説明

電気的な回路アセンブリおよぼそれを組み込んでいる構造コンポーネント

【課題】 電気的な回路アセンブリおよぼそれを組み込んでいる構造コンポーネントを提供することである。
【解決手段】 材料上に、または、それに隣接して配置される電気的コンポーネントに多重の信号または経路を提供している電気導電ファイバーを含む複合構造コンポーネントは、開示される。信号経路は、従って、内在性の補強要素として構造コンポーネントに埋め込まれることができる。また、前記構造および織物を作るための材料およびその生産方法は、開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な回路アセンブリ、および、それを組み込んでいる構造コンポーネントに関し、特に、ファイバーの1つ以上が電気的な電流を通す電気導電性のものである繊維強化複合材料(fibre reinforced composite materials)のエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
最新の航空機は、一般的に、例えば、装置にパワーを供給するために、コントロール信号を伝えるために、または、電子的データを通すために、電気電流を通す多くのマイルのケーブル布線を含む。このようなケーブル布線は、乗物の重量の原因となり、および、取付け、および、ルート化にさらに時間がかかる。従って、また、理想的に低い形状構成の電気電流を通す代わりの方法を提供する必要性がある。さらに、新しい技術が例えば航空機を監視および制御のために開発されるのと同じように、増加するコンポーネントへの、および、そこからの信号またはパワーを通す必要性がある。
【0003】
WO2005/114781は、航空機構造(aircraft structures)および航空電子工学(avionics)を成形するために導電性のロードされた樹脂ベースの材料を開示する。導電性の材料から作られるいくつかの物は記載されており、しかし、これらの中で、導電性の材料は、樹脂内で均質化(homogenised)される。絶縁体によって囲まれた導電性のロードされた樹脂ベースの材料の「ワイヤ(Wires)」は、構成されることができる。
【0004】
US2008/0115954は、飛行機複合構造(airplane composite structure)に組み込まれるワイヤを開示する。ワイヤは、絶縁層によって囲まれる導電性のコアを含む。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、上記の提案の各々において、導線は、ファイバー複合物(fibre composite)の非励振素子(parasitic element)であり、それが複合物の残りのサイズおよび形状および/または組成において異なる。これは、複合物の材料特性、例えばその強度、フレキシビリティなど、同じく、マイクロスケール特性、例えば樹脂または他の複合マトリックス材料と傷つけられうるファイバーとの間のボンディング強度、濡れ性その他を意味する。
【0006】
したがって、一つの方法として、本発明は、2つ以上の電気導電経路によって電気的に結合される間隔を置かれた電気的コンポーネントを具備している電気的な回路アセンブリを提供するものであり、各経路は、複数の補強しているファイバーおよびマトリックス材料を具備している繊維強化複合材料(fibre reinforced composite material)の部分を形成する電気導電ファイバーを含んでいる。そこにおいて、前記電気導電ファイバーの実質的に全て、および、前記補強しているファイバーの実質的に全ては、前記マトリックス材料と少なくとも部分的な表面結合コンタクトにあり、それによって前記導電ファイバーも、ファイバーを補強する機能を果たす。
【0007】
本発明において、複合材料の多重の導電経路の提供は、内在性のエレメント(intrinsic elements)を使用し、および、複合材料の材料特性を実質的には変更せず、その電気的なコンダクタンスをセーブする。これは、多重の導電経路がコンポーネントの広範囲なテストおよび再設計を必要とせずに提供されることができることを意味し、それは、上で参照した先の文書にあるように、外部または外側のエレメント(foreign or extraneous element)を導入する効果を可能にする。それで、強度、質量、共鳴その他の特性が、多重の導電トラックの存在下で、実質的に無影響であることができる。
【0008】
複合コンポーネントの設計において、補強しているファイバーとマトリックス材料との間の密着性は、複合の強度にとって極めて重要であり、および、本発明の実施形態は、本質的に導電の補強されたファイバー、例えばマトリックスに対して接着特性が周知であり、ボンディング強度が高度な正確度に決定されることができる炭素繊維から作られる導電経路を有効にする。
【0009】
このように、パワー、コントロール信号、データその他またはそれらの組み合わせのいずれか1つを提供している電気電流は、繊維強化複合材料に沿って、または、それを介して通されることができる。導電エレメントは、従って、複合材料に内在的で、および、上で参照される先の配置とは対照的に、別々にアドレス可能(discretely addressable)である。
【0010】
電気導電の補強しているファイバーは、電気導電材料、例えば炭素それ自身でありえる。別の形態として、各導電ファイバーは、電気導電表面を有することができる。この表面は、ファイバーの内部に提供される電気導電コーティングであることができる。ここで、ファイバーは中空である。
【0011】
加えて、または、あるいは、電気導電表面は、ファイバーの曝された表面に提供されることができる。好ましくは、表面は、適切な界面接着特性を提供するように選択される。
【0012】
電気導電の補強しているファイバーは、マトリックスおよび/または介在ファイバー(intervening fibres)の材料によって、単に、別々の経路を規定している他の同様なファイバーから電気的に絶縁されることができる。ここで、これらは非導電性材料である。ポリマー樹脂のような多くのマトリックス材料は、良好なインシュレータであり、および、同様に、ファイバーが、良好な電気絶縁特性、例えばガラス、石英、ケブラー(登録商標)、アラミドなどを有することができる。さらに、導電ファイバーは、構造において他のこのような牽引(tows)から電気的に分離される導電牽引に、他の同様なファイバーとともに収集されることができる。
【0013】
電気導電コーティング、コアまたは層がファイバー上に、または、その中に堆積されることができるさまざまな方法がある。例えば、電気導電コーティング、コアまたは層は、気相において少なくとも部分的に堆積されることができる。別の形態として、電気導電コーティング、コアまたは層は、溶融金属材料をファイバーに加えて、および、前記金属材料が前記導電層またはコーティングを形成するために凝固することを可能にすることによって堆積させることができる。別の方法は、無電解メッキ、電気メッキまたは両方の組合せによってコーティング、コアまたは層を加えることである。例えば、第1の層(または複数の層)は、電気メッキによって堆積され得て、次の層(または複数の層)が無電解メッキによって堆積されることができる。これは、全体のメッキ工程のより大きなコントロールを可能にする。
【0014】
コーティング、コアまたは層は、銀、金、銅、アルミニウム、クロミウム、ニッケル鉄、ガリウム、インジウムおよびスズ、および、上述した1つ以上を含む合金、並びに、導電性ポリマー、電解液(electrolytes)およびコロイドをも含む金属のうちのいずれかを含み、しかしこれに限らず、いかなる適切な導電材料からも選択されることができる。ファイバーは、炭素繊維、ガラスファイバー、鉱物のファイバー、セラミック繊維、ポリマーファイバー、および、金属ファイバーを含んでいる繊維強化複合材料の構造にて使われることができるいかなる適切なファイバーもありえる。
【0015】
1つの配置において、制限アセンブリ(limit assembly)は、補強しているファイバーの1つ以上の電気的特性を選択的に変調させるための手段を含む。それは、第1の、コア、ファイバーのグループは、例えば空間の誘電率を調整するために、ファイバーの第3のスペーサグループによって、第2のスクリーングループから間隔を置いて配置されることができる。それは、電気的特性を変調させている材料が中に導入されることができるかまたはそこから取り除かれることがなされることによるものである。
【0016】
本発明は、また、異なるファイバーのハイブリッドな織りを使用する材料に及ぶ。例えば、材料に特定の材料特性を添えるために、異なる材質、ディメンション、および、中空またはソリッドであるファイバーの混合物があることができる。
【0017】
マトリックス材料は、電気絶縁である適切な材料が、好ましくは、具備されている。マトリックス材料は、ポリマー、エラストマ、金属およびセラミックまたはこれらの混合物でありうる。
【0018】
「電気導電」および「電気的に絶縁」等の用語は、相対的なものであり、有効な電気信号が前記電気導電ファイバーの1つまたは集合によって所望の信号またはパワー経路に沿って伝えられることを意味するように、解釈されるものである。
【0019】
「金属」という用語は、単に純金属だけではなく合金をも含むように用いる。また、半導体およびセミメタリックは、含まれる。
【0020】
上記の電気的な回路アセンブリは、それが予定にされる特定の応用に対応して、多くの形状をとることができる。それで、例えば、電気的な回路アセンブリは、各々、前記デジタル入出力端末の間のデジタル信号を通している複数の導電ファイバーを提供しているアセンブリによって、デジタル信号を入力および/または出力するそれぞれのデジタル入出力端末を有する電気的コンポーネントを含むことができる。
【0021】
回路アセンブリが2つの間隔を置かれたアナログ電気的な回路コンポーネント、および、アセンブリが主にデジタルコンポーネントに出入りする信号を伝えるかまたは変調させるアナログセンサを含む実際にハイブリッド配置を具備することができるように、本発明は、当然に、デジタル電子的コンポーネントの使用に限定されない。
【0022】
導電ファイバーは、単に信号を導通することができ、または、別の好ましい実施態様で、それらは作動中のセンサを形成する。この配置において、複数のファイバーおよびマトリックス材料を具備しているファイバー強化プラスチック材料から形成される構造コンポーネントは、提供される。そこにおいて、前記ファイバーの少なくともいくつかは、電気導電であり、前記コンポーネントは、更に、電気的な特性、例えば電気導電ファイバーの少なくともいくつかの、または各々の電気的な連続性を監視する電気的監視手段(electrical monitoring means)を含んでいる。このことにより、前記構造コンポーネントの構造的な健全性の表示を提供する。
【0023】
このように、配置は、構造コンポーネントが曝されるさまざまな物理的、化学的、電気的または電磁気的な影響をモニタすることができる。
【0024】
別の態様において、本発明は、複合ファイバー材料から形成され、および、多重の電気導電経路を中で規定している構造コンポーネントを提供する。そこにおいて、複合ファイバー材料は、複数の補強しているファイバーを具備し、それはマトリックス材料と少なくとも部分的に表面コンタクトしている実質的にすべてである。そこにおいて、前記多重の導電経路は、1つ以上の電気伝導ファイバーによって各々規定され、それは前記マトリックス材料と少なくとも部分的に表面コンタクトしている実質的にすべてである。それによって、導電ファイバーは、補強要素および電気的な導線として役に立つ。
【0025】
更なる配置において、調整可能な構造は、電気的特性が選択的に変化されうるファイバーによって挿入される1つ以上の電気導電ファイバーから形成される間隔を置かれた導電領域を含む。それで、ファイバーは、中空のファイバーに選択的に導入されるかまたはそれから取り除かれる電気的に変調する材料であることができる。
【0026】
別の配置において、導電ファイバーは、作動中のセンサ、例えばアンテナの部分を形成することができる。ここで、導電ファイバーは、単純な2極(ダイポール)またはアレイにまたはそれから信号を通すことができる。これらのダイポールまたはアレイは別々でありえて、または、それらは最適に構成された電気導電ファイバーを具備することができる。別の配置において、導電ファイバーは、周波数選択構造(FSS)をなすために構成されることができる。後者の場合、本発明に係る複合構造は、関連する波長を通過するように間隔を置かれる電気導電トラックを有するレードーム(radome)として例えば役に立つように提供されることができる。
【0027】
さらに別の配置において、導電ファイバーは、1つ以上が問合せ信号(interrogation signal)を生成するために使用され、および、残っている電気導電ファイバーの1つ以上が前記問合せ信号に対するレスポンスを検出するために使用されるように、配置されることができる。
【0028】
別の態様において、本発明は、マトリックス材料の複数のファイバーを具備しているファイバー複合材料を提供する。そこにおいて、前記ファイバーの1つ以上は、互いから電気的に絶縁された、分離した電気的な導線を提供する電気導電である。そこにおいて、前記ファイバーの外径は100μm未満である。
【0029】
本発明は、また、ファイバー複合材料の電気導電ファイバーとして使用するための中空のファイバーに及び、前記ファイバーは、内部コーティング、コアまたは電気導電材料の層を有している。そして、外側の直径は、100μm未満である。
【0030】
さらに別の態様において、本発明は、電気導電ファイバーを作る方法を提供する。そして、それは、100μm未満の外径を有し、および、その内部にコーティング、コアまたは金属材料の層を堆積している中空のファイバーを選択することを具備する。
【0031】
金属材料は、いくつかの異なる方法にて、堆積することができる。その方法は、電気導電コーティング、コアまたは層を提供するために、電気メッキおよび/または無電解メッキ、気相堆積(化学的気相成長または蒸着を含む)によって、液相析出法によって、または、融解若しくは液体材料にファイバーの内部を接触させることによって、なされる1つ以上を含んでいる。他の材料が流体コーティングまたはコアを残すことができる反面、それで、溶融材料はコーティング、コアまたは層を残して凝固することができる。他の金属または合金は、液体相(例えばGalinstan)のままでありえる。
【0032】
本発明は、次の明細書、および、実施例、添付の図面を参照することで、より適切に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、複合クーポン(composite coupon)を浸透させる配置の概略図である。
【図2a】図2aは、本発明の実施形態にてオーミックを使用する結合の構成の詳細図である。
【図2b】図2bは、本発明の実施形態にてコンタクトレスの容量性結合を使用する結合の構成の詳細図である。
【図2c】図2cは、本発明の実施形態にてコンタクトレスの誘導結合を使用する結合の構成の詳細図である。
【図3】図3は、航空機の延長した表面積上の監視センサに対する本発明の配置の使用の概略図である。
【図4a】図4aは、中心コア導線が伝送特徴が変化されることを可能にする中間体ファイバーによってコアから間隔を置いて配置されるスクリーニングファイバーの層によって囲まれる複合構造の概略図である。
【図4b】図4bは、スクリーニングした導線、および、適切なマニホールドの1つの詳細な端部図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の実施例では、中空のファイバーは、内部に電気導電コーティング、層またはコアを提供される。それで、ファイバー複合材料が経路に信号、パワーなどを提供するために、それを介して実行される電気導電ファイバーを有するように作られることができる。このようにして、ファイバー複合構造は、ファイバー内に完全に収容されている電気導電領域によって、外部のファイバーとマトリックス材料との間の界面が影響を受けないことを提供されることができる。
【0035】
金属化技術
CVD
気相式金属堆積方法は、被覆材料の粘性が液体相より数桁低い大きさであることが、魅力的であると考えられる。相対的に高い流量が適度の圧力で達成されることができるので、これは非常に小さいコンポーネントの中への活性材料の浸潤を単純化する。上昇された温度(250°C)で水素または酸素の銀のピバル酸塩の還元に基づくポテンシャルCVDテクニックは、「bourida M, Guillon H, Jimenez C, Decams J M, Valet 0, Doppelt P, Weiss F, “Process for the deposition by Process for the deposition by CVD of a silver film on a substrate” 米国特許20070148345」に記載されている。
【0036】
液体金属
液体金属による直接の溶浸は、金属のコア化されたファイバーを作成する単純な、および、直接のアプローチを提供する。ファイバー、および、複合物がダメージの危険なしに処理されることがありえるように、都合よく低い融解点によって金属を使用することは、望ましい。
【0037】
タケヤスその他によって記載されているように、適切なメッキテクニックは、グリセリンによってクロロ金酸溶液(HAuCl4)の還元を使用する。「Takeyasu N, Tanaka T and Kawata S, “Metal deposition into deep microstructure by electroless plating”,日本応用物理学会誌、44、N0.35、2005、pp.1134―1137」。
【0038】
記載されているメッキ工程は、次のコンポーネントを使用する:
めっき液=脱イオン化(DI)水中にて 0.024M HAuCl+0.75M NaOH+0.086M NaCl
還元剤=DI水中にて 0.5%vol.グリセリン
増感剤=DI水中にて 26mM SnCl2+70mMトリフルオロ酢酸(TFA)
実施例1
図1を参照し、フルスケールのファイバーの溶浸が調査されるように、長さ30−40mm、幅10−15mm、厚さ2−3mmの寸法の短い複合クーポン18が準備された。複合物は、0°/90°での織物を使用して作られ、それで、クーポンの長い端部20は、90°方向に流れているファイバー内への材料の進入を妨げるようにシールされる。ポリカーボネートリザーバ22、および、圧力フィッティング24は、材料の導入または除去を容易にするために、クーポンの開いた端部のうちの1つを通じて結合される。単一のファイバー試験片によって、この構成が、材料にキャピラリアクションによって、または、正および負の圧力差動装置を用いることによって導入されることを可能にする。
【0039】
複合試験片は、フルスケールで金溶液のメッキ反応を調査するために用いられた。リザーバは、増感剤を充填され、および、これは、試料の開いた端部が湿っているのを見られるまで、2.5バール(bar)のドライ窒素の使用を介して吹きつけられた。2.5バールの典型的な充填時間は、長さ40mmのパネルに対して5−10秒のオーダであった。過剰な増感剤は、ピペットによってリザーバから取り除かれて、および、DI水に置き換えられ、そこでリザーバが空になるまで、吹き付けられた。いかなる過剰な増感剤も確実に取り除かれたことに確保しようとして、水洗プロセスは、第2の時間、繰り返された。残りの流体の大部分が放出されたことを示しているバブルがパネルの開いた端部に見られるまで、吹込みは続けられた。新たに準備された6X金/エチレングリコール水溶液はリザーバに導入され、および、前のように、2.5バールのドライ窒素を使用して吹込みは始まられた。壁が数秒で黒くなったように、反応はリザーバにおいてすぐ始まるのを見られた。その小さいサイズ、および、狭い誘導ポートのために完全にリザーバをすすぐことが困難であるように、これがおそらく過剰な増感剤の存在に起因したと思われた。吹込みは数分間続けられ、および、パネルは短い時間でピンクの外観をとることが観測された。ほぼ5分後に、吹込みは中断され、および、リザーバは圧力差動装置を取り除くために排気された。リザーバは、複合パネルであった過剰なめっき液をなお充填され、および、いかなる残された金属もメッキされるように試料は2時間この状態におかれた。この間に、ピンクの色彩は、次第により強くなった。ピペットにも観測される薄い金膜が、金属外観をとる前のピンク/紫の呈色を示したように、この変色は金がファイバー上へメッキされたという指示としてとられた。
【0040】
実施例2
2回目の試験は、増感剤によってリザーバのコンタミネーションを回避する電位法(potential method)を調査するために実行された。先の観測は、長さ100mmのパネルを浸透させるのにほぼ8分かかることを示した。増感剤は、浸漬によって複合パネルの開いた端部から導入され、および、10分は溶浸のために可能にされた。キャピラリアクション(capillary action)による溶浸がリザーバ内部でパネルの最遠端部で自動的に止まるように、リザーバのコンタミネーションは回避された。充填の後、前にように、増感剤は2.5バールの窒素を使用して吹き飛ばされた。リザーバは、それでDI水を充填されて、および、パネルを洗い落す(rinse out)ために吹きつけられた。2回のリンスは、前のように実行された。リザーバは、めっき液を充填されて、および、ほぼ4分吹きつけられた。パネルは、ほぼ直ちに開いた端部から変色し始め、ほぼ5分でパネルの他端へ紫色が進行した。変色は、それがピペットに対して観測されてそれと類似の率で暗くなり続け、充填の最初のほぼ20〜30分後リザーバの残留物流体において観測されなかった。パネルは、メッキを終えるために、終夜めっき液で全部をそのままにされた。複合パネルは、最初の試みの後よりかなり暗く、および、リザーバは修正された充填法が成功していて、および、ポテンシャル金属の大部分がファイバー上へ堆積したことを示唆している変色およびメッキがほぼ完全に無くなった。
【0041】
消耗されためっき液は、吹き飛ばされて、および、新しい溶液に置き換えられた。パネルは、浸透して、および、再び、数時間おかれ、変色はファイバーが最終的に黒くみえて次第により暗くなった。パネルの開いた端部近くの検査は、それらがわずかな金属光沢以外黒いことを明らかにし、これらもコーティングされたことを所々で示唆した。デジタル電量計(DVM)は、パネルの端部、および、測定可能なもの以外の、高さ全体に、配置され、レジスタンスは、常時接続が形成されていたことを示唆して記録された。
【0042】
実施例3,4および5
3つのコンセプト実証機(デモンストレータ)は、材料のポテンシャル使用を調査するために作られた。それらの直径が実際のシステムで使用するガラスファイバーと同じオーダーであるように、これらの実証機が表示する導電性の構造としてNiコーティングされた炭素繊維を使用した。第1のパネル(実施例3)が、多重の平行の電気導電経路を組み込む能力を示して、および、ポテンシャル接続方法を調査するために、および、電気的試験のために使われた。導電性のピンは、直接導電経路を規定しているそれぞれの導電性のファイバー牽引の位置の上の表面に垂直の小さい穴を穿設することによって、パネルに追加された。金メッキの半田ピンは、電気的なコンタクトを形成するために穴に押してはめ込まれた。ピンのいくつかは、付加されたローブスト性(robustness)のために銀がロードされた導電性のエポキシ樹脂を使用しているパネルにも結合された。
【0043】
第2のパネル(実施例4)は、3つの平行な電気的な経路を与えるように構成された。これらは、パネル端部上に組込コネクタを介してアクセス可能であった。パネルは、9Vのバッテリ、および、LEDを用いたパワーを伝える材料の能力を示した。双色(赤/緑の)LEDは、多重のパワーレールを伝える能力を示すために用いた。
【0044】
第2の実証機は、材料を介してデータを移送する実現可能性を調査するためにも用いた。3つの導電経路によって、パネルが両方向のRS232コンパチブルシリアルデータ列を伝えるように構成されることを可能にした。テキスト、および、データファイルは、56kbit/sまでの速度で2台のラップトップコンピュータ間で移送された。
【0045】
導線の信号伝送特性は、1つの端部で正弦波信号を注入することによってテストされて、および、最遠端部で減衰または劣化のサインをモニタリングする。試験セットアップは信号線、および、戻りラインとしてX平面上の2つの隣接するトラックを使用し、および、出力は56Ω負荷にて測定された。
【0046】
導電エレメントが他の回路またはコンポーネントに電気的に結合されることができる異なる方法がいくつかある。例えば、図2aに示されるように、例えば導電ファイバー42と直接的に物理的なコンタクトにて、および、複合物から延びる端末40を提供することによって、結合がオーミックでなされる。別の形態として、図2b、および、2cに示されるように、容量性または誘導性の結合部材44または46によって、コンタクトレスで結合される。このような配置の利点は、例えば、もし元々の導電ファイバーがダメージを受けるならば、結合部材が電気的な回路を再構成するために必要に応じて新しい位置を定められることができるということである。結合部材は、下にある導電ファイバーと必要な電気的な継手を提供するために永久に、または、半永久に複合材料に接着でありえる接着パッドの形状をとることがありえる。
【0047】
こうして形成される回路が、いくつかの場合で、パワーを伴って、アナログまたはデジタルデータ信号を共に送信するのに使われることができる。例えば、データ信号は、キャリア上へ変調することができ、および、キャリアはパワーソースを提供するために調整されることができる。こうして形成される回路が、従来の電源またはデータ転送以外の多数の目的使われることができる。それで、例えば、図3に示されるように、空力研究または空力コントロールで、表面センサ50のアレイは構造および/または空力環境に関する1つ以上のパラメータを検出するために航空機上の複合エレメント52の露出した表面に提供されることができ、および、複合エレメントの中で電気導電ファイバー54によって装置56をモニタリングするために接続される。センサ50と電気導電ファイバー52との間で誘導性または容量性結合の使用は、簡単な再構成、および、セットアップを可能にする。
【0048】
必要であれば回路がルート変更されることができるように、複合物上の導線のアレイの提供によって冗長性(redundancy)が中で構築されることを可能にする。導線は、複合材料を加熱して、および、それで防氷をすることを提供するか、または本体の赤外線特性を修正されることを可能にするために使用されることができる。
【0049】
図4に示されるように、高周波電気信号の伝送または処理のための複合構造60は、特別に信号経路に沿った電気的な特性が修正されることを可能にするように設計される。それで、そこの横断面には、炭素繊維外側のスクリーニングまたはグラウンド導線スキン62、および、中心コア導線64があり、ファイバー66を充填される中心コア導線とスクリーニングの間のボリュームを有する。これらの中間体ファイバー66は、固体若しくは中空またはその両方の混合物であることができる。いくつかのファイバー66が中空である所で、導線のインピーダンスまたはキャパシタンスはマニホールドシステム68を介して前記中空ファイバーに、または、それから適切な流体材料を導入するかまたは取り除くことによって修正されることができる。このように、異なる誘電率の材料は、インピーダンス、および、それで伝播特性を変化させるように、コア導線64と外側のスクリーン導線スキン62との間の空間のファイバーに、選択的に導入されることができる。それで、構造は、伝送ラインの電気的および材料特性を調整するために「調整される(tuned)」ことができる。
【0050】
ここで記載されている装置および方法が複合ファイバー構造が純粋に構造的であるより別の機能を実行するために構成される他の技術によって用いられることができることはいうまでもない。例えば、ここで記載の装置および方法は、設備によって構造的な健全性を監視および/または自己修復を、例えばシールドが可能なインテリジェント構造をなす他の技術、および、輻射および/または可能な構造の検出と組み合わせられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的な回路アセンブリであって、
2つ以上の導電経路によって電気的に結合される、間隔を置かれた電気的コンポーネントを具備し、
前記電気的コンポーネントの各々は、複数の補強しているファイバーおよびマトリックス材料を備えている繊維強化複合材料の部分を形成する電気導電ファイバーを含んでおり、
前記電気導電ファイバーの実質的に全て、および、前記補強しているファイバーの実質的に全ては、前記マトリックス材料と少なくとも部分的に表面結合のコンタクトをしており、それによって、前記導電ファイバーも、ファイバーを補強することに役立っている、電気的な回路アセンブリ。
【請求項2】
前記導電ファイバーの各々は、電気導電表面を有する請求項1に記載の電気的な回路アセンブリ。
【請求項3】
前記導電ファイバーの各々は、中空であり、
前記電気導電表面は、前記ファイバーの内部上で電気導電コーティング、コアまたは層を備えている、請求項2に係る電気的な回路アセンブリ。
【請求項4】
前記電気導電コーティング、コアまたは層は、各ファイバー上に無電解メッキ層および/または電気メッキを施された層を備えている、請求項1または請求項2に記載の電気的な回路アセンブリ。
【請求項5】
前記ファイバーまたは各ファイバーは、電気導電材料から作られる、請求項1に係る電気的な回路アセンブリ。
【請求項6】
前記補強しているファイバーの1つ以上の電気的特性を選択的に変調させる手段が、提供される、先行する請求項のいずれか1項に係る電気的な回路アセンブリ。
【請求項7】
導電コアを規定している電気導電ファイバーの第1のグループは、電気的なスクリーンを規定している電気導電ファイバーの第2のグループから、電気絶縁ファイバーの第3のグループによって、間隔を置いて配置され、
前記第3のグループの少なくともいくつかのファイバーは、電気的特性を変調させる材料が選択的に前記第3のグループの前記ファイバーに導入されるか、または、取り除かれることを可能にする中空である、請求項6に係る電気的な回路アセンブリ。
【請求項8】
前記電気的特性を変調させる材料は、前記第3のグループの前記ファイバーの誘電率を調整することを有効とする、請求項7記載の電気的な回路アセンブリ。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に係る電気的な回路アセンブリを組み込んでいる構造コンポーネント。
【請求項10】
前記導電経路の1つ以上に接続される少なくとも1つの電気的なセンサまたは変換器をさらに具備する請求項9に記載の形成される構造コンポーネント。
【請求項11】
ファイバー複合材料であって、
マトリックス材料の複数のファイバーを具備し、
前記ファイバーの1つ以上は、互いから電気的に絶縁される、分離した電気的導線を提供するように、電気的に導電であり、
前記ファイバーの外径は、100μm未満である、ファイバー複合材料。
【請求項12】
ファイバー複合材料の電気導電ファイバーとして使用するための中空ファイバーであって、
前記ファイバーは、内部に電気導電材料のコーティング、コアまたは層を有しており、
前記ファイバーの外側の直径は、100μm未満である、中空ファイバー。
【請求項13】
電気導電ファイバーを作る方法であって、
100μm未満の外径を有している中空のファイバーを選択することと、
内部に金属材料のコーティング、コアまたは層を堆積させることとを具備する方法。
【請求項14】
前記金属材料の堆積は、無電解メッキの工程を含む請求項13に係る方法。
【請求項15】
前記金属材料の堆積は、電解メッキの工程を含む請求項13に係る方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2011−528841(P2011−528841A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517239(P2011−517239)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050799
【国際公開番号】WO2010/004323
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(390038014)ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− (74)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
【Fターム(参考)】