説明

電気機器および画像形成装置

【課題】制御基板のスロットへの誤挿入を防止することが可能な電気機器および画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電気機器1は、制御される機能を有する装置本体2と、前記機能を制御する制御基板51を有する基板アセンブリ50と、装置本体2に設けられ、制御基板51が電気的に接続される接続部62と、装置本体2に形成され、制御基板51の接続部62への接続の際に基板アセンブリ50が挿入される第1挿入口44と、装置本体2に形成された第2挿入口45と、基板アセンブリ50が第2挿入口45に挿入される際、基板アセンブリ50の一部と干渉して、基板アセンブリ50が第2挿入口45に誤挿入されることを防止する一方、基板アセンブリ50が第1挿入口44に挿入される際、基板アセンブリ50と干渉せず、基板アセンブリ50が第1挿入口44に挿入されることを許容する誤挿入防止部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電機機器に関し、特に画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置は、オプションでファクシミリ機能を追加することができる。ファクシミリ機能を追加するためには、画像形成装置の主制御基板にファクシミリ基板を接続させる必要がある。ファクシミリ基板の接続は、メーカーのサービスマンによって行われる(特許文献1)。
【0003】
画像形成装置は、通常、ファクシミリ基板接続用の第1スロットだけでなく、他のオプション基板接続用の第2スロットを有している。第1スロットおよび第2スロットは互いに略同一の形状を有しているが、ファクシミリ基板の接続は、メーカーのサービスマンによって行われるため、ファクシミリ基板が第2スロットに誤挿入される心配はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−166209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第1スロットおよび第2スロットは互いに略同一の形状を有しているため、ファクシミリ基板がユーザによって行われる場合、ファクシミリ基板が第2スロットに誤挿入される虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、オプションで追加される制御基板のスロットへの誤挿入を防止することが可能な電気機器および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気機器は、制御される機能を有する装置本体と、前記機能を制御する制御基板と、前記制御基板を保持する保持部材とを有する基板アセンブリと、前記装置本体に設けられ、前記基板アセンブリの前記制御基板が電気的に接続される接続部と、前記装置本体に形成され、前記制御基板の前記接続部への接続の際に前記基板アセンブリが挿入される第1挿入口と、前記装置本体に形成された第2挿入口と、前記基板アセンブリが前記第2挿入口に挿入される際、前記基板アセンブリの一部と干渉して、前記基板アセンブリが前記第2挿入口に誤挿入されることを防止する一方、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入される際、前記基板アセンブリと干渉せず、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入されることを許容する誤挿入防止部とを含む。
【0008】
本発明に係る電気機器は、誤挿入防止部を備えている。誤挿入防止部は、基板アセンブリが第2挿入口に挿入される際、基板アセンブリの一部と干渉して、基板アセンブリが第2挿入口に誤挿入されることを防止する。これにより、基板アセンブリが誤挿入されていることが認識され、基板アセンブリは第1挿入口に正しく挿入される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、前記誤挿入防止部は、前記保持部材に形成され、前記制御基板が前記第2挿入口に誤挿入されることを防止するための誤挿入防止片と、前記第1挿入口の近傍位置で前記装置本体に形成され、前記誤挿入防止片が挿通可能な開口とを有する。そして、前記基板アセンブリが前記第2挿入口に挿入される際、前記誤挿入防止片は、前記装置本体に衝突することで、前記基板アセンブリの前記第2挿入口への誤挿入を防止する一方、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入される際、前記誤挿入防止片は前記開口に挿通され、前記基板アセンブリの前記第1挿入口への挿入が許容される。
【0010】
この構成によれば、保持部材には、誤挿入防止片が形成され、装置本体には、誤挿入防止片が挿通可能な開口が形成されている。誤挿入防止片は、基板アセンブリが第2挿入口に挿入される際、装置本体に衝突することで、基板アセンブリの第2挿入口への挿入を防止する。一方、誤挿入防止片は、基板アセンブリが第1挿入口に挿入される際、開口に挿通され、基板アセンブリの第1挿入口への挿入が許容される。このように、本発明に係る電気機器では、誤挿入防止片による単純な干渉構造で基板アセンブリの誤挿入を防止している。
【0011】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記装置本体は、前記接続部を覆うカバー部材を有し、前記カバー部材は、前記第1挿入口および前記第2挿入口が形成されていると共に、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入される挿入方向に向く側面を有しており、前記開口は、前記カバー部材の前記側面に形成されている。
【0012】
この構成によれば、開口はカバー部材の側面に形成されている。したがって、基板アセンブリが第2挿入口に誤挿入される際、誤挿入防止片はカバー部材に衝突して、基板アセンブリの第2挿入口への誤挿入を防止する。このように、開口をカバー部材の側面に形成した場合であっても、誤挿入防止片による単純な干渉構造で基板アセンブリの誤挿入を防止できる。
【0013】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記誤挿入防止片は、前記制御基板に関する情報が記載されたラベルを貼り付けるための貼り付け面を有しており、前記カバー部材は、前記制御基板が前記接続部に接続された状態で外部からの前記ラベルの視認を許容する窓部を有する。
【0014】
この構成によれば、ラベルは窓部を通して視認可能なので、制御基板に関する情報を確認することが容易である。
【0015】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記カバー部材は、前記接続部を覆う第1カバー部材と、外装を構成する第2カバー部材とを含み、前記第1カバー部材は、前記第1挿入口および前記第2挿入口が形成され、前記基板アセンブリの前記挿入方向に向く第1側面を有し、前記第2カバー部材は、前記第1側面に隣接し、前記基板アセンブリの前記挿入方向に向く第2側面を有し、前記開口は、前記第2側面に形成されている。
【0016】
この構成によれば、開口は第2カバー部材の第2側面に形成されている。したがって、基板アセンブリが第2挿入口に誤挿入される際、誤挿入防止片は、第2カバー部材の第2側面に衝突して、基板アセンブリの第2挿入口への誤挿入を防止する。このように、開口を第2カバー部材の第2側面に形成した場合であっても、誤挿入防止片による単純な干渉構造で基板アセンブリの誤挿入を防止できる。
【0017】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記開口は、前記第2側面における前記第1側面側の縁部を切り欠くことで形成されている。
【0018】
この構成によれば、開口は第2側面における第1側面側の縁部に形成されている。したがって、基板アセンブリが第2挿入口に誤挿入される際、誤挿入防止片は、第2側面の前記縁部に衝突して、基板アセンブリの第2挿入口への誤挿入を防止する。このように、開口を第2側面の前記縁部に形成した場合であっても、誤挿入防止片による単純な干渉構造で基板アセンブリの誤挿入を防止できる。また、開口を第2側面の前記縁部に形成する場合、複雑な機械加工が要求されない。
【0019】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記誤挿入防止片は、前記制御基板に関する情報が記載されたラベルを貼り付けるための貼り付け面を有しており、前記第2カバー部材は、前記制御基板が前記接続部に接続された状態で外部からの前記ラベルの視認を許容する窓部を有する。
【0020】
この構成によれば、ラベルは窓部を通して視認可能なので、制御基板に関する情報を確認することが容易である。
【0021】
本発明に係る画像形成装置は、シート上にトナー像を形成する装置本体を有する画像形成装置であって、前記装置本体が上記構成の装置本体である。
【0022】
本発明に係る画像形成装置は誤挿入防止部を備えているので、ユーザにとって扱い易い装置である。
【0023】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記装置本体において制御される機能は、オプションで前記装置本体に追加されるオプション機能であり、前記制御基板は、前記オプション機能を制御する制御基板である。
【0024】
画像形成装置は誤挿入防止部を備えているので、オプションで制御基板を接続することが容易である。
【0025】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記オプション機能はファクシミリ機能であり、前記制御基板は、前記ファクシミリ機能を制御するファクシミリ基板である。
【0026】
画像形成装置は誤挿入防止部を備えているので、オプションでファクシミリ基板を接続することが容易である。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る電気機器および画像形成装置によれば、誤挿入防止部により、基板アセンブリが第2挿入口に誤挿入されることを防止できる。これにより、基板アセンブリが誤挿入されていることが認識され、基板アセンブリは第1挿入口に正しく挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を斜め前方から見た外観斜視図である。
【図2】画像形成装置を斜め後方から見た外観斜視図である。
【図3】背面カバーおよび増設用カバーを外した状態の画像形成装置の背面斜視図である。
【図4】画像形成装置の装置本体の背面フレームに固定されたコントローラボックスの拡大斜視図である。
【図5】ファクシミリ基板アセンブリの斜視図である。
【図6】ファクシミリ基板、主制御基板および第1コネクタを示す模式図である。
【図7】背面カバーの一部拡大斜視図であり、コントローラボックスの左側板に対する近傍部分を示す。
【図8】コントローラボックスの拡大斜視図であり、第1スロットにファクシミリ基板が挿入され、第2スロットにコンパクトフラッシュメモリが挿入された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1を斜め前方から見た外観斜視図であり、図2は、画像形成装置1を斜め後方から見た外観斜視図である。画像形成装置1は、本発明に係る電気機器の一例であり、胴内排紙型の複合機を例示している。なお、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」や「後」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【0030】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有し、胴内空間(胴内排紙部24)を備えた装置本体2を備える。装置本体2は、シートに対して画像形成処理を行う。装置本体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の上方に配設される略直方体形状の上部筐体22と、下部筐体21と上部筐体22とを連結する連結筐体23とを含む。下部筐体21には画像形成のための各種機器が収容され、上部筐体22には原稿画像を光学的に読み取るための各種機器が収容されている。下部筐体21、上部筐体22及び連結筐体23で囲まれる胴内空間が、画像形成後のシートを収容可能な胴内排紙部24とされている。
【0031】
胴内排紙部24として利用される前記胴内空間は、装置本体2の前面及び左側面において外部に開放されている。ユーザは、これらの開放部分から手を差し入れ、胴内排紙部24から画像形成後のシートを取り出すことが可能である。前記胴内空間の底面241は、下部筐体21の上面で区画される。
【0032】
上部筐体22の前面には、操作パネルユニット25が突出して設けられている。操作パネルユニット25は、テンキー、スタートキーなどを含む操作キー251及びLCDタッチパネル252などを備え、ユーザからの各種の操作指示の入力を受け付ける。ユーザは、操作パネルユニット25を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。上部筐体22の上には、画像が読み取られる原稿を押さえる押さえカバー226(図1では省いている)が配設されている。押さえカバー226は、その後端縁において上部筐体22に対して回動可能に取り付けられている。
【0033】
下部筐体21には、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット211が装着されている。給紙カセット211は、下部筐体21(装置本体2)の前面から手前方向に引出可能である。この給紙カセット211は、自動給紙用に設けられたカセットである。
【0034】
装置本体2の内部には、画像形成部、定着部、シート搬送路などが配設されている。画像形成部は、給紙カセット211から供給される所定のシートにトナー像を転写して画像を形成するものであって、静電潜像を担持する感光ドラム、感光ドラムの表面を帯電させる帯電ユニット、原稿画像に対応する静電潜像を感光ドラムの表面にレーザビーム等によって形成する露光ユニット、形成された静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像ユニット、トナー像をシートに転写する転写ローラ、トナー像転写後に感光ドラム表面を除電する除電ユニット、感光ドラム表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード等を備えている。また、定着部は、シート上に転写されたトナー像を該シート上に定着させる。シート搬送路は、給紙カセット211からのシートを、画像形成部、定着部、胴内排紙部24の順に搬送する。シート搬送路には、シートを搬送するための複数のローラ対が配設されている。
【0035】
上記構成の装置本体2は、画像形成装置1の外観を構成する複数の外装カバーを有する。そのような外装カバーとして、画像形成装置1の左側面の外観を構成する左側面カバー26、画像形成装置1の背面の外観を構成する背面カバー27、増設用カバー28等が挙げられる。
【0036】
左側面カバー26は、下部筐体21の左側面の外観を構成する下側カバー262と、上部筐体22の左側面の外観を構成する上側カバー261とを含む。
【0037】
増設用カバー28は、左側面カバー26における背面カバー27寄りの部分から背面カバー27における左側面カバー26寄りの部分にわたる範囲において画像形成装置1の外観を構成している。増設用カバー28は、スナップフィットによって装置本体2に取り付けられており、ユーザは増設用カバー28の取り外しおよび取り付けを容易に行うことができる。
【0038】
図3は、背面カバー27および増設用カバー28を外した状態の画像形成装置1の背面斜視図である。同図に示すように、背面カバー27および増設用カバー28を外すと、装置本体2の骨組みの一部を構成する背面フレーム30が現れる。背面フレーム30は、板金製の平板状フレームであって、前記画像形成部、前記定着部、前記シート搬送路のローラ対等を駆動するモータ31や、装置本体2内で発生した熱を外部に排出するためのファン32や、コントローラボックス33等が配設されている。
【0039】
コントローラボックス33は、シート上にトナー像を形成する画像形成機能を制御するための主制御基板34(図6)を収容する。コントローラボックス33は、縦長のかつ扁平な形状を有する箱体であって、背面フレーム30の表面に対して略平行に延びる平板部35と、平板部35の4つの縁部から背面フレーム30に向かって延びる側板部とを有する。側板部は、平板部35の上縁部から延びる上側板36と、下縁部から延びる下側板37と、左縁部から延びる左側板38と、右縁から延びる右側板39とを含む。コントローラボックス33は、これらの側板36,37,38,39の先端部が背面フレーム30の表面にビス等で固定されることで背面フレーム30に固定される。コントローラボックス33は、本発明の第1カバー部材の一例である。
【0040】
コントローラボックス33の平板部35には、コントローラボックス33内に収容されている主制御基板34が発生させる熱を外部に排出するための排出孔40が複数形成されている。そして、排出孔40を覆うようにファン41が取り付けられている。また、背面カバー27におけるファン41に対応する部分には、排気孔43が設けられている。さらに、平板部35におけるファン41の下方位置には、増設メモリ用カバー42が設けられている。増設用カバー28を画像形成装置1から取り外した後、増設メモリ用カバー42を取り外すことで、増設メモリを主制御基板34に接続させることができる。
【0041】
図4はコントローラボックス33の拡大斜視図、特に左側板38を示す拡大斜視図である。なお、図4では、増設用カバー28のみが取り外された状態を示している。コントローラボックス33の左側板38には、増設基板を挿入するための複数のスロット、本実施形態では、第1スロット44および第2スロット45が貫設されている。第1スロット44および第2スロット45は、互いに同様な形状を有している。第1スロット44には、例えばファクシミリ基板アセンブリのファクシミリ基板が挿入される。ファクシミリ基板は、ファクシミリ機能を制御する基板であり、ユーザによってオプションで画像形成装置1に追加されるものである。ユーザは、ファクシミリ基板を第1スロット44に挿入して装置本体2に装着すると共に、電話機を装置本体2に設置することで、ファクシミリ機能を活用することができる。一方の第2スロット45には、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリが挿入される。第1スロット44と第2スロット45との間には、USBポート46およびLANポート47が配設されている。第1スロット44は、本発明の第1挿入口の一例であり、第2スロット45は、本発明の第2挿入口の一例である。
【0042】
図5は、ファクシミリ基板アセンブリ50の斜視図である。ファクシミリ基板アセンブリ50は、ファクシミリ基板51と、保持部材54とを含む。ファクシミリ基板51は、第1基板52と第2基板53とからなる。保持部材54は、ファクシミリ基板51を保持する板金部材であって、L字形を呈する本体部55と、本体部55から一体に延設された延設片56とを有する。
【0043】
本体部55は、ファクシミリ基板51が第1スロット44に挿入された状態でコントローラボックス33の左側板38に対して略並行に延びる細長の第1平板部57と、第1平板部57における長手方向に延びる一方の縁部に一体に形成され、第1平板部57の長手方向に延びる細長の第2平板部58とを有する。第2平板部58は第1平板部57に対して略90度の角度をなしている。ファクシミリ基板51の第1基板52および第2基板53は、互いに平行な位置関係で第1平板部57にビス等で固定されている。
【0044】
延設片56は、第2平板部58における第1平板部57側の縁部とは反対側の縁部に一体に形成された薄板部である。延設片56は、第2平板部58から第2平板部58の長手方向と略直行する方向に、かつ第1基板52および第2基板53に対して略平行な位置関係で延在している。延設片56は、図5では、第2平板部58における一方の長手方向端部から長手方向中間部にわたる領域から第2平板部58の長手方向と略直行する方向に延在している。延設片56は、本発明の誤挿入防止片の一例である。
【0045】
延設片56は、第1基板52に略平行に対向する第1面59と、第1面59とは反対側の第2面60とを有する。第2面60は、ラベル61が貼り付けられる貼り付け面として用いられている。ラベル61は、ファクシミリ基板51に関する情報が記載されている。ラベル61は、例えば画像形成装置1の出荷国先の認可ラベルであり、ファクシミリ基板51の認可情報が記載されている。
【0046】
コントローラボックス33内には、図6に示すように、第1スロット44から挿入されるファクシミリ基板51(第1基板52および第2基板53)の端子部が接続される第1コネクタ62(接続部)が設けられている。また、コントローラボックス33内には、第2スロット45から挿入されるコンパクトフラッシュメモリが接続される第2コネクタが設けられている。なお、第2コネクタは、第1コネクタ62と同様な構成を有しているので、第2コネクタの図示を省略する。ファクシミリ基板51の端子部が第1コネクタ62に接続されることで、ファクシミリ基板51と主制御基板34とが電気的に接続される。また、コンパクトフラッシュメモリの端子部が第2コネクタに接続されることで、コンパクトフラッシュメモリと主制御基板34とが電気的に接続される。
【0047】
上記構成のファクシミリ基板51が挿入される第1スロット44は、図4に示すように、第1基板52が挿入可能な形状を有する第1孔部分63と、第2基板53が挿入可能な形状を有する第2孔部分64とを有する。
【0048】
また、第1スロット44の第1孔部分63の近傍位置には、開口65が設けられている。開口65は、ファクシミリ基板アセンブリ50の第2平板部58および延設片56が挿入可能な形状を有している。開口65について、図4に加え、図7を参照しながら説明する。図7は、背面カバー27の一部拡大斜視図であり、コントローラボックス33の左側板38に対する近傍部分を示す。開口65は、背面カバー27に形成されている。
【0049】
具体的には、背面カバー27は、装置本体2の背面フレーム30に対向する平板部66と、平板部66の左縁部に一体に形成された左側板67(以下、カバー側板という)とを有する。カバー側板67は、コントローラボックス33の左側板38に隣接して、かつ左側板38に沿って延びる。カバー側板67における左側板38よりの縁部68は、コントローラボックス33の左側板38におけるカバー側板67側の縁部69と接触している。したがって、コントローラボックス33の左側板38の表面70(以下、第1側面という)と、背面カバー27のカバー側板67の表面71(以下、第2側面という)とは、装置本体2の前後方向において隣り合っている。
【0050】
コントローラボックス33の左側板38には、第1スロット44が貫設されているため、第1側面70は、ファクシミリ基板アセンブリ50のファクシミリ基板51が挿入される挿入方向に向く面である。また、背面カバー27の第2側面71も、ファクシミリ基板51が挿入される挿入方向に向く面である。
【0051】
開口65は、第2側面71に形成されている。より具体的には、開口65は、カバー側板67の縁部68における第1スロット44近傍の部分を切り欠くことにより、カバー側板67の縁部68と左側板38の縁部69との間に形成された空間である。開口65の縁部69に沿う寸法は、ファクシミリ基板アセンブリ50の第2平板部58の長手方向寸法よりも若干大きく設定されている。
【0052】
背面カバー27は、カバー側板67から平板部66にわたる所定の範囲にわたって切り欠かれており、増設用カバー28は、その背面カバー27の切り欠き部分に合致する形状を有している。増設用カバー28によって覆われる空間S内には、上述したコントローラボックス33の増設メモリ用カバー42が位置していると共に、収容部72が増設メモリ用カバー42の下方に位置している。空間Sは、背面カバー27の本体部55の裏面73に立設された壁部74によって区画されている。収容部72は、壁部74に一体に形成されている。収容部72は、ファクシミリ基板アセンブリ50の延設片56を収容することが可能な形状に設定されている。背面カバー27は、本発明の第2カバー部材の一例である。
【0053】
また、増設用カバー28には、図2に示すように窓部76が形成されている。窓部76の形成位置は、増設用カバー28が装置本体2に装着された状態(つまり、増設用カバー28が空間Sを覆った状態)で収容部72に対応する位置である。したがって、収容部72は、窓部76を通して常に外部に露出している。
【0054】
図8は、コントローラボックス33の拡大斜視図であり、第1スロット44にファクシミリ基板51が挿入され、第2スロット45にコンパクトフラッシュメモリ75が挿入された状態を示す。なお、図8では、増設用カバー28のみが取り外された状態を示している。ファクシミリ基板アセンブリ50は、次のようにしてコントローラボックス33に装着される。すなわち、まず、増設用カバー28を取り外して、第1スロット44を外部に露出させる(図4に示す状態)。そして、ファクシミリ基板51の第1基板52を、第1スロット44の第1孔部分63に合わせると共に、第2基板53を、第1スロット44の第2孔部分64に合わせる。その状態から、ファクシミリ基板51を第1スロット44に挿入する。
【0055】
背面カバー27のカバー側板67における第1スロット44の近傍部分には、開口65が形成されているので、ファクシミリ基板アセンブリ50の延設片56は、ファクシミリ基板51の第1スロット44への挿入に伴い、開口65に挿通され、背面カバー27の空間S内に突出する。開口65の存在により、延設片56はカバー側板67に衝突しない、つまり、カバー側板67は延設片56と干渉しない。
【0056】
そして、ファクシミリ基板51をさらに押し込むと、ファクシミリ基板51が第1コネクタ62(図6)に接続されると共に、延設片56が収容部72内に収容される。これにより、ファクシミリ基板51が、図8に示すように、第1スロット44に適正に挿入された状態、ひいてはファクシミリ基板アセンブリ50がコントローラボックス33に適正に装着された状態が得られる。なお、ファクシミリ基板51が第1スロット44に適正に挿入された状態では、保持部材54の第2平板部58も開口65に挿入された状態となる。また、ファクシミリ基板アセンブリ50はビス等で左側板38に固定される。
【0057】
上記のように、ファクシミリ基板51が第1スロット44に挿入されれば、ファクシミリ基板アセンブリ50はコントローラボックス33に適正に装着されるが、第1スロット44および第2スロット45は互いに略同一の形状を有しているので、ユーザがファクシミリ基板51を第2スロット45に誤挿入する虞がある。
【0058】
しかしながら、本実施形態では、ファクシミリ基板51の第2スロット45への誤挿入は次のようにして防止される。すなわち、背面カバー27のカバー側板67における第2スロット45の近傍部分には、延設片56が挿通可能な開口が形成されていないので、ファクシミリ基板51が第2スロット45に挿入されると、延設片56はカバー側板67に衝突する。つまり、カバー側板67は、延設片56と干渉して、ファクシミリ基板51の第2スロット45への挿入動作を遮る。これにより、ファクシミリ基板51の第2スロット45への誤挿入が防止される。その結果、ファクシミリ基板51の誤挿入に気付いたユーザは、ファクシミリ基板51を第1スロット44に適正に挿入することができる。このように、本実施形態では、延設片56による単純な干渉構造でファクシミリ基板51の誤挿入を防止している。本実施形態では、延設片56および開口65が誤挿入防止部を構成している。
【0059】
また、ファクシミリ基板アセンブリ50がコントローラボックス33に適正に装着された状態では、延設片56は収容部72内に収容されている。増設用カバー28に形成された窓部76は、外部からの延設片56の視認を許容するので、延設片56の第2面60(貼り付け面)に貼り付けられたラベル61を確認することができる。
【0060】
上記した実施形態では、開口65を、背面カバー27のカバー側板67の縁部68を切り欠くことにより形成した場合につき説明したが、開口65の形成位置は、カバー側板67の縁部68に限定されない。例えば、開口65は、縁部68と、縁部68とは反対側の縁部77との間の領域において形成してもよい。代わりに、開口65は、コントローラボックス33の左側板38の縁部69と、第1スロット44の第1孔部分63との間の領域に形成してもよい。いずれの場合においても、延設片56による単純な干渉構造でファクシミリ基板51の誤挿入を防止することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置(電気機器)
2 装置本体
27 背面カバー
28 増設用カバー
33 コントローラボックス
38 左側板
44 第1スロット(第1挿入口)
45 第2スロット(第2挿入口)
50 ファクシミリ基板アセンブリ
51 ファクシミリ基板
55 保持部材
56 延設片(誤挿入防止片)
61 ラベル
62 第1コネクタ(接続部)
65 開口
67 カバー側板
75 コンパクトフラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御される機能を有する装置本体と、
前記機能を制御する制御基板と、前記制御基板を保持する保持部材とを有する基板アセンブリと、
前記装置本体に設けられ、前記基板アセンブリの前記制御基板が電気的に接続される接続部と、
前記装置本体に形成され、前記制御基板の前記接続部への接続の際に前記基板アセンブリが挿入される第1挿入口と、
前記装置本体に形成された第2挿入口と、
前記基板アセンブリが前記第2挿入口に挿入される際、前記基板アセンブリの一部と干渉して、前記基板アセンブリが前記第2挿入口に誤挿入されることを防止する一方、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入される際、前記基板アセンブリと干渉せず、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入されることを許容する誤挿入防止部と、
を備えた電気機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電気機器において、
前記誤挿入防止部は、前記保持部材に形成され、前記制御基板が前記第2挿入口に誤挿入されることを防止するための誤挿入防止片と、前記第1挿入口の近傍位置で前記装置本体に形成され、前記誤挿入防止片が挿通可能な開口とを有し、
前記基板アセンブリが前記第2挿入口に挿入される際、前記誤挿入防止片は、前記装置本体に衝突することで、前記基板アセンブリの前記第2挿入口への誤挿入を防止する一方、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入される際、前記誤挿入防止片は前記開口に挿通され、前記基板アセンブリの前記第1挿入口への挿入が許容される電気機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電気機器において、
前記装置本体は、前記接続部を覆うカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記第1挿入口および前記第2挿入口が形成されていると共に、前記基板アセンブリが前記第1挿入口に挿入される挿入方向に向く側面を有しており、
前記開口は、前記カバー部材の前記側面に形成されている電気機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電気機器において、
前記誤挿入防止片は、前記制御基板に関する情報が記載されたラベルを貼り付けるための貼り付け面を有しており、
前記カバー部材は、前記制御基板が前記接続部に接続された状態で外部からの前記ラベルの視認を許容する窓部を有する電気機器。
【請求項5】
請求項3に記載の電気機器において、
前記カバー部材は、前記接続部を覆う第1カバー部材と、外装を構成する第2カバー部材とを含み、
前記第1カバー部材は、前記第1挿入口および前記第2挿入口が形成され、前記基板アセンブリの前記挿入方向に向く第1側面を有し、
前記第2カバー部材は、前記第1側面に隣接し、前記基板アセンブリの前記挿入方向に向く第2側面を有し、
前記開口は、前記第2側面に形成されている電気機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電気機器において、
前記開口は、前記第2側面における前記第1側面側の縁部を切り欠くことで形成されている電気機器。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電気機器において、
前記誤挿入防止片は、前記制御基板に関する情報が記載されたラベルを貼り付けるための貼り付け面を有しており、
前記第2カバー部材は、前記制御基板が前記接続部に接続された状態で外部からの前記ラベルの視認を許容する窓部を有する電気機器。
【請求項8】
シート上にトナー像を形成する装置本体を有する画像形成装置であって、前記装置本体が請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置本体である画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置において、
前記装置本体において制御される機能は、オプションで前記装置本体に追加されるオプション機能であり、
前記制御基板は、前記オプション機能を制御する制御基板である画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、
前記オプション機能はファクシミリ機能であり、
前記制御基板は、前記ファクシミリ機能を制御するファクシミリ基板である画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−118248(P2012−118248A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267260(P2010−267260)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】