説明

電気絶縁ケーブル及びそのケーブルとハウジングの接続構造

【課題】シースに、ポリアミド樹脂との熱融着性をもたせてポリアミド樹脂製ハウジングの射出成形と同時にハウジングとの間に高信頼性の防水接続部を作り出せるようにした電気絶縁ケーブルを提供する。
【解決手段】シースbを、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマが重量比で80:20〜10:90の範囲の割合で含む混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体で形成する。このケーブルAは、端末部のシースを取り巻く位置にポリアミド系エンジニアリングプラスチックのハウジングを射出成形して設けると、シースbがハウジングHに融着してハウジングとの界面の気密封止が確実になされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シースに、ポリアミド樹脂或いはポリエステル樹脂との熱融着性をもたせた電気絶縁ケーブルと、このケーブルを用いてポリアミド樹脂製ハウジング或いはポリエステル樹脂製ハウジングとの間に高信頼性の防水接続部を安価に形成するための接続構造に関し、特にポリアミド樹脂との熱融着性をもたせた電気絶縁ケーブルと、このケーブルを用いてポリアミド樹脂製ハウジングとの間に高信頼性の防水接続部を安価に形成するための接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
カーエレクトロニクス化の進展に伴い、アンチロックブレーキシステム(ABS)など各種の制御システムが自動車に搭載されるようになった。一般に、その制御システムは、温度、速度、圧力等の物理量を電気信号に変換するセンサ部、そのセンサ部で発生した信号を演算処理するECU(Electric Control Unit )、そしてECUの出力信号によって作動するアクチュエータ部からなっている。
例えば、上記のABSの場合、車輪の近傍に車輪の回転速度を検出する速度センサが取り付けられ、速度センサで発生した電気信号をケーブルでECUに伝送し、ECUで演算処理した電気信号をケーブルでアクチュエータに伝送してアクチュエータを作動させる方法が採られている。
【0003】
車輪の速度を検出する速度センサには、電磁ピックアップ方式の回転センサやホール素子を用いたセンサが用いられるが、上記の速度センサは自動車の走行中に被水する環境で使用されるため、車輪速センサ自身はもとより、センサとケーブルの接続部にも防水性が要求される。
【0004】
ここで、車輪速センサのハウジングには、寸法精度や機械的強度、成形加工性などの観点から、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、6T−ナイロン(芳香族ナイロン)等のエンジニアリングプラスチックが選定され、これ等の樹脂が要求仕様によって使い分けられている。
【0005】
一方、車輪速センサとECUを接続するケーブル(センサケーブル)としては、図2に示すように、導体とポリ塩化ビニルや難燃ポリエチレンの絶縁体とから成る絶縁電線aの外周をシースbで覆ったものや、図3に示すように、絶縁電線aの外周に中間層cを形成し、その外周をシースbで覆ったものが使用されている。このケーブルAのシースには、柔軟性、耐摩耗性、耐屈曲性、耐水性等の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマ組成物の架橋体が主に用いられているが、これは、前述のエンジニアリングプラスチックに対して熱融着しない。このため、センサとケーブルの接続部の防水は、シール部品を用いて行われていた。
【0006】
図4は、車輪速センサとケーブルの接続部の従来例である。このように、従来は、ケーブルAの外周に一旦、Oリング等のシール部品Bを装着した後、センサCのハウジングHを射出成形する方法でセンサとケーブルを接続しているが、この方法ではOリング等のシール部品と、この部品を予めケーブルに装着する工程が必要になり、コストアップが避けられない。
【0007】
そこで、かかる問題点の解決策として、センサのハウジング材にPBT樹脂を選定し、ケーブルのシース材に熱可塑性ポリエステルエラストマの架橋体を用いることでPBT樹脂の射出成形時にハウジングとケーブルを熱融着させ、接続部の防水性を確保する方法が提案されている(特願平7−194480号)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の熱可塑性ポリエステルエラストマの架橋体を用いたケーブルは、6−ナイロンや、6, 6−ナイロン等のポリアミド系エンジニアリングプラスチックのハウジング材に対してはシースが熱融着せず、界面の封止が不十分になって所定の防水性能が得られないのみならず、PBT樹脂等のポリエステル系エンジニアリングプラスチックのハウジング材に対しても長期にわたる耐久試験では防水性が低下する傾向があることが判明した。
【0009】
この発明は、確実な界面封止を安価に行うために、ポリアミド系エンジニアリングプラスチックに対してシースが熱融着するケーブルを開発して提供すること、およびポリエステル系エンジニアリングプラスチックに対して長期的な防水性を改良したケーブルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは上記の問題点につき鋭意検討した結果、次に示す知見、特にシース層として熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを含む混合物を主体とする樹脂組成物を用いた電気絶縁ケーブルに関する知見を得、本発明を完成するに至った。
【0011】
1)熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマを重量比で80:20〜20:80の範囲の割合で含む混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体でケーブルのシースを形成すれば、センサーケーブルとしての耐摩耗性や耐屈曲性等の要求特性を損なうことなく、ポリアミド系のエンジニアリングプラスチックをハウジング材として用いた場合も、接続部の防水性が得られるのみならず、ポリエステル系のエンジニアリングプラスチックをハウジング材として用いた場合には、熱可塑性ポリエステルエラストマ単体を主体とする樹脂組成物をケーブルシースに用いた場合に比べ、長期にわたり防水性を維持できる接続部を形成することができること。
【0012】
2)熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを重量比で80:20〜10:90の範囲の割合で含む混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体でケーブルのシースを形成すれば、センサーケーブルとしての耐摩耗性や耐屈曲性等の要求特性を損なうことなく、ポリアミド系のエンジニアリングプラスチックをハウジング材として用いた場合も、接続部の防水性が得られること。
【0013】
さらに、前記1)あるいは2)に示される混合物を主体とする樹脂組成物に、ポリブロモジフェニルエーテル以外の難燃剤を配合して難燃化した樹脂組成物の架橋体でケーブルのシースを形成すれば、優れた難燃性も合わせて得られることも見出した。
【0014】
本発明にいう熱可塑性ポリウレタンエラストマとは、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネートとエチレングリコール等の短鎖ジオールの縮合重合体により構成されるポリウレタンのハードセグメントと、2官能性ポリオールからなるソフトセグメントがブロック共重合されたポリマーであり、ソフトセグメント(2官能性ポリオール)の種類により、ポリエーテル系、カプロラクトンエステル系、アジペート系、ポリ炭酸エステル系などの種類がある。
【0015】
一方、熱可塑性ポリエステルエラストマは、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の結晶性ハードセグメントと、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシメチレングリコールから構成される非晶性ソフトセグメントもしくはポリカプロラクトングリコール等のポリエステルグリコールから構成される非晶性ソフトセグメントをブロック共重合させたポリマーであり、この発明では非晶性ソフトセグメントがポリオキシメチレングリコールから成るもの、即ちポリエーテル系のものが樹脂組成物の柔軟性の点で好ましく使用できる。
【0016】
また、熱可塑性ポリアミドエラストマは、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等の結晶性ハードセグメントとポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシメチレングリコールから構成される非晶性ソフトセグメントをブロック共重合したポリマーが樹脂組成物の柔軟性の点で好ましく使用できる。
【0017】
熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比は、重量比率で80:20〜20:80の範囲とする。熱可塑性ポリウレタンエラストマの含有比率が80wt%を越えるとポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチックと十分な熱融着性が得られず、逆に熱可塑性ポリエステルエラストマの含有比率が80wt%を越えても、ポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチックと十分な熱融着強度が得られない。
【0018】
熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合比は重量比率で80:20〜10:90の範囲がポリアミド系のエンジニアリングプラスチックとの熱融着性の点で好ましく、上記の範囲を越えて熱可塑性ポリウレタンエラストマの比率が高いとポリアミド系のエンジニアリングプラスチックと十分な熱融着性が得られない。逆に上記の範囲を越えて熱可塑性ポリアミドエラストマの比率が高くても、ポリアミド系のエンジニアリングプラスチックと十分な熱融着強度が得られない。
【0019】
また、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド系エンジニアリングプラスチックを射出成形してハウジングの成形とともにケーブルを封止接続する場合、ポリアミド系エンジニアリングプラスチックの成形温度がおよそ240〜320℃であるため、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物或いは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物から成る樹脂組成物の成形温度を越えてしまい、ケーブルのシースが溶融して形状を保持できなくなる。また、PBT等のポリエステル系エンジニアリングプラスチックを射出成形してハウジングの成形とともにケーブルを封止接続する場合、ポリエステル系エンジニアリングプラスチックの成形温度がおよそ240〜300℃であるため、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物からなる樹脂組成物の成形温度を越えてしまい、同様の問題が発生する。この問題はシース材として用いる熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物或いは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物を架橋することによって解決できる。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の分子内に炭素−炭素二重結合を複数個有する多官能性モノマーを配合し、加速電子線やガンマ線等の電離性放射線を照射する等の方法によって架橋すれば、融点を越える温度に晒されても、シースの形状保持が可能となる。
【0020】
熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物或いは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物の架橋は、この他に、有機過酸化物を用いる熱加硫法や、上記混合物にアルコキシシランを予めグラフトしておき、これを有機錫系化合物等の触媒の存在下に、水あるいは水蒸気に接触させて架橋するいわゆる水架橋法も適用可能であるが、主に架橋処理速度の観点から、加速電子線等の電離放射線の照射を用いる方法が簡便であり、かつ生産性も高い。
【0021】
熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物或いは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物は可燃性であり、ケーブルのシースや中間層に適用するためには難燃化する必要がある。その難燃化の手法としては、ポリブロモジフェニルエーテルやエチレンビス臭素化フタルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミド、パークロロペンタシクロデカン等のハロゲン系の有機系難燃剤や、リン系、窒素系の有機難燃剤のほか、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤を配合する方法が知られており、この方法で難燃化した樹脂組成物をケーブルのシースや中間層に適用すれば、JASO規格(日本自動車規格)の燃焼試験に合格する安全性の高いケーブルを得ることができる。
【0022】
ここで、ケーブルのシースと、ハウジング材として利用するポリアミド系熱可塑性エンジニアリングプラスチックの熱融着強度は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物或いは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物に配合する難燃剤の種類によって影響を受ける。難燃剤として、エチレンビス臭素化フタルイミドやビス(臭素化フェニル)エタンやビス(臭素化フェニル)テレフタルアミド等を使用すると、ポリアミド系樹脂のハウジング材或いはポリエステル系樹脂のハウジング材とケーブルシースが強固に熱融着するのに対し、難燃剤にデカブロモジフェニルエーテルやオクタブロモジフェニルエーテル等のポリブロモジフェニルエーテルを使用すると、ハウジング材とケーブルシースの熱融着強度が不十分になる。
また、ケーブルのシースと、ハウジング材として利用するポリエステル系熱可塑性エンジニアリングプラスチックの熱融着強度は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物に配合する難燃剤の種類によって影響を受ける。難燃剤として、エチレンビス臭素化フタルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミド等を使用すると、ポリエステル系樹脂のハウジングとケーブルシースが強固に熱融着するのに対し、難燃剤にデカブロモジフェニルエーテルやオクタブロモジフェニルエーテル等のポリブロモジフェニルエーテルを使用すると、ハウジング材とケーブルシースの熱融着強度が不十分になる。
【0023】
この難燃剤の種類による熱融着強度への影響は、シース材として用いる樹脂組成物の架橋度を高めるほど顕著になる傾向がある。前記のように、ポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチックの射出成形温度の点からケーブルシースは架橋する必要があるが、難燃剤としてデカブロモジフェニルエーテル等のポリブロモジフェニルエーテルを添加した樹脂組成物でシースを形成したケーブルは、成形時にシースの保形が確実になされるところまで架橋度を上げると、ハウジング材とシースの界面の十分な熱融着強度が得られなくなり、防水機能も著しく低下してしまう。
【0024】
これに対し、エチレンビス臭素化フタルイミドやビス(臭素化フェニル)エタンやビス(臭素化フェニル)テレフタルアミド等の難燃剤を使用した場合には、ポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチックの射出成形時にケーブルシースの形状が保持できるようになるまでシースの架橋度を上げても、ハウジング材とシースが強固に熱融着し、所定の防水性能が得られるという特異な効果をもたらすようになる。
【0025】
熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物、あるいは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物には、他の特性を損なわない範囲で既知の熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマを含んでも良い。また、これ等の樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、加水分解抑制剤等の各種の安定剤や、補強剤、充填剤、着色剤等の既知の配合薬品を添加することも可能である。
また、原料混合は、バンバリーミキサ、加圧型ニーダ、単軸混合機、二軸混合機、オープンロールミキサ等の既知の混合機を用いて行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、この発明の電気絶縁ケーブルは、シースをポリアミド樹脂或いはポリエステル樹脂、特にポリアミド樹脂との熱融着性を持つように改質したものであるから、ポリアミド樹脂製或いはポリエステル樹脂製、特にポリアミド樹脂製の封止部品を一体化して作られる防水接続部の信頼性向上、組立工程削減及びそれによるコスト低減の効果をもたらす。例えば、車輪速センサのハウジングの形成と同時にケーブルを一体モールドする場合、モールド工程において、ポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチック、特にポリアミド系エンジニアリングプラスチックのハウジング材を射出成形するだけでケーブル接続部の高い防水性能が得られ、自動車分野等での利用価値は非常に大きいものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に実施例をもってこの発明をさらに詳しく説明する。
【0028】
図1に、この発明の電気絶縁ケーブルの使用の一例を示す。ここでは、ケーブルAの絶縁電線aを、本体装置(図のそれは車輪速センサC)のセンサ部の出力端子に接続し、その後ポリアミド系エンジニアリングプラスチック或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチックを射出成形してセンサ部封止用のハウジングHを形成すると同時に、端末部のケーブル外周をハウジングで包み込んでこのハウジングHとケーブルAのシースbを界面で熱融着させた。
【0029】
ケーブルAのシースbは、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマを重量比で80:20〜20:80の割合で混合した樹脂組成物、或いは、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを重量比で80:20〜10:90の割合で混合した樹脂組成物で作られて架橋されている。
【0030】
なお、この発明のケーブルは、絶縁電線が1本のもの(単芯ケーブル)、複数本あるもの(多芯ケーブル)、図2のように中間層の無いもの、図3のように中間層cを有するものの各形態が考えられる。
【0031】
以下に、より詳細な実施例を挙げる。
【0032】
(実施例)
この発明のケーブル(実施例1〜32)と比較用のケーブル(比較例1〜26)を作ってシースの性能比較を行った。
なお、この発明の直接的な実施例は実施例11〜20である。
【0033】
実施例と比較例に用いたケーブルは、シース材の剥ぎ取り作業を容易にするために、シースの内側に、メルトインデックス(190℃、荷重2160g)が0.2以上の熱可塑性樹脂として、メルトインデックスが5であるエチレン酢酸ビニル共重合体からなる中間層(図1又は図3のc)を形成している。中間層の材料に、メルトインデックスが0.2以上の熱可塑性樹脂を選定したのは、シースになる熱可塑性樹脂組成物との共押出しを可能にするためである。
【0034】
先ず、表1〜15に示す成分を各表に示す割合で配合した樹脂組成物を二軸混合機を使用して190℃で混合し、ペレット化した。なお、樹脂組成物中には、各表に記載した成分のほかに、ジフェニルアミン系酸化防止剤1重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート5重量部を共通に配合し、さらに、難燃剤を添加するものには、三酸化アンチモンを15重量部配合した。
【0035】
銅合金導体3/20/0.08、絶縁外径1.7mmφの絶縁電線(イラックスB8;住友電気工業(株)製、商品名)を35mmピッチで2本撚りしたものの外周に、溶融押出機(40mmφ、スクリューの長さLと直径Dの比L/D=24)を使用して、エチレン酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量20wt%、メルトインデックス5)を主体とする樹脂組成物(中間層材)を中間層の外径が4.0mmφになるように、また、表1〜15の樹脂組成物(シース材)を溶融押出機(60mmφ、L/D=24)を使用して、シース層の外径が5.0mmφになるように共押出して被覆した。そして、この被覆物を、加速電圧が2MeVの電子線を照射して架橋し、ケーブルを製造した。
【0036】
次に、試作ケーブルの端末のシースと中間層を剥ぎ取り、さらに絶縁電線の先端の絶縁体を剥ぎ取り、導体をセンサ部の端子に接続した後、センサ部とケーブルを金型内に固定し、ハウジングになる樹脂を次に示すように射出成形した。
【0037】
実施例1〜20および比較例1〜16のケーブルについては6, 6−ナイロン樹脂(2020GC4;宇部興産製)を樹脂温度290℃で、実施例21〜32および比較例17〜26については、PBT樹脂(PBT1101G−30;東レ製)を280℃で成形した。
【0038】
このようにして得られた成型品の各々について、ケーブルとハウジングの熱融着性を次のようにして評価した。まず、初期特性については、成型品(各5個)を陰イオン系界面活性剤を少量添加した室温の水中に24時間浸漬した後、浸漬状態を維持してケーブルの導体と水の間の絶縁抵抗(測定電圧DC500V)を測定し、100MΩ以上のものを合格と判定した。
【0039】
また、熱衝撃(ヒートサイクル)後の特性として、成型品(各5個)を−40℃で1時間放置の後、120℃で1時間放置する熱衝撃を100サイクル繰り返し、その後、陰イオン系界面活性剤を少量添加した室温の水中に24時間浸漬し、しかる後、浸漬状態を維持してケーブルの導体と水の間の絶縁抵抗(測定電圧DC500V)を測定して初期品と同じく100MΩ以上の絶縁抵抗を示すものを合格と判定した。
【0040】
上記の100サイクルの熱衝撃で5個とも合格した試料については、さらに熱衝撃試験を1000サイクルまで継続し、同様に絶縁抵抗を測定して合否判定を行った。
なお、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体をシースとして形成されたケーブルを用いPBT樹脂で射出成形を行ったサンプルについては、上記に加え300サイクルおよび500サイクルまでの熱衝撃試験も行い、同様に絶縁抵抗を測定して合否を判定した。
【0041】
以下に、試験結果をまとめる。
−試験結果−
以下の、実施例1〜10及び比較例1〜10は、シース層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体で形成されたケーブルを用い、前記の6, 6−ナイロン樹脂で射出成形を行った成型品についての結果である。
【0042】
実施例1〜8
実施例1〜8は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマを80:20〜20:80(重量比)の範囲で混合した樹脂組成物によってケーブルシースを形成した場合であり、初期および熱衝撃100サイクルでは、表1、2に示すように、各例とも5個が全品合格している。また、熱衝撃1000サイクルでは、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比が70:30〜40:60の範囲にあるものが5個とも合格しており、特に高い防水性が得られていることがわかる。
【0043】
比較例1
比較例1は、ベースポリマーが、ソフトセグメントがポリエステル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマ単体である樹脂組成物でケーブルシースを形成した場合であり、外見上はケーブルのシースとハウジングの界面は融着していたが、防水試験による絶縁抵抗の測定を行うと5個中、3個が不合格であった(表3参照)。
【0044】
比較例2〜4
比較例2〜4は、ソフトセグメントがそれぞれポリエステル系、ポリエーテル系、ポリ炭酸エステル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマ単体のベースポリマーをそれぞれ難燃化した樹脂組成物をケーブルシースに使用したものであるが、成型品の防水試験では表3から判るように初期から不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていない。
【0045】
比較例5
比較例5は、ソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリエステルエラストマからなる樹脂組成物をケーブルシースに使用した場合であり、ケーブルシースとハウジングの界面は外見上も全く融着しておらず、表4に示すように、成型品の防水試験では5個とも不合格であった。
【0046】
比較例6〜8
比較例6〜7はソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリエステルエラストマを難燃化した樹脂組成物、比較例8はソフトセグメントがポリエステル系の熱可塑性ポリエステルエラストマを難燃化した樹脂組成物をそれぞれケーブルシースに使用したものであるが、これ等は、表4に示すように成型品の防水試験では初期から不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていない。
【0047】
実施例9〜10
実施例9〜10は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物をそれぞれオクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルで難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形成したものであって、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比についてはこの発明の条件を満たしているが、難燃剤が適切でないために、何れの成型品も表5に示すように、初期の防水試験には合格するが、熱衝撃100サイクル後の防水試験では不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていないことがわかった。
【0048】
比較例9
比較例9は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比を90:10(重量比)にした混合物を難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形成したものである。これは、成型品の防水試験において初期段階で5個中3個が不合格になっており(表5参照)、所定の防水性が得られていない。
【0049】
比較例10
比較例10は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比を10:90(重量比)にした混合物を難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形成したものであり、得られた成型品の防水試験では、表5に示す通り、初期で5個中4個が不合格になっており、所定の防水性が得られていない。
【0050】
以下の、実施例11〜20および比較例11〜16は、シース層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体で形成されたケーブルを用い、6, 6−ナイロン樹脂で射出成形を行った成型品についての結果である。
【0051】
実施例11〜18
実施例11〜18は、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを80:20〜10:90(重量比)の範囲で混合した樹脂組成物によってケーブルシースを形成した場合であり、初期および熱衝撃100サイクルでは表6、7に示すように、各例とも5個が全品合格している。また、熱衝撃1000サイクルでは、熱可組成ポリウレタンエラストマと熱可組成ポリアミドエラストマの混合比が70:30〜20:80の範囲にあるものが5個とも合格しており、特に高い防水性が得られていることがわかる。
【0052】
比較例11
比較例11は、熱可塑性ポリアミドエラストマ単体からなる樹脂組成物をケーブルシースに使用した場合であり、ケーブルシースとハウジングの界面は外見上も融着していないものがあり、防水試験による絶縁抵抗の測定を行うと、表8に示すように成型品の防水試験では5点中3点不合格であった。
【0053】
比較例12〜14
比較例12〜14は熱可組成ポリアミドエラストマーを難燃化した樹脂組成物をそれぞれケーブルシースに使用したものであるが、これらは表8に示すように成型品の防水試験では初期から不合格になるものが多数出ており所定の防水性が得られていない。
【0054】
実施例19〜20
実施例19〜20はケーブルのシース層にポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの混合物をそれぞれオクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルで難燃化した樹脂組成物を使用したものであり、表9に示すように何れの成型品も初期の防水試験には合格するが、熱衝撃100サイクル後の防水試験では不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていないことがわかった。
【0055】
比較例15〜16
比較例15〜16はポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマの割合が90:10及び5:95(重量比)の混合物を難燃化した樹脂組成物をケーブルシースに使用したものであり、表9に示すように成型品の防水試験では初期で5点中3点あるいは4点不合格になるものが出ており、所定の防水性が得られていないことがわかった。
【0056】
以下の実施例21〜32および比較例17〜26は、シース層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体で形成されたケーブルを用い、PBT樹脂で射出成形を行った成型品についての結果である。
【0057】
実施例21〜28
実施例21〜28は、ソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマとソフトセグメントがポリエーテル系およびポリエステル系の熱可塑性ポリエステルエラストマを80:20〜20:80(重量比)の範囲で混合した樹脂組成物によってケーブルシースを形成した場合であり、表10および11に示すように初期および熱衝撃100サイクル、300サイクル、500サイクル後では何れも5点とも合格していることがわかる。熱衝撃1000サイクルでは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比が70:30〜40:60の範囲にあるものが5点とも合格しており、特に高い防水性が得られていることがわかる。
【0058】
比較例17
比較例17は、ソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマ単体である樹脂組成物でケーブルシースを形成した場合であり、外見上はケーブルのシースとハウジングの界面は融着していたが、防水試験による絶縁抵抗の測定を行うと5個中2個が不合格であった(表12参照)。
【0059】
比較例18〜20
比較例18〜20は、ソフトセグメントがそれぞれポリエーテル系、ポリエステル系、ポリ炭酸エステル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマ単体のベースポリマーをそれぞれ難燃化した樹脂組成物をケーブルシースに使用したものであるが、成型品の防水試験では表12から判るように初期から不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていない。
【0060】
比較例21
比較例21は、ソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリエステルエラストマからなる樹脂組成物をケーブルシースに使用した場合であり、初期および熱衝撃100サイクル、300サイクル後の防水試験には合格するが、熱衝撃500サイクル後の防水試験では不合格になるものが5点中2点出ており、所定の防水性が得られていないことがわかる(表13参照)。
【0061】
比較例22〜24
比較例22〜24は、ソフトセグメントがポリエーテル系とポリエステル系の熱可塑性ポリエステルエラストマを難燃化した樹脂組成物をケーブルシースに使用した場合であり、表13から判るように初期および熱衝撃100サイクル、300サイクル後の防水試験には合格するが、熱衝撃500サイクル後の防水試験では不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていないことがわかる。
【0062】
実施例29〜32
実施例29〜32はソフトセグメントがポリエーテル系およびポリエステル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマとソフトセグメントがポリエーテル系およびポリエステル系の熱可塑性ポリエステルエラストマの混合物をそれぞれオクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルで難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形成したものであって、熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比についてはこの発明の条件を満たしているが、難燃剤が適切でないために、何れの成型品も表14に示すように、初期の防水試験には合格するが熱衝撃100サイクル後の防水試験では不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていないことがわかった。
【0063】
比較例25
比較例25は、ソフトセグントがポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマとソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比を90:10(重量比)にした混合物を難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形成したものである。これは、表15から判るように初期および熱衝撃100サイクル、300サイクル後の防水試験には合格するが、熱衝撃500サイクル後の防水試験では不合格になるものが多数出ており、所定の防水性が得られていないことがわかる。
【0064】
比較例26
比較例26は、ソフトセグントがポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマとソフトセグメントがポリエーテル系の熱可塑性ポリエステルエラストマの混合比を10:90(重量比)にした混合物を難燃化した樹脂組成物でケーブルシースを形成したものである。これは、表15から判るように初期および熱衝撃100サイクル、300サイクル後の防水試験には合格するが、熱衝撃500サイクル後の防水試験では不合格になるものが5点中2点出ており、所定の防水性が得られていないことがわかる。
【0065】
これ等の実験結果からも判るように、ケーブルのシース材として熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマ或いは熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを所定の比率で含む混合物を主体とした樹脂組成物を用いれば、ポリアミド系エンジニアリングプラスチック製ハウジングの射出成形によるケーブルの一体成形においてハウジングとケーブルシースが界面で確実に熱融着し、高度な防水性が得られる。
【0066】
また、ケーブルのシース材として熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリエステルエラストマを所定の比率で含む混合物を主体とした樹脂組成物を用いれば、ポリエステル系のエンジニアリングプラスチック製のハウジングの射出成形によるケーブルの一体成形において、熱可塑性ポリエステルエラストマ単体を主体とした樹脂組成物を用いた場合よりも優れた防水性が得られる。
【0067】
ポリアミド系のエンジニアリングプラスチック製ハウジング或いはポリエステル系エンジニアリングプラスチック製ハウジングに対しては、それぞれ同系統の熱可塑性ポリアミドエラストマあるいは熱可塑性ポリエステルエラストマ単体を主体とする樹脂組成物が熱融着し易いと考えられるのに反して、本発明で、前記に示すようなエラストマの混合物を主体とした樹脂組成物のほうが優れた防水性が得られたことは全く新規な知見である。
【0068】
また、当該樹脂組成物は、エチレンビス臭素化フタルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミド等のポリブロモジフェニルエーテル以外の難燃剤を添加することにより、ハウジングとの熱融着性を損なうことなく難燃化を図ることができ、安全性にも優れたケーブルを実現できる。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

【0074】
【表6】

【0075】
【表7】

【0076】
【表8】

【0077】
【表9】

【0078】
【表10】

【0079】
【表11】

【0080】
【表12】

【0081】
【表13】

【0082】
【表14】

【0083】
【表15】

【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明のケーブルを用いて車輪速センサのハウジングとの間に防水接続部を形成した例の断面図
【図2】この発明を適用するケーブルの一例を示す斜視図
【図3】この発明を適用するケーブルの他の例を示す斜視図
【図4】従来のケーブルを用いて車輪速センサのハウジングとの間に防水接続部を形成した例の断面図
【符号の説明】
【0085】
A ケーブル
a 絶縁電線
b シース
c 中間層
B シール部品
C 車輪速センサ
H ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単芯もしくは複数芯の絶縁電線の外周にシース層が形成された電気絶縁ケーブルであって、シース層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを重量比で80:20〜10:90の範囲の割合で含む混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体であることを特徴とする電気絶縁ケーブル。
【請求項2】
シースを形成する樹脂組成物がポリブロモジフェニルエーテル以外の難燃剤で難燃化されていることを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁ケーブル。
【請求項3】
前記難燃剤が、エチレンビス臭素化フタルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス臭素化フェニルテレフタルアミドから選ばれる1種の成分もしくは複数種の成分の混合物であることを特徴とする請求項2に記載の電気絶縁ケーブル。
【請求項4】
本体装置に接続する電気絶縁ケーブルとして請求項1乃至3のいずれかに記載のケーブルを用い、さらに、そのケーブルの本体装置側端末部と本体装置とを一括して封止するハウジングをポリアミド樹脂で形成し、このハウジングを射出成形して設けることによりケーブル端末部のシースとハウジングを融着させて、ケーブルとハウジング間の気密封止を行うようにしたケーブルとハウジングの接続構造。
【請求項5】
端末部のシース外周にポリアミド樹脂製の封止部品を射出成形して設ける電気絶縁ケーブルであって、前記シース層が熱可塑性ポリウレタンエラストマと熱可塑性ポリアミドエラストマを重量比で80:20〜10:90の範囲の割合で含む混合物を主体とする樹脂組成物の架橋体であることを特徴とする電気絶縁ケーブル。
【請求項6】
シースを形成する樹脂組成物がポリブロモジフェニルエーテル以外の難燃剤で難燃化されていることを特徴とする請求項5に記載の電気絶縁ケーブル。
【請求項7】
前記難燃剤が、エチレンビス臭素化フタルイミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス臭素化フェニルテレフタルアミドから選ばれる1種の成分もしくは複数種の成分の混合物であることを特徴とする請求項6に記載の電気絶縁ケーブル。
【請求項8】
本体装置に接続する電気絶縁ケーブルとして請求項5乃至7のいずれかに記載のケーブルを用い、さらに、そのケーブルの本体装置側端末部と本体装置とを一括して封止するハウジングをポリアミド樹脂で形成し、このハウジングを射出成形して設けることによりケーブル端末部のシースとハウジングを融着させて、ケーブルとハウジング間の気密封止を行うようにしたケーブルとハウジングの接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−156407(P2006−156407A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354548(P2005−354548)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【分割の表示】特願2002−361775(P2002−361775)の分割
【原出願日】平成9年9月10日(1997.9.10)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】