の各態様に係る電気光学装置と、眼鏡制御回路が制御する立体視用眼鏡とを具備する立体視表示装置が、本発明の電子機器として例示される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る立体視表示装置のブロック図である。
【図2】画素回路の回路図である。
【図3】立体視表示装置の動作の説明図である。
【図4】走査線駆動回路の動作の説明図である。
【図5】対比例の動作の説明図である。
【図6】第2実施形態の動作の説明図である。
【図7】第3実施形態の動作の説明図である。
【図8】第4実施形態の動作の説明図である。
【図9】電子機器(投射型表示装置)の斜視図である。
【図10】電子機器(パーソナルコンピュータ)の斜視図である。
【図11】電子機器(携帯電話機)の斜視図である。
【図12】従来の技術における立体視動動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る立体視表示装置100のブロック図である。立体視表示装置100は、観察者に立体感を知覚させる立体視画像をアクティブシャッター方式で表示する電子機器であり、電気光学装置10と立体視用眼鏡20とを具備する。電気光学装置10は、相互に視差が付与された右眼用画像GRと左眼用画像GLとを時分割で交互に表示する。
【0016】
立体視用眼鏡20は、電気光学装置10が表示する立体視画像の視認時に観察者が装着する眼鏡型の器具であり、観察者の右眼の前方に位置する右眼用シャッター22と左眼の前方に位置する左眼用シャッター24とを具備する。右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の各々は、照射光を透過させる開状態(透過状態)と照射光を遮断する閉状態(遮光状態)とに制御される。例えば印加電圧に応じて液晶の配向方向を変化させることで開状態および閉状態の一方から他方に変化する液晶シャッターが右眼用シャッター22および左眼用シャッター24として採用され得る。
【0017】
図1の電気光学装置10は、電気光学パネル12と制御回路14とを具備する。電気光学パネル12は、複数の画素(画素回路)PIXが配列された画素部30と、各画素PIXを駆動する駆動回路40とを含む。画素部30には、x方向に延在するM本の走査線32と、x方向に交差するy方向に延在するN本の信号線34とが形成される(MおよびNは自然数)。画素部30内の複数の画素PIXは、走査線32と信号線34との各交差に対応して縦M行×横N列の行列状に配列される。
【0018】
駆動回路40は、走査線駆動回路42と信号線駆動回路44とを具備する。走査線駆動回路42は、各走査線32に対応する走査信号Y[1]〜Y[M]の供給で各走査線32を順次に選択する。走査信号Y[m](m=1〜M)が所定の選択電位に設定されることで第m行の走査線32が選択される。信号線駆動回路44は、走査線駆動回路42による走査線32の選択に同期してN本の信号線34の各々に階調電位X[1]〜X[N]を供給する。階調電位X[n](n=1〜N)は、外部回路から供給される画像信号が各画素PIXに指定する階調(以下「指定階調」という)に応じて可変に設定される。所定の基準電位に対する階調電位X[n]の極性は周期的に反転する。
【0019】
図2は、各画素PIXの回路図である。図2に示すように、各画素PIXは、液晶素子CLと選択スイッチSWとを含む。液晶素子CLは、相互に対向する画素電極62および共通電極64と両電極間の液晶66とで構成された電気光学素子である。画素電極62と共通電極64との間の印加電圧に応じて液晶66の透過率(表示階調)が変化する。選択スイッチSWは、走査線32にゲートが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスターで構成され、液晶素子CLと信号線34との間に介在して両者の電気的な接続(導通/絶縁)を制御する。走査信号Y[m]が選択電位に設定されることで第m行の各画素PIXにおける選択スイッチSWが同時にオン状態に遷移する。各画素PIX(液晶素子CL)は、選択スイッチSWがオン状態に制御されたとき(すなわち走査線32の選択時)の信号線34の階調電位X[n]に応じた階調を表示する。なお、液晶素子CLに並列に補助容量を接続した構成も採用され得る。
【0020】
図1の制御回路14は、電気光学パネル12を制御する表示制御回路142と、立体視用眼鏡20を制御する眼鏡制御回路144を具備する。なお、表示制御回路142と眼鏡制御回路144とを単体の集積回路に搭載した構成や、表示制御回路142と眼鏡制御回路144とを別体の集積回路に分散した構成が採用され得る。表示制御回路142は、相互に視差が付与された右眼用画像GRと左眼用画像GLとが時分割で画素部30に表示されるように駆動回路40を制御する。具体的には、表示制御回路142は、駆動回路40が以下の動作を実行するように駆動回路40を制御する。
【0021】
図3は、電気光学装置10の動作の説明図である。電気光学装置10の動作期間は、複数の制御期間T(T1,T2)に区分される。制御期間T1と制御期間T2とは時間軸上で交互に配列する。各制御期間T(T1,T2)は、所定長の2個の表示期間P(右眼用表示期間PRおよび左眼用表示期間PL)に区分される。右眼用表示期間PRでは画素部30に右眼用画像GRが表示され、左眼用表示期間PLでは画素部30に左眼用画像GLが表示される。右眼用表示期間PRと左眼用表示期間PLとは時間軸上で交互に配列する。すなわち、相前後する2個の表示期間P(右眼用表示期間PRと左眼用表示期間PLとの組)で1個の制御期間T(T1,T2)が構成される。各表示期間P(PR,PL)は、相等しい時間長の2個の単位期間U(U1,U2)に区分される。単位期間U2は単位期間U1に後続する。
【0022】
図4は、各表示期間P(PR,PL)での走査線駆動回路42の動作の説明図である。図4に示すように、各表示期間Pの単位期間U1では、走査線駆動回路42は、M本の走査線32を相互に隣合う2本ずつ区分した複数の組(以下「第1組」という)の各々を選択期間H毎に順次に選択する。第1組は、偶数行(第2k行)の1本の走査線32と、その走査線32に対してy方向の負側に隣合う奇数行(第(2k-1)行)の1本の走査線32とで構成される(kは自然数)。走査線駆動回路42は、単位期間U1内の1個の選択期間Hにて走査信号Y[2k-1]および走査信号Y[2k]を選択電位に設定することで第1組の2本の走査線32を同時に選択する。例えば、単位期間U1内の第1番目の選択期間Hでは第1行および第2行の2本の走査線32が同時に選択され、単位期間U1内の第2番目の選択期間Hでは第3行および第4行の2本の走査線32が同時に選択される。
【0023】
各表示期間Pの単位期間U2では、走査線駆動回路42は、第1組とは異なる組合せでM本の走査線32を相互に隣合う2本ずつ区分した複数の組(以下「第2組」という)の各々を選択期間H毎に順次に選択する。第2組は、偶数行(第2k行)の1本の走査線32と、その走査線32に対してy方向の正側に隣合う奇数行(第(2k+1)行)の1本の走査線32とで構成される。すなわち、第1組と第2組とは、走査線32の1本分だけy方向にずれた関係にある。走査線駆動回路42は、単位期間U2内の1個の選択期間Hにて走査信号Y[2k]および走査信号Y[2k+1]を選択電位に設定することで第2組の2本の走査線32を同時に選択する。例えば、単位期間U2内の第1番目の選択期間Hでは第2行および第3行の2本の走査線32が同時に選択され、単位期間U2内の第2番目の選択期間Hでは第4行および第5行の2本の走査線32が同時に選択される。なお、第1実施形態での説明では便宜的に、単位期間U2内で第1行目および第M行目の走査線32が選択されない場合を例示するが、単位期間U2にて第1行目および第M行目の走査線32を選択することも可能である。
【0024】
信号線駆動回路44は、右眼用画像GRの画像信号に応じた階調電位X[1]〜X[N]を右眼用表示期間PR内の選択期間H毎に順次に各信号線34に供給し、左眼用画像GLの画像信号に応じた階調電位X[1]〜X[N]を左眼用表示期間PL内の選択期間H毎に順次に各信号線34に供給する。図3には、所定の基準電位(例えば共通電極64の電位)に対する各階調電位X[n]の極性(書込極性)の時間変化が図示されている。階調電位X[n]は液晶素子CLの画素電極62に供給されるから、図3に例示された極性は、液晶素子CLに対する印加電圧の極性と同視され得る。
【0025】
図3に示すように、信号線駆動回路44は、各制御期間T内で単位期間U(U1,U2)毎に階調電位X[n]の極性を反転させ、かつ、相前後する各制御期間Tでは各単位期間Uでの階調電位X[n]を逆極性に設定する。具体的には、制御期間T1では、階調電位X[n]の極性は、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて正極性(+)に設定されるとともに各表示期間Pの単位期間U2にて負極性(-)に設定される。他方、制御期間T1の直後の制御期間T2では、階調電位X[n]の極性は、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて負極性(-)に設定されるとともに各表示期間Pの単位期間U2にて正極性(+)に設定される。
【0026】
画像信号が規定する指定階調と各選択期間Hでの階調電位X[n]との関係を以下に詳述する。各制御期間T(T1,T2)内の右眼用表示期間PRの単位期間U1のうち、第1組を構成する第(2k-1)行および第2k行の2本の走査線32が選択される選択期間Hでは、信号線駆動回路44は、右眼用画像GRのうち第(2k-1)行の各画素PIXの指定階調GR[2k-1]に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。したがって、図3の部分(R1)に示す通り、第1組を構成する第(2k-1)行および第2k行の各画素PIXに対して、第(2k-1)行の画素PIXの指定階調GR[2k-1]に応じた階調電位X[n]が共通に供給される。例えば、単位期間U1内の第1番目の選択期間Hでは、右眼用画像GRのうち第1行の各画素PIXの指定階調GR[1]に応じた階調電位X[n]が第1行および第2行の各画素PIXに供給され、第2番目の選択期間Hでは、右眼用画像GRのうち第3行の各画素PIXの指定階調GR[3]に応じた階調電位X[n]が第3行および第4行の各画素PIXに供給される。以上のように単位期間U1では、y方向に相互に隣合う2個の画素PIXに共通の階調電位X[n]が供給されるから、右眼用表示期間PRの単位期間U1が終了する時点では、y方向の解像度を半分に低下させた右眼用画像GRが画素部30に表示される。
【0027】
各制御期間T(T1,T2)内の右眼用表示期間PRの単位期間U2のうち、第2組を構成する第2k行および第(2k+1)行の2本の走査線32が選択される選択期間Hでは、信号線駆動回路44は、右眼用画像GRのうち第2k行の各画素PIXに対応する指定階調GR[2k]に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。したがって、図3の部分(R2)に示す通り、第2組を構成する第2k行および第(2k+1)行の各画素PIXに対して、第2k行の各画素PIXの指定階調GR[2k]に応じた階調電位X[n]が共通に供給される。例えば、単位期間U2内の第1番目の選択期間Hでは、右眼用画像GRのうち第2行の各画素PIXの指定階調GR[2]に応じた階調電位X[n]が第2行および第3行の各画素PIXに供給され、第2番目の選択期間Hでは、右眼用画像GRのうち第4行の各画素PIXの指定階調GR[4]に応じた階調電位X[n]が第4行および第5行の各画素PIXに供給される。なお、単位期間U2にて第1行および第M行を選択する構成では、例えば第1行および第M行が選択される選択期間Hにて所定電位(例えば中間調に対応する電位)の階調電位X[n]が各信号線34に供給される。以上のように、単位期間U2では、y方向に隣合う2個の画素PIXに共通の階調電位X[n]が供給されるから、右眼用表示期間PRの単位期間U2が終了する時点では、y方向の解像度を半分に低下させた右眼用画像GRが画素部30に表示される。
【0028】
各制御期間T(T1,T2)の左眼用表示期間PLでは右眼用表示期間PR内と同様の動作が実行される。すなわち、左眼用表示期間PLの単位期間U1内の各選択期間Hでは、図3の部分(L1)に示す通り、第(2k-1)行および第2k行で構成される第1組の各画素PIXに対して第(2k-1)行の各画素PIXの指定階調GL[2k-1]に応じた階調電位X[n]が供給される。また、左眼用表示期間PLの単位期間U2内の各選択期間Hでは、図3の部分(L2)に示す通り、第2k行および第(2k+1)行で構成される第2組の各画素PIXに対して第2k行の各画素PIXの指定階調GL[2k]に応じた階調電位X[n]が供給される。
【0029】
以上の説明から理解されるように、右眼用表示期間PRの単位期間U1では、直前の左眼用表示期間PLで表示された左眼用画像GLが第1組毎(2行毎)に順次に右眼用画像GRに更新され、左眼用表示期間PLの単位期間U1では、直前の右眼用表示期間PRで表示された右眼用画像GRが第1組毎に順次に左眼用画像GLに更新される。すなわち、各表示期間Pの単位期間U1では右眼用画像GRと左眼用画像GLとが混在する。
【0030】
図1の制御回路14の眼鏡制御回路144は、立体視用眼鏡20の右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の各々の状態(開状態/閉状態)を電気光学パネル12の動作に同期して制御する。具体的には、眼鏡制御回路144は、図3に示すように、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の双方を閉状態に制御する。また、眼鏡制御回路144は、右眼用表示期間PRの単位期間U2にて右眼用シャッター22を開状態に制御するとともに左眼用シャッター24を閉状態に制御し、左眼用表示期間PLの単位期間U2にて左眼用シャッター24を開状態に制御するとともに右眼用シャッター22を閉状態に制御する。
【0031】
したがって、右眼用表示期間PRの単位期間U2で表示される右眼用画像GRは右眼用シャッター22を透過して観察者の右眼に到達するとともに左眼用シャッター24で遮断される。他方、左眼用表示期間PLの単位期間U2で表示される左眼用画像GLは左眼用シャッター24を透過して観察者の左眼に到達するとともに右眼用シャッター22で遮断される。右眼用シャッター22を透過した右眼用画像GRを右眼で視認するとともに左眼用シャッター24を透過した左眼用画像GLを左眼で視認することで、観察者は表示画像に立体感を知覚する。
【0032】
前述の通り各表示期間Pの単位期間U1では右眼用画像GRと左眼用画像GLとが混在するが、図3を参照して説明した通り、各表示期間Pの単位期間U1では右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の双方が閉状態に維持されるから、右眼用画像GRと左眼用画像GLとの混在(クロストーク)は観察者に知覚されない。すなわち、右眼用画像GRと左眼用画像GLとが確実に右眼および左眼に分離されるから、観察者に明確な立体感を知覚させることが可能である。
【0033】
以上に説明した第1実施形態では、単位期間U1にて走査線32を2本単位で選択して各画素PIXに階調電位X[n]を供給する。したがって、各表示期間Pにて走査線32を1行単位で選択期間H毎に順次に選択して各画素PIXに階調電位X[n]を供給する構成と比較すると、右眼用画像GRと左眼用画像GLとが混在する期間(すなわち右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の双方を閉状態に維持すべき期間)の時間長が短縮される。すなわち、表示期間Pのうち右眼用シャッター22または左眼用シャッター24を開状態に維持できる時間長が充分に確保される。したがって、観察者が認識する表示画像の明度を向上することが可能である。
【0034】
また、第1実施形態では、各表示期間Pの単位期間U1および単位期間U2の各々において走査線32を2本単位で選択して各画素PIXに階調電位X[n]を供給する。したがって、画像信号の転送速度や駆動回路40の動作速度を、表示期間Pを周期として表示画像を更新する構成と同等に維持できるという利点もある。
【0035】
なお、各表示期間Pの単位期間U1および単位期間U2の各々では、画像信号が示す本来の表示画像のy方向の解像度を半減させた画像が表示される。しかし、右眼用表示期間PR内の単位期間U1にて奇数行の指定階調GR[2k-1]に応じて第1組毎に表示された画像が、直後の単位期間U2では、第1組とは1行分だけずれた第2組を単位として偶数行の指定階調GR[2k]に応じた画像に順次に更新される。左眼用表示期間PLにおいても同様である。したがって、各単位期間Uにおける表示画像の解像度の低下が観察者に知覚され難いという利点がある。
【0036】
ところで、図5に示すように、各表示期間P(PR,PL)内の単位期間U1において第1実施形態と同様に第1組の各画素PIXに階調電位X[n]を順次に供給し、各表示期間Pの単位期間U2では、偶数行の指定階調GR[2k]に応じた階調電位X[n]を偶数行の各画素PIXに供給する構成(以下「対比例」という)も想定され得る。すなわち、単位期間U2の第1番目の選択期間Hでは指定階調GR[2]に応じた階調電位X[n]が第2行の各画素PIXに供給され、単位期間U2の第2番目の選択期間Hでは指定階調GR[4]に応じた階調電位X[n]が第4行の各画素PIXに供給される。対比例によれば、各単位期間U2の終了の時点で本来の解像度の画像を表示できるという利点がある。
【0037】
対比例の構成のもとで、相前後する単位期間U1と単位期間U2とで階調電位X[n]の極性を反転させた場合、各画素PIXの液晶素子CLに対する印加電圧の極性が奇数行と偶数行とで逆極性となるから、奇数行と偶数行の間の横電界に起因した液晶66の配向不良が発生する可能性がある。画素部30内に各画素PIXが高密度で配置された構成(例えば投射型表示装置に採用される電気光学装置10)では以上の傾向が特に顕著である。したがって、対比例の構成では、図5に示すように、相前後する単位期間U1と単位期間U2とで階調電位X[n]を同極性に設定する必要がある。他方、指定階調が共通する場合でも、階調電位X[n]が正極性に設定された場合と負極性に設定された場合とでは、液晶素子CLに対する印加電圧(各画素PIXの表示階調)は相違する場合がある。そして、対比例のように単位期間Uの2個分にわたる長い周期で階調電位X[n]の極性が反転される構成では、階調電位X[n]の極性差に起因した表示階調の変動(すなわちフリッカ)が観察者に知覚され易いという問題がある。
【0038】
単位期間U2にて1行おきに各画素PIXに階調電位X[n]が供給される対比例とは異なり、第1実施形態では、単位期間U1および単位期間U2の双方において2行単位で各画素PIXに階調電位X[n]が供給される。したがって、図3に例示した通り、単位期間U1と単位期間U2とで階調電位X[n]を逆極性に設定した場合でも、横電界に起因した液晶66の配向不良は対比例と比較して発生し難い。すなわち、第1実施形態によれば、階調電位X[n]の極性反転の周期を短縮する(単位期間U毎に反転させる)ことで表示画像のフリッカを抑制しながら、横電界に起因した液晶66の配向不良を低減できるという利点がある。
【0039】
<第2実施形態>
第1実施形態のように各単位期間Uでの階調電位X[n]の極性を制御期間T毎に反転させた場合、図3に示すように、各制御期間Tの境界を挟む2個の単位期間Uの時間長τにわたり液晶素子CLの印加電圧が同極性に維持される。しかし、液晶素子CLに同極性の電圧を印加する期間が長いほど、階調電位X[n]の極性差に起因した前述のフリッカは観察者に知覚され易い。第2実施形態は、第1実施形態で発生し得る以上の問題の解決を目的とした形態である。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0040】
図6は、第2実施形態における電気光学装置10の動作の説明図である。図6に示すように、走査線駆動回路42が走査線32を選択期間H毎に選択する動作や各選択期間Hにて階調電位X[n]の生成に適用される指定階調は第1実施形態と同様である。
【0041】
図6に示すように、信号線駆動回路44は、制御期間T1および制御期間T2の双方において、階調電位X[n]の極性を、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて正極性(+)に設定し、各表示期間Pの単位期間U2にて負極性(-)に設定する。したがって、階調電位X[n]の極性は常に単位期間U(U1,U2)毎に反転し、階調電位X[n]が同極性となる単位期間Uは時間軸上で連続しない。すなわち、液晶素子CLの印加電圧が同極性に維持される時間長は単位期間Uの1個分である。したがって、第2実施形態では、単位期間Uの2個分の時間長τにわたり液晶素子CLに同極性の電圧が印加される第1実施形態と比較すると、階調電位X[n]の極性差に起因したフリッカが観察者に知覚され難いという利点がある。
【0042】
ところで、第2実施形態では、右眼用画像GRのうち奇数行の指定階調GR[2k-1]に応じた階調電位X[n]が常に正極性に設定され、右眼用画像GRのうち偶数行の指定階調GR[2k]に応じた階調電位X[n]が常に負極性に設定される。右眼用画像GRにおいて奇数行の指定階調と偶数行の指定階調とは通常は相違するから、第2実施形態では液晶素子CLの印加電圧の極性に偏り(直流成分の残留)が発生する可能性がある。左眼用画像GLについても同様である。
【0043】
他方、図3から理解されるように、第1実施形態では、右眼用画像GRの奇数行の指定階調GR[2k-1]に応じた階調電位X[n]が、制御期間T1の単位期間U1では正極性に設定され、制御期間T2の単位期間U2では負極性に設定される。右眼用画像GRのうち偶数行の指定階調GR[2k-1]や左眼用画像GLの指定階調GL[2k-1]または指定階調GL[2k]についても同様に、階調電位X[n]が正極性に設定される時間長と負極性に設定される時間長とが均等化される。したがって、液晶素子CLに対する直流成分の印加が第2実施形態と比較して低減される(液晶素子CLの劣化を抑制できる)という利点がある。
【0044】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を以下に説明する。第3実施形態は、直流成分の印加に起因した液晶素子CLの劣化を抑制する第1実施形態の効果と、階調電位X[n]の極性差に起因したフリッカを抑制する第2実施形態の効果とを両立するための形態である。
【0045】
図7は、第3実施形態における電気光学装置10の動作の説明図である。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、制御期間T1および制御期間T2の双方において、階調電位X[n]の極性が、各表示期間Pの単位期間U1にて正極性(+)に設定されるとともに単位期間U2にて負極性(-)に設定される。したがって、第2実施形態と同様に、階調電位X[n]の極性差に起因したフリッカが観察者に知覚され難くすることが可能である。
【0046】
第3実施形態では、各表示期間Pの単位期間U1/単位期間U2と走査線駆動回路42による選択対象(第1組/第2組)との関係が制御期間T1と制御期間T2とで逆転する。すなわち、図7に示すように、制御期間T1では、走査線駆動回路42は、第1実施形態と同様に、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて第1組を選択期間H毎に順次に選択し、単位期間U2にて第2組を選択期間H毎に順次に選択する。他方、制御期間T2では、走査線駆動回路42は、図7に示すように、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて第2組を選択期間H毎に順次に選択し、単位期間U2にて第1組を選択期間H毎に順次に選択する。
【0047】
制御期間T1における信号線駆動回路44の動作は第1実施形態と同様である。すなわち、図7に示すように、信号線駆動回路44は、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1内のうち第1組を構成する第(2k-1)行および第2k行の2本の走査線32が選択される選択期間Hでは、第(2k-1)行の各画素PIXに対応する指定階調(GR[2k-1],GL[2k-1])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。また、信号線駆動回路44は、各表示期間Pの単位期間U2内のうち第2組を構成する第2k行および第(2k+1)行の2本の走査線32が選択される選択期間Hでは、第2k行の各画素PIXに対応する指定階調(GR[2k],GL[2k])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。
【0048】
他方、制御期間T2の各表示期間P(PR,PL)において、信号線駆動回路44は、単位期間U1のうち第2組を構成する第2k行および第(2k+1)行の2本の走査線32が選択される選択期間Hでは、第2k行の各画素PIXに対応する指定階調(GR[2k],GL[2k])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。また、信号線駆動回路44は、各表示期間Pの単位期間U2のうち第1組を構成する第(2k-1)行および第2k行の2本の走査線32が選択される選択期間Hでは、第(2k-1)行の各画素PIXに対応する指定階調(GR[2k-1],GL[2k-1])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。
【0049】
すなわち、右眼用画像GRのうち奇数行の指定階調GR[2k-1]に応じた階調電位X[n]は、制御期間T1内の右眼用表示期間PRの単位期間U1にて正極性で各画素PIXに供給され、制御期間T2内の右眼用表示期間PRの単位期間U2にて負極性で各画素PIXに供給される。同様に、右眼用画像GRのうち偶数行の指定階調GR[2k]に応じた階調電位X[n]は、制御期間T1の右眼用表示期間PRの単位期間U2にて負極性で各画素PIXに供給され、制御期間T2内の右眼用表示期間PRの単位期間U1にて正極性で各画素PIXに供給される。左眼用画像GLの奇数行の指定階調GL[2k-1]や偶数行の指定階調GR[2k]に応じた階調電位X[n]も同様に、制御期間T1と制御期間T2とで共通の時間長にわたり逆極性に設定される。
【0050】
以上に説明したように、第3実施形態では、右眼用画像GRのうち奇数行の指定階調GR[2k-1]に応じた階調電位X[n]が正極性に設定される時間長と負極性に設定される時間長とが均等化される。右眼用画像GRの偶数行の指定階調GR[2k]や左眼用画像GLの奇数行の指定階調GL[2k-1]および偶数行の指定階調GL[2k]についても同様である。したがって、第1実施形態と同様に、液晶素子CLに対する直流成分の印加を第2実施形態と比較して低減することが可能である。すなわち、第3実施形態によれば、直流成分の印加に起因した液晶素子CLの劣化を抑制する第1実施形態の効果と、階調電位X[n]の極性差に起因したフリッカを抑制する第2実施形態の効果とを両立できるという利点がある。
【0051】
<第4実施形態>
図8は、第4実施形態における電気光学装置10の動作の説明図である。図8に示すように、第3実施形態では各表示期間P(PR,PL)が3個の単位期間U(U1〜U3)に区分される。
【0052】
走査線駆動回路42は、相互に隣合う3本の走査線32を各単位期間Uの選択期間毎に順次に選択する。具体的には、走査線駆動回路42は、各表示期間Pの単位期間U1において、M本の走査線32を3本ずつ区分した第1組を選択期間H毎に順次に選択する。そして、走査線駆動回路42は、単位期間U1の経過後の単位期間U2では、第1組から1本ずれた組合せでM本の走査線32を3本ずつ区分した第2組を選択期間H毎に順次に選択し、単位期間U2の経過後の単位期間U3では、第2組から1本(第1組から2本)ずれた組合せでM本の走査線32を3本ずつ区分した第3組を選択期間H毎に順次に選択する。例えば、単位期間U1では、図8に示すように、{第1行〜第3行}→{第4行〜第6行}→{第7行〜第9行}→……という順番で第1組が順次に選択され、単位期間U2では、{第2行〜第4行}→{第5行〜第7行}→{第8行〜第10行}→……という順番で第2組が順次に選択され、単位期間U3では、{第3行〜第5行}→{第6行〜第8行}→{第9行〜第11行}→……という順番で第3組が順次に選択される。
【0053】
信号線駆動回路44は、各制御期間T(T1,T2)の表示期間Pにおいて、単位期間U1の選択期間H毎に、その選択期間Hで選択される第1組のうち第(2k-1)行の走査線32に対応する各画素PIXの指定階調(GR[2k-1],GL[2k-1])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。また、信号線駆動回路44は、各単位期間U2の選択期間Hでは、その選択期間Hで選択される第2組のうち第2k行の走査線32に対応する各画素PIXの指定階調(GR[2k],GL[2k])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給し、各単位期間U3の選択期間Hでは、その選択期間Hで選択される第3組のうち第(2k+1)行の走査線32に対応する各画素PIXの指定階調(GR[2k+1],GL[2k+1])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する。
【0054】
したがって、図8に示すように、単位期間U1では、第1行から第3行の各画素PIXに対して第1行の指定階調(GR[1],GL[1])に応じた階調電位X[n]が供給され、第4行から第6行の各画素PIXに対して第4行の指定階調(GR[4],GL[4])に応じた階調電位X[n]が供給される。また、単位期間U2では、第2行から第4行の各画素PIXに対して第2行の指定階調(GR[2],GL[2])に応じた階調電位X[n]が供給され、第5行から第7行の各画素PIXに対して第5行の指定階調(GR[5],GL[5])に応じた階調電位X[n]が供給される。同様に、単位期間U3では、第3行から第5行の各画素PIXに対して第3行の指定階調(GR[3],GL[3])に応じた階調電位X[n]が供給され、第6行から第8行の各画素PIXに対して第6行の指定階調(GR[6],GL[6])に応じた階調電位X[n]が供給される。
【0055】
また、信号線駆動回路44は、階調電位X[n]の極性を、相前後する2個の単位期間Uにて同極性に設定するとともに単位期間Uの2個分を単位として逆極性に反転させる。具体的には、図8に示すように、階調電位X[n]の極性は、右眼用表示期間PRの単位期間U1と単位期間U2とで正極性(+)に設定され、その右眼用表示期間PRの単位期間U3と直後の左眼用表示期間PLの単位期間U1とで負極性(-)に設定され、その左眼用表示期間PLの単位期間U2と単位期間U3とで正極性(+)に設定される。各単位期間Uにおける階調電位X[n]の極性は制御期間T1と制御期間T2とで逆極性となる。
【0056】
他方、眼鏡制御回路144は、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1にて右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の双方を閉状態に制御する。また、眼鏡制御回路144は、右眼用表示期間PRの単位期間U2および単位期間U3にて右眼用シャッター22を開状態に制御するとともに左眼用シャッター24を閉状態に制御し、左眼用表示期間PLの単位期間U2および単位期間U3にて左眼用シャッター24を開状態に制御するとともに右眼用シャッター22を閉状態に制御する。
【0057】
以上に説明した第4実施形態でも第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態では、各表示期間Pのうち単位期間U2および単位期間U3にて右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の一方が開状態に制御される。したがって、各表示期間Pの単位期間U2にて右眼用シャッター22または左眼用シャッター24が開状態に制御される第1実施形態と比較して、観察者が認識する表示画像の明度を向上することが可能である。また、各単位期間Uの時間長が第1実施形態と比較して短縮されるから、単位期間Uの2個分を周期として階調電位X[n]の極性を反転する構成にも関わらず、階調電位X[n]の極性差に起因したフリッカが観察者に知覚され難いという利点がある。
【0058】
以上の各形態の説明から理解されるように、選択期間Hにて同時に選択される走査線32の本数を2以上の自然数Zで一般化すると、第1実施形態から第4実施形態の走査線駆動回路42は、各表示期間P(PR,PL)のZ個の単位期間U(U1〜UZ)のうち第1番目の単位期間U1では、相互に隣合うZ本ずつM本の走査線32を区分した第1組を選択期間H毎に順次に選択し、その表示期間Pのうち第z番目の単位期間Uz(2≦z≦Z)では、第1組から(z-1)本ずれた組合せでM本の走査線32を相互に隣合うZ本ずつ区分した第z組を選択期間H毎に順次に選択する要素として包括される。
【0059】
また、M本の走査線32を、相互に隣合う第1走査線32から第Z走査線32までのZ本毎に区分すると、信号線駆動回路44は、各表示期間P(PR,PL)の単位期間U1内の選択期間H毎に、その選択期間Hで選択される第1組のうち第1走査線32に対応する各画素PIXの指定階調に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給し、各表示期間Pの単位期間Uz内の選択期間H毎に、その選択期間Hで選択される第z組のうち第z走査線32に対応する各画素PIXの指定階調に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給する要素として包括される。なお、同時に選択される走査線32の本数Zを4本以上に設定することも可能である。
【0060】
<変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。
【0061】
(1)第1実施形態から第3実施形態では、各表示期間Pの単位期間U1にて奇数行の指定階調(GR[2k-1],GL[2k-1])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給し、単位期間U2にて偶数行の指定階調(GR[2k],GL[2k])に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給したが、単位期間U1/単位期間U2と指定階調の奇偶との関係を逆転することも可能である。すなわち、各表示期間Pの単位期間U1のうち第1組を構成する第(2k-1)行および第2k行の走査線32が選択される選択期間Hにて第2k行の各画素PIXの指定階調に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給し、単位期間U2のうち第2組を構成する第2k行および第(2k+1)行の走査線32が選択される選択期間Hにて第(2k+1)行の各画素PIXの指定階調に応じた階調電位X[n]を各信号線34に供給することも可能である。
【0062】
(2)第1実施形態から第3実施形態では、右眼用表示期間PRのうち単位期間U1の終点にて右眼用シャッター22を閉状態から開状態に変化させたが、右眼用シャッター22を閉状態から開状態に変化させる時期は適宜に変更される。例えば、右眼用表示期間PRの単位期間U1の終点以前に右眼用シャッター22を開状態に変化させる構成では、単位期間U1内での右眼用画像GRと左眼用画像GLとの混在が観察者に若干は知覚されるが、表示画像の明度を向上させることが可能である。他方、右眼用表示期間PRの単位期間U1の終点以降の時点で右眼用シャッター22を開状態に変化させる構成では、表示画像の明度は低下するが、右眼用画像GRと左眼用画像GLとの混在が観察者に知覚されることを確実に防止することが可能である。同様に、右眼用シャッター22を開状態から閉状態に変化させる時期を、右眼用表示期間PRの単位期間U2の終点以前に設定した構成(表示画像の明度は低下するが右眼用画像GRと左眼用画像GLとの混在は防止される)や、右眼用表示期間PRの単位期間U2の終点以降に設定した構成(左眼用表示期間PLの単位期間U1内で右眼用画像GRと左眼用画像GLとの若干の混在は知覚されるが表示画像の明度は向上する)も採用され得る。また、右眼用画像GRと左眼用画像GLとの混在が観察者に知覚され難い開閉の時期は、右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の応答特性と電気光学パネル12(液晶素子CL)の応答特性との関係にも依存する。したがって、右眼用シャッター22を閉状態から開状態に変化させる時期や開状態から閉状態に変化させる時期は、右眼用画像GRと左眼用画像GLとの混在を観察者に知覚されることの防止と表示画像の明度の確保との優先度(バランス)や、立体視用眼鏡20の応答特性と電気光学パネル12の応答特性との関係といった種々の要因を考慮して選定される。なお、以上の説明では右眼用シャッター22に言及したが、左眼用シャッター24の開閉の時期についても同様の事情が妥当する。
【0063】
以上の説明から理解されるように、右眼用シャッター22が開状態に制御される期間は、右眼用表示期間PRにおける単位期間U2の少なくとも一部を含む期間(単位期間U1を含むか否かは不問)として包括される。同様に、左眼用シャッター24が開状態に制御される期間は、左眼用表示期間PLにおける単位期間U2の少なくとも一部を含む期間(単位期間U1を含むか否かは不問)として包括される。また、右眼用シャッター22および左眼用シャッター24の双方が閉状態に制御される期間は、各表示期間P(PR,PL)のうち単位期間U1の少なくとも一部の期間として包括される。
【0064】
また、以上の説明では第1実施形態から第3実施形態を例示したが、第4実施形態においても、右眼用シャッター22および左眼用シャッター24を開閉する時期は適宜に変更される。例えば、右眼用シャッター22または左眼用シャッター24が閉状態から開状態に変化する時期を単位期間U1の終点の前後に設定した構成や、右眼用シャッター22または左眼用シャッター24が開状態から閉状態に変化する時期を単位期間U3の終点(単位期間U1の始点)の前後に設定した構成が採用され得る。
【0065】
(3)電気光学素子は液晶素子CLに限定されない。例えば、電気泳動素子を電気光学素子として利用することも可能である。すなわち、電位光学素子は、電気的な作用(例えば電圧の印加)に応じて光学的な特性(例えば透過率)が変化する表示素子として包括される。
【0066】
<応用例>
以上の各形態に例示した電気光学装置10は、各種の電子機器に利用され得る。図9から図11には、電気光学装置10を採用した電子機器の具体的な形態が例示されている。
【0067】
図9は、電気光学装置10を適用した投射型表示装置(3板式のプロジェクター)4000の模式図である。投射型表示装置4000は、相異なる表示色(赤色,緑色,青色)に対応する3個の電気光学装置10(10R,10G,10B)を含んで構成される。照明光学系4001は、照明装置(光源)4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置10Rに供給し、緑色成分gを電気光学装置10Gに供給し、青色成分bを電気光学装置10Bに供給する。各電気光学装置10は、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調する光変調器(ライトバルブ)として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置10からの出射光を合成して投射面4004に投射する。観察者は、投射面4004に投射された立体視画像を立体視用眼鏡20(図9では図示略)で視認する。
【0068】
図10は、電気光学装置10を採用した可搬型のパーソナルコンピューターの斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置10と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
【0069】
図11は、電気光学装置10を適用した携帯電話機の斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置10とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置10に表示される画面がスクロールされる。
【0070】
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図9から図11に例示した機器のほか、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants),デジタルスチルカメラ,テレビ,ビデオカメラ,カーナビゲーション装置,車載用の表示器(インパネ),電子手帳,電子ペーパー,電卓,ワードプロセッサ,ワークステーション,テレビ電話,POS端末,プリンター,スキャナー,複写機,ビデオプレーヤー,タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
【符号の説明】
【0071】
100……立体視表示装置、10……電気光学装置、12……電気光学パネル、14……制御回路、142……表示制御回路、144……眼鏡制御回路、20……立体視用眼鏡、22……右眼用シャッター、24……左眼用シャッター、30……画素部、PIX……画素、CL……液晶素子、SW……選択スイッチ、32……走査線、34……信号線、40……駆動回路、42……走査線駆動回路、44……信号線駆動回路。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
右眼用画像と左眼用画像とを表示期間毎に交互に表示する電気光学装置であって、
交互に配列された第1走査線および第2走査線を含む複数の走査線と、
前記複数の走査線に交差する複数の信号線と、
前記複数の走査線と前記複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素と、
右眼用画像の表示期間および左眼用画像の表示期間の各々において、当該表示期間の第1単位期間では、相互に隣合う2本ずつ前記複数の走査線を区分した第1組を選択期間毎に順次に選択し、前記第1単位期間の経過後の第2単位期間では、前記第1組から1本ずれた組合せで前記複数の走査線を相互に隣合う2本ずつ区分した第2組を選択期間毎に順次に選択する走査線駆動回路と、
右眼用画像の表示期間および左眼用画像の表示期間の各々において、前記第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第1組のうち前記第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、前記第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第2組のうち前記第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給する信号線駆動回路と
を具備する電気光学装置。
【請求項2】
右眼用シャッターと左眼用シャッターとを含む立体視用眼鏡で立体視される右眼用画像および左眼用画像を表示する電気光学装置であって、
前記各表示期間のうち前記第1単位期間の少なくとも一部を含む期間にて前記右眼用シャッターおよび前記左眼用シャッターの双方を閉状態に制御し、前記右眼用画像の各表示期間における前記第2単位期間の少なくとも一部を含む期間にて前記右眼用シャッターを開状態に制御するとともに前記左眼用シャッターを閉状態に制御し、前記左眼用画像の各表示期間における前記第2単位期間の少なくとも一部を含む期間にて前記左眼用シャッターを開状態に制御するとともに前記右眼用シャッターを閉状態に制御する眼鏡制御回路
を具備する請求項1の電気光学装置。
【請求項3】
前記走査線駆動回路は、相前後する右眼用画像の表示期間と左眼用画像の表示期間とを含む複数の制御期間の各々において、前記各表示期間の前記第1単位期間では前記第1組を選択期間毎に順次に選択するとともに前記第2単位期間では前記第2組を選択期間毎に順次に選択し、
前記信号線駆動回路は、
前記複数の制御期間の各々において、前記各表示期間の前記第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第1組のうち前記第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、前記第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第2組のうち前記第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、
前記複数の制御期間のうちの第1制御期間では、基準電圧に対する前記階調電位の極性を、前記各表示期間の前記第1単位期間にて第1極性に設定するとともに前記各表示期間の前記第2単位期間にて前記第1極性とは逆の第2極性に設定し、前記複数の制御期間のうち前記第1制御期間の直後の第2制御期間では、前記基準電圧に対する前記階調電位の極性を、前記各表示期間の前記第1単位期間にて前記第2極性に設定するとともに前記各表示期間の前記第2単位期間にて前記第1極性に設定する
請求項1または請求項2の電気光学装置。
【請求項4】
前記走査線駆動回路は、相前後する右眼用画像の表示期間と左眼用画像の表示期間とを含む複数の制御期間のうちの第1制御期間では、前記各表示期間の前記第1単位期間にて前記第1組を選択期間毎に順次に選択するとともに前記各表示期間の前記第2単位期間にて前記第2組を選択期間毎に順次に選択し、前記複数の選択期間のうち前記第1制御期間の直後の第2制御期間では、前記各表示期間の前記第1単位期間にて前記第2組を選択期間毎に順次に選択するとともに前記各表示期間の前記第2単位期間にて前記第1組を選択期間毎に順次に選択し、
前記信号線駆動回路は、
前記第1制御期間では、前記各表示期間の前記第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第1組のうち前記第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給するとともに、前記各表示期間の前記第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第2組のうち前記第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、前記第2制御期間では、前記各表示期間の前記第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第2組のうち前記第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給するとともに、前記各表示期間の前記第2単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第1組のうち前記第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、
前記複数の制御期間の各々において、基準電圧に対する前記階調電位の極性を、前記各表示期間の前記第1単位期間にて第1極性に設定するとともに前記各表示期間の前記第2単位期間にて前記第1極性とは逆の第2極性に設定する
請求項1または請求項2の電気光学装置。
【請求項5】
右眼用画像と左眼用画像とを表示期間内に交互に表示する電気光学装置であって、
相互に交差する複数の走査線および複数の信号線と、
前記複数の走査線と前記複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素と、
前記各表示期間において、当該表示期間のZ個(Zは2以上の自然数)の単位期間のうち第1番目の第1単位期間では、相互に隣合うZ本ずつ前記複数の走査線を区分した第1組を選択期間毎に順次に選択し、当該表示期間のうち第z単位期間(2≦z≦Z)では、第1組から(z-1)本ずれた組合せで前記複数の走査線を相互に隣合うZ本ずつ区分した第z組を選択期間毎に順次に選択する走査線駆動回路と、
前記各表示期間において、当該表示期間の第1単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、当該表示期間の第z単位期間内の選択期間毎に、当該選択期間で選択される第z組のうち第z走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給する信号線駆動回路と
を具備する電気光学装置。
【請求項6】
前記走査線駆動回路は、前記各表示期間に含まれる第1単位期間から第3単位期間のうちの第1単位期間では、相互に隣合う3本ずつ前記複数の走査線を区分した第1組を選択期間毎に順次に選択し、前記第1単位期間の経過後の第2単位期間では、前記第1組から1本ずれた組合せで前記複数の走査線を相互に隣合う3本ずつ区分した第2組を選択期間毎に順次に選択し、前記第2単位期間の経過後の第3単位期間では、前記第1組から2本ずれた組合せで前記複数の走査線を相互に隣合う3本ずつ区分した第3組を選択期間毎に順次に選択し、
前記信号線駆動回路は、前記各表示期間において、前記第1単位期間の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第1組のうち第1走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、前記第2単位期間の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第2組のうち前記第1走査線とは異なる第2走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給し、前記第3単位期間の選択期間毎に、当該選択期間で選択される前記第3組のうち前記第1走査線および前記第2走査線とは異なる第3走査線に対応する各画素の指定階調に応じた階調電位を前記各信号線に供給する
請求項5の電気光学装置。
【請求項7】
前記信号線駆動回路は、基準電位に対する前記階調電位の極性を、相前後する2個の単位期間にて同極性に設定するとともに前記2個の単位期間を単位として反転させる
請求項6の電気光学装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかの電気光学装置を具備する電子機器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−19989(P2013−19989A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151729(P2011−151729)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】