電気計測器のプローブ
【課題】 被検査物に対するプローブの接近性を向上させ、測定しようとする電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性を大いに改善する電気計測器のプローブを提供する。
【解決手段】取っ手と、前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナとを含み、前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出するプローブを構成する。
【解決手段】取っ手と、前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナとを含み、前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出するプローブを構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測器に関するもので、特に、被検査物の電気的特性を検出するための電気計測器のプローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気/電子分野では、電圧、電流、電界及び磁界などの電気的特性を検出するための装置として、電圧計、電流計及びオシロスコープなどの計測器が使用される。このような計測器は、通常、本体と、この本体に電気的に連結されるプローブとを含んで構成される。計測器は、このプローブを通して測定しようとする物体の電気的特性情報を受け、その情報を分析する。そのため、被検査物に対するプローブの接近性によって電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性が決定される。
【0003】
例えば、印刷回路基板上に形成されているパターン形態の信号線に流れる電流を検出するためには、信号線上の二つの地点に電気的に接触するための二つのプローブが必要である。特に、信号線周辺の磁界検出を通して信号線に流れる電流の大きさを検出する場合、磁界の各磁束及びプローブの相対的位置などによって検出される電流の大きさが変わり得るので、正確な検出のための被検査物に対するプローブの接近性が一層重要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る電気計測器のプローブの目的は、被検査物に対するプローブの接近性を向上させ、測定しようとする電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性を大いに改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るプローブは、取っ手と、取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナとを含み、ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0006】
また、上述した取っ手の長さ方向がループアンテナの面の法線方向に従うように、取っ手とループアンテナとが結合される。
【0007】
また、上述した取っ手は、その長さ方向が法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態でループアンテナに結合される。また、上述したループアンテナが取っ手を通して計測器に電気的に連結される。
【0008】
また、上述した電気的特性が磁界である。本発明に係る他のプローブは、取っ手と、一つの面をなすように並んで配置され、取っ手に結合される一対のループアンテナとを含み、一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0009】
また、上述した取っ手の長さ方向が一対のループアンテナの面の法線方向に従うように、取っ手と一対のループアンテナとが結合される。また、上述した取っ手は、その長さ方向が法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態で一対のループアンテナに結合される。また、上述した一対のループアンテナが取っ手を通して計測器に電気的に連結される。また、上述した一対のループアンテナの中間部分を被検査位置に置いて磁界を検出する。また、上述した一対のループアンテナが互いに対角線方向に対称の構造を有する。
【0010】
また、上述した電気的特性が磁界である。本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、一つの面をなすように並んで配置され、取っ手に結合される一対のループアンテナと、一対のループアンテナを取り囲んで保護する保護材とを含み、一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0011】
また、上述した保護材が透明材質である。また、上述した保護材が不透明材質である。また、上述した保護材の表面に一対のループアンテナの間の中間地点を表す表示部が設けられる。
【0012】
また、上述した表示部と被検査物の検査位置とを一致させ、被検査物の周辺の磁界を検出する。また、上述した電気的特性が磁界である。
【0013】
本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、一つの面をなすように並んで配置され、取っ手に脱着可能に結合される一対のループアンテナとを含み、一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0014】
また、上述した面の大きさが互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して取っ手に結合し、被検査物の周辺の磁界を検出する。また、上述したループアンテナの周波数特性を決定するようにループアンテナに電気的に連結される電気素子をさらに含む。
【0015】
また、上述した電気素子がキャパシタ、抵抗及びインダクタのうち少なくとも何れか一つである。また、上述した電気素子の特性値が互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して取っ手に結合し、被検査物の周辺の磁界を検出する。また、上述した電気的特性が磁界である。
【0016】
本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと、少なくとも一つのループアンテナを取り囲んで保護する保護材と、保護材に少なくとも一つのループアンテナを取り囲むように設けられ、少なくとも一つのループアンテナに流入するノイズを遮断する多数のシールドとを含み、ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0017】
また、上述した多数のシールドがそれぞれ輪状に形成される。本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと、少なくとも一つのループアンテナに電気的に連結され、ループアンテナを通して流入する同相モードノイズを遮断するチョックとを含み、ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る電気計測器のプローブによると、被検査物に対するプローブの接近性を向上させ、測定しようとする電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性を大いに改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施例に係るプローブを示した図である。
【図2】図1のプローブを用いた磁界検出状態を示した図である。
【図3】プローブの検出状態を示した図2の印刷回路基板のA−A’線断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るプローブを示した図である。
【図5】図4のプローブを用いた磁界検出状態を示した図である。
【図6】プローブの検出状態を示した図5の印刷回路基板のA−A'線断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るプローブを示した図である。
【図8】本発明の第4実施例に係るプローブを示した図である。
【図9】本発明の第5実施例に係るプローブを示した図である。
【図10】本発明の第6実施例に係るプローブを示した図である。
【図11】本発明の第7実施例に係るプローブを示した図である。
【図12】本発明の第8実施例に係るプローブを示した図である。
【図13】本発明の第9実施例に係るプローブを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を図1乃至図13に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係るプローブを示した図である。図1において、(A)は、四角形のループアンテナ102aが取っ手102bに結合されたプローブ102を示した図で、(B)は、プローブ102の正面図で、(C)は、プローブ102の側面図である。プローブ102の取っ手102bがペン形状であるので、使用者は、プローブ102をペンホールディング方式で把持する。取っ手102bは、その長さ方向がループアンテナ102aの四角形面の略法線方向に従うようにループアンテナ102aに結合される。より具体的に説明すると、取っ手102bは、ループアンテナ102aの四角形面の法線方向からやや傾斜した状態でループアンテナ102aに結合される。そのため、使用者がプローブ102を被検査位置に接近させるとき、使用者は、被検査位置及びループアンテナ102aの位置を容易に確認し、被検査位置に正確にループアンテナ102aを位置させることができる。プローブ102をペンと類似した方式で把持すると、ループアンテナ102aの面が下方に向かうようになり、磁界を検出しようとする対象(例えば、印刷回路基板(PCB))の表面にループアンテナ102aの面が非常に容易に接するようになる。使用者は、取っ手102bをペンホールディング方式で把持した状態でプローブ102を動かしながらループアンテナ102aを被検査地点に位置させ、磁界を検出する。他の実施例では、取っ手102bの長さ方向がループアンテナ102aの面に対して完全に垂直になるように構成することができ、更に他の実施例では、ループアンテナ102aと取っ手102bが一直線になるように構成することができる。すなわち、ループアンテナの面が被検査物の表面に対して容易に平行になるように、取っ手の形状及び取っ手とループアンテナとの結合方向を決定する。
【0022】
また、図1において、(D)は、円形のループアンテナ104aが取っ手104bに結合されたプローブ104を示した図で、(E)は、プローブ104の正面図で、(F)は、プローブ104の側面図である。上述したプローブ102の場合と同様に、使用者は、ペンホールディング方式でプローブ104を把持する。
【0023】
本発明の全ての実施例に係るプローブにおいて、ループアンテナを形成する金属の太さは、可能な限り細いことが好ましい。本発明の実施例では、磁界(H−field)を検出し、これによって電流を測定するので、正確な磁界測定のためには電界(E−field)の影響を最小化すべきである。そのため、ループアンテナを形成する金属の太さを可能な限り細くすることが好ましい。
【0024】
図2は、図1のプローブを用いた磁界検出状態を示した図である。図2に示すように、プローブ102の取っ手102bの一端は、計測器202と電気的に連結される。図2において、印刷回路基板204上に印刷されたパターン形態の信号線206を通して電気的信号伝達のための電流が流れるとき、この電流の流れによって信号線206の周辺に磁界208が形成され、この磁界208にループアンテナ102aを位置させると、ループアンテナ102aに起電力が発生する。計測器202は、この起電力の大きさに基づいて信号線206に流れる電流の大きさを検出して表示する。図2において、矢印210は、信号線206に流れる電流の方向を表すが、このときの磁界208の磁力線の方向は、図2の磁界208に表示された方向と同一である。
【0025】
印刷回路基板204には、電源線と一緒に接地線(GND)212が必ず必要である。この接地線212は、通常、信号線206が形成されている面の背面に形成されるが、信号線206に電流が流れると、この接地線212にも電流が流れ、この接地線212に流れる電流によって印刷回路基板204の全体にかけて弱い磁界が形成される。磁界検出のためのループアンテナが印刷回路基板204に対して水平でない垂直な状態で磁界を検出すると、信号線206から発生する磁界208のみならず、接地線212から発生する磁界も一緒に検出されるので、磁界検出の正確度が低下する。一方、本発明の実施例のように、印刷回路基板204に対して水平(平行)な状態で磁界を検出すると、接地線212から発生する磁界の影響を受けないので、磁界検出の正確度が大いに向上する。
【0026】
図3は、プローブの検出状態を示した図2の印刷回路基板204のA−A'線断面図である。信号線206に流れる電流によって発生する磁界208の各磁力線がループアンテナ102aの面に直交するとき、最も大きい起電力が発生する。したがって、図3に示すように、使用者は、ループアンテナ102aを信号線206の直ぐ横に位置させるとともに、印刷回路基板204の表面近くに接近させることで、磁界208の各磁力線がループアンテナ102aの面に直交するようにし、磁界(電流)を検出する。
【0027】
図4は、本発明の第2実施例に係るプローブを示した図である。図4において、(A)は、一つの面をなすように並んで配置される一対の四角形ループアンテナ402aが取っ手402bに結合されたプローブ402を示した図で、(B)は、プローブ402の正面図で、(C)は、プローブ402の側面図である。プローブ402の取っ手402bがペン形状であるので、使用者は、プローブ402をペンホールディング方式で把持する。取っ手402bは、その長さ方向が一対のループアンテナ402aの四角形面に対して略法線方向に向かうようにループアンテナ402aに結合される。より具体的に説明すると、取っ手402bは、ループアンテナ402aの面の法線方向からやや傾斜した状態でループアンテナ402aに結合される。これによって、使用者がプローブ402を被検査位置に接近させるとき、使用者は、被検査位置及びループアンテナ402aの位置を容易に確認し、被検査位置に正確にループアンテナ402aを位置させることができる。プローブ402をペンと類似した方式で把持すると、ループアンテナ402aの面が下方に向かうようになり、磁界を検出しようとする対象(例えば、印刷回路基板(PCB))の表面にループアンテナ402aの面が容易に接するようになる。使用者は、取っ手402bをペンホールディング方式で把持した状態でプローブ402を移動させながらループアンテナ402aを被検査地点に位置させ、磁界を検出する。このとき、取っ手402bの長さ方向は、ループアンテナ402aの面に対して垂直方向であってもよい。
【0028】
また、図4において、(D)は、一対の円形ループアンテナ404aが取っ手404bに結合されたプローブ404を示した図で、(E)は、プローブ404の正面図で、(F)は、プローブ404の側面図である。上述したプローブ402の場合と同様に、使用者は、ペンホールディング方式でプローブ404を把持する。
【0029】
図5は、図3の磁界検出プローブを用いた磁界検出状態を示した図である。図5に示すように、プローブ402の取っ手402bの一端は、計測器502と電気的に連結される。図5において、印刷回路基板504上に印刷されたパターン形態の信号線506を通して電気的信号伝達のための電流が流れるとき、この電流の流れによって信号線506の周辺に磁界508が形成され、この磁界508にループアンテナ402aを位置させると、ループアンテナ402aに起電力が発生する。計測器502は、この起電力の大きさに基づいて信号線506に流れる電流の大きさを検出して表示する。すなわち、本発明の実施例に係るプローブ402は、基本的には信号線506の周辺の磁界を検出し、この磁界に基づいて信号線506に流れる電流を検出する。図5において、矢印510は、信号線506に流れる電流の方向を表すが、このときの磁界508の磁力線の方向は、図5の磁界508に表示された方向と同一である。
【0030】
図6は、プローブの検出状態を示した図5の印刷回路基板504のA−A'線断面図である。信号線506に流れる電流によって発生する磁界508の各磁力線がループアンテナ402aの面に直交するとき、最も大きい起電力が発生する。したがって、図6に示すように、使用者は、ループアンテナ402aを信号線506の直ぐ上に位置させるとともに、信号線506の表面近くに接近させることで、信号線506の周辺から発生する磁界508の各磁力線が一対のループアンテナ402aの各面に直交するようにし、磁界(電流)を検出する。
【0031】
本発明の第2実施例のように、一対のループアンテナ402aを備えるプローブ402の場合、信号線506の両側から発生する大きい磁界を検出することができる。信号線506の周辺の磁界によって誘導される起電力の大きさをグラフで示すと、図6の下部に示すように、信号線506の両側で起電力が最も大きいことが分かる。したがって、一対のループアンテナ402aの中間部分を信号線506のすぐ上に位置させると、一対のループアンテナ402aが自然に信号線506の両側に位置しながら信号線506の周辺から発生する最も大きい磁界を検出できるので、磁界検出の正確度が非常に向上する。
【0032】
また、図6に示すように、一対のループアンテナ402aをそれぞれ通過する磁束の方向は互いに反対である。すなわち、一対のループアンテナ402aのうち何れか一つのループアンテナには、印刷回路基板504から上方に向かう磁束が通過し、残りの一つのループアンテナには、印刷回路基板504に向かう磁束が通過する。そのため、図4に示すように、一対のループアンテナ402aが互いに反対方向に螺旋をなすことで(すなわち、互いに対角線方向に対称をなすことで)、信号線506の両側から互いに反対方向に向かって発生する各磁束が全て検出される。このような構造は、図4の(D)に示した一対の円形のループアンテナ404aの場合にも同様である。
【0033】
図7は、本発明の第3実施例に係るプローブを示した図である。図7に示すように、プローブ702の取っ手702bに結合される一対のループアンテナ702aを透明材質の合成樹脂などからなる保護材702cで取り囲むことで、ループアンテナ702aを保護する。ループアンテナ702aの太さが比較的細い場合、外力による破損及び汚染物質による汚染などの問題があるので、ループアンテナ702aを保護材702cで取り囲んで保護する。
【0034】
正確な磁界検出のためには、信号線706が一対のループアンテナ702aの中間に位置することが好ましいが(図6に基づいた説明を参照)、このために、保護材702cとして透明材質の物質を使用すると、使用者は、信号線706及びループアンテナ702aを肉眼で確認し、信号線706の位置と一対のループアンテナ702aの中間地点を正確に調節することができる。
【0035】
図8は、本発明の第4実施例に係るプローブを示した図である。図8に示すように、プローブ802の取っ手802bに結合される一対のループアンテナ802aを透明材質の合成樹脂などからなる保護材802cで取り囲むことでループアンテナ802aを保護し、この保護材802cの下部面のループアンテナ802aの周囲に多数の輪状のシールド802dを設置することで、ループアンテナ802aに流入するノイズを遮断する。多数の信号線が複雑に配置されている場合、一つの信号線の磁界を検出するとき、隣接した他の信号線の磁界によって目的とする位置の磁界が正確に検出されないこともあるので、シールド802dを位置させることで、目的としない磁界の影響を最小化することが好ましい。
【0036】
図9は、本発明の第5実施例に係るプローブを示した図である。図9に示すように、プローブ902の取っ手902bに結合される一対のループアンテナ902aを合成樹脂などからなる保護材902cで取り囲むことでループアンテナ902aを保護し、ループアンテナ902aが取っ手902bに結合される部分の両端にかけて抵抗902dを設置する。この抵抗902dは、ループアンテナ902aの周波数特性(s−parameter)を平坦にし、ループアンテナ902aの磁界検出の正確度を改善する。本発明の第5実施例に係るプローブの電気的特性を変化させるための他の電気素子として、抵抗902dの代わりにキャパシタやインダクタのうち少なくとも何れか一つを使用してもよい。
【0037】
図10は、本発明の第6実施例に係るプローブを示した図である。図10に示すように、取っ手1002bに結合口1002cを設けるとともに、この結合口1002cに選択的に結合可能な多様な大きさのループアンテナ1002a,1004a,1006aを設ける。使用者は、必要によって所望の大きさのループアンテナ1002a,1004a,1006aを選択し、これを結合口1002cを通して取っ手1002bに結合することでプローブ1002を完成する。印刷回路基板上に形成される各信号線は、その幅及び間隔が非常に多様である。信号線の幅が狭く、隣接した各信号線の間隔が非常に狭いにもかかわらず、大きいループアンテナ1002aを使用すると、目的としない信号線の磁界も一緒に検出される。したがって、信号線の幅が狭く、隣接した各信号線の間隔が非常に狭い場合には、小さいループアンテナ1006aを選択して使用することで、より正確な磁界を検出可能にする。図10には示していないが、各ループアンテナ1002a,1004a,1006aに図7に示した保護材702cを取り囲むことでループアンテナ1002a,1004a,1006aを保護してもよい。
【0038】
図11は、本発明の第7実施例に係るプローブを示した図である。図11に示すように、取っ手1102bに結合口1102cを設けるとともに、この結合口1102cに選択的に結合可能な多様な抵抗値の抵抗1102d,1104d,1106dを有するループアンテナ1102a,1104a,1106aを設ける。使用者は、必要によって所望の抵抗値の抵抗を有するループアンテナ1102a,1104a,1106aを選択し、これを結合口1102cを通して取っ手1102bに結合することでプローブ1102を完成する。使用者は、目的とする周波数特性に合う抵抗値の抵抗1102d,1104d,1106dを有するループアンテナ1102a,1104a,1106aを選択して使用することで、より正確な磁界検出を可能にする。図11には示していないが、各ループアンテナ1102a,1104a,1106aに図7に示した保護材702cを取り囲むことでループアンテナ1102a,1104a,1106aを保護してもよい。
【0039】
図12は、本発明の第8実施例に係るプローブを示した図である。図12に示すように、プローブ1202の取っ手1202bに結合される一対のループアンテナ1202aを不透明材質の合成樹脂などからなる保護材1202cで取り囲むことで、ループアンテナ1202aを保護する。ループアンテナ1202aの太さが比較的細い場合、外力による破損及び汚染物質による汚染などの問題があるので、ループアンテナ1202aを保護材1202cで取り囲んで保護する。
【0040】
正確な磁界検出のためには、信号線1206が一対のループアンテナ1202aの中間に位置することが好ましいが(図6に基づいた説明を参照)、このために、不透明材質の保護材1202cの表面に一対のループアンテナ1202aの中間地点を表す表示部1202dを設ける。使用者は、プローブ1202を用いて磁界を検出するとき、信号線1206上に表示部1202dが位置するようにプローブ1202を位置させ、正確な磁界検出を可能にする。
【0041】
図13は、本発明の第9実施例に係るプローブを示した図である。図13に示すように、一対のループアンテナ1302aの上端に同相モードチョック1302dを設置する。この同相モードチョック1302dは、ループアンテナ902aを通して流入する同相モードノイズを遮断し、ループアンテナ1302aの磁界検出の正確度を改善する。この同相モードチョック1302dの電気的特性(例えば、コイルのターン数など)を調節することで、低周波ノイズまたは高周波ノイズなどを選択的に遮断することができる。
【符号の説明】
【0042】
102,104,402,404,702,802,902,1002,1102,1202 プローブ
102a,104a,402a,404a,702a,802a,902a,1002a,1004a,1006a,1102a,1104a,1106a,1202a,1302a ループアンテナ
102b,104b,402b,404b,702b,802b,902b,1002b,1102b,1202b 取っ手
202,502 計測器
204,504 印刷回路基板
206,506,706,1206 信号線
208,508 磁界
212 接地線
702c,802c,902c,1202c 保護材
802d シールド
902d,1102d,1104d,1106d 抵抗
1202d 表示部
1302d 同相モードチョック
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測器に関するもので、特に、被検査物の電気的特性を検出するための電気計測器のプローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気/電子分野では、電圧、電流、電界及び磁界などの電気的特性を検出するための装置として、電圧計、電流計及びオシロスコープなどの計測器が使用される。このような計測器は、通常、本体と、この本体に電気的に連結されるプローブとを含んで構成される。計測器は、このプローブを通して測定しようとする物体の電気的特性情報を受け、その情報を分析する。そのため、被検査物に対するプローブの接近性によって電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性が決定される。
【0003】
例えば、印刷回路基板上に形成されているパターン形態の信号線に流れる電流を検出するためには、信号線上の二つの地点に電気的に接触するための二つのプローブが必要である。特に、信号線周辺の磁界検出を通して信号線に流れる電流の大きさを検出する場合、磁界の各磁束及びプローブの相対的位置などによって検出される電流の大きさが変わり得るので、正確な検出のための被検査物に対するプローブの接近性が一層重要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る電気計測器のプローブの目的は、被検査物に対するプローブの接近性を向上させ、測定しようとする電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性を大いに改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るプローブは、取っ手と、取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナとを含み、ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0006】
また、上述した取っ手の長さ方向がループアンテナの面の法線方向に従うように、取っ手とループアンテナとが結合される。
【0007】
また、上述した取っ手は、その長さ方向が法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態でループアンテナに結合される。また、上述したループアンテナが取っ手を通して計測器に電気的に連結される。
【0008】
また、上述した電気的特性が磁界である。本発明に係る他のプローブは、取っ手と、一つの面をなすように並んで配置され、取っ手に結合される一対のループアンテナとを含み、一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0009】
また、上述した取っ手の長さ方向が一対のループアンテナの面の法線方向に従うように、取っ手と一対のループアンテナとが結合される。また、上述した取っ手は、その長さ方向が法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態で一対のループアンテナに結合される。また、上述した一対のループアンテナが取っ手を通して計測器に電気的に連結される。また、上述した一対のループアンテナの中間部分を被検査位置に置いて磁界を検出する。また、上述した一対のループアンテナが互いに対角線方向に対称の構造を有する。
【0010】
また、上述した電気的特性が磁界である。本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、一つの面をなすように並んで配置され、取っ手に結合される一対のループアンテナと、一対のループアンテナを取り囲んで保護する保護材とを含み、一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0011】
また、上述した保護材が透明材質である。また、上述した保護材が不透明材質である。また、上述した保護材の表面に一対のループアンテナの間の中間地点を表す表示部が設けられる。
【0012】
また、上述した表示部と被検査物の検査位置とを一致させ、被検査物の周辺の磁界を検出する。また、上述した電気的特性が磁界である。
【0013】
本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、一つの面をなすように並んで配置され、取っ手に脱着可能に結合される一対のループアンテナとを含み、一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0014】
また、上述した面の大きさが互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して取っ手に結合し、被検査物の周辺の磁界を検出する。また、上述したループアンテナの周波数特性を決定するようにループアンテナに電気的に連結される電気素子をさらに含む。
【0015】
また、上述した電気素子がキャパシタ、抵抗及びインダクタのうち少なくとも何れか一つである。また、上述した電気素子の特性値が互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して取っ手に結合し、被検査物の周辺の磁界を検出する。また、上述した電気的特性が磁界である。
【0016】
本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと、少なくとも一つのループアンテナを取り囲んで保護する保護材と、保護材に少なくとも一つのループアンテナを取り囲むように設けられ、少なくとも一つのループアンテナに流入するノイズを遮断する多数のシールドとを含み、ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【0017】
また、上述した多数のシールドがそれぞれ輪状に形成される。本発明に係る更に他のプローブは、取っ手と、取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと、少なくとも一つのループアンテナに電気的に連結され、ループアンテナを通して流入する同相モードノイズを遮断するチョックとを含み、ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、被検査物の周辺の電気的特性を検出する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る電気計測器のプローブによると、被検査物に対するプローブの接近性を向上させ、測定しようとする電気的特性情報の正確度及び検査者のプローブ使用便宜性を大いに改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施例に係るプローブを示した図である。
【図2】図1のプローブを用いた磁界検出状態を示した図である。
【図3】プローブの検出状態を示した図2の印刷回路基板のA−A’線断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るプローブを示した図である。
【図5】図4のプローブを用いた磁界検出状態を示した図である。
【図6】プローブの検出状態を示した図5の印刷回路基板のA−A'線断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るプローブを示した図である。
【図8】本発明の第4実施例に係るプローブを示した図である。
【図9】本発明の第5実施例に係るプローブを示した図である。
【図10】本発明の第6実施例に係るプローブを示した図である。
【図11】本発明の第7実施例に係るプローブを示した図である。
【図12】本発明の第8実施例に係るプローブを示した図である。
【図13】本発明の第9実施例に係るプローブを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を図1乃至図13に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係るプローブを示した図である。図1において、(A)は、四角形のループアンテナ102aが取っ手102bに結合されたプローブ102を示した図で、(B)は、プローブ102の正面図で、(C)は、プローブ102の側面図である。プローブ102の取っ手102bがペン形状であるので、使用者は、プローブ102をペンホールディング方式で把持する。取っ手102bは、その長さ方向がループアンテナ102aの四角形面の略法線方向に従うようにループアンテナ102aに結合される。より具体的に説明すると、取っ手102bは、ループアンテナ102aの四角形面の法線方向からやや傾斜した状態でループアンテナ102aに結合される。そのため、使用者がプローブ102を被検査位置に接近させるとき、使用者は、被検査位置及びループアンテナ102aの位置を容易に確認し、被検査位置に正確にループアンテナ102aを位置させることができる。プローブ102をペンと類似した方式で把持すると、ループアンテナ102aの面が下方に向かうようになり、磁界を検出しようとする対象(例えば、印刷回路基板(PCB))の表面にループアンテナ102aの面が非常に容易に接するようになる。使用者は、取っ手102bをペンホールディング方式で把持した状態でプローブ102を動かしながらループアンテナ102aを被検査地点に位置させ、磁界を検出する。他の実施例では、取っ手102bの長さ方向がループアンテナ102aの面に対して完全に垂直になるように構成することができ、更に他の実施例では、ループアンテナ102aと取っ手102bが一直線になるように構成することができる。すなわち、ループアンテナの面が被検査物の表面に対して容易に平行になるように、取っ手の形状及び取っ手とループアンテナとの結合方向を決定する。
【0022】
また、図1において、(D)は、円形のループアンテナ104aが取っ手104bに結合されたプローブ104を示した図で、(E)は、プローブ104の正面図で、(F)は、プローブ104の側面図である。上述したプローブ102の場合と同様に、使用者は、ペンホールディング方式でプローブ104を把持する。
【0023】
本発明の全ての実施例に係るプローブにおいて、ループアンテナを形成する金属の太さは、可能な限り細いことが好ましい。本発明の実施例では、磁界(H−field)を検出し、これによって電流を測定するので、正確な磁界測定のためには電界(E−field)の影響を最小化すべきである。そのため、ループアンテナを形成する金属の太さを可能な限り細くすることが好ましい。
【0024】
図2は、図1のプローブを用いた磁界検出状態を示した図である。図2に示すように、プローブ102の取っ手102bの一端は、計測器202と電気的に連結される。図2において、印刷回路基板204上に印刷されたパターン形態の信号線206を通して電気的信号伝達のための電流が流れるとき、この電流の流れによって信号線206の周辺に磁界208が形成され、この磁界208にループアンテナ102aを位置させると、ループアンテナ102aに起電力が発生する。計測器202は、この起電力の大きさに基づいて信号線206に流れる電流の大きさを検出して表示する。図2において、矢印210は、信号線206に流れる電流の方向を表すが、このときの磁界208の磁力線の方向は、図2の磁界208に表示された方向と同一である。
【0025】
印刷回路基板204には、電源線と一緒に接地線(GND)212が必ず必要である。この接地線212は、通常、信号線206が形成されている面の背面に形成されるが、信号線206に電流が流れると、この接地線212にも電流が流れ、この接地線212に流れる電流によって印刷回路基板204の全体にかけて弱い磁界が形成される。磁界検出のためのループアンテナが印刷回路基板204に対して水平でない垂直な状態で磁界を検出すると、信号線206から発生する磁界208のみならず、接地線212から発生する磁界も一緒に検出されるので、磁界検出の正確度が低下する。一方、本発明の実施例のように、印刷回路基板204に対して水平(平行)な状態で磁界を検出すると、接地線212から発生する磁界の影響を受けないので、磁界検出の正確度が大いに向上する。
【0026】
図3は、プローブの検出状態を示した図2の印刷回路基板204のA−A'線断面図である。信号線206に流れる電流によって発生する磁界208の各磁力線がループアンテナ102aの面に直交するとき、最も大きい起電力が発生する。したがって、図3に示すように、使用者は、ループアンテナ102aを信号線206の直ぐ横に位置させるとともに、印刷回路基板204の表面近くに接近させることで、磁界208の各磁力線がループアンテナ102aの面に直交するようにし、磁界(電流)を検出する。
【0027】
図4は、本発明の第2実施例に係るプローブを示した図である。図4において、(A)は、一つの面をなすように並んで配置される一対の四角形ループアンテナ402aが取っ手402bに結合されたプローブ402を示した図で、(B)は、プローブ402の正面図で、(C)は、プローブ402の側面図である。プローブ402の取っ手402bがペン形状であるので、使用者は、プローブ402をペンホールディング方式で把持する。取っ手402bは、その長さ方向が一対のループアンテナ402aの四角形面に対して略法線方向に向かうようにループアンテナ402aに結合される。より具体的に説明すると、取っ手402bは、ループアンテナ402aの面の法線方向からやや傾斜した状態でループアンテナ402aに結合される。これによって、使用者がプローブ402を被検査位置に接近させるとき、使用者は、被検査位置及びループアンテナ402aの位置を容易に確認し、被検査位置に正確にループアンテナ402aを位置させることができる。プローブ402をペンと類似した方式で把持すると、ループアンテナ402aの面が下方に向かうようになり、磁界を検出しようとする対象(例えば、印刷回路基板(PCB))の表面にループアンテナ402aの面が容易に接するようになる。使用者は、取っ手402bをペンホールディング方式で把持した状態でプローブ402を移動させながらループアンテナ402aを被検査地点に位置させ、磁界を検出する。このとき、取っ手402bの長さ方向は、ループアンテナ402aの面に対して垂直方向であってもよい。
【0028】
また、図4において、(D)は、一対の円形ループアンテナ404aが取っ手404bに結合されたプローブ404を示した図で、(E)は、プローブ404の正面図で、(F)は、プローブ404の側面図である。上述したプローブ402の場合と同様に、使用者は、ペンホールディング方式でプローブ404を把持する。
【0029】
図5は、図3の磁界検出プローブを用いた磁界検出状態を示した図である。図5に示すように、プローブ402の取っ手402bの一端は、計測器502と電気的に連結される。図5において、印刷回路基板504上に印刷されたパターン形態の信号線506を通して電気的信号伝達のための電流が流れるとき、この電流の流れによって信号線506の周辺に磁界508が形成され、この磁界508にループアンテナ402aを位置させると、ループアンテナ402aに起電力が発生する。計測器502は、この起電力の大きさに基づいて信号線506に流れる電流の大きさを検出して表示する。すなわち、本発明の実施例に係るプローブ402は、基本的には信号線506の周辺の磁界を検出し、この磁界に基づいて信号線506に流れる電流を検出する。図5において、矢印510は、信号線506に流れる電流の方向を表すが、このときの磁界508の磁力線の方向は、図5の磁界508に表示された方向と同一である。
【0030】
図6は、プローブの検出状態を示した図5の印刷回路基板504のA−A'線断面図である。信号線506に流れる電流によって発生する磁界508の各磁力線がループアンテナ402aの面に直交するとき、最も大きい起電力が発生する。したがって、図6に示すように、使用者は、ループアンテナ402aを信号線506の直ぐ上に位置させるとともに、信号線506の表面近くに接近させることで、信号線506の周辺から発生する磁界508の各磁力線が一対のループアンテナ402aの各面に直交するようにし、磁界(電流)を検出する。
【0031】
本発明の第2実施例のように、一対のループアンテナ402aを備えるプローブ402の場合、信号線506の両側から発生する大きい磁界を検出することができる。信号線506の周辺の磁界によって誘導される起電力の大きさをグラフで示すと、図6の下部に示すように、信号線506の両側で起電力が最も大きいことが分かる。したがって、一対のループアンテナ402aの中間部分を信号線506のすぐ上に位置させると、一対のループアンテナ402aが自然に信号線506の両側に位置しながら信号線506の周辺から発生する最も大きい磁界を検出できるので、磁界検出の正確度が非常に向上する。
【0032】
また、図6に示すように、一対のループアンテナ402aをそれぞれ通過する磁束の方向は互いに反対である。すなわち、一対のループアンテナ402aのうち何れか一つのループアンテナには、印刷回路基板504から上方に向かう磁束が通過し、残りの一つのループアンテナには、印刷回路基板504に向かう磁束が通過する。そのため、図4に示すように、一対のループアンテナ402aが互いに反対方向に螺旋をなすことで(すなわち、互いに対角線方向に対称をなすことで)、信号線506の両側から互いに反対方向に向かって発生する各磁束が全て検出される。このような構造は、図4の(D)に示した一対の円形のループアンテナ404aの場合にも同様である。
【0033】
図7は、本発明の第3実施例に係るプローブを示した図である。図7に示すように、プローブ702の取っ手702bに結合される一対のループアンテナ702aを透明材質の合成樹脂などからなる保護材702cで取り囲むことで、ループアンテナ702aを保護する。ループアンテナ702aの太さが比較的細い場合、外力による破損及び汚染物質による汚染などの問題があるので、ループアンテナ702aを保護材702cで取り囲んで保護する。
【0034】
正確な磁界検出のためには、信号線706が一対のループアンテナ702aの中間に位置することが好ましいが(図6に基づいた説明を参照)、このために、保護材702cとして透明材質の物質を使用すると、使用者は、信号線706及びループアンテナ702aを肉眼で確認し、信号線706の位置と一対のループアンテナ702aの中間地点を正確に調節することができる。
【0035】
図8は、本発明の第4実施例に係るプローブを示した図である。図8に示すように、プローブ802の取っ手802bに結合される一対のループアンテナ802aを透明材質の合成樹脂などからなる保護材802cで取り囲むことでループアンテナ802aを保護し、この保護材802cの下部面のループアンテナ802aの周囲に多数の輪状のシールド802dを設置することで、ループアンテナ802aに流入するノイズを遮断する。多数の信号線が複雑に配置されている場合、一つの信号線の磁界を検出するとき、隣接した他の信号線の磁界によって目的とする位置の磁界が正確に検出されないこともあるので、シールド802dを位置させることで、目的としない磁界の影響を最小化することが好ましい。
【0036】
図9は、本発明の第5実施例に係るプローブを示した図である。図9に示すように、プローブ902の取っ手902bに結合される一対のループアンテナ902aを合成樹脂などからなる保護材902cで取り囲むことでループアンテナ902aを保護し、ループアンテナ902aが取っ手902bに結合される部分の両端にかけて抵抗902dを設置する。この抵抗902dは、ループアンテナ902aの周波数特性(s−parameter)を平坦にし、ループアンテナ902aの磁界検出の正確度を改善する。本発明の第5実施例に係るプローブの電気的特性を変化させるための他の電気素子として、抵抗902dの代わりにキャパシタやインダクタのうち少なくとも何れか一つを使用してもよい。
【0037】
図10は、本発明の第6実施例に係るプローブを示した図である。図10に示すように、取っ手1002bに結合口1002cを設けるとともに、この結合口1002cに選択的に結合可能な多様な大きさのループアンテナ1002a,1004a,1006aを設ける。使用者は、必要によって所望の大きさのループアンテナ1002a,1004a,1006aを選択し、これを結合口1002cを通して取っ手1002bに結合することでプローブ1002を完成する。印刷回路基板上に形成される各信号線は、その幅及び間隔が非常に多様である。信号線の幅が狭く、隣接した各信号線の間隔が非常に狭いにもかかわらず、大きいループアンテナ1002aを使用すると、目的としない信号線の磁界も一緒に検出される。したがって、信号線の幅が狭く、隣接した各信号線の間隔が非常に狭い場合には、小さいループアンテナ1006aを選択して使用することで、より正確な磁界を検出可能にする。図10には示していないが、各ループアンテナ1002a,1004a,1006aに図7に示した保護材702cを取り囲むことでループアンテナ1002a,1004a,1006aを保護してもよい。
【0038】
図11は、本発明の第7実施例に係るプローブを示した図である。図11に示すように、取っ手1102bに結合口1102cを設けるとともに、この結合口1102cに選択的に結合可能な多様な抵抗値の抵抗1102d,1104d,1106dを有するループアンテナ1102a,1104a,1106aを設ける。使用者は、必要によって所望の抵抗値の抵抗を有するループアンテナ1102a,1104a,1106aを選択し、これを結合口1102cを通して取っ手1102bに結合することでプローブ1102を完成する。使用者は、目的とする周波数特性に合う抵抗値の抵抗1102d,1104d,1106dを有するループアンテナ1102a,1104a,1106aを選択して使用することで、より正確な磁界検出を可能にする。図11には示していないが、各ループアンテナ1102a,1104a,1106aに図7に示した保護材702cを取り囲むことでループアンテナ1102a,1104a,1106aを保護してもよい。
【0039】
図12は、本発明の第8実施例に係るプローブを示した図である。図12に示すように、プローブ1202の取っ手1202bに結合される一対のループアンテナ1202aを不透明材質の合成樹脂などからなる保護材1202cで取り囲むことで、ループアンテナ1202aを保護する。ループアンテナ1202aの太さが比較的細い場合、外力による破損及び汚染物質による汚染などの問題があるので、ループアンテナ1202aを保護材1202cで取り囲んで保護する。
【0040】
正確な磁界検出のためには、信号線1206が一対のループアンテナ1202aの中間に位置することが好ましいが(図6に基づいた説明を参照)、このために、不透明材質の保護材1202cの表面に一対のループアンテナ1202aの中間地点を表す表示部1202dを設ける。使用者は、プローブ1202を用いて磁界を検出するとき、信号線1206上に表示部1202dが位置するようにプローブ1202を位置させ、正確な磁界検出を可能にする。
【0041】
図13は、本発明の第9実施例に係るプローブを示した図である。図13に示すように、一対のループアンテナ1302aの上端に同相モードチョック1302dを設置する。この同相モードチョック1302dは、ループアンテナ902aを通して流入する同相モードノイズを遮断し、ループアンテナ1302aの磁界検出の正確度を改善する。この同相モードチョック1302dの電気的特性(例えば、コイルのターン数など)を調節することで、低周波ノイズまたは高周波ノイズなどを選択的に遮断することができる。
【符号の説明】
【0042】
102,104,402,404,702,802,902,1002,1102,1202 プローブ
102a,104a,402a,404a,702a,802a,902a,1002a,1004a,1006a,1102a,1104a,1106a,1202a,1302a ループアンテナ
102b,104b,402b,404b,702b,802b,902b,1002b,1102b,1202b 取っ手
202,502 計測器
204,504 印刷回路基板
206,506,706,1206 信号線
208,508 磁界
212 接地線
702c,802c,902c,1202c 保護材
802d シールド
902d,1102d,1104d,1106d 抵抗
1202d 表示部
1302d 同相モードチョック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取っ手と;
前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと;を含み、
前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項2】
前記取っ手の長さ方向が前記ループアンテナの面の法線方向に従うように、前記取っ手と前記ループアンテナとが結合されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記取っ手は、その長さ方向が前記法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態で前記ループアンテナに結合されることを特徴とする請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記ループアンテナが前記取っ手を通して計測器に電気的に連結されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
取っ手と;
一つの面をなすように並んで配置され、前記取っ手に結合される一対のループアンテナと;を含み、
前記一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項7】
前記取っ手の長さ方向が前記一対のループアンテナの面の法線方向に従うように、前記取っ手と前記一対のループアンテナとが結合されることを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項8】
前記取っ手は、その長さ方向が前記法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態で前記一対のループアンテナに結合されることを特徴とする請求項7に記載のプローブ。
【請求項9】
前記一対のループアンテナが前記取っ手を通して計測器に電気的に連結されることを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項10】
前記一対のループアンテナの中間部分を被検査位置に置いて磁界を検出することを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項11】
前記一対のループアンテナが互いに対角線方向に対称の構造を有することを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項12】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項13】
取っ手と;
一つの面をなすように並んで配置され、前記取っ手に結合される一対のループアンテナと;
前記一対のループアンテナを取り囲んで保護する保護材と;を含み、
前記一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項14】
前記保護材が透明材質であることを特徴とする請求項13に記載のプローブ。
【請求項15】
前記保護材が不透明材質であることを特徴とする請求項13に記載のプローブ。
【請求項16】
前記保護材の表面に前記一対のループアンテナの間の中間地点を表す表示部が設けられることを特徴とする請求項15に記載のプローブ。
【請求項17】
前記表示部と前記被検査物の検査位置とを一致させ、前記被検査物の周辺の磁界を検出することを特徴とする請求項16に記載のプローブ。
【請求項18】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項13に記載のプローブ。
【請求項19】
取っ手と;
一つの面をなすように並んで配置され、前記取っ手に脱着可能に結合される一対のループアンテナと;を含み、
前記一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項20】
前記面の大きさが互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して前記取っ手に結合し、前記被検査物の周辺の磁界を検出することを特徴とする請求項19に記載のプローブ。
【請求項21】
前記ループアンテナの周波数特性を決定するように前記ループアンテナに電気的に連結される電気素子をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のプローブ。
【請求項22】
前記電気素子がキャパシタ、抵抗及びインダクタのうち少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項21に記載のプローブ。
【請求項23】
前記電気素子の特性値が互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して前記取っ手に結合し、前記被検査物の周辺の磁界を検出することを特徴とする請求項21に記載のプローブ。
【請求項24】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項19に記載のプローブ。
【請求項25】
取っ手と;
前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと;
前記少なくとも一つのループアンテナを取り囲んで保護する保護材と;
前記保護材に前記少なくとも一つのループアンテナを取り囲むように設けられ、前記少なくとも一つのループアンテナに流入するノイズを遮断する多数のシールドと;を含み、
前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項26】
前記多数のシールドがそれぞれ輪状に形成されることを特徴とする請求項25に記載のプローブ。
【請求項27】
取っ手と;
前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと;
前記少なくとも一つのループアンテナに電気的に連結され、前記ループアンテナを通して流入する同相モードノイズを遮断するチョックと;を含み、
前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項1】
取っ手と;
前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと;を含み、
前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項2】
前記取っ手の長さ方向が前記ループアンテナの面の法線方向に従うように、前記取っ手と前記ループアンテナとが結合されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記取っ手は、その長さ方向が前記法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態で前記ループアンテナに結合されることを特徴とする請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記ループアンテナが前記取っ手を通して計測器に電気的に連結されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
取っ手と;
一つの面をなすように並んで配置され、前記取っ手に結合される一対のループアンテナと;を含み、
前記一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項7】
前記取っ手の長さ方向が前記一対のループアンテナの面の法線方向に従うように、前記取っ手と前記一対のループアンテナとが結合されることを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項8】
前記取っ手は、その長さ方向が前記法線方向に対して予め設定された角度だけ傾斜した状態で前記一対のループアンテナに結合されることを特徴とする請求項7に記載のプローブ。
【請求項9】
前記一対のループアンテナが前記取っ手を通して計測器に電気的に連結されることを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項10】
前記一対のループアンテナの中間部分を被検査位置に置いて磁界を検出することを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項11】
前記一対のループアンテナが互いに対角線方向に対称の構造を有することを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項12】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項6に記載のプローブ。
【請求項13】
取っ手と;
一つの面をなすように並んで配置され、前記取っ手に結合される一対のループアンテナと;
前記一対のループアンテナを取り囲んで保護する保護材と;を含み、
前記一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項14】
前記保護材が透明材質であることを特徴とする請求項13に記載のプローブ。
【請求項15】
前記保護材が不透明材質であることを特徴とする請求項13に記載のプローブ。
【請求項16】
前記保護材の表面に前記一対のループアンテナの間の中間地点を表す表示部が設けられることを特徴とする請求項15に記載のプローブ。
【請求項17】
前記表示部と前記被検査物の検査位置とを一致させ、前記被検査物の周辺の磁界を検出することを特徴とする請求項16に記載のプローブ。
【請求項18】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項13に記載のプローブ。
【請求項19】
取っ手と;
一つの面をなすように並んで配置され、前記取っ手に脱着可能に結合される一対のループアンテナと;を含み、
前記一対のループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項20】
前記面の大きさが互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して前記取っ手に結合し、前記被検査物の周辺の磁界を検出することを特徴とする請求項19に記載のプローブ。
【請求項21】
前記ループアンテナの周波数特性を決定するように前記ループアンテナに電気的に連結される電気素子をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のプローブ。
【請求項22】
前記電気素子がキャパシタ、抵抗及びインダクタのうち少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項21に記載のプローブ。
【請求項23】
前記電気素子の特性値が互いに異なる複数のループアンテナのうち何れか一つを選択して前記取っ手に結合し、前記被検査物の周辺の磁界を検出することを特徴とする請求項21に記載のプローブ。
【請求項24】
前記電気的特性が磁界であることを特徴とする請求項19に記載のプローブ。
【請求項25】
取っ手と;
前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと;
前記少なくとも一つのループアンテナを取り囲んで保護する保護材と;
前記保護材に前記少なくとも一つのループアンテナを取り囲むように設けられ、前記少なくとも一つのループアンテナに流入するノイズを遮断する多数のシールドと;を含み、
前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【請求項26】
前記多数のシールドがそれぞれ輪状に形成されることを特徴とする請求項25に記載のプローブ。
【請求項27】
取っ手と;
前記取っ手に結合される少なくとも一つのループアンテナと;
前記少なくとも一つのループアンテナに電気的に連結され、前記ループアンテナを通して流入する同相モードノイズを遮断するチョックと;を含み、
前記ループアンテナの面が被検査物に向かうようにし、前記被検査物の周辺の電気的特性を検出することを特徴とするプローブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−78597(P2010−78597A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209603(P2009−209603)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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