説明

電気機器、補助電源装置および画像形成装置

【課題】補助電源のメンテナンス時等の安全性を向上させる。
【解決手段】この電源装置を備えた複写機の定着ユニットは、商用交流電源208によって駆動される発熱体201〜203と、補助電源装置210によって駆動される補助発熱体204とによって加熱される。制御部211は、補助電源装置210から補助発熱体204への電力供給時にはスイッチ225を補助発熱体204側に接続し、補助電源装置210への充電時にはスイッチ225を充電器231側に接続する。そして、主電源スイッチ250がオフとされた場合、制御部211は、スイッチ225をいずれにも接続しないようにし、これにより蓄電素子である電気二重層コンデンサ233と充電や放電のための他の素子との間が遮断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主電源から供給された電力を蓄電する補助電源装置、補助電源を備えた電気機器および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、負荷部への電力供給に際して商用交流電源からの電力供給に加え、コンデンサなどを有する補助電源部からの電力供給を行うことにより商用交流電源による電力供給不足を補うための電源装置が用いられている。
【0003】
例えば、複写機などの画像形成装置は、用紙に転写されたトナー像を定着させるための定着ローラを有しているが、かかる定着ローラの表面温度を高温とするための発熱体に対して電力を供給する電源装置として、以下のような理由から上記のような補助電源部を用いた装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
複写機などの画像形成装置においては、電源を投入した直後や省電力モード時には定着ローラの表面温度が低く、印刷を行うためには定着ローラの表面温度を一定温度以上にしなくてはならい。この表面温度上昇を急速になすためには、発熱体への供給電流量を多くする必要がある。しかしながら、商用交流電源はコンセントの電流定格による規制があり、この定格電流以下の電流しか使用することができない。したがって、画像形成装置において、定着ローラの表面温度を印刷可能な温度とするためにはある程度の時間を要することとなっていた。
【0005】
そこで、商用交流電源に加え補助電源部であるコンデンサから加熱部に対して電力を供給することで、大きな電力を供給して表面温度の上昇に要する時間を短縮させていた。
【0006】
また、商用交流電源が駆動する発熱体と、当該交流電源によって充電される補助電源部が駆動する発熱体とを設けた画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような補助電源用の発熱体を設ける構成においては、交流電源から補助電源であるコンデンサに充電する充電モードと、補助電源から発熱体に電力を供給する放電モードとのいずれか一方を選択するようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−315567号公報
【特許文献2】特開2002−280146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来技術では、短時間で定着ローラを加熱して目標温度に到達させることはできるといったように電力を供給する機能については効果が得られるものの、補助電源装置のメンテナンスや運搬時における安全性への配慮はなされていない。すなわち、上述した従来の技術では、補助電源装置を画像形成装置等から取り外した際に生じるおそれのある漏電や感電等については考慮されておらず、これに対する対応手段等の措置は開示されていない。
【0009】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、補助電源のメンテナンス時等の安全性を向上させることができる補助電源装置、これを備えた電気機器および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、前記蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される負荷部とを具備することを特徴とする電気機器である。
【0011】
また、請求項2にかかる発明は、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される負荷部と、主電源のオン/オフを切り替える切り替え手段と、前記切り替え手段によって主電源がオンからオフに切り替えられた場合に、前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段とを具備することを特徴とする電気機器である。
【0012】
また、請求項3にかかる発明は、本体部と、前記本体部と着脱自在に設けられる電源部であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される負荷部とを備え、前記補助電源部は、前記本体部から前記補助電源部が取り外された場合に前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段を有することを特徴とする電気機器である。
【0013】
また、請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明の構成において、前記遮断手段は、前記遮断状態と非遮断状態とを切り替える2位置スイッチを有しており、前記設定手段は、前記補助電源部が前記本体部に取り付けられている状態と取り外された状態とで位置が変動する変位部材を有しており、当該変位部材の変位によって前記スイッチ位置を切り替えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1ないし4のいずれか一つにかかる発明の構成において、前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6にかかる発明は、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、前記蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを具備することを特徴とする補助電源装置である。
【0016】
また、請求項7にかかる発明は、電気機器本体部に着脱自在に設けられる補助電源装置であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段と、前記電気機器本体部から当該補助電源装置が取り外された場合に前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段とを具備することを特徴とする補助電源装置である。
【0017】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明の構成において、前記遮断手段は、前記遮断状態と非遮断状態とを切り替える2位置スイッチを有しており、前記設定手段は、前記補助電源部が前記本体部に取り付けられている状態と取り外された状態とで位置が変動する変位部材を有しており、当該変位部材の変位によって前記スイッチ位置を切り替えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項9にかかる発明は、電気機器に内蔵される補助電源装置であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、前記蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段と、前記電気機器の主電源がオンからオフに切り替えられた場合に、前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段とことを特徴とする補助電源装置である。
【0019】
また、請求項10にかかる発明は、請求項6ないし9のいずれか一つにかかる発明の構成において、前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項11にかかる発明は、画像形成対象シートに転写された画像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、前記定着装置を加熱する発熱体であって、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される発熱体と、主電源のオン/オフを切り替える切り替え手段と、前記切り替え手段によって主電源がオンからオフに切り替えられた場合に、前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段とを具備することを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
また、請求項12にかかる発明は、画像形成対象シートに転写された画像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置であって、本体部と、前記本体部と着脱自在に設けられる電源部であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、前記定着装置を加熱する発熱体であって、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される発熱体とを備え、前記補助電源部は、前記本体部から前記補助電源部が取り外された場合に前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1にかかる発明によれば、遮断手段によって蓄電素子と他の素子、例えば充電器や負荷部などとの間で電力の授受が行えない遮断状態に設定することができる。したがって、補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【0023】
また、請求項2にかかる発明によれば、当該電気機器の主電源がオフとされた場合に、設定手段によって遮断手段が蓄電素子と他の素子との間の電力授受を遮断する状態に設定される。したがって、主電源をオフとした後に補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【0024】
また、請求項3にかかる発明によれば、メンテナンスや運搬等のために当該電気機器の本体部から補助電源部が取り外された場合に、設定手段によって遮断手段が蓄電素子と他の素子との間の電力授受を遮断する状態に設定される。したがって、補助電源部を取り外した後、補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【0025】
また、請求項4にかかる発明によれば、補助電源部が取り外された場合に変位部材が移動することで、遮断状態と非遮断状態を切り替える2位置スイッチが非遮断状態に設定される。したがって、補助電源部を取り外せば、自動的に蓄電素子と他の要素とが遮断状態になされ、補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減でき、安全性が向上するという効果を奏する。
【0026】
また、請求項5にかかる発明によれば、蓄電素子として電気二重層コンデンサを用いることで、ニッケルカドミウム電池などを用いる場合と比較して、急速充電が可能であり、寿命が長く、大電力放電が可能であり、また安全性が向上するといった効果を奏する。
【0027】
また、請求項6にかかる発明によれば、遮断手段によって蓄電素子と他の素子、例えば充電器や負荷部などとの間で電力の授受が行えない遮断状態に設定することができる。したがって、補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【0028】
また、請求項7にかかる発明によれば、メンテナンスや運搬等のために電気機器本体部から当該補助電源装置を取り外した場合に、設定手段によって遮断手段が蓄電素子と他の素子との間の電力授受を遮断する状態に設定される。したがって、補助電源装置を取り外した後、補助電源装置のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【0029】
また、請求項8にかかる発明によれば、当該補助電源装置を取り外した場合に変位部材が移動することで、遮断状態と非遮断状態を切り替える2位置スイッチが非遮断状態に設定される。したがって、補助電源装置を取り外せば、自動的に蓄電素子と他の要素とが遮断状態になされ、補助電源装置のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減でき、安全性が向上するという効果を奏する。
【0030】
また、請求項9にかかる発明によれば、当該電気機器の主電源がオフとされた場合に、設定手段によって遮断手段が蓄電素子と他の素子との間の電力授受を遮断する状態に設定される。したがって、当該電気機器の主電源がオフとされた後補助電源装置のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上する。
【0031】
また、請求項10にかかる発明によれば、蓄電素子として電気二重層コンデンサを用いることで、ニッケルカドミウム電池などを用いる場合と比較して、急速充電が可能であり、寿命が長く、大電力放電が可能であり、また安全性が向上するといった効果を奏する。
【0032】
また、請求項11にかかる発明によれば、当該画像形成装置の主電源がオフとされた場合に、設定手段によって遮断手段が蓄電素子と他の素子との間の電力授受を遮断する状態に設定される。したがって、当該画像形成装置の主電源がオフとされた後、補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【0033】
また、請求項12にかかる発明によれば、メンテナンスや運搬等のために当該画像形成装置の本体部から補助電源部が取り外された場合に、設定手段によって遮断手段が蓄電素子と他の素子との間の電力授受を遮断する状態に設定される。したがって、補助電源部を取り外した後、補助電源部のメンテナンス等を行う際に保守員が感電したりするおそれを低減することができ、安全性が向上するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる補助電源装置、電気機器および画像形成装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0035】
A.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態にかかる補助電源装置を備えた複写機1の外観を示す図である。図1に示すように、複写機1は、複写動作を行う本体部10と、大量の用紙等を収容し、これを本体部10に供給する大容量給紙部11と、複写がなされた用紙等に対してソート、穴あけ、綴じ込みなどを施すフィニッシャー12を備えており、複写やソート等がなされた用紙が排紙部17に排出されるようになっている。
【0036】
本体部10は、その上部に配置される自動原稿供給装置13を有しており、かかる自動原稿供給装置13にセットされた原稿は、当該自動原稿供給装置13によって後述するスキャナー部101によるスキャン位置を通過するよう搬送される。
【0037】
また、本体部10の上部にはユーザに対して種々の情報を表示する表示パネル、ユーザが種々の指示等を入力するためのボタンなどのインターフェースが配置される操作部14が設けられている。操作部14には当該複写機1の主電源をオン/オフするための主電源スイッチ(図3参照)が含まれており、ユーザはかかる主電源スイッチをオンにすることで当該複写機1を起動することができ、また主電源スイッチをオフとすることで当該複写機1への電力供給をオフしてその動作を停止させることができる。
【0038】
また、本体部10の下部には、給紙部15が設けられており、かかる給紙部15に収容されている用紙やOHPシートなどの画像形成対象シートに対して画像形成が行われることになる。
【0039】
図2に示すように、本体部10は、スキャナー部101と、書き込み部102と、感光体ユニット103と、帯電部104と、現像部105と、転写部106と、給紙部108と、定着ユニット111とを備える。
【0040】
スキャナー部101は、当該複写機の上方側に配置されており、その上方に設置されたプラテンガラス(図示略)上に載置された原稿に対して光を照射し、その反射光を光電変換して原稿画像を読み取る。また、上記自動原稿供給装置13によってプラテンガラス上を通過させられる原稿画像の読み取りも行う。
【0041】
書き込み部102は、スキャナー部101によって読み取られた原稿画像に対応したレーザ光を照射して感光体ユニット103の各感光体ドラム上に投影させる。
【0042】
感光体ユニット103は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)といった4つの色に対応した感光体ドラムを有している。帯電部104は、感光体ドラムの周囲に配置されており、感光体ドラムを帯電する。現像部105は、書き込み部102によって潜像が形成された感光体ドラム上にトナーを付着させてトナー画像を形成する。
【0043】
転写部106は、色に対応した感光体ドラムの配列方向である図の左右方向に沿って用紙を搬送する転写ベルトを有しており、かかる転写ベルトによって用紙が書く感光体ドラムによる転写位置に到る。これにより各感光体ドラムの転写位置においてその色の画像が用紙に転写される。
【0044】
給紙部15は、複数の給紙トレイを有しており、複写時には所定のサイズの用紙を給紙トレイから繰り出して転写ベルト上に給送する。これにより、給送された用紙が上記のように転写部106によって転写位置に搬送され、当該用紙に画像の転写がなされる。
【0045】
定着ユニット111は、上記のように画像が転写された用紙を加熱・加圧して転写されたトナーを用紙に定着させるユニットであり、定着ローラ112および加圧ローラ113を有している。円筒状の定着ローラ112の中空部には、複数の発熱体が配置されており、後述する電源装置からこれらの発熱体に対して電力を供給することで発熱体が発熱し、これにより定着ローラ112の表面温度が上昇する。なお、発熱体は定着ローラの中空部に配置するようにしてもよいが、発熱体を加熱できる位置であれば他の位置に配置してもよく、例えば加圧ローラ113の中空部に配置する等してもよい。
【0046】
このように表面温度が一定温度以上となった定着ローラ112と加圧ローラ113との間をトナー画像が転写された用紙が通過させられることで、当該用紙が加熱・加圧されるようになっている。
【0047】
次に、上記定着ローラ112内に配置される発熱体に電力を供給する電源装置の回路構成について図3を参照しながら説明する。同図に示すように、この電源装置は、補助電源装置210と、発熱体201、202、203と、補助発熱体204と、制御部211とを備えている。
【0048】
商用交流電源208からは補助電源装置210と、3つの発熱体201、202、203とに電力が供給されるようになっている。補助発熱体204には商用交流電源208の電力が直接供給されず、商用交流電源208からの電力によって充電された補助電源装置210からの電力供給を受ける。
【0049】
本実施形態では、以上のように商用交流電源208からの電力供給を受けて発熱する発熱体201、202、203、および補助電源装置210からの電力供給を受けて発熱する補助発熱体204が定着ローラ112の中空部に配置されており、この発熱により定着ローラ112を加熱する。
【0050】
これらの発熱体201、202、203および補助発熱体204によって加熱される定着ローラ112の温度を検出する温度検出部212が設けられており、温度検出部212による検出結果が制御部211に供給される。
【0051】
また、これらの発熱体201、202、203への電力供給のオン/オフを切り替えるためのスイッチ221、222、223が設けられており、これらのスイッチ221、222、223のオン/オフが制御部211によって制御されるようになっている。
【0052】
制御部211は、CPU(Central Processing Unit)等を有しており、温度検出部212によって検出される定着ローラ112の温度が予め設定された温度となるようスイッチ221、222、223のオン/オフを制御する。また、制御部211は、補助電源装置210内にあるスイッチ225とスイッチ226のスイッチ状態を切り替える制御を行う。かかるスイッチング制御の内容については後述する。
【0053】
補助電源装置210は、スイッチ226と、充電器231と、残電圧検出回路232と、スイッチ225と、電気二重層コンデンサ233とを備えている。
【0054】
スイッチ226は、商用交流電源208から補助電源装置210への電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチであり、制御部211の制御によりオン/オフされる。スイッチ225は、充電器231側(図3の左側)に接続される状態と、補助発熱体204側(図3の右側)に接続される状態と、いずれにも接続されない状態といった3つの状態となるスイッチであり、スイッチ225は制御部211の制御によっていずれかの状態に設定される。
【0055】
充電器231は、商用交流電源208から供給される電力によって電気二重層コンデンサ233を充電する。スイッチ226がオンであり、かつスイッチ225が充電器231側に接続されている状態である場合に充電器231によって電気二重層コンデンサ233が充電される。
【0056】
残電圧検出回路232は、電気二重層コンデンサ233の充電電圧値を検出し、検出した電圧値を制御部211に出力する。制御部211は、残電圧検出回路232によって検出された電気二重層コンデンサ233の充電電圧値に基づいて、スイッチ225の状態を制御し、電気二重層コンデンサ233に対して充電を行うか否かを制御する。
【0057】
本実施形態では、補助電源装置210の蓄電素子として、電気二重層コンデンサ233を用いている。補助電源装置210の蓄電素子としては、ニッカド電池などの二次電池を用いることもできるが、本実施形態では、化学反応を伴わない電気二重層コンデンサの以下のような優れた特性に着目し、蓄電素子として電気二重層コンデンサ233を用いることとしている。
【0058】
(1)充電時間が短い
二次電池として一般的なニッケル−カドミウム電池を用いた補助電源では、急速充電を行っても数時間の時間を要する。これに対し、コンデンサを用いた補助電源では数分程度の急速な充電が可能である。この特性により、頻繁に充放電可能であるため、同一時間内で比較したときに補助電源を用いた加熱の回数を増すことができる。
【0059】
(2)寿命が長い
ニッケル−カドミウム電池は充放電の繰り返し回数が500から1000回であるため加熱時用補助電源としては寿命が短く、交換の手間やコストが問題となる。これに対し、コンデンサを用いた補助電源は寿命が長く、メモリー効果も無いため、繰り返しの充放電による劣化も少ない。従って、非加熱動作(待機時)と加熱動作を繰り返す加熱装置や画像形成装置に、特に、有利である。また、鉛蓄電池のように液交換や補充なども必要ないため、メンテナンスがほとんどいらない。
【0060】
(3)大電力短時間放電が可能
二次電池は蓄えた電力を一気に放電することができないので、加熱部が低温からの立ち上げ時に大電力を供給できず、立ち上げ時間の短縮には低い効果しか望めない。これに対し、コンデンサを用いた補助電源は大電力を数秒で放電可能であるので、立ち上げ時間の短縮に威力を発揮する。
【0061】
(4)充電しつづけた場合でも安全性が高い
二次電池は化学反応を利用しているため、最大容量まで充電した後、放電の必要が無い場合、充電回路に接続しつづけると、化学反応によるガスなどにより容器が膨張して破裂するなどの危険がある。これに対し、コンデンサを用いた補助電源は化学反応ではなく物理現象を利用しているので、ガスの発生などは無く充電しつづけても安全である。
【0062】
電気二重層コンデンサ233は、以上のような優れた特性を有するとともに、近年多量の電気エネルギーを蓄えられる物が開発されてきており、電気自動車などへの採用も検討されているものがある。例えば、日本ケミコン(株)の開発した電気二重層コンデンサ等は2000F程度の静電容量を有しており、数秒から数十秒の電力供給には十分な容量を備えている。また、日本電気(株)からもハイパーコンデンサという商品名で80F程度のコンデンサが販売されている。本実施形態における電気二重層コンデンサ233としては大容量の電気エネルギーを蓄えられる電気二重層コンデンサを用いることができる。
【0063】
以上が本実施形態における電源装置の構成であり、以下、制御部211の制御に基づいてなされる当該電源装置による発熱体201〜204の駆動および補助電源装置210の充電時の動作について説明する。
【0064】
まず、図4に示すように、当該複写機1の主電源スイッチ250(図3参照)がオンにされると、制御部211は、温度検出部212から供給される定着ローラ112等の温度を取得する(ステップSa1)。そして、制御部211は、予め設定されている目標温度から検出された温度を減算し(ステップSa2)、目標温度と現在の温度との温度差を求める。
【0065】
以上のように目標温度との温度差を求めると、制御部211はその温度差と予め設定されたしきい値とを比較し、温度差が予め設定されたしきい値よりも大きいか否かを判別する(ステップSa3)。
【0066】
ここで、目標温度と現在の温度との温度差が予め設定されたしきい値よりも大きい場合(ステップSa3の判別「Yes」)、制御部211はスイッチ221、222、223をオンとすることで発熱体201、202、203を駆動して定着ローラ112等を加熱する。また、制御部211は、スイッチ225を補助発熱体204側(図3の右側)に接続するよう制御することで電気二重層コンデンサ233から補助発熱体204への電力供給を行わせる、つまり電気二重層コンデンサ233を放電させて補助発熱体204を駆動する(ステップSa4)。
【0067】
このような4つの発熱体201〜204による加熱を行うと、制御部211は温度検出部212によって検出される定着ローラ112等の温度が目標温度に達したか否かを判別する(ステップSa5)。
【0068】
目標温度に達していない場合には、制御部211は3つの発熱体201〜203への商用交流電源208からの電力供給を継続するとともに、補助発熱体204への補助電源装置210からの電力供給を継続することで、4つの発熱体を駆動する(ステップSa4)。そして、制御部211は、温度検出部212によって検出される温度が目標温度に到達するまで4つの発熱体201〜204を駆動した加熱を行う(ステップSa4〜ステップSa5)。
【0069】
一方、4つの発熱体201〜204を駆動することで、温度検出部212によって検出された温度が目標温度に到達した場合(ステップSa5の判別「Yes」)、待機処理に移行する(ステップSa6)。
【0070】
また、上記ステップSa3の判別において、目標温度と現在の温度との温度差が予め設定されたしきい値よりも小さい場合には(判別「No」)、上記ステップSa4〜ステップSa5の処理、つまり目標温度に達するまで4つの発熱体201〜204を駆動するといった制御が行われず、待機処理に移行する(ステップSa6)。
【0071】
制御部211による待機処理では、温度検出部212による検出温度が目標温度となるようスイッチ221、222、223をオンすることで3つの発熱体201〜203を駆動する。この際、スイッチ225は補助発熱体204側(図3の右側)には接続されず、この結果電気二重層コンデンサ233から補助発熱体204への電力供給は行われない。
【0072】
また、制御部211による待機処理では、残電圧検出回路232から供給される電気二重層コンデンサ233の充電電圧値と予め設定されたしきい値とを比較し、しきい値以下であり、かつ3つの発熱体201〜203を駆動していない場合に電気二重層コンデンサ233への充電を行う。
【0073】
すなわち、電気二重層コンデンサ233の充電電圧値がしきい値以下であり、かつスイッチ221、222、223がオフである場合には、制御部211はスイッチ226をオンとするとともに、スイッチ225を充電器231側(図3の左側)に接続する状態とする。これにより商用交流電源208からの電力による電気二重層コンデンサ233の充電が行われる。
【0074】
一方、残電圧検出回路232によって検出される電圧値がしきい値以上になる、または発熱体201〜203が駆動されると、制御部211は電気二重層コンデンサ233への充電を停止する。
【0075】
以上のように制御部211は、主電源投入後、目標温度と現在温度とが大きく差がある場合には(目標温度との温度差がしきい値より大きい場合には)、より短時間で定着ユニットが目標温度に達するよう3つの発熱体201〜203に加えて補助発熱体204による加熱を行わせる。
【0076】
例えば、目標温度が180℃であるのに対し、検出された温度が28℃であった場合にはその温度差は152℃と大きいので(例えばしきい値を30℃とする)、4つの発熱体を駆動して短時間で目標温度である180℃に到達するようにする。
【0077】
一方、目標温度と現在温度の差がそれほど大きくない場合には(温度差がしきい値より小さい場合には)、補助発熱体204が利用されず、3つの発熱体201〜203による加熱が行われる。上記例の場合において、検出された温度が150℃以上である場合には、温度差は30℃未満なので、3つの発熱体201〜203だけで十分に短時間で180℃まで上昇させることができるので、かかる場合には補助発熱体204を駆動しないのである。
【0078】
また、このように補助発熱体204を利用しないことに加え、このように補助発熱体204を利用しない間に補助発熱体204へ電力を供給する電気二重層コンデンサ233に対する充電を行う。つまり、その後補助発熱体204を駆動するために補助発熱体204を利用しなくてもよいタイミングで電気二重層コンデンサ233の充電を行う。
【0079】
さらに、この充電は電気二重層コンデンサ233の充電電圧が小さいといった充電が必要な場合であり、かつ3つの発熱体201〜203を駆動していない時に行うようになっている。つまり、充電が必要なタイミングであり、かつ商用交流電源208の電力による発熱体201〜203の駆動を妨げないタイミングで行われるようになっている。
【0080】
以上説明したのが当該複写機1の主電源スイッチ250をオンにした後に行われる動作であるが、本実施形態では、主電源スイッチ250をオフとした後に制御部211は次のような電源装置に対する制御を行うようになっている。
【0081】
すなわち、図5に示すように制御部211は、当該複写機1に電源がオンである間、主電源スイッチ250がオフに切り替えられたか否かを常時監視しており(ステップSb1)、主電源スイッチ250がオフとなった場合には当該補助電源装置210以外の負荷、例えば発熱体201〜203といった負荷への電力供給を遮断する(ステップSb2)。すなわち、スイッチ221、222、223をオフにする等して他の負荷への電力供給を遮断する。
【0082】
次に、制御部211は、補助電源装置210内のスイッチ225を、充電器231側および補助発熱体204側のいずれかにも接続しない状態とし、補助電源装置210内の電気二重層コンデンサ233を補助発熱体204や充電器231といった充電や放電のための電力の授受を目的とした他の素子と接続しない遮断状態とする(ステップSb3)。すなわち、本実施形態において、スイッチ225は蓄電素子である電気二重層コンデンサと他の要素との電力授受を遮断する遮断手段として機能しており、制御部211はかかる遮断手段によって遮断状態とするか非遮断状態とするかを設定する設定手段として機能している。
【0083】
そして、スイッチ225がオフとされ、電気二重層コンデンサ233と充電器231や補助発熱体204といった他の素子とを遮断した状態となっているか否かを確認し(ステップSb4)、確認がなされない場合にはステップSa3に戻り、スイッチ225をオフにするよう制御する。一方、スイッチ225のオフにすることによる遮断状態が確認されると、制御部211は当該複写機1の電源をオフとする(ステップSb5)。
【0084】
本実施形態では、主電源スイッチ250がオフされた場合に、そのまま主電源をオフとするのではなく、補助電源装置210における蓄電素子である電気二重層コンデンサ233と、当該電気二重層コンデンサ233と充電や放電のために接続されている素子(充電器231および補助発熱体204)とを遮断した状態にした後で電源をオフとするようにしている。
【0085】
したがって、主電源がオフとされている間に蓄電素子である電気二重層コンデンサ233に蓄電された電力が上記のような他の素子に漏れてしまうことを抑制することができ、長期間電源をオフする場合であっても蓄電量が大きく減少してしまうことを抑制することができる。
【0086】
また、メンテナンス等のために保守員などが補助電源装置210に対して作業等を行った場合であっても、電気二重層コンデンサ233と他の素子との間での電力授受が遮断されているので感電等を防止することができ、作業の安全性が向上する。
【0087】
また、本実施形態では、当該電源装置を搭載した装置である複写機1の主電源スイッチ250がオフとされると、それに応じて制御部211が自動的に電気二重層コンデンサ233と他の素子との間とを遮断するようにしているので、ユーザはこのような電力遮断を行うために別途指示や操作を行うことなく、蓄電エネルギーの維持および安全性の向上といった効果を得ることができる。
【0088】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態にかかる補助電源装置を備えた複写機について説明する。第2実施形態における複写機は第1実施形態における複写機1と同様の構成を有しており、電源装置の構成が第1実施形態と相違している。以下においては、かかる電源装置の相違点について図6を参照しながら説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0089】
同図に示すように、第2実施形態における電源装置は、第1実施形態における電源装置の構成(図3参照)と補助電源装置内に遮断設定部301を有する点と、当該補助電源装置が着脱自在になされている点で相違している。
【0090】
すなわち、第2実施形態における電源装置の補助電源装置310は、上記第1実施形態と同様、スイッチ225、226、充電器231、電気二重層コンデンサ233および残電圧検出回路232を備える他、遮断設定部301を備えている。
【0091】
また、第2実施形態における補助電源装置310は、上述した充電器231や電気二重層コンデンサ233などの要素が1つの筐体部内に配置されたものとなっており、かかる筐体部を複写機内の所定の位置にセットすることで、図6に示すように電源装置内に補助電源装置310の各回路要素が補助電源装置310外の要素である商用交流電源208や補助発熱体204と接続されるようになっている。
【0092】
そして、かかる補助電源装置310が装着された状態にあっては、上記第1実施形態と同様、制御部211の制御によるスイッチ225、226のスイッチ状態が適宜設定され、所定のタイミングで電気二重層コンデンサ233に対する充電が行われるとともに、所定のタイミングで電気二重層コンデンサ233から補助発熱体204への電力供給が行われる。
【0093】
遮断設定部301は、上記のように着脱自在になされた補助電源装置310が電源装置に装着された状態から取り外された時に、スイッチ225を、充電器231側および補助発熱体204側のいずれかにも接続しない状態とし、補助電源装置310内の電気二重層コンデンサ233を充電器231といった充電のための電力の授受を目的とした他の素子と接続しない遮断状態とする。
【0094】
より具体的には、遮断設定部301は、補助電源装置310が装着状態にあるか、取り外された状態であるかを検出する着脱状態検出部302を有しており、かかる着脱状態検出部の検出結果が取り外された状態となった場合に、スイッチ225をオフとするよう制御するのである。
【0095】
本実施形態における着脱状態検出部302は、図7に示すようにオン/オフスイッチ303と、かかるスイッチ303をオンする位置とオフとする位置との間で移動可能な変位部材304とを有している。そして、当該補助電源装置310が装着された状態にある場合にかかる変位部材304が機械的な構成によりオン/オフスイッチ303をオンにする位置に移動し、取り外された場合にオフする位置に退避するようになっている。
【0096】
かかる構成の下、オン/オフスイッチ303がオフに切り替わった場合に遮断設定部301がスイッチ225をオフとするようになっており、これにより補助電源装置310を取り外した場合にスイッチ225がオフとされるのである。
【0097】
第2実施形態では、以上のように着脱自在になされた補助電源装置310が取り外された場合に、自動的にスイッチ225がオフされる、つまり補助電源装置210における蓄電素子である電気二重層コンデンサ233と、当該電気二重層コンデンサ233と充電のために接続されている素子である充電器231とを遮断した状態とするようにしている。
【0098】
したがって、上記第1実施形態と同様、電気二重層コンデンサ233に蓄電された電力が上記のような他の素子に漏れてしまうことを抑制することができ、長期間電源をオフする場合であっても蓄電量が大きく減少してしまうことを抑制することができる。また、取り外した補助電源装置310に対するメンテナンスや補助電源装置310を運搬する際にも、電気二重層コンデンサ233と他の素子との間での電力授受が遮断されているので感電等を防止することができ、作業の安全性が向上する。
【0099】
また、本実施形態では、着脱自在になされた補助電源装置310を取り外すだけで、それに応じて自動的に電気二重層コンデンサ233と他の素子との間を遮断するようにしているので、ユーザはこのような電力遮断を行うために別途指示や操作を行うことなく、蓄電エネルギーの維持および安全性の向上といった効果を得ることができる。
【0100】
C.変形例
なお、本発明は、上述した第1実施形態および第2実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0101】
(変形例1)
上述した第1実施形態では、主電源スイッチ250がオフとされた場合に、補助電源装置210内のスイッチ225がオフとされることにより電気二重層コンデンサ233が充電器231などの他の素子と電力遮断状態とするようにしていたが、補助電源装置210内の蓄電素子(コンデンサ等)と、当該蓄電素子と充電や放電のために接続される他の素子とを遮断できる手段(スイッチ等)を設け、主電源スイッチ250がオフされたときに当該手段によって遮断するような構成であればよい。
【0102】
例えば、図8に示すように、上記第1実施形態における充電状態(図3の左側に接続)と放電状態(図3の右側に接続)とを切り替えるスイッチ225とは別に、主電源スイッチ250がオフとされた場合にそれに連動して電気二重層コンデンサ233と、充電器231や補助発熱体204とを遮断状態とするスイッチ701,702を設けるようにしてもよい。
【0103】
(変形例2)
また、上述した第2実施形態では、オン/オフスイッチ303と着脱状態に応じてこれをオン/オフする変位部材304を有する着脱状態検出部302によって補助電源装置310が取り外されたことが検出された場合に、スイッチ225をオフとするようにしていたが、この場合も上記変形例と同様スイッチ225以外の遮断手段を設け、取り外されたことが検出された場合にかかる遮断手段を動作させることで電気二重層コンデンサ233と他の素子とを遮断状態とするようにしてもよい。
【0104】
また、着脱状態を検出する手段も上記第2実施形態のような構成に限定されるわけではなく、図9に模式的に示すように本体部801に補助電源装置310が装着されていた状態から、補助電源装置310を取り外した場合にその取り外しに応じて自動的に電気二重層コンデンサ233と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断手段802(例えばスイッチ)を設ける構成であればよい。
【0105】
例えば、図10に示すように、着脱状態を検出するスイッチを設けるのではなく、電気二重層コンデンサ233と、充電器231や補助発熱体204とを遮断状態とするオン/オフスイッチ801,802を設ける。そして、このようなオン/オフスイッチ801、802を、補助電源装置310が装着された状態においては本体側の部材と直接または間接的に係合等することによって両スイッチ801、802をそれぞれオンとする位置に移動する一方で、補助電源装置310を取り外せば当該係合が解除されてオン/オフスイッチ801、802をオフとするような位置に退避する変位部材803、804を設ける。このようにすることで、着脱状態を検出するために専用のスイッチ等の手段を設けることなく、補助電源装置310を取り外した場合に自動的に電気二重層コンデンサ233と他の素子とを遮断することができる。
【0106】
また、このような補助電源装置310の装着の有無によって変位する部材によってスイッチ位置を変動させてオン/オフする構成に限らず、フォトセンサや磁気センサなどを用いて装着状態の有無を検出し、このように検出された装着状態の有無に応じて電気二重層コンデンサ233と他の素子との間を遮断する構成であってもよい。例えば、対向配置される発光素子と受光素子と、これらの素子間に装着状態の有無に応じて進退可能に設けられた遮蔽部材を設けたフォトセンサを設けるようにしてもよい。また、補助電源装置310が装着されている状態において本体側に設けられた磁性部材の近傍に磁気センサを設け、かかる磁気センサの検出結果から補助電源装置310が装着状態にあるか否かを判別するようにしてもよい。
【0107】
(変形例3)
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、本発明を定着ユニット111を有する複写機1に適用した場合について説明したが、複写機以外の画像形成装置や、何らかの負荷部に電力を供給する補助電源を備えた電気機器に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施形態にかかる複写機の外観を示す図である。
【図2】前記複写機の本体部の構成を示す図である。
【図3】前記複写機の電源装置の回路構成を示す図である。
【図4】前記複写機の電源投入後に制御部によって行われる電源装置に対する制御内容を示すフローチャートである。
【図5】前記複写機の主電源がオフとされた後に制御部によって行われる電源装置に対する制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる複写機に用いられる電源装置の回路構成を示す図である。
【図7】第2実施形態における電源装置の構成要素である着脱状態検出部302の模式的構成を示す図である。
【図8】第1実施形態における電源装置の変形例を示す図である。
【図9】第2実施形態における電源装置の変形例の概略構成を示す図である。
【図10】第2実施形態における電源装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
1 複写機
10 本体部
11 大容量給紙部
12 フィニッシャー
13 自動原稿供給装置
14 操作部
15 給紙部
17 排紙部
101 スキャナー部
102 書き込み部
103 感光体ユニット
104 帯電部
105 現像部
106 転写部
108 給紙部
111 定着ユニット
112 定着ローラ
113 加圧ローラ
201,202,203 発熱体
204 補助発熱体
208 商用交流電源
210 補助電源装置
211 制御部
212 温度検出部
221,222,223,225,226 スイッチ
231 充電器
232 残電圧検出回路
233 電気二重層コンデンサ
250 主電源スイッチ
301 遮断設定部
302 着脱状態検出部
303 スイッチ
304 変位部材
310 補助電源装置
701,702 スイッチ
801,802 オフスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、前記蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、
前記補助電源部から供給される電力によって駆動される負荷部と
を具備することを特徴とする電気機器。
【請求項2】
主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、
前記補助電源部から供給される電力によって駆動される負荷部と、
主電源のオン/オフを切り替える切り替え手段と、
前記切り替え手段によって主電源がオンからオフに切り替えられた場合に、前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段と
を具備することを特徴とする電気機器。
【請求項3】
本体部と、
前記本体部と着脱自在に設けられる電源部であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、
前記補助電源部から供給される電力によって駆動される負荷部とを備え、
前記補助電源部は、前記本体部から前記補助電源部が取り外された場合に前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段を有する
ことを特徴とする電気機器。
【請求項4】
前記遮断手段は、前記遮断状態と非遮断状態とを切り替える2位置スイッチを有しており、
前記設定手段は、前記補助電源部が前記本体部に取り付けられている状態と取り外された状態とで位置が変動する変位部材を有しており、当該変位部材の変位によって前記スイッチ位置を切り替える
ことを特徴とする請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサである
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の電気機器。
【請求項6】
主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、
前記蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段と
を具備することを特徴とする補助電源装置。
【請求項7】
電気機器本体部に着脱自在に設けられる補助電源装置であって、
主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、
当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段と、
前記電気機器本体部から当該補助電源装置が取り外された場合に前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段と
を具備することを特徴とする補助電源装置。
【請求項8】
前記遮断手段は、前記遮断状態と非遮断状態とを切り替える2位置スイッチを有しており、
前記設定手段は、前記補助電源部が前記本体部に取り付けられている状態と取り外された状態とで位置が変動する変位部材を有しており、当該変位部材の変位によって前記スイッチ位置を切り替える
ことを特徴とする請求項7に記載の補助電源装置。
【請求項9】
電気機器に内蔵される補助電源装置であって、
主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、
前記蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段と、
前記電気機器の主電源がオンからオフに切り替えられた場合に、前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段と
ことを特徴とする補助電源装置。
【請求項10】
前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサである
ことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか一つに記載の補助電源装置。
【請求項11】
画像形成対象シートに転写された画像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置であって、
主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、
前記定着装置を加熱する発熱体であって、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される発熱体と、
主電源のオン/オフを切り替える切り替え手段と、
前記切り替え手段によって主電源がオンからオフに切り替えられた場合に、前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
画像形成対象シートに転写された画像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置であって、
本体部と、
前記本体部と着脱自在に設けられる電源部であって、主電源から供給される電力を蓄電する蓄電素子と、当該蓄電素子と他の素子との間の電力の授受を遮断する遮断状態と遮断しない非遮断状態とに設定可能な遮断手段とを有する補助電源部と、
前記定着装置を加熱する発熱体であって、前記補助電源部から供給される電力によって駆動される発熱体とを備え、
前記補助電源部は、前記本体部から前記補助電源部が取り外された場合に前記遮断手段を前記遮断状態に設定する設定手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−116983(P2008−116983A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−709(P2008−709)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【分割の表示】特願2003−91352(P2003−91352)の分割
【原出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】