説明

電気自動車用充電装置

【課題】充電中の電気自動車の車両盗難や車上盗難あるいは盗電に対して防犯性の向上を図る。
【解決手段】電気自動車用充電装置(充電スタンド)では、充電中の電気自動車に不審者が近付くと人体検知部2が当該不審者を検知し、制御部3が警報部4を制御して警報(警報音及び光による警報)を発する。故に、車両盗難や車上盗難などの犯罪の被害に遭う可能性が低くなり、その結果、防犯性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に搭載される蓄電池を充電するための電気自動車用充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、100ボルト又は200ボルトの商用交流電源から充電ケーブルを介して蓄電池が充電される電気自動車(プラグインハイブリッド自動車を含む。以下同じ。)が提供され始めている。そして、電気自動車の提供に併せて、住戸の車庫(駐車スペース)などに設置される電気自動車用充電装置も提供されている。例えば、特許文献1には、車庫の屋根を支える支柱が充電装置本体に兼用され、当該充電装置本体(支柱)に設けられた収納スペース内に商用交流電源のアウトレット(コンセント)が配設されてなる電気自動車用充電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−110053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているような従来の電気自動車用充電装置では、充電中の電気自動車の車両盗難や車上盗難あるいは盗電に対して何等対策が取られておらず、防犯性が低かった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、防犯性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気自動車用充電装置は、充電装置本体と、当該充電装置本体に搭載されて電気自動車に充電電力を供給するための給電手段と、前記充電装置本体に搭載されて当該充電装置本体の周囲における人体の存在を検知する人体検知手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この電気自動車用充電装置において、前記充電装置本体に搭載されて当該充電装置本体の周囲を撮像する撮像手段を備えることが好ましい。
【0008】
この電気自動車用充電装置において、前記撮像手段は、前記充電装置本体の周囲全体を撮像可能であることが好ましい。
【0009】
この電気自動車用充電装置において、前記撮像手段が前記充電装置本体の外から見えないように隠す隠蔽手段を備えることが好ましい。
【0010】
この電気自動車用充電装置において、前記撮像手段は、ネットワーク通信機能を有するネットワークカメラからなることが好ましい。
【0011】
この電気自動車用充電装置において、前記給電手段による充電電力の供給状態に関する情報をネットワーク通信で通知する通知手段を備えることが好ましい。
【0012】
この電気自動車用充電装置において、前記撮像手段で撮像される画像を画像処理して電気自動車の色や形状を認識する画像認識手段を備えることが好ましい。
【0013】
この電気自動車用充電装置において、前記画像認識手段は、電気自動車のナンバープレートに記されている自動車登録番号を認識することが好ましい。
【0014】
この電気自動車用充電装置において、前記撮像手段で撮像される電気自動車の画像から特徴点を抽出するとともに、当該特徴点を予め登録されているテンプレートで認証する認証手段と、当該認証手段で認証された場合に前記給電手段による給電を許可し、認証されない場合は給電を許可しない許可手段とを備えることが好ましい。
【0015】
この電気自動車用充電装置において、前記充電装置本体の周囲の音を検出する音検出手段を備えることが好ましい。
【0016】
この電気自動車用充電装置において、前記人体検知手段で人体が検知されたとき、若しくは前記音検出手段で異常な音が検出されたときに警報を発する警報手段を備えることが好ましい。
【0017】
この電気自動車用充電装置において、前記撮像手段で撮像される画像を、屋内に設置されているインターホン装置へ伝送して当該インターホン装置の表示デバイスに表示させる画像モニタ手段を備えることが好ましい。
【0018】
この電気自動車用充電装置において、前記画像モニタ手段は、伝送した画像を前記インターホン装置に録画させることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電気自動車用充電装置は、防犯性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1のブロック図である。
【図2】同上の外観斜視図である。
【図3】同上の扉を開けた状態の一部省略した斜視図である。
【図4】実施形態2のブロック図である。
【図5】同上の使用状態の説明図である。
【図6】実施形態3のブロック図である。
【図7】実施形態4のブロック図である。
【図8】実施形態5のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、地面に立設されるスタンド本体内にコンセントが収納される充電スタンドに本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。但し、本発明の技術思想は充電スタンド以外の電気自動車用充電装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0022】
(実施形態1)
本実施形態の電気自動車用充電装置(充電スタンド)は、図2及び図3に示すように電気自動車を駐車する地面に立設される充電装置本体(スタンド本体)1と、電気自動車を充電するための充電ケーブル100のプラグ110が差込口20Aに挿抜自在に差込接続されるコンセント20とを備えている。なお、本実施形態では、コンセント20が、電気自動車に充電電力を供給するための給電手段に相当する。
【0023】
スタンド本体1は、金属板によって前面並びに天面と底面がそれぞれ開口した角筒状に形成され、扁平な箱形のカバー6によって天面の開口が閉塞されている。スタンド本体1の左右両側の内側面には取付板(図示せず)が取着されている。すなわち、スタンド本体1の内部が取付板によって前後に区分けされており、後述するコンセントユニット10が取付板の前方の空間に収納され、漏電遮断器や給電用の電源ケーブル(図示せず)が取付板の後方の空間に収納(配線)される。なお、コンセントユニット10及び漏電遮断器は取付板にねじ止めによって取り付けられる。
【0024】
また、スタンド本体1前面における最上部及び最下部には矩形板状の上パネル7A及び下パネル7Bが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において上パネル7Aの下端から下パネル7Bの上端までの前方空間に、コンセントユニット10をそれぞれ収納するための4つの収納空所が上下方向に並設されている。
【0025】
コンセントユニット10は、図3に示すように筐体11、コンセントブロック12、扉13、天井カバー14などを具備している。筐体11は、金属板により前面に開口窓11Aを有する箱形に形成されている。天井カバー14は下面が開口する箱形に形成され、筐体11の天面(上面)を覆うように筐体11に取り付けられる。扉13は扁平な矩形箱状に形成されており、開口窓11Aを塞ぐ閉位置と開口窓11Aを開放する開位置との間で水平方向(前後方向)に回動自在となるように、ヒンジ部13Aによって左側端部が筐体11の前面側左端部に軸支されている。また、扉13にはロック装置15が取着されており、閉位置にあるときにロック装置15によって扉13がロックされる。なお、扉13の下端部における右端には、充電ケーブル100が引き出される切り欠き(引出口)13Bが形成されている。
【0026】
コンセントブロック12は、前面に差込口20Aが設けられたコンセント20と、コンセント20を保持し且つコンセント20の前面を覆うコンセントプレート12Aと、コンセントプレート12Aの中央に開口するプラグ挿入口12Bを開閉自在に塞ぐコンセントカバー12Cとを有する。コンセントプレート12Aは、プラグ挿入口12Bが開口する中央部分が前方へ突出し、当該中央部の左右両端部にそれぞれねじ挿通孔12Dが形成されている。コンセントカバー12Cは略半円板状に形成され、直線部分においてコンセントプレート12Aの中央部分に回動自在に軸支される。つまり、コンセントカバー12Cは、コンセントプレート12Aのプラグ挿入口12Bを覆う閉位置と、プラグ挿入口12Bを開放する開位置との間で回動し、さらに図示しないねじりコイルばねのばね力によって開位置から閉位置に向かう向きに弾性付勢されている。なお、コンセントプレート12Aの内側面には、充電ケーブル100の先端に設けられているプラグ110の被係合部(図示しない)と係合する係合部(図示せず)が設けられており、コンセント20の差込口20Aに差込接続されたプラグ110が、係合部と被係合部との係合によって抜け止めされる。
【0027】
コンセントブロック12は、筐体11内部における上部後方に配設されている取付板11Bに対して、左右両端部のねじ挿通孔12Dに挿通されるねじによってねじ止めされる。ここで、取付板11Bは、後方に向かって徐々に下方へ下がるように傾いて配設されている。そのため、コンセント20の差込口20Aも水平面(前後左右を含む平面)に対して下向きに傾いて配置されている。
【0028】
また、コンセントユニット10にはインターロック装置16が設けられている。インターロック装置16は、扉13が閉位置にあるときに扉13の後面から後方へ突出する駆動片13Cによってオンとされ、扉13が閉位置にないときはオフされ、オンされている間だけコンセント20への給電路を閉成するものである。
【0029】
上述のように構成されるコンセントユニット10は、前面側からスタンド本体1内の収納空所内に収納され、取付板に対して筐体11がねじ止めされることでスタンド本体1に固定される。上述したようにスタンド本体1内には同一寸法の4つの収納空所が上下方向に並設されており、これら4つの収納空所の何れにもコンセントユニット10を収納することができる。但し、コンセントユニット10が収納されない収納空所の前面はコ字状のカバー7Cで閉塞される。
【0030】
ところで、本実施形態の充電スタンドは、図1に示すように人体検知部2、制御部3、警報部4を備える。人体検知部2は、従来周知の焦電型の人体検知センサからなり、人体から放射される赤外線を焦電素子で検出することによって検知領域内の人体の存在を検知する。この人体検知部2は、スタンド本体1のカバー6又は下パネル7Bに取り付けられる。但し、人体検知部2は焦電型の人体検知センサに限らず、超音波や電波を送信するとともに人体に反射して戻る超音波や電波を受信することで人体の存在を検知する超音波型や電波型の人体検知センサ、若しくは他の種類の人体検知センサで構成されていても構わない。人体検知部2は電気自動車の駐車スペースを含む空間を検知領域とし、検知範囲内に侵入する人体を検知して人体検知信号を制御部3に出力する。
【0031】
警報部4は、ブザー若しくはスピーカなどの音源と、発光ダイオードなどの光源とを有している。音源並びに光源は、何れもスタンド本体1の前面側に設置される。
【0032】
制御部3は、例えば、マイクロコンピュータやメモリなどを主構成要素とし、人体検知部1から人体検知信号を受け取ると、警報部4を制御して音源から警報音を鳴動させると共に光源を発光させて侵入者を威嚇する。
【0033】
而して、本実施形態の充電スタンドでは、充電中の電気自動車に不審者が近付くと人体検知部1が当該不審者を検知し、制御部3が警報部4を制御して警報(警報音及び光による警報)を発するので、車両盗難や車上盗難などの犯罪の被害に遭う可能性が低くなり、その結果、防犯性の向上を図ることができる。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態の充電スタンドは、図4に示すようにスタンド本体1に搭載されてスタンド本体1の周囲を撮像する撮像部5を備える点に特徴があり、その他の構成については実施形態1と共通である。故に、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0035】
撮像部5は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像素子、レンズ、映像処理回路などで構成される小型カメラであって、例えば、スタンド本体1内の上部(上パネル7Aの裏側)に配設される。上パネル7Aには撮像部5のレンズをスタンド本体1の外に臨ませるための窓孔が設けられ、この窓孔を通して撮像部5がスタンド本体1の周囲を撮像する。但し、この窓孔にはマジックミラーが嵌め込まれており、スタンド本体1の外からは撮像部5のレンズが見えないように隠されている。
【0036】
制御部3は、人体検知部2から人体検知信号を受け取ったときに撮像部5を起動してスタンド本体1の周囲を撮像させ、撮像部5で撮像された画像をMPEG4やH.264などの周知の画像圧縮方式で圧縮してメモリに保存する。そして、制御部3のメモリに保存された画像データは、有線又は無線で画像表示端末(後述する)に伝送され、当該画像表示端末の表示デバイス(液晶ディスプレイなど)に表示される。
【0037】
ここで、画像表示端末として、図5に示すように戸建ての住戸130に設置されているインターホンシステムの親機(インターホン装置)120を利用しても構わない。このインターホンシステムは、住戸130内に設置される親機120と、住戸130の外(例えば、門柱123)に設置される子機121とが信号線122で接続されて構成されている。このようなインターホンシステムは従来周知であって、子機121に内蔵されたカメラで撮像される映像が信号線122を介して親機120に伝送され、親機120が具備する表示デバイス120Aに表示される。そして、この親機120と制御部3が信号線124で接続され、撮像部5で撮像された画像(映像)が制御部3から信号線124を介して親機120に伝送される。そして、親機120では充電スタンドの制御部3から信号線124を介して伝送される画像を表示デバイス120Aに表示する。但し、親機120は、画像伝送の開始直前に制御部3から伝送される制御信号によって起動し、画像伝送の終了直後に制御部3から伝送される制御信号によって待機状態に戻る。この場合、制御部3が画像モニタ手段に相当する。
【0038】
つまり、不審者が電気自動車に近付くと人体検知部2が当該不審者を検知し、制御部3が撮像部5を起動してスタンド本体1の周囲を撮像し、撮像された画像(映像)が制御部3から信号線124を介して親機120に伝送され、親機120の表示デバイス120Aに表示される。故に、住戸130の住人が、住戸130内に居ながら電気自動車に近付く不審者を確認することができ、防犯性のさらなる向上を図ることができる。なお、親機120が録画機能を搭載している場合、充電スタンドの制御部3から伝送される画像(映像)を録画しても構わない。
【0039】
ここで、撮像部5で撮像される画像を表示する画像表示端末は、上述したインターホン装置(親機120)に限定されるものではない。例えば、撮像部5がネットワーク通信機能を有するネットワークカメラであれば、制御部3を介さずに直接ネットワーク(インターネットなど)経由で画像データを伝送することができる。そして、ネットワーク通信機能を有する画像表示端末、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがネットワーク経由で伝送される画像データを受け取って自らのディスプレイに画像を表示する。したがって、住戸130の住人は、携帯電話機を利用して外出先から画像を確認することができ、防犯性のさらなる向上を図ることができる。但し、ネットワークカメラ並びにネットワークカメラからネットワーク経由で画像を伝送するための具体的な方法等は従来周知であるので、詳細な説明を省略する。
【0040】
ところで、撮像部5ではスタンド本体1の周囲、特に電気自動車の駐車スペースを含む広い範囲を撮像できることが望ましい。例えば、撮像部5のレンズを魚眼レンズや超広角レンズ(焦点距離が10mm程度の広角レンズ)とすれば、スタンド本体1の周囲全体が撮像可能である。
【0041】
(実施形態3)
本実施形態の充電スタンドは、給電手段(コンセント20)による充電電力の供給状態に関する情報をネットワーク通信で通知する通知手段を備える点に特徴があり、その他の構成については実施形態1と共通である。故に、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0042】
本実施形態における通知手段は、図6に示すようにコンセント20から電気自動車に供給される電力を計測する電力計測部50と、インターネットのようなネットワークを経由してパーソナルコンピュータや携帯電話機などの通信端末とデータ通信するためのデータ通信部51と、制御部3とで構成される。
【0043】
電力計測部50は、コンセント20から電気自動車に供給される瞬時電力及び積算電力量を計測し、それぞれの計測値を制御部3に出力する。また、データ通信部51は従来周知の構成を有し、有線又は無線の通信媒体を介してネットワーク(インターネット)に接続され、同じくネットワークに接続される通信端末(パーソナルコンピュータや携帯電話機など)との間でデータ通信を行う。
【0044】
制御部3は、瞬時電力の計測値がゼロになれば充電終了と判断し、ゼロになるまでは充電中と判断する。また、制御部3は電気自動車の充電容量と積算電力量の計測値とを比較し、満充電になって充電が完了するまでに要する時間(充電時間)を算出する。そして、制御部3は、充電中か否かの情報や充電時間の情報をデータ通信部51からネットワーク経由で通信端末へ送信させる。但し、制御部3は上述した充電電力の供給状態に関する情報だけでなく、人体検知部2による人体検知の情報もデータ通信部51からネットワーク経由で通信端末へ送信させる。
【0045】
而して、本実施形態の充電スタンドでは、充電電力の供給状態に関する情報(例えば、充電中か否かの情報や充電時間の情報など)をネットワーク経由で通信端末に通知(伝送)するので、通信端末の表示デバイスに表示される情報を見た利用者か、充電が終了しているか否か、あるいは充電までにどれくらいの時間がかかるかといったことを判断できる。なお、本実施形態の充電スタンドにおいて、実施形態2と同様に警報部4や撮像部5を備えていても構わない。この場合、撮像部5で撮像される画像や警報部4による警報がデータ通信部51からネットワーク経由で通信端末に通知される。
【0046】
(実施形態4)
本実施形態の充電スタンドは、図7に示すようにスタンド本体1の周囲の音を検出する音検出手部52を備える点に特徴があり、その他の構成については実施形態1と共通である。故に、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0047】
音検出部52は、マイクロホンと、マイクロホンで電気信号に変換された音(音響信号)を信号処理する音響信号処理回路とを有する(但し、何れも図示せず)。音響信号処理回路では、マイクロホンから出力される音響信号を高速フーリエ変換して周波数帯域毎の信号レベル(音圧レベル)を求める。さらに音響信号処理回路は、例えば、電気自動車のドアが開閉されるときの音やドアの窓ガラスが割られたときの音などに一致する周波数帯域の信号レベルを閾値と比較し、閾値を超えたときに制御部3に異常検出信号を出力する。
【0048】
制御部3では、人体検知部2から人体検知信号を受け取った後に音検出部52から異常検出信号を受け取れば、警報部4から警報を発生させ、人体検知信号を受け取っても音検出部52から異常検出信号を受け取らなければ、警報部4から警報を発生させない。
【0049】
而して、本実施形態の充電スタンドでは、人体検知部1で人体が検出されるとともに音検出部52で不審な音(電気自動車のドアの開閉音や窓ガラスの破壊音など)が検出された場合に、制御部3が警報部4から警報を発生させる。このため、人体検知部1の人体検知のみで警報を発生させる場合と比較して誤報の発生率を低減することができる。
【0050】
(実施形態5)
本実施形態の充電スタンドは、撮像部5で撮像される画像を画像処理して電気自動車の色や形状を認識する画像認識手段を備える点に特徴があり、その他の構成については実施形態2と共通である。故に、実施形態2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
ここで、本実施形態の充電スタンドは、図8に示すように操作入力を受け付けて制御部3に操作入力信号を出力する操作入力受付部53と、コンセント20への給電を入切する給電入切部54とを備える。操作入力受付部53は、スタンド本体1の前面に配設される登録釦及び認証釦(何れも図示せず)で押操作される2つの押釦スイッチ(図示せず)を有し、それぞれの押釦スイッチがオンされたときに登録処理の操作入力信号、認証処理の操作入力信号を各々出力する。給電入切部54は、給電用の電源ケーブルからコンセント20の端子への給電路に挿入された電磁リレー(図示せず)からなり、制御部3から出力される制御信号に応じて電源ケーブルからコンセント20の端子への給電路を開閉する。
【0052】
画像認識手段は、制御部3のマイクロコンピュータが画像認識用のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現され、例えば、撮像部5で撮像される画像から電気自動車のナンバープレートに記されている自動車登録番号を認識する。但し、ナンバープレートに記されている自動車登録番号を画像認識する方法については、テンプレートマッチングなどの従来周知である画像処理方法を用いて行うことができる。
【0053】
次に、制御部3で行われる登録処理及び認証処理について説明する。電気自動車を充電しようとする人(利用者)が充電スタンドの登録釦を押操作すると、操作入力受付部53が登録釦の操作入力を受け付けて登録処理の操作入力信号を出力する。登録処理の操作入力信号を受け取った制御部3は、登録処理用のプログラムを起動して登録処理を開始し、撮像部5で撮像された画像から電気自動車のナンバープレートの自動車登録番号を認識する。制御部3は、自動車登録番号が認識できれば、認識した自動車登録番号をメモリに記憶(登録)するとともに、警報部4のスピーカから「登録が完了しました。」という音声メッセージを鳴動させる。但し、ナンバープレートに付着した泥汚れなどが原因で自動車登録番号を認識することができなかった場合、制御部3は、「登録できませんでした。」という音声メッセージを警報部4のスピーカから鳴動させる。
【0054】
一方、利用者が充電スタンドの認証釦を押操作すると、操作入力受付部53が認証釦の操作入力を受け付けて認証処理の操作入力信号を出力する。認証処理の操作入力信号を受け取った制御部3は、認証処理用のプログラムを起動して認証処理を開始し、撮像部5で撮像された画像から電気自動車のナンバープレートの自動車登録番号を認識する。更に制御部3は、認識した自動車登録番号がメモリに記憶されている登録済みの自動車登録番号に一致するか否かを照合し、一致すれば制御信号を出力して給電入切部54に給電路を閉成させる。一方、一致しなければ、制御部3は制御信号を出力して給電入切部54に給電路を開成させるとともに、「認証に失敗しました。」という音声メッセージを警報部4のスピーカから鳴動させる。
【0055】
すなわち、本実施形態の充電スタンドでは、自動車登録番号が認証された場合にのみ、制御部3が給電入切部54に給電路を閉成させて給電(充電)を許可するので、電力の無断使用(盗電)を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 スタンド本体(充電装置本体)
2 人体検知部(人体検知手段)
20 コンセント(給電手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電装置本体と、当該充電装置本体に搭載されて電気自動車に充電電力を供給するための給電手段と、前記充電装置本体に搭載されて当該充電装置本体の周囲における人体の存在を検知する人体検知手段とを備えることを特徴とする電気自動車用充電装置。
【請求項2】
前記充電装置本体に搭載されて当該充電装置本体の周囲を撮像する撮像手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電気自動車用充電装置。
【請求項3】
前記撮像手段は、前記充電装置本体の周囲全体を撮像可能であることを特徴とする請求項2記載の電気自動車用充電装置。
【請求項4】
前記撮像手段が前記充電装置本体の外から見えないように隠す隠蔽手段を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の電気自動車用充電装置。
【請求項5】
前記撮像手段は、ネットワーク通信機能を有するネットワークカメラからなることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の電気自動車用充電装置。
【請求項6】
前記給電手段による充電電力の供給状態に関する情報をネットワーク通信で通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電気自動車用充電装置。
【請求項7】
前記撮像手段で撮像される画像を画像処理して電気自動車の色や形状を認識する画像認識手段を備えることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の電気自動車用充電装置。
【請求項8】
前記画像認識手段は、電気自動車のナンバープレートに記されている自動車登録番号を認識することを特徴とする請求項7記載の電気自動車用充電装置。
【請求項9】
前記撮像手段で撮像される電気自動車の画像から特徴点を抽出するとともに、当該特徴点を予め登録されているテンプレートで認証する認証手段と、当該認証手段で認証された場合に前記給電手段による給電を許可し、認証されない場合は給電を許可しない許可手段とを備えることを特徴とする請求項7又は8記載の電気自動車用充電装置。
【請求項10】
前記充電装置本体の周囲の音を検出する音検出手段を備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の電気自動車用充電装置。
【請求項11】
前記人体検知手段で人体が検知されたとき、若しくは前記音検出手段で異常な音が検出されたときに警報を発する警報手段を備えることを特徴とする請求項1又は10記載の電気自動車用充電装置。
【請求項12】
前記撮像手段で撮像される画像を、屋内に設置されているインターホン装置へ伝送して当該インターホン装置の表示デバイスに表示させる画像モニタ手段を備えることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の電気自動車用充電装置。
【請求項13】
前記画像モニタ手段は、伝送した画像を前記インターホン装置に録画させることを特徴とする請求項12記載の電気自動車用充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−100417(P2012−100417A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245397(P2010−245397)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】