説明

電気接続エレメントおよびそのようなエレメントを備えるディスク

本発明は、ディスクの導電部材(11)へと溶接またははんだ付けされるように設けられ、一部分が電気的な接続のために部材(11)へと溶接またははんだ付けされるように設けられ、残りの剛性部分がディスクの外側の方向に接続されるように設けられている導電性の本体(20)を備える電気接続エレメント(2)であって、本体が、1から500μmの間の厚さを有する導電ホイル(21)を含んでおり、仲介手段(5、6)が、接続エレメントの本体の剛性部分とディスクとの間で衝撃吸収手段として機能することを特徴とする電気接続エレメントに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、導電印刷ワイヤによって形成されたアンテナ領域または加熱領域タイプの窓ガラスや、導電層タイプの窓ガラスの表面に設けられた導電構造の電気接続面など、導電部材を備える窓ガラスのための電気接続エレメントに関する。接続エレメントが、窓ガラスの導電構造を、窓ガラスの外部に配置された電気系統(増幅器、制御ユニット、電源)に電気的に接続するように機能する。本発明は、特に、加熱式の窓またはアンテナに適用される。
【背景技術】
【0002】
自動車のリアウインドウの形式の加熱付きの窓を形成するために、金属銀および溶融ガラス、すなわち、低融点ガラスの有機バインダ中のペースト状の懸濁液から製作される一連の細い抵抗片が、スクリーン印刷によってガラスフィルムへと付着させられる。焼成後に、運転者の視界を妨げることがないようにガラスフィルムの縁の付近に配置された同様の組成のより大きな集電片へと流れ込む微細な導電片のネットワークが得られる。次いで、車両の電源へのケーブルシューを形成する金属製の接続部品が、これらの側方の集電片へとはんだ付けされる。
【0003】
これらの金属製の接続部品は、例えば、銅製の剛性のある板からT字形に形成され、その2つの枝が足によって延長され、その下方にはんだが配置される。接続部品が、例えば伝導または対流によるなど、任意の知られているプロセスによって加熱されることで、はんだが溶け、冷却後に、集電片と接続部品との間の恒久的な接続が保証される。
【0004】
長い間、使用されるはんだは、適切な展性という理由で、鉛主体のはんだであった。実際、この金属は、例えば閉じられたハウジング内でこのハウジングの内部の−40℃から+90℃の間の温度変動サイクルが窓ガラスに加えられる耐熱テストの最中など、剛性のある接続部品が設けられた窓ガラスの急激な冷却プロセスおよび温度の上昇の際に、はんだの領域において窓ガラスに生じ得る応力の最小化を可能にする。
【0005】
環境保護の理由のため、鉛を他の材料、例えば、スズ主体の合金などで置き換えることが必要である。しかしながら、スズは、はるかに展性に乏しい材料である。剛性のある金属製の接続部品と接続のための部材が設けられたガラスフィルムとの間にスズが存在することで、電気的な接続および部品の機械的な保持が実際に保証されるが、究極的には、剛性のある部品とガラスフィルムとの間の直接的な接触につながる。金属製の部品の収縮時、特に急激な温度の冷却に曝される場合に、この部品とガラスとの間の直接的な接触が、原理的に、ガラスにおける応力の発生を引き起こす。使用されるガラスがますます薄くなってきており、焼きなましが不可能である(すなわち、あまり頑丈でない)ということに関係して、ガラスにおける応力は、通常は、窓ガラスの破損につながる。
【0006】
接続エレメントの別の技術的解決策を、接着によってガラスフィルムに取り付けられるプラスチック製の平坦な基材を使用して構成することができ、金属製のエレメントが、この基材に埋め込まれ、電気接続点が自由端に含まれ、これらの接続点が、窓ガラスの電気部材に堅固に接続されるように基材から突き出しており、電源コネクタの剛性部品との電気的接続は、金属製のエレメントおよびプラスチック材料製の基材の反対側の端部において行われる。プラスチック製の基材が、接続エレメントの取り付けを可能にするが、剛性部品と窓ガラスの電気部材との間の直接の接触は生じない。
【0007】
このような構成は、例えば欧州特許第766338号明細書に記載されている。しかしながら、この技術的解決策は、特にプラスチック製の基材が必要であり、金属製のエレメントをこの基材の内側に包む必要があるため、高価であることが明らかになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、窓ガラスにおける電気的な接続のための技術的解決策であって、鉛を使用することなく、窓ガラスが温度の変化に曝されるときのガラスにおける応力の発生という欠点を最小化し、プロセスにおいて、この接続の製造コスト、究極的には、窓ガラスの製造コストを上昇させることがない技術的解決策を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、窓ガラスの少なくとも1つの導電部材に接続されるように設計され、導電性の本体を含む電気接続エレメントが、導電性の本体が、1から500μmの間の厚さを有する少なくとも1つの導電ホイルを備えており、ホイルが、部材に接するように設計された少なくとも1つの電気接続面と、接続エレメントを窓ガラスに固定するように設計された少なくとも1つの取り付け面とを有しており、本体が、ホイルへと接続され、あるいはホイルへと接続されるように意図された導電剛性部分または導電剛性部品を含んでおり、本体が、剛性部分または剛性部品がホイルのただ1つの厚さを介して窓ガラスに直接接触することがないように設計されるように、仲介手段を有することを特徴とする。
【0010】
このようにして、導電ホイルが、接続エレメントの電気接続および固定を同時に可能にする。したがって、エレメントを窓ガラスに取り付けるための基材として直接的に機能する。
【0011】
さらに、500μm未満であり、好ましくは1から200μmの間であり、特に1から100μmの間である小さな厚さのために、接続エレメントが温度変動サイクルに曝されるときに、大きな応力がガラスに生じる可能性をなくすことができる。
【0012】
この接続エレメントは、仲介手段を使用することによって、窓ガラスと剛性部分または剛性部品(窓ガラスの外側の接続であり、熱応力を受けやすい)との間の直接接触の防止を、さらに可能にする。結果として、ガラスにおいて熱応力の伝達が存在しない。
【0013】
1つの特徴によれば、仲介手段が、衝撃吸収仲介手段であり、純金属で製作されてはおらず、したがって接続エレメントの本体の剛性部分または剛に接続された部品と窓ガラスとの間に、応力を伝達できる剛性のある接続が形成されることがない。したがって、仲介手段が、適度に展性の機械的接続を構成する。仲介手段は、剛性部分または剛性部品に面して位置しつつ、導電ホイルの一方の表面に配置され、あるいは配置されるように意図された衝撃吸収材料または空気層で構成される。
【0014】
衝撃吸収材料は、例えば、プラスチック主体である。しかしながら、衝撃吸収材料は、例えば金属粒子を含むことで、導電性であってよい。
【0015】
さらなる特徴によれば、仲介手段が、1から2500μmの厚さを有する。
【0016】
有利には、導電ホイルが、可撓金属ホイルであり、金属が、展性を有するという利点を有し、高い融点および高い電気伝導度を有する。ホイルは、特に、銀、銅、金、またはアルミニウムを主体とすることができる。
【0017】
例として、導電ホイルは、1つまたは複数の金属層を含むことができ、特に、少なくとも1つの銅の層と、銀、スズ、および/または銅を含む少なくとも1つの層とを含むことができ、この層が、窓ガラスの部材に接するように設計される。
【0018】
本発明のさらなる特徴によれば、導電ホイルの取り付け面が、電気接続面とは別であり、あるいは電気接続面によって形成される。
【0019】
好ましくは、電気接続面は、導電性の接着剤を収容するように設計され、あるいははんだ付けまたは溶接されるように設計される。
【0020】
有利には、取り付け面が、取り付け手段を含む。
【0021】
取り付け手段は、好ましくは取り付け面に面する表面の反対側の表面に保護被覆が設けられた両面接着片によって形成できる。
【0022】
取り付け面を、接着剤を収容するように設けることも可能である。
【0023】
一実施形態によれば、衝撃吸収材料が、剛性部分または剛性部品に面して、この部分またはこの部品を支持するホイルの反対側の表面に配置され、衝撃吸収材料が、取り付け面に堅固に接続され、窓ガラスに取り付けられるように設計される。
【0024】
さらに衝撃吸収材料は、例えば両面接着片を含む場合には、取り付け手段をさらに形成することができる。
【0025】
別の実施形態によれば、衝撃吸収材料が、剛性部分または剛性部品に対して配置され、この部分またはこの部品を支持するホイルの表面に配置される。
【0026】
別の特徴によれば、剛性部分または剛性部品が、ホイルよりも厚く、窓ガラスの外側を案内される電気導体へと接続され、あるいは接触されるように意図されている。
【0027】
好ましくは、剛性部分または剛性部品が、銅などの金属を含む。
【0028】
ホイルの一実施形態によれば、ホイルが、例えば衝撃吸収材料などの仲介手段を収容するための内部の収容部を有する筒を形成するように、折り曲げられている。
【0029】
有利には、少なくとも窓ガラスと接するように設計されたホイルの表面が、丸い角を有する多角形の形状を有しており、このことが、応力の通過の危険をさらに最小化している。
【0030】
結果として、有利には本発明の接続エレメントは、窓ガラスにおいて使用され、好ましくは加熱付きまたはアンテナ付きの窓において使用され、さらには建物または移動機械、特に、自動車、列車、航空機、または船舶において使用される。
【0031】
このように、本発明による上述の接続エレメントは、すぐに設置することができ、したがって実装が容易であるが、接続エレメントを構成するすべての構成要素を別々に窓ガラスへと取り付けることも可能である。
【0032】
さらには、本発明は、少なくとも1枚のガラスフィルムと、ガラスフィルム上に付着させられた少なくとも1つの導電部材と、部材に接続された導電性の本体を含む少なくとも1つの電気接続エレメントとを備える窓ガラスであって、導電性の本体が、1から500μmの間の厚さを有する少なくとも1つの導電ホイルを含んでおり、ホイルが、部材に接する少なくとも1つの電気接続面と、窓ガラスに堅固に接続された少なくとも1つの取り付け面とを含み、本体が、ホイルに接続された剛性部分を含み、あるいは導電剛性部品が、ホイルへと接続されており、仲介手段が、剛性部分または剛性部品がホイルのただ1つの厚さを介して窓ガラスに直接接触することがないように、本体に接続されていることを特徴とする窓ガラスに関する。
【0033】
好ましい実施形態によれば、仲介手段が、一方の表面によってホイルの取り付け面に接続され、反対側の表面によって窓ガラスに堅固に接続された衝撃吸収材料から形成される。
【0034】
最後に、本発明は、上述のような接続エレメントを、接続エレメントの本体の導電ホイルの取り付け面に接続された衝撃吸収材料から形成された仲介手段と組み合わせる方法であって、
ホイルの電気接続面を部材に当接させつつ、例えば接着によって、衝撃吸収材料を窓ガラスに取り付け、
ホイルを窓ガラスの部材へとはんだ付けし、あるいは堅固に接続されてはんだ付けされるべきホイルの表面またははんだジョイントまたは導電性の接着剤の表面に前もって接続したホイルを溶接または接着し、
窓ガラスの外側の方向の接続のために設計された剛性部品を、これが接続エレメントの一部ではなく、あるいは未だ接続されていない場合に、衝撃吸収材料の反対側でホイルへと溶接する方法にも関する。
【0035】
以下で、本発明のさらなる利点および特徴を、添付の図面を参照して詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による接続エレメントが設けられた窓ガラスの一部分の上方からの図を示している。
【図2】本発明による接続エレメントの例の断面概略図を示している。
【図3】本発明による接続エレメントの例の断面概略図を示している。
【図4】接続エレメントの設計の例の側面図を示している。
【図5】接続エレメントの設計の例の側面図を示している。
【図6】接続エレメントの設計の例の側面図を示している。
【図7】接続エレメントの設計の例の側面図を示している。
【図8】図6による接続エレメントの変形例の断面図を示している。
【図9】図6による接続エレメントの変形例の断面図を示している。
【図10】図7による接続エレメントの変形例の断面図を示している。
【図11】接続エレメントのさらなる変形例の断面図を示している。
【図12】接続エレメントのさらなる変形例の断面図を示している。
【図13】接続エレメントのさらなる変形例の断面図を示している。
【図14】接続エレメントのさらなる変形例の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図は、読み取りを容易にするために、縮尺通りではない。
【0038】
図1が、少なくとも1つのガラスフィルム10と、導電構造、例えば、窓ガラスに一体化された複数の加熱ワイヤ12またはアンテナの電気接続を一体にする少なくとも1つの導電部材11、例えば、銀主体の導電片とを備える窓ガラス1を示している。
【0039】
本発明による導電エレメント2が、窓ガラスに配置され、例えば電力の供給のために部材11に電気的に接続される。
【0040】
図2および図3に図式的に示されているとおり、本発明による接続エレメント2は、導電可撓ホイル21と導電剛性部分22または導電剛性部品3とを含む導電性の本体20を備えており、導電剛性部分22または導電剛性部品3が、本体20に接続され、あるいは接続されるように設計されており、ホイル21に接続されている。
【0041】
図2の例示的実施形態においては、部分22およびホイル21が、一体の構造を構成しており、部分22がホイル21よりも厚い。
【0042】
図3の他の例では、部品3が、例えば溶接、圧接、はんだ付け、リベット留め、クリンチ留めによって、ホイル21に接続されている。
【0043】
ホイル21が、電気接続面21aを介して窓ガラスの部材11に接続されるように設計されている一方で、部分22または部品3は、窓ガラスの外側の方向の電気供給導体4に接続されるように設計されている。この導体4は、接続エレメント2の外側に位置することができ、接続エレメントを窓ガラスに取り付けた後で最終的に接続することができ、あるいは好ましくは、接続エレメント2の一部である。
【0044】
接続エレメント2は、ホイル21の取り付け面21b(電気接続面21aとは別でも、あるいは別でなくてもよい)を介して窓ガラスに取り付けられるように設計されている。
【0045】
導電ホイル21は、金属である。1から500μmの間、特に1から200μmの間、好ましくは1から100μmの間の厚さを有する。その小さな厚さのために、可撓であることが可能になっており、したがって必要であれば、窓ガラスにおける接続エレメントの配置に適合するように容易に折り曲げることが可能になっている。特に、ガラスへと大きな応力が伝達されることがないようにすることができる。
【0046】
ホイル21は、たとえば、1つまたは複数の金属層で構成され、例えば銀合金からなる1つまたは2つの層、特に、スズと、銅からなる少なくとも1つの中間層と、部材11へとはんだ付けされるように設計された銀合金層とを有する積層複合体で構成される。
【0047】
剛性部分22または剛性部品3は、導体4のための適切に剛性のある接触面を形成するために、ホイル21よりもはるかに大きい厚さを有する。部分22または部品3は、好ましくは銅で製作され、例えば800μmという厚さを有する。
【0048】
図4から図7は、接続エレメントの種々の変形例の実施形態を、例として示している。
【0049】
図4および図5が、平坦な平行六面体形状を有する接続エレメントの本体20を示している一方で、図6の接続エレメントの本体20は、ディスク状である。図7は、平行六面体形状の筒の形態の本体20を示している。
【0050】
図5および図7において、導体4が接続エレメント2の一部であり、例えば導体4が、円筒形または平坦な絶縁スリーブ42の内側に配置された銅製のマルチフィラメント導体41であり、導電性の本体20の部品3へと溶接される一端43と、反対側の自由端44、例えば、差し込み式の自由端とを有することを、見て取ることができる。
【0051】
対照的に、図4においては、導体4(図示せず)が、接続エレメント2の一部ではなく、例えば対をなす形状による機械的な取り合いによって後の時点で接続される。
【0052】
図6においては、導体4が、やはり部品3を介して接続されており、圧力のみによって部品3に押し付けられており、導体の端部45が、板ばねの形態を有する。
【0053】
窓ガラスの部材11の電源を保証するために、部分22または剛性部品3が、導体4から来る電流について、接続エレメント2の供給導入部を構成する一方で、ホイル21が、接続エレメントの供給出力部を構成する。
【0054】
接続エレメント2と窓ガラスの部材11との間の電気接続は、ホイル21の電気接続面21aにおけるホイル21と部材11との間のただ1つの接触にて実現されるように設計されている。この接触は、はんだ付けまたは溶接によって得られ、あるいは接続面21aの導電接着剤を使用する接着によって得られる。
【0055】
本発明によれば、さらに接続エレメント2が、取り付け面21bの金属ホイル21によって、窓ガラスへと機械的に取り付けられるように設計され、金属ホイルそれ自体が、取り付けのための基材を構成する。
【0056】
金属ホイル21が、電気的な接続および接続エレメントの取り付けを同時に保証し、部分22または部品3に接続されるため、本発明によれば、剛性部分22または剛性部品3が、ホイル21のただ1つの厚さによって窓ガラスに直接接触しない点が重要である。実際、この特徴は、剛性部分22または部品3において生じた熱応力が、窓ガラスに直接分配されることがないようにする。
【0057】
本発明によれば、接続エレメントが、仲介手段を含み、特にホイル21の一方の表面に対して配置または配置されるように意図され、この部分22またはこの部品3に面する衝撃吸収仲介手段を含む。
【0058】
したがって、剛性部分22または部品3が、窓ガラスに取り付けられるように設計されたただ1つの金属ホイル21の厚さを介して窓ガラスに直接接触するようには設計されていない。
【0059】
仲介手段は、衝撃吸収材料5または空気層6で形成される。
【0060】
仲介手段の厚さは、実際には、1から2500μmの間である。
【0061】
衝撃吸収材料5は、例えば、金属ホイル21に堅固に接続されるよう、接着剤であるポリマー発泡体の形態を有する。通常の厚さが0.05mmから2.3mmの間である標準的な両面接着片であってもよい。
【0062】
衝撃吸収材料5または空気層6の配置のさまざまな実施形態の変形例を、取り付け面21bの電気接続面21aが別であるか否かに応じて、区別することが可能である。
【0063】
本体20が平坦な平行六面体形状を有する場合(図4および図5)、衝撃吸収材料が好ましい場合がある。材料が、ホイル21の反対側の表面に配置され、ホイル21の取り付け面21b上の部品3に面し、接続エレメントのための取り付け面を提供する。
【0064】
図8および図9が、図6の断面図の2つの変形例を示している。図8に示されるように、ホイル21の反対側の表面に配置され、取り付け面21bを構成する円の中央において部品3に面する衝撃吸収材料5を設け、接続手段7によって窓ガラスに取り付けることができる。電気接続の面21aの一部分が、例えばはんだジョイント8によって窓ガラスの部材11に接続されるよう、円の外周のリングにて配置される。
【0065】
図9においては、衝撃吸収材料が使用されておらず、空気層6が、部品3の窓ガラスとの非接触をもたらしている。窓ガラスの部材11に対する接続面21aのはんだジョイント8(この表面において、円の外周のみのリングとして設けられ、部品3に面しておらず、取り付け面21bを形成している)の厚さが、ホイル21と部品3に面する窓ガラスとの間の空気層6に相応の厚さをもたらすために充分である。
【0066】
図7に関しては、本体20が、その内側に収容部23を提供している筒で構成されており、接続面21aが、窓ガラスの部材11に対して溶接またははんだ付けされるように設計された取り付け面21bを形成している。部品3が、筒21に接触しているが、部品3および衝撃吸収材料5および部品3が位置し、この衝撃吸収材料に面している収容部23は、ホイル21のただ1つの厚さを介して窓ガラスに接触することができない。
【0067】
好ましくはプラスチックを主体とする材料5は、溶接プロセスにおいて加熱される可能性があるホイル21に接しているため、耐熱性を有する。
【0068】
図10が、図7の断面図における変形例の実施形態を示しており、本体20の筒が、その最長の寸法において完全には閉じられておらず、代わりに、U字形を有する。衝撃吸収材料5が、U字の底によって形成された収容部23に配置され、部品3が、材料5の直ぐ上に置かれている。ホイル21と部品3との間の電気的な接続は、U字の側面によって横方向に生じている。
【0069】
さらに、図11および図12が、接続エレメントの2つのさらなる変形例を、断面図で示しており、接続エレメントのフィルム21が、不完全に閉じた筒の形状を有する。エレメントの取り付けが、図11においては、衝撃吸収材料5および接続手段7を介して行われている一方で、図12においては、はんだジョイント8によるフィルム21の直接的かつ中実な接続によって得られている。
【0070】
取り付け面21bが電気接続面21aを形成する場合、接続エレメントの取り付けは、ホイル21を窓ガラスの部材11に対して溶接し、はんだ付けし、あるいは導電性の接着剤によって接着することによって実現される。
【0071】
取り付け面21bが、電気接続面21aとは別である場合、接続エレメントの取り付けは、衝撃吸収材料5上に配置でき、あるいはこの衝撃吸収材料によって形成できる接続手段7によって実現され、材料がホイル21の取り付け面21bへと接続され、あるいは接続手段がホイルの取り付け面に直接配置される。
【0072】
接続手段を、窓ガラスのガラスフィルム10に配置することも可能であり、したがって接続エレメントが、接続手段に対して接続される。
【0073】
接続手段7は、接続エレメントを窓ガラスに設置する際に塗布される接着剤であってよい。
【0074】
また、接続手段7は、例えば表面が衝撃吸収材料5に堅固に接続されており、窓ガラスに取り付けられるように設計された反対側の表面に、接続エレメントを窓ガラスへと設置する際に取り除くために充分である保護コーティングが設けられている両面接着片など、接続エレメント2の一体の一部分であってもよい。
【0075】
衝撃吸収材料5を介した接続エレメントの取り付けと同時に、導電ホイル21の接続面21aが、窓ガラスの導電部材11に対して直接押し当てられ、窓ガラスと接続エレメントとの間の電気的な接続をもたらす。接続面21aと部材11との間のただ1つの接触が、好ましくははんだ付け、溶接、または導電性の接着剤を用いた接着によって補強される。
【0076】
応力の伝播をさらに最小化する目的において、ガラスとの接触面が多角形のおおむね矩形の形状を有する本体20が、真っ直ぐではなくて丸い角(図2)を有することができることに、留意すべきである。
【0077】
図13および図14が、接続エレメントの断面図の2つの変形例を示している。図13に示されるように、剛性部品3がホイル21の下方に位置している。図14に示されるとおり、ホイル21が剛性部品3の間に位置している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスの少なくとも1つの導電部材(11)に接続されるように設計され、導電性の本体(20)を備える電気接続エレメント(2)であって、導電性の本体(20)が、1から500μmの間の厚さを有する少なくとも1つの導電ホイル(21)を備えており、ホイルが、部材(11)に接するように設計された少なくとも1つの電気接続面(21a)と、接続エレメントを窓ガラスに固定するように設計された少なくとも1つの取り付け面(21b)とを有しており、本体(20)が、ホイル(21)へと接続され、あるいはホイル(21)へと接続されるように意図された導電剛性部分(22)または導電剛性部品(3)を備えており、取り付け面(21b)が電気接続面(21a)から分かれていることを特徴とする、電気接続エレメント。
【請求項2】
導電ホイル(21)が、1から200μmの間、特に1から100μmの間の厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の電気接続エレメント。
【請求項3】
仲介手段が、剛性部分(22)または剛性部品(3)に面して位置しつつ、導電ホイル(21)の一方の表面に配置され、あるいは配置されるように意図された衝撃吸収材料(5)または空気層(6)で形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気接続エレメント。
【請求項4】
取り付け面(21b)が、電気接続面(21a)によって形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項5】
取り付け面が、取り付け手段(7、8)を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項6】
取り付け面(21b)が、好ましくは取り付け面(21b)に面する表面の反対側の表面(70)に保護層が設けられた両面接着片から形成された取り付け手段(5、7)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気接続エレメント。
【請求項7】
取り付け面が、接着剤を収容するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気接続エレメント。
【請求項8】
衝撃吸収材料(5)が、部分(22)または部品(3)に面して、ホイルの部分または部品を支持する表面の反対側の表面に配置されており、衝撃吸収材料が、取り付け面(21b)に堅固に接続され、窓ガラスに取り付けられるように設計されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項9】
衝撃吸収材料(5)が、両面接着を含む取り付け手段(7)を構成していることを特徴とする、請求項8に記載の電気接続エレメント。
【請求項10】
衝撃吸収材料(5)が、剛性部分(22)または剛性部品(3)に対して堅固に配置され、ホイル(21)の部分または部品を支持する表面に配置されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項11】
剛性部分(22)または剛性部品(3)が、ホイル(21)よりも厚く、電気導体(4)へと接続され、あるいは接続されるように意図されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項12】
剛性部分(22)または剛性部品(3)が、銅で作られていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項13】
ホイル(21)が、例えば衝撃吸収材料(5)などの仲介手段を収容するための内部の収容部(23)を備える筒を形成していることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項14】
電気接続面(21a)が、導電性の接着剤を収容するように意図され、あるいははんだ付けまたは溶接されるように意図されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項15】
仲介手段が、純金属では作られていないことを特徴とする、請求項3に記載の電気接続エレメント。
【請求項16】
衝撃吸収材料(5)が、プラスチック主体であり、金属粒子を含むことができることを特徴とする、請求項3に記載の電気接続エレメント。
【請求項17】
仲介手段が、1から2500μmの厚さを有することを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項18】
導電ホイル(21)が、可撓金属ホイルであり、例えば銀、銅、金、またはアルミニウムを主体としていることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項19】
導電ホイル(21)が、1つまたは複数の金属層を備えており、特に、銅で作られた少なくとも1つの層と、銀、スズ、および/または銅を含む少なくとも1つの層とを備えており、この層が、窓ガラスの部材(11)に接するように意図されていることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項20】
少なくとも窓ガラスと接するように設計されたホイル(21)の表面が、丸い角を有する多角形の形状を有することを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の電気接続エレメント。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の少なくとも1つの電気接続エレメントを含む窓ガラス。
【請求項22】
加熱式の窓ガラスおよび/またはアンテナ付きの窓ガラスで構成されていることを特徴とする、請求項21に記載の窓ガラス。
【請求項23】
建物において使用され、あるいは移動機械、すなわち自動車、列車、航空機、または船舶といった種類の機械において使用されることを特徴とする、請求項21または22に記載の窓ガラス。
【請求項24】
少なくとも1枚のガラスフィルム(10)と、ガラスフィルム上に付着させられた少なくとも1つの導電部材(11)と、部材(11)に接続された導電性の本体(20)を含む少なくとも1つの電気接続エレメント(2)とを備える窓ガラスであって、導電性の本体(20)が、1から500μmの間の厚さを有する導電ホイル(21)を備えており、ホイルが、部材(11)に接する少なくとも1つの電気接続面(21a)と、窓ガラスに堅固に接続された少なくとも1つの取り付け面(21b)とを備えており、本体(20)が、ホイル(21)に接続された剛性部分(22)を備えており、あるいは導電剛性部品(3)が、ホイル(21)へと接続されており、仲介手段(5、6)が、剛性部分(22)または剛性部品(3)がホイルのただ1つの厚さを介して窓ガラス(21)に直接接触することがないように、本体(20)に接続されていることを特徴とする、窓ガラス。
【請求項25】
仲介手段(5)が、一方の表面によってホイル(21)の取り付け面(21b)に接続され、反対側の表面によって窓ガラスに堅固に接続された衝撃吸収材料から形成されていることを特徴とする、請求項24に記載の窓ガラス。
【請求項26】
上述のような接続エレメントを、接続エレメントの本体の導電ホイル(21)の取り付け面(21b)に接続された衝撃吸収材料(5)から形成された仲介手段と組み合わせる方法であって、
ホイル(21)の電気接続面(21a)を部材(11)に当接させつつ、例えば接着によって、衝撃吸収材料(5)を窓ガラスに取り付け、
ホイル(21)を窓ガラス(21)の部材(11)へとはんだ付けし、あるいは堅固に接続されてはんだ付けされるべきホイルの表面またははんだジョイントまたは導電性の接着剤の表面に前もって接続したホイルを溶接または接着し、
窓ガラスの外側の方向の接続のために設計された剛性部品(3)を、これが接続エレメントの一部ではなく、あるいは未だ接続されていない場合に、衝撃吸収材料(5)の反対側でホイル(21)へと溶接する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−539661(P2010−539661A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525256(P2010−525256)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007878
【国際公開番号】WO2009/040057
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】