電池収納筐体
【課題】専用の判別機構を設けることなく、収納された電池の種類を判別することのできる電池収納筐体を提供する。
【解決手段】電池の挿入・取出し用の開口5を有し且つ電池を収納するケース12と、開口5を開閉する蓋が開成されたときケース12に収納されている電池を開口から排出させる排出機構20とを備え、排出機構20は、ケース12の側壁に電池の挿入・取出し方向に沿って移動可能なイジェクトレバー21と、イジェクトレバー21を付勢するスプリング30と、ケース12内に配置されるともにイジェクトレバー21と一体となって移動する当接部24とを有し、蓋が開成されたとき、イジェクトレバー21及び当接部24がスプリング30によって開口5側へ移動して当接部24がケース12内の電池4を開口5から排出させる電池収納筐体であって、ケース12内に電池4を収納したとき、この収納で移動されるイジェクトレバー21の移動位置から収納された電池の種類を判別する。
【解決手段】電池の挿入・取出し用の開口5を有し且つ電池を収納するケース12と、開口5を開閉する蓋が開成されたときケース12に収納されている電池を開口から排出させる排出機構20とを備え、排出機構20は、ケース12の側壁に電池の挿入・取出し方向に沿って移動可能なイジェクトレバー21と、イジェクトレバー21を付勢するスプリング30と、ケース12内に配置されるともにイジェクトレバー21と一体となって移動する当接部24とを有し、蓋が開成されたとき、イジェクトレバー21及び当接部24がスプリング30によって開口5側へ移動して当接部24がケース12内の電池4を開口5から排出させる電池収納筐体であって、ケース12内に電池4を収納したとき、この収納で移動されるイジェクトレバー21の移動位置から収納された電池の種類を判別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラなどに搭載する電池収納筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザの利便性の向上や事故防止の観点から、ユーザの手動や電池の自重によらずに電池を電池室から取り出せるようにした電池収納筐体が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる電池収納筐体は、電池の収納方向に沿って形成されたガイドスリットを有する筐体本体と、この筐体本体の外側に配置されたイジェクトレバーとを備え、このイジェクトレバーをスプリングで筐体本体の開口側へ付勢し、筐体本体内に当接部を配置し、この当接部とイジェクトレバーの先端部とをガイドスリット内に配置されたガイド部で連結し、筐体本体の開口が開放されたとき、イジェクトレバー及び当接部をスプリングの付勢力によって開口側へ移動させることにより、筐体本体内に収納された電池を開口から排出するようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、筐体本体に異なる種類の電池を収納できるようにして、いずれの電池でも動作可能としたものがあり、この場合、たとえば電圧の異なる電池を収納する場合には、機器を正常に動作させるために、電池の種類を判別する判別機構を設ける必要がある。
【0005】
この発明の目的は、専用の判別機構を設けることなく、収納された電池の種類を判別することができ、しかもユーザの手動や電池の自重によらずに電池を取り出すことのできる電池収納筐体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、電池の挿入・取出し用の開口を有し且つ電池を収納する筐体本体と、前記開口の蓋が開成されたとき前記筐体本体に収納されている電池を前記開口から排出させる排出機構とを備え、
この排出機構は、前記筐体本体の側壁に電池の挿入・取出し方向に沿って移動可能なイジェクトレバーと、このイジェクトレバーを前記開口方向へ付勢する弾性部材と、前記筐体本体内に配置されるとともに前記イジェクトレバーと一体となって移動する当接部とを有し、前記蓋が開成されたとき、前記イジェクトレバー及び当接部が弾性部材によって開口側へ移動して該当接部が筐体本体内の電池を前記開口から排出させる電池収納筐体であって、
前記筐体本体内に電池を収納したとき、この収納によって移動される前記イジェクトレバーの移動位置から収納された電池の種類を判別する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、専用の判別機構を設けずに、収納された電池の種類を判別することができ、しかもユーザの手動や電池の自重によらずに電池を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明に係る電池収納筐体を搭載したデジタルスチルカメラを示した外観図である。
【図2】電池の挿入の仕方を示したデジタルスチルカメラの説明図である。
【図3】この発明に係る電池収納筐体の構成を概念的に示した断面図である。
【図4】図3に示す電池収納筐体の平面図である。
【図5】図3の電池収納筐体のイジェクトレバーを示した側面図である。
【図6】図5に示すイジェクトレバーの正面図である。
【図7】電池収納筐体の排出機構によって電池が排出される状態を示した説明図である。
【図8】収納ケースに別の電池が収納された状態を示した説明図である。
【図9】収納ケースに別の電池が収納された場合のイジェクトレバーのスライド部とマイクロスイッチとの関係を示した説明図である。
【図10】電池収納筐体の排出機構によって別な電池が排出される状態を示した説明図である。
【図11】イジェクトレバーのスライド部の他の形状を示した説明図である。
【図12】イジェクトレバーのスライド部の別な他の形状を示した説明図である。
【図13】第2実施例の電池収納筐体を示した説明図である。
【図14】第2実施例の電池収納筐体のケースに別な電池を収納した状態を示した説明図である。
【図15】逆方向に誤挿入した電池の状態を示した説明図である。
【図16】逆方向に誤挿入した別な電池の状態を示した説明図である。
【図17】第3実施例の電池収納筐体を示した説明図である。
【図18】第3実施例の電池収納筐体のケースに別な電池を収納した状態を示した説明図である。
【図19】図17に示す電池収納筐体のケースに逆方向に誤挿入した電池の状態を示した説明図である。
【図20】図17に示す電池収納筐体のケースに逆方向に別な電池を誤挿入した状態を示した説明図である。
【図21】第4実施例の電池収納筐体を示した説明図である。
【図22】図21のA−A線に沿う断面図である。
【図23】図21の電池収納筐体の一部を示した部分平断面図である。
【図24】電池の誤挿入を示した説明図である。
【図25】別な電池を第4実施例の電池収納筐体のケースに収納した状態を示した説明図である。
【図26】第4実施例の他の例を示した説明図である。
【図27】図26の部分平断面図である。
【図28】第4実施例の別な他の例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明に係る電池収納筐体の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0010】
[第1実施例]
図1および図2に示すデジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2の前面に設けたレンズ部3を有し、カメラ本体2の下面には、電池(蓄電池A)4を挿入する開口5が形成され、この開口5を開閉する蓋6が設けられている。蓋6にはロックボタン7が設けられており、このロックボタン7をスライド移動させることにより、ロックが解除されて蓋6を開成することができるようになっている。
【0011】
カメラ本体2内には、電池収納筐体10(図3参照)と、撮影に必要な各種の動作を行わせる図示しない電子部品などとが設けられている。この電子部品は電池収納筐体10に収納された電池4によって動作する。
【0012】
電池収納筐体10は、図3に示すように、電池室11を形成するとともに開口5を有するケース(筐体本体)12と、このケース12に設けられた排出機構20とを備えている。なお、説明の便宜上、ロックボタン7を概念的に示す。
【0013】
ケース12の一側壁12Aには、電池4を出し入れする方向(図3において左右方向)に延びたガイド孔13が形成され、このガイド孔13の近傍にはマイクロスイッチ14が設けられている。また、その一側壁12Aの開口5の近傍にはフック部15が設けられている。
【0014】
ケース12内には、電池4の電極に接続される電極端子(図示せず)が設けられている。
【0015】
排出機構20は、ガイド孔13に沿って移動可能なイジェクトレバー21と、このイジェクトレバー21を開口5方向へ付勢するスプリング30とを有している。
【0016】
イジェクトレバー21は、図5及び図6に示すように、板状のスライド部22と、このスライド部22の先端部の下面(図5において)にガイド部23を介して一体形成された当接部24とを有している。
【0017】
スライド部22の後部の上面(図3において)にフック25が形成され、このフック25にはスプリング30の一端が係止され、スプリング30の他端がケース12のフック部15に係止されている。このスプリング30の付勢力によりイジェクトレバー21は開口5方向へ付勢されている。
【0018】
一方、イジェクトレバー21のガイド部23は図3に示すようにケース12のガイド孔13に挿入され、当接部24はケース12内に配置されて電池4の先端面4Aに当接し、電池4を排出方向(開口5方向)へ押圧している。
【0019】
当接部24は、電池4とは別な電池(蓄電池B)44(図8参照)、例えば蓄電池Aと電圧の異なる蓄電池Bである場合、蓄電池Bである電池44の先端部に設けた凹部44Aに挿入するように設定されている。
【0020】
ロックボタン7の操作により蓋6のロックが解除されると、図7に示すように、イジェクトレバー21がスプリング30の付勢力によって右方向に移動し、この右方向への移動によってイジェクトレバー21の当接部24が電池4を開口5から排出させることになる。すなわち、電池4の自重によらず電池4を開口5から排出することができる。
【0021】
マイクロスイッチ14は、イジェクトレバー21のスライド部22が図3及び図4に示す所定位置にきたとき、これを検知してオンするものである。つまり、電池4が図3に示すようにケース12の電池室11に収納されたとき、マイクロスイッチ14はスライド部22を検知してオンするようになっている。
【0022】
また、電池4が電池室11に収納されると、電池4の電極がケース12内の電極端子(図示せず)に接続されることになる。
【0023】
電池4の替わりに別な電池44を図8に示すようにケース12の電池室11に収納すると、電池44の凹部44Aにイジェクトレバー21の当接部24が挿入される。このため、イジェクトレバー21のスライド部22が図9に示す実線の位置で停止し、鎖線の位置(所定位置)まで移動しないことになる。 このため、マイクロスイッチ14はオフとなる。
【0024】
このように、電池4のときにはマイクロスイッチ14はオンし、電池44のときにはマイクロスイッチ14はオフするので、マイクロスイッチ14のオン・オフによって、電池4,44を識別することができることになる。しかも、マイクロスイッチ14は、電池4,44を排出するイジェクトレバー21のスライド部22の検知でオン・オフするものであるから、電池4,44を識別するための専用の機構を設ける必要がない。
【0025】
図8に示すように、電池44がケース12の電池室11に収納された場合、電池4と同じ状態に収納されるので、電池44の電極がケース12内の電極端子に接続される。
【0026】
ロックボタン7のロックを解除すると、蓋6は開成可能となるので、図10に示すように、イジェクトレバー21の当接部24がスプリング30の付勢力によって電池44をケース12の開口5から排出させ、電池44の自重によらず電池44を開口5から排出することができる。
【0027】
図11及び図12は、イジェクトレバー21の他の例を示すものであり、イジェクトレバー21のスライド部22に凹部22Aや突部22Bを設け、この凹部22Aや突部22Bをマイクロスイッチ14で検知して収納されている電池4,44を識別するようにしたものである。
【0028】
第1実施例によれば、イジェクトレバー21の位置によって電池4,44の判別が行なえるため、電池を排出するためのイジェクトレバー21とは別個に電池判別用の専用のスイッチング構造を設ける必要がない。このため、電池収納筐体10の空間占有率を下げることができ、また部品点数を少なくすることができるので、コストの削減を図ることができる。
[第2実施例]
図13は第2実施例の電池収納筐体100を示す。第2実施例では、ケース12の天板壁部12Tに誤挿入防止用の突起部(誤挿入防止手段)101を設けたものである。
【0029】
電池収納筐体100は、異なる電池(蓄電池A)54,(蓄電池B)64(図14参照)を識別できるようにしたものであり、電池54は凹部54Aを有している。電池64は、凹部54Aより左右方向(図13及び図14において)の幅が狭い凹部64Aを有している。
【0030】
イジェクトレバー121の当接部124全体が電池54の凹部54A内に入り込むが、図14に示すように、当接部124は電池64の凹部64A内に半分ほど入るように設定されている。
【0031】
マイクロスイッチ114は、図14に示すように電池64がケース12に収納されるとイジェクトレバー121のスライド部22を検知してオンし、図13に示すように電池54がケース12に収納されるとスライド部22を検知せずにオフのままとなる。
【0032】
すなわち、第2実施例は、第1実施例と同様にマイクロスイッチ114のオン・オフによって電池54,64の種類を判別することができるようになっている。
【0033】
ところで、突起部101の左右方向(図13において)の幅と、当接部124の左右方向の幅と、電池54(電池64)の長さとの合計の長さはケース12の電池室11の左右方向の長さL0(図19参照)より長く設定されている。
【0034】
図15に示すように、電池54がケース12内に逆(先端部と後端部が逆)に挿入されると、電池54の後端54aがイジェクトレバー121の当接部124に当接し、さらに、この当接部124がケース12内の突起部101に当接するので、上記の合計の長さが電池室11の長さL0より長く設定されていることにより、電池54の先端部54Bがケース12の開口5からはみ出すことになり、電池54をケース12内に収納することができなくなる。これにより、電池54が誤挿入されたことが分かることになる。
【0035】
図16に示すように、電池64が上記と同様にケース12内に逆に挿入されると、電池64の先端部64Bがケース12の開口5からはみ出し、電池64を誤挿入したことが分かることになる。
【0036】
電池54,64の裏表を逆にしてケース12内に挿入した場合、すなわち、図15及び図16の鎖線で示す位置に凹部54A,64Aがくるように電池54,64をケース12内に挿入した場合も電池の後部がケース12の開口5からはみ出るので、電池54,64の誤挿入が分かることになる。
【0037】
この第2実施例によれば、誤挿入防止用の突起部101を設けたので、電池誤挿入方向では、物理的に電池室11への挿入や蓋6のロックなどが行えなくなるので、電池54,64の誤挿入を防止することができる。
【0038】
この第2実施例も第1実施例と同様な効果を得ることができる。
[第3実施例]
図17及び図18は第3実施例の電池収納筐体200を示す。電池収納筐体200のイジェクトレバー221の当接部224は、直方体の基部224Aと、この基部224Aの右側面に一体形成されるとともに右方に突出した突部224Bとを有している。
【0039】
一方、例えば電池(蓄電池A)74には、イジェクトレバー221の当接部224の基部224Aが挿入される凹部74Aと、その当接部224の突部224Bが挿入される凹部74Bとが形成されている。
【0040】
他方、電池74と異なる電池(蓄電池B)84には、イジェクトレバー221の当接部224の基部224Aが挿入される凹部84Aと、その当接部224の突部224Bが挿入される凹部84Bとが形成されている。電池84の凹部84Aは左右(図18において)の幅W1は電池74の凹部74Aの幅W2より小さく設定されている。
【0041】
電池74が図17に示すようにケース12内に収納されている場合、イジェクトレバー221の当接部224の基部224A及び突部224Bが電池74の凹部74A,74Bに挿入されるので、イジェクトレバー221の左方向(図17において)への移動は小さく、このためマイクロスイッチ214は、イジェクトレバー221のスライド部22を検知せずにオフする。
【0042】
電池84が図18に示すようにケース12内に収納されている場合、イジェクトレバー221の当接部224の基部224A及び突部224Bが電池84の凹部84A,84Bに挿入されるが、凹部84Aの幅W1が狭いので、当接部224は凹部84Aからはみ出た状態となる。このため、イジェクトレバー221は左方向へ図17の場合より大きく移動するので、マイクロスイッチ214は、イジェクトレバー221のスライド部22を検知してオンすることになる。
【0043】
このように、マイクロスイッチ214のオン・オフによって電池74,84の種類を判別することができる。
【0044】
ところで、図19,20に示すように、イジェクトレバー221の当接部224の長さL1と電池74,84の長さL2とを加算した値がケース12の電池室11の長さL0より大きく設定されている。
【0045】
このため、電池74が図19に示すようにケース12内に逆方向に挿入された場合、電池74の後部がイジェクトレバー221の当接部224の突部224Bに当接して当接部224をケース12の天板壁部12Tに当接させるが、当接部224の長さL1と電池74の長さL2とを加算した値がケース12の電池室11の長さL0より大きく設定されていることにより、電池74の先端部がケース12の開口5からはみ出す。これにより、電池74の誤挿入が分かることになる。
【0046】
同様に、電池84が図20に示すようにケース12内に逆方向に挿入された場合、電池84の先端部がケース12の開口5からはみ出し、電池84の誤挿入が分かることになる。
【0047】
電池74,84の裏表を逆にしてケース12内に挿入した場合も、第2実施例と同様に電池の後部がケース12の開口5からはみ出るので、電池74,84の誤挿入が分かることになる。
【0048】
つまり、当接部224が電池74,84の誤挿入を防止する誤挿入防止手段として機能する。
【0049】
この第3実施例も、第1,第2実施例と同様な効果を得ることができる。
[第4実施例]
図21ないし図23は第4実施例の電池収納筐体300を示す。電池収納筐体300は、ケース12の天板壁部12Tと側壁12Sとに渡って誤挿入防止用の突起部12Hを形成したものである。
【0050】
電池収納筐体300は、電池(蓄電池A)304の凹部304Aに入り込むイジェクトレバー321の当接部324を有し、電池304が正しくケース12内に収納されたとき、電池304の凹部304Aには、図21に示すように、イジェクトレバー321の当接部324とケース12の突起部12Hの一部が入り込むようになっている。
【0051】
図24に示すように、電池304が逆方向に挿入された場合、電池304の後端が突起12Hに当接して電池304の先端部がケース12の開口5からはみ出すようになっている。このはみ出しにより電池304の誤挿入を防止するものである。
【0052】
電池収納筐体300は、電池304と、電池304と異なる電池(蓄電池B)344(図25参照)とを識別することができるようになっており、電池344の凹部344Aの幅W3は電池304の凹部304Aの幅W4より狭く設定されている。電池304が図21に示すようにケース12内に収納された場合、イジェクトレバー321の当接部324が電池304の凹部304Aに挿入されるので、イジェクトレバー321の左方向(図21において)への移動は小さく、このためマイクロスイッチ314は、イジェクトレバー321のスライド部22を検知せずにオフする。
【0053】
電池344が図25に示すようにケース12内に収納された場合、イジェクトレバー321の当接部324が電池344の凹部344Aに挿入されるが、凹部344Aの幅W3が電池304の凹部304Aの幅W4より狭く設定されていることにより、当接部324は凹部344Aからはみ出た状態となる。このため、イジェクトレバー321は左方向へ図21の場合より大きく移動するので、マイクロスイッチ314は、イジェクトレバー321のスライド部22を検知してオンすることになる。
【0054】
このように、マイクロスイッチ314のオン・オフによって電池304,344を識別することができる。
【0055】
電池344が逆方向に挿入された場合、電池304の逆方向の挿入と同様に(図24参照)、電池344の後端が突起部12Hに当接して電池344の先端部がケース12の開口5からはみ出すので、電池344の誤挿入を防止することができる。
【0056】
電池304,344の裏表を逆にしてケース12に挿入した場合も、電池344の先端が突起12Hに当接して電池304,344の後部がケース12の開口5からはみ出すので、電池304,344の誤挿入を防止することができる。
【0057】
すなわち、当接部324が電池304,344の誤挿入を防止する誤挿入防止手段として機能する。
【0058】
この第4実施例でも、第1,第2実施例と同様な効果を得ることができる。
[他の例]
図26及び図27は、他の装置との干渉を回避するためにケース12に側壁12Sが設けられていない場合、天板壁部12Tに誤挿入防止用の突起部12H2を設けたものである。
【0059】
この場合、図28に示すように、イジェクトレバー321の当接部324に切欠324Aを設けて、突起部12H3との干渉を回避するようにしてもよい。
【0060】
上記実施例はいずれも乾電池と蓄電池の2種類を識別するようにしているが、これに限らず、例えば電池の電圧も識別できるように、電池に設ける凹部の幅を電圧別に異ならせて、イジェクトレバーのスライド部の位置が電池の種類毎に異なるようにし、複数のマイクロスイッチでイジェクトレバーのスライド部の位置を検知することによって電池の種類を3種類以上識別できるようにしてもよい。
【0061】
この発明は、上記実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0062】
4 電池
5 開口
6 蓋
12 ケース(筐体本体)
14 マイクロスイッチ(検知部材)
20 排出機構
21 イジェクトレバー
24 当接部
30 スプリング(弾性部材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2008−117610号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラなどに搭載する電池収納筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザの利便性の向上や事故防止の観点から、ユーザの手動や電池の自重によらずに電池を電池室から取り出せるようにした電池収納筐体が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる電池収納筐体は、電池の収納方向に沿って形成されたガイドスリットを有する筐体本体と、この筐体本体の外側に配置されたイジェクトレバーとを備え、このイジェクトレバーをスプリングで筐体本体の開口側へ付勢し、筐体本体内に当接部を配置し、この当接部とイジェクトレバーの先端部とをガイドスリット内に配置されたガイド部で連結し、筐体本体の開口が開放されたとき、イジェクトレバー及び当接部をスプリングの付勢力によって開口側へ移動させることにより、筐体本体内に収納された電池を開口から排出するようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、筐体本体に異なる種類の電池を収納できるようにして、いずれの電池でも動作可能としたものがあり、この場合、たとえば電圧の異なる電池を収納する場合には、機器を正常に動作させるために、電池の種類を判別する判別機構を設ける必要がある。
【0005】
この発明の目的は、専用の判別機構を設けることなく、収納された電池の種類を判別することができ、しかもユーザの手動や電池の自重によらずに電池を取り出すことのできる電池収納筐体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、電池の挿入・取出し用の開口を有し且つ電池を収納する筐体本体と、前記開口の蓋が開成されたとき前記筐体本体に収納されている電池を前記開口から排出させる排出機構とを備え、
この排出機構は、前記筐体本体の側壁に電池の挿入・取出し方向に沿って移動可能なイジェクトレバーと、このイジェクトレバーを前記開口方向へ付勢する弾性部材と、前記筐体本体内に配置されるとともに前記イジェクトレバーと一体となって移動する当接部とを有し、前記蓋が開成されたとき、前記イジェクトレバー及び当接部が弾性部材によって開口側へ移動して該当接部が筐体本体内の電池を前記開口から排出させる電池収納筐体であって、
前記筐体本体内に電池を収納したとき、この収納によって移動される前記イジェクトレバーの移動位置から収納された電池の種類を判別する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、専用の判別機構を設けずに、収納された電池の種類を判別することができ、しかもユーザの手動や電池の自重によらずに電池を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明に係る電池収納筐体を搭載したデジタルスチルカメラを示した外観図である。
【図2】電池の挿入の仕方を示したデジタルスチルカメラの説明図である。
【図3】この発明に係る電池収納筐体の構成を概念的に示した断面図である。
【図4】図3に示す電池収納筐体の平面図である。
【図5】図3の電池収納筐体のイジェクトレバーを示した側面図である。
【図6】図5に示すイジェクトレバーの正面図である。
【図7】電池収納筐体の排出機構によって電池が排出される状態を示した説明図である。
【図8】収納ケースに別の電池が収納された状態を示した説明図である。
【図9】収納ケースに別の電池が収納された場合のイジェクトレバーのスライド部とマイクロスイッチとの関係を示した説明図である。
【図10】電池収納筐体の排出機構によって別な電池が排出される状態を示した説明図である。
【図11】イジェクトレバーのスライド部の他の形状を示した説明図である。
【図12】イジェクトレバーのスライド部の別な他の形状を示した説明図である。
【図13】第2実施例の電池収納筐体を示した説明図である。
【図14】第2実施例の電池収納筐体のケースに別な電池を収納した状態を示した説明図である。
【図15】逆方向に誤挿入した電池の状態を示した説明図である。
【図16】逆方向に誤挿入した別な電池の状態を示した説明図である。
【図17】第3実施例の電池収納筐体を示した説明図である。
【図18】第3実施例の電池収納筐体のケースに別な電池を収納した状態を示した説明図である。
【図19】図17に示す電池収納筐体のケースに逆方向に誤挿入した電池の状態を示した説明図である。
【図20】図17に示す電池収納筐体のケースに逆方向に別な電池を誤挿入した状態を示した説明図である。
【図21】第4実施例の電池収納筐体を示した説明図である。
【図22】図21のA−A線に沿う断面図である。
【図23】図21の電池収納筐体の一部を示した部分平断面図である。
【図24】電池の誤挿入を示した説明図である。
【図25】別な電池を第4実施例の電池収納筐体のケースに収納した状態を示した説明図である。
【図26】第4実施例の他の例を示した説明図である。
【図27】図26の部分平断面図である。
【図28】第4実施例の別な他の例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明に係る電池収納筐体の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0010】
[第1実施例]
図1および図2に示すデジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2の前面に設けたレンズ部3を有し、カメラ本体2の下面には、電池(蓄電池A)4を挿入する開口5が形成され、この開口5を開閉する蓋6が設けられている。蓋6にはロックボタン7が設けられており、このロックボタン7をスライド移動させることにより、ロックが解除されて蓋6を開成することができるようになっている。
【0011】
カメラ本体2内には、電池収納筐体10(図3参照)と、撮影に必要な各種の動作を行わせる図示しない電子部品などとが設けられている。この電子部品は電池収納筐体10に収納された電池4によって動作する。
【0012】
電池収納筐体10は、図3に示すように、電池室11を形成するとともに開口5を有するケース(筐体本体)12と、このケース12に設けられた排出機構20とを備えている。なお、説明の便宜上、ロックボタン7を概念的に示す。
【0013】
ケース12の一側壁12Aには、電池4を出し入れする方向(図3において左右方向)に延びたガイド孔13が形成され、このガイド孔13の近傍にはマイクロスイッチ14が設けられている。また、その一側壁12Aの開口5の近傍にはフック部15が設けられている。
【0014】
ケース12内には、電池4の電極に接続される電極端子(図示せず)が設けられている。
【0015】
排出機構20は、ガイド孔13に沿って移動可能なイジェクトレバー21と、このイジェクトレバー21を開口5方向へ付勢するスプリング30とを有している。
【0016】
イジェクトレバー21は、図5及び図6に示すように、板状のスライド部22と、このスライド部22の先端部の下面(図5において)にガイド部23を介して一体形成された当接部24とを有している。
【0017】
スライド部22の後部の上面(図3において)にフック25が形成され、このフック25にはスプリング30の一端が係止され、スプリング30の他端がケース12のフック部15に係止されている。このスプリング30の付勢力によりイジェクトレバー21は開口5方向へ付勢されている。
【0018】
一方、イジェクトレバー21のガイド部23は図3に示すようにケース12のガイド孔13に挿入され、当接部24はケース12内に配置されて電池4の先端面4Aに当接し、電池4を排出方向(開口5方向)へ押圧している。
【0019】
当接部24は、電池4とは別な電池(蓄電池B)44(図8参照)、例えば蓄電池Aと電圧の異なる蓄電池Bである場合、蓄電池Bである電池44の先端部に設けた凹部44Aに挿入するように設定されている。
【0020】
ロックボタン7の操作により蓋6のロックが解除されると、図7に示すように、イジェクトレバー21がスプリング30の付勢力によって右方向に移動し、この右方向への移動によってイジェクトレバー21の当接部24が電池4を開口5から排出させることになる。すなわち、電池4の自重によらず電池4を開口5から排出することができる。
【0021】
マイクロスイッチ14は、イジェクトレバー21のスライド部22が図3及び図4に示す所定位置にきたとき、これを検知してオンするものである。つまり、電池4が図3に示すようにケース12の電池室11に収納されたとき、マイクロスイッチ14はスライド部22を検知してオンするようになっている。
【0022】
また、電池4が電池室11に収納されると、電池4の電極がケース12内の電極端子(図示せず)に接続されることになる。
【0023】
電池4の替わりに別な電池44を図8に示すようにケース12の電池室11に収納すると、電池44の凹部44Aにイジェクトレバー21の当接部24が挿入される。このため、イジェクトレバー21のスライド部22が図9に示す実線の位置で停止し、鎖線の位置(所定位置)まで移動しないことになる。 このため、マイクロスイッチ14はオフとなる。
【0024】
このように、電池4のときにはマイクロスイッチ14はオンし、電池44のときにはマイクロスイッチ14はオフするので、マイクロスイッチ14のオン・オフによって、電池4,44を識別することができることになる。しかも、マイクロスイッチ14は、電池4,44を排出するイジェクトレバー21のスライド部22の検知でオン・オフするものであるから、電池4,44を識別するための専用の機構を設ける必要がない。
【0025】
図8に示すように、電池44がケース12の電池室11に収納された場合、電池4と同じ状態に収納されるので、電池44の電極がケース12内の電極端子に接続される。
【0026】
ロックボタン7のロックを解除すると、蓋6は開成可能となるので、図10に示すように、イジェクトレバー21の当接部24がスプリング30の付勢力によって電池44をケース12の開口5から排出させ、電池44の自重によらず電池44を開口5から排出することができる。
【0027】
図11及び図12は、イジェクトレバー21の他の例を示すものであり、イジェクトレバー21のスライド部22に凹部22Aや突部22Bを設け、この凹部22Aや突部22Bをマイクロスイッチ14で検知して収納されている電池4,44を識別するようにしたものである。
【0028】
第1実施例によれば、イジェクトレバー21の位置によって電池4,44の判別が行なえるため、電池を排出するためのイジェクトレバー21とは別個に電池判別用の専用のスイッチング構造を設ける必要がない。このため、電池収納筐体10の空間占有率を下げることができ、また部品点数を少なくすることができるので、コストの削減を図ることができる。
[第2実施例]
図13は第2実施例の電池収納筐体100を示す。第2実施例では、ケース12の天板壁部12Tに誤挿入防止用の突起部(誤挿入防止手段)101を設けたものである。
【0029】
電池収納筐体100は、異なる電池(蓄電池A)54,(蓄電池B)64(図14参照)を識別できるようにしたものであり、電池54は凹部54Aを有している。電池64は、凹部54Aより左右方向(図13及び図14において)の幅が狭い凹部64Aを有している。
【0030】
イジェクトレバー121の当接部124全体が電池54の凹部54A内に入り込むが、図14に示すように、当接部124は電池64の凹部64A内に半分ほど入るように設定されている。
【0031】
マイクロスイッチ114は、図14に示すように電池64がケース12に収納されるとイジェクトレバー121のスライド部22を検知してオンし、図13に示すように電池54がケース12に収納されるとスライド部22を検知せずにオフのままとなる。
【0032】
すなわち、第2実施例は、第1実施例と同様にマイクロスイッチ114のオン・オフによって電池54,64の種類を判別することができるようになっている。
【0033】
ところで、突起部101の左右方向(図13において)の幅と、当接部124の左右方向の幅と、電池54(電池64)の長さとの合計の長さはケース12の電池室11の左右方向の長さL0(図19参照)より長く設定されている。
【0034】
図15に示すように、電池54がケース12内に逆(先端部と後端部が逆)に挿入されると、電池54の後端54aがイジェクトレバー121の当接部124に当接し、さらに、この当接部124がケース12内の突起部101に当接するので、上記の合計の長さが電池室11の長さL0より長く設定されていることにより、電池54の先端部54Bがケース12の開口5からはみ出すことになり、電池54をケース12内に収納することができなくなる。これにより、電池54が誤挿入されたことが分かることになる。
【0035】
図16に示すように、電池64が上記と同様にケース12内に逆に挿入されると、電池64の先端部64Bがケース12の開口5からはみ出し、電池64を誤挿入したことが分かることになる。
【0036】
電池54,64の裏表を逆にしてケース12内に挿入した場合、すなわち、図15及び図16の鎖線で示す位置に凹部54A,64Aがくるように電池54,64をケース12内に挿入した場合も電池の後部がケース12の開口5からはみ出るので、電池54,64の誤挿入が分かることになる。
【0037】
この第2実施例によれば、誤挿入防止用の突起部101を設けたので、電池誤挿入方向では、物理的に電池室11への挿入や蓋6のロックなどが行えなくなるので、電池54,64の誤挿入を防止することができる。
【0038】
この第2実施例も第1実施例と同様な効果を得ることができる。
[第3実施例]
図17及び図18は第3実施例の電池収納筐体200を示す。電池収納筐体200のイジェクトレバー221の当接部224は、直方体の基部224Aと、この基部224Aの右側面に一体形成されるとともに右方に突出した突部224Bとを有している。
【0039】
一方、例えば電池(蓄電池A)74には、イジェクトレバー221の当接部224の基部224Aが挿入される凹部74Aと、その当接部224の突部224Bが挿入される凹部74Bとが形成されている。
【0040】
他方、電池74と異なる電池(蓄電池B)84には、イジェクトレバー221の当接部224の基部224Aが挿入される凹部84Aと、その当接部224の突部224Bが挿入される凹部84Bとが形成されている。電池84の凹部84Aは左右(図18において)の幅W1は電池74の凹部74Aの幅W2より小さく設定されている。
【0041】
電池74が図17に示すようにケース12内に収納されている場合、イジェクトレバー221の当接部224の基部224A及び突部224Bが電池74の凹部74A,74Bに挿入されるので、イジェクトレバー221の左方向(図17において)への移動は小さく、このためマイクロスイッチ214は、イジェクトレバー221のスライド部22を検知せずにオフする。
【0042】
電池84が図18に示すようにケース12内に収納されている場合、イジェクトレバー221の当接部224の基部224A及び突部224Bが電池84の凹部84A,84Bに挿入されるが、凹部84Aの幅W1が狭いので、当接部224は凹部84Aからはみ出た状態となる。このため、イジェクトレバー221は左方向へ図17の場合より大きく移動するので、マイクロスイッチ214は、イジェクトレバー221のスライド部22を検知してオンすることになる。
【0043】
このように、マイクロスイッチ214のオン・オフによって電池74,84の種類を判別することができる。
【0044】
ところで、図19,20に示すように、イジェクトレバー221の当接部224の長さL1と電池74,84の長さL2とを加算した値がケース12の電池室11の長さL0より大きく設定されている。
【0045】
このため、電池74が図19に示すようにケース12内に逆方向に挿入された場合、電池74の後部がイジェクトレバー221の当接部224の突部224Bに当接して当接部224をケース12の天板壁部12Tに当接させるが、当接部224の長さL1と電池74の長さL2とを加算した値がケース12の電池室11の長さL0より大きく設定されていることにより、電池74の先端部がケース12の開口5からはみ出す。これにより、電池74の誤挿入が分かることになる。
【0046】
同様に、電池84が図20に示すようにケース12内に逆方向に挿入された場合、電池84の先端部がケース12の開口5からはみ出し、電池84の誤挿入が分かることになる。
【0047】
電池74,84の裏表を逆にしてケース12内に挿入した場合も、第2実施例と同様に電池の後部がケース12の開口5からはみ出るので、電池74,84の誤挿入が分かることになる。
【0048】
つまり、当接部224が電池74,84の誤挿入を防止する誤挿入防止手段として機能する。
【0049】
この第3実施例も、第1,第2実施例と同様な効果を得ることができる。
[第4実施例]
図21ないし図23は第4実施例の電池収納筐体300を示す。電池収納筐体300は、ケース12の天板壁部12Tと側壁12Sとに渡って誤挿入防止用の突起部12Hを形成したものである。
【0050】
電池収納筐体300は、電池(蓄電池A)304の凹部304Aに入り込むイジェクトレバー321の当接部324を有し、電池304が正しくケース12内に収納されたとき、電池304の凹部304Aには、図21に示すように、イジェクトレバー321の当接部324とケース12の突起部12Hの一部が入り込むようになっている。
【0051】
図24に示すように、電池304が逆方向に挿入された場合、電池304の後端が突起12Hに当接して電池304の先端部がケース12の開口5からはみ出すようになっている。このはみ出しにより電池304の誤挿入を防止するものである。
【0052】
電池収納筐体300は、電池304と、電池304と異なる電池(蓄電池B)344(図25参照)とを識別することができるようになっており、電池344の凹部344Aの幅W3は電池304の凹部304Aの幅W4より狭く設定されている。電池304が図21に示すようにケース12内に収納された場合、イジェクトレバー321の当接部324が電池304の凹部304Aに挿入されるので、イジェクトレバー321の左方向(図21において)への移動は小さく、このためマイクロスイッチ314は、イジェクトレバー321のスライド部22を検知せずにオフする。
【0053】
電池344が図25に示すようにケース12内に収納された場合、イジェクトレバー321の当接部324が電池344の凹部344Aに挿入されるが、凹部344Aの幅W3が電池304の凹部304Aの幅W4より狭く設定されていることにより、当接部324は凹部344Aからはみ出た状態となる。このため、イジェクトレバー321は左方向へ図21の場合より大きく移動するので、マイクロスイッチ314は、イジェクトレバー321のスライド部22を検知してオンすることになる。
【0054】
このように、マイクロスイッチ314のオン・オフによって電池304,344を識別することができる。
【0055】
電池344が逆方向に挿入された場合、電池304の逆方向の挿入と同様に(図24参照)、電池344の後端が突起部12Hに当接して電池344の先端部がケース12の開口5からはみ出すので、電池344の誤挿入を防止することができる。
【0056】
電池304,344の裏表を逆にしてケース12に挿入した場合も、電池344の先端が突起12Hに当接して電池304,344の後部がケース12の開口5からはみ出すので、電池304,344の誤挿入を防止することができる。
【0057】
すなわち、当接部324が電池304,344の誤挿入を防止する誤挿入防止手段として機能する。
【0058】
この第4実施例でも、第1,第2実施例と同様な効果を得ることができる。
[他の例]
図26及び図27は、他の装置との干渉を回避するためにケース12に側壁12Sが設けられていない場合、天板壁部12Tに誤挿入防止用の突起部12H2を設けたものである。
【0059】
この場合、図28に示すように、イジェクトレバー321の当接部324に切欠324Aを設けて、突起部12H3との干渉を回避するようにしてもよい。
【0060】
上記実施例はいずれも乾電池と蓄電池の2種類を識別するようにしているが、これに限らず、例えば電池の電圧も識別できるように、電池に設ける凹部の幅を電圧別に異ならせて、イジェクトレバーのスライド部の位置が電池の種類毎に異なるようにし、複数のマイクロスイッチでイジェクトレバーのスライド部の位置を検知することによって電池の種類を3種類以上識別できるようにしてもよい。
【0061】
この発明は、上記実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0062】
4 電池
5 開口
6 蓋
12 ケース(筐体本体)
14 マイクロスイッチ(検知部材)
20 排出機構
21 イジェクトレバー
24 当接部
30 スプリング(弾性部材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2008−117610号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の挿入・取出し用の開口を有し且つ電池を収納する筐体本体と、前記開口の蓋が開成されたとき前記筐体本体に収納されている電池を前記開口から排出させる排出機構とを備え、
この排出機構は、前記筐体本体の側壁に電池の挿入・取出し方向に沿って移動可能なイジェクトレバーと、このイジェクトレバーを前記開口方向へ付勢する弾性部材と、前記筐体本体内に配置されるとともに前記イジェクトレバーと一体となって移動する当接部とを有し、前記蓋が開成されたとき、前記イジェクトレバー及び当接部が弾性部材によって開口側へ移動して該当接部が筐体本体内の電池を前記開口から排出させる電池収納筐体であって、
前記筐体本体内に電池を収納したとき、この収納によって移動される前記イジェクトレバーの移動位置から収納された電池の種類を判別することを特徴とする電池収納筐体。
【請求項2】
前記イジェクトレバーが所定位置へ移動したとき、これを検知する検知部材を設け、この検知部材の検知に応じて前記電池の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の電池収納筐体。
【請求項3】
前記電池の誤挿入を防止する誤挿入防止手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池収納筐体。
【請求項4】
前記誤挿入防止手段は、前記筐体本体内に設けた突起部を有し、電池が誤挿入されたときその突起部により該電池の一部が前記開口から突出することを特徴とする請求項3に記載の電池収納筐体。
【請求項5】
前記誤挿入防止手段は、電池の種類を判別するための前記当接部の形状で構成されるこを特徴とする請求項3に記載の電池収納筐体。
【請求項1】
電池の挿入・取出し用の開口を有し且つ電池を収納する筐体本体と、前記開口の蓋が開成されたとき前記筐体本体に収納されている電池を前記開口から排出させる排出機構とを備え、
この排出機構は、前記筐体本体の側壁に電池の挿入・取出し方向に沿って移動可能なイジェクトレバーと、このイジェクトレバーを前記開口方向へ付勢する弾性部材と、前記筐体本体内に配置されるとともに前記イジェクトレバーと一体となって移動する当接部とを有し、前記蓋が開成されたとき、前記イジェクトレバー及び当接部が弾性部材によって開口側へ移動して該当接部が筐体本体内の電池を前記開口から排出させる電池収納筐体であって、
前記筐体本体内に電池を収納したとき、この収納によって移動される前記イジェクトレバーの移動位置から収納された電池の種類を判別することを特徴とする電池収納筐体。
【請求項2】
前記イジェクトレバーが所定位置へ移動したとき、これを検知する検知部材を設け、この検知部材の検知に応じて前記電池の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の電池収納筐体。
【請求項3】
前記電池の誤挿入を防止する誤挿入防止手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池収納筐体。
【請求項4】
前記誤挿入防止手段は、前記筐体本体内に設けた突起部を有し、電池が誤挿入されたときその突起部により該電池の一部が前記開口から突出することを特徴とする請求項3に記載の電池収納筐体。
【請求項5】
前記誤挿入防止手段は、電池の種類を判別するための前記当接部の形状で構成されるこを特徴とする請求項3に記載の電池収納筐体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−54988(P2013−54988A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193723(P2011−193723)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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