電気光学装置及び電子機器
【課題】従来、指向性表示における視範囲の数を変化させることが困難である。
【解決手段】画素7ごとに駆動が制御される液晶と、前記液晶に向けて照射する光を射出する複数のEL素子45と、を含み、複数の画素7は、h個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の画素7を1組の画素群55とする複数組の画素群55に区分され、h個の画像がh個の画素7のそれぞれに1つずつ割り当てられ、EL素子45は、画素7に対応して設けられており、且つ、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数のEL素子45間で相互に独立して制御され、複数のEL素子45は、画素群55ごとに、h個のEL素子45のうちの一部が射光状態に制御され、残りが停止状態に制御され、射光状態に制御されるEL素子45は、hの数の多さに応じて、光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【解決手段】画素7ごとに駆動が制御される液晶と、前記液晶に向けて照射する光を射出する複数のEL素子45と、を含み、複数の画素7は、h個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の画素7を1組の画素群55とする複数組の画素群55に区分され、h個の画像がh個の画素7のそれぞれに1つずつ割り当てられ、EL素子45は、画素7に対応して設けられており、且つ、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数のEL素子45間で相互に独立して制御され、複数のEL素子45は、画素群55ごとに、h個のEL素子45のうちの一部が射光状態に制御され、残りが停止状態に制御され、射光状態に制御されるEL素子45は、hの数の多さに応じて、光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気光学装置の1つとして、相互に異なる複数の範囲から見たときに、それぞれの範囲(以下、視範囲と呼ぶ)ごとに異なる画像を表示(以下、指向性表示と呼ぶ)することができる表示装置が知られている。
指向性表示を行うことができる表示装置には、複数の画素で画像を形成する表示パネルと、複数の発光領域を有する照明装置とによって指向性表示を実現するものが知られている。このような表示装置では、複数の画素は、視範囲に対応する画像ごとに区分される。
このような表示装置で2つの視範囲に指向性表示を行う仕組みについて、断面図を用いて説明する。表示パネル800は、図26に示すように、第1の画像が割り当てられる第1の画素801と、第2の画像が割り当てられる第2の画素803とを有している。そして、照明装置805は、第1の画素801及び第2の画素803の画素群807ごとに発光領域809が設けられる。
【0003】
発光領域809から表示パネル800に向けて照射される光は、第1の画素801を介して第1の範囲811に及ぶ。また、発光領域809から表示パネル800に向けて照射される光は、第2の画素803を介して第2の範囲813に及ぶ。第1の範囲811内にある視点からは、第1の画像が視認され得る。第2の範囲813内にある視点からは、第2の画像が視認され得る。表示パネル800と照明装置805とを有する表示装置では、互いに異なる視範囲である第1の範囲811及び第2の範囲813のそれぞれに、互いに異なる第1の画像及び第2の画像のそれぞれを表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−194190号公報
【特許文献2】特開平9−102969号公報
【特許文献3】特開平10−123459号公報
【特許文献4】特開平10−186272号公報
【特許文献5】米国特許第4717949号明細書
【特許文献6】米国特許第4829365号明細書
【特許文献7】米国特許第5036385号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、複数の画素を有する表示パネルと、複数の発光領域を有する照明装置とによって指向性表示を行う従来の表示装置では、複数の画素は、相互に異なる画像ごとに区分される。また、複数の画素は、各画像が割り当てられた画素を画像ごとに1つずつ含む画素群に区分される。そして、この従来の表示装置では、発光領域が画素群ごとに、すなわち発光領域が画素群に対応して設けられている。
【0006】
このような従来の表示装置では、発光領域が画素群に対応して設けられているので、指向性表示における視範囲の数は、画素群に含まれる画素の数に対応する。このため、上述した従来の表示装置において、指向性表示における視範囲の数を増減させるには、視範囲の数の増減に応じて、画素群を構成する画素の数を増減させればよい。
ところで、1つの表示装置で、指向性表示における視範囲の数を増減させることができれば便利である。
【0007】
しかしながら、上述した従来の表示装置では、1つの発光領域と1つの画素群とが対応付けられている。このため、従来の表示装置では、画素群を構成する画素の数を増減させると、発光領域と画素群との対応がとれなくなってしまう。
つまり、従来の表示装置では、指向性表示における視範囲の数を変化させることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0009】
[適用例1]複数の画素の前記画素ごとに駆動が制御される液晶と、前記液晶に向けて照射する光を射出する複数の射光素子と、を含み、前記複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の前記画素ごとに、前記h個の画素を1組の画素群とする複数組の前記画素群に区分され、前記複数の画素には、前記h個の画像が、前記画素群ごとに、前記h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられ、前記射光素子は、前記画素に対応して設けられており、且つ、前記光を射出する射光状態と前記光の射出を停止する停止状態とが、前記複数の射光素子間で相互に独立して制御され、前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、前記h個の画素に対応するh個の前記射光素子のうちの一部が前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御され、前記射光状態に制御される前記射光素子は、hの数の多さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【0010】
この適用例の電気光学装置は、液晶と、複数の射光素子と、を有している。液晶は、複数の画素の画素ごとに駆動が制御される。射光素子は、液晶に向けて照射する光を射出する。複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の画素ごとに、これらのh個の画素を1組の画素群とする複数組の画素群に区分される。複数の画素には、h個の画像が、画素群ごとに、h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられる。射光素子は、画素に対応して設けられている。射光素子は、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数の射光素子間で相互に独立して制御される。複数の射光素子は、画素群ごとに、h個の画素に対応するh個の射光素子のうちの一部が射光状態に制御され、h個の射光素子の残りが停止状態に制御される。
この電気光学装置では、例えば、画素群ごとにh個の画素に対応するh個の射光素子のうちの1つを射光状態に制御し、他の射光素子を停止状態に制御することにより、射光状態の射光素子からの光は、h個の画素のそれぞれを介して、相互に異なるh個の視範囲に及ぶ。画素群におけるh個の画素には、h個の画像が1つずつ割り当てられる。このため、相互に異なるh個の視範囲のそれぞれに、h個の画像のそれぞれを表示することができる。これにより、この電気光学装置では、指向性表示を行うことができる。
【0011】
また、この電気光学装置では、射光状態と停止状態とが、射光素子ごとに独立して制御され得る。このため、画像の数すなわちhの数に応じて、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
また、この電気光学装置では、射光素子が画素に対応して設けられているので、複数の射光素子を射光状態に制御することによって、表示における指向性を弱めることができる。この結果、指向性表示を解除しやすくすることができる。つまり、この電気光学装置では、指向性表示と、指向性表示が解除された非指向性表示とを実現しやすくすることができる。
【0012】
ところで、この電気光学装置では、hの数すなわち画像の数が多くなると指向性表示における視範囲が増える。この反面、指向性表示における視範囲が増えるということは、停止状態に制御される射光素子の数が増えることを意味する。
一般的に、停止状態に制御される射光素子の数が増えると、画像が暗くなりやすい。このため、画像の数が多くなると画像が暗くなりやすい。
これに対し、この電気光学装置では、射光状態に制御される射光素子は、hの数の多さに応じて、光の輝度が高く制御される。このため、画像の数が多くなると、射光素子からの光の輝度が高くなる。よって、この電気光学装置では、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
【0013】
[適用例2]上記の電気光学装置であって、前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、前記h個の前記射光素子のうちの1つが前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【0014】
この適用例では、複数の射光素子は、画素群ごとに、h個の射光素子のうちの1つが射光状態に制御され、h個の射光素子の残りが停止状態に制御される。これにより、指向性表示における視範囲の数を、画像の数に応じて変化させることができる。
【0015】
[適用例3]上記の電気光学装置であって、前記射光素子の前記射光状態及び前記停止状態を、前記射光素子ごとに制御する制御部を有する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0016】
この適用例の電気光学装置は、射光素子の射光状態及び停止状態を制御する制御部を有する。この制御部は、射光状態及び停止状態を、射光素子ごとに制御する。これにより、複数の射光素子の一部を射光状態に制御し、他の射光素子を停止状態に制御することができ、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
【0017】
[適用例4]上記の電気光学装置であって、前記射光状態に制御される前記射光素子は、前記画像の濃淡における淡さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【0018】
この適用例では、射光状態に制御される射光素子は、画像の濃淡における淡さに応じて、光の輝度が高く制御される。これにより、画像の濃淡の差を、光の輝度で強調することができる。
【0019】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記複数の射光素子は、エレクトロルミネセンス素子で構成されている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0020】
この適用例では、複数の射光素子は、エレクトロルミネセンス素子で構成されている。これにより、エレクトロルミネセンス素子を発光させることによって、射光素子を射光状態にすることができる。
【0021】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記複数の画素は、第1の方向に沿って配列する複数の前記画素を1つの画素配列として、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並列する複数の前記画素配列を構成しており、各前記画素配列において、複数組の前記画素群が前記第1の方向に沿って並んでおり、前記第2の方向に隣り合う2つの前記画素配列において、一方の前記画素配列における前記画素群と、他方の前記画素配列における前記画素群とが、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方に対して交差する方向に並んでいる、ことを特徴とする電気光学装置。
【0022】
この適用例では、複数の画素は、複数の画素配列を構成している。1つの画素配列では、複数の画素が第1の方向に沿って配列している。複数の画素配列は、第1の方向とは交差する第2の方向に並列している。各画素配列において、複数組の画素群が第1の方向に沿って並んでいる。第2の方向に隣り合う2つの画素配列において、一方の画素配列における画素群と、他方の画素配列における画素群とが、第1の方向及び第2の方向の双方に対して交差する方向に並んでいる。これにより、例えば、第2の方向に隣り合う2つの画素配列において、一方の画素配列における画素群と、他方の画素配列における画素群とが、第2の方向に並んでいる構成に比較して、第1の方向における解像度を高めやすくすることができる。これにより、表示における精細度を高めやすくすることができる。この結果、表示における表示品位を向上させやすくすることができる。
【0023】
[適用例7]上記の電気光学装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【0024】
この適用例の電子機器は、電気光学装置を有している。この電気光学装置は、液晶と、複数の射光素子と、を有している。液晶は、複数の画素の画素ごとに駆動が制御される。射光素子は、液晶に向けて照射する光を射出する。複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の画素ごとに、これらのh個の画素を1組の画素群とする複数組の画素群に区分される。複数の画素には、h個の画像が、画素群ごとに、h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられる。射光素子は、画素に対応して設けられている。射光素子は、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数の射光素子間で相互に独立して制御される。複数の射光素子は、画素群ごとに、h個の画素に対応するh個の射光素子のうちの一部が射光状態に制御され、h個の射光素子の残りが停止状態に制御される。
この電気光学装置では、例えば、画素群ごとにh個の画素に対応するh個の射光素子のうちの1つを射光状態に制御し、他の射光素子を停止状態に制御することにより、射光状態の射光素子からの光は、h個の画素のそれぞれを介して、相互に異なるh個の視範囲に及ぶ。画素群におけるh個の画素には、h個の画像が1つずつ割り当てられる。このため、相互に異なるh個の視範囲のそれぞれに、h個の画像のそれぞれを表示することができる。これにより、この電気光学装置では、指向性表示を行うことができる。
この適用例の電子機器は、指向性表示を行うことができる電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、指向性表示を行うことができる。
【0025】
また、この電気光学装置では、射光状態と停止状態とが、射光素子ごとに独立して制御され得る。このため、画像の数すなわちhの数に応じて、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
また、この電気光学装置では、射光素子が画素に対応して設けられているので、複数の射光素子を射光状態に制御することによって、表示における指向性を弱めることができる。この結果、指向性表示を解除しやすくすることができる。つまり、この電気光学装置では、指向性表示と、指向性表示が解除された非指向性表示とを実現しやすくすることができる。
この適用例の電子機器は、指向性表示と非指向性表示とを実現しやすい電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、指向性表示と非指向性表示とを実現しやすくすることができる。
【0026】
ところで、この電気光学装置では、hの数すなわち画像の数が多くなると指向性表示における視範囲が増える。この反面、指向性表示における視範囲が増えるということは、停止状態に制御される射光素子の数が増えることを意味する。
一般的に、停止状態に制御される射光素子の数が増えると、画像が暗くなりやすい。このため、画像の数が多くなると画像が暗くなりやすい。
これに対し、この電気光学装置では、射光状態に制御される射光素子は、hの数の多さに応じて、光の輝度が高く制御される。このため、画像の数が多くなると、射光素子からの光の輝度が高くなる。よって、この電気光学装置では、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
この適用例の電子機器は、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態における表示装置の主要構成を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】本実施形態における液晶パネルを図3中のD−D線で切断したときの断面図。
【図5】本実施形態におけるTFT素子及び画素電極の配置を示す平面図。
【図6】本実施形態における液晶パネルの等価回路図。
【図7】本実施形態における照明パネルを示す平面図。
【図8】本実施形態における複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図9】本実施形態における複数のEL素子の一部と複数の画素の一部とを示す平面図。
【図10】本実施形態における照明パネルの回路構成を示す図。
【図11】図8中のF−F線における断面図。
【図12】本実施形態における表示装置の主要構成を示すブロック図。
【図13】本実施形態における液晶パネルでの偏光状態を説明する図。
【図14】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図15】本実施形態における複数組の画素群の配列を説明する平面図。
【図16】本実施形態における複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図17】本実施形態における複数のEL素子の一部と複数組の画素群の一部とを示す平面図。
【図18】本実施形態における液晶パネル及び照明パネルを図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図。
【図19】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図20】本実施形態における複数組の画素群の配列を説明する平面図。
【図21】本実施形態における複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図22】本実施形態における複数のEL素子の一部と複数組の画素群の一部とを示す平面図。
【図23】本実施形態における液晶パネル及び照明パネルを図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図。
【図24】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【図25】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【図26】従来技術における課題を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態について、電気光学装置の1つである液晶装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。
実施形態における表示装置1は、図1に示すように、表示パネル3と、制御部6と、を有している。
【0029】
表示パネル3には、複数の画素7が設定されている。複数の画素7は、表示領域8内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。
ここで、本実施形態では、画素7は、図3に示すように、長辺と短辺とを有する四辺形を呈している。X方向は、画素7の短辺が延在する方向である。また、Y方向は、X方向とは直交(交差)する方向である。本実施形態では、Y方向は、画素7の長辺が延在する方向でもある。
【0030】
図1に示す表示装置1は、後述する照明パネルからの光を、複数の画素7から選択的に表示面9を介して表示パネル3の外に射出することで、表示面9に画像を表示することができる。なお、表示領域8とは、画像が表示され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、画素7が誇張され、且つ画素7の個数が減じられている。
【0031】
表示パネル3は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、液晶パネル11と、照明パネル15と、偏光板17aと、偏光板17bと、を有している。
液晶パネル11は、駆動素子基板21と、対向基板23と、液晶25と、シール材27と、を有している。
駆動素子基板21には、表示面9側すなわち液晶25側に、複数の画素7のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
【0032】
対向基板23は、駆動素子基板21よりも表示面9側で駆動素子基板21に対向し、且つ駆動素子基板21との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板23には、表示パネル3における表示面9の裏面に相当する面である底面29側すなわち液晶25側に、後述する対向電極などが設けられている。
【0033】
液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在しており、液晶パネル11の周縁よりも内側で表示領域8を囲むシール材27によって、駆動素子基板21及び対向基板23の間に封止されている。なお、本実施形態では、液晶25として、TN(Twisted Nematic)型が採用されている。
偏光板17aは、駆動素子基板21よりも底面29側に設けられている。偏光板17bは、対向基板23よりも表示面9側に設けられている。
偏光板17a及び偏光板17bは、それぞれ、透過軸を有している。これらの偏光板17a及び偏光板17bは、それぞれ、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
【0034】
なお、偏光板17aと駆動素子基板21との間や、対向基板23と偏光板17bとの間に、光学補償フィルムを設けた構成も採用され得る。光学補償フィルムを設けることで、表示パネル3を表示面9の法線方向から見たときや、法線方向から傾斜した方向から見たときなどの液晶25の位相差を補償することができる。これにより、光漏れを低減することができ、コントラストの向上が図られる。
【0035】
光学補償フィルムとしては、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子等をハイブリッド配向させた負の一軸性媒体(例えば、富士フィルム製のWVフィルム)などが採用され得る。また、屈折率異方性が正のネマチック液晶分子等をハイブリッド配向させた正の一軸性媒体(例えば、日本石油製のNHフィルム)なども採用され得る。さらに、負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせた構成も採用され得る。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のC−Plate等も採用され得る。
【0036】
照明パネル15は、偏光板17aよりも底面29側に設けられており、素子基板41と、封止基板43と、複数のEL(Electro Luminescence)素子45と、接着剤47と、シール材49と、を有している。照明パネル15は、複数のEL素子45から封止基板43を介して表示面9側に光を発する。
【0037】
素子基板41には、表示面9側に複数のEL素子45が設けられている。
封止基板43は、素子基板41よりも表示面9側で素子基板41に対向した状態で設けられている。素子基板41と封止基板43とは、接着剤47を介して接合されている。表示装置1では、EL素子45は、接着剤47によって表示面9側から覆われている。
また、素子基板41と封止基板43との間は、照明パネル15の周縁よりも内側で表示領域8を囲むシール材49によって封止されている。つまり、表示装置1では、EL素子45と接着剤47とが、素子基板41及び封止基板43並びにシール材49によって封止されている。
【0038】
表示パネル3に設定されている複数の画素7は、それぞれ、表示面9から射出する光の色が、図3に示すように、赤系(R)、緑系(G)及び青系(B)のうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMを構成する複数の画素7は、Rの光を射出する画素7Rと、Gの光を射出する画素7Gと、Bの光を射出する画素7Bとを含んでいる。
【0039】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑等を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0040】
マトリクスMでは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素7が、1つの画素列51を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の画素7が、1つの画素行53を構成している。この観点から、画素7の短辺が延在する方向であるX方向は、画素行53が延在する方向であるともみなされ得る。また、Y方向は、画素列51が延在する方向であるともみなされ得る。
1つの画素列51内の各画素7は、光の色がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMは、複数の画素7RがY方向に配列した画素列51Rと、複数の画素7GがY方向に配列した画素列51Gと、複数の画素7BがY方向に配列した画素列51Bとを有している。そして、マトリクスMでは、画素列51R、画素列51G及び画素列51Bが、X方向に沿って反復して並んでいる。
なお、以下においては、画素列51という表記と、画素列51R、画素列51G及び画素列51Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0041】
ここで、表示パネル3の構成について、詳細を説明する。
液晶パネル11の駆動素子基板21は、液晶パネル11を図3中のD−D線で切断したときの断面図である図4に示すように、第1基板61を有している。第1基板61は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた第1面63aと、底面29側に向けられた第2面63bと、を有している。
【0042】
第1基板61の第1面63aには、ゲート絶縁膜65が設けられている。ゲート絶縁膜65の表示面9側には、絶縁膜67が設けられている。絶縁膜67の表示面9側には、配向膜69が設けられている。
また、駆動素子基板21には、各画素7に対応して、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子71と、画素電極73とが、第1基板61の第1面63a側に設けられている。
TFT素子71は、ゲート電極75と、半導体層77と、ソース電極79と、ドレイン電極81と、を有している。
【0043】
ゲート電極75は、第1基板61の第1面63aに設けられており、ゲート絶縁膜65によって表示面9側から覆われている。なお、ゲート電極75の材料としては、例えば、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。また、ゲート絶縁膜65の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの光透過性を有する無機材料が採用され得る。本実施形態では、ゲート絶縁膜65の材料として、酸化シリコンが採用されている。
半導体層77は、例えばアモルファスシリコンで構成されており、ゲート絶縁膜65を挟んでゲート電極75に対向する位置に設けられている。
【0044】
ソース電極79は、ゲート絶縁膜65の表示面9側に設けられており、一部が半導体層77に重なっている。ドレイン電極81は、ゲート絶縁膜65の表示面9側に設けられており、一部が半導体層77に重なっている。なお、ソース電極79やドレイン電極81の材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。
なお、TFT素子71は、領域88内に設けられており、ドレイン電極81が領域88内から画素7の領域内に延長されている。
【0045】
上記の構成を有するTFT素子71は、半導体層77がゲート電極75と、ソース電極79及びドレイン電極81との間に位置する所謂ボトムゲート型である。このTFT素子71は、絶縁膜67によって表示面9側から覆われている。なお、絶縁膜67の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料の他に、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する有機材料も採用され得る。本実施形態では、絶縁膜67の材料として、アクリル系の樹脂が採用されている。
【0046】
画素電極73は、絶縁膜67の表示面9側に設けられている。画素電極73は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物等の光透過性を有する材料や、マグネシウムと銀とを含む合金等を薄膜化して光透過性を付与したものなどで構成され得る。画素電極73は、絶縁膜67に設けられたコンタクトホール83を介してドレイン電極81につながっている。
配向膜69は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、絶縁膜67及び画素電極73を表示面9側から覆っている。なお、配向膜69には、ラビング処理などの配向処理が施されている。
【0047】
対向基板23は、第2基板85を有している。第2基板85は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた外向面86aと、底面29側に向けられた対向面86bとを有している。
第2基板85の対向面86bには、各画素7を区画する光吸収層87が領域88にわたって設けられている。表示装置1では、各画素7は、光吸収層87によって囲まれた領域であると定義され得る。光吸収層87は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などで構成されており、平面視で格子状に設けられている。
【0048】
また、第2基板85の対向面86bには、光吸収層87によって囲まれた各領域、すなわち各画素7の領域を底面29側から覆うカラーフィルター89が設けられている。
ここで、カラーフィルター89は、入射された光のうち所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルター89は、画素7R、画素7G及び画素7Bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。画素7Rに対応するカラーフィルター89は、Rの光を透過させることができる。画素7Gに対応するカラーフィルター89はGの光を透過させ、画素7Bに対応するカラーフィルター89はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルター89に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルター89R,89G及び89Bという表記が用いられる。
【0049】
光吸収層87及びカラーフィルター89の底面29側には、オーバーコート層91が設けられている。オーバーコート層91は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、光吸収層87及びカラーフィルター89を底面29側から覆っている。
オーバーコート層91の底面29側には、対向電極93が設けられている。対向電極93は、例えばITOやインジウム亜鉛酸化物等の光透過性を有する材料や、マグネシウムと銀とを含む合金等を薄膜化して光透過性を付与したものなどで構成され得る。
【0050】
対向電極93は、マトリクスMを構成する複数の画素7間にわたって一連した状態で設けられている。つまり、対向電極93は、マトリクスMを構成する複数の画素7に平面視で重なる領域に設けられており、複数の画素7間にわたって共通して機能する。なお、対向電極93は、図示しない共通線につながっている。
対向電極93の底面29側には、配向膜95が設けられている。配向膜95は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、対向電極93を底面29側から覆っている。配向膜95には、ラビング処理などの配向処理が施されている。
【0051】
駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在する液晶25は、配向膜69と配向膜95との間に介在している。表示装置1では、図2に示すシール材27は、図4に示す第1基板61の第1面63aと、第2基板85の対向面86bとによって挟持されている。つまり、表示装置1では、液晶25は、第1基板61及び第2基板85によって保持されている。なお、シール材27は、配向膜69及び配向膜95の間に設けられていてもよい。この場合、液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23に保持されているとみなされ得る。
【0052】
また、表示装置1において、液晶25を駆動する最小単位が画素7であるという観点から、各画素7は、1つの画素電極73と、この1つの画素電極73に平面視で重なる領域内の対向電極93と、によっても規定され得る。平面視で、1つの画素電極73と対向電極93とが重なり合う領域が1つの画素7の領域とみなされ得る。このため、画素7は、1つのTFT素子71と、このTFT素子71に電気的につながる画素電極73と、この画素電極73に平面視で重なる対向電極93と、この画素電極73及び対向電極93の間に介在する液晶25と、1つのカラーフィルター89と、を有する素子であるともみなされ得る。
【0053】
ところで、Y方向に隣り合うTFT素子71間において、ソース電極79同士は、平面図である図5に示すように、信号線Seを介してつながっている。また、X方向に隣り合うTFT素子71間において、ゲート電極75同士は、走査線Teを介してつながっている。図5では、構成をわかりやすく示すため、走査線Te及び画素電極73のそれぞれにハッチングが施されている。
なお、各画素電極73は、平面視で周縁部が領域88内に及んでいる。
【0054】
ここで、ゲート電極75は、X方向に沿って並ぶ複数の画素7間にわたって一連した走査線Teとして設けられている。そして、画素7ごとに走査線Teに対向する位置に半導体層77が設けられている。各走査線Teにおいて、平面視で半導体層77に重なる領域がゲート電極75であると定義され得る。
なお、図4における液晶パネル11の断面は、図5中のE−E線における断面に相当している。
【0055】
表示装置1では、液晶パネル11は、図6に示すように、複数の走査線Teと、複数の信号線Seと、走査線駆動回路101と、信号線駆動回路103と、を有している。
なお、以下において複数の走査線Te及び複数の信号線Seのそれぞれが識別される場合に、走査線Te(n)という表記と、信号線Se(m)という表記とが用いられる。n及びmは、それぞれ、1以上の整数をとり得る変数である。
複数の走査線Teは、走査線駆動回路101につながっている。複数の信号線Seは、信号線駆動回路103につながっている。
【0056】
複数の走査線Te及び複数の信号線Seは、格子状に配線されている。複数の走査線Teは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、X方向に沿って延びている。複数の信号線Seは、X方向に互いに間隔をあけた状態で、Y方向に沿って延びている。各画素7は、各走査線Teと各信号線Seとの交差に対応して設定されている。
各信号線Seは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素7すなわち各画素列51に対応している。各走査線Teは、X方向に沿って並ぶ複数の画素7すなわち各画素行53に対応している。
【0057】
照明パネル15は、平面図である図7に示すように、領域131が区画されている。領域131は、表示パネル3における表示領域8(図1)に平面的に重なる領域である。領域131内には、複数のEL素子45が設けられている。
なお、図7では、構成をわかりやすく示すため、EL素子45が誇張され、且つEL素子45の個数が減じられている。
【0058】
照明パネル15では、複数のEL素子45が、図8に示すように、Y方向に沿って並んでいる。Y方向に沿って並ぶ複数のEL素子45は、1つの素子列133を構成している。照明パネル15は、複数の素子列133を有している。複数の素子列133は、X方向に並列している。
また、照明パネル15では、複数のEL素子45がX方向に沿って並んでいるともみなされ得る。X方向に沿って並ぶ複数のEL素子45は、1つの素子行134を構成している。照明パネル15は、複数の素子行134を有している。複数の素子行134は、Y方向に並列している。
なお、本実施形態では、EL素子45は、図9に示すように、画素7に対応して設けられている。
【0059】
照明パネル15は、回路構成を示す図である図10に示すように、EL素子45ごとに、選択トランジスター141と、駆動トランジスター143と、容量素子145と、を有している。EL素子45は、画素電極147と、有機層149と、共通電極151とを有している。
EL素子45、並びにこのEL素子45に対応する選択トランジスター141、駆動トランジスター143、及び容量素子145が、1つの発光素子153を構成している。
選択トランジスター141及び駆動トランジスター143は、それぞれ、TFT(Thin Film Transistor)素子で構成されている。
また、照明パネル15は、走査線駆動回路155と、信号線駆動回路157と、複数の走査線Tsと、複数の信号線Ssと、複数の電源線PWとを有している。
【0060】
なお、以下において複数の走査線Ts及び複数の信号線Ssのそれぞれが識別される場合に、走査線Ts(n)という表記と、信号線Ss(m)という表記とが用いられる。n及びmは、それぞれ、1以上の整数をとり得る変数である。
複数の走査線Tsは、それぞれ走査線駆動回路155につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。
複数の信号線Ssは、それぞれ信号線駆動回路157につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。
複数の電源線PWは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、且つ各電源線PWと各走査線TsとがY方向に間隔をあけた状態でX方向に延びている。
【0061】
各走査線Ts及び各電源線PWは、それぞれ、図8に示す各素子行134に対応している。各信号線Ssは、図8に示す各素子列133に対応している。
図10に示す選択トランジスター141のゲート電極は、対応する走査線Tsに電気的につながっている。選択トランジスター141のソース電極は、対応する信号線Ssに電気的につながっている。選択トランジスター141のドレイン電極は、駆動トランジスター143のゲート電極及び容量素子145の一方の電極に電気的につながっている。
【0062】
容量素子145の他方の電極と、駆動トランジスター143のソース電極は、それぞれ、対応する電源線PWに電気的につながっている。
駆動トランジスター143のドレイン電極は、画素電極147に電気的につながっている。画素電極147と共通電極151とは、画素電極147を陽極とし、共通電極151を陰極とする一対の電極を構成している。
ここで、共通電極151は、領域131(図7)内の複数のEL素子45間にわたって一連した状態で設けられており、複数のEL素子45間にわたって共通して機能する。
画素電極147と共通電極151との間に介在する有機層149は、有機材料で構成されており、後述する発光層を含んだ構成を有している。
【0063】
選択トランジスター141は、この選択トランジスター141につながる走査線Tsに選択信号が供給されるとオン状態となる。このとき、この選択トランジスター141につながる信号線Ssからデータ信号が供給され、駆動トランジスター143がオン状態になる。駆動トランジスター143のゲート電位は、データ信号の電位が容量素子145に一定の期間だけ保持されることによって、一定の期間だけ保持される。これにより、駆動トランジスター143のオン状態が一定の期間だけ保持される。なお、各データ信号は、発光輝度に応じた電位に生成される。
【0064】
駆動トランジスター143のオン状態が保持されているときに、駆動トランジスター143のゲート電位に応じた電流が、電源線PWから画素電極147と有機層149を経て共通電極151に流れる。そして、有機層149に含まれる発光層が、有機層149を流れる電流量に応じた輝度で発光する。これにより、照明パネル15では、EL素子45ごとに発光輝度の調整が行われ得る。
照明パネル15(図2)は、EL素子45における発光層が発光し、発光層からの光が封止基板43を介して表示面9側へ射出されるトップエミッション型の有機EL装置の1つである。
【0065】
照明パネル15の素子基板41は、図8中のF−F線における断面図である図11に示すように、第5基板161を有している。第5基板161は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた第1面163aと、底面29側に向けられた第2面163bとを有している。
第5基板161の第1面163aには、素子層165が設けられている。素子層165には、図10に示す選択トランジスター141と、駆動トランジスター143と、容量素子145と、走査線Tsと、信号線Ssと、電源線PWと、が含まれている。
【0066】
素子層165の表示面9側には、EL素子45ごとに画素電極147が設けられている。画素電極147の材料としては、例えば、銀、白金、アルミニウム、銅などの光反射性を有する金属や、これらを含む合金などが採用され得る。
画素電極147を陽極として機能させる場合には、画素電極147の材料として、銀、白金などの仕事関数が比較的高い材料を用いることが好ましい。また、画素電極147の材料としてITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などを用い、光反射性を有する部材を画素電極147と第5基板161との間に設けた構成も採用され得る。
【0067】
また、素子層165の表示面9側には、隔壁167が設けられている。隔壁167は、EL素子45ごとにEL素子45の発光領域169を囲んでいる。隔壁167は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有するアクリル系の樹脂やポリイミド樹脂などの有機材料で構成されており、EL素子45ごとに開口部が設けられた構成を有している。1つのEL素子45に着目すると、隔壁167は、平面視で環状に設けられている。本実施形態では、隔壁167の材料としてアクリル系の樹脂が採用されている。
画素電極147の表示面9側には、隔壁167に囲まれた領域すなわち発光領域169内に、有機層149が設けられている。
【0068】
有機層149は、正孔注入層171と、正孔輸送層173と、発光層175とを有している。
正孔注入層171は、有機材料で構成されており、発光領域169内で、画素電極147の表示面9側に設けられている。
正孔注入層171の有機材料としては、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等との混合物が採用され得る。正孔注入層171の有機材料としては、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやこれらの誘導体なども採用され得る。
【0069】
正孔輸送層173は、有機材料で構成されており、発光領域169内で、正孔注入層171の表示面9側に設けられている。
正孔輸送層173の有機材料としては、例えば、TFBなどのトリフェニルアミン系ポリマーを含んだ構成が採用され得る。
発光層175は、有機材料で構成されており、発光領域169内で、正孔輸送層173の表示面9側に設けられている。
【0070】
ここで、発光層175は、Rの光を発する発光層と、Gの光を発する発光層と、Bの光を発する発光層とを重ねた構成を有している。なお、Rの光を発する発光層とGの光を発する発光層との間や、Gの光を発する発光層とBの光を発する発光層との間に、中間層が設けられることもある。
Rの光を発する発光層の有機材料としては、例えば、F8(ポリジオクチルフルオレン)と、ペリレン染料とを混合したものが採用され得る。
Gの光を発する発光層の有機材料としては、例えば、F8BTと、TFBと、F8とを混合したものが採用され得る。
Bの光を発する発光層の有機材料としては、例えば、F8が採用され得る。
【0071】
発光層175の表示面9側には、発光領域169内に、電子注入層177が設けられている。
電子注入層177の材料としては、例えば、マグネシウムと銀とを含む合金や、カルシウムなどが採用され得る。また、電子注入層177の材料としては、ストロンチウムなども採用され得る。本実施形態では、電子注入層177の材料として、マグネシウムと銀とを含む合金(以下、MgAgと呼ぶ)が採用されている。
【0072】
電子注入層177の表示面9側には、共通電極151が設けられている。共通電極151は、例えば、アルミニウム等の金属を薄膜化して光透過性を付与したものなどが採用され得る。また、共通電極151は、例えば、MgAg等を薄膜化して光透過性を付与したものなどによっても構成され得る。また、共通電極151の材料としては、ニッケルや銅などの金属も採用され得る。本実施形態では、共通電極151として、MgAgの薄膜が採用されている。共通電極151は、電子注入層177及び隔壁167を表示面9側から複数のEL素子45間にわたって覆っている。
【0073】
なお、各EL素子45において発光する領域は、平面視で画素電極147と有機層149と共通電極151とが重なる領域であると定義され得る。本実施形態では、EL素子45において発光する領域は、発光領域169と同等である。
また、本実施形態において、発光素子153(図10)ごとに発光する領域を構成する要素の一群が1つのEL素子45であると定義され得る。照明パネル15では、1つのEL素子45は、1つの画素電極147と、1つの有機層149と、1つの電子注入層177と、1つの発光素子153に対応する共通電極151とを含んでいる。
【0074】
封止基板43は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた外向面43aと、底面29側に向けられた対向面43bとを有している。
上記の構成を有する素子基板41及び封止基板43は、素子基板41の共通電極151と封止基板43の対向面43bとの間が、接着剤47を介して接合されている。
【0075】
照明パネル15では、図2に示すシール材49は、図11に示す第5基板161の第1面163aと、封止基板43の対向面43bとによって挟持されている。つまり、照明パネル15では、EL素子45及び接着剤47が、第5基板161及び封止基板43並びにシール材49によって封止されている。なお、シール材49は、対向面43b及び共通電極151の間に設けられていてもよい。この場合、EL素子45及び接着剤47は、素子基板41及び封止基板43並びにシール材49によって封止されているとみなされ得る。
【0076】
制御部6は、表示装置1のブロック図である図12に示すように、画像制御部191と、発光制御部195と、を有している。
画像制御部191は、液晶パネル11に、走査信号PLS1と、画像データDATA1と、共通信号Vc1と、を出力する。走査信号PLS1は、走査線駆動回路101に入力される。画像データDATA1は、信号線駆動回路103に入力される。共通信号Vc1は、対向電極93に入力される。
走査信号PLS1は、1フレーム期間の開始を規定する信号である。画像データDATA1は、各画素7における階調を指示するデータであり、画素行53(図3)単位で信号線駆動回路103に出力される。
【0077】
走査線駆動回路101は、入力された走査信号PLS1に基づいて、走査線Te(n)に順次に選択信号Ge(n)を出力する。
信号線駆動回路103は、入力された画像データDATA1に基づいて、各画素7に対応するデータ信号de(m)を、複数の信号線Se(m)に画素行53単位でまとめて出力する。
対向電極93は、共通信号Vc1に応じた電位に保たれる。
【0078】
発光制御部195は、照明パネル15に、走査信号PLS2と、画像データDATA2と、電源信号PWSと、共通信号Vc2と、を出力する。走査信号PLS2は、走査線駆動回路155に入力される。画像データDATA2は、信号線駆動回路157に入力される。電源信号PWSは、電源線PWに入力される。共通信号Vc2は、共通電極151に入力される。
走査信号PLS2は、1フレーム期間の開始を規定する信号である。画像データDATA2は、各EL素子45における階調を指示するデータであり、素子行134(図8)単位で信号線駆動回路157に出力される。
【0079】
走査線駆動回路155は、入力された走査信号PLS2に基づいて、走査線Ts(n)に順次に選択信号Gs(n)を出力する。
信号線駆動回路157は、入力された画像データDATA2に基づいて、各EL素子45に対応するデータ信号ds(m)を、複数の信号線Ss(m)に素子行134単位でまとめて出力する。
電源線PWは、電源信号PWSに応じた電位に保たれる。また、共通電極151は、共通信号Vc2に応じた電位に保たれる。
上記の構成により、複数のEL素子45は、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数のEL素子45間で相互に独立して制御され得る。
【0080】
上記の構成を有する表示装置1では、照明パネル15から液晶パネル11に光を照射した状態で、液晶25の配向状態を画素7ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶25の配向状態は、画素電極73及び対向電極93間に印加する電圧(以下、駆動電圧と呼ぶ)を制御することによって変化し得る。
配向膜69及び配向膜95のそれぞれには、配向処理が施されている。配向処理が施された配向膜69及び配向膜95によって、液晶25の初期的な配向状態が規制される。
表示装置1では、駆動電圧が0Vのときに、液晶25がオフ状態にある。駆動電圧が大きくなると、画素電極73及び対向電極93間に発生する電界によって液晶25が駆動される。液晶25が駆動された状態は、オン状態と呼ばれる。
【0081】
図13(a)は、液晶25がオフ状態のときの液晶パネル11での偏光状態を示す図である。図13(b)は、液晶25がオン状態のときの液晶パネル11での偏光状態を示す図である。
表示装置1では、偏光板17aの透過軸の方向201aは、図13(a)及び図13(b)に示すように、平面視で偏光板17bの透過軸の方向201bに直交している。配向膜69の配向方向203は、平面視で透過軸の方向201aに沿っている。配向膜95の配向方向205は、平面視で透過軸の方向201aに直交している。
なお、図13(a)及び図13(b)において、X'方向及びY'方向は、X'方向が平面視で偏光板17bの透過軸の方向201bに沿った方向を示し、Y'方向がXY平面内でX'方向に直交する方向を示している。X'方向及びY'方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
【0082】
照明パネル15から偏光板17aに入射された入射光は、偏光板17aの透過軸の方向201aすなわちY'方向に沿った偏光軸を有する直線偏光207として液晶25に入射される。
液晶25に入射された直線偏光207は、液晶25がオフ状態のときに、図13(a)に示すように、X'方向に沿った偏光軸を有する直線偏光209として偏光板17bに向けて射出される。偏光板17bに向けて射出された直線偏光209は、偏光軸の方向が偏光板17bの透過軸の方向201bに沿っているため、偏光板17bを透過する。
【0083】
他方で、液晶25がオン状態のときに、直線偏光207は、図13(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光207として偏光板17bに向けて射出される。偏光板17bに向けて射出された直線偏光207は、偏光軸の方向が偏光板17bの透過軸の方向201bに対して直交しているため、偏光板17bによって吸収される。
【0084】
表示装置1では、液晶25がオフ状態のときに液晶パネル11から表示面9側に光が射出され、液晶25がオン状態のときに液晶パネル11からの光の射出が遮断される所謂ノーマリーホワイト(初期的に“白表示”の状態)の表示モードが採用されている。しかしながら、表示モードは、ノーマリーホワイトに限定されず、所謂ノーマリーブラック(初期的に“黒表示”の状態)も採用され得る。
【0085】
本実施形態では、図12に示す制御部6に、図示しない上位装置から指向性表示の指令と指向性表示における画像の数が入力されたときに、指向性表示が行われる。
以下に、画像の数が2つの場合における指向性表示について説明する。
表示装置1では、上位装置から制御部6に画像の数が2つである旨を示す情報が入力されたことに基づいて、マトリクスMを構成する複数の画素7が、図14に示すように、複数の第1の画素71と、複数の第2の画素72とに区別される。
表示装置1では、照明パネル15からの光を、複数の第1の画素71から選択的に表示面9を介して表示パネル3の外に射出することで、表示面9に第1の画像を表示することができる。
また、表示装置1では、照明パネル15からの光を、複数の第2の画素72から選択的に表示面9を介して表示パネル3の外に射出することで、表示面9に第2の画像を表示することができる。
表示装置1では、第1の画像及び第2の画像の2つの画像を、同一フレーム内で表示することができる。
【0086】
なお、第1の画像と第2の画像とは、相互に異なる画像であることと、相互に同じ画像であることとが問われない。
また、以下においては、画素7という表記と、画素7R,7G及び7Bという表記と、第1の画素71及び第2の画素72という表記とが、適宜、使いわけられる。また、第1の画素71に対してR、G及びBが識別される場合、第1の画素7R1,7G1及び7B1という表記が用いられる。同様に、第2の画素72に対してR、G及びBが識別される場合、第2の画素7R2,7G2及び7B2という表記が用いられる。
【0087】
マトリクスMにおいて、複数の第1の画素71は、V方向に沿って並んでいる。また、複数の第2の画素72も、V方向に沿って並んでいる。V方向に沿って並ぶ複数の第1の画素71は、1つの画素配列571を構成している。同様に、V方向に沿って並ぶ複数の第2の画素72が1つの画素配列572を構成している。
なお、V方向は、X方向及びY方向の双方に対して交差する方向である。
【0088】
表示装置1では、第1の画素71と第2の画素72とが、X方向に交互に並んでいる。また、第1の画素71と第2の画素72とは、Y方向にも交互に並んでいる。
マトリクスMを構成する複数の画素7は、X方向に隣り合う第1の画素71及び第2の画素72の2つの画素7ごとに、これらの2つの画素7を1組とする複数組の画素群55にわけられている。各画素群55での第1の画素71及び第2の画素72の並び順は、複数組の画素群55間で統一している。
【0089】
本実施形態では、第1の画素71と第2の画素72とが、図14で見て、X方向に左側から右側に向かってこの順で並んでいる。なお、第1の画素71及び第2の画素72の並び順は、複数組の画素群55間で統一していれば、いずれが左側でも右側でもよい。
表示装置1では、複数組の画素群55は、図15に示すように、X方向及びV方向のそれぞれの方向に沿って並んでいる。
【0090】
また、表示装置1では、上位装置から制御部6に画像の数が2つである旨を示す情報が入力されたことに基づいて、複数のEL素子45が、図16に示すように、複数のEL素子451と、複数のEL素子452とに区別される。
EL素子451とEL素子452とは、X方向に交互に並んでいる。また、複数のEL素子451がV方向に並んでいる。複数のEL素子452もV方向に並んでいる。V方向に並ぶ複数のEL素子451は、1つの素子配列1351を構成している。V方向に並ぶ複数のEL素子452は、1つの素子配列1352を構成している。
なお、図16では、構成をわかりやすく示すため、EL素子452にハッチングが施されている。
X方向に隣り合うEL素子451とEL素子452とは、図17に示すように、画素群55に対応している。
【0091】
第1の画像及び第2の画像の2つの画像のうち第1の画像が第1の画素71に割り当てられ、第2の画像が第2の画素72に割り当てられる。
指向性表示では、複数のEL素子45のうち一部のEL素子45が射光状態に制御され、他のEL素子45が停止状態に制御される。この場合、EL素子451及びEL素子452のいずれか一方を射光状態に制御し、EL素子451及びEL素子452の他方を停止状態に制御する方法が採用され得る。この制御は、図12に示す発光制御部195によって達成され得る。
【0092】
以下においては、EL素子451を射光状態に制御し、EL素子452を停止状態に制御する場合を例に説明する。
EL素子451から射出された光は、対応する画素群55における画素7に向かって液晶パネル11に入射する。
このとき、EL素子451から液晶パネル11に入射した光は、画素群55における第1の画素71及び第2の画素72を介して表示面9から射出される。
図18は、液晶パネル11及び照明パネル15を図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図である。
EL素子451から第1の画素71を介して表示面9側に向けて射出された光211は、図18に示すように、第1の範囲213に及ぶ。
また、EL素子451から第2の画素72を介して表示面9側に向けて射出された光215は、第2の範囲217に及ぶ。
【0093】
なお、本実施形態では、複数の第1の画素71から射出された光211は、L1の離間距離において、第1の範囲213の両端のそれぞれで交差する。複数の第2の画素72から射出された光215は、L1の離間距離において、第2の範囲217の両端のそれぞれで交差する。これは、X方向に隣り合うEL素子45同士間の間隔Paを、X方向に隣り合う画素群55同士間の間隔Pbよりも長く設定することによって実現され得る。これにより、第1の範囲213内から、すべての第1の画素71を視認しやすくすることができる。また、第2の範囲217内から、すべての第2の画素72を視認しやすくすることができる。この結果、表示における表示品位を高めやすくすることができる。
【0094】
第1の範囲213からは、EL素子451から第1の画素71を介して射出される光211が視認され得る。第2の範囲217からは、EL素子451から第2の画素72を介して射出される光215が視認され得る。
第1の範囲213内に視点があれば、複数の第1の画素71からの光211によって形成される第1の画像が視認され得る。第2の範囲217内に視点があれば、複数の第2の画素72からの光215によって形成される第2の画像が視認され得る。
つまり、表示装置1では、第1の画像を第1の範囲213に表示し、第2の画像を第2の範囲217に表示することができる。第1の範囲213及び第2の範囲217は、相互に異なる範囲である。このように、表示装置1では、X方向に並ぶ2つの範囲に指向性表示を行うことができる。
【0095】
なお、第1の範囲213と、第2の範囲217とは、互いに重畳する範囲219(以下、重畳範囲219と呼ぶ)を有している。重畳範囲219からは、第1の画像と第2の画像とが重畳した状態で視認される。
第1の範囲213から重畳範囲219を除いた範囲213aからは、第1の画像だけが視認され得る。また、第2の範囲217から重畳範囲219を除いた範囲217aからは、第2の画像だけが視認され得る。これらの範囲213a及び範囲217aは、それぞれ、適視範囲213a及び適視範囲217aと呼ばれる。
【0096】
表示装置1において、第1の画像及び第2の画像を、それぞれ、相互に異なる視点から捉えた画像とすれば、擬似的に立体画像を表示することができる。この場合、例えば、第1の画像を左眼用の画像とし、第2の画像を右眼用の画像とすれば、第1の画像及び第2の画像は、視差画像を構成する。これにより、擬似的な立体画像の表示が実現し得る。
表示装置1では、適視範囲213a内に左眼が位置し、適視範囲217a内に右眼が位置していれば、観察者は、擬似的に立体画像を視認することができる。
【0097】
ところで、表示装置1において、1つの画像だけを表示することも可能である。この場合、第1の画素71及び第2の画素72の双方を1つの画像の表示に用いればよい。
前述したように、本実施形態では、EL素子45(図9)が画素7に対応して設けられている。表示装置1では、1つの画像だけを表示する場合、マトリクスMを構成する複数の画素7に対応する複数のEL素子45は、発光制御部195によって射光状態に制御される。
マトリクスMを構成する複数の画素7に対応する複数のEL素子45が射光状態のとき、各EL素子45からの光は、このEL素子45に対応する画素7に入射する。このため、EL素子45からの光の指向性が弱められる。これにより、表示における指向性が弱められる。この結果、表示における指向性を解除した状態で1つの画像を視認することができる。
このように、表示装置1では、指向性表示と、指向性表示が解除された非指向性表示とを実現することができる。
【0098】
また、本実施形態では、指向性表示及び非指向性表示のそれぞれにおいて、画像の濃淡に応じてEL素子45ごとにEL素子45の輝度が制御され得る。この場合、画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度が高く制御される。
これは、図12に示す制御部6において、画像データDATA1によって指示される階調度に基づいて、発光制御部195が照明パネル15を制御することによって実現され得る。画像の濃淡は、画像データDATA1に示される階調度によって制御される。高い階調度(明るい階調)が指示された画素7においては、画像が淡くなる。他方で、低い階調度(暗い階調)が指示された画素7においては、画像が濃くなる。
【0099】
発光制御部195は、画像データDATA1に示される階調度に応じた画像データDATA2を信号線駆動回路157に出力する。
これにより、画像データDATA1に示される階調度と、各EL素子45における発光輝度とを合わせやすくすることができる。この結果、画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度を高く制御することができる。
画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度を高く制御することによって、画像の濃淡の差を強調することができる。
指向性表示において、第1の画像と第2の画像とが視差画像を構成する場合、画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度を高く制御することによって、画像の奥行き感が高められる。これにより、立体画像の立体感を強調することができる。
【0100】
なお、指向性表示において、画像の数は、第1の画像及び第2の画像の2つに限定されない。これらの2つの画像に第3の画像を加えた3つの画像も採用され得る。
3つの画像の場合、マトリクスMを構成する複数の画素7が、図19に示すように、複数の第1の画素71と、複数の第2の画素72と、複数の第3の画素73と、に区別される。複数の第1の画素71、複数の第2の画素72、及び複数の第3の画素73は、それぞれ、V方向に沿って並んでいる。
【0101】
このとき、V方向に沿って並ぶ複数の第3の画素73は、1つの画素配列573を構成している。画素配列571と画素配列572と画素配列573とは、X方向に並んでいる。
そして、X方向に連続して並ぶ第1の画素71と第2の画素72と第3の画素73とが、1組の画素群55を構成する。
複数組の画素群55は、図20に示すように、X方向及びV方向のそれぞれの方向に沿って並んでいる。
【0102】
また、複数のEL素子45は、図21に示すように、複数のEL素子451と、複数のEL素子452と、複数のEL素子453とに区別される。
EL素子451とEL素子452とEL素子453とは、X方向に連続して並んでいる。また、複数のEL素子451、複数のEL素子452、及び複数のEL素子453は、それぞれ、V方向に並んでいる。V方向に並ぶ複数のEL素子453は、1つの素子配列1353を構成している。
なお、図21では、構成をわかりやすく示すため、EL素子452及びEL素子453にハッチングが施されている。
X方向に連続して並ぶEL素子451とEL素子452とEL素子453とは、図22に示すように、画素群55に対応している。
【0103】
第1の画像、第2の画像及び第3の画像の3つの画像のうち第1の画像が第1の画素71に割り当てられ、第2の画像が第2の画素72に割り当てられ、第3の画像が第3の画素73に割り当てられる。
また、この場合、画素群55に対応する3つのEL素子45のうちの1つが射光状態に制御され、他のEL素子45が停止状態に制御される。この制御は、図12に示す発光制御部195によって達成され得る。
以下においては、EL素子452を射光状態に制御し、EL素子451及びEL素子453を停止状態に制御する場合を例に説明する。
【0104】
図23は、液晶パネル11及び照明パネル15を図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図である。
EL素子452から第1の画素71を介して表示面9側に向けて射出された光211は、図23に示すように、第1の範囲213に及ぶ。
同様に、EL素子452から第2の画素72を介して表示面9側に向けて射出された光215は、第2の範囲217に及ぶ。
そして、EL素子452から第3の画素73を介して表示面9側に向けて射出された光223は、第3の範囲225に及ぶ。
【0105】
第3の範囲225からは、EL素子452から第3の画素73を介して射出される光223が視認され得る。第3の範囲225内に視点があれば、複数の第3の画素73からの光223によって形成される第3の画像が視認され得る。
つまり、表示装置1では、第1の画像を第1の範囲213に表示し、第2の画像を第2の範囲217に表示し、第3の画像を第3の範囲225に表示することができる。第1の範囲213、第2の範囲217、及び第3の範囲225は、相互に異なる範囲である。このように、表示装置1では、X方向に並ぶ3つの範囲に指向性表示を行うことができる。
なお、第2の範囲217と、第3の範囲225とは、重畳範囲219を有している。重畳範囲219からは、X方向に隣り合う2つの画像が重畳した状態で視認される。
【0106】
上記の3つの画像の例において、それぞれ、相互に異なる視点から捉えた画像とすれば、擬似的な立体画像を2つの異なる方向から捉えられた立体画像として表示することができる。この場合、第1の画像及び第2の画像が1組の視差画像を構成し、第2の画像及び第3の画像が1組の視差画像を構成する。これにより、2つの異なる方向から捉えられた立体画像の表示が実現し得る。これにより、例えば、表示装置1に対する観察者の位置が変化したときに、観察者に、立体画像の対象物の角度が連続的に変化する感覚を与えることができる。
【0107】
表示装置1では、画像の数が2つ以上のときに、画像の数に応じて、複数のEL素子45のうちの一部が停止状態に制御され、他のEL素子45が射光状態に制御される。
これにより、表示装置1では、画像の数に応じて指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
このことは、例えば、以下のように法則化することができる。
この法則では、指向性表示における画像の数がh個(hは、2以上の整数)とされる。そして、複数の画素7は、h個の画素7ごとに、h個の画素7を1組の画素群55とする複数組の画素群55に区分される。
照明パネル15では、画素群55に対応するh個のEL素子45のうちの1つが射光状態に制御され、残りのEL素子45が停止状態に制御される。
この法則によれば、h個の画像の数に応じて、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
【0108】
なお、画像の数に応じて指向性表示における視範囲の数を変化させる場合においても、画像の濃淡の淡さに応じてEL素子45の輝度を高く制御する方法が採用され得る。これにより、指向性表示における視範囲の数を変化させる場合においても、画像の濃淡の差を強調することができる。
上記の法則によれば、hの数すなわち画像の数が多くなると指向性表示における視範囲の数を増やすことができる。この反面、指向性表示における視範囲の数が増えるということは、停止状態に制御されるEL素子45の数が増えることを意味する。停止状態に制御されるEL素子45の数が増えると、画像が暗くなりやすい。このため、画像の数が多くなると画像が暗くなりやすい。
これに対し、本実施形態では、射光状態に制御されるEL素子45は、画像の数に応じて発光輝度が高く制御される。これは、図12に示す制御部6の指令に基づいて、発光制御部195が画像の数に応じた画像データDATA2を信号線駆動回路157に出力することによって達成され得る。
これにより、視範囲の数を増やしても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
【0109】
発光輝度を高める度合いとしては、例えば、上記の変数hの値に応じた度合いが採用され得る。
例えば、h=2のとき、複数のEL素子45は、2個に1個の割り合いで停止状態に制御される。このため、h=2のときには、画像の数が1つのときに比較して、照明パネル15の明るさが略半減する。そこで、h=2のときに、射光状態に制御されるEL素子45の輝度をk倍にすれば、照明パネル15の明るさを、画像の数が1つのときと略同等にすることができる。
このことから、射光状態に制御するEL素子45の輝度を、hの値に応じてh倍の輝度に制御することは、好ましい。
【0110】
さらに、射光状態に制御するEL素子45の輝度を画像の数に応じて高く制御する場合においても、画像の濃淡の淡さに応じてEL素子45の輝度を高く制御する方法が採用され得る。これにより、表示する画像を明るく保ちながら視範囲の数を増やしつつ、画像の濃淡の差を強調することができる。
【0111】
本実施形態にいおいて、EL素子45が射光素子としてのエレクトロルミネセンス素子に対応し、発光制御部195が制御部に対応している。また、X方向が第1の方向に対応し、Y方向が第2の方向に対応し、V方向が第1の方向及び第2の方向の双方に対して交差する方向に対応している。
なお、本実施形態では、複数の画素群55がX方向及びV方向の双方に並んでいるが、画素群55の配列は、これに限定されない。画素群55の配列としては、複数の画素群55がX方向及びY方向の双方に並んでいる配列も採用され得る。
しかしながら、複数の画素群55がX方向及びV方向の双方に並んでいる配列では、複数の画素群55がX方向及びY方向の双方に並んでいる配列に比較して、X方向における解像度を高めやすくすることができる。これにより、表示における精細度を高めやすくすることができる。この結果、表示における表示品位を向上させやすくすることができる。
【0112】
また、本実施形態では、TN型の液晶25を例に説明したが、液晶25はこれに限定されず、FFS(Fringe Field Switching)型、IPS(In Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型等の種々の型が採用され得る。
【0113】
上述した表示装置1は、例えば、図24に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、カーナビゲーションシステム用の表示機器である。電子機器500では、表示装置1が適用された表示部510によって、例えば、運転席側から第1の画像として地図などの画像が視認され、助手席側から第2の画像として映画などの画像が視認され得る。
また、電子機器500では、表示部510として表示装置1が適用されているので、指向性表示における視範囲の数を変化させやすくすることができる。
【0114】
また、表示装置1は、例えば、図25に示す電子機器600の表示部610にも適用され得る。この電子機器600は、携帯電話機である。この電子機器600は、操作ボタン611を有している。表示部610は、操作ボタン611で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。
電子機器600では、表示装置1が適用された表示部610によって、例えば、擬似的な立体画像を表示することができる。この電子機器600では、表示部610に表示装置1が適用されているので、視差画像の視点数を増加させやすくすることができる。連続的に変化する視点から捉えられた複数の画像を採用すれば、擬似的な立体画像を相互に異なる方向から捉えられた立体画像として表示することができる。これにより、表示部610に対する観察者の位置が変化したときに、観察者に、立体画像の対象物の角度が連続的に変化する感覚を与えることができる。
なお、電子機器500や電子機器600としては、カーナビゲーションシステム用の表示機器や携帯電話機に限られず、モバイルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
【符号の説明】
【0115】
1…表示装置、3…表示パネル、6…制御部、7…画素、71…第1の画素、72…第2の画素、73…第3の画素、8…表示領域、9…表示面、11…液晶パネル、15…照明パネル、17a,17b…偏光板、21…駆動素子基板、23…対向基板、25…液晶、29…底面、41…素子基板、43…封止基板、45…EL素子、451…EL素子、452…EL素子、453…EL素子、51…画素列、53…画素行、55…画素群、571…画素配列、572…画素配列、573…画素配列、61…第1基板、69…配向膜、73…画素電極、85…第2基板、93…対向電極、95…配向膜、101…走査線駆動回路、103…信号線駆動回路、131…領域、133…素子列、134…素子行、1351…素子配列、1352…素子配列、1353…素子配列、141…選択トランジスター、143…駆動トランジスター、145…容量素子、147…画素電極、149…有機層、151…共通電極、153…発光素子、155…走査線駆動回路、157…信号線駆動回路、161…第5基板、165…素子層、167…隔壁、169…発光領域、175…発光層、191…画像制御部、195…発光制御部、211,215…光、213…第1の範囲、217…第2の範囲、223…光、225…第3の範囲、500…電子機器、510…表示部、600…電子機器、610…表示部、611…操作ボタン、M…マトリクス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気光学装置の1つとして、相互に異なる複数の範囲から見たときに、それぞれの範囲(以下、視範囲と呼ぶ)ごとに異なる画像を表示(以下、指向性表示と呼ぶ)することができる表示装置が知られている。
指向性表示を行うことができる表示装置には、複数の画素で画像を形成する表示パネルと、複数の発光領域を有する照明装置とによって指向性表示を実現するものが知られている。このような表示装置では、複数の画素は、視範囲に対応する画像ごとに区分される。
このような表示装置で2つの視範囲に指向性表示を行う仕組みについて、断面図を用いて説明する。表示パネル800は、図26に示すように、第1の画像が割り当てられる第1の画素801と、第2の画像が割り当てられる第2の画素803とを有している。そして、照明装置805は、第1の画素801及び第2の画素803の画素群807ごとに発光領域809が設けられる。
【0003】
発光領域809から表示パネル800に向けて照射される光は、第1の画素801を介して第1の範囲811に及ぶ。また、発光領域809から表示パネル800に向けて照射される光は、第2の画素803を介して第2の範囲813に及ぶ。第1の範囲811内にある視点からは、第1の画像が視認され得る。第2の範囲813内にある視点からは、第2の画像が視認され得る。表示パネル800と照明装置805とを有する表示装置では、互いに異なる視範囲である第1の範囲811及び第2の範囲813のそれぞれに、互いに異なる第1の画像及び第2の画像のそれぞれを表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−194190号公報
【特許文献2】特開平9−102969号公報
【特許文献3】特開平10−123459号公報
【特許文献4】特開平10−186272号公報
【特許文献5】米国特許第4717949号明細書
【特許文献6】米国特許第4829365号明細書
【特許文献7】米国特許第5036385号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、複数の画素を有する表示パネルと、複数の発光領域を有する照明装置とによって指向性表示を行う従来の表示装置では、複数の画素は、相互に異なる画像ごとに区分される。また、複数の画素は、各画像が割り当てられた画素を画像ごとに1つずつ含む画素群に区分される。そして、この従来の表示装置では、発光領域が画素群ごとに、すなわち発光領域が画素群に対応して設けられている。
【0006】
このような従来の表示装置では、発光領域が画素群に対応して設けられているので、指向性表示における視範囲の数は、画素群に含まれる画素の数に対応する。このため、上述した従来の表示装置において、指向性表示における視範囲の数を増減させるには、視範囲の数の増減に応じて、画素群を構成する画素の数を増減させればよい。
ところで、1つの表示装置で、指向性表示における視範囲の数を増減させることができれば便利である。
【0007】
しかしながら、上述した従来の表示装置では、1つの発光領域と1つの画素群とが対応付けられている。このため、従来の表示装置では、画素群を構成する画素の数を増減させると、発光領域と画素群との対応がとれなくなってしまう。
つまり、従来の表示装置では、指向性表示における視範囲の数を変化させることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0009】
[適用例1]複数の画素の前記画素ごとに駆動が制御される液晶と、前記液晶に向けて照射する光を射出する複数の射光素子と、を含み、前記複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の前記画素ごとに、前記h個の画素を1組の画素群とする複数組の前記画素群に区分され、前記複数の画素には、前記h個の画像が、前記画素群ごとに、前記h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられ、前記射光素子は、前記画素に対応して設けられており、且つ、前記光を射出する射光状態と前記光の射出を停止する停止状態とが、前記複数の射光素子間で相互に独立して制御され、前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、前記h個の画素に対応するh個の前記射光素子のうちの一部が前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御され、前記射光状態に制御される前記射光素子は、hの数の多さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【0010】
この適用例の電気光学装置は、液晶と、複数の射光素子と、を有している。液晶は、複数の画素の画素ごとに駆動が制御される。射光素子は、液晶に向けて照射する光を射出する。複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の画素ごとに、これらのh個の画素を1組の画素群とする複数組の画素群に区分される。複数の画素には、h個の画像が、画素群ごとに、h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられる。射光素子は、画素に対応して設けられている。射光素子は、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数の射光素子間で相互に独立して制御される。複数の射光素子は、画素群ごとに、h個の画素に対応するh個の射光素子のうちの一部が射光状態に制御され、h個の射光素子の残りが停止状態に制御される。
この電気光学装置では、例えば、画素群ごとにh個の画素に対応するh個の射光素子のうちの1つを射光状態に制御し、他の射光素子を停止状態に制御することにより、射光状態の射光素子からの光は、h個の画素のそれぞれを介して、相互に異なるh個の視範囲に及ぶ。画素群におけるh個の画素には、h個の画像が1つずつ割り当てられる。このため、相互に異なるh個の視範囲のそれぞれに、h個の画像のそれぞれを表示することができる。これにより、この電気光学装置では、指向性表示を行うことができる。
【0011】
また、この電気光学装置では、射光状態と停止状態とが、射光素子ごとに独立して制御され得る。このため、画像の数すなわちhの数に応じて、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
また、この電気光学装置では、射光素子が画素に対応して設けられているので、複数の射光素子を射光状態に制御することによって、表示における指向性を弱めることができる。この結果、指向性表示を解除しやすくすることができる。つまり、この電気光学装置では、指向性表示と、指向性表示が解除された非指向性表示とを実現しやすくすることができる。
【0012】
ところで、この電気光学装置では、hの数すなわち画像の数が多くなると指向性表示における視範囲が増える。この反面、指向性表示における視範囲が増えるということは、停止状態に制御される射光素子の数が増えることを意味する。
一般的に、停止状態に制御される射光素子の数が増えると、画像が暗くなりやすい。このため、画像の数が多くなると画像が暗くなりやすい。
これに対し、この電気光学装置では、射光状態に制御される射光素子は、hの数の多さに応じて、光の輝度が高く制御される。このため、画像の数が多くなると、射光素子からの光の輝度が高くなる。よって、この電気光学装置では、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
【0013】
[適用例2]上記の電気光学装置であって、前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、前記h個の前記射光素子のうちの1つが前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【0014】
この適用例では、複数の射光素子は、画素群ごとに、h個の射光素子のうちの1つが射光状態に制御され、h個の射光素子の残りが停止状態に制御される。これにより、指向性表示における視範囲の数を、画像の数に応じて変化させることができる。
【0015】
[適用例3]上記の電気光学装置であって、前記射光素子の前記射光状態及び前記停止状態を、前記射光素子ごとに制御する制御部を有する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0016】
この適用例の電気光学装置は、射光素子の射光状態及び停止状態を制御する制御部を有する。この制御部は、射光状態及び停止状態を、射光素子ごとに制御する。これにより、複数の射光素子の一部を射光状態に制御し、他の射光素子を停止状態に制御することができ、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
【0017】
[適用例4]上記の電気光学装置であって、前記射光状態に制御される前記射光素子は、前記画像の濃淡における淡さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする電気光学装置。
【0018】
この適用例では、射光状態に制御される射光素子は、画像の濃淡における淡さに応じて、光の輝度が高く制御される。これにより、画像の濃淡の差を、光の輝度で強調することができる。
【0019】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記複数の射光素子は、エレクトロルミネセンス素子で構成されている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0020】
この適用例では、複数の射光素子は、エレクトロルミネセンス素子で構成されている。これにより、エレクトロルミネセンス素子を発光させることによって、射光素子を射光状態にすることができる。
【0021】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記複数の画素は、第1の方向に沿って配列する複数の前記画素を1つの画素配列として、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並列する複数の前記画素配列を構成しており、各前記画素配列において、複数組の前記画素群が前記第1の方向に沿って並んでおり、前記第2の方向に隣り合う2つの前記画素配列において、一方の前記画素配列における前記画素群と、他方の前記画素配列における前記画素群とが、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方に対して交差する方向に並んでいる、ことを特徴とする電気光学装置。
【0022】
この適用例では、複数の画素は、複数の画素配列を構成している。1つの画素配列では、複数の画素が第1の方向に沿って配列している。複数の画素配列は、第1の方向とは交差する第2の方向に並列している。各画素配列において、複数組の画素群が第1の方向に沿って並んでいる。第2の方向に隣り合う2つの画素配列において、一方の画素配列における画素群と、他方の画素配列における画素群とが、第1の方向及び第2の方向の双方に対して交差する方向に並んでいる。これにより、例えば、第2の方向に隣り合う2つの画素配列において、一方の画素配列における画素群と、他方の画素配列における画素群とが、第2の方向に並んでいる構成に比較して、第1の方向における解像度を高めやすくすることができる。これにより、表示における精細度を高めやすくすることができる。この結果、表示における表示品位を向上させやすくすることができる。
【0023】
[適用例7]上記の電気光学装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【0024】
この適用例の電子機器は、電気光学装置を有している。この電気光学装置は、液晶と、複数の射光素子と、を有している。液晶は、複数の画素の画素ごとに駆動が制御される。射光素子は、液晶に向けて照射する光を射出する。複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の画素ごとに、これらのh個の画素を1組の画素群とする複数組の画素群に区分される。複数の画素には、h個の画像が、画素群ごとに、h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられる。射光素子は、画素に対応して設けられている。射光素子は、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数の射光素子間で相互に独立して制御される。複数の射光素子は、画素群ごとに、h個の画素に対応するh個の射光素子のうちの一部が射光状態に制御され、h個の射光素子の残りが停止状態に制御される。
この電気光学装置では、例えば、画素群ごとにh個の画素に対応するh個の射光素子のうちの1つを射光状態に制御し、他の射光素子を停止状態に制御することにより、射光状態の射光素子からの光は、h個の画素のそれぞれを介して、相互に異なるh個の視範囲に及ぶ。画素群におけるh個の画素には、h個の画像が1つずつ割り当てられる。このため、相互に異なるh個の視範囲のそれぞれに、h個の画像のそれぞれを表示することができる。これにより、この電気光学装置では、指向性表示を行うことができる。
この適用例の電子機器は、指向性表示を行うことができる電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、指向性表示を行うことができる。
【0025】
また、この電気光学装置では、射光状態と停止状態とが、射光素子ごとに独立して制御され得る。このため、画像の数すなわちhの数に応じて、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
また、この電気光学装置では、射光素子が画素に対応して設けられているので、複数の射光素子を射光状態に制御することによって、表示における指向性を弱めることができる。この結果、指向性表示を解除しやすくすることができる。つまり、この電気光学装置では、指向性表示と、指向性表示が解除された非指向性表示とを実現しやすくすることができる。
この適用例の電子機器は、指向性表示と非指向性表示とを実現しやすい電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、指向性表示と非指向性表示とを実現しやすくすることができる。
【0026】
ところで、この電気光学装置では、hの数すなわち画像の数が多くなると指向性表示における視範囲が増える。この反面、指向性表示における視範囲が増えるということは、停止状態に制御される射光素子の数が増えることを意味する。
一般的に、停止状態に制御される射光素子の数が増えると、画像が暗くなりやすい。このため、画像の数が多くなると画像が暗くなりやすい。
これに対し、この電気光学装置では、射光状態に制御される射光素子は、hの数の多さに応じて、光の輝度が高く制御される。このため、画像の数が多くなると、射光素子からの光の輝度が高くなる。よって、この電気光学装置では、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
この適用例の電子機器は、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、画像の数が多くなっても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態における表示装置の主要構成を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】本実施形態における液晶パネルを図3中のD−D線で切断したときの断面図。
【図5】本実施形態におけるTFT素子及び画素電極の配置を示す平面図。
【図6】本実施形態における液晶パネルの等価回路図。
【図7】本実施形態における照明パネルを示す平面図。
【図8】本実施形態における複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図9】本実施形態における複数のEL素子の一部と複数の画素の一部とを示す平面図。
【図10】本実施形態における照明パネルの回路構成を示す図。
【図11】図8中のF−F線における断面図。
【図12】本実施形態における表示装置の主要構成を示すブロック図。
【図13】本実施形態における液晶パネルでの偏光状態を説明する図。
【図14】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図15】本実施形態における複数組の画素群の配列を説明する平面図。
【図16】本実施形態における複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図17】本実施形態における複数のEL素子の一部と複数組の画素群の一部とを示す平面図。
【図18】本実施形態における液晶パネル及び照明パネルを図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図。
【図19】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図20】本実施形態における複数組の画素群の配列を説明する平面図。
【図21】本実施形態における複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図22】本実施形態における複数のEL素子の一部と複数組の画素群の一部とを示す平面図。
【図23】本実施形態における液晶パネル及び照明パネルを図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図。
【図24】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【図25】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【図26】従来技術における課題を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態について、電気光学装置の1つである液晶装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。
実施形態における表示装置1は、図1に示すように、表示パネル3と、制御部6と、を有している。
【0029】
表示パネル3には、複数の画素7が設定されている。複数の画素7は、表示領域8内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。
ここで、本実施形態では、画素7は、図3に示すように、長辺と短辺とを有する四辺形を呈している。X方向は、画素7の短辺が延在する方向である。また、Y方向は、X方向とは直交(交差)する方向である。本実施形態では、Y方向は、画素7の長辺が延在する方向でもある。
【0030】
図1に示す表示装置1は、後述する照明パネルからの光を、複数の画素7から選択的に表示面9を介して表示パネル3の外に射出することで、表示面9に画像を表示することができる。なお、表示領域8とは、画像が表示され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、画素7が誇張され、且つ画素7の個数が減じられている。
【0031】
表示パネル3は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、液晶パネル11と、照明パネル15と、偏光板17aと、偏光板17bと、を有している。
液晶パネル11は、駆動素子基板21と、対向基板23と、液晶25と、シール材27と、を有している。
駆動素子基板21には、表示面9側すなわち液晶25側に、複数の画素7のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
【0032】
対向基板23は、駆動素子基板21よりも表示面9側で駆動素子基板21に対向し、且つ駆動素子基板21との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板23には、表示パネル3における表示面9の裏面に相当する面である底面29側すなわち液晶25側に、後述する対向電極などが設けられている。
【0033】
液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在しており、液晶パネル11の周縁よりも内側で表示領域8を囲むシール材27によって、駆動素子基板21及び対向基板23の間に封止されている。なお、本実施形態では、液晶25として、TN(Twisted Nematic)型が採用されている。
偏光板17aは、駆動素子基板21よりも底面29側に設けられている。偏光板17bは、対向基板23よりも表示面9側に設けられている。
偏光板17a及び偏光板17bは、それぞれ、透過軸を有している。これらの偏光板17a及び偏光板17bは、それぞれ、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
【0034】
なお、偏光板17aと駆動素子基板21との間や、対向基板23と偏光板17bとの間に、光学補償フィルムを設けた構成も採用され得る。光学補償フィルムを設けることで、表示パネル3を表示面9の法線方向から見たときや、法線方向から傾斜した方向から見たときなどの液晶25の位相差を補償することができる。これにより、光漏れを低減することができ、コントラストの向上が図られる。
【0035】
光学補償フィルムとしては、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子等をハイブリッド配向させた負の一軸性媒体(例えば、富士フィルム製のWVフィルム)などが採用され得る。また、屈折率異方性が正のネマチック液晶分子等をハイブリッド配向させた正の一軸性媒体(例えば、日本石油製のNHフィルム)なども採用され得る。さらに、負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせた構成も採用され得る。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のC−Plate等も採用され得る。
【0036】
照明パネル15は、偏光板17aよりも底面29側に設けられており、素子基板41と、封止基板43と、複数のEL(Electro Luminescence)素子45と、接着剤47と、シール材49と、を有している。照明パネル15は、複数のEL素子45から封止基板43を介して表示面9側に光を発する。
【0037】
素子基板41には、表示面9側に複数のEL素子45が設けられている。
封止基板43は、素子基板41よりも表示面9側で素子基板41に対向した状態で設けられている。素子基板41と封止基板43とは、接着剤47を介して接合されている。表示装置1では、EL素子45は、接着剤47によって表示面9側から覆われている。
また、素子基板41と封止基板43との間は、照明パネル15の周縁よりも内側で表示領域8を囲むシール材49によって封止されている。つまり、表示装置1では、EL素子45と接着剤47とが、素子基板41及び封止基板43並びにシール材49によって封止されている。
【0038】
表示パネル3に設定されている複数の画素7は、それぞれ、表示面9から射出する光の色が、図3に示すように、赤系(R)、緑系(G)及び青系(B)のうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMを構成する複数の画素7は、Rの光を射出する画素7Rと、Gの光を射出する画素7Gと、Bの光を射出する画素7Bとを含んでいる。
【0039】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑等を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0040】
マトリクスMでは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素7が、1つの画素列51を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の画素7が、1つの画素行53を構成している。この観点から、画素7の短辺が延在する方向であるX方向は、画素行53が延在する方向であるともみなされ得る。また、Y方向は、画素列51が延在する方向であるともみなされ得る。
1つの画素列51内の各画素7は、光の色がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMは、複数の画素7RがY方向に配列した画素列51Rと、複数の画素7GがY方向に配列した画素列51Gと、複数の画素7BがY方向に配列した画素列51Bとを有している。そして、マトリクスMでは、画素列51R、画素列51G及び画素列51Bが、X方向に沿って反復して並んでいる。
なお、以下においては、画素列51という表記と、画素列51R、画素列51G及び画素列51Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0041】
ここで、表示パネル3の構成について、詳細を説明する。
液晶パネル11の駆動素子基板21は、液晶パネル11を図3中のD−D線で切断したときの断面図である図4に示すように、第1基板61を有している。第1基板61は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた第1面63aと、底面29側に向けられた第2面63bと、を有している。
【0042】
第1基板61の第1面63aには、ゲート絶縁膜65が設けられている。ゲート絶縁膜65の表示面9側には、絶縁膜67が設けられている。絶縁膜67の表示面9側には、配向膜69が設けられている。
また、駆動素子基板21には、各画素7に対応して、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子71と、画素電極73とが、第1基板61の第1面63a側に設けられている。
TFT素子71は、ゲート電極75と、半導体層77と、ソース電極79と、ドレイン電極81と、を有している。
【0043】
ゲート電極75は、第1基板61の第1面63aに設けられており、ゲート絶縁膜65によって表示面9側から覆われている。なお、ゲート電極75の材料としては、例えば、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。また、ゲート絶縁膜65の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの光透過性を有する無機材料が採用され得る。本実施形態では、ゲート絶縁膜65の材料として、酸化シリコンが採用されている。
半導体層77は、例えばアモルファスシリコンで構成されており、ゲート絶縁膜65を挟んでゲート電極75に対向する位置に設けられている。
【0044】
ソース電極79は、ゲート絶縁膜65の表示面9側に設けられており、一部が半導体層77に重なっている。ドレイン電極81は、ゲート絶縁膜65の表示面9側に設けられており、一部が半導体層77に重なっている。なお、ソース電極79やドレイン電極81の材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。
なお、TFT素子71は、領域88内に設けられており、ドレイン電極81が領域88内から画素7の領域内に延長されている。
【0045】
上記の構成を有するTFT素子71は、半導体層77がゲート電極75と、ソース電極79及びドレイン電極81との間に位置する所謂ボトムゲート型である。このTFT素子71は、絶縁膜67によって表示面9側から覆われている。なお、絶縁膜67の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料の他に、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する有機材料も採用され得る。本実施形態では、絶縁膜67の材料として、アクリル系の樹脂が採用されている。
【0046】
画素電極73は、絶縁膜67の表示面9側に設けられている。画素電極73は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物等の光透過性を有する材料や、マグネシウムと銀とを含む合金等を薄膜化して光透過性を付与したものなどで構成され得る。画素電極73は、絶縁膜67に設けられたコンタクトホール83を介してドレイン電極81につながっている。
配向膜69は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、絶縁膜67及び画素電極73を表示面9側から覆っている。なお、配向膜69には、ラビング処理などの配向処理が施されている。
【0047】
対向基板23は、第2基板85を有している。第2基板85は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた外向面86aと、底面29側に向けられた対向面86bとを有している。
第2基板85の対向面86bには、各画素7を区画する光吸収層87が領域88にわたって設けられている。表示装置1では、各画素7は、光吸収層87によって囲まれた領域であると定義され得る。光吸収層87は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などで構成されており、平面視で格子状に設けられている。
【0048】
また、第2基板85の対向面86bには、光吸収層87によって囲まれた各領域、すなわち各画素7の領域を底面29側から覆うカラーフィルター89が設けられている。
ここで、カラーフィルター89は、入射された光のうち所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルター89は、画素7R、画素7G及び画素7Bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。画素7Rに対応するカラーフィルター89は、Rの光を透過させることができる。画素7Gに対応するカラーフィルター89はGの光を透過させ、画素7Bに対応するカラーフィルター89はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルター89に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルター89R,89G及び89Bという表記が用いられる。
【0049】
光吸収層87及びカラーフィルター89の底面29側には、オーバーコート層91が設けられている。オーバーコート層91は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、光吸収層87及びカラーフィルター89を底面29側から覆っている。
オーバーコート層91の底面29側には、対向電極93が設けられている。対向電極93は、例えばITOやインジウム亜鉛酸化物等の光透過性を有する材料や、マグネシウムと銀とを含む合金等を薄膜化して光透過性を付与したものなどで構成され得る。
【0050】
対向電極93は、マトリクスMを構成する複数の画素7間にわたって一連した状態で設けられている。つまり、対向電極93は、マトリクスMを構成する複数の画素7に平面視で重なる領域に設けられており、複数の画素7間にわたって共通して機能する。なお、対向電極93は、図示しない共通線につながっている。
対向電極93の底面29側には、配向膜95が設けられている。配向膜95は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、対向電極93を底面29側から覆っている。配向膜95には、ラビング処理などの配向処理が施されている。
【0051】
駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在する液晶25は、配向膜69と配向膜95との間に介在している。表示装置1では、図2に示すシール材27は、図4に示す第1基板61の第1面63aと、第2基板85の対向面86bとによって挟持されている。つまり、表示装置1では、液晶25は、第1基板61及び第2基板85によって保持されている。なお、シール材27は、配向膜69及び配向膜95の間に設けられていてもよい。この場合、液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23に保持されているとみなされ得る。
【0052】
また、表示装置1において、液晶25を駆動する最小単位が画素7であるという観点から、各画素7は、1つの画素電極73と、この1つの画素電極73に平面視で重なる領域内の対向電極93と、によっても規定され得る。平面視で、1つの画素電極73と対向電極93とが重なり合う領域が1つの画素7の領域とみなされ得る。このため、画素7は、1つのTFT素子71と、このTFT素子71に電気的につながる画素電極73と、この画素電極73に平面視で重なる対向電極93と、この画素電極73及び対向電極93の間に介在する液晶25と、1つのカラーフィルター89と、を有する素子であるともみなされ得る。
【0053】
ところで、Y方向に隣り合うTFT素子71間において、ソース電極79同士は、平面図である図5に示すように、信号線Seを介してつながっている。また、X方向に隣り合うTFT素子71間において、ゲート電極75同士は、走査線Teを介してつながっている。図5では、構成をわかりやすく示すため、走査線Te及び画素電極73のそれぞれにハッチングが施されている。
なお、各画素電極73は、平面視で周縁部が領域88内に及んでいる。
【0054】
ここで、ゲート電極75は、X方向に沿って並ぶ複数の画素7間にわたって一連した走査線Teとして設けられている。そして、画素7ごとに走査線Teに対向する位置に半導体層77が設けられている。各走査線Teにおいて、平面視で半導体層77に重なる領域がゲート電極75であると定義され得る。
なお、図4における液晶パネル11の断面は、図5中のE−E線における断面に相当している。
【0055】
表示装置1では、液晶パネル11は、図6に示すように、複数の走査線Teと、複数の信号線Seと、走査線駆動回路101と、信号線駆動回路103と、を有している。
なお、以下において複数の走査線Te及び複数の信号線Seのそれぞれが識別される場合に、走査線Te(n)という表記と、信号線Se(m)という表記とが用いられる。n及びmは、それぞれ、1以上の整数をとり得る変数である。
複数の走査線Teは、走査線駆動回路101につながっている。複数の信号線Seは、信号線駆動回路103につながっている。
【0056】
複数の走査線Te及び複数の信号線Seは、格子状に配線されている。複数の走査線Teは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、X方向に沿って延びている。複数の信号線Seは、X方向に互いに間隔をあけた状態で、Y方向に沿って延びている。各画素7は、各走査線Teと各信号線Seとの交差に対応して設定されている。
各信号線Seは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素7すなわち各画素列51に対応している。各走査線Teは、X方向に沿って並ぶ複数の画素7すなわち各画素行53に対応している。
【0057】
照明パネル15は、平面図である図7に示すように、領域131が区画されている。領域131は、表示パネル3における表示領域8(図1)に平面的に重なる領域である。領域131内には、複数のEL素子45が設けられている。
なお、図7では、構成をわかりやすく示すため、EL素子45が誇張され、且つEL素子45の個数が減じられている。
【0058】
照明パネル15では、複数のEL素子45が、図8に示すように、Y方向に沿って並んでいる。Y方向に沿って並ぶ複数のEL素子45は、1つの素子列133を構成している。照明パネル15は、複数の素子列133を有している。複数の素子列133は、X方向に並列している。
また、照明パネル15では、複数のEL素子45がX方向に沿って並んでいるともみなされ得る。X方向に沿って並ぶ複数のEL素子45は、1つの素子行134を構成している。照明パネル15は、複数の素子行134を有している。複数の素子行134は、Y方向に並列している。
なお、本実施形態では、EL素子45は、図9に示すように、画素7に対応して設けられている。
【0059】
照明パネル15は、回路構成を示す図である図10に示すように、EL素子45ごとに、選択トランジスター141と、駆動トランジスター143と、容量素子145と、を有している。EL素子45は、画素電極147と、有機層149と、共通電極151とを有している。
EL素子45、並びにこのEL素子45に対応する選択トランジスター141、駆動トランジスター143、及び容量素子145が、1つの発光素子153を構成している。
選択トランジスター141及び駆動トランジスター143は、それぞれ、TFT(Thin Film Transistor)素子で構成されている。
また、照明パネル15は、走査線駆動回路155と、信号線駆動回路157と、複数の走査線Tsと、複数の信号線Ssと、複数の電源線PWとを有している。
【0060】
なお、以下において複数の走査線Ts及び複数の信号線Ssのそれぞれが識別される場合に、走査線Ts(n)という表記と、信号線Ss(m)という表記とが用いられる。n及びmは、それぞれ、1以上の整数をとり得る変数である。
複数の走査線Tsは、それぞれ走査線駆動回路155につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。
複数の信号線Ssは、それぞれ信号線駆動回路157につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。
複数の電源線PWは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、且つ各電源線PWと各走査線TsとがY方向に間隔をあけた状態でX方向に延びている。
【0061】
各走査線Ts及び各電源線PWは、それぞれ、図8に示す各素子行134に対応している。各信号線Ssは、図8に示す各素子列133に対応している。
図10に示す選択トランジスター141のゲート電極は、対応する走査線Tsに電気的につながっている。選択トランジスター141のソース電極は、対応する信号線Ssに電気的につながっている。選択トランジスター141のドレイン電極は、駆動トランジスター143のゲート電極及び容量素子145の一方の電極に電気的につながっている。
【0062】
容量素子145の他方の電極と、駆動トランジスター143のソース電極は、それぞれ、対応する電源線PWに電気的につながっている。
駆動トランジスター143のドレイン電極は、画素電極147に電気的につながっている。画素電極147と共通電極151とは、画素電極147を陽極とし、共通電極151を陰極とする一対の電極を構成している。
ここで、共通電極151は、領域131(図7)内の複数のEL素子45間にわたって一連した状態で設けられており、複数のEL素子45間にわたって共通して機能する。
画素電極147と共通電極151との間に介在する有機層149は、有機材料で構成されており、後述する発光層を含んだ構成を有している。
【0063】
選択トランジスター141は、この選択トランジスター141につながる走査線Tsに選択信号が供給されるとオン状態となる。このとき、この選択トランジスター141につながる信号線Ssからデータ信号が供給され、駆動トランジスター143がオン状態になる。駆動トランジスター143のゲート電位は、データ信号の電位が容量素子145に一定の期間だけ保持されることによって、一定の期間だけ保持される。これにより、駆動トランジスター143のオン状態が一定の期間だけ保持される。なお、各データ信号は、発光輝度に応じた電位に生成される。
【0064】
駆動トランジスター143のオン状態が保持されているときに、駆動トランジスター143のゲート電位に応じた電流が、電源線PWから画素電極147と有機層149を経て共通電極151に流れる。そして、有機層149に含まれる発光層が、有機層149を流れる電流量に応じた輝度で発光する。これにより、照明パネル15では、EL素子45ごとに発光輝度の調整が行われ得る。
照明パネル15(図2)は、EL素子45における発光層が発光し、発光層からの光が封止基板43を介して表示面9側へ射出されるトップエミッション型の有機EL装置の1つである。
【0065】
照明パネル15の素子基板41は、図8中のF−F線における断面図である図11に示すように、第5基板161を有している。第5基板161は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた第1面163aと、底面29側に向けられた第2面163bとを有している。
第5基板161の第1面163aには、素子層165が設けられている。素子層165には、図10に示す選択トランジスター141と、駆動トランジスター143と、容量素子145と、走査線Tsと、信号線Ssと、電源線PWと、が含まれている。
【0066】
素子層165の表示面9側には、EL素子45ごとに画素電極147が設けられている。画素電極147の材料としては、例えば、銀、白金、アルミニウム、銅などの光反射性を有する金属や、これらを含む合金などが採用され得る。
画素電極147を陽極として機能させる場合には、画素電極147の材料として、銀、白金などの仕事関数が比較的高い材料を用いることが好ましい。また、画素電極147の材料としてITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などを用い、光反射性を有する部材を画素電極147と第5基板161との間に設けた構成も採用され得る。
【0067】
また、素子層165の表示面9側には、隔壁167が設けられている。隔壁167は、EL素子45ごとにEL素子45の発光領域169を囲んでいる。隔壁167は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有するアクリル系の樹脂やポリイミド樹脂などの有機材料で構成されており、EL素子45ごとに開口部が設けられた構成を有している。1つのEL素子45に着目すると、隔壁167は、平面視で環状に設けられている。本実施形態では、隔壁167の材料としてアクリル系の樹脂が採用されている。
画素電極147の表示面9側には、隔壁167に囲まれた領域すなわち発光領域169内に、有機層149が設けられている。
【0068】
有機層149は、正孔注入層171と、正孔輸送層173と、発光層175とを有している。
正孔注入層171は、有機材料で構成されており、発光領域169内で、画素電極147の表示面9側に設けられている。
正孔注入層171の有機材料としては、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等との混合物が採用され得る。正孔注入層171の有機材料としては、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやこれらの誘導体なども採用され得る。
【0069】
正孔輸送層173は、有機材料で構成されており、発光領域169内で、正孔注入層171の表示面9側に設けられている。
正孔輸送層173の有機材料としては、例えば、TFBなどのトリフェニルアミン系ポリマーを含んだ構成が採用され得る。
発光層175は、有機材料で構成されており、発光領域169内で、正孔輸送層173の表示面9側に設けられている。
【0070】
ここで、発光層175は、Rの光を発する発光層と、Gの光を発する発光層と、Bの光を発する発光層とを重ねた構成を有している。なお、Rの光を発する発光層とGの光を発する発光層との間や、Gの光を発する発光層とBの光を発する発光層との間に、中間層が設けられることもある。
Rの光を発する発光層の有機材料としては、例えば、F8(ポリジオクチルフルオレン)と、ペリレン染料とを混合したものが採用され得る。
Gの光を発する発光層の有機材料としては、例えば、F8BTと、TFBと、F8とを混合したものが採用され得る。
Bの光を発する発光層の有機材料としては、例えば、F8が採用され得る。
【0071】
発光層175の表示面9側には、発光領域169内に、電子注入層177が設けられている。
電子注入層177の材料としては、例えば、マグネシウムと銀とを含む合金や、カルシウムなどが採用され得る。また、電子注入層177の材料としては、ストロンチウムなども採用され得る。本実施形態では、電子注入層177の材料として、マグネシウムと銀とを含む合金(以下、MgAgと呼ぶ)が採用されている。
【0072】
電子注入層177の表示面9側には、共通電極151が設けられている。共通電極151は、例えば、アルミニウム等の金属を薄膜化して光透過性を付与したものなどが採用され得る。また、共通電極151は、例えば、MgAg等を薄膜化して光透過性を付与したものなどによっても構成され得る。また、共通電極151の材料としては、ニッケルや銅などの金属も採用され得る。本実施形態では、共通電極151として、MgAgの薄膜が採用されている。共通電極151は、電子注入層177及び隔壁167を表示面9側から複数のEL素子45間にわたって覆っている。
【0073】
なお、各EL素子45において発光する領域は、平面視で画素電極147と有機層149と共通電極151とが重なる領域であると定義され得る。本実施形態では、EL素子45において発光する領域は、発光領域169と同等である。
また、本実施形態において、発光素子153(図10)ごとに発光する領域を構成する要素の一群が1つのEL素子45であると定義され得る。照明パネル15では、1つのEL素子45は、1つの画素電極147と、1つの有機層149と、1つの電子注入層177と、1つの発光素子153に対応する共通電極151とを含んでいる。
【0074】
封止基板43は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた外向面43aと、底面29側に向けられた対向面43bとを有している。
上記の構成を有する素子基板41及び封止基板43は、素子基板41の共通電極151と封止基板43の対向面43bとの間が、接着剤47を介して接合されている。
【0075】
照明パネル15では、図2に示すシール材49は、図11に示す第5基板161の第1面163aと、封止基板43の対向面43bとによって挟持されている。つまり、照明パネル15では、EL素子45及び接着剤47が、第5基板161及び封止基板43並びにシール材49によって封止されている。なお、シール材49は、対向面43b及び共通電極151の間に設けられていてもよい。この場合、EL素子45及び接着剤47は、素子基板41及び封止基板43並びにシール材49によって封止されているとみなされ得る。
【0076】
制御部6は、表示装置1のブロック図である図12に示すように、画像制御部191と、発光制御部195と、を有している。
画像制御部191は、液晶パネル11に、走査信号PLS1と、画像データDATA1と、共通信号Vc1と、を出力する。走査信号PLS1は、走査線駆動回路101に入力される。画像データDATA1は、信号線駆動回路103に入力される。共通信号Vc1は、対向電極93に入力される。
走査信号PLS1は、1フレーム期間の開始を規定する信号である。画像データDATA1は、各画素7における階調を指示するデータであり、画素行53(図3)単位で信号線駆動回路103に出力される。
【0077】
走査線駆動回路101は、入力された走査信号PLS1に基づいて、走査線Te(n)に順次に選択信号Ge(n)を出力する。
信号線駆動回路103は、入力された画像データDATA1に基づいて、各画素7に対応するデータ信号de(m)を、複数の信号線Se(m)に画素行53単位でまとめて出力する。
対向電極93は、共通信号Vc1に応じた電位に保たれる。
【0078】
発光制御部195は、照明パネル15に、走査信号PLS2と、画像データDATA2と、電源信号PWSと、共通信号Vc2と、を出力する。走査信号PLS2は、走査線駆動回路155に入力される。画像データDATA2は、信号線駆動回路157に入力される。電源信号PWSは、電源線PWに入力される。共通信号Vc2は、共通電極151に入力される。
走査信号PLS2は、1フレーム期間の開始を規定する信号である。画像データDATA2は、各EL素子45における階調を指示するデータであり、素子行134(図8)単位で信号線駆動回路157に出力される。
【0079】
走査線駆動回路155は、入力された走査信号PLS2に基づいて、走査線Ts(n)に順次に選択信号Gs(n)を出力する。
信号線駆動回路157は、入力された画像データDATA2に基づいて、各EL素子45に対応するデータ信号ds(m)を、複数の信号線Ss(m)に素子行134単位でまとめて出力する。
電源線PWは、電源信号PWSに応じた電位に保たれる。また、共通電極151は、共通信号Vc2に応じた電位に保たれる。
上記の構成により、複数のEL素子45は、光を射出する射光状態と光の射出を停止する停止状態とが、複数のEL素子45間で相互に独立して制御され得る。
【0080】
上記の構成を有する表示装置1では、照明パネル15から液晶パネル11に光を照射した状態で、液晶25の配向状態を画素7ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶25の配向状態は、画素電極73及び対向電極93間に印加する電圧(以下、駆動電圧と呼ぶ)を制御することによって変化し得る。
配向膜69及び配向膜95のそれぞれには、配向処理が施されている。配向処理が施された配向膜69及び配向膜95によって、液晶25の初期的な配向状態が規制される。
表示装置1では、駆動電圧が0Vのときに、液晶25がオフ状態にある。駆動電圧が大きくなると、画素電極73及び対向電極93間に発生する電界によって液晶25が駆動される。液晶25が駆動された状態は、オン状態と呼ばれる。
【0081】
図13(a)は、液晶25がオフ状態のときの液晶パネル11での偏光状態を示す図である。図13(b)は、液晶25がオン状態のときの液晶パネル11での偏光状態を示す図である。
表示装置1では、偏光板17aの透過軸の方向201aは、図13(a)及び図13(b)に示すように、平面視で偏光板17bの透過軸の方向201bに直交している。配向膜69の配向方向203は、平面視で透過軸の方向201aに沿っている。配向膜95の配向方向205は、平面視で透過軸の方向201aに直交している。
なお、図13(a)及び図13(b)において、X'方向及びY'方向は、X'方向が平面視で偏光板17bの透過軸の方向201bに沿った方向を示し、Y'方向がXY平面内でX'方向に直交する方向を示している。X'方向及びY'方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
【0082】
照明パネル15から偏光板17aに入射された入射光は、偏光板17aの透過軸の方向201aすなわちY'方向に沿った偏光軸を有する直線偏光207として液晶25に入射される。
液晶25に入射された直線偏光207は、液晶25がオフ状態のときに、図13(a)に示すように、X'方向に沿った偏光軸を有する直線偏光209として偏光板17bに向けて射出される。偏光板17bに向けて射出された直線偏光209は、偏光軸の方向が偏光板17bの透過軸の方向201bに沿っているため、偏光板17bを透過する。
【0083】
他方で、液晶25がオン状態のときに、直線偏光207は、図13(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光207として偏光板17bに向けて射出される。偏光板17bに向けて射出された直線偏光207は、偏光軸の方向が偏光板17bの透過軸の方向201bに対して直交しているため、偏光板17bによって吸収される。
【0084】
表示装置1では、液晶25がオフ状態のときに液晶パネル11から表示面9側に光が射出され、液晶25がオン状態のときに液晶パネル11からの光の射出が遮断される所謂ノーマリーホワイト(初期的に“白表示”の状態)の表示モードが採用されている。しかしながら、表示モードは、ノーマリーホワイトに限定されず、所謂ノーマリーブラック(初期的に“黒表示”の状態)も採用され得る。
【0085】
本実施形態では、図12に示す制御部6に、図示しない上位装置から指向性表示の指令と指向性表示における画像の数が入力されたときに、指向性表示が行われる。
以下に、画像の数が2つの場合における指向性表示について説明する。
表示装置1では、上位装置から制御部6に画像の数が2つである旨を示す情報が入力されたことに基づいて、マトリクスMを構成する複数の画素7が、図14に示すように、複数の第1の画素71と、複数の第2の画素72とに区別される。
表示装置1では、照明パネル15からの光を、複数の第1の画素71から選択的に表示面9を介して表示パネル3の外に射出することで、表示面9に第1の画像を表示することができる。
また、表示装置1では、照明パネル15からの光を、複数の第2の画素72から選択的に表示面9を介して表示パネル3の外に射出することで、表示面9に第2の画像を表示することができる。
表示装置1では、第1の画像及び第2の画像の2つの画像を、同一フレーム内で表示することができる。
【0086】
なお、第1の画像と第2の画像とは、相互に異なる画像であることと、相互に同じ画像であることとが問われない。
また、以下においては、画素7という表記と、画素7R,7G及び7Bという表記と、第1の画素71及び第2の画素72という表記とが、適宜、使いわけられる。また、第1の画素71に対してR、G及びBが識別される場合、第1の画素7R1,7G1及び7B1という表記が用いられる。同様に、第2の画素72に対してR、G及びBが識別される場合、第2の画素7R2,7G2及び7B2という表記が用いられる。
【0087】
マトリクスMにおいて、複数の第1の画素71は、V方向に沿って並んでいる。また、複数の第2の画素72も、V方向に沿って並んでいる。V方向に沿って並ぶ複数の第1の画素71は、1つの画素配列571を構成している。同様に、V方向に沿って並ぶ複数の第2の画素72が1つの画素配列572を構成している。
なお、V方向は、X方向及びY方向の双方に対して交差する方向である。
【0088】
表示装置1では、第1の画素71と第2の画素72とが、X方向に交互に並んでいる。また、第1の画素71と第2の画素72とは、Y方向にも交互に並んでいる。
マトリクスMを構成する複数の画素7は、X方向に隣り合う第1の画素71及び第2の画素72の2つの画素7ごとに、これらの2つの画素7を1組とする複数組の画素群55にわけられている。各画素群55での第1の画素71及び第2の画素72の並び順は、複数組の画素群55間で統一している。
【0089】
本実施形態では、第1の画素71と第2の画素72とが、図14で見て、X方向に左側から右側に向かってこの順で並んでいる。なお、第1の画素71及び第2の画素72の並び順は、複数組の画素群55間で統一していれば、いずれが左側でも右側でもよい。
表示装置1では、複数組の画素群55は、図15に示すように、X方向及びV方向のそれぞれの方向に沿って並んでいる。
【0090】
また、表示装置1では、上位装置から制御部6に画像の数が2つである旨を示す情報が入力されたことに基づいて、複数のEL素子45が、図16に示すように、複数のEL素子451と、複数のEL素子452とに区別される。
EL素子451とEL素子452とは、X方向に交互に並んでいる。また、複数のEL素子451がV方向に並んでいる。複数のEL素子452もV方向に並んでいる。V方向に並ぶ複数のEL素子451は、1つの素子配列1351を構成している。V方向に並ぶ複数のEL素子452は、1つの素子配列1352を構成している。
なお、図16では、構成をわかりやすく示すため、EL素子452にハッチングが施されている。
X方向に隣り合うEL素子451とEL素子452とは、図17に示すように、画素群55に対応している。
【0091】
第1の画像及び第2の画像の2つの画像のうち第1の画像が第1の画素71に割り当てられ、第2の画像が第2の画素72に割り当てられる。
指向性表示では、複数のEL素子45のうち一部のEL素子45が射光状態に制御され、他のEL素子45が停止状態に制御される。この場合、EL素子451及びEL素子452のいずれか一方を射光状態に制御し、EL素子451及びEL素子452の他方を停止状態に制御する方法が採用され得る。この制御は、図12に示す発光制御部195によって達成され得る。
【0092】
以下においては、EL素子451を射光状態に制御し、EL素子452を停止状態に制御する場合を例に説明する。
EL素子451から射出された光は、対応する画素群55における画素7に向かって液晶パネル11に入射する。
このとき、EL素子451から液晶パネル11に入射した光は、画素群55における第1の画素71及び第2の画素72を介して表示面9から射出される。
図18は、液晶パネル11及び照明パネル15を図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図である。
EL素子451から第1の画素71を介して表示面9側に向けて射出された光211は、図18に示すように、第1の範囲213に及ぶ。
また、EL素子451から第2の画素72を介して表示面9側に向けて射出された光215は、第2の範囲217に及ぶ。
【0093】
なお、本実施形態では、複数の第1の画素71から射出された光211は、L1の離間距離において、第1の範囲213の両端のそれぞれで交差する。複数の第2の画素72から射出された光215は、L1の離間距離において、第2の範囲217の両端のそれぞれで交差する。これは、X方向に隣り合うEL素子45同士間の間隔Paを、X方向に隣り合う画素群55同士間の間隔Pbよりも長く設定することによって実現され得る。これにより、第1の範囲213内から、すべての第1の画素71を視認しやすくすることができる。また、第2の範囲217内から、すべての第2の画素72を視認しやすくすることができる。この結果、表示における表示品位を高めやすくすることができる。
【0094】
第1の範囲213からは、EL素子451から第1の画素71を介して射出される光211が視認され得る。第2の範囲217からは、EL素子451から第2の画素72を介して射出される光215が視認され得る。
第1の範囲213内に視点があれば、複数の第1の画素71からの光211によって形成される第1の画像が視認され得る。第2の範囲217内に視点があれば、複数の第2の画素72からの光215によって形成される第2の画像が視認され得る。
つまり、表示装置1では、第1の画像を第1の範囲213に表示し、第2の画像を第2の範囲217に表示することができる。第1の範囲213及び第2の範囲217は、相互に異なる範囲である。このように、表示装置1では、X方向に並ぶ2つの範囲に指向性表示を行うことができる。
【0095】
なお、第1の範囲213と、第2の範囲217とは、互いに重畳する範囲219(以下、重畳範囲219と呼ぶ)を有している。重畳範囲219からは、第1の画像と第2の画像とが重畳した状態で視認される。
第1の範囲213から重畳範囲219を除いた範囲213aからは、第1の画像だけが視認され得る。また、第2の範囲217から重畳範囲219を除いた範囲217aからは、第2の画像だけが視認され得る。これらの範囲213a及び範囲217aは、それぞれ、適視範囲213a及び適視範囲217aと呼ばれる。
【0096】
表示装置1において、第1の画像及び第2の画像を、それぞれ、相互に異なる視点から捉えた画像とすれば、擬似的に立体画像を表示することができる。この場合、例えば、第1の画像を左眼用の画像とし、第2の画像を右眼用の画像とすれば、第1の画像及び第2の画像は、視差画像を構成する。これにより、擬似的な立体画像の表示が実現し得る。
表示装置1では、適視範囲213a内に左眼が位置し、適視範囲217a内に右眼が位置していれば、観察者は、擬似的に立体画像を視認することができる。
【0097】
ところで、表示装置1において、1つの画像だけを表示することも可能である。この場合、第1の画素71及び第2の画素72の双方を1つの画像の表示に用いればよい。
前述したように、本実施形態では、EL素子45(図9)が画素7に対応して設けられている。表示装置1では、1つの画像だけを表示する場合、マトリクスMを構成する複数の画素7に対応する複数のEL素子45は、発光制御部195によって射光状態に制御される。
マトリクスMを構成する複数の画素7に対応する複数のEL素子45が射光状態のとき、各EL素子45からの光は、このEL素子45に対応する画素7に入射する。このため、EL素子45からの光の指向性が弱められる。これにより、表示における指向性が弱められる。この結果、表示における指向性を解除した状態で1つの画像を視認することができる。
このように、表示装置1では、指向性表示と、指向性表示が解除された非指向性表示とを実現することができる。
【0098】
また、本実施形態では、指向性表示及び非指向性表示のそれぞれにおいて、画像の濃淡に応じてEL素子45ごとにEL素子45の輝度が制御され得る。この場合、画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度が高く制御される。
これは、図12に示す制御部6において、画像データDATA1によって指示される階調度に基づいて、発光制御部195が照明パネル15を制御することによって実現され得る。画像の濃淡は、画像データDATA1に示される階調度によって制御される。高い階調度(明るい階調)が指示された画素7においては、画像が淡くなる。他方で、低い階調度(暗い階調)が指示された画素7においては、画像が濃くなる。
【0099】
発光制御部195は、画像データDATA1に示される階調度に応じた画像データDATA2を信号線駆動回路157に出力する。
これにより、画像データDATA1に示される階調度と、各EL素子45における発光輝度とを合わせやすくすることができる。この結果、画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度を高く制御することができる。
画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度を高く制御することによって、画像の濃淡の差を強調することができる。
指向性表示において、第1の画像と第2の画像とが視差画像を構成する場合、画像の濃淡の淡さに応じて、EL素子45の輝度を高く制御することによって、画像の奥行き感が高められる。これにより、立体画像の立体感を強調することができる。
【0100】
なお、指向性表示において、画像の数は、第1の画像及び第2の画像の2つに限定されない。これらの2つの画像に第3の画像を加えた3つの画像も採用され得る。
3つの画像の場合、マトリクスMを構成する複数の画素7が、図19に示すように、複数の第1の画素71と、複数の第2の画素72と、複数の第3の画素73と、に区別される。複数の第1の画素71、複数の第2の画素72、及び複数の第3の画素73は、それぞれ、V方向に沿って並んでいる。
【0101】
このとき、V方向に沿って並ぶ複数の第3の画素73は、1つの画素配列573を構成している。画素配列571と画素配列572と画素配列573とは、X方向に並んでいる。
そして、X方向に連続して並ぶ第1の画素71と第2の画素72と第3の画素73とが、1組の画素群55を構成する。
複数組の画素群55は、図20に示すように、X方向及びV方向のそれぞれの方向に沿って並んでいる。
【0102】
また、複数のEL素子45は、図21に示すように、複数のEL素子451と、複数のEL素子452と、複数のEL素子453とに区別される。
EL素子451とEL素子452とEL素子453とは、X方向に連続して並んでいる。また、複数のEL素子451、複数のEL素子452、及び複数のEL素子453は、それぞれ、V方向に並んでいる。V方向に並ぶ複数のEL素子453は、1つの素子配列1353を構成している。
なお、図21では、構成をわかりやすく示すため、EL素子452及びEL素子453にハッチングが施されている。
X方向に連続して並ぶEL素子451とEL素子452とEL素子453とは、図22に示すように、画素群55に対応している。
【0103】
第1の画像、第2の画像及び第3の画像の3つの画像のうち第1の画像が第1の画素71に割り当てられ、第2の画像が第2の画素72に割り当てられ、第3の画像が第3の画素73に割り当てられる。
また、この場合、画素群55に対応する3つのEL素子45のうちの1つが射光状態に制御され、他のEL素子45が停止状態に制御される。この制御は、図12に示す発光制御部195によって達成され得る。
以下においては、EL素子452を射光状態に制御し、EL素子451及びEL素子453を停止状態に制御する場合を例に説明する。
【0104】
図23は、液晶パネル11及び照明パネル15を図17中のI−I線で切断したときの断面を模式的に示す図である。
EL素子452から第1の画素71を介して表示面9側に向けて射出された光211は、図23に示すように、第1の範囲213に及ぶ。
同様に、EL素子452から第2の画素72を介して表示面9側に向けて射出された光215は、第2の範囲217に及ぶ。
そして、EL素子452から第3の画素73を介して表示面9側に向けて射出された光223は、第3の範囲225に及ぶ。
【0105】
第3の範囲225からは、EL素子452から第3の画素73を介して射出される光223が視認され得る。第3の範囲225内に視点があれば、複数の第3の画素73からの光223によって形成される第3の画像が視認され得る。
つまり、表示装置1では、第1の画像を第1の範囲213に表示し、第2の画像を第2の範囲217に表示し、第3の画像を第3の範囲225に表示することができる。第1の範囲213、第2の範囲217、及び第3の範囲225は、相互に異なる範囲である。このように、表示装置1では、X方向に並ぶ3つの範囲に指向性表示を行うことができる。
なお、第2の範囲217と、第3の範囲225とは、重畳範囲219を有している。重畳範囲219からは、X方向に隣り合う2つの画像が重畳した状態で視認される。
【0106】
上記の3つの画像の例において、それぞれ、相互に異なる視点から捉えた画像とすれば、擬似的な立体画像を2つの異なる方向から捉えられた立体画像として表示することができる。この場合、第1の画像及び第2の画像が1組の視差画像を構成し、第2の画像及び第3の画像が1組の視差画像を構成する。これにより、2つの異なる方向から捉えられた立体画像の表示が実現し得る。これにより、例えば、表示装置1に対する観察者の位置が変化したときに、観察者に、立体画像の対象物の角度が連続的に変化する感覚を与えることができる。
【0107】
表示装置1では、画像の数が2つ以上のときに、画像の数に応じて、複数のEL素子45のうちの一部が停止状態に制御され、他のEL素子45が射光状態に制御される。
これにより、表示装置1では、画像の数に応じて指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
このことは、例えば、以下のように法則化することができる。
この法則では、指向性表示における画像の数がh個(hは、2以上の整数)とされる。そして、複数の画素7は、h個の画素7ごとに、h個の画素7を1組の画素群55とする複数組の画素群55に区分される。
照明パネル15では、画素群55に対応するh個のEL素子45のうちの1つが射光状態に制御され、残りのEL素子45が停止状態に制御される。
この法則によれば、h個の画像の数に応じて、指向性表示における視範囲の数を変化させることができる。
【0108】
なお、画像の数に応じて指向性表示における視範囲の数を変化させる場合においても、画像の濃淡の淡さに応じてEL素子45の輝度を高く制御する方法が採用され得る。これにより、指向性表示における視範囲の数を変化させる場合においても、画像の濃淡の差を強調することができる。
上記の法則によれば、hの数すなわち画像の数が多くなると指向性表示における視範囲の数を増やすことができる。この反面、指向性表示における視範囲の数が増えるということは、停止状態に制御されるEL素子45の数が増えることを意味する。停止状態に制御されるEL素子45の数が増えると、画像が暗くなりやすい。このため、画像の数が多くなると画像が暗くなりやすい。
これに対し、本実施形態では、射光状態に制御されるEL素子45は、画像の数に応じて発光輝度が高く制御される。これは、図12に示す制御部6の指令に基づいて、発光制御部195が画像の数に応じた画像データDATA2を信号線駆動回路157に出力することによって達成され得る。
これにより、視範囲の数を増やしても、画像を明るく表示しやすくすることができる。
【0109】
発光輝度を高める度合いとしては、例えば、上記の変数hの値に応じた度合いが採用され得る。
例えば、h=2のとき、複数のEL素子45は、2個に1個の割り合いで停止状態に制御される。このため、h=2のときには、画像の数が1つのときに比較して、照明パネル15の明るさが略半減する。そこで、h=2のときに、射光状態に制御されるEL素子45の輝度をk倍にすれば、照明パネル15の明るさを、画像の数が1つのときと略同等にすることができる。
このことから、射光状態に制御するEL素子45の輝度を、hの値に応じてh倍の輝度に制御することは、好ましい。
【0110】
さらに、射光状態に制御するEL素子45の輝度を画像の数に応じて高く制御する場合においても、画像の濃淡の淡さに応じてEL素子45の輝度を高く制御する方法が採用され得る。これにより、表示する画像を明るく保ちながら視範囲の数を増やしつつ、画像の濃淡の差を強調することができる。
【0111】
本実施形態にいおいて、EL素子45が射光素子としてのエレクトロルミネセンス素子に対応し、発光制御部195が制御部に対応している。また、X方向が第1の方向に対応し、Y方向が第2の方向に対応し、V方向が第1の方向及び第2の方向の双方に対して交差する方向に対応している。
なお、本実施形態では、複数の画素群55がX方向及びV方向の双方に並んでいるが、画素群55の配列は、これに限定されない。画素群55の配列としては、複数の画素群55がX方向及びY方向の双方に並んでいる配列も採用され得る。
しかしながら、複数の画素群55がX方向及びV方向の双方に並んでいる配列では、複数の画素群55がX方向及びY方向の双方に並んでいる配列に比較して、X方向における解像度を高めやすくすることができる。これにより、表示における精細度を高めやすくすることができる。この結果、表示における表示品位を向上させやすくすることができる。
【0112】
また、本実施形態では、TN型の液晶25を例に説明したが、液晶25はこれに限定されず、FFS(Fringe Field Switching)型、IPS(In Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型等の種々の型が採用され得る。
【0113】
上述した表示装置1は、例えば、図24に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、カーナビゲーションシステム用の表示機器である。電子機器500では、表示装置1が適用された表示部510によって、例えば、運転席側から第1の画像として地図などの画像が視認され、助手席側から第2の画像として映画などの画像が視認され得る。
また、電子機器500では、表示部510として表示装置1が適用されているので、指向性表示における視範囲の数を変化させやすくすることができる。
【0114】
また、表示装置1は、例えば、図25に示す電子機器600の表示部610にも適用され得る。この電子機器600は、携帯電話機である。この電子機器600は、操作ボタン611を有している。表示部610は、操作ボタン611で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。
電子機器600では、表示装置1が適用された表示部610によって、例えば、擬似的な立体画像を表示することができる。この電子機器600では、表示部610に表示装置1が適用されているので、視差画像の視点数を増加させやすくすることができる。連続的に変化する視点から捉えられた複数の画像を採用すれば、擬似的な立体画像を相互に異なる方向から捉えられた立体画像として表示することができる。これにより、表示部610に対する観察者の位置が変化したときに、観察者に、立体画像の対象物の角度が連続的に変化する感覚を与えることができる。
なお、電子機器500や電子機器600としては、カーナビゲーションシステム用の表示機器や携帯電話機に限られず、モバイルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
【符号の説明】
【0115】
1…表示装置、3…表示パネル、6…制御部、7…画素、71…第1の画素、72…第2の画素、73…第3の画素、8…表示領域、9…表示面、11…液晶パネル、15…照明パネル、17a,17b…偏光板、21…駆動素子基板、23…対向基板、25…液晶、29…底面、41…素子基板、43…封止基板、45…EL素子、451…EL素子、452…EL素子、453…EL素子、51…画素列、53…画素行、55…画素群、571…画素配列、572…画素配列、573…画素配列、61…第1基板、69…配向膜、73…画素電極、85…第2基板、93…対向電極、95…配向膜、101…走査線駆動回路、103…信号線駆動回路、131…領域、133…素子列、134…素子行、1351…素子配列、1352…素子配列、1353…素子配列、141…選択トランジスター、143…駆動トランジスター、145…容量素子、147…画素電極、149…有機層、151…共通電極、153…発光素子、155…走査線駆動回路、157…信号線駆動回路、161…第5基板、165…素子層、167…隔壁、169…発光領域、175…発光層、191…画像制御部、195…発光制御部、211,215…光、213…第1の範囲、217…第2の範囲、223…光、225…第3の範囲、500…電子機器、510…表示部、600…電子機器、610…表示部、611…操作ボタン、M…マトリクス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素の前記画素ごとに駆動が制御される液晶と、
前記液晶に向けて照射する光を射出する複数の射光素子と、を含み、
前記複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の前記画素ごとに、前記h個の画素を1組の画素群とする複数組の前記画素群に区分され、
前記複数の画素には、前記h個の画像が、前記画素群ごとに、前記h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられ、
前記射光素子は、前記画素に対応して設けられており、且つ、前記光を射出する射光状態と前記光の射出を停止する停止状態とが、前記複数の射光素子間で相互に独立して制御され、
前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、前記h個の画素に対応するh個の前記射光素子のうちの一部が前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御され、
前記射光状態に制御される前記射光素子は、hの数の多さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、
前記h個の前記射光素子のうちの1つが前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記射光素子の前記射光状態及び前記停止状態を、前記射光素子ごとに制御する制御部を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記射光状態に制御される前記射光素子は、前記画像の濃淡における淡さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記複数の射光素子は、エレクトロルミネセンス素子で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記複数の画素は、第1の方向に沿って配列する複数の前記画素を1つの画素配列として、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並列する複数の前記画素配列を構成しており、
各前記画素配列において、複数組の前記画素群が前記第1の方向に沿って並んでおり、
前記第2の方向に隣り合う2つの前記画素配列において、一方の前記画素配列における前記画素群と、他方の前記画素配列における前記画素群とが、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方に対して交差する方向に並んでいる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
複数の画素の前記画素ごとに駆動が制御される液晶と、
前記液晶に向けて照射する光を射出する複数の射光素子と、を含み、
前記複数の画素は、相互に異なるh個(hは、2以上の整数)の画像に対応して、h個の前記画素ごとに、前記h個の画素を1組の画素群とする複数組の前記画素群に区分され、
前記複数の画素には、前記h個の画像が、前記画素群ごとに、前記h個の画素のそれぞれに1つずつ割り当てられ、
前記射光素子は、前記画素に対応して設けられており、且つ、前記光を射出する射光状態と前記光の射出を停止する停止状態とが、前記複数の射光素子間で相互に独立して制御され、
前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、前記h個の画素に対応するh個の前記射光素子のうちの一部が前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御され、
前記射光状態に制御される前記射光素子は、hの数の多さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記複数の射光素子は、前記画素群ごとに、
前記h個の前記射光素子のうちの1つが前記射光状態に制御され、前記h個の射光素子の残りが前記停止状態に制御される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記射光素子の前記射光状態及び前記停止状態を、前記射光素子ごとに制御する制御部を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記射光状態に制御される前記射光素子は、前記画像の濃淡における淡さに応じて、前記光の輝度が高く制御される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記複数の射光素子は、エレクトロルミネセンス素子で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記複数の画素は、第1の方向に沿って配列する複数の前記画素を1つの画素配列として、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並列する複数の前記画素配列を構成しており、
各前記画素配列において、複数組の前記画素群が前記第1の方向に沿って並んでおり、
前記第2の方向に隣り合う2つの前記画素配列において、一方の前記画素配列における前記画素群と、他方の前記画素配列における前記画素群とが、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方に対して交差する方向に並んでいる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−217650(P2010−217650A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65728(P2009−65728)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]