説明

電気自動車充電装置、電気自動車充電システム、電気自動車充電方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】充電ステーションにてユーザから入金された金額に応じた走行可能距離を報知して、電気自動車の充電に家庭での安価な電力を有効利用できるようにする。
【解決手段】電気自動車充電装置は、表示装置11と、電力出力装置16と、料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認装置18と、金額情報が示す入金金額に応じた電力出力装置16からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算部14と、充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算部13と、走行可能距離を表示装置11に表示させる表示制御部17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば充電ステーションにおいて、電気自動車の電池を充電するための電力を供給する電気自動車充電装置、電気自動車充電システム、電気自動車充電方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動力源として内燃機関に代えてモータを使用する電気自動車が開発されている。電気自動車は、電源として蓄電池を使用し、蓄電池からの電力供給によりモータを駆動して走行する。このため、内燃機関と比較して、エネルギー費用が安価、エネルギー効率が高い、騒音が極めて少ない、走行時に排気ガスを出さないなど、多数の利点を有している。
【0003】
一方、電気自動車の課題の一つとして、内燃機関を使用する自動車(例えばガソリン自動車)と比較して、エネルギーを満充填(蓄電池を満充電)した場合の走行可能距離が短いという問題がある。このため、電気自動車により遠出した場合には、充電ステーションでの充電が必要となる。
【0004】
ここで、充電ステーションでは、電気自動車への充電に対して課金が行われる。この課金に関し、例えば特許文献1には、蓄電池の実質的な充電出力電力量に対して課金することが記載されている。具体的には、使用済みの規格化交換式の蓄電池を充電済みのものに交換し、使用済みの規格化交換式の蓄電池の充電出力電力量から入力電力量を差し引いた電力量の料金、および交換などの手数料の料金をユーザに課金するようになっている。なお、入力電力量とは、電気自動車の回生ブレーキや家庭内電源によって入力(充電)された電力量である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−303702号公報(2004年10月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気自動車の充電に関しては、エネルギー費用が安価という利点を享受するためにも、安価な深夜料金を利用した家庭での充電が中心となる。したがって、充電ステーションでの充電は、電気自動車が家に到達するのに必要な電力量の補充に利用するのが好ましい。この場合、充電ステーションでの課金処理および料金の精算処理の簡素化を考慮すれば、ユーザからの入金に応じた走行可能距離を計算し、それをユーザに報知する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、電気自動車の充電に家庭での安価な電力を有効に利用できるようにすること、およびそのために、充電ステーションにおいて、課金処理および料金の精算処理の簡素化を考慮しながら、ユーザから入金された金額に応じた走行可能距離を報知するとについて十分に検討されていない。
【0008】
なお、電気の使用量に応じてユーザに課金する従量制での課金では、家に到達するのに必要な走行距離分以上の電力量を無駄に充電してしまう、あるいは現在の充電量がどれだけの走行可能距離に相当するのかわかり難いといった問題が生じ易い。また、電気事業法の規制によれば、充電用の電気料金の負担を利用者に請求できないため、充電ステーションでは従量制での課金は実現し難い。
【0009】
したがって、本発明は、充電ステーションにおいて、ユーザから入金された金額に応じて充電する電力量を元に算出した走行可能距離を報知して、充電ステーションでの充電量を所望の走行距離に応じた電力量にすることで、電気自動車の充電に家庭での安価な電力を有効に利用できるようにする電気自動車充電装置、電気自動車充電システム、電気自動車充電方法、プログラムおよび記録媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の電気自動車充電装置は、表示装置と、電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置と、料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認装置と、前記金額情報が示す入金金額に応じた前記電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算部と、前記充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算部と、前記走行可能距離情報が示す走行可能距離を前記表示装置に表示させる表示制御部とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の電気自動車充電方法は、料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認工程と、前記金額情報が示す入金金額に応じた電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算工程と、前記充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算工程と、前記走行可能距離情報が示す走行可能距離を表示装置に表示させる表示制御工程とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、入金確認部は(入金確認工程では)、料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する。電力量計算部は(電力量計算工程では)、金額情報が示す入金金額に応じた電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する。走行可能距離計算部は(走行可能距離計算工程では)、充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する。表示制御部は(表示制御工程では)、走行可能距離情報が示す走行可能距離を表示装置に表示させる。
【0013】
これにより、ユーザは、表示装置の表示を参照して、電池残量と入金した金額とに応じた走行可能距離を知ることができる。したがって、ユーザは、電気料金が割高な充電ステーションでは、例えば自宅に到達するのに必要な走行距離分の充電のみを行い、さらなる充電は、深夜料金など、自宅での安価な電気料金の下で行うことができる。また、充電ステーションにおいては、料金取込口からのあらかじめ入金される金額の受付単位を、例えば500円、100円、あるいは10円といった単位にしておけば、課金処理および料金の精算処理の簡素化を図ることができる。
【0014】
上記の電気自動車充電装置において、前記走行可能距離計算部は、前記走行可能距離の計算に使用する前記蓄電池残量情報および前記電力消費率情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、走行可能距離計算部は、走行可能距離の計算に使用する蓄電池残量情報および電力消費率情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する。これにより、電気自動車が蓄電池残量情報および電力消費率情報を保持している場合に、それら蓄電池残量情報および電力消費率情報を走行可能距離の計算に利用することができる。
【0016】
上記の電気自動車充電装置は、入力装置を備え、前記走行可能距離計算部は、複数の電力消費率情報を保持し、前記走行可能距離の計算に使用する前記蓄電池残量情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する一方、前記走行可能距離の計算に使用する前記電力消費率情報として、保持している前記複数の電力消費率情報のうちから前記入力装置にて選択された電力消費率情報を使用する構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、走行可能距離の計算に使用する情報のうち、蓄電池残量情報は電気自動車から取得する一方、電力消費率情報は、あらかじめ走行可能距離計算部が保持している複数の電力消費率情報のうちから、例えば電気自動車の車種に応じて選択されたものを使用する。これにより、走行可能距離計算部は、電気自動車が電力消費率情報を保持していない場合であっても、電気自動車の走行可能距離を計算することができる。
【0018】
本発明の電気自動車充電システムは、電気自動車に設けられた自動車側システムと、電気自動車の蓄電池を充電する充電ステーションに設けられた、前記自動車側システムと通信するステーション側システムとを備え、前記ステーション側システムは、表示装置と、電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置と、料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認装置と、前記金額情報が示す入金金額に応じた前記電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算部と、前記充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算部と、前記走行可能距離情報が示す走行可能距離を前記表示装置に表示させる表示制御部とを備え、前記自動車側システムは、前記蓄電池の残量を測定し、この残量を示す情報を前記蓄電池残量情報として走行可能距離計算部に提供する電池残量測定部を備えていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、自動車側システムの電池残量測定部は、蓄電池の残量を測定し、この残量を示す情報を蓄電池残量情報としてステーション側システムの走行可能距離計算部に提供する。ステーション側システムの入金確認装置は、料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する。電力量計算部は、金額情報が示す入金金額に応じた電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する。走行可能距離計算部は、充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する。表示制御部は、走行可能距離情報が示す走行可能距離を表示装置に表示させる。
【0020】
これにより、ユーザは、表示装置の表示を参照して、電池残量と入金した金額とに応じた走行可能距離を知ることができる。したがって、ユーザは、電気料金が割高な充電ステーションでは、例えば自宅に到達するのに必要な走行距離分の充電のみを行い、さらなる充電は、深夜料金など、自宅での安価な電気料金の下で行うことができる。また、充電ステーションにおいては、料金取込口からのあらかじめ入金される金額の受付単位を、例えば500円、100円、あるいは10円といった単位にしておけば、課金処理および料金の精算処理の簡素化をはかることができる。
【0021】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記ステーション側システムは、入力装置を備え、前記走行可能距離計算部は、複数の電力消費率情報を保持し、前記走行可能距離の計算に使用する前記蓄電池残量情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する一方、前記走行可能距離の計算に使用する前記電力消費率情報として、保持している前記複数の電力消費率情報のうちから前記入力装置にて選択された電力消費率情報を使用する構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、走行可能距離計算部は、走行可能距離の計算に使用する情報のうち、蓄電池残量情報は電気自動車から取得する一方、電力消費率情報は、あらかじめ走行可能距離計算部が保持している複数の電力消費率情報のうちから、例えば電気自動車の車種に応じて選択されたものを使用する。これにより、走行可能距離計算部は、電気自動車が電力消費率情報を保持していない場合であっても、電気自動車の走行可能距離を計算することができる。
【0023】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記自動車側システムは、前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置と、前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算し、電力消費率情報として前記ステーション側システムの前記走行可能距離計算部に提供する電力消費率計算部とを備え、前記ステーション側システムの前記走行可能距離計算部は、前記電力消費率情報として、前記自動車側システムの前記電力消費率計算部から取得した電力消費率情報を使用する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、ステーション側システムの走行可能距離計算部は、走行可能距離の計算に使用する蓄電池残量情報および電力消費率情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する。これにより、電気自動車が蓄電池残量情報および電力消費率情報を保持している場合に、それら蓄電池残量情報および電力消費率情報を走行可能距離の計算に利用することができる。
【0025】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記自動車側システムは、前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置を備え、前記ステーション側システムは、前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して前記走行可能距離計算部に提供する電力消費率計算部を備え、前記ステーション側システムの前記走行可能距離計算部は、前記電力消費率情報として、前記電力消費率計算部から取得した電力消費率情報を使用する構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、ステーション側システムの電力消費率計算部は、自動車側システムの履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して走行可能距離計算部に提供する。走行可能距離計算部は、電力消費率情報として、電力消費率計算部から取得した電力消費率情報を使用して、電気自動車の走行可能距離を計算する。
【0027】
これにより、ステーション側システムの走行可能距離計算部は、自動車側システムが電気自動車の電力消費率情報を保持していない場合であっても、ステーション側システムの電力消費率計算部が計算した電力消費率を使用して、電気自動車の走行可能距離を計算することができる。
【0028】
上記の電気自動車充電システムにおいて、前記電力消費率計算部は、前記電力消費率として、直近の所定期間の平均の電力消費率である直近電力消費率、またはこの直近電力消費率の計算に使用した前記所定期間よりも長い所定期間の平均の電力消費率である平均電力消費率を前記走行可能距離計算部に提供する構成としてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、直近電力消費率と平均電力消費率とを適宜使い分けることにより、さらに正確に必要電力量を計算することができる。具体的には、直近電力消費率情報は当日の電気自動車に対する負荷、例えば積載された荷物や乗員などの負荷を反映したものとなる。直近電力消費率情報を使用することにより、当日の電気自動車に対する負荷を反映した必要電力量を計算することができる。また、直近電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路を中心に走行するなど、ほぼ同一の道路事情の道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。また、平均電力消費率情報は、たとえば当日には高速道路と一般道路を織り交ぜて走行するなど、道路事情が変化する道路を走行する場合に、正確に必要電力量を計算する上で有効である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電気自動車充電装置のユーザは、表示装置の表示を参照して、電池残量と入金した金額とに応じた走行可能距離を知ることができる。したがって、ユーザは、電気料金が割高な充電ステーションでは、例えば自宅に到達するのに必要な走行距離分の充電のみを行い、さらなる充電は、深夜料金など、自宅での安価な電気料金の下で行うことができる。また、充電ステーションにおいては、料金取込口からのあらかじめ入金される金額の受付単位を、例えば500円、100円、あるいは10円とかの単位にしておけば、課金処理および料金の精算処理の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したステーション側システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した自動車側システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態を説明するものであって、充電ステーションにおいて、電気自動車の充電をステーション側装置にて行っている状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図5は、充電ステーションにおいて、電気自動車101の充電をステーション側装置102にて行っている状態を示す説明図である。本実施の形態において、ステーション側装置102は、ステーション側システム1(図1参照)にて構成されている。ステーション側装置102には、充電に対する料金としての例えば紙幣や貨幣を取り込むための料金取込口111が設けられている。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の電気自動車充電システムは、ステーション側システム1と自動車側システム2とを備えている。ステーション側システム1と自動車側システム2とは、ステーション側システム1が備える充電用ケーブル3にて接続される。ステーション側システム1は充電ステーションに設けられている。充電ステーションは、電気自動車101の蓄電池に電力を補給する設備であり、ガソリン自動車にガソリンを補給する従来のガスステーションと同様、例えば道路に沿って設置されている。自動車側システム2は電気自動車101に備えられている。
【0034】
ステーション側システム1は、表示装置11、入力装置12、走行可能距離計算部1313、電力量計算部14、電力供給制御部15、電力出力装置16、表示制御部17および入金確認装置18を備えている。自動車側システム2は、カーナビゲーションシステム21、電力消費率計算部22、電池残量測定部23、充電制御部24、電力供給部25および蓄電池26を備えている。
【0035】
自動車側システム2において、カーナビゲーションシステム21は、GPS(global positioning system)機能により、カーナビゲーションシステム21が搭載されている電気自動車101の地図上の位置を特定し、ユーザにて設定されている目的地まで電気自動車101を案内するものである。このために、カーナビゲーションシステム21は、表示装置31、入力装置32、地図データ記憶装置33、位置測定部34、走行距離計算部35、履歴情報記憶装置36および表示制御部37を備えている。
【0036】
入力装置32は、ユーザによる目的地や経路条件等の各種情報の入力に使用される。位置測定部34は、地図データ記憶装置33が記憶する地図データを参照して、GPS機能により地図上の電気自動車101の位置を特定する。
【0037】
走行距離計算部35は、電気自動車101の走行した距離を計算する。また、例えば入力装置32にて設定された目的地までの残走行距離を計算し、計算した残走行距離を表示制御部37に提供する。
【0038】
履歴情報記憶装置36は、入力装置32から入力された電気自動車101の乗車人数、電池残量測定部23にて測定された、電気自動車101の走行に伴う電池残量の推移、走行距離計算部35にて算出された走行距離等の履歴情報を記憶する。
【0039】
表示制御部37は、地図データ記憶装置33からの地図データ、位置測定部34にて測定される電気自動車101の位置情報、走行距離計算部35にて計算される電気自動車101の走行距離等に基づいて、電気自動車101の走行を案内するための案内情報等を表示装置31に表示させる。
【0040】
電力消費率計算部22は、履歴情報記憶装置36に記憶されている、履歴情報としての電気自動車101の走行に伴う電池残量の推移および走行距離から、電気自動車101における直近電力消費率(km/KWh)と平均電力消費率(km/KWh)とを計算する。直近電力消費率は、直近の所定期間の平均の電力消費率であり、平均電力消費率は、この直近電力消費率の計算に使用した前記所定期間よりも長い所定期間の平均の電力消費率である。
【0041】
具体的には、直近電力消費率は、例えば直近の1時間での電力消費率、直近の3時間での電力消費率、あるいは当日の電力消費率である。直近電力消費率では、自動車の乗車人数が設定されている場合、求めた電力消費率の情報に乗車人数の情報を付加する。
【0042】
また、平均電力消費率は、例えば直近の1週間での電力消費率、直近の1ヵ月での電力消費率、あるいは直近の6ヵ月での電力消費率など、直近電力消費率よりも長い期間についての平均の電力消費率である。
【0043】
電池残量測定部23は、電気自動車101の走行あるいは充電によって変化する蓄電池26の残量すなわち残電力量を測定する。測定された残電力量は電池残量情報としてステーション側システム1の走行可能距離計算部13に提供される。
【0044】
電力供給部25は、ステーション側システム1の電力出力装置16から出力される電力を蓄電池26に供給して、蓄電池26を充電する。充電制御部24は、電力供給部25から蓄電池26への電力供給を制御する。
【0045】
ステーション側システム1において、表示装置11は、ユーザに対する各種情報の表示を行う。表示制御部17は表示装置11の表示動作を制御する。入力装置12は、ユーザからの入力操作により、ステーション側システム1に対して各種入力および設定を行うためのものである。入力装置12は、表示装置11の位置付近に配置されている。あるいは、表示装置11がタッチパネルからなる場合、表示装置11と一体となっている。
【0046】
入金確認装置18は、料金取込口111から取り込んだ紙幣もしくは貨幣の金額を確認し、その金額を金額情報として電力量計算部14に伝える。
【0047】
電力量計算部14は、入金確認装置18からの金額情報が示す金額に応じた、電力出力装置16から電気自動車101への充電出力電力量を計算する。さらに、計算した充電出力電力量を充電出力電力量情報として走行可能距離計算部13および電力供給制御部15に提供する。
【0048】
電力供給制御部15は、電力量計算部14からの充電出力電力量情報にて示される電力量が電力出力装置16から出力されるように、電力出力装置16の電力出力動作を制御する。電力出力装置16は、電力供給制御部15の制御にしたがって、自動車側システム2の蓄電池26に対して、充電用の電力を供給する。
【0049】
走行可能距離計算部13は、自動車側システム2の電池残量測定部23からの電池残量情報にて示される蓄電池26の残電力量に、電力量計算部14からの充電出力電力量情報にて示される充電出力電力量を加えた合計電力量を計算する。さらに、その合計電力量によって電気自動車101が走行できる走行可能距離を計算し、走行可能距離情報として表示制御部17に提供する。
【0050】
上記の走行可能距離の計算において、走行可能距離計算部13は、充電出力電力量情報10の電力消費率を考慮する。この場合、電力消費率の高い電気自動車は走行可能距離が短くなる一方、電力消費率の低い電気自動車は走行可能距離が長くなる。
【0051】
上記の電力消費率としては、自動車側システム2の電力消費率計算部22から当該電気自動車101の電力消費率を示す情報(電力消費率情報)を取得し、それを使用してもよい。この場合、直近電力消費率と平均電力消費率とのいずれを使用するかは、例えばユーザによる設定に応じて選択してもよい。
【0052】
また、上記の電力消費率としては、例えば走行可能距離計算部13が保持している複数の電力消費率情報、例えば車種別の電力消費率(実質的な電力消費率)情報を使用してもよい。この複数の電力消費率情報(車種別あるいは各電気自動車別の電力消費率情報)は、電気自動車101の車種別あるいは各電気自動車別に設定されている固定値である。
【0053】
また、走行可能距離計算部13は、自動車側システム2から電力消費率情報が得られない場合に、走行可能距離計算部13が保持している電力消費率情報を使用する構成であってもよい。この場合の電気自動車101の車種あるいは電気自動車名の選択は、例えば表示装置11においてユーザからの入力を促す表示を行い、それに応じた入力装置12に対するユーザからの入力に従って行ってもよい。
【0054】
また、電力出力装置16からの単位時間当たりの充電出力電力量に関し、ステーション側システム1が急速充電と通常充電とに対応可能な場合には、表示装置11での表示、もしくは音声あるいはその両者により、ユーザに対していずれを選択するか求めるようにしてもよい。あるいは、ステーション側システム1が急速充電用の充電用ケーブル3と通常充電用の充電用ケーブル3を備え、ユーザがいずれの充電用ケーブル3を選択するかによって、急速充電と通常充電とのいずれかが自ずと選択される構成としてもよい。
【0055】
充電用ケーブル3は、電力ケーブルおよび通信ケーブルとしての機能を有する。すなわち、ステーション側システム1において、充電用ケーブル3が電気自動車101すなわち自動車側システム2に接続されることにより、ステーション側システム1から自動車側システム2の蓄電池26への電力供給、およびステーション側システム1と自動車側システム2との通信が可能となる。
【0056】
充電用ケーブル3の先端部には、電気自動車101側のコネクタと接続するためのコネクタが設けられている。なお、ステーション側システム1が急速充電と通常充電とに対応可能な場合には、上記のように、充電用ケーブル3として急速充電用のものと通常充電用のものとが備えられていてもよい。
【0057】
上記の構成において、図1に示した電気自動車充電システムの動作について以下に説明する。図2は、図1に示したステーション側システム1の動作を示すフローチャート、図3は図1に示した自動車側システム2の動作を示すフローチャートである。
【0058】
まず、ステーション側システム1の動作について説明する。図2において、電気自動車101が充電ステーションに駐車され、ユーザにて充電用ケーブル3が電気自動車101に接続され、この状態を検知すると(S11)、走行可能距離計算部13は、電気自動車101の電池残量測定部23から蓄電池26の電池残量情報を取得する。また、電力消費率計算部22から電気自動車101の電力消費率情報を取得する(S12)。
【0059】
なお、電力消費率情報としては、走行可能距離計算部13が保持している車種別の固定値を使用してもよい。この固定値を使用する設定となっている場合、走行可能距離計算部13からの指示により、表示制御部17は、表示装置11においてユーザからの例えば車種の入力を促す表示を行う。その後、その表示に応じて入力装置12に対するユーザからの入力が行われと、その入力に従って電気自動車101の車種を特定し、その車種に設定さている電力消費率を使用する。
【0060】
一方、入金確認装置18は、ユーザによる料金取込口111からの入金の有無を監視しており、入金が行われると(S13)、入金された金額を確認し、その金額を示す金額情報を電力量計算部14へ出力する(S14)。
【0061】
次に、電力量計算部14は、入金確認装置18からの金額情報が示す金額に応じた、電力出力装置16から電気自動車101への充電出力電力量を計算する(S15)。さらに、計算した充電出力電力量を充電出力電力量情報として走行可能距離計算部13および電力供給制御部15に提供する。
【0062】
次に、走行可能距離計算部13は、蓄電池26の電池残量、電力量計算部14にて計算された電力出力装置16からの充電出力電力量、および電力消費率から、電気自動車101の走行可能距離を計算する。具体的には、電池残量に充電出力電力量を加えた電力量により電気自動車101が走行可能な距離を電力消費率を考慮して計算する(S16)。
【0063】
次に、表示制御部17は、走行可能距離計算部13にて計算された走行可能距離を表示装置11に表示させる。この走行可能距離は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S17)。
【0064】
なお、走行可能距離計算部13にて計算された走行可能距離は、電気自動車101のカーナビゲーションシステム21の表示制御部37に走行可能距離情報として出力され、表示制御部37により表示装置31に走行可能距離が表示されるようにしてもよい。この場合、同様に、走行可能距離は、カーナビゲーションシステム21において、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知されてもよい。
【0065】
次に、走行可能距離計算部13は、ユーザにより入力装置12に対して蓄電池26への充電開始を指示する入力が行われたか否かを判定し(S18)、充電開始を指示する入力が行われなければ、S13に戻りS18までの処理を繰り返す。
【0066】
一方、S18において、蓄電池26への充電開始を指示する入力が行われると、電力供給制御部15は、電力量計算部14にて計算された充電出力電力量が電力出力装置16から出力されるように、電力出力装置16の動作を制御する。これにより、電気自動車101の蓄電池26に対する充電動作が開始される(S19)。
【0067】
その後、蓄電池26の充電が完了すると(S20)、電力供給制御部15は電力出力装置16から電気自動車101への電力供給を終了する。これにより、電気自動車101の蓄電池26に対する充電動作が終了する(S21)。
【0068】
ここで、電力供給制御部15は、S20において、電力出力装置16から電気自動車101への電力量計算部14にて計算された充電出力電力量の供給が完了した場合に、充電の完了と判定する。なお、S20での充電の完了の判定については、自動車側システム2の電池残量測定部23において、電力量計算部14にて計算された充電出力電力量が蓄電池26に充電されたことが確認された場合に、充電の完了とする構成であってもよい。
【0069】
また、電力供給制御部15は、S21において充電動作を終了すると、その情報をステーション側システム1の表示制御部17および自動車側システム2の表示制御部37に伝える。表示制御部17は、電力供給制御部15からの充電動作終了の情報に基づいて、表示装置11に蓄電池26の充電が完了した旨を表示させる。また、充電完了は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S22)。
【0070】
その後、ステーション側システム1は、充電用ケーブル3が電気自動車101から抜脱されると(S23)、動作を終了する。
【0071】
次に、自動車側システム2の動作について説明する。図3において、自動車側システム2では、電気自動車101が充電ステーションに駐車され、ユーザにて充電用ケーブル3が電気自動車101に接続され、この状態を検知すると(S31)、ステーション側システム1からの要求、あるいは予めの設定に応じて、ステーション側システム1に対して、電池残量測定部23から蓄電池26の電池残量情報を提供する。また、電力消費率計算部22から電気自動車101の電力消費率情報を提供する(S32)。
【0072】
次に、表示制御部37は、ステーション側システム1の走行可能距離計算部13から走行可能距離情報を受信すると、その情報に基づいて表示装置31に走行可能距離を表示させる。この走行可能距離は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S33)。
【0073】
次に、電力供給部25は、ステーション側システム1の電力出力装置16の電力供給を受けて、蓄電池26に対する充電動作を開始する(S34)。この電力供給部25による蓄電池26に対しての充電動作は、充電制御部24にて監視される。また、蓄電池26の充電に伴う残量の推移は、充電の開始から充電の完了まで、電池残量測定部23にて適宜測定される。測定結果は、走行可能距離計算部13に送信され、かつ履歴情報記憶装置36に記憶される。
【0074】
その後、蓄電池26に対する充電が完了すると、ステーション側システム1の電力出力装置16からの電力供給が停止され、それと同時にステーション側システム1の電力供給制御部15から自動車側システム2の充電制御部24に対して充電の完了が通知される(S35)。これに伴い、電力供給部25は蓄電池26に対する充電動作を終了する(S36)。
【0075】
次に、表示制御部37は、ステーション側システム1の電力供給制御部15から充電動作終了の通知を受けると、表示装置31に蓄電池26の充電が完了した旨を表示させる。また、充電完了は、スピーカ(図示せず)からの音声によってもユーザに報知される(S37)。
【0076】
その後、自動車側システム2は、充電用ケーブル3が電気自動車101から抜脱されると(S38)、動作を終了する。
【0077】
以上のように、本実施の形態の電気自動車充電システムでは、ステーション側システム1において、ユーザからの入金金額に応じた蓄電池26への供給電力量を計算し、この供給電力量と蓄電池の残量とから、電気自動車101の走行可能距離を計算し、計算した走行可能距離を少なくともステーション側システム1の表示装置11に表示するようになっている。
【0078】
したがって、ユーザは、表示装置11の表示を参照して、電池残量と入金した金額とに応じた走行可能距離を知ることができる。これにより、ユーザは、電気料金が割高な充電ステーションでは、例えば自宅に到達するのに必要な走行距離分の充電のみを行い、さらなる充電は、深夜料金など、自宅での安価な電気料金の下で行うことができる。また、充電ステーションにおいては、料金取込口111からのあらかじめ入金される金額の受付単位を、例えば500円、100円、あるいは10円とかの単位にしておけば、課金処理および料金の精算処理の簡素化をはかることができる。
【0079】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図4は、本発明の実施の形態の電気自動車充電システムの構成を示すブロック図である。
【0080】
図4に示すように、本実施の形態の電気自動車充電システムは、図1に示したステーション側システム1および自動車側システム2に代えて、ステーション側システム51および自動車側システム52備えている。
【0081】
この電気自動車充電システムでは、図1の自動車側システム2に備えられていた電力消費率計算部22がステーション側システム51に備えられている。
【0082】
上記の構成により、ステーション側システム51において、電力消費率計算部22は、自動車側システム2の履歴情報記憶装置36から取得した情報に基づいて電力消費率を計算する。計算方法は、実施の形態1の場合と同様である。また、他の構成についても、実施の形態1の場合と同様である。
【0083】
上記のように、本実施の形態の電気自動車充電システムでは、図1に示した電気自動車充電システムに対して、電力消費率の計算をステーション側システム51の電力消費率計算部22にて行うという構成上の相違はあるものの、基本的な動作は、図2および図3のフローチャートにおいて説明したとおりである。
【0084】
最後に、電気自動車充電システムの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0085】
すなわち、電気自動車充電システムは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電気自動車充電システムの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電気自動車充電システムに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0086】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0087】
また、電気自動車充電システムを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0088】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1,51 ステーション側システム
2,52 自動車側システム
3 充電用ケーブル
11 表示装置
12 入力装置
13 走行可能距離計算部
14 電力量計算部
15 電力供給制御部
16 電力出力装置
17 表示制御部
18 入金確認装置
21 カーナビゲーションシステム
22 電力消費率計算部
23 電池残量測定部
24 充電制御部
25 電力供給部
26 蓄電池
31 表示装置
36 履歴情報記憶装置
37 表示制御部
101 電気自動車
102 ステーション側装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置と、
料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認装置と、
前記金額情報が示す入金金額に応じた前記電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算部と、
前記充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算部と、
前記走行可能距離情報が示す走行可能距離を前記表示装置に表示させる表示制御部とを備えていることを特徴とする電気自動車充電装置。
【請求項2】
前記走行可能距離計算部は、前記走行可能距離の計算に使用する前記蓄電池残量情報および前記電力消費率情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車充電装置。
【請求項3】
入力装置を備え、前記走行可能距離計算部は、複数の電力消費率情報を保持し、前記走行可能距離の計算に使用する前記蓄電池残量情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する一方、前記走行可能距離の計算に使用する前記電力消費率情報として、保持している前記複数の電力消費率情報のうちから前記入力装置にて選択された電力消費率情報を使用することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車充電装置。
【請求項4】
電気自動車に設けられた自動車側システムと、電気自動車の蓄電池を充電する充電ステーションに設けられた、前記自動車側システムと通信するステーション側システムとを備え、
前記ステーション側システムは、
表示装置と、
電気自動車の蓄電池を充電するための電力を出力する電力出力装置と、
料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認装置と、
前記金額情報が示す入金金額に応じた前記電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算部と、
前記充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算部と、
前記走行可能距離情報が示す走行可能距離を前記表示装置に表示させる表示制御部とを備え、
前記自動車側システムは、
前記蓄電池の残量を測定し、この残量を示す情報を前記蓄電池残量情報として走行可能距離計算部に提供する電池残量測定部を備えていることを特徴とする電気自動車充電システム。
【請求項5】
前記ステーション側システムは、
入力装置を備え、前記走行可能距離計算部は、複数の電力消費率情報を保持し、前記走行可能距離の計算に使用する前記蓄電池残量情報を電気自動車と通信して電気自動車から取得する一方、前記走行可能距離の計算に使用する前記電力消費率情報として、保持している前記複数の電力消費率情報のうちから前記入力装置にて選択された電力消費率情報を使用することを特徴とする請求項4に記載の電気自動車充電システム。
【請求項6】
前記自動車側システムは、
前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置と、
前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算し、電力消費率情報として前記ステーション側システムの前記走行可能距離計算部に提供する電力消費率計算部とを備え、
前記ステーション側システムの前記走行可能距離計算部は、前記電力消費率情報として、前記自動車側システムの前記電力消費率計算部から取得した電力消費率情報を使用することを特徴とする請求項4に記載の電気自動車充電システム。
【請求項7】
前記自動車側システムは、
前記電池残量測定部にて測定された、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化を記憶する履歴情報記憶装置を備え、
前記ステーション側システムは、
前記履歴情報記憶装置が記憶する、電気自動車の走行に伴う前記蓄電池の残量の変化と電気自動車の走行距離との関係から、電気自動車の電力消費率を計算して前記走行可能距離計算部に提供する電力消費率計算部を備え、
前記ステーション側システムの前記走行可能距離計算部は、前記電力消費率情報として、前記電力消費率計算部から取得した電力消費率情報を使用することを特徴とする請求項4に記載の電気自動車充電システム。
【請求項8】
前記電力消費率計算部は、前記電力消費率として、直近の所定期間の平均の電力消費率である直近電力消費率、またはこの直近電力消費率の計算に使用した前記所定期間よりも長い所定期間の平均の電力消費率である平均電力消費率を前記走行可能距離計算部に提供することを特徴とする請求項6または7に記載の電気自動車充電システム。
【請求項9】
料金取込口からの入金金額を確認し、入金金額を示す金額情報を出力する入金確認工程と、
前記金額情報が示す入金金額に応じた電力出力装置からの充電出力電力量を計算し、この充電出力電力量を示す充電出力電力量情報を出力する電力量計算工程と、
前記充電出力電力量情報、電気自動車の蓄電池の残量を示す蓄電池残量情報、および電気自動車の走行に伴う電力消費率を示す電力消費率情報から、電気自動車の走行可能距離を計算し、この走行可能距離を示す走行可能距離情報を出力する走行可能距離計算工程と、
前記走行可能距離情報が示す走行可能距離を表示装置に表示させる表示制御工程とを備えていることを特徴とする電気自動車充電方法。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気自動車充電装置の前記の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−146016(P2012−146016A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2043(P2011−2043)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】