説明

電池モジュール

【課題】温度調節機能が向上した電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の隣接した電池セルと、少なくともいくつかの電池セルの間に位置して前記電池セルと熱交換を行う熱伝導性シートと、熱伝導性シートと結合し、熱伝導性シートと熱交換を行う熱分散部材と、熱分散部材と結合し、熱分散部材と熱交換を行う放熱部材を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
2次電池(rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なって充電および放電が可能な電池である。低容量の2次電池は、携帯電話機やノートパソコンおよびキャムコーダーのように携帯が可能な小型電子機器に使用され得る。大容量電池は、ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として幅広く使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近では、高エネルギー密度の非水電解液を利用した高出力2次電池が開発されている。前記高出力2次電池は大電力を必要とする機器、例えば、電気自動車などのモータ駆動に使用され得るように複数の2次電池を直列または並列に連結して高出力大容量の電池モジュールから構成され得る。
【0004】
このような電池モジュールは、数個から数十個の2次電池から構成されても良い。したがって、各2次電池で発生される熱を容易に放出することが好ましい。しかしながら、電池モジュールにおいては、温度調節機能が不十分である場合が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、温度調節機能を向上することが可能な、新規かつ改良された電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の隣接した電池セル;少なくともいくつかの電池セルの間に位置して前記電池セルと熱交換を行う熱伝達シート;熱伝達シートと結合し、熱伝達シートと熱交換を行う熱分散部材;および熱分散部材と結合し、熱分散部材と熱交換を行う放熱部材を含む電池モジュールが提供される。
装置が提供される。
【0007】
また、電池セルは第1方向に伸びてスタックで配列され、熱分散部材は放熱部材と電池セルとの間に位置しても良い。
【0008】
また、熱伝達シートのうちの少なくとも一つは熱吸収部および放熱部を含み、熱吸収部は隣接した電池セルの間に位置し、電池セルの広い側面と熱交換を行い、放熱部は熱吸収部から遠くなるように伸びて折り曲げられ、電池セルと熱分散部材との間に位置しても良い。
【0009】
また、放熱部材は支持板と放熱フィンを含み、放熱フィンは支持板から突出し、支持板は放熱フィンと熱分散部材との間に位置しても良い。
【0010】
また、放熱フィンは第1方向にほぼ垂直である第2方向に伸びても良い。
【0011】
また、電池セルのスタックの中央に隣接した放熱フィンの間の間隔は、電池セルのスタックの縁に隣接した放熱フィンの間の間隔よりも小さくても良い。
【0012】
また、放熱部材の支持板は溝を含み、熱分散部材は溝に位置しても良い。
【0013】
また、熱分散部材は冷媒が移動する冷却通路を含んでも良い。
【0014】
また、冷却通路は複数のヒートパイプを含んでも良い。
【0015】
また、ヒートパイプは第1方向に伸び、第1方向に垂直である第2方向に沿ってそれぞれ離隔されても良い。
【0016】
また、電池セルのそれぞれの中央軸に隣接したヒートパイプの間の間隔は、電池セルの外郭側に隣接したヒートパイプの間の間隔よりも小さくても良い。
【0017】
また、ヒートパイプは第1方向に伸び、電池セルの外郭側に向かって開放された凹状円弧を有しても良い。
【0018】
また、ヒートパイプは第1方向と異なる第2方向に伸び、第1方向で互いに間隔を置いても良い。
【0019】
また、電池セルのスタックの中央に隣接したヒートパイプの間の第1方向での間隔は、スタックの終端に隣接したヒートパイプの間の第1方向での間隔よりも小さくても良い。
【0020】
また、第2方向に伸びるヒートパイプはアーク状を有しても良く、電池セルのスタックの中央により近いアーク状のヒートパイプの曲率半径は、スタックの中央でより離れている他のアーク状のヒートパイプの曲率半径よりも大きくても良い。
【0021】
また、放熱フィンは第1方向に伸びても良い。
【0022】
また、電池セルのスタックの中央に隣接した放熱フィンの間の間隔は、電池セルのスタックの外郭側に隣接した放熱フィンの間の間隔よりも小さくても良い。
【0023】
また、熱伝達シートは熱伝達シートを貫通するホールを含んでも良く、ホールの高さはホールの横方向寸法よりも大きくても良い。
【0024】
また、熱伝達シートは熱伝達シートを貫通してメッシュ構造をなす複数のホールを含んでも良い。
【0025】
また、熱分散部材と熱交換を行う発熱体をさらに含んでも良い。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、2次電池の間に配置された熱伝達シートが熱分散部材と接し、前記熱分散部材がヒートシンクと接するため、2次電池で発生した熱を効率的に放出することができる。また、熱分散部材に発熱体が連結設置された場合には低温の環境で熱伝達シートを通じて2次電池を加熱することができるため、低温環境での充電と放電効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態による電池モジュールを示した斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3A】図1の電池モジュールの熱伝達シートを示した斜視図である。
【図3B】図3Aの熱伝達シートの変形例による斜視図である。
【図3C】図3Aの熱伝達シートの他の変形例による斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態による電池モジュールの断面図である。
【図5A】図4の電池モジュールの補助熱伝達シートの斜視図である。
【図5B】図5Aの補助熱伝達シートの変形例を示した斜視図である。
【図5C】図5Aの補助熱伝達シートの他の変形例を示した斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿って切断した結合された状態での図6の電池モジュールの断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
【図9】本発明の第5実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
【図11】図10の電池モジュールの放熱部材の変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
以下では、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。しかしながら、本発明は多様な異なる形態で具現することができ、以下で説明する実施形態に限定されない。
【0031】
図面において表示されたレイヤーなどの大きさは明確性のために誇張しても良い。また、レイヤーまたは構成が他の構成の上にあるということは、他の構成または干渉する構成があり得ることと解釈が可能である。
【0032】
また、ある構成が二つの構成の間に位置するということは、直接その構成が二つの構成の間に位置したり他の干渉する構成が位置しても良いと解釈が可能である。また、図面符号は構成のように参照されても良い。
【0033】
図1は、本発明の第1実施形態による電池モジュールを示した斜視図であり、図2は、図1でII−II線に沿って切断した断面図である。図3A〜図3Cは、図1の熱伝達シートの一例を示した斜視図である。図1および図2を参照して説明すれば、本第1実施形態による電池モジュール101は、複数の2次電池110(以下、電池セル110という)と電池セル110を収容するハウジング121、電池セル110に密着した熱伝達シート123、熱伝達シート123と接したり熱交換を行う熱分散部材125および熱分散部材125と接したり熱交換を行う放熱部材126を含む。本発明の一側面によれば、熱分散部材125は熱伝達シート123と結合されても良い。また、本発明の他の一側面によれば、放熱部材126は熱分散部材125と結合されても良い。
【0034】
本第1実施形態による電池セル110は、リチウムイオン2次電池であって、角型であっても良い。ただし、本発明がこれに制限されるのではなく、本発明はリチウムポリマー電池または円筒型電池など多様な形態の電池に適用されても良い。
【0035】
電池セル110は平行に積層配列されても良い。例えば、電池セル110は第1方向に伸びてスタックで配列されても良い。隣接した電池セル110の正極端子113と負極端子114が交互に配置されることが可能である。電池セル110のうちの一つの正極端子113と隣接した電池セル110の負極端子114はバスバー(bus bar)115により電気的に連結されても良い。これによって、電池セル110はバスバー115により直列に連結されても良く、バスバー115はナット116により端子113、114に安定的に固定されても良い。
【0036】
電池セル110はバンド127により一体で固定されても良く、バンド127は積層配列された電池セル110を囲んでも良く、弾性を有する素材からなっても良い。しかしながら、本発明がこれに制限されるのではなく、エンドプレートとエンドプレートを固定するタイバー(tie bar)などにより電池セル110は固定されても良い。
【0037】
熱伝達シート123は電池セル110の間に挿入配置されて電池セル110の広い側面に当接して密着しても良い。例えば、熱伝達シート123は電池セル110の広い側面と熱交換が可能である。熱伝達シート123は銅、アルミニウム、またはアノダイジング処理されたアルミニウムなどの金属からなっても良い。
【0038】
本発明の一側面によれば、熱伝達シート123はシリコン熱伝達シートからなっても良く、炭素繊維、炭素ナノチューブを素材としたグラファイト放熱シートなどからなっても良い。グラファイト放熱シートの場合には熱伝導性が極めて優れているばかりか、電気的絶縁性を有するようにできるため、熱伝導性と電気的な安全性を確保することができる。
【0039】
熱伝達シート123の厚さは0.1mm〜1mmからなるため、電池モジュール101の体積を増加させないながらも電池セル110で発生した熱を効率的に放熱または分散させることができる。従来は隔壁などを用いて電池セルの間に空気流路を形成する方法が主に適用されたところ、熱伝達シート123を適用すれば隔壁が設置された構造に比べて体積を顕著に減少させることができる。電池モジュール101の体積は適用される装置の性能と構造に大きい影響を与えるところ、電池モジュール101の体積を減少させることは大変重要である。
【0040】
ハウジング121は内部空間を有する六面体形態からなっても良い。したがって、電池セル110はハウジング121に収容されても良い。図2および図3Aに示されているように、熱伝達シート123はハウジング121の底121aを貫通して設置され、各熱伝達シート123は相応する電池セル110と熱交換を行う吸熱部123aと吸熱部123aから遠くなるように伸びて折り曲げられ、底121aを貫通する放熱部123bとを含んでも良い。吸熱部123aは相応する電池セル110の広い側面を全体的に覆うように設置されても良く、放熱部123bは折り曲げられてハウジングの底121a外側に密着したり熱交換を行って良い。本発明の一側面によれば、放熱部123bは放熱部材126と熱交換を行って良い。
【0041】
ハウジング121の底121aは、アルミニウム、銅またはステンレススチールなどの熱伝導性に優れた素材からなっても良い。またハウジング121の底121aは、PP(polypropylene)、PBT(poly butylene terephthalate)、PET(poly ethylene terephthalate)、PFA(Perfluoro alkoxy alkane)などの合成樹脂素材内にガラス繊維(glass fiber)が挿入された構造を有しても良い。
【0042】
図3Bに示されているように、熱伝達シート123’は吸熱部123'aと吸熱部123'aで折り曲げられた放熱部123'bとを有しても良い。熱伝達シート123’は吸熱部123'aにホール123'cが形成された構造を有しても良い。ホール123'cは電池セル110の高さ方向に長く伸びて形成されても良い。例えば、ホール123’の高さはホールの横方向寸法よりも大きくても良い。これによって、吸熱部123'aに伝達された熱が熱伝達シート123’の高さ方向に移動するため、熱を迅速に放熱部123'bに移動させることができる。
【0043】
また、図3Cに示されているように、熱伝達シート123”は吸熱部123”aと吸熱部123”aで折り曲げられた放熱部123”bとを有しても良い。熱伝達シート123”は熱伝達シート123”にホール123”cが形成されたメッシュ構造からなっても良い。メッシュ構造を有する熱伝達シート123”は、熱伝達シート123”が電池モジュール101の重量を減少させることが可能になる。図4は、本発明の第2実施形態による電池モジュールを示した分解斜視図であり、図5A〜図5Cは、図4の電池モジュールの補助熱伝達シートの斜視図である。
【0044】
本実施形態による電池モジュール101’は、熱分散部材125および放熱部材126の構成を除いては前記第1実施形態による電池モジュールと同一の構造からなるため、同一の構造についての重複説明は省略する。
【0045】
図4を参照すれば、一つ以上の補助熱伝達シート128は熱伝達シート123と電池セル110との間に含まれても良い。
【0046】
例えば、4つの補助熱伝達シート128は他の部分に比べて相対的に多大な熱が発生され得る電池モジュール101’の中央部分で電池セル110の間に含まれても良い。また、一つの補助熱伝達シート128は中央部分に比べて相対的に熱が少なく発生し得る電池モジュール101’の端部で電池セル110の間に含まれても良い。本発明の一側面によれば、2つまたは3つの補助熱伝達シート128は電池モジュール101’の中央部分と端部との間の部分の電池セル110の間に含まれても良い。
【0047】
前記で説明した通り、補助熱伝達シート128を含むことは大量の熱が発生する部分の熱が急速に分散することを助けることができるため、電池セル110の温度を均一に維持することを可能にする。
【0048】
図4および図5Aに示されているように、補助熱伝達シート128はハウジング121の底121aを貫通して設置されても良く、各熱伝達シート128は熱伝達シート123と接触または熱交換を行い、底121aを貫通する補助吸熱部128aを有しても良い。
【0049】
例えば、補助吸熱部128aは対応する吸熱部123aの後面および対応する電池セル110の広い側面と接触したり熱交換を行っても良い。補助吸熱部128aの下端部は対応する熱伝達シート123の放熱部123bと接触したり熱交換を行って良い。
【0050】
図5Bに示されているように、本発明の一側面によれば、補助熱伝達シート128’は補助吸熱部128'aを有しても良く、補助吸熱部128'aに形成されたホール128'bを有する構造を有しても良い。ホール128'bのそれぞれは電池セル110の高さ方向に長く形成されても良い。例えば、ホール128'bの高さはホール128'bの横方向寸法よりも大きくても良い。
【0051】
図5Cに示されているように、本発明の一側面によれば、補助熱伝達シート128”は補助吸熱部128”aを有しても良く、補助熱伝達シート128”に形成されたホール128”bを有するメッシュ構造を有しても良い。
【0052】
図2を再び参照すれば、熱分散部材125は冷却通路を提供することができ、放熱部123bの下に位置して放熱部と密着接触または熱交換作用を行うことができる。熱分散部材125の冷却通路はヒートパイプを含んでも良く、第1方向(例えば、電池セル110が積層された方向(図1のx軸方向)に伸びても良く、ヒートパイプは第2方向(例えば、電池セル110の横方向(図1のy軸方向)に沿って間隔を置いて配列されても良い。本実施形態の一側面によれば、第2方向は第1方向にほぼ垂直であっても良い。
【0053】
ただし、本発明がこれに制限されるのではなく、熱分散部材125は冷媒が移動する空間を形成することができれば、中空形態の板など多様な構造からなっても良い。熱分散部材125内部へは比熱が大きい流体が流れるところ、流体は水、アルコール、CFC(chlorofluorocarbon)などからなっても良い。
【0054】
放熱部材126は放熱フィン126bを含んでも良く、熱分散部材125の下に設置されても良い。放熱部材126は熱分散部材125と当接したり熱交換を行う支持板126aと支持板126aで突出形成された放熱フィン126bとを含んでも良い。
【0055】
本実施形態の一側面によれば、支持板126aは熱分散部材125に密着配置されるところ、支持板126aは熱分散部材125に熱伝導性接着剤などを媒介として付着されても良い。熱伝導性接着剤はサーマルグリース(thermal grease)、サーマルコンパウンド(thermal compound)などからなっても良い。
【0056】
放熱フィン126bは第2方向(例えば、電池セル110の横方向(図1のy軸方向))に伸びても良く、電池セル110が積層される方向(図1のx軸方向)に沿って間隔を置いて整列されても良い。
【0057】
本実施形態のように電池セル110の間に配置された熱伝達シート123が熱分散部材125と熱交換を行えば電池セル110で発生した熱を熱分散部材125に容易に排出され得る。また、熱分散部材125と放熱部材126が連結されて放熱部材126を通じても熱を排出するため、より迅速に熱を排出することができる。特に熱分散部材125はヒートパイプからなるところ、ヒートパイプは高い熱伝導性を有する一つ以上の物質からなって良い。したがって、熱伝達シート123で伝達された熱を分散して迅速に放熱部材126に伝達するため、放熱効率がより向上することができる。本実施形態のようにヒートパイプが電池セル110の積層方向に伸びて形成されれば電池モジュール101の中央部分で発生した熱がヒートパイプ全体に伝達され、このようなヒートパイプが放熱部材126により冷却されるため、電池セル110を均一に冷却させることができる。
【0058】
図6は、本発明の第3実施形態による電池モジュールを示した分解斜視図であり、図7は、図6に示された部材が結合された状態で
VII−VII線に沿って切断した状態を示す断面図である。
【0059】
図6および図7を参照して説明すれば、本実施形態による電池モジュール102は熱分散部材135および放熱部材136の構成を除いては前記第1実施形態による電池モジュールと同一の構造からなるため、同一の構造についての重複説明は省略する。
【0060】
熱分散部材135は、熱伝達シート123と熱的に接触または熱交換を行うヒートパイプを含んでも良い。熱分散部材135のヒートパイプは第1方向(例えば、電池セル110が積層される方向(図6のx軸方向))に伸びても良い。本実施形態の一側面によれば、複数の熱分散部材135が電池セル110の第2方向(例えば、電池セル110の横方向)に離隔配置されるところ、電池セル110の第2方向を基準に電池セル110の中央部分の熱分散部材135の間の間隔は、縁部分の熱分散部材135の間の間隔よりも小さく配置される。例えば、それぞれの電池セル110の中央部分に隣接したヒートパイプの間の間隔は、電池セルの外郭側に隣接したヒートパイプの間の間隔よりも小さくても良い。例えば、より多くの熱分散部材135のヒートパイプが電池セル110の中央部分に含まても良い。つまり、電池セル110の中央部分にはより多くの熱分散部材135が設置されて熱分散部材135の間の間隔がより小さくなる。これによって、相対的に電池モジュール102の中央部分で多大に発生する熱を熱分散部材135を通じて迅速に放熱部材136に伝達することができ、熱分散部材135は熱を迅速に伝達することができる。熱分散部材135のヒートパイプは第1方向に伸びても良い。したがって、熱分散部材135が熱を迅速に移動させることはできるが、電池セル110の中央での温度が高い問題を解決するには限界がある。しかしながら、本実施形態のように電池セル110の中央により多くのヒートパイプを設置すれば電池モジュール102の中央で発生した熱をより迅速に排出することができる。
【0061】
放熱部材136は、支持板136aと支持板136aで突出した放熱フィン136bとを含むヒートシンクからなっても良い。放熱フィン136bは電池セル110の第2方向(電池セル110の横方向)に伸びて形成されても良く、複数の放熱フィン136bが電池セル110の第1方向(電池セル110の積層方向)に沿って離隔配列されても良い。電池モジュール102の中央部分の放熱フィン136bの間の間隔は、縁部分の放熱フィン136bの間の間隔よりも小さく配置されても良い。例えば、電池セル110のスタックの中央に隣接した放熱フィン136bの間の間隔は、電池セル110のスタックの縁に隣接した放熱フィンの間の間隔よりも小さくても良い。例えば、より多くの放熱フィン136bが電池モジュール102の中央部分に設置されても良い。したがって、放熱フィン136bの間の間隔がより小さくなっても良い。これによって、電池モジュール102の中央部分に位置する電池セル110の温度が相対的により高いところ、中央部分に位置する電池セル110で発生した熱をより迅速に放出して電池セル110を均一に冷却することができる。たとえヒートパイプにより熱を迅速に伝達することはできるが、電池モジュール102の中央部分に位置する電池セル110の熱が縁に位置する電池セルに伝達される問題が発生することがある。しかしながら、本実施形態によれば放熱部材136の中央部分により多くの放熱フィン136bが設置されるため、放熱部材136の中央でより多大な熱が放出されて電池モジュール102の中央で発生した熱を迅速に排出することができる。
【0062】
図8は、本発明の第4実施形態による電池モジュールを示した分解斜視図である。
図8を参照して説明すれば、本実施形態による電池モジュール103は、熱分散部材145の構成を除いては前記第1実施形態による電池モジュールと同一の構造からなるため、同一の構造についての重複説明は省略する。
【0063】
熱分散部材145は、熱伝達シート123と接触または熱交換を行うヒートパイプを含んでも良い。熱分散部材145のヒートパイプは第2方向(例えば、電池セル110の横方向(図8でy軸方向))に沿って離隔配置され、第1方向(例えば、電池セル110の積層方向(図8でx軸方向))に沿って伸びて形成されても良い。
【0064】
熱分散部材145は、電池セル110の中央部分(図8でy軸方向)に向かって湾曲した弧形状からなっても良い。例えば、ヒートパイプは第1方向に伸び、電池セル110の外側に向かって開放された凹状円弧であっても良い。これによって、縁での熱分散部材145の間の間隔が中央部分での熱分散部材145の間の間隔よりも大きくなっても良い。
例えば、熱分散部材145のヒートパイプは電池モジュール103の中央部分で密集し、縁では分散しても良い。これによって、電池モジュール103の中央部分で発生した熱は熱分散部材145を通じて分散して放熱部材146に伝達されるため、放熱部材146を通じて熱を迅速に排出することができるばかりか、電池セル110を均一に冷却することができる。
【0065】
放熱部材146は、支持板146aと支持板146aで突出した放熱フィン146bとを含むヒートシンクからなっても良い。放熱フィン146bは第2方向(例えば、電池セル110の横方向)に伸びて形成され、複数の放熱フィン146bは第1方向(電池セル110の積層方向)に沿って離隔配列されても良い。
【0066】
図9は、本発明の第5実施形態による電池モジュールを示した分解斜視図である。
図9を参照して説明すれば、本実施形態による電池モジュール104は、熱分散部材155と放熱部材156の構成を除いては前記第1実施形態による電池モジュールと同一の構造からなるため、同一の構造についての重複説明は省略する。
【0067】
熱分散部材155は熱伝達シート123と接触または熱交換を行うヒートパイプからなっても良い。熱分散部材155の複数のヒートパイプは第2方向(例えば、電池セル110の横方向(図9でy軸方向))に離隔配置され、第1方向(例えば、電池セル110の積層方向(図9でx軸方向))に沿って伸びて形成されても良い。熱分散部材155のヒートパイプは電池セル110の横方向中央に向かって湾曲した弧形状からなっても良い。例えば、ヒートパイプは第1方向に伸び、電池セル110の外側に向かって開放された凹状円弧を有しても良い。したがって、電池セル110の縁部分の熱分散部材155のヒートパイプの間の間隔は、電池セル110の中央部分の熱分散部材155のヒートパイプの間の間隔よりも大きくても良い。
【0068】
例えば、熱分散部材155のヒートパイプは電池110の中央地域で密集しても良く、縁では分散しても良い。これによって、電池モジュール104の中央で発生した熱は熱分散部材155を通じて分散して放熱部材156に伝達されるため、
放熱部材156を通じて熱を迅速に排出することができるばかりか、電池セル110を均一に冷却することができる。
【0069】
放熱部材156は、支持板156aと支持板156aで突出した放熱フィン156bとを含むヒートシンクからなっても良い。放熱フィン156bは第1方向に沿って伸びて形成され、複数の放熱フィン156bが第2方向に沿って離隔配列される。
【0070】
また、熱分散部材155のヒートパイプは支持板156aに部分的に挿入されても良く、一部のみ支持板156aの上部に露出しても良い。例えば、放熱部材156の支持板156aは溝を含んでも良く、熱分散部材155のヒートパイプは溝に位置しても良い。
【0071】
熱分散部材145のヒートパイプの露出した部分は熱伝達シート123と当接したり熱交換を行って熱伝達シート123から熱を受けることができる。支持板156aに挿入されたヒートパイプの一部分は熱を放熱部材156に伝達することができる。このように熱分散部材155のヒートパイプが支持板156aに挿入されて支持板156aと当接したり熱交換を行えば熱をより迅速に支持板156aに伝達することができる。
【0072】
本実施形態による電池モジュール104は、熱分散部材155と熱的に連結された発熱体152をさらに含んでも良い。発熱体152は第2方向に伸びて形成され、離隔配列された各熱分散部材155のヒートパイプに結合されても良い。発熱体152は熱電素子、熱線など熱を発生させる多様な部材を含んでも良い。
【0073】
これによって、熱分散部材155を通じて発熱体152で発生した熱を迅速に熱伝達シート123に伝達することができ、そのため、低温の環境下で電池セル110を迅速且つ均一に加熱することができる。
【0074】
低い温度では電池セル110内部のイオンが良好に移動することができず、充電と放電効率が低くなる。特に電池モジュール103が自動車などに設置されたり、外部に設置された電力貯蔵装置などとして利用される場合には、冬期の零下の温度で充放電効率が低くなることがある。しかしながら、本実施形態によれば発熱体152と熱分散部材155および熱伝達シート123を通じて電池セル110を迅速に加熱することができるため、充電と放電効率が向上することができる。
【0075】
図10は、本発明の第6実施形態による2次電池を示した分解斜視図である。
図10を参照して説明すれば、本実施形態による電池モジュール105は、熱分散部材165および放熱部材166の構成を除いては前記第1実施形態による電池モジュールと同一の構造からなるため、同一の構造についての重複説明は省略する。
【0076】
熱分散部材165は、熱伝達シート123と熱的に接触するヒートパイプを含んでも良い。また、熱分散部材165のヒートパイプは第1方向(電池セル110の積層方向(図10でx軸方向))に沿って離隔配置され、第2方向(電池セル110の横方向(図10でy軸方向))に伸びて形成されても良い。
【0077】
熱分散部材165は電池セル110の中央に向かって湾曲した弧形状であっても良い。例えば、第2方向に伸びるヒートパイプはアーク状を有し、電池セルのスタックの中央により近いアーク状のヒートパイプの曲率半径は、前記スタックの中央でより離れている他のアーク状のヒートパイプの曲率半径よりも大きくても良い。
【0078】
したがって、電池セル110の縁に隣接した熱分散部材165のヒートパイプの間の間隔はスタックの中央部分での熱分散部材165のヒートパイプの間の間隔よりも大きくても良い。
【0079】
例えば、電池モジュール105において、熱分散部材165のヒートパイプは電池セル110の中央に集中しても良く、縁には分散しても良い。このような構造により電池モジュール105の中央で発生した熱は熱分散部材165を通じて分散して放熱部材166に伝達され得る。
【0080】
放熱部材166は、支持板166aと支持板166aで突出した放熱フィン166bとを含むヒートシンクからなっても良い。放熱フィン166bは第1方向に沿って伸びて形成され、複数の放熱フィン166bは第2方向に沿って離隔配列されても良い。
【0081】
これによって、放熱部材166を通じて熱を迅速に排出することができるばかりか、電池セル110を均一に冷却することができる。
【0082】
また、熱分散部材165には発熱体162がそれぞれ付着されるところ、低温の環境下で発熱体162が熱分散部材165を加熱して充電と放電効率が向上することができる。ここで発熱体162は熱電素子、熱線などからなっても良い。
【0083】
図11は、図10の電池モジュールの放熱部材の変形例を示した斜視図である。図11を参照して説明すれば、本実施形態による放熱部材166’は、放熱部材166’の中央に隣接した熱分散部材165’のヒートパイプを除いては第6実施形態での構造と同一である。
【0084】
例えば、図10に示したように、放熱部材166のヒートパイプの中央部分に隣接した熱分散部材165のヒートパイプの間の空間間隔は、放熱部材166の外郭に隣接した熱分散部材165のヒートパイプの空間間隔と同一であっても良い。
【0085】
しかし、本実施形態によれば、放熱部材166’の中央に隣接した熱分散部材165’のヒートパイプの空間間隔は、放熱部材166’の外郭に隣接した熱分散部材165’のヒートパイプの空間間隔よりさらに小さくても良い。
【0086】
放熱部材166’の中央に隣接した熱分散部材165’のヒートパイプの空間間隔が上記に説明したとおり形成されれば、中央部分に隣接した部分で発生した熱は、速く分散されて放熱されることが可能である。従って、電池セル110の温度を均一に維持することが可能である。
【0087】
以上で本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明がこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付図面の範囲内で多様に変形して実施することができる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0089】
101、102、103、104、105…電池モジュール
110…2次電池
113…正極端子
114…負極端子
115…バスバー
116…ナット
121…ハウジング
121a…底
123、123'、123”…熱伝達シート
123a、123'a、123”…吸熱部
123b、123'b、123”b…放熱部
123'c、123”c…ホール
125、135、145、155、165…熱分散部材
126、136、146、156、166…放熱部材
126a、136a、146a、156a、166a…支持板
126b、136b、146b、156b、166b…放熱フィン
127…バンド
152、162…発熱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の隣接した電池セルと;
前記少なくともいくつかの電池セルの間に位置して前記電池セルと熱交換を行う熱伝達シートと;
前記熱伝達シートと結合し、前記熱伝達シートと熱交換を行う熱分散部材と;
前記熱分散部材と結合し、前記熱分散部材と熱交換を行う放熱部材と;
を含む、電池モジュール。
【請求項2】
前記電池セルは第1方向に伸びてスタックで配列され、前記熱分散部材は前記放熱部材と前記電池セルとの間に位置する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記熱伝達シートのうちの少なくとも一つは熱吸収部および放熱部を含み、
前記熱吸収部は前記隣接した電池セルの間に位置し、前記電池セルの広い側面と熱交換を行い、
前記放熱部は前記熱吸収部から遠くなるように伸びて折り曲げられ、前記電池セルと前記熱分散部材との間に位置する、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記放熱部材は支持板と放熱フィンを含み、
前記放熱フィンは前記支持板から突出し、
前記支持板は前記放熱フィンと前記熱分散部材との間に位置する、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記放熱フィンは前記第1方向にほぼ垂直である第2方向に伸びる、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記電池セルのスタックの中央に隣接した放熱フィンの間の間隔は、前記電池セルのスタックの縁に隣接した放熱フィンの間の間隔よりも小さい、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記放熱部材の前記支持板は溝を含み、
前記熱分散部材は前記溝に位置する、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記熱分散部材は冷媒が移動する冷却通路を含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記冷却通路は複数のヒートパイプを含む、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記ヒートパイプは前記第1方向に伸び、前記第1方向に垂直である第2方向に沿ってそれぞれ離隔される、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記電池セルのそれぞれの中央軸に隣接したヒートパイプの間の間隔は、前記電池セルの外郭側に隣接したヒートパイプの間の間隔よりも小さい、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記ヒートパイプは前記第1方向に伸び、前記電池セルの外郭側に向かって開放された凹状円弧を有する、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記ヒートパイプは前記第1方向と異なる第2方向に伸び、前記第1方向で互いに間隔を置く、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記電池セルのスタックの中央に隣接したヒートパイプの間の前記第1方向での間隔は、前記スタックの終端に隣接したヒートパイプの間の前記第1方向での間隔よりも小さい、請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記第2方向に伸びる前記ヒートパイプはアーク状を有し、
前記電池セルのスタックの中央により近いアーク状のヒートパイプの曲率半径は、前記スタックの中央でより離れている他のアーク状のヒートパイプの曲率半径よりも大きい、請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記放熱フィンは前記第1方向に伸びる、請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記電池セルのスタックの中央に隣接した放熱フィンの間の間隔は、前記電池セルのスタックの外郭側に隣接した放熱フィンの間の間隔よりも小さい、請求項16に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記熱伝達シートは熱伝達シートを貫通するホールを含み、
前記ホールの高さは前記ホールの横方向寸法よりも大きい、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記熱伝達シートは前記熱伝達シートを貫通してメッシュ構造をなす複数のホールを含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記熱分散部材と熱交換を行う発熱体をさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−18915(P2012−18915A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111107(P2011−111107)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(509139597)エス・ビー リモーティブ 株式会社 (130)
【氏名又は名称原語表記】SB Limotive Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】