説明

電気化学的センサと共に用いるためのカートリッジ

カートリッジが開示される。カートリッジは、独立した貯蔵部品と移送部品を含む。貯蔵部品は。移送部品と連結することができる。貯蔵部品は、各々がアッセイで用いられる溶液を収容する1つ又はそれ以上のポケットを含む。移送部品は、溶液を貯蔵部品のポケットから移送部品に位置付けられたセンサまで移送するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッセイに関し、より詳細にはアッセイと用いるためのカートリッジに関する。
【関連出願】
【0002】
本出願は、「Cartridge for Use With Electrochemical Sensors(電気化学的センサと共に用いるためのカートリッジ)」と題された2003年12月9日に出願された米国特許仮出願番号第60/528,566号に対する優先権を主張し、該出願は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
試料中の生物学的又は化学的薬剤の存在及び/又は量を検出するための種々のアッセイが開発されている。この分野で行うことができるアッセイに対する要望は、アッセイ機器を更に小さく且つより効率的にすることがますます求められるようになった。この要求は、カートリッジ内に保持される1つ又はそれ以上のセンサを用いる装置で満たされた。カートリッジは、一般に、アッセイを行う場所でアッセイシステムから抜き出し又は挿入することができる。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願番号第09/848727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アッセイの間、1つ又はそれ以上の溶液がセンサに送られる。これらの溶液の貯蔵と準備がこの技術を実施するための重大な障害である。他の障害は、これらの溶液を適切な状態でセンサに効果的に移送することが困難であることである。その結果、更に効率的で且つ効果的なアッセイ機器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
カートリッジが開示される。本カートリッジは、独立した貯蔵部品と移送部品を含む。貯蔵部品は、取外し可能に移送部品に取り付けることができる。貯蔵部品は、各々がアッセイで用いる溶液を収容する1つ又はそれ以上のリザーバを含む。移送部品は、貯蔵部品のリザーバから移送部品内に位置付けられたセンサまで溶液を移すように構成される。幾つかの例では、複数の貯蔵部品が同時に移送部品と連結されるように構成される。
【0007】
移送部品は、その移送部品が貯蔵部品に連結されると、貯蔵部品の材料のシール一体性が破壊されるよう構成された1つ又はそれ以上の破壊機構を含んでいる。破壊機構は、シール一体性を破壊して、リザーバ内の溶液を貯蔵部品から流出させる流出口を形成する。破壊機構の1つ又はそれ以上は、材料を穿孔するように構成された穿孔機構を含む。破壊機構の1つ又はそれ以上は、材料を延ばして、材料に1つ又はそれ以上のチャネルを開くように構成された延伸機構を含むことができる。
【0008】
移送部品は、バルブで合流する通気チャネル、入力チャネル、出力チャネルを含むことができる。バルブは、通気チャネル内にガスを通気させながら、入力チャネルから出力チャネルまでの溶液の流れを制御するように構成される。幾つかの例では、この部品は、入力チャネルと出力チャネルとの間に位置付けられた障害物と、該障害物を覆って位置付けられた可撓性材料とを含む。可撓性材料は、バルブの動作中に、障害物と可撓性材料との間の変位が変化するように位置決めすることができる。
【0009】
移送部品の別の実施態様が開示される。移送部品は、入力チャネルと出力チャネルとの間に位置する障害物の周りの溶液の流れを制御するように構成されたバルブを含む。このバルブは、バルブの動作中に、障害物と可撓性材料との間の変位が変化するように障害物を覆って位置付けられた可撓性材料を含む。入力チャネルの一部は、入力チャネルに沿ってバルブに向かって移動するときに可撓性材料に向かって傾斜する。
カートリッジ、移送部品、貯蔵部品を用いる方法も開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
貯蔵部品と移送部品を有するカートリッジが開示される。貯蔵部品と移送部品は、独立しているが、カートリッジを作動させる前とその間は互いに連結される。貯蔵部品は、アッセイで用いられる溶液を各々収容する1つ又はそれ以上のリザーバを含む。移送部品は、貯蔵部品のリザーバから移送部品内に位置付けられるセンサまで溶液を移送するように構成される。単一のアッセイの間又は順次行うアッセイの間に、単一の移送部品と共に異なる貯蔵部品を順次用いることができる。その結果、アッセイを頻繁に行う場合には、同じ溶液を有する複数の貯蔵部品を用意して貯蔵することができる。或いは又は付加的に、必要に応じて異なるアッセイを効率的に行うことができるように、異なる溶液を有する複数の貯蔵部品を用意して貯蔵することもできる。従って、貯蔵部品により、アッセイに用いられる溶液を貯蔵するための簡単で効率的な装置が提供される。
【0011】
幾つかの例では、単一の移送部品と共に複数の貯蔵部品を同時に用いることができる。異なる貯蔵部品は、同時に用いる前に別々に用意することができるので、異なる条件下で異なる貯蔵部品を用いることができる。例えば、貯蔵部品の1つを加熱すると同時に、別の貯蔵部品は冷蔵又は室温にすることができる。その結果、移送部品と連結された貯蔵部品の1つが、加熱された溶液を保持することができ、同じ移送部品に連結された別の貯蔵部品は、冷蔵又は室温の溶液を保持することができる。従って、異なる溶液を異なる温度でセンサに移送することができる。アッセイの多くでは、効果的にするために、異なる温度で1つ又はそれ以上の溶液を用いることが必要とされるので、異なる温度の溶液を使用できることは有利である。
【0012】
図1A〜図1Bは、電気化学的センサに用いるためのカートリッジ10を示している。カートリッジ10は、移送部品13と連結されるように構成された貯蔵部品12を含む。図1Aは、カートリッジ10を組み立てる前の貯蔵部品12と移送部品13の斜視図である。図1Bは、組み立てた後のカートリッジ10の斜視図である。
【0013】
貯蔵部品12と移送部品13は、実質的に平坦な界面を形成するように互いに連結することができる。例えば、貯蔵部品12と移送部品13の連結部は、図1Bで明らかなように、移送部品の上側を貯蔵部品の下側と接触させるように配置することができる。
【0014】
貯蔵部品12は、アッセイと併せて用いられる溶液を貯蔵するように構成された1つ又はそれ以上のリザーバ14を含む。貯蔵部品は、1つ又はいくつかのリザーバに溶液を保持するように配置された媒体を含むことができる。幾つかの例では、媒体は、リザーバの1つ又はそれ以上をシールするように位置付けられる。
【0015】
移送部品13は、貯蔵部品12のリザーバ14に貯蔵される溶液を移送部品13に位置付けられた1つ又はそれ以上の電気化学的センサ(図示せず)に移送するように構成される。移送部品13は、貯蔵部品12上の媒体の一体性を破壊するように構成された1つ又はそれ以上の破壊機構16を含み、貯蔵部品上のリザーバ14内の溶液がリザーバ14から出て移送部品13内に流入することができる流出口を形成するようにする。破壊機構16は、貯蔵部品12が移送部品13に連結されると媒体の一体性が破壊されるように構成することができる。幾つかの例では、図1Aで明らかなように、破壊機構16の1つ又はそれ以上が移送部品13から延びる。以下で明らかなように、移送機構13はまた、破壊機構16により設けられた破壊部を通って流れる溶液を受け取るように位置付けられたルーメン(図示せず)を含むことができる。ルーメンは、溶液を移送機構13に移送することができる。幾つかの例では、ルーメンは破壊機構16に含まれる。
【0016】
カートリッジは、複数の貯蔵部品12を含むことができる。例えば、図1Cは、移送部品13と各々連結された2つの貯蔵部品12を有するカートリッジ10の斜視図である。異なる貯蔵部品12に貯蔵された溶液を、移送部品13に送ることができる。異なる貯蔵部品12を、移送部品13に連結する前に異なるように処理することができる。例えば、貯蔵部品12の1つを室温に放置し、別の貯蔵部品12を冷蔵するか加熱することができる。その結果、異なる貯蔵部品12からの溶液を異なる状態で移送部品13内に送ることができる。例として、1つの貯蔵部品12からの溶液を、室温で移送部品13に送ることができ、別の貯蔵部品12からの溶液を、高温又は低温で移送部品13に送ることができる。従って、単一の移送部品13を備えた複数の貯蔵部品12を用いることにより、カートリッジ10の柔軟性が強化される。
【0017】
図2は、移送部品13の内部を示す概略図である。移送部品13は、1つ又はそれ以上のセンサチャンバ26を含む。各センサチャンバ26は、センサ(図示せず)を保持するように構成される。適切なセンサは、限定ではないが、電気化学的センサを含む。電気化学的センサの例は、2001年5月5日に出願され、名称が「Biological Identification System with Integrated SensorChip(一体型センサチップを備えた生物学的識別システム)」の米国特許出願番号第09/848727号で教示されており、これは引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
また、移送部品13は溶液が流れる複数のチャネルを含む。移送部品13は各々が破壊機構16により流体を移送する複数の流入チャネル28を含む。また、移送部品13は溶液を各々センサチャンバ26に移送する複数の独立チャネル30を含む。さらに、移送部品13は溶液を流入チャネル28から複数の独立チャネル30まで移送する共通チャネル32を含む。移送部品13は各センサチャンバ26から延びる廃棄チャネル36を含む。廃棄チャネル36はセンサチャンバ26から溶液を取り除くように構成される。
【0019】
移送部品13は、該移送部品13を通る溶液の流れを制御するように構成された複数のバルブを含む。第1のバルブ38は、共通チャネル32と破壊機構16との間に各々位置付けられる。第1のバルブは、流入チャネルの長さに部分的に沿って位置付けられるように各々示されているが、第1のバルブの1つ又はそれ以上は、流入チャネル28と共通チャネル32との交点に位置決めすることができる。第2のバルブ40は、独立チャネル30と破壊機構16の各々の間に位置付けられる。第2のバルブ40は、流入チャネル28の長さに部分的に沿って位置付けられるように各々示されているが、第1のバルブの1つ又はそれ以上は、流入チャネル28と独立チャネル30との交点に位置決めすることができる。第3のバルブ42は、独立チャネル30に沿って位置付けられる。第3のバルブ40は、独立チャネル30の長さに部分的に沿って位置付けられるように各々示されているが、第3のバルブの1つ又はそれ以上は、独立チャネル30と共通チャネル32との交点に位置決めすることができる。
【0020】
移送部品13は、各々バルブから延びる複数の通気口34を含む。各通気口チャネル34は、バルブを通して溶液を流しながら該バルブから空気を抜くように構成される。例えば、通気チャネルは、流入チャネルに沿ってバルブ内に溶液を移送しつつ流入チャネルから空気を抜くように構成することができる。
【0021】
幾つかの例では、溶液は、リザーバ14の1つからセンサチャンバ26の各々内に移送される。例えば、P1で表記した破壊機構16により破壊されるリザーバ(図示せず)内に収容された溶液に加わる圧力を増大させることができ、V1で表記された第1のバルブ38を開放させることができる。溶液は、流入チャネル28の第1の部分を通り、バルブを介して、流入チャネルの第2の部分内と共通チャネル32内に流れ込む。溶液は、共通チャネル32に沿って流れ、第3のバルブ40と接触する。溶液を受け取ることになるセンサチャンバに関連する第3のバルブ40が開放され、溶液は、各関連する独立チャネル30を通り、センサチャンバ26内に流れる。
【0022】
幾つかの例では、溶液は、リザーバ14の1つからセンサチャンバ26の1つに移送される。例えば、P2で表記された破壊機構により破壊されるシールを有するリザーバ(図示せず)内に収容される溶液に加わる圧力が増大し、V2で表記された第3のバルブ42が開かれる。溶液は、流入チャネル28の第1の部分を通り、バルブを介して、流入チャネルの第2の部分を通って、独立チャネル30内に流れ込む。独立チャネル30の端部の第3のバルブ40は、閉鎖したままであり、溶液が共通チャネル32に流入しないようにする。その結果、溶液は、独立チャネル30を通ってセンサチャンバ26内に流入する。
【0023】
図3A〜図3Cは、貯蔵部品12の好適な構造を示す。図3Aは、貯蔵部品12の斜視図である。図3Bは、Bで表記した線に沿った図3Aに示す貯蔵部品12の断面図である。図3Cは、カートリッジを組み立てる前の貯蔵部品12の斜視図である。貯蔵部品12は、カバー46、ベース48、シール媒体50を含む。カバー46は、共通プラットフォーム54から延びる複数のポケット52を含む。カバー46は、ポケット52が各々リザーバ14の一部を区画し、ベース48がリザーバ14の別の部分を区画するようにベース48と連結される。複数の開口部53は各々、ベース48を通って延び、リザーバ14への開口部となるように位置付けられる。
【0024】
シール媒体50は、リザーバ内の溶液をシールするように穴全体にわたって延びる。シール媒体50は、材料の1つ又はそれ以上の層を含むことができる。好ましいシール媒体50は、ベース48の開口部53をシールし、穿孔後に再シールすることができる一次層を含む。例えば、シール層50は隔膜を含むことができる。隔膜を用いると、リザーバ14を溶液で充填する工程を簡単にすることができる。例えば、2つのルーメンを有する針を、隔膜を通ってベース48の開口部53の1つに通しリザーバ14内に挿入することができる。リザーバ14内の空気は、ルーメンの1つを通してリザーバ14から抜き取ることができ、溶液は、他のルーメンを通してリザーバ14内に計量分配することができる。隔膜は、針をリザーバ14から引き抜いた後に再シールする。
【0025】
カバー46に好適な材料には、限定ではないが、熱成形PVCフィルムのような熱成形フィルム又はポリウレタンが含まれる。ベース48は、硬質材料で構成することができる。硬質材料は、溶液貯蔵部品の形状を保つことができる。ベース48に好適な材料には、限定ではないが、PVC又はポリウレタンが含まれる。シール媒体の一次層に好適な材料には、限定ではないが、シリコーン40Dのような隔膜材料が含まれる。カバーをベース48に接合するのに好適な技術は、限定ではないが、RFシール法が含まれる。シール媒体50をベース48に接合するのに好適な技術は、限定ではないが、レーザ溶接、エポキシ又は接着剤が含まれる。
【0026】
図3D〜図3Eは、図3A〜図3Cに示す貯蔵部品に用いるのに好適な移送部品を示す。図3Dは、移送部品の一部の斜視図である。複数の穿孔機構56が移送部品の側部から延びている。穿孔機構56は、シール媒体のシールの一体性を破壊することができる破壊機構として働く。図3Eは、図3Aの貯蔵部品及び図3Dの移送部品を用いるカートリッジの断面である。該断面は、穿孔機構56に沿ったものである。
【0027】
穿孔機構56は、貯蔵部品のポケットに位置合わせするように移送部品上に位置付けられる。貯蔵部品12と移送部品13とを連結すると、穿孔機構56は、リザーバをシールするシール媒体50の一部を穿孔する。シール媒体50を穿孔することにより、リザーバ内の溶液が流れて穿孔機構56と接触するようになる。ルーメン57は、穿孔機構16の1つ又はそれ以上を通って移送部品13内に延びる。従って、ルーメン57は、リザーバから移送部品13内に溶液を移送することができる。
【0028】
図3Eにおいて明らかなように、穿孔機構56は、貯蔵部品12のベース48の開口部53に位置合わせするように移送部品13に位置付けられる。ベース48は、穿孔機構56が穿孔可能でない材料で構成されている。従って、穿孔機構は、開口部にわたって延びるシール媒体の一部を穿孔する。その結果、ベース48は、穿孔機構56により生じる破壊部位をシール媒体50の局所領域に制限する。
【0029】
図4A〜図4Dは、破壊機構16の異なる実施形態を用いるカートリッジを示す。図4Aは、図3AにBで表記された線に沿った貯蔵部品12の断面図である。貯蔵部品12は、カバー46、ベース48、シール媒体50を含む。図4Bは、所定位置にシール媒体50を備えない図4Aに示す貯蔵部品12の底面図である。図4Cは、破壊機構を有する移送部品の一部の斜視図である。図4Dは、図4Cの移送部品13に図示された破壊機構16を用いるカートリッジの断面図である。
【0030】
開口部53は、貯蔵部品12のベース48を通って延びて、リザーバ14からの流体経路を形成する。ベース48は、該ベース48の底部に延び、開口部53を囲む凹部58を含む。移送部品を貯蔵部品と連結する前には、シール媒体50は、凹部58と開口部53にわたって延び、従って、図4Aで明らかなように開口部53をシールする。
【0031】
図4Cに示す移送部品の側部から延びる隆起部59は、移送部品13の側部にカップを形成する。カップは、破壊機構16として働く。貯蔵部品12と移送部品13が連結されると、カップは、図4Dに示すように、シール媒体50の一部を凹部58内に押し込む。この押し込み動作により、シール媒体50が延びる。シール媒体50は、延びたときに開き、延びていないとき閉じている1つ又はそれ以上のチャネルを含むことができる。1つ又はそれ以上のチャネルが、開口部53を覆い及び/又は凹部58を覆って位置付けられる。その結果、リザーバ14内の溶液は、リザーバ14から1つ又はそれ以上のチャネルを通って流れ、破壊機構16と接触することができる。従って、カップにより開いた1つ又はそれ以上のチャネルが各々、シール媒体のシール一体性の破壊部として機能する。開口部61は、カップの底部から移送部品13内に延びる。その結果、溶液は、リザーバ13からシール媒体50の1つ又はそれ以上の破壊部を通り、移送部品13内に流れることができる。
【0032】
カップと共に用いるのに好適なシール媒体は、限定ではないが、熱可塑エラストマー(TPE)を含む。
【0033】
凹部58は開口部53を囲み、開口部53の周りにリップ63が形成されるように開口部から間隔を置いて配置されて示されているが、凹部58は、開口部から間隔を置いて配置される必要はない。例えば、凹部58は、リップ63が存在しないように開口部53に直接移行することができる。リップ63が存在しない場合には、破壊機構は、カップとして、鈍化した穿孔機構として、又はその2つの組み合わせとして構成することができる。
【0034】
凹部は、開口部を囲むものとして開示されているが、凹部58は、開口部53を囲まずに該開口部53に隣接するように位置付けることができ、関連する破壊機構16は、凹部58が受け入れるように構成された隆起部を含むことができる。図4Cは、単一の破壊機構16がカップを含む移送部品13を示すが、移送部品上の破壊機構の2つ以上又は全てがカップを含むこともできる。更に、移送部品は、穿孔機構と、破壊機構として働くカップとの組み合わせを含むことができる。
【0035】
ポケットが貯蔵部品内のリザーバとして働く場合には、該ポケットは、外部の圧力が印加されたときに変形可能とすることができる。カートリッジ10を作動する間に、オペレータは、ポケットに圧力を印加して、溶液をリザーバ内から移送部品13へ駆動することができる。従って、ポケットに印加される圧力を用いて、溶液をリザーバから移送部品に移送することができる。PVC又はポリウレタンのような貯蔵部品12のカバー46の材料により、ポケット52は、該ポケット52に圧力が印加されることにより変形することができる。
【0036】
上に示す各貯蔵部品の各々は、開口部53の各々にわたって延びる単一のシール媒体を有するが、貯蔵部品は1つよりも多いシール媒体を含むことができ、シール媒体の各々が開口部の1つ又はそれ以上にわたって延びることができる。
【0037】
図示していないが、上記に開示されたシール媒体50は、一次層を覆って位置付けられる二次シール層を含むことができる。二次シール層は、溶液が貯蔵部品12のリザーバ14に装填された後に貯蔵部品に付加することができ、貯蔵部品を移送及び/又は貯蔵する間に、シール媒体50を通って溶液が漏出しないように選択することができる。二次シール層は、カートリッジを組み立てる前に除去することもでき、或いは所定場所に残すこともできる。二次シール層に好適な材料は、限定ではないが、Mylarを含む。二次シール層は、接着剤又は表面張力を用いて貯蔵部品に取り付けることができる。
【0038】
図5A〜図5Cは、図2に関して開示したように動作させる構成にされた移送部品13に好適な構成を示している。図5Aは、移送部品13を組み立てる前の移送部品13の一部の斜視図である。図5Bは、移送部品13を組み立てる前の移送部品13の一部の別の斜視図である。図5Bの図は、図5Aの図を反転させたものである。移送部品13は、カバー62と可撓性層64との間に位置付けられたベース60を含む。図5Cは、Cで表記した線に沿った図5Bに示すカバー62の断面図である。
【0039】
カバー62は、共通のプラットフォーム66から延びる複数の破壊機構16を含む。凹部68は、図5B、図5Cで明らかなようにカバー62の底部で延びる。以下で明らかとなるように、これらの凹部68は、移送部材のチャネルとセンサチャンバ26の上部と側部となる。例えば、凹部の側部は、チャネルの側部とセンサチャンバ26の側部として働く。センサチャンバ26は、移送部品13が組み立てられたときに、ベース60上の各センサがセンサチャンバ26内に位置付けられるように配置される。また、カバー62は、各々が破壊機構16につながったルーメンへの開口部20として機能する複数の開口部20を含む。
【0040】
ベース60は、溶液中の薬剤の存在及び/又は量を検出するための複数のセンサ70を含む。センサ70は、移送部品が組み立てられたときに各センサがセンサチャンバ内に位置付けられるようにベース60上に配置される。図示したセンサは、作用電極72、参照電極74、対向電極76を含む。幾つかの例では、電極の各々は、導電性材料の単一の層で形成される。好適な導電性材料は、限定ではないが、金を含む。導線78は、電極の各々と電気接点80との間を電気的に導通する。他のセンサ構成は、2001年5月5日に出願された、名称が「Biological Identification System with Integrated Sensor Chip(一体型センサチップを備えた生物学的識別システム)」の米国特許出願番号第09/848727号で開示されており、これは引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0041】
移送部品が組み立てられると、電気接点には、カバー62を通って延びる開口部82を介してアクセスすることができる。図示していないが、貯蔵部品は、移送部品の開口部82と貯蔵部品の開口部の両方を通して電気接点80にアクセスできるように、開口部82と位置合わせされた複数の開口部を含む。或いは、貯蔵部品は、移送部品の開口部が、カートリッジを組み立てた後に露出したままとなるように構成することができる。この場合、接点には、移送部品の開口部82を介してアクセスすることができる。
【0042】
複数の第1のバルブチャネル84と第2のバルブチャネル85は、ベース60を通って延びる。以下で明らかとなるように、各第1のバルブチャネル84は、該第1のバルブチャネル及び関連する第2のバルブチャネル85が同じバルブの一部であるので、第2のバルブチャネル85と関連する。移送部品を組み立てると:第1のバルブチャネルの一部は、流入チャネルを通って流れる溶液が第1のバルブチャネルに流入することができるように流入チャネル28と位置合わせされ、関連する第2のバルブチャネルは、第2のバルブチャネル内の溶液が共通チャネルに流入することができるように共通チャネルと位置合わせされ、;第1のバルブチャネル84の一部は、流入チャネルを通って流れる溶液が第1のバルブチャネル内に流入することができるように流入チャネル28と位置合わせされ、関連する第2のバルブチャネルは、第2のバルブチャネル内の溶液が独立チャネル内に流入することができるように独立チャネルと位置合わせされ;第1のバルブチャネル84の一部は、共通チャネルを通って流れる溶液が第1のバルブチャネル内に流入することができるように共通チャネル28と位置合わせされ、関連する第2のバルブチャネルは、第2のバルブチャネル内の溶液が独立チャネル内に流入することができるように独立チャネルと位置合わせされる。以下で明らかとなるように、第1のバルブチャネル84は、バルブ流入口として働くことができ、第2のバルブチャネル84は、バルブ流出口として働くことができる。
【0043】
また、第1の通気開口部86はベース60を通って延びる。移送部品を組み立てると、第1の通気開口部86は、各通気チャネル34内の空気が第1の通気開口部86を通って流れることができるように通気チャネル34と位置合わせされる。可撓性層64は、複数の第2の通気開口部87を含む。第2の通気開口部87は、移送部品が組み立てられると各第2の通気開口部87が第1の通気開口部と位置合わせするように位置付けられる。その結果、各通気チャネル34内の空気は、第1の通気開口部86を通り、次いで第2の開口部を通って流れることができる。従って、各通気チャネル内の空気を環境中に排気することができる。
【0044】
移送部品13は、ベース60をカバー62と可撓性層64に取り付けることにより組み立てることができる。移送部品13を組み立てると、チャネルは、ベース60とカバー62の凹部により部分的に区画される。例えば図5Dは、通気チャネル34を有する移送部品13の一部の断面図である。カバー62は、通気チャネル34の上面と側部を区画し、ベース60は、通気チャネル34の底部を区画する。
【0045】
移送部品13は、通気チャネル34を通る溶液を制限しながら、通気チャネル34を通って空気が流れることができるように構成される。幾つかの例では、通気チャネル34は、通気チャネル34を通る溶液の流れを阻止又は低減しながら、気流が通気チャネル34を通過することができるような大きさにされる。
【0046】
幾つかの例では、通気チャネル34は、1つ又はそれ以上の狭窄領域89を含む。狭窄領域89は、通気チャネル中の障害物を通る複数の管、導管、チャネル又は孔を含むことができる。管、導管、チャネル又は孔は、各々、空気を流すことができるが溶液の流れを妨げる大きさにされる。例えば、図5Eは、狭窄領域89を備えた通気チャネル34を有するカバー62の一部の底面図である。図5Fは、Fで表記された線で見た狭窄領域89の断面である。狭窄領域89は、空気を流すことができるが溶液の流れを制限又は妨げる大きさに各々された複数の管91を含む。幾つかの例では、管91は、各々、0.01μm2未満の断面積を有する。複数の管91を用いると、溶液流を制限するように構成された単一の管又は単一のチャネルで達成することができるレベルより高いレベルまで空気流の量を増大させることができる。その結果、複数の管91により、通気チャネル34を通して空気を流すことができる効率を高めることができる。狭窄領域89は、通気チャネル34に沿ったどこにでも位置決めすることができ、単一の通気チャネル34に沿って複数の狭窄領域を用いることができる。更に、狭窄領域89は、通気チャネル34の全長に延びることができる。
【0047】
代わりに又は付加的に、第2の通気開口部87の1つ又はそれ以上を覆うように、可撓性層64上に膜(図示せず)を位置付けることができる。膜は、空気が膜を通過することができるが、溶液は膜を通って流れることができないように選択することができる。その結果、膜は、通気チャネル34を通る溶液の流れを妨げることができる。膜は、第2の通気開口部に対して局所的に位置決めすることができる。例えば、膜は、第2の通気開口部の1つ又はそれ以上を覆うように位置決めすることができる。或いは、膜は、可撓性層64上に位置付けられ、複数の第2の通気開口部87を覆う材料の層とすることができる。膜に好適な材料は、限定ではないが、PTFEを含む。膜を用いる場合には、通気チャネルはまた、溶液流を制限するように構成することもできるが、必ずしもそうでなくてもよい。例えば、任意選択的に、1つ又はそれ以上の狭窄領域89を膜と共に用いることができる。
【0048】
図5Aに示すカバー62は、共通プラットフォーム66から延びる複数の廃棄物流出口構造体93を含む。これらの流出口構造体は、移送部品が組み立てられると廃棄チャネル36と位置合わせされ、センサチャンバ26からの廃棄溶液用の流出口を形成する。流出口構造体は、カートリッジが組み立てられると、貯蔵部品上の空のリザーバ14を穿孔する穿孔機構とすることができる。これらの例では、廃棄溶液は、カートリッジの作動中にリザーバ14に流入する。或いは、カートリッジの上部で流出口構造体にアクセスすることもできる。例えば、流出口構造体は、貯蔵部品を通るかその周囲に延びる。これらの例では、流出口構造体は、廃棄溶液をカートリッジから取り除くチューブ又は他の装置に連結することができる。流出口構造体は、貯蔵装置上に存在する必要はない。これらの例では、移送部品は、廃棄溶液が流入することができる内部リザーバを含むことができる。例えば、ベース60とカバー62は、廃棄チャネル36が流入する廃棄物リザーバを形成することができる。
【0049】
カバー62とベース60は、限定ではないが、射出成形を含む技術により形成することができる。カバー62とベース60に好適な材料は、限定ではないが、ポリカーボネートを含む。好適な可撓性層64は、限定ではないが、弾性膜を含む。カバー62とベース60を接合するのに好適な技術は、限定ではないが、レーザ溶接又は接着剤の使用を含む。ベース60と可撓性層64を接合するのに種々の技術を用いることができる。例えば、レーザ溶接を用いてベース60と可撓性層64を接合することができる。以下で明らかになるように、可撓性層64が移送部品に接合されない移送部品の領域が存在する。これらの領域は、レーザ溶接と併せてシャドーマスクを用いることにより形成することができる。集積回路製造技術を用いて、ベース上に電極、電気接点、導線を形成することができる。
【0050】
カバー62、ベース60、可撓性層64は、移送機構内にバルブを形成する。図6A〜図6Eは、図5A、図5Bに示す移送部品を組み立てると形成されるバルブの1つを示す。図6Aは、バルブを含む移送部品の一部の平面図である。破線は、移送部品の内部に位置付けられた物品を示す。図6Bは、図6Aに示す移送部品の一部の底面図である。図6Bの破線は、可撓性層64がベース60に取り付けられていないバルブ領域91の部位を示す。図6Cは、図6Aに示すカートリッジをCで表記された括弧の間に延びる線に沿った断面図である。図6Dは、図6Aに示すカートリッジをDで表記された括弧の間に延びる線に沿った断面図である。
【0051】
ベース60の第1のバルブチャネル84は、入力チャネル内の溶液が第1のバルブチャネル内に流入することができるように、カバー62の入力チャネル88と位置合わせされる。従って、第1のバルブチャネル84は入力チャネルの一部となる。ベース60の第2のバルブチャネル85は、第2のバルブチャネル内の溶液が出力チャネル内に流入することができるようにカバー62の出力チャネルと位置合わせされる。従って、第2のバルブチャネル84は出力チャネルの一部となる。ベース60とカバー62は共に、入力チャネル88と出力チャネル89との間に障害物92を形成するように作用する。加えて、カバーは、入力チャネルと通気チャネルとの間の第2の障害物を形成している。可撓性材料が、障害物92、第1のバルブチャネル、第2のバルブチャネルを覆って位置付けられる。その結果、可撓性材料は、入力チャネルの一部と出力チャネルの一部を覆って位置付けられる。更に、可撓性材料は、通気チャネルを覆って位置付けられる。
【0052】
図6D〜図6Eは、バルブの動作を示す。バルブを通る溶液流の望ましい方向は、図6DのFで表記された矢印で示される。可撓性層64は、バルブの上流側の溶液に閾値圧力を印加する前に溶液が障害物92の周りを流れないように該障害物92に十分近接して位置付けられる。その結果、図6Dは、溶液がバルブを通って流れる前のバルブを示す。溶液がバルブに向かって流れると、入力チャネル88内の空気は、図6CのAで表記された矢印に示されるように、通気チャネル90を通って入力チャネル88を出ることができる。通気チャネル90は、空気が、通気チャネル90を通って流れることができるように構成される。幾つかの例では、溶液はまた、通気チャネルの長さの全体又はその一部を通って流れることができる。溶液が通気チャネルに流れる例では、1つ又はそれ以上の狭窄領域は、任意選択的に、図5に関連して論じたように通気チャネルに沿って位置決めすることもできる。その結果、通気チャネル90により、入力チャネルから空気及び/又は他のガスを通気することができる。通気チャネル90の一部が、バルブ領域の入力チャネル88に平行であるように示される。通気チャネル90が平行であるという性質により、バルブ領域を溶液で満たす間に空気を継続して排出することができる。
【0053】
バルブの動作中、可撓性層64と障害物92との間の変位が変化する。例えば、バルブが閉じた位置から開き又はバルブが更に開くと、可撓性層64は、図6Eに示すように障害物92から離れて移動する。可撓性層64が障害物92から離れて移動すると、障害物92の周りの流体路の容積が増大する。溶液に対する上流側圧力が閾値圧力を超えると、溶液は、図6EにFで表記された矢印で示すように障害物92の周りの流体路を通って流れ始める。従って、可撓性層が障害物から離れて移動すると、溶液が入力チャネル88から出力チャネル89に流入することができる。
【0054】
図7A〜図7Cはカートリッジと共に用いるのに好適なバルブの別の実施形態を示す。図7Aは、バルブを含むカバーの一部の斜視図である。図7Bは、図7Aに示すカバー62を含む移送部品をBで表記した括弧間に延びる線に沿った断面図を示す。図7Cは、図7Aに示すカバー62を含む移送部品をCで表記した括弧間に延びる線に沿った断面図を示す。
【0055】
ベース60の第1のバルブチャネル84は、入力チャネル内の溶液が第1のバルブチャネルに流入することができるようにカバー62の入力チャネル88と位置合わせされる。従って、第1のバルブチャネル84は入力チャネルの一部となる。ベース60の第2のバルブチャネルは、第2のバルブチャネル内の溶液が出力チャネルに流入するようにカバー62の出力チャネル89と位置合わせされる。従って、第2のバルブチャネルは出力チャネルの一部となる。ベース60とカバー62は共に、入力チャネル88と出力チャネル89との間に障害物92を形成するように作用する。加えて、カバーは、入力チャネルと通気チャネルとの間の第2の障害物を形成している。可撓性材料は、障害物92、第1のバルブチャネル、第2のバルブチャネルを覆って位置付けられる。その結果、可撓性材料は、入力チャネルの一部と出力チャネルの一部を覆って位置付けられる。更に、可撓性材料は通気チャネルの一部も覆って位置付けられる。
【0056】
図7B、図7Dはバルブの動作を示す。溶液がバルブを通って流れる望ましい方向は、図7CのCで表記された矢印で示される。可撓性層64は、バルブ上流側の溶液に閾値圧力が印加される前には溶液が障害物92の周りを流れないように、障害物92に十分に近接して位置付けられる。その結果、図7Cは、溶液がバルブを通って流れる前のバルブを示す。溶液がバルブに向かって流れると、入力チャネル88内の空気は、図7BのBで表記された矢印で示されるように、通気口90を通って入力チャネルから出ることができる。幾つかの例では、溶液はまた、通気チャネルに流入することもできる。溶液が通気チャネルに流入する例では、図5に関して論じたように、通気チャネルに沿って1つ又はそれ以上の狭窄領域を任意選択的に位置決めすることができる。従って、通気チャネル90は、空気は通気チャネル90を通って流れることができるが、溶液は通気チャネル90を通って流れないように構成されている。その結果、通気チャネル90により、入力チャネル88から空気を排出することができる。
【0057】
バルブが開くと、可撓性層64は、図7Dに示すように、障害物92から離れて移動する。可撓性層64が障害物92から離れて移動すると、障害物92の周りに流体路が生じる。溶液の上流側の圧力が閾値圧力を超えると、溶液は、図7DにDで表記される矢印により示されるように障害物92の周りの流体路を通って流れ始める。従って、可撓性層が障害物から離れて移動すると、溶液が入力チャネル88から出力チャネル89内に流入することができる。
【0058】
バルブで交差するチャネルの1つ又はそれ以上の容積は、チャネルがバルブに近づくにつれて減少する。可撓性材料に対向するチャネルの部分は、図7Cで明らかなように、チャネルがバルブに近づくにつれて可撓性材料に向かって傾斜することができる。例えば、バルブを終端とする入力チャネルの部分の高さは、バルブに近づく方向で先細とすることができる。このチャネルの高さとは、可撓性材料に垂直で且つ該可撓性材料からチャネルを横切って可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側の地点まで延びる方向で測定されるチャネルに沿った地点でのチャネル高である。傾斜は、チャネルがバルブで終端となる部位で、入力チャネル88の側部と底部との間に形成することができるほぼ垂直のコーナーを小さくする。鋭利なコーナーは、空気を捕捉することができるポケットとして働く可能性がある。この傾斜は、コーナーを平滑するのに役立つことができ、従って、これらのポケットの気泡の形成を低減させることができる。
【0059】
また、図7A〜図7Dは、バルブに向かって先細となる通気チャネル90の高さを示している。このような先細により、通気チャネル90内の空気ポケットの形成が妨げられる。図7A〜図7Dは、入力チャネル88と通気チャネル90の高さが先細であることを示しているが、バルブは、入力チャネル88と通気チャネル90のいずれも先細部を含まず、又は入力チャネル88が先細部を含むが通気チャネル90が先細部を含まず、或いは通気チャネル90が先細部を含み、入力チャネル88が先細部を含まないように構成することもできる。
【0060】
バルブの入力チャネル88に最も近接する通気口90の部分は、図7Aで明らかであるように、入力チャネル88の隣接部分に平行とすることができる。平行部分の長さは、任意選択的に、入力チャネル88の隣接部分の幅とほぼ同じとすることができる。この構成により、バルブ内での気泡の生成を低減させることができる。
【0061】
入力チャネル88、出力チャネル89、通気チャネル90の互いに対する配置は、図6A〜図7Dに示す配置から変えることができる。例えば、チャネルの交点での出力チャネルと入力チャネルの部分は両方とも、図2にVで表記したバルブにより示されるように、出力チャネルに対し平行とすることができる。図2は流入チャネルに部分的に沿って位置付けられたバルブを示すが、該バルブを、流入チャネル、通気口チャネル、共通チャネルの交点で位置付けられるように構成することができる。チャネル配置に柔軟性があることにより、単一のカートリッジ上に配置することができる特徴部の数を増大させることができる。
【0062】
幾つかの例では、第2のバルブチャネルは、図6Aで明らかなように実質的に丸形である。丸形の直径は、出力チャネルの幅よりも大きくすることができる。これらの例では、出力チャネルは、図6A、図7Aで明らかなように、任意選択的に膨出部を有することができる。膨出部は、出力チャネルの壁が第2のバルブチャネルの壁と実質的に同一平面上にあるように構成することができる。この同一平面上にある性質によって、出力チャネルの壁と第2のバルブチャネルの壁との間に段差が形成される結果となる空気ポケットの形成を低減させることができる。
【0063】
図6A〜図7Dに開示されるバルブは、図2に関して記載した第1のバルブ38又は第3のバルブ42とすることができる。バルブが、第1のバルブ38として働く場合には、流入チャネル28は入力チャネル88とすることができ、共通チャネル32は出力チャネル89とすることができ、通気チャネル34は通気チャネル90とすることができる。或いは、バルブは、流入チャネルに部分的に沿って位置決めすることもできる。例えば、流入チャネル28の一部を入力チャネルとすることができ、流入チャネルの別の部分を出力チャネル89とすることができ、通気チャネル34を通気チャネル90とすることができる。
【0064】
バルブが第3のバルブ42として働く場合には、流入チャネルは入力チャネル88とすることができ、独立チャネル30は出力チャネルとすることができ、通気チャネル34は通気チャネル90とすることができる。或いは、バルブは流入チャネルに部分的に沿って位置決めすることができる。例えば、流入チャネル28の一部を入力チャネル88とすることができ、流入チャネルの別の部分を出力チャネル89とすることができ、通気チャネル34を通気チャネル90とすることができる。
【0065】
図6A〜図7Dに開示されているバルブは、図2に関して記載したように、バルブから通気チャネル34を除去することにより第2のバルブ40として働くように適合させることができる。バルブが第2のバルブ40として働く場合には、共通チャネル28を入力チャネルとすることができ、独立チャネル30を出力チャネル89とすることができる。或いは、バルブは、独立チャネル30に部分的に沿って位置決めすることができる。例えば、独立チャネル30の一部を入力チャネル88とすることができ、独立チャネル30の別の部分を出力チャネル89とすることができる。
【0066】
図5A、図5Bに示す移送部品は、図6A〜図6Eに従って構成されたバルブを含むことができるが、バルブの1つ、バルブの2つ以上又はバルブの全てを図7A〜図7Eに従って構成することもできる。
【0067】
上記のバルブは、可撓性層64を変形させるほど溶液に加わる上流側圧力を増大させることにより、及び/又は外部機構を用いて可撓性層64を障害物92から離れるように移動させることにより開放させることができる。上流側圧力は、流入チャネルと流体連通する溶液を収容するリザーバ14を圧縮することにより増大させることができる。好適な外部機構の例は真空である。真空を用いて、可撓性層64を障害物92から引き離すことができる。
【0068】
可撓性層64は、障害物92と接触するように示されているが、上流側溶液に正圧が印加されないときに、可撓性層64が障害物92から間隔を置いて配置されるように移送部品を構成することもできる。可撓性層64と障害物92との間の間隙は、閾値圧力に達するまでは、溶液の表面張力により溶液が障害物92を通過して流れないように十分に小さくすることができる。これらの例では、可撓性層64が障害物92から離れて移動することは、障害物92の周りの通路の容積を増大させる働きをする。
【0069】
バルブを通って溶液流を生じさせるのに必要な閾値圧力を制御することができる。可撓性層64がより剛直になるか及び/又は厚くなるほど、閾値圧力が上昇する。正圧が上流側溶液に印加されていないときに可撓性層64を障害物92に近づけるように移動させると、閾値圧力は上昇する。バルブチャネル84の1つ又はそれ以上の大きさを小さくすると、障害物92の周りの流体路を狭くすることができ、閾値圧力を上昇させることができる。更に、バルブチャネル84の1つ又はそれ以上の大きさを増大させると、障害物92の周りの経路の容積を増大させることができ、閾値圧力を減少させることができる。
【0070】
また、流入口バルブチャネル84と流出口バルブチャネル84の相対的大きさもバルブ性能に関係することができる。例えば、流入口バルブチャネル84の断面積に対する流出口バルブチャネル84の断面積の比は、バルブ性能に影響を及ぼすことができる。この比が1より小さい場合には、バルブを通る逆流を減少させることができる。加えて、この比を小さくすると、逆流の低減に役立つ。幾つかの例では、流入チャネル及び/又は流出口チャネルは、2つ以上の流路を有する。例えば、流出口流チャネルには、ベースを通る複数の穴を含むことができる。これらの例では、流出口チャネルの断面積は、各流路の総断面積の合計である。
【0071】
バルブは、流入チャネルと共通チャネル32との間に位置付けられたバルブに関して開示されているが、図示したバルブ構成は移送部品の他のバルブに適用することもできる。
【0072】
上記の例では、通気チャネル34がバルブに連結されているように示しているが、通気口チャネル34は、種々の他の部位に位置決めしてもよい。例えば、通気口チャネル34は、バルブの前の流入チャネルに位置決めすることができる。
【0073】
図5A、図5Bの移送部品は、バルブの各々を形成する単一の可撓性材料を示しているが、移送部品は、1つより多い可撓性材料を含むことができ、可撓性材料の各々は、1つのバルブ又は1つより多いバルブに含まれてもよい。
【0074】
図8A、図8Bは、可撓性層64をバルブの障害物92から離して移動させるために採用された外部機構と共に上記で開示したように構成されたカートリッジの動作を示す。図8Aは、マニホルド96上に位置付けられたカートリッジを含むシステムの側面図である。図8Bは、図8Aに示すシステムの断面である。マニホルド96は、複数の真空ポート98を含む。ポートはカートリッジ上のバルブと位置合わせされる。マニホルド96は、ポートの1つ又はそれ以上に対し独立して真空引きすることができるように構成される。真空ポート98で引かれる真空の量は、図8BのAで表記された破線及び矢印で示されるように、ポートと位置合わせされたバルブを完全に又は部分的に開放するのに十分とすることができる。その結果、マニホルド96を用いて、カートリッジ上のバルブを選択的に開放させることができる。幾つかの例では、マニホルドはまた、1つ又はそれ以上の真空ポートに正圧を生じさせるように構成される。この正圧により、カートリッジの動作中に、1つ又はそれ以上のバルブを閉じたまま保持することができる。例えば、関連する第3のバルブ42を通って関連する独立チャネル内に溶液を流入させながら、第2のバルブ40(図2に示す)を閉じたまま保持するようにマニホルドを動作させることができる。第2のバルブを閉じたまま保持することにより、共通チャネルに流れ混む溶液の逆流を減少させることができる。幾つかの例では、カートリッジを通る望ましい流体の流れは、マニホルド96を組み合わせて用いること、及び貯蔵部品のリザーバ14に外部圧力を印加することにより達成される。
【0075】
図8A及び図8Bにマニホルド96が開示されているが、上記で開示されたように構成されたカートリッジは、バルブを開閉させるための外部機構を用いることなく動作することができる。従って、マニホルド96は任意である。
【0076】
カートリッジは、各リザーバに関連する単一の破壊機構を有するように示されるが、カートリッジは、各リザーバに関連する2つ以上の破壊機構を含むことができ、及び/又は貯蔵部品のベースが、各リザーバに関連する2つ以上の開口部を含むこともできる。
【0077】
移送部品は、電気化学的センサを含むように上記で開示されているが、カートリッジと併せて他のセンサタイプを用いることもできる。更に、上記カートリッジは、1つのセンサ、2つのセンサ又は3つより多いセンサを含むように適合させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】電気化学的センサと共に用いるための、移送部品と連結するように構成された貯蔵部品を含むカートリッジを組み立てる前の貯蔵部品と移送部品の斜視図である。
【図1B】組み立てた後のカートリッジの斜視図である。
【図1C】各々が移送部品に連結された2つの貯蔵部品を有するカートリッジの斜視図である。
【図2】移送部品の内部を示す概略図である。
【図3A】貯蔵部品の斜視図である。貯蔵部品はカバー、ベース、及びシール媒体を含む。
【図3B】図3Aに示す貯蔵部品をBで表記された線でとった断面図である。
【図3C】貯蔵部品を組み立てる前の貯蔵部品の斜視図である。
【図3D】図3A〜図3Cによる貯蔵部品と共に用いるのに好適な破壊機構を有する移送部品の斜視図である。
【図3E】図3Aの貯蔵部品及び図3Dの移送部品を用いたカートリッジの破壊機構を通る断面図である。
【図4A】図3Aに示す貯蔵部品をBで表記された線でとった断面図である。
【図4B】シール媒体を所定位置に有さない図4Aに示す貯蔵部品の底面図である。
【図4C】移送部品の一部の斜視図である。
【図4D】図4Cの移送部品に示す破壊機構を用いるカートリッジの断面図である。
【図5A】移送部品を組み立てる前の移送部品のパーツの斜視図である。
【図5B】図5Aの図と反転された、移送部品を組み立てる前の移送部品のパーツの別の斜視図である。
【図5C】図5Bに示すカバーをCで表記された線でとった断面図である。
【図5D】通気チャネル有する移送部品の一部の断面図である。
【図5E】狭窄領域を備えた通気チャネルを有するカバーの一部の底面図である。
【図5F】Fで表記された線でとった狭窄領域の断面図である。
【図6A】移送部品が組み立てられると形成されるバルブを含む移送部品の一部の平面図である。
【図6B】図6Aに示す移送部品の一部の底面図である。
【図6C】図6Aに示すカートリッジをCで表記された括弧間に延びる線に沿った、溶液がバルブを通って流れる前の断面図である。
【図6D】図6Aに示すカートリッジをDで表記された括弧間に延びる線に沿った断面図である。溶液がバルブを通って流れる前のバルブが示される。
【図6E】溶液がバルブを通って流れる間の図6C及び図6Dのバルブを示す図である。
【図7A】カートリッジと共に用いるのに好適なバルブの別の実施形態のバルブを含むカバーの一部の斜視図である。
【図7B】図7Aに示すカバーを含む移送部品をBで表記された括弧間に延びる線に沿った、バルブを通って溶液が流れる前のバルブの断面図である。
【図7C】図7Aに示すカバーを含む移送部品をCで表記された括弧間に延びる線に沿った、バルブを通って溶液が流れる前のバルブの断面図である。
【図7D】溶液がバルブを通って流れる間のバルブを示す図である。
【図8A】カートリッジの動作を示す、マニホルド上に位置付けられたカートリッジを含むシステムの側面図である。
【図8B】図8Aに示すシステムの断面図である。
【符号の説明】
【0079】
10 カートリッジ、12 貯蔵部品、13 移送部品、14 リザーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が溶液を収容する1つ又はそれ以上のリザーバを含む貯蔵部品と、
前記貯蔵部品と連結するように構成された移送部品と、
を備え、
前記移送部品が、前記リザーバの1つ又はそれ以上から前記移送部品によって保持されるセンサまで前記溶液を移送するように構成され、前記センサが、液体試料中の薬剤の存在及び/又は量を検出するように構成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記移送部品が前記移送部品から独立していることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記移送部品と前記貯蔵部品が連結されると、前記貯蔵部品上の材料のシール一体性が破壊されるように構成された1つ又はそれ以上の破壊機構を前記移送部品が含み、前記シール一体性が、リザーバ内の溶液を前記貯蔵部品から流出させることができる流出口を形成するように破壊されることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記移送機構が、前記リザーバから前記移送部品に前記溶液を移送するように位置付けられた1つ又はそれ以上のルーメンを含むことを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記破壊機構の1つ又はそれ以上が、前記材料を穿孔するように構成された穿孔機構を含むことを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記穿孔機構を通ってルーメンが延びることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記破壊機構の1つ又はそれ以上が、カップを含むことを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項8】
ルーメンが、前記カップの底面から前記移送部品まで延びることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記貯蔵部品が、前記機構の1つにより生じる破壊を前記媒体の局所領域に限定するように構成された少なくとも1つの構造体を含むことを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記貯蔵部品が、貫通して延びる1つ又はそれ以上の開口部を有するベースを含み、各開口部が、破壊機構を受け入れるように構成されることを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記貯蔵部品が、内部に延びる1つ又はそれ以上の凹部を有するベースを含み、各開口部が、破壊機構を受け入れるように構成されることを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記貯蔵部品と前記移送部品が連結すると、前記破壊機構の1つ又はそれ以上が、前記貯蔵部品上のシール媒体を延ばす構成にされることを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記貯蔵部品が、共通プラットフォームの側部から延びる複数のポケットを有するカバーを含むことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記貯蔵部品が、ベース上に位置付けられたカバーを含み、前記ベースが、前記ベースを通って延びる1つ又はそれ以上の開口部を含むことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記貯蔵部品が、前記開口部をシールするように前記ベース上に位置付けられたシール媒体を含むことを特徴とする請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記移送部品が、前記移送部品の入力チャネルと前記移送部品の出力チャネルとの間に位置付けられる障害物の周りの溶液の流れを制御するように構成されたバルブを含み、前記バルブが、前記障害物及び前記入力チャネルの一部と前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられる可撓性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記入力チャネルの前記可撓性材料から対向する側部が、前記可撓性材料に向かって傾斜していることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記入力チャネルの高さが、前記バルブに向かうほど減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さが、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びていることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記移送部品が、前記バルブから離れて延びる通気チャネルを含み、前記通気チャネルが、前記バルブの動作中に前記チャネルからガスを排気するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記通気チャネルの前記可撓性材料から対向する側部が、前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記バルブが閉じているときに、前記通気チャネルの高さが前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びていることを特徴とする請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記移送部品が、ベース上に位置付けられたカバーを含み、前記カバーと前記ベースが、前記入力チャネルと出力チャネルを形成し、前記ベースが、
前記ベースを通って延び、前記入力チャネルの一部を覆って位置付けられる第1のバルブチャネルと、
前記ベースを通って延び、前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられる第2のバルブチャネルと、
を含み、前記可撓性材料が、前記第1のバルブチャネル開口部を覆い、前記第2のバルブチャネルを覆って位置付けられることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項23】
前記カバーと前記ベースが通気チャネルを形成し、前記第1のバルブチャネルが、前記通気チャネルの一部を覆って位置付けられることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項24】
各々が溶液を保持する1つ又はそれ以上のリザーバを有する貯蔵部品と連結されるように構成された移送部品を含む、カートリッジと共に用いる移送部品であって、
前記移送部品が、前記リザーバの1つ又はそれ以上から前記移送部品によって保持されるセンサまで前記溶液を移送するように構成され、前記センサが、液体試料中の薬剤の存在及び/又はその量を検出するように構成されることを特徴とする移送部品。
【請求項25】
前記移送部品と前記貯蔵部品とが連結されると、前記貯蔵部品上の材料のシール一体性を破壊するように構成された1つ又はそれ以上の破壊機構を前記移送部品が含み、前記シール一体性が、前記リザーバ内の溶液が前記貯蔵部品から流出することができる流出口を形成するように破壊されることを特徴とする請求項24に記載の部品。
【請求項26】
前記移送機構が、前記リザーバから流れる溶液を前記移送部品に移送するように位置付けられた1つ又はそれ以上のルーメンを含むことを特徴とする請求項25に記載の部品。
【請求項27】
前記破壊機構の1つ又はそれ以上が、前記材料を穿孔するように構成された穿孔機構を含むことを特徴とする請求項25に記載の部品。
【請求項28】
前記穿孔機構を通ってルーメンが延びることを特徴とする請求項27に記載の部品。
【請求項29】
前記破壊機構の1つ又はそれ以上が、カップを含むことを特徴とする請求項25に記載の部品。
【請求項30】
前記カップの底部から前記移送部品内にルーメンが延びることを特徴とする請求項29に記載の部品。
【請求項31】
前記移送部品が、前記移送部品の入力チャネルから前記移送部品の出力チャネルへの溶液の流れを制御するように構成されたバルブを含み、前記バルブが、前記入力チャネルの一部をとなる可撓性材料を含むことを特徴とする請求項24に記載の部品。
【請求項32】
前記可撓性材料が、前記流出口チャネルの一部となることを特徴とする請求項31に記載の部品。
【請求項33】
前記入力チャネルの前記可撓性材料から対向する側部が、前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする請求項31に記載の部品。
【請求項34】
前記入力チャネルの高さが、前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直方向に測定され、そして前記可撓性材料から前記チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びることを特徴とする請求項31に記載の部品。
【請求項35】
前記移送部品が、前記バルブから離れて延びる通気チャネルを含み、前記通気チャネルが、前記バルブの動作中に前記チャネルからガスを排気させるように構成されることを特徴とする請求項31に記載の部品。
【請求項36】
前記可撓性材料が、前記通気口チャネルの一部を覆うように位置付けられ、前記可撓性材料から対向する側部が、前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする請求項35に記載の部品。
【請求項37】
前記バルブが閉じているときに、前記通気チャネルの高さが、前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びることを特徴とする請求項35に記載の部品。
【請求項38】
前記移送部品が、ベース上に位置付けられたカバーを含み、前記カバーと前記ベースが、前記入力チャネルと出力チャネルを形成し、前記ベースが、
前記ベースを通って延び、前記入力チャネルの一部を覆って位置付けられる第1のバルブチャネルと、
前記ベースを通って延び、前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられる第2のバルブチャネルと、
を含み、前記可撓性材料が、前記第1のバルブチャネルを覆い、前記第2のバルブチャネルを覆って位置付けられることを特徴とする請求項33に記載の部品。
【請求項39】
前記カバーと前記ベースが通気チャネルを形成し、前記第1のバルブチャネルが、前記通気口の一部を覆って位置付けられることを特徴とする請求項33に記載の部品。
【請求項40】
カートリッジを形成するように、貯蔵部品を移送部品と連結することを含む方法であって、前記貯蔵部品が、各々が溶液を収容する1つ又はそれ以上のリザーバを含み、前記移送部品が、前記リザーバの1つ又はそれ以上から前記移送部品によって保持されるセンサまで前記溶液を移送するように構成され、前記センサが、液体試料中の薬剤の存在及び/又は量を検出するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項41】
前記移送機構が、1つ又はそれ以上の破壊機構を含み、前記貯蔵部品が、前記移送部品と連結し、前記破壊機構の1つ又はそれ以上が前記貯蔵部品上の材料のシール一体性を破壊して、リザーバ内の溶液が前記貯蔵部品から流出することができる流出口を生成するようにすることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記移送部品を通る溶液の流れを制御するように前記移送部品上のバルブを開放することを更に含む請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記貯蔵部品上のポケットに圧力を印加して前記リザーバ内の溶液を前記移送部品内に駆動することを更に含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
バルブで合流する通気チャネル、入力チャネル、出力チャネルを含む、溶液を電気化学的センサに移送するための移送部品であって、
前記バルブが、前記通気チャネル内にガスを通気しながら、前記入力チャネルから前記出力チャネルへの溶液の流れを制御するように構成されることを特徴とする移送部品。
【請求項45】
前記入力チャネルと前記出力チャネルとの間に位置付けられた障害物と、
前記バルブの動作中に前記障害物と可撓性材料との間の変位が変化するように前記障害物を覆って位置付けられた可撓性材料と、
を更に含むことを特徴とする請求項44に記載の部品。
【請求項46】
可撓性材料が、前記入力チャネルの一部及び前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられることを特徴とする請求項44に記載の部品。
【請求項47】
前記可撓性材料が、前記通気チャネルの一部を覆って位置付けられることを特徴とする請求項46に記載の部品。
【請求項48】
試料中の薬剤の存在及び/又は量を検出するように構成された1つ又はそれ以上の電気化学的センサと、
前記バルブから前記1つ又はそれ以上のセンサに溶液を移送するように構成された1つ又はそれ以上のチャネルと、
を更に含むことを特徴とする請求項44に記載の部品。
【請求項49】
前記バルブが、前記可撓性材料により区画される前記入力チャネルの一部が前記バルブの動作中に変化する容積を有するように前記入力チャネルの一部となる可撓性材料を含むことを特徴とする請求項44に記載の部品。
【請求項50】
前記可撓性材料に対向する前記入力チャネルの一部が、前記チャネルが前記バルブに近づくにつれて前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする請求項45に記載の部品。
【請求項51】
前記バルブが閉じているときに、前記入力チャネルの高さが、前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記入力チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びることを特徴とする請求項45に記載の部品。
【請求項52】
前記通気チャネルの前記可撓性材料に対向する側部が、前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする請求項45に記載の部品。
【請求項53】
前記バルブが閉じているときに、前記通気チャネルの高さが、前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びることを特徴とする請求項45に記載の部品。
【請求項54】
前記移送部品が、ベース上に位置付けられたカバーを含み、前記カバーと前記ベースが、前記チャネルを形成すると共に出力チャネルを形成し、前記ベースが、
前記ベースを通って延び、前記入力チャネルの一部を覆って位置付けられる第1のバルブチャネルと、
前記ベースを通って延び、前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられる第2のバルブチャネルと、
を含み、前記可撓性材料が、前記第1のバルブチャネルを覆い、前記第2のバルブチャネルを覆って位置付けられることを特徴とする請求項44に記載の部品。
【請求項55】
溶液を電気化学的センサに移送するための移送部品であって、
入力チャネルと出力チャネルとの間に位置付けられた障害物の周りの溶液の流れを制御するように構成されたバルブを含み、
前記バルブが、前記バルブの動作中に前記障害物と可撓性材料との間の変位が変化するように前記障害物を覆って位置付けられた可撓性材料を含み、前記入力チャネルの一部が、前記入力チャネルに沿い前記バルブに向かう方向に前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする移送部品。
【請求項56】
前記可撓性材料が、前記入力チャネルの一部と前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられることを特徴とする請求項55に記載の部品。
【請求項57】
前記可撓性材料が、前記通気チャネルの一部を覆って位置付けられることを特徴とする請求項56に記載の部品。
【請求項58】
試料中の薬剤の存在及び/又は量を検出するように構成された1つ又はそれ以上の電気化学的センサと、
前記バルブから前記1つ又はそれ以上のセンサに溶液を移送するように構成された1つ又はそれ以上のチャネルと、
を更に含むことを特徴とする請求項55に記載の部品。
【請求項59】
前記可撓性材料が、前記可撓性材料により区画される前記入力チャネルの一部が前記バルブの動作中に変化する容積を有するように前記入力チャネルの一部となることを特徴とする請求項55に記載の部品。
【請求項60】
前記バルブが閉じているときに、前記入力チャネルの高さが、前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記入力チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びることを特徴とする請求項55に記載の部品。
【請求項61】
前記通気チャネルの前記可撓性材料に対向する側部が、前記可撓性材料に向かって傾斜することを特徴とする請求項55に記載の部品。
【請求項62】
前記バルブが閉じているときに、前記通気チャネルの高さが、前記バルブに向かうにつれて減少し、前記チャネルに沿う点でのチャネルの高さは、前記可撓性材料に垂直な方向で測定され、そして前記可撓性材料から前記チャネルを横切って前記可撓性材料から最も遠くに位置する対向する側部の点まで延びることを特徴とする請求項55に記載の部品。
【請求項63】
前記移送部品が、ベース上に位置付けられたカバーを含み、前記カバーと前記ベースが、前記入力チャネルを形成すると共に前記出力チャネルを形成し、前記ベースが、
前記ベースを通って延び、前記入力チャネルの一部を覆って位置付けられる第1のバルブチャネルと、
前記ベースを通って延び、前記出力チャネルの一部を覆って位置付けられる第2のバルブチャネルと、
を含み、前記可撓性材料が、前記第1のバルブチャネルを覆い、前記第2のバルブチャネルを覆って位置付けられることを特徴とする請求項55に記載の部品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2007−522441(P2007−522441A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543808(P2006−543808)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/035624
【国際公開番号】WO2005/060432
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506198333)ジーンフルイディクス・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】