説明

電池モジュール

【課題】電圧の検出精度を高めることが可能な電池モジュールを提供する。
【解決手段】正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とをジョイント端子20により接続することで、前記複数の電池セルを直列に接続してなる電池モジュールであって、隣り合う前記電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとのうち少なくとも一方には球面が形成され、前記正極端子10Aまたは負極端子10Bに形成された球面に弾性的に接触するとともに電圧測定回路の電圧測定線40に接続された電圧検出端子30を有している。これにより、電圧検出端子は正極端子10Aまたは負極端子10Bに直接接触した状態になるから、電圧の検出精度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルが直列に接続されてなる電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電池モジュールの一例として、隣り合う2つの電池セル間を電気的に接続するバスバーと、隣り合う2つの電池セル毎に電圧を検知する電圧検出端子とを備えてなる電池モジュールが知られている(例えば特許文献1)。この電池モジュールを構成する各電池セルの正極および負極には、雄ネジ型をなす端子部が突出して設けられ、バスバーおよび電圧検出端子には、電池セルの端子部を挿通可能な挿通孔がそれぞれ形成されている。
【0003】
そして、隣り合う2つの電池セルの端子部に挿通孔をそれぞれ挿通させてバスバーを正極および負極に面接触させ、また隣り合う端子部のうち一方の端子部に挿通孔を挿通させて電圧検出端子をバスバーに面接触させ、端子部にナットを締め付けることでバスバーと電圧検出端子とを固定している。
【特許文献1】特開2000−333343公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような電池モジュールにおいては、電池セルの電圧を検出して電圧が均一になるように制御している。しかしながら、電圧のバラツキをより小さくするために、電圧の検出精度をさらに高めたいという要望があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電圧の検出精度を高めることが可能な電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電池モジュールは、正極端子および負極端子が突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とをジョイント端子により接続することで、前記複数の電池セルを直列に接続してなる電池モジュールであって、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とのうち少なくとも一方には球面が形成され、前記正極端子または負極端子に形成された球面に弾性的に接触するとともに電圧測定回路の電圧測定線に接続された電圧検出端子を有している。このような構成によれば、電圧検出端子は正極端子または負極端子に直接接触した状態になるから、電圧の検出精度を高めることができる。
【0006】
また、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子との両方に前記球面が形成され、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とに前記電圧検出端子がそれぞれ接続されているものとしてもよい。このような構成によれば、各電池セル毎に電圧を検出することができるから、2つの電池セル毎に電圧を検出する場合に比べて電圧の検出精度を高めることができる。
【0007】
また、前記電圧検出端子は、片持ち状をなして前記球面に弾性的に接触する接触片を有するものとしてもよい。
また、前記電圧検出端子は、前記正極端子または負極端子を弾性的に挟み込んで前記球面に弾性的に接触する一対の接触片を有するものとしてもよい。これにより、ボルト締め等することなく、正極端子または負極端子に電圧検出端子を接続することができるから、接続作業を容易に行うことができる。
また、前記接触片には、前記球面が嵌合可能な孔部が設けられているものとしてもよい。
【0008】
また、前記電圧検出端子は、前記球面に弾性的に接触するコイルバネを有するものとしてもよい。
【0009】
また、前記ジョイント端子は、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とを弾性的に挟み込む一対の接続片を有するものであり、前記電圧検出端子は、前記一対の接続片を挟持する一対の挟持片を有するものとしてもよい。このような構成によれば、ボルト締め等することなく、隣り合う電池セルの正極端子と負極端子とにジョイント端子を接続することができるから、接続作業を容易に行うことができる。また、ジョイント端子の接続片は、電圧検出端子の挟持片により開き止めされるから、ジョイント端子と正極端子および負極端子との接続信頼性を向上することができる。
【0010】
また、前記正極端子または負極端子には、前記球面を有する接続部が少なくとも2つ設けられ、そのうち一方の接続部に前記ジョイント端子が接続され、他方の接続部に前記電圧検出端子が接続されているものとしてもよい。
また、前記電圧検出端子は、前記ジョイント端子に保持されているものとしてもよい。
また、前記正極端子および負極端子と、前記ジョイント端子と、前記電圧検出端子とを覆うカバーを有し、前記ジョイント端子と前記電圧検出端子とは、前記カバーに組み付けられているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電圧の検出精度を高めることが可能な電池モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1について、図1〜図8を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態における電池モジュールは、正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続することで、複数の電池セルを直列に接続してなるものである。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方として説明する。
【0013】
電池セルは、電気自動車またはハイブリッド自動車等の駆動源として使用される周知の構成のものであり、全体として円柱状に形成された本体部(図示せず)と、この本体部における軸方向の一方の端面および他方の端面に垂直に突出して設けられた正負の電極端子(正極端子10Aおよび負極端子10B)とを備えている。複数の電池セルは、互いに隣り合う電池セルが軸方向に逆向きになるよう(正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合って配置されるよう)にして並べられ、図示しない保持部材により一体に保持されている。なお、電池モジュールには、セル電圧・電流・温度等の検出、各電池セルの充放電コントロール等を行うための機能を有する周知の電池制御部(図示せず)が備えられている。
【0014】
正極端子10Aおよび負極端子10Bは、金属製(銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等)であって、切削加工、鋳造、または鍛造等、公知の手法により形成されている。
正極端子10Aおよび負極端子10Bは略同形・同大に形成され、図2に示すように、球形状をなす第1接続部11Aと、第1接続部11Aよりも小さい球形状をなす第2接続部11Bとを有している。第1接続部11Aと第2接続部11Bとは、円柱状をなす中継部12を介して連結され、正極端子10Aまたは負極端子10Bのそれぞれの軸線上において上下に配置されている。なお、第1接続部11Aおよび第2接続部11Bの外周面が、本発明における球面に該当する。
【0015】
中継部12の径寸法は、第2接続部11Bの最大径寸法よりも小さい寸法に設定されている。中継部12は、第1接続部11Aの中心から上方に立ち上り、その上端に第2接続部11Bが接続されている。
【0016】
ジョイント端子20は、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属製の板材を、所定の形状にプレス加工することにより形成されている。
ジョイント端子20は、隣り合う電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bを弾性的に挟み込む一対の接続片21を有している。一対の接続片21は、それぞれ左右方向(正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向)に長い略長方形の板状をなし、その上縁は連結部22に連結されている。連結部22と一対の接続片21とは、側方から見ると略U字形状をなし、各接続片21は、連結部22からそれぞれ下方に片持ち状に延出する形態をなしている(図4参照)。一対の接続片21は、互いに接近・離間方向(対向方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の接続片21の間の間隔は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの第1接続部11Aの最大幅寸法よりも小さく、かつ第2接続部11Bの最大径寸法よりも大きく設定されている。なお、一対の接続片21の下端部は、下方に向かって少しずつ互いの間隔が大きくなる向きに屈曲されており、その最下端における間隔は、第1接続部11Aの最大径寸法と同等の寸法となっている。
【0017】
一対の接続片21のうち長手方向の両端部は、正極端子10Aおよび負極端子10Bが接続する部分とされ、この部分には、正極端子10Aおよび負極端子10Bの第1接続部11Aが嵌合可能な第1孔部23が設けられている(図3参照)。第1孔部23は、一対の接続片21の両方に設けられ、各接続片21を壁厚方向に打ち抜いて形成されている。各接続片21に設けられた一対の第1孔部23は、互いに対向する位置に配置され、ともに略円形状をなしている。
【0018】
また、各接続片21の長手方向の両端部には、下縁(正極端子10Aおよび負極端子10Bに対する接続方向前側の縁)から第1孔部23にかけて第1接続部11Aを案内する第1案内溝24が形成されている。第1案内溝24は、接続片21を壁厚方向に打ち抜いて形成されている。
【0019】
連結部22は正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向に長い略長方形の板状をなしている(図1参照)。連結部22の長手方向の両端部には、正極端子10Aおよび負極端子10Bの第2接続部11Bと中継部12とを挿通可能な挿通孔25が形成されている。一対の挿通孔25は、隣り合う正極端子10Aと負極端子10Bとに対応する位置に設けられ、各挿通孔25は、第2接続部11Bの最大径寸法よりも大きく、かつ第1接続部11Aの最大径寸法よりも小さい略円形をなして連結部22を上下方向(板厚方向)に貫通している。
【0020】
さて、正極端子10Aおよび負極端子10Bには、電圧検出端子30がそれぞれ接続されている。電圧検出端子30は、ジョイント端子20と同様、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属製の板材を、所定の形状にプレス加工することにより形成されている。
【0021】
電圧検出端子30は、電線40(本発明の電圧測定線に該当する)が圧着されるバレル部31と、正極端子10Aまたは負極端子10Bに接続する端子接続部32とを有している。端子接続部32とバレル部31とは、正極端子10Aまたは負極端子10Bに対する接続方向に直交する方向に連なって一体に設けられている。
バレル部31は基板34から上方へ延出する一対のかしめ片38を有し、電線40の端末部のうち絶縁被覆41の端部から突出する芯線42に食い込みようにかしめ付けられている。なお、各電線40は、電池制御部に接続されている。
【0022】
端子接続部32は、正極端子10Aまたは負極端子10Bの第2接続部11Bを弾性的に挟み込んで、第2接続部11Bの外周面に弾性的に接触する一対の接触片33を有している。各接触片33は、第2接続部11Bに対する接続方向に直交する方向に若干長い略長方形の板状をなし、その上縁は基板34に連結されている(図4参照)。基板34と一対の接触片33とは、側方から見ると略U字形状をなし、各接触片33は基板34からそれぞれ片持ち状をなして下方に延出している(図3参照)。一対の接触片33は、互いに接近・離間方向(対向方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の接触片33の間の間隔は、正極端子10Aまたは負極端子10Bの第2接続部11Bの最大幅寸法よりも小さく設定されている。なお、一対の接触片33の下端部は、下方に向かって少しずつ互いの間隔が大きくなる向きに屈曲されており、その下端における間隔は、第2接続部11Bの最大径寸法と同等の寸法とされている。
【0023】
一対の接触片33には、正極端子10Aまたは負極端子10Bの第2接続部11Bが嵌合可能な第2孔部35(本発明の孔部に該当する)が設けられている(図4参照)。第2孔部35は、一対の接触片33の両方に設けられ、各接触片33を壁厚方向に打ち抜いて形成されている。各接触片33に設けられた一対の第2孔部35は、互いに対向する位置に配置され、互いに略同形・同大とされている。第2孔部35は略円形状をなし、その径寸法は第2接続部11Bの径寸法よりも小さく設定されている。
【0024】
各接触片33には、下縁(正極端子10Aおよび負極端子10Bに対する接続方向前側の縁)から第2孔部35にかけて第2接続部11Bを案内する第2案内溝36が形成されている。第2案内溝36は、接続片21を壁厚方向に打ち抜いて形成され、その入り口の両側縁は、下方に向かって第2案内溝36の幅寸法を大きくする円弧形状をなしている(第2案内溝36の入り口の両側縁を誘い込み部37と称する)。
なお、正極端子10A、負極端子10B、ジョイント端子20および電圧検出端子30は、合成樹脂製のカバー(図示せず)により覆われている。
【0025】
次に、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bをジョイント端子20により接続するとともに、正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれに電圧検出端子30を接続する作業について説明する。
まず、複数の電池セルを、正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合うように並べる。
【0026】
次いで、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20を接続する。
ジョイント端子20を、連結部22が上側になる向きにして、一対の第1孔部23が正極端子10Aおよび負極端子10Bの上方にそれぞれ配されるよう位置合わせし、ジョイント端子20を、下側(電池セル側)に移動させる。すると、各第1案内溝24の入り口に正極端子10Aおよび負極端子10Bの第1接続部11Aが入り込み、また連結部22の挿通孔25に第2接続部11Bが挿通されていく。やがて、一対の接続片21は、その間に第1接続部11Aが差し入れられることで互いに離間方向へ弾性変位し始める。そして、ジョイント端子20をさらに下方へ押し込むと、第1接続部11Aはそれぞれ第1孔部23に嵌合し、同時に、一対の接続片21は互いに接近方向へ弾性復帰して、第1孔部23の孔縁が第1接続部11Aの外周面に押し付けられた状態になる。また、第2接続部11Bは、その全体が連結部22から上方に突出した状態になり、挿通孔25には中継部12が挿通した状態になる。こうして、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20が接続され、電池セルが直列に接続された状態になる。
【0027】
その後、正極端子10Aおよび負極端子10Bに、電圧検出端子30をそれぞれ接続する。
電圧検出端子30を、一対の接触片33が下方へ延出する向きにして、第2接続部11Bの上方に配されるよう位置合わせし、電圧検出端子30を、下側(電池セル側)に移動させる。すると、一対の接触片33の下端部に第2接続部11Bが差し入れられて各第2案内溝36の入り口に入り込み、第2接続部11Bは、第2案内溝36の誘い込み部37により幅方向の中央に誘い込まれつつ一対の接触片33の間に挿入されていく。一対の接触片33は、その間に第2接続部11Bが差し入れられることで互いに離間方向へ弾性変位し始め、電圧検出端子30をさらに下方へ押し込むと、第2接続部11Bが一対の第2孔部35に嵌合する。同時に、一対の接触片33は互いに接近方向へ弾性復帰し、各第2孔部35の孔縁が第2接続部11Bの外周面に押し付けられた状態になる。こうして、第2接続部11Bに電圧検出端子30が接続された状態になる。なお、上記のような接続作業を、さらに隣接する電池セルにおける正極端子10Aおよび負極端子10Bに対して行い、これを順次繰り返すことにより、複数の電池セルは、全体として直列に接続されるとともに各正極端子10Aおよび負極端子10Bにそれぞれ電圧検出端子30が接続された状態になる。
【0028】
上記のように構成された実施形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態の電池モジュールは、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとには球形状の第2接続部11Bが設けられ、第2接続部11Bの外周面に弾性的に接触する電圧検出端子30を有している。これにより、電圧検出端子30は、正極端子10Aおよび負極端子10Bに直接接触した状態になるから、例えば従来のように正極端子または負極端子との間にバスバー等が介在する場合に比べて、電圧の検出精度を高めることができる。
【0029】
また、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとの両方に第2接続部11Bが設けられ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとに電圧検出端子30がそれぞれ接続されている。これにより、各電池セル毎に電圧を検出することができるから、例えば従来のように2つの電池セル毎に電圧を検出する場合に比べて、電圧の検出精度を高めることができる。
【0030】
また、電圧検出端子30は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの第2接続部11Bを弾性的に挟み込んでその外周面に弾性的に接触する一対の接触片33を有するものである。これにより、電圧検出端子30を第2接続部11B側に押し込むだけで第2接続部11Bに接続することができるから、例えば従来のようにボルト締め等により電圧検出端子を接続する必要はなく、もって接続作業を容易に行うことができる。
【0031】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2に係る電池モジュールを図9〜図16によって説明する。
本実施形態の電池モジュールは、電圧検出端子50が、ジョイント端子20に保持されている点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
本実施形態に係る電池モジュールは、実施形態1と同様に、正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続することで、複数の電池セルを直列に接続してなるものである。
正極端子10Aおよび負極端子10Bは、実施形態1と同様、略同形・同大に形成され、ともに球形状をなす接続部11を有している。なお、接続部11の外周面が、本発明における球面に該当する。
【0033】
ジョイント端子20は、実施形態1と同様、隣り合う電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bを弾性的に挟み込む一対の接続片21を有し、その上縁は連結部22に連結されている。一対の接続片21のうち長手方向の両端部には、実施形態1と同様、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が嵌合可能な第1孔部23が設けられるとともに、下縁から第1孔部23にかけて接続部11を案内する第1案内溝24が形成されている。連結部22は、一対の接続片21の長手方向における中央部を連結しており、ジョイント端子20の両端部においては、一対の接続片21の間の空間が上方へ開放されている。
【0034】
そして、一対の接続片21には、電圧検出端子50と係合する係合孔51が形成されている。係合孔51は、各接続片21に2箇所ずつ、詳しくは各第1孔部23の上方の位置に一ずつ設けられている。各係合孔51は、各接続片21の上縁に沿って細長い略方形状をなし、接続片21を板厚方向に貫通している。なお、係合孔51の短手方向の幅寸法は、電圧検出端子50を構成する金属板の板厚寸法と同等の寸法とされている。
【0035】
正極端子10Aおよび負極端子10Bには、実施形態1と同様、電圧検出端子50がそれぞれ接続されている。電圧検出端子50は、実施形態1と同様、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属製の板材を、所定の形状にプレス加工することにより形成されている。
【0036】
電圧検出端子50は、図10に示すように、電線40が接続される電線接続板52と、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11を弾性的に挟み込んで接続部11の外周面に弾性的に接触する一対の接触片53とを有している。
【0037】
電線接続板52は略矩形の平板状をなし、その上面には、電線40の端末部のうち絶縁被覆41の端部から突出する芯線42が溶接により接続されている。電線接続板52の両端部(電線40の軸線と直交方向の両端部)は、ジョイント端子20の係合孔51に係合する係合片54とされている。一対の係合片54は、電線接続板52の板面方向に沿って張り出し、それぞれ略長方形をなしている(図12参照)。
【0038】
一対の接触片53は、それぞれ接続部11に対する接続方向に長い略長方形の板状をなし、その上端は電線接続板52に連結されている。電線接続板52と一対の接触片53とは側方から見ると略U字形状をなし、各接触片53は電線接続板52のうち係合片54が設けられていない端縁からそれぞれ片持ち状をなして下方に延出している(図11参照)。一対の接触片53は、互いに接近・離間方向(対向方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の接触片53の間の間隔は、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11の最大幅寸法よりも小さく設定されている。なお、一対の接触片53の下端部は、下方に向かって少しずつ互いの間隔が大きくなる向きに屈曲されており、その下端における間隔は、接続部11の最大径寸法と同等の寸法とされている。
【0039】
一対の接触片53には、実施形態1と同様、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が嵌合可能な第2孔部35が設けられている(図13参照)。第2孔部35は略円形状をなし、その径寸法は第1孔部23の径寸法よりも若干小さく設定されている。また、各接触片53には、実施形態1と同様、下縁(正極端子10Aおよび負極端子10Bに対する接続方向前側の縁)から第2孔部35にかけて接続部11を案内する第2案内溝36が形成されている。
【0040】
電圧検出端子50は、係合片54が係合孔51に差し込まれることで、ジョイント端子20に保持されている。電圧検出端子50がジョイント端子20に保持された状態では、電線接続板52は、ジョイント端子20の両端部における一対の接続片21の間の空間の上方を覆う姿勢で、一対の接続片21の間に挟まれた状態になる(図16参照)。そして、一対の接触片53は、一対の接続片21と同方向に片持ち状をなして延出する姿勢になる(図15参照)。また、各電線接続板52に接続された一対の電線40は、ジョイント端子20の両端部からその長手方向に沿って両側方にそれぞれ延びている(図16参照)。なお、係合片54の先端縁は、各接続片21の外面よりもわずかに外側へ突出している。
【0041】
次に、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bをジョイント端子20により接続するとともに、正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれに電圧検出端子50を接続する作業について説明する。
まず、実施形態1と同様、複数の電池セルを、正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合うように並べる。
【0042】
次いで、電圧検出端子50が保持されたジョイント端子20を、一対の接続片21および接触片53が下側に延出する向きにして、下方(電池セル側)に移動させる。すると、第1案内溝24および第2案内溝36の入り口に正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が入り込み、やがて、一対の接続片21および一対の接触片53は、それぞれ間に接続部11が差し入れられることで互いに離間方向へ弾性変位し始める。そして、ジョイント端子20をさらに下方へ押し込むと、接続部11が第1孔部23および第2孔部35に嵌合し、一対の接続片21および一対の接触片53は、それぞれ接近方向へ弾性復帰して、第1孔部23および第2孔部35の孔縁がそれぞれ接続部11の外周面に押し付けられた状態になる。こうして、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20が接続されるとともに、正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれに電圧検出端子50が接続された状態になる。同様にして、さらに隣接する電池セルにおける正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続し、これを順次繰り返すことにより、複数の電池セルは、全体として直列に接続されるとともに各正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11に電圧検出端子50が接続された状態になる。
【0043】
以上のように本実施形態にかかる電池モジュールは、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとに球形状の接続部11が設けられ、接続部11の外周面に弾性的に接触する電圧検出端子50を有しているから、実施形態1と同様、電圧の検出精度を高める効果を得ることができる。
【0044】
また、電圧検出端子50はジョイント端子20に保持されているから、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20を接続する作業を行うことにより、同時に、各正極端子10Aおよび負極端子10Bに電圧検出端子50を接続することができる。したがって、ジョイント端子20の接続作業と、各電圧検出端子50の接続作業とを別々に行う場合に比べて、接続にかかる手間を省くことができる。
【0045】
<実施形態3>
次に、本発明を具体化した実施形態3に係る電池モジュールを図17〜図25によって説明する。
本実施形態の電池モジュールは、電圧検出端子60が、接続部11の外周面に弾性的に接触するコイルバネ61を有するものである点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0046】
本実施形態に係る電池モジュールは、実施形態1と同様に、正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続することで、複数の電池セルを直列に接続してなるものである。
正極端子10Aおよび負極端子10Bは、実施形態1と同様、略同形・同大に形成され、ともに球形状をなす接続部11を有している。なお、接続部11の外周面が、本発明における球面に該当する。
【0047】
ジョイント端子20は、実施形態1と同様、隣り合う電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bを弾性的に挟み込む一対の接続片21を有し、その上縁は連結部22に連結されている。連結部22は、実施形態1と同様、正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向に長い略長方形の板状をなし、その長手方向の両端部には、コイルバネ61を挿通可能な挿通孔25が形成されている。また、一対の接続片21のうち長手方向の両端部には、実施形態1と同様、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が嵌合可能な孔部23が設けられるとともに、下縁から孔部23にかけて接続部11を案内する案内溝24が形成されている。
【0048】
正極端子10Aおよび負極端子10Bには、実施形態1と同様、電圧検出端子60がそれぞれ接続されている。
電圧検出端子60は、電線40が接続される電線接続板62と、接続部11の外周面に弾性的に接触するコイルバネ61とを有している。
【0049】
電線接続板62は正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向に長い略矩形の平板状をなし、その上面には、電線40の端末部のうち絶縁被覆41の端部から突出する芯線42が溶接により接続されている。電線40の芯線42は、電線接続板62の長手方向の略中央位置に配され、芯線42の露出部分は、電線接続板62を短手方向に横切る長さ寸法を有し、電線40は、電線接続板62の長手方向に直交方向に延びている。
【0050】
コイルバネ61は一対設けられ、正極端子10Aと負極端子10Bとにそれぞれ接触するようになっている(図23参照)。各コイルバネ61は、その伸縮方向の両端のうち一端が、溶接により電線接続板62の下面に接続され、他端が正極端子10Aまたは負極端子10Bに接触するようになっている。各コイルバネ61は、自然状態における長さ寸法が、ジョイント端子20の接続片21のうち下端の屈曲部分を除いた上下方向の長さ寸法と同等の寸法とされている。
【0051】
ジョイント端子20および電圧検出端子60は、正極端子10A、負極端子10B、ジョイント端子20および電圧検出端子60を覆うカバー63に組み付けられている(図24および図25参照)。カバー63は、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bに対して一ずつ備えられている。各カバー63は、正極端子10A、負極端子10B、ジョイント端子20および電圧検出端子60を内部に収容可能な箱型をなし、その下面は開口している。
【0052】
各カバー63は、その内壁から内側に突出する一対の支持突起64を有している。一対の支持突起64は、ジョイント端子20の連結部22の長手方向の両端部を下側から支持している。各支持突起64の下面は、下方に向かって少しずつ内壁からの突出寸法が小さくなる傾斜面65とされている。
【0053】
電圧検出端子60は、カバー63のうち支持突起64よりも上側の空間に収容され、一対のコイルバネ61は、ジョイント端子20の連結部22の挿通孔25を通って連結部22よりも下側(一対の接続片21の間)まで突出している。なお、電圧検出端子60に接続された電線40は、各カバー63に形成された図示しない通し孔を介して外部へ延出されている。
【0054】
次に、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bをジョイント端子20により接続するとともに、正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれに電圧検出端子60を接続する作業について説明する。
まず、実施形態1と同様、複数の電池セルを、正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合うように並べる。
【0055】
次いで、ジョイント端子20および電圧検出端子60が組み付けられたカバー63を、開口が下側になる向きにして、正極端子10Aおよび負極端子10Bに上方から被せていく。すると、ジョイント端子20の案内溝24の入り口に正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が入り込み、やがて、一対の接続片21は、その間に接続部11が差し入れられることで互いに離間方向へ弾性変位し始める。また、コイルバネ61の下端が接続部11の上端に接触し、接続部11と電線接続板62との間に挟まれて少しずつ縮んでいく。そして、カバー63をさらに下方へ押し込むと、接続部11は孔部23に嵌合し、一対の接続片21は互いに接近方向へ弾性復帰して、孔部23の孔縁がそれぞれ接続部11の外周面に押し付けられた状態になる。また、一対のコイルバネ61の下端は、それぞれ接続部11の外周面に弾性的に押し付けられた状態で保持される。こうして、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20が接続されるとともに、正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれに電圧検出端子60が接続された状態になる。同様にして、さらに隣接する電池セルにおける正極端子10Aと負極端子10Bとにカバー63を被せ付け、これを順次繰り返すことにより、複数の電池セルは、全体として直列に接続されるとともに各正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11に電圧検出端子60が接続された状態になる。
【0056】
以上のように本実施形態にかかる電池モジュールは、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとに球形状の接続部11が設けられ、接続部11の外周面に弾性的に接触する電圧検出端子60を有しているから、実施形態1と同様、電圧の検出精度を高める効果を得ることができる。
【0057】
また、ジョイント端子20および電圧検出端子60は、カバー63に保持されているから、カバー63を組み付ける作業を行うことにより、同時に、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20を接続し、また各正極端子10Aおよび負極端子10Bに電圧検出端子60を接続することができる。したがって、カバー63の組み付け作業、ジョイント端子20の接続作業、および各電圧検出端子60の接続作業を別々に行う場合に比べて、電池モジュールの製造にかかる手間を省くことができる。
【0058】
<実施形態4>
次に、本発明を具体化した実施形態4に係る電池モジュールを図26〜図31によって説明する。
本実施形態の電池モジュールは、電圧検出端子70が、隣り合う正極端子10Aと負極端子10Bとに接触する接触片71を一体に有するものである点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0059】
本実施形態に係る電池モジュールは、実施形態1と同様に、正極端子10Aおよび負極端子10Bが突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとをジョイント端子20により接続することで、複数の電池セルを直列に接続してなるものである。
正極端子10Aおよび負極端子10Bは、実施形態1と同様、略同形・同大に形成され、ともに球形状をなす接続部11を有している。なお、接続部11の外周面が、本発明における球面に該当する。
【0060】
ジョイント端子20は、実施形態1と同様、隣り合う電池セルの正極端子10Aおよび負極端子10Bを弾性的に挟み込む一対の接続片21を有し、その上縁は連結部22に連結されている。連結部22は、一対の接続片21の長手方向における両端部を除く部分を連結しており、ジョイント端子20の両端部においては、一対の接続片21の間の空間が上方へ開放されている。一対の接続片21のうち長手方向の両端部には、実施形態1と同様、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11が嵌合可能な孔部23が設けられるとともに、下縁から孔部23にかけて接続部11を案内する案内溝24が形成されている。
【0061】
正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11には、実施形態1と同様、電圧検出端子70が接続されており、電圧検出端子70は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属製の板材を、所定の形状にプレス加工することにより形成されている。
【0062】
電圧検出端子70は、電線40が接続される電線接続板72と、片持ち状をなして接続部11の外周面に弾性的に接触する接触片71と、ジョイント端子20の一対の接続片21を挟持する一対の挟持片73とを有している。
【0063】
電線接続板72は正極端子10Aおよび負極端子10Bの並列方向に長い略矩形の平板状をなし、その長手方向の中央位置には、電線40が圧着されるバレル部74が一体に設けられている。バレル部74は、電線接続板72の中央部からその短手方向に延出する基板75と、基板75の両側縁から延出する一対のかしめ片76とを有している。一対のかしめ片76は、基板75の上面に載置された電線40の端末部のうち絶縁被覆41の端部から突出する芯線42に食い込みようにかしめ付けられている。
【0064】
接触片71は一対設けられ、電線接続板72の長手方向の両端縁からそれぞれ片持ち状をなして下方に延出している(図27参照)。一対の接触片71は、互いに接近・離間方向(電線接続板72の長手方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の接触片71の間の間隔は、隣り合う正極端子10Aと負極端子10Bとの接続部11の間隔(最外端同士の間隔)よりも若干小さく設定されている。なお、一対の接触片71の下端部は、下方に向かって少しずつ互いの間隔が大きくなる向きに屈曲されており、その下端における間隔は、隣り合う接続部11の最外端同士の間隔と同等とされている。
【0065】
挟持片73は、電線接続板72の長手方向の両端部に一対ずつ設けられている。各挟持片73は、電線接続板72の長手方向に若干長い略矩形状をなし、それぞれ電線接続板72の両側縁から下方へ垂下している。一対の挟持片73は、互いに接近・離間方向(対向方向)に弾性変位可能とされ、自然状態における一対の挟持片73の間の間隔は、自然状態における一対の接続片21の外面同士の間隔と同等とされている。
【0066】
一対の挟持片73には、内側に(相手側の挟持片73に向かって)突出する弾性突部77が設けられている(図28参照)。弾性突部77は、各挟持片73の略中央部に設けられ、両側縁を切り離して内側に叩き出すことで形成されている。各弾性突部77は、上下両端が挟持片73に連結された両持ち状をなし、内外方向(一対の挟持片73の対向方向)に弾性変形可能とされている。
【0067】
次に、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bをジョイント端子20により接続するとともに、正極端子10Aおよび負極端子10Bのそれぞれに電圧検出端子70を接続する作業について説明する。
まず、実施形態1と同様、複数の電池セルを、正極端子10Aと負極端子10Bとが隣り合うように並べる。
【0068】
次いで、実施形態1と同様、ジョイント端子20を正極端子10Aおよび負極端子10B側に押し込んで一対の孔部23に各接続部11を嵌合させ、正極端子10Aおよび負極端子10Bにジョイント端子20を接続する。
【0069】
次に、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11に、電圧検出端子70を接続する。
まず、電圧検出端子70を、一対の接触片71が下側に延出する向きにして、隣り合う正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11に対して上方から接近させる。すると、一対の接触片71がそれぞれ接続部11に接触し、接触部11との接触により外側へ弾性変位し始める。さらに電圧検出端子70を下方へ押し込むと、一対の挟持片73がジョイント端子20の一対の接続片21の外側に嵌合し、やがて各挟持片73の弾性突部77が接続片21との接触により弾性的に潰されて、接続片21のうち孔部23の上方位置に押し付けられた状態になる。こうして電圧検出端子70がジョイント端子20に固定されるとともに一対の接触片71が正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11にそれぞれ弾接した状態になる。
【0070】
以上のように本実施形態にかかる電池モジュールは、隣り合う電池セルの正極端子10Aと負極端子10Bとに球形状の接続部11が設けられ、接続部11の外周面に弾性的に接触する電圧検出端子70を有しているから、実施形態1と同様、電圧の検出精度を高める効果を得ることができる。
【0071】
また、電圧検出端子70は、一対の接続片21を挟持する一対の挟持片73を有するものである。これにより、電圧検出端子70をジョイント端子20側に押し込むだけでジョイント端子20に対して固定することができるから、例えば従来のようにボルト締め等により電圧検出端子を接続する必要がなく、もって接続作業を容易に行うことができる。さらに、電圧検出端子70を組み付けることで、ジョイント端子20の一対の接続片21は、電圧検出端子70の挟持片73により開き止めされた状態になるから、ジョイント端子20と正極端子10Aおよび負極端子10Bとの接続信頼性を向上することができる。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
(1)上記実施形態では、接続部11は球形状をなしているが、接続部は、球面を有していればどのような形状をなしていてもよく、例えば軸方向の両端に球面を有する円筒状等であってもよい。
(2)上記実施形態では、正極端子10Aおよび負極端子10Bの両方に電圧検出端子30が接続されているが、いずれか一方のみに電圧検出端子が接続されるものとしてもよい。
【0074】
(3)実施形態1では、第1接続部11Aと第2接続部11Bとは、正極端子10Aまたは負極端子10Bの軸線上において上下に配置されているが、第1接続部と第2接続部とはどのような配置関係にあってもよく、例えば、第1接続部に対して第2接続部が横並び(正極端子または負極端子の軸線に略直交方向に並んで)に設けられていてもよい。
【0075】
(4)実施形態1では、電圧検出端子30は、電線40が圧着されるバレル部31と、第2接続部11Bに接続する端子接続部32とを有しているが、これに限らず、例えば図32および図33に示すように、電圧検出端子80は第2接続部11Bに接続する端子接続部81のみを有し、電線40は、端子接続部81の基板82の上面に、溶接により接続されるようにしてもよい。
【0076】
(5)実施形態4では、電圧検出端子70の電線接続板72には電線40が圧着されるバレル部74が一体に備えられているが、これに限らず、例えば図34および図35に示すように、電圧検出端子90の電線接続板91はバレル部を備えないものとされ、電線40は、電線接続板91の上面に溶接により接続されるようにしてもよい。
【0077】
(6)実施形態4では、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11に接続する一対の接触片71が一の電圧検出端子70に備えられ、この電圧検出端子70には一の電線40が接続されているが、これに限らず、例えば図36および図37に示すように、正極端子10Aおよび負極端子10Bの接続部11に接触する一対の接触片100は、別体の電圧検出端子101に一ずつ備えられるものとし、各電圧検出端子101の電線接続板102にバレル部103が一ずつ備えられるとともに、各電圧検出端子101に一ずつ電線40が接続されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施形態1にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図2】正極端子および負極端子の外観斜視図
【図3】電圧検出端子およびジョイント端子を正極端子および負極端子に接続する前の状態を表す背面図
【図4】同側面図
【図5】電圧検出端子の下面図
【図6】電圧検出端子およびジョイント端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す背面図
【図7】同側面図
【図8】同上面図
【図9】実施形態2にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図10】電圧検出端子の外観斜視図
【図11】同正面図
【図12】同上面図
【図13】同側面図
【図14】電圧検出端子およびジョイント端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す正面図
【図15】同側面図
【図16】同上面図
【図17】実施形態3にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図18】電圧検出端子およびジョイント端子を正極端子および負極端子に接続する前の状態を表す正面図
【図19】同側面図
【図20】電圧検出端子およびジョイント端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す正面図
【図21】同側面図
【図22】同上面図
【図23】図22のA−A断面図
【図24】カバーを組み付けた状態を表す外観斜視図
【図25】同断面図
【図26】実施形態4にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図27】電圧検出端子およびジョイント端子を正極端子および負極端子に接続する前の状態を表す背面図
【図28】同側面図
【図29】電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す背面図
【図30】同側面図
【図31】同上面図
【図32】他の実施形態(4)にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図33】電圧検出端子の上面図
【図34】他の実施形態(5)にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図35】電圧検出端子の正面図
【図36】他の実施形態(6)にかかる電圧検出端子が正極端子および負極端子に接続された状態を表す外観斜視図
【図37】電圧検出端子の下面図
【符号の説明】
【0079】
10A…正極端子
10B…負極端子
11,11A,11B…接続部
20…ジョイント端子
21…接続片
30,50,60,70,80,90,101…電圧検出端子
40…電線(電圧測定線)
33,53,71,100…接触片
35…第2孔部(孔部)
61…コイルバネ
63…カバー
73…挟持片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極端子および負極端子が突設された電池セルを複数集合させ、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とをジョイント端子により接続することで、前記複数の電池セルを直列に接続してなる電池モジュールであって、
隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とのうち少なくとも一方には球面が形成され、
前記正極端子または負極端子に形成された球面に弾性的に接触するとともに電圧測定回路の電圧測定線に接続された電圧検出端子を有している電池モジュール。
【請求項2】
隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子との両方に前記球面が形成され、
隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とに前記電圧検出端子がそれぞれ接続されている請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電圧検出端子は、片持ち状をなして前記球面に弾性的に接触する接触片を有するものである請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記電圧検出端子は、前記正極端子または負極端子を弾性的に挟み込んで前記球面に弾性的に接触する一対の接触片を有するものである請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記接触片には、前記球面が嵌合可能な孔部が設けられている請求項3または請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記電圧検出端子は、前記球面に弾性的に接触するコイルバネを有するものである請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記ジョイント端子は、隣り合う前記電池セルの正極端子と負極端子とを弾性的に挟み込む一対の接続片を有するものであり、
前記電圧検出端子は、前記一対の接続片を挟持する一対の挟持片を有するものである請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記正極端子または負極端子には、前記球面を有する接続部が少なくとも2つ設けられ、そのうち一方の接続部に前記ジョイント端子が接続され、他方の接続部に前記電圧検出端子が接続されている請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記電圧検出端子は、前記ジョイント端子に保持されている請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記正極端子および負極端子と、前記ジョイント端子と、前記電圧検出端子とを覆うカバーを有し、
前記ジョイント端子と前記電圧検出端子とは、前記カバーに組み付けられている請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2010−238516(P2010−238516A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84901(P2009−84901)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】