説明

電気機器

【課題】ユーザにとっての利便性を損なうことなく精確なユーザ認証を可能とする電気機器を提供する。
【解決手段】主制御部3は、ユーザ認証時に、表示制御部5を介して、表示部6に複数のファイル名を表示した画面を表示させる。そして、ユーザが選んだファイルが予め設定されていたファイルであれば、このユーザに複合機1の使用を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作を行っているユーザが、予め登録されているユーザかどうかのユーザ認証を行う電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、情報の管理のために、パーソナルコンピュータへのログイン時、電子ファイルへのアクセス時、銀行のATM(Automated Teller Machine)使用時等に、ログイン等をしようとしているユーザが適切なユーザであるか、すなわちログイン等を許可してよいかを判断するため、パスワードを用いた種々のユーザ認証システムが提案されている(例えば特許文献1)。従来のパスワード生成方法の一つとして、数字又は記号を組み合わせる方法がある。
【0003】
適切なユーザにとっての利便性という観点からは、パスワードは、適切なユーザにとって憶えやすいものであることが求められる。一方、ユーザ認証の精確性という観点からは、パスワードは他人に推測されることが難しいものであることが求められる。
【特許文献1】特開2005−63439号公報(2005年3月10日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、パスワードは、ユーザにとっての利便性を重視して生成された場合は他人に推測されやすいものとなってユーザ認証の精確性が損なわれ、ユーザ認証の精確性を重視して生成された場合はユーザにとって憶えるのが困難なものとなる傾向にある。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザ認証の精確性と、ユーザ認証における適切なユーザにとっての利便性と、を両立させることのできる電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の電気機器は、操作中のユーザが予め登録されているユーザかどうかのユーザ認証を行う電気機器であって、ユーザ認証時に、2以上の電子ファイルについて、各電子ファイルを指す情報を表示することで、操作中の上記ユーザに上記電子ファイルを選択させる表示部と、操作中の上記ユーザが選択した電子ファイルが所定の電子ファイルであれば、操作中の上記ユーザが予め登録されているユーザであると判断し、所定の電子ファイルでなければ、操作中の上記ユーザが予め登録されているユーザでないと判断する認証部と、を備える電気機器である。
【0007】
上記電気機器は、表示部及び認証部を備えることによって、表示部の表示した電子ファイルの中から操作中のユーザが所定の電子ファイルを選択したか否かに基づいて、ユーザ認証を行うことができる。このように、表示部に表示された事項を選択することは、複雑なパスワードを入力することほど、ユーザにとって困難ではない。また、登録されたユーザ(すなわち適切なユーザ)以外の他人には、表示された電子ファイルのうちのどれを選択すればよいのかを推測することは容易ではない。すなわち、上記電気機器は、ユーザ認証の精確性と、ユーザ認証における適切なユーザにとっての利便性と、を両立させることができる。
【0008】
なお、上記電子ファイルとしては、上記電気機器内に保存された電子ファイル、又は上記電気機器外の記憶装置内に保存され、上記電気機器が情報を得ることのできる電子ファイルを利用することができる。
【0009】
また、請求項2の電気機器のように、請求項1の電気機器は、上記所定の電子ファイルは、使用された時期がユーザ認証時に近い順の上位から所定数の電子ファイルとされる構成としてもよい。
【0010】
ユーザ認証の精確性を高めるためには、長期間に渡って同じパスワードを使用し続けることは好ましくない。そこで従来は、ユーザがパスワードを変えるための操作を行っていた。しかし、ユーザにとっては、パスワードを変えるための操作が面倒であり、またパスワードを変える度に新たなパスワードを覚えることは困難である。そのため、ユーザは同一のパスワードを長期間使用する傾向にある。つまり、ユーザの利便性及びユーザ認証の精確性を両立させることはやはり困難であった。
【0011】
しかし、上記電気機器の構成によると、使用された時期がユーザ認証時に近い電子ファイルが、ユーザ認証時にユーザが選択すべき電子ファイルとされる。つまり、どの電子ファイルを選択すべきかの基準は、ファイルの使用状況に依る。言い換えると、ユーザが選択すべきファイルは時間の経過によって自動的に変化する。そのため、ユーザ認証において高い精確性が実現される。さらに、ユーザにとって、意味を持たない数字及び文字の羅列を記憶するよりも、最近使用した電子ファイルがどれであるか記憶しておくことの方が、困難性が低い。そのため、ユーザにとっての利便性も高い。
【0012】
また、請求項3の電気機器は、操作中のユーザが、予め登録されているユーザかどうかのユーザ認証を行う電気機器であって、ユーザ認証時に、2以上の電子ファイルについて、各電子ファイルを指す情報を表示することで、操作中の上記ユーザに上記電子ファイルを選択させる表示部と、操作中の上記ユーザにより電子ファイルが所定の順序で選択されれば、操作中の上記ユーザは予め登録されているユーザであると認証し、電子ファイルが所定の順序で選択されなければ、操作中の上記ユーザは一致しなければ操作中の上記ユーザは予め登録されているユーザではないと判断する認証部と、を備える電気機器である。
【0013】
上記電気機器では、認証部がユーザによる電子ファイルの選択順序によりユーザ認証を行うようになっていることで、ユーザがどの電子ファイルを選択したかによってのみユーザ認証を行うよりもユーザ認証の精確性がより向上する。
【0014】
請求項4の電気機器は、請求項3に記載の電気機器において、上記所定の順序が、使用された時期がユーザ認証時に近い順となっている。
【0015】
上記電気機器によると、表示された電子ファイルをどの順で選択すべきかの基準は、ファイルの使用状況に依る。言い換えると、ユーザが選択すべきファイル及び選択順序は、時間の経過によって自動的に変化する。そのため、ユーザ認証において高い精確性が実現される。さらに、ユーザにとって、意味を持たない数字及び文字の羅列を記憶するよりも、最近使用した電子ファイルがどれであるか記憶しておくことの方が、困難性が低い。そのため、ユーザにとっての利便性も高い。
【0016】
請求項5の電気機器は、請求項3又は4に記載の電気機器において、上記表示部が表示する上記情報には、ユーザ認証において操作中の上記ユーザが選択すべき電子ファイルについての情報以外に、ダミーの情報が含まれている構成となっている。
【0017】
上記構成によると、ダミーの情報が含まれていることで、ユーザ認証の精確性がより向上する。
【0018】
請求項6の電気機器は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気機器であって、2以上の上記電子ファイルが画像ファイルであり、上記表示部は電子ファイルを指す情報として上記画像ファイルのサムネイルを表示するようになっている。
【0019】
このように、画像ファイルのサムネイルが表示されると、ユーザにとっては個々のファイルの識別が容易であり、利便性が高い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電気機器は、表示部及び認証部を備えることによって、操作中のユーザが表示部の表示したファイルの中から所定のファイルを選択したか否かに基づいて、ユーザ認証を行うことができる。このように、表示部に表示された事項を選択することは、複雑なパスワードを入力するよりも、ユーザにとって困難ではない。また、適切なユーザ以外の他人には、表示されたファイルのうちのどれを選択すればよいのかを推測することは容易ではない。すなわち、上記電気機器は、ユーザ認証の精確性と、ユーザ認証における適切なユーザにとっての利便性と、を両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明について図面を参照する等して具体的に説明するが、以下の説明は本発明の範囲を限定するものではない。本実施形態では、本発明の電気機器を、プリンタ、コピー機、ファクシミリ等の機能を備える所謂複合機に適用している。なお、本発明の電気機器は、複合機以外であっても、ATM、又はファイルを管理する装置等、種々の機器に適用可能である。
【0022】
I.第一実施形態
〔1〕複合機1の要部構成
図1は、複合機1の要部構成を示すブロック図である。複合機1は、図1に示すように、ユーザからの入力を受け付ける入力受付部2、複合機1内の各部の動作を制御する主制御部3、種々の情報を記憶する記憶装置4、主制御部3の制御下で表示部6の動作を制御する表示制御部5、液晶表示部等を備えてユーザに画像(以下、画像には文字、記号、図等が含まれるとする)を表示する表示部6、下記通信部8等の動作を制御する出力制御部7、出力制御部7の制御下で通信回線20を介して外部PC(Personal Computer)21及びサーバ22等とデータをやり取りする通信部8、原稿を読み込んで画像情報を得るスキャナ9、画像を用紙上に印刷出力する印刷部10、電話回線を介して外部の機器と画像情報をやり取りするFAX11、画像情報に基づいてサムネイルを作成するサムネイル作成部12等を備える。
【0023】
入力受付部2は、ハードキー及びタッチパネル等を備える。ユーザは、上記ハードキー又は表示部6によって表示されるソフトキーを押下することができ、入力受付部2は、このユーザからの入力を受け付ける。
【0024】
主制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等によって構成可能である。CPUは種々の演算を行い、プログラムを実行することができる。ROMにはCPUによって行われる制御に関するプログラムや、複合機1内の各部の動作に関するプログラム等が格納されている。また、RAMは、CPUの作業領域として機能する他、ユーザの入力内容等を保持する領域等を有している。特に主制御部3は、ユーザ認証を行う認証部として機能する。なお、本実施形態では、表示制御部5、出力制御部7、及びサムネイル作成部12は、主制御部3と別に設けられているが、これに限らずCPUがプログラムを実行することで実現されるものであってもよい。その場合、表示制御部5、出力制御部7、及びサムネイル作成部12は、主制御部3に含まれる。
【0025】
記憶装置4は、後述のユーザ認証に必要な情報、すなわちID等を記憶する。以下、記憶装置4が記憶するこのIDを登録IDと称する。個々の「ファイルについての情報」は、個々の登録IDと関連付けて記憶される。さらに記憶装置4は、複数のボックスを備える。図1にはこれらのボックスのうちの2つであるボックス4a及び4bを示す。記憶装置4は、各ボックス内に文書ファイル及び画像ファイル等を保存しておくことができる。これらのファイルは、通信部8等を介して外部から受け取ったものでもよいし、スキャナ9が原稿を読み取って得た画像情報のファイルであってもよい。
【0026】
複合機1外の記憶装置、例えばPC21及びサーバ22等に設けられた記憶装置であって、通信回線20を介してその記憶装置の内部のファイルについて、ファイル名及びアクセス時等の情報を取得することができるもの、及び複合機1内の記憶装置4を、以下まとめて記憶装置4等と称する。
【0027】
〔2〕ユーザ認証動作
ユーザが複合機1を使用しようとすると、主制御部3はユーザ認証を行う。このユーザ認証時の主制御部3の処理動作について、図2〜図5を参照して説明する。図2は処理動作の流れを示すフローチャートであり、図3はID受け付け画面31を示す平面図であり、図4はファイル選択画面32を示す平面図であり、図5はファイル選択画面33を示す平面図である。
【0028】
ユーザがキー操作を行おうとすると(S1)、主制御部3は表示制御部5を介して表示部6にID入力画面31を表示させる(S2)。ID入力画面31は、ID入力欄31a、削除キー31b、完了キー31c等を含む。
【0029】
ユーザは、入力受付部2のハードキーに含まれるテンキー等の文字キー、又はID入力画面31に表示されるソフトキーである文字キー(図示せず)を押下することでIDを入力することができる。この入力内容は、表示制御部5の制御によりID入力欄31に表示される。そして、ユーザにより完了キー31cが押下されると、その時点での入力内容が入力IDとして確定する(S3)。完了キー31cを押下する前に削除キー31bが押下されれば、削除キー31bの押下直前に入力された文字が削除される。
【0030】
この入力IDと一致する登録IDがあれば、主制御部3は一致した登録IDに対応するユーザの情報に基づいて、表示制御部5を介して表示部6にファイル選択画面32を表示させる(S4)。一致する登録IDがなければ、表示部6により「IDが登録されていません。」等のエラーメッセージと共に、再びID入力画面31が表示される(S4→S5→S2)。
【0031】
ステップS4にて、表示部6は、ファイル選択画面32を表示することで、ユーザに2個以上のファイルについての情報を提示し、これらのファイルの中からユーザに1以上のファイルを選択させることができる(S6、S7)。ファイル選択画面32は、ファイル表示欄32a、選択ファイル表示欄32b、移動キー32c、選択キー32d、選択解除キー32e、完了キー32f等を含む。
【0032】
主制御部3の制御の下、ファイル表示欄32aには、上記〔1〕欄に述べた記憶装置4等内に保存されたファイルのファイル名が表示される。特に本実施形態では、上記ステップS4で確認した登録IDに対応付けて、記憶装置4内の複数のボックスのうち、特定のボックス4aが予め指定されている。そして、ステップS6において、このボックス4a内のファイルのうちで作成時の新しい順の上位2つのファイルのファイル名が、ダミーのファイル名と共に表示される。ダミーのファイル名とは、架空のファイル名、又は実存するファイルであって上位2つのファイル以外のファイル名である。本実施形態では、特に、ダミーのファイル名として、ボックス4a内で作成時が3番目に新しいファイルのファイル名と、主制御部3が適宜作成したダミーのファイル名とが、一つずつ表示されるとする。
【0033】
ユーザが移動キー32cに触れると、それに合わせて、ファイル表示欄32a中でカーソルが上下方向に移動する。カーソルが或るファイル名を指しているときに選択キー32dが押下されると、選択ファイル表示欄32bにそのファイル名が表示される。選択解除キー32eが押下されると、直前に選ばれたファイル名が選択ファイル表示欄32bから削除される。
【0034】
選択ファイル表示欄32bにファイル名が表示されているときに完了キー32fが押下されると(S8でYes)、どのファイルが選択されたかが確定される。
【0035】
確定後、主制御部3は、ユーザの選択が予め設定された法則に則っているか否かによって、ユーザ認証を行う。具体的には、本実施形態では、表示された4つのファイル名のうち作成時が最新のファイルが2つ選択されると、主制御部3は、操作中のユーザを登録されたユーザであると判断して使用を許可する(S9でYes→S10)。一方、ユーザの選択したファイルが、作成時が最新でない又は選択数が2つでないと、主制御部3は操作中のユーザが登録されたユーザでないと判断し、使用を許可することなく“ファイルが違います”等のエラーメッセージを表示部6に表示させる(S9でNo→S11)。主制御部3は、エラーメッセージ表示後に、表示部6に再びID入力画面31を表示させることができる。使用を許可する」とは、このユーザから入力受付部2を介して受け付けた入力に応じた動作を行うように、複合機1内の各部を制御することを意味する。
【0036】
II.第二実施形態
本実施形態では、第一実施形態の構成において、主制御部3が、ユーザによるファイル選択の順序が所定の順序に一致するか否かによってユーザ認証を行うようになっている。
【0037】
本実施形態の具体的な認証動作を、図5のフローチャートに示す。主制御部3は、この認証動作において、上記〔2〕欄のユーザ認証動作のステップS9の代わりに、ステップS19にてユーザによる選択順序及び選択したファイルが予め設定されていた条件に合致するかどうか、すなわちユーザが作成時の新しい順にファイルを3つ選択したかどうかを判断する。ユーザの選択が上記条件に合致すれば操作中のユーザに使用を許可し(S19でYes→S20)、合致しなければエラーメッセージを表示する(S19でNo→S21)。
【0038】
本実施形態のようにファイルの選択順序によりユーザ認証を行う場合、主制御部3は、ステップS16のファイル名表示時に、ダミーのファイル名を表示部6に表示させる必要はない。すなわち、表示部6の表示するファイルが全て選択されるような場合もあり得る。但し、本実施形態のようにダミーのファイルを表示した方が、ユーザ認証の精確性が向上する。
【0039】
III.第三実施形態
本実施形態では、第二実施形態の構成において、主制御部3が表示部6に、ファイル名でなく画像ファイルから生成したサムネイルを表示させるようになっている。本実施形態の具体的な認証動作を、図6のフローチャートに示す。
【0040】
この認証動作において、主制御部3は、上記II.欄で述べたユーザ認証動作(図5)のステップS16の代わりに、ステップS36を行う。ステップS36では、主制御部3が表示部6にファイル選択画面33(図7)を表示させる。ファイル選択画面33は、ファイル表示欄33a、選択解除キー33e、完了キー33f等を含み、ファイル表示欄33aにファイル名でなくファイルのサムネイルが表示される以外は、上述のファイル選択画面32と略同様の構成である。
【0041】
ファイル選択画面33中、ファイル表示欄33aのサムネイル表示に触れると、入力受付部2のタッチパネルは、そのファイル名が選択されたものと認識する(S37)。選択されたファイル名は、表示色を変える等して、選択されていないファイル名と区別可能に表示される。この状態でユーザが完了キー33fを押下すると(S38でYes)、どのファイルが選択されたかが確定される。完了キー33eが押下される前に選択解除キー33beが押下されると、直前になされたファイルの選択が解除される。
【0042】
そして、上記II.欄で述べた様に、ユーザにより作成時が新しい順にファイルが3つ選択されれば、主制御部3はこのユーザに複合機1の使用を許可する。
【0043】
図7において、ファイル選択画面33中には、サムネイル作成部12が作成したサムネイルと、架空のファイルのサムネイルとが表示される。サムネイル作成部12は、ボックス4a内の画像ファイルのうち、作成時が最新から4番目までの4つのファイルについて作成する。このとき、サムネイル作成部12は、複数の頁に渡る画像ファイルについては第一頁の画像サムネイルを作成する。そして、主制御部3は表示制御部5を介して表示部6を制御し、これら4つのサムネイルと架空の画像ファイルについてのサムネイルとの、合わせて6つのサムネイルを、ファイル表示欄33aに表示させる。
【0044】
後は、第二実施形態の認証動作と同様に、作成時が新しい順にファイルが3つ選択されたか否かに基づいて、ユーザ認証を行う。
【0045】
IV.その他の実施形態
以上、第一〜第三実施形態では、ボックス4a内の画像ファイルからサムネイルを作成するとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。他にも、ステップS4(又はS1、S34)で確認された登録IDと予め対応づけられている外部の記憶装置、例えばこの登録IDに対応するユーザが使用する端末であるPC21内のフォルダ21aに保存されたファイルから、ファイル選択画面32及び33に表示するファイルを選択してもよい。
【0046】
また、第一〜第三実施形態では、ユーザが選択すべきファイルは作成された「時」を基準に決定されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザの好みに合わせて適宜設定することができる。例えば、この他の例として、第三実施形態の処理動作(図6)において、外部PCのデスクトップの背景に使われている画像のサムネイルをステップS36で表示し、ステップS39ではこの背景の画像が選択された場合は使用を許可するようにしてもよい。この外部PCとは、ステップS4で確認された登録IDに対応するユーザが使用する端末であるPC21とすることができる。
【0047】
また、ユーザが選択すべきファイルの基準のうち、時間を含むものとしては、第一〜第三実施形態の「作成時」の他に、「更新時」、「会議で使用した日」等、広く「アクセス日時」、「使用日時」が挙げられる。
【0048】
さらに、ユーザ認証時にユーザが選択すべきファイル及び選択順序は、ファイルの使用日時、ファイルの種類(拡張子の種類)、及びファイル名等の2以上の条件が組み合わせられていてもよい。
【0049】
以上、上記I.〜IV.欄において、異なる欄に述べた各構成を組合せて得られる構成についても、本発明の範囲に含まれる。また、これらの構成に従来公知の技術を適宜組み合わせて得られる構成についても、同様に本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の一形態である複合機1の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記複合機1のユーザ認証動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】上記ユーザ認証動作時に表示されるID入力画面31の平面図である。
【図4】上記ユーザ認証動作時に表示されるファイル選択画面32の平面図である。
【図5】複合機1の他のユーザ認証動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】複合機1のさらに他のユーザ認証動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記ユーザ認証動作時に表示されるファイル選択画面33の平面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 複合機
2 入力受付部
3 主制御部
4 記憶装置
5 表示制御部
6 表示部
7 出力制御部
8 通信部
20 通信回線
21 外部PC
22 サーバ
12 サムネイル作成部
31 ID入力画面
31a ID入力欄
32 ファイル選択画面
32a ファイル表示欄
33 ファイル選択画面
33a ファイル表示欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作中のユーザが予め登録されているユーザかどうかのユーザ認証を行う電気機器であって、
ユーザ認証時に、2以上の電子ファイルについて、各電子ファイルを指す情報を表示することで、操作中の上記ユーザに上記電子ファイルを選択させる表示部と、
操作中の上記ユーザが選択した電子ファイルが所定の電子ファイルであれば、操作中の上記ユーザが予め登録されているユーザであると判断し、所定の電子ファイルでなければ、操作中の上記ユーザが予め登録されているユーザでないと判断する認証部と、を備える電気機器。
【請求項2】
上記所定の電子ファイルは、使用された時期がユーザ認証時に近い順の上位から所定数の電子ファイルである請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
操作中のユーザが、予め登録されているユーザかどうかのユーザ認証を行う電気機器であって、
ユーザ認証時に、2以上の電子ファイルについて、各電子ファイルを指す情報を表示することで、操作中の上記ユーザに上記電子ファイルを選択させる表示部と、
操作中の上記ユーザにより電子ファイルが所定の順序で選択されれば、操作中の上記ユーザは予め登録されているユーザであると認証し、電子ファイルが所定の順序で選択されなければ、操作中の上記ユーザは一致しなければ操作中の上記ユーザは予め登録されているユーザではないと判断する認証部と、を備える電気機器。
【請求項4】
上記所定の順序は、使用された時期がユーザ認証時に近い順である請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
上記表示部が表示する上記情報には、ユーザ認証において操作中の上記ユーザが選択すべき電子ファイルについての情報以外に、ダミーの情報が含まれている請求項3又は4に記載の電気機器。
【請求項6】
2以上の上記電子ファイルは画像ファイルであり、
上記表示部は電子ファイルを指す情報として上記画像ファイルのサムネイルを表示するようになっている請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−186370(P2008−186370A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21285(P2007−21285)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】