説明

電池用セパレータ

【課題】親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、耐熱性に優れ、電池製造時の歩留まりが高く、高容量で出力特性と寿命特性に優れ、外部短絡等による電池異常時におけるシャットダウン機能を備えた電池用セパレータを提供することを課題とする。
【解決手段】ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される、耐酸化性に優れた半芳香族ポリアミド繊維と、シャットダウン機能を有した脂肪族ポリアミド繊維と、高い機械的強度を有するポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを含有した不織布からなる電池用セパレータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、等のアルカリ二次電池に好適に使用できるアルカリ電池用セパレータに関する。さらに詳しくは、寿命特性に優れ、急速充電と大電流放電が可能で、電池の安全性を高めることができるアルカリ電池用セパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、携帯電話、パソコン、オーディオ等の小型電子機器の他に、最近ではハイブリッド自動車、電動自転車等の大型機器にも広く使用されている。小型電子機器用途および大型機器用途のどちらにおいても、アルカリ二次電池の高容量化、小型化、軽量化、使用可能な温度領域の拡大化等が求められている。アルカリ二次電池用セパレータの役割としては、正極と負極の分離、短絡防止、耐アルカリ性および耐酸化性、電解液の保持、電極反応により生じるガスの透過などが挙げられる。
【0003】
アルカリ二次電池用セパレータとしては、ポリオレフィン繊維の不織布、ポリアミド繊維の不織布が知られている。
【0004】
ポリオレフィン繊維は耐アルカリ性、耐酸化劣化性には優れているものの、親水性に劣るため、ポリオレフィン繊維に親水性を付与しなければならない。親水性付与方法としては、熱濃硫酸、発煙硫酸、またはクロル硫酸で処理してスルホン化する方法、フッ素を含む反応ガスで処理する方法、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する基をグラフト重合させる方法など多くの方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、これらの親水性付与方法は高価な上、繊維が劣化する、親水性を長期間維持できない、外観が極めて悪くなるといった問題があった。
【0005】
ポリアミド繊維、特にナイロン6やナイロン66等の脂肪族ポリアミド繊維からなる不織布は、繊維自身が耐アルカリ性および親水性に優れていることから、スルホン化処理、フッ素処理、グラフト重合処理を行わなくても、電解液の保液性が良好であり、放電容量も大きい利点を有している。しかし、高温における耐酸化劣化性に劣り、アルカリ二次電池の充電時に発生する酸素ガスによって酸化劣化するという欠点があるため、60〜130℃といった高温環境でアルカリ二次電池が使用された場合、電池の性能低下が著しいという問題があった。
【0006】
親水性および耐酸化劣化性を併せ持った繊維を使用した電池用セパレータとして、芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミドからなる不織布を用いたものも提案されている(例えば、特許文献4〜6)。しかし、芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミドは、耐熱性が高いために該繊維のみからなる不織布はそれ自身の接着性が低く、不織布強度に問題があった。また、一般の熱可塑性バインダー繊維との接着性も低く、やはり不織布強度に問題があった。接着性を高めるために樹脂接着を行う方法もあるが、電池用セパレータとして使用すると接着樹脂が電池の電解液に溶出する問題点があった。また、芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミドは、高温での耐アルカリ性が悪く、分解生成物が電池特性に悪影響を及ぼしたり、電池セパレータとして、活物質の移動防止性能が低下するため、寿命特性に影響を及ぼしたりすることがあった。
【0007】
接着性の問題を改良したポリアミド繊維としては、半芳香族ポリアミド繊維がある。半芳香族ポリアミド繊維である芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるMXD−6繊維(三菱瓦斯化学社製)で構成される不織布を用いた電池用セパレータは、高温での耐酸化劣化性に劣り、充電時に発生する酸素ガスによって酸化されて劣化する場合があった。
【0008】
これに対し、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とからなる半芳香族ポリアミド繊維が、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性を併せ持つ繊維として、電池用セパレータに好適に用いることができる(例えば、特許文献7および8)。しかし、該半芳香族ポリアミド繊維は、繊維の機械的強度が脂肪族ポリアミド繊維、全芳香族ポリアミド繊維等と比較して小さいという欠点がある。
【0009】
近年、アルカリ二次電池の小型化、高容量化、高出力化が進んでおり、電極の活物質量を増やす必要がある。このため、電池内部における電池用セパレータの占有体積を少なくする必要があり、電池用セパレータの薄膜化が進んでいる。また、電極と電池用セパレータの密着性が高い電池構造となっている。上述の脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とからなる半芳香族ポリアミド繊維を用いた厚みの薄い不織布を電池用セパレータとして用いた場合、電極板のバリがセパレータを突き抜けて短絡したり、電極板の端部とセパレータが接している部分でセパレータが断裂したりすることがあり、アルカリ二次電池製造の歩留まりが低下するという問題があった。
【0010】
これに対して、熱可塑性樹脂短繊維と、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維または、そのパルプ状物と、熱融着繊維とが相互に三次元的に交絡され、かつこれらの繊維が上記熱融着繊維の一部または全部を溶融させることを特徴とする電池セパレータ用湿式不織布を好適に用いることができる(例えば、特許文献9)。しかし、水流を衝突させて前記繊維を三次元的に交絡させた場合、比較的大きな貫通孔が開いてしまい、活物質の移動防止性能が低下するため、目付を下げて、高容量化を図ることができないという問題や、高出力化と長寿命が達成できないという問題点があった。
【0011】
一方、大電流化が進む中、外部短絡等により異常な大電流が流れたときに電池温度が著しく上昇して、電池の変形、破裂および発火等が起こることがあるが、従来、電池の回路設計等により機器の安全性を高めていた。
【特許文献1】特開平56−3973号公報
【特許文献2】特開昭58−175256号公報
【特許文献3】特開平1−132042号公報
【特許文献4】特開平5−283054号公報
【特許文献5】特開昭53−58636号公報
【特許文献6】特開昭58−147956号公報
【特許文献7】特開平9−259856号公報
【特許文献8】特開2002−151041号公報
【特許文献9】特開2002−151043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、耐熱性に優れ、電池製造時の歩留まりが高く、高容量で出力特性と寿命特性に優れ、電池の安全性を高めることができる電池用セパレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから縮重合される半芳香族ポリアミド繊維と、脂肪族ポリアミド繊維と、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを含有した不織布からなる電池用セパレータ、
(2)脂肪族ポリアミド繊維の含有量が不織布の10〜80質量%であることを特徴とする上記(1)記載の電池用セパレータ、
(3)ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の含有量が不織布の1〜10質量%であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の電池用セパレータ、
(4)さらにバインダー繊維を含有する上記(1)〜(3)のいずれか記載の電池用セパレータ、
(5)バインダー繊維がエチレンビニルアルコール共重合体繊維、エチレンビニルアルコール共重合体を含む複合繊維、ポリオレフィン系熱融着繊維、ポリオレフィン系芯鞘型熱融着繊維から選ばれる少なくとも1種である上記(4)記載の電池用セパレータ、
(6)バインダー繊維の含有量が不織布の5〜20質量%に調製されることを特徴とする上記(4)または(5)記載の電池用セパレータ、
を見出した。
【0014】
本発明の電池用セパレータ(1)は、半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を含有した不織布からなり、耐アルカリ性、耐熱性、耐酸化劣化性に優れ、機械的強度が高く、さらには、熱によってセパレータの開孔を閉塞してイオン透過性を遮断する機能(シャットダウン機能)をも実現した。これにより、アルカリ二次電池においても、セパレータ自身が電池の安全装置として作用できることが初めて見出された。すなわち、本発明の電池用セパレータでは、電池製造時にセパレータの断裂や電極の短絡といった問題が生じることが無く、また高温でも安定に作動し、外部短絡等による電池異常時に電池が200℃以上になった場合、セパレータが電池のイオン透過性を遮断し、緩やかにシャットダウンするという秀逸な効果をもつ高容量の小型電池を製造することができる。
【0015】
本発明の電池用セパレータ(2)は、脂肪族ポリアミド繊維の含有量が不織布の10〜80質量%である。脂肪族ポリアミド繊維の含有量が10質量%よりも少ない場合には、電池異常時においてシャットダウン機能が速やかに働かない場合がある。逆に、脂肪族ポリアミド繊維の含有量が80質量%より多くなると、電池セパレータの耐アルカリ性および耐酸化劣化性に劣るため、分解生成物による電池性能の低下、ならびに、活物質の移動防止性能が低下し、寿命特性が低下する場合がある。
【0016】
本発明の電池セパレータ(3)は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の含有量が1〜10質量%である。ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の含有量が1%未満の場合、不織布の厚み方向の突き刺し強度が得られず、電池製造時に電極のバリ等により、不織布が貫通したり、切れが入ったり、引き裂かれたりする場合がある。逆に、10質量%より多い場合、電池製造時にセパレータを所定長さで切断する際に、切れなかったり、繊維の切れ残りの毛羽が多発したりして、電池製造時に支障を来すことがある。
【0017】
本発明の電池用セパレータにおいて、上記(4)記載の通り、さらにバインダー繊維を含有すると好ましい。特に、湿式法で不織布を製造する場合、湿紙の強度を向上させるため、および電池セパレータの強度を向上させるために、上記(5)記載の通り、耐熱性に優れ、少量で融着効果を発現し、かつ電池特性への影響が少ないエチレンビニルアルコール共重合体繊維、エチレンビニルアルコール共重合体を含む複合繊維、ポリオレフィン系芯鞘型熱融着繊維、ポリオレフィン系熱融着繊維の1種を用いることが好ましい。湿式法で不織布を製造する場合、湿熱により融点よりも低い温度で融着し、ポリオレフィン系融着繊維に比べ高い融点を有することから、内部抵抗の原因となる熱によるフィルム化を乾燥状態では起こしにくいエチレンビニルアルコール共重合体繊維、エチレンビニルアルコール共重合体を含む複合繊維がより好ましい。
【0018】
本発明の電池セパレータ(6)は、バインダー繊維の含有量が不織布の5〜20質量%である。より好ましくは、5〜10質量%である。バインダー繊維が20質量%を越えると、130℃といった高温環境下では、バインダー繊維の溶解により内部抵抗が高くなることがある。しかし、不織布の構成成分のうちバインダー繊維によって強度を発現させる場合においては、5質量%未満ではセパレータの機械的強度が小さくなることがある。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電池用セパレータは、半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を含有した不織布からなり、その配合量を適正化することで、耐アルカリ性、耐熱性、耐酸化劣化性に優れ、機械的強度が高く、シャットダウン機能を有することを実現した。本発明の電池用セパレータを用いたアルカリ二次電池は、製造時の歩留まりが高く、また高温でも安定に作動し、外部短絡等による電池異常時において緩やかにシャットダウンするという秀逸な効果をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の電池用セパレータについて、詳説する。
【0021】
本発明の電池用セパレータ(1)は、半芳香族ポリアミド繊維と脂肪族ポリアミド繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを含有する不織布からなる。
【0022】
本発明の電池用セパレータに係わる半芳香族ポリアミド繊維のポリアミドは、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンである半芳香族ポリアミドを用いる。このポリアミドは、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れている。
【0023】
芳香族ジカルボン酸成分としては、セパレータの耐熱性、耐薬品性の点でテレフタル酸が最も好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4′−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。
【0024】
ジカルボン酸として、芳香族ジカルボン酸の含有量は、ジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%の芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐アルカリ性、耐酸化性、強度などの諸物性が低下することがある。
【0025】
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上用いることができる。さらにトリメトリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0026】
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12の脂肪族アルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。
【0027】
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量は、ジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが、耐熱性の点で好ましい。脂肪族ジアミン成分の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐酸化性、強度などが低下する傾向がある。なかでも耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。そして、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が40:60〜99:1であることが好ましく、70:30〜95:5であることがさらに好ましい。
【0028】
また、本発明の電池用セパレータに係わる半芳香族ポリアミド繊維のポリアミドは、その分子鎖が末端封止剤により封止されていることが好ましい。末端の10%以上が封止されているのが好ましく、末端の40%以上が封止されているのが更に好ましく、末端の70%以上が封止されているのが最も好ましい。ポリアミドの末端を封止することにより、得られる電池用セパレータの機械的強度、耐アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基または、カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば、特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性等の点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。
【0029】
本発明の電池用セパレータに係わる脂肪族ポリアミド繊維のポリアミドは、単一短繊維として用いる際は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12等であることが好ましく、熱融着短繊維として用いる際は、従来の熱融着乾式不織布や熱融着湿式不織布に使用されている芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維、あるいは単一成分タイプなどが挙げられるが、高い引張強度を得るという点から特に芯鞘型融着繊維であることが好ましい。例えば、具体的な芯鞘型融着繊維としては、芯成分がナイロン66で鞘成分がナイロン6、あるいは、芯成分がナイロン6または66で鞘成分がナイロン612、610等の共重合ナイロン、あるいは、芯成分がナイロン6または66で鞘成分がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンのような組み合わせが好適に用いられる。
【0030】
本発明の電池用セパレータに係わるポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維は、パラ系全芳香族ポリアミド繊維と比べて2倍の強度と弾性率を有し(強度37cN/dtex、弾性率1150〜1720cN/dtex)、分解温度が、パラ系全芳香族ポリアミド繊維と比べて100℃高い650℃を有している。また、耐アルカリ性もパラ系全芳香族ポリアミド繊維と比べて、格段に優れている。
【0031】
本発明の電池用セパレータに係わる半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミドおよびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の繊維径は、0.08〜1.7dtexが好ましく、更に好ましくは0.08〜1dtexが好ましい。1.7dtexを超える場合、耐ショート性、吸液性、保液性が低下する傾向があり、0.08dtex未満の場合、通気性と電池セパレータ用不織布の硬さを阻害する傾向がある。
【0032】
本発明の電池用セパレータにおいて、不織布の製造方法としては、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を接着・融着・絡合させる方法を用いることができる。得られた不織布は、そのまま使用しても良いし、複数枚からなる積層体として使用することもできる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法等の乾式法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等がある。このうち、湿式法によって得られるウェブは、均質かつ緻密であり、電池用セパレータとして好適に用いることができる。湿式法は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを円網、長網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いて、繊維ウェブを得る方法である。
【0033】
繊維ウェブから不織布を製造する方法としては、水流交絡法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。
【0034】
本発明の電池用セパレータ(5)および(6)に係わるバインダー繊維として、耐熱性と接着性に優れた繊維径が0.01dtex〜1.0dtexのエチレンビニルアルコール共重合体繊維、エチレンビニルアルコール共重合体を含む複合繊維、(例えば、芯がPP成分で、鞘成分がエチレンビニルアルコール共重合体成分の芯鞘型複合繊維、或いは、その断面において、エチレンビニルアルコール共重合体とポリオレフィン重合体のうち一方の成分が、他方の成分の間に介在して少なくとも2個以上に分割されて、各々が繊維断面の構成単位となっており、隣接している各構成繊維の一部が繊維表面に露出している分割型複合繊維)、ポリオレフィン系芯鞘型熱融着繊維(芯がPP成分で、鞘成分がPE成分、或いは芯がPP成分で、鞘成分がPP共重合体成分である)、ポリオレフィン系熱融着繊維から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。これらのバインダー繊維は、主に湿式法で不織布を製造する場合に好適に用いられる。
【0035】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式法で不織布を製造する場合、ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、バインダー繊維の繊維長としては、2〜20mmが好ましい。繊維長が20mmを超えた場合、湿式法では繊維の分散が難しくなることがあり、地合不良等が発生し、良好な繊維ウェブの形成ができなくなるといった問題が生じることがある。一方、繊維長が2mm未満では、電池セパレータの機械的強度が小さくなることがある。
【0036】
本発明の電池用セパレータにおいて、さらに親水性を向上させるために、親水化処理を施しても良い。親水化処理としては、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、スルホン化処理、フッ素化処理、界面活性剤処理等を用いることができる。
【0037】
コロナ放電処理は、高電圧発生機に接続した電極と、シリコンラバーなどでカバーした金属ロール間に適度の間隙を設け、高周波で数千〜数万Vの電圧をかけ、高圧コロナを発生させ、この間隔に上記の方法で得られた不織布を適度な速度で走らせ、該不織布面にコロナが生成したオゾン、あるいは、酸化窒素を反応させて、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基を生成させる事により、不織布に対する電解液の親和性を向上させる表面改質法である。
【0038】
大気圧プラズマ処理は、対向する電極の少なくとも一方の電極表面にポリイミド、雲母、セラミック、ガラス等の固体誘電体を配設した誘電体被覆電極を有するプラズマ反応装置に、ヘリウムおよびアルゴンと酸素から本質的になる気体組成物を導入し、大気圧下でプラズマ励起を行って、対向する電極の間に位置する不織布表面を酸化およびエッチングして電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【0039】
スルホン化処理は、SOガス中にて不織布にスルホン基を導入する方法や、発煙硫酸、硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、または塩化スルフリルからなる溶液中に不織布を浸漬してスルホン酸基を導入する方法や、一硫化硫黄ガス、二酸化硫黄ガスあるいは三酸化硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させて不織布にスルホン酸基を生成させて電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【0040】
フッ素処理は、窒素ガス、あるいはアルゴンガスなどで希釈したフッ素ガスと酸素ガス、二酸化炭素ガス、二酸化硫黄ガス等の一種類のガスとの混合ガスを不織布に接触させて、表面にカルボキシル基、カルボニル基、水酸基を生成させて電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【0041】
界面活性剤処理としては、ノニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなどの溶液中に不織布を含浸するか、この溶液を塗布、若しくはスプレーするかした後、乾燥して、不織布表面の電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における、部、%は断りのない限り、すべて質量によるものである。
【0043】
実施例1
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)60質量部と、繊度2.2dtex、繊維長5mmの芯成分がナイロン6で、鞘成分がナイロン共重合体の芯鞘型複合繊維(鞘成分融点139℃)30部、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、150℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量65.1g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量65.1g/m、厚さ164μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0044】
実施例2
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)40質量部と、繊度0.08dtex、繊維長3mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃)20部、繊度2.2dtex、繊維長5mmの芯成分がナイロン6で、鞘成分がナイロン共重合体の芯鞘型複合繊維(鞘成分融点139℃)30部、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、150℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.7g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.7g/m、厚さ160μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0045】
実施例3
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)10質量部と、繊度0.6dtex、繊維長5mmのジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)50質量部と、繊度2.2dtex、繊維長5mmの芯成分がナイロン6で、鞘成分がナイロン共重合体の芯鞘型複合繊維(鞘成分融点139℃)30部、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、150℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量63.2g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量63.2g/m、厚さ149μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0046】
実施例4
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)70質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)10質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)10質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.8g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.8g/m、厚さ158μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0047】
実施例5
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)40質量部と、繊度0.6dtex、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)35質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.2g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.2g/m、厚さ146μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0048】
実施例6
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)45質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)40質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.4g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.4g/m、厚さ155μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0049】
実施例7
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)45質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)45質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維5質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量63.5g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量63.5g/m、厚さ161μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0050】
実施例8
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)35質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)30質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、繊度1.7dtex、繊維長10mmの芯がPP成分、鞘がPP共重合体成分の芯鞘型複合繊維30質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、150℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量65.0g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量65.0g/m、厚さ157μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0051】
実施例9
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)35質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)30質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、繊度2.2dtex、繊維長10mmの芯成分がPPで、鞘成分がエチレンビニルアルコール共重合体の芯鞘型複合繊維30質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.8g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.8g/m、厚さ160μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0052】
実施例10
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)45質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)44質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)1質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.1g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.1g/m、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0053】
実施例11
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)40質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)35質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)15質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量64.2g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量64.2g/m、厚さ162μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0054】
比較例1
繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)50質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)45質量部と、ポリビニルアルコール繊維(クラレ製、製品名VPW 1×3)5質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量60.6g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、この不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、厚み調整を行った。坪量60.6g/m、厚さ140μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0055】
比較例2
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)45質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)40質量部と、エチレン含有量が44モル%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維15質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等による撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量63.0g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、この不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、厚み調整を行った。坪量63.0g/m、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0056】
比較例3
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)85質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、エチレン含有量が44モル%、繊度0.08detex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量62.1g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、この2種類の不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、厚み調整を行った。坪量65.1g/m、厚さ156μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0057】
比較例4
ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)85質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(引張強度37cN/dtex)5質量部と、エチレン含有量が44モル%、繊度0.08detex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量62.1g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、この2種類の不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、厚み調整を行った。坪量62.1g/m、厚さ148μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0058】
比較例5
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)40質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)35質量部と、繊度1.7dtex、繊維長5mmのパラ系全芳香族ポリアミド繊維(引張強度19cN/dtex)15質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維10質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量63.8g/m、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量63.8g/m、厚さ165μmの不織布を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0059】
実施例および比較例で得られた電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
【0060】
<評価方法>
[電池製造時の不良率の評価]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(41mm幅)と、発泡ニッケル基材を用いた水素吸蔵合金負極(41mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、44mm幅の上記の実施例の電池用セパレータまたは比較例の電池用セパレータを介在させて、それぞれ電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が1.8Ahの単3形密閉式ニッケル−水素電池を1万個製造した。その後、正極と負極との間に240Vの電圧を印加し、電気抵抗が1kΩ以下のものを不良とし、電池製造時の不良率[%]を決定した。電池製造時の不良率[%]が、0.5%を超えると経済性が悪化し、0.9%を超えると経済性が劣るばかりでなく実用性が失われる。
【0061】
[工程切断性]
電池の群巻工程時にセパレータの最後を切断した際に、問題なく切断できた場合を○、切断できたが、若干カット面に毛羽が残り、トラブルの懸念がある場合を△、切断できなかった場合を×で表した。
【0062】
[耐アルカリ性]
耐アルカリ性の評価としては、アルカリ処理後の質量減量率(%)を測定した。アルカリ処理後の質量減量率は、各試料から10cm×10cmの大きさの試験片を3枚採取し、水分平衡状態となした時の質量W(mg)を測定したのち、電解液に相当する比重1.30のKOH水溶液に浸漬して、90±2℃の雰囲気中で20日間保存する。その後、取り出した試料を中和点に達するまで水洗乾燥し、再び水分平衡状態となした時の質量W2(mg)を測定し、次の式1によりアルカリ処理後の質量減量率(%)を求めた。
【0063】
(式1)
アルカリ処理後の質量減量率(%)=[(W−W2)/W]×100
【0064】
[急速充放電試験]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(41mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた焼結式カドミウム負極(41mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、44mm幅の上記の実施例の電池用セパレータまたは比較例の電池用セパレータを介在させて、それぞれ電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が1.0Ahの単3形密閉式ニッケルカドミウム電池を20個作製した。電池の化成を行うために、25℃において、0.1Cで15時間充電し、1Cの電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返した。
【0065】
化成済みの残り10個の電池について、高温90℃において、1Cの電流で1.2時間充電し、1Cの電流で端末電圧が1.0Vになるまで放電するという充放電サイクルを繰り返し、電池の寿命を評価した。500サイクル未満を×、500〜749サイクルを△、750サイクル以上を○で表した。
【0066】
[電池異常試験]
安全装置を全て停止させた化成済みの電池及び充電器を用いて、室温において、1Cの電流で充電し続け、電池の外観温度が200℃以上の高温に達した後の電池の外観を評価した。充電時に外観が赤熱し変形して終息したサンプルを×、充電時に外観が赤熱した後終息したサンプルを△、外観に変化なく終息したサンプルを○で表した。
【0067】
【表1】

【0068】
実施例で得られた本発明の電池用セパレータは、半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を含有した不織布からなり、耐アルカリ性、耐熱性、耐酸化劣化性に優れ、機械的強度が高く、シャットダウン機能を有する良好な結果がえられた。一方、比較例1で得られた電池用セパレータは、バインダー繊維以外は半芳香族ポリアミド繊維および脂肪族ポリアミド繊維からなっており、バインダー繊維との接着性は良好であるが、繊維の機械的強度が低いために、電極のエッジやバリに対する強度が低く、電池製造時の不良率が高い。また、バインダー繊維にポリビニルアルコール繊維を用いたため、高温での耐アルカリ性に劣り、90℃での急速充放電試験では寿命の低下が確認された。
【0069】
また、比較例2で得られた電池用セパレータは、バインダー繊維以外は半芳香族ポリアミド繊維および脂肪族ポリアミド繊維からなっており、バインダー繊維との接着性は良好であるが、繊維の機械的強度が低いために、電極のエッジやバリに対する強度が低く、電池製造時の不良率が高い。
【0070】
また、比較例3で得られた電池用セパレータは、耐熱性、耐酸化劣化性に優れた半芳香族ポリアミド繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とからなるが、電池異常試験ではセパレータのシャットダウン機能が速やかに働かず、電池の外観の変形が確認された。
【0071】
また、比較例4で得られた電池用セパレータは、耐熱性、耐酸化劣化性に優れた半芳香族ポリアミド繊維を含まないため、高温での耐アルカリ性に劣り、90℃での急速充放電試験では寿命の低下が確認された。
【0072】
また、本発明の電池用セパレータを用いて製造した電池は、比較例5で製造した高強度繊維としてパラ系全芳香族ポリアミド繊維からなる電池用セパレータを用いて製造した電池と比較して、やはり高温での耐アルカリ性に優れるため、90℃での急速充放電試験でも、安定して電池が作動した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから縮重合される半芳香族ポリアミド繊維と、脂肪族ポリアミド繊維と、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを含有した不織布からなる電池用セパレータ。
【請求項2】
脂肪族ポリアミド繊維の含有量が不織布の10〜80質量%であることを特徴とする請求項1記載の電池用セパレータ。
【請求項3】
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の含有量が不織布の1〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の電池用セパレータ。
【請求項4】
さらにバインダー繊維を含有する請求項1〜3のいずれか記載の電池用セパレータ。
【請求項5】
バインダー繊維がエチレンビニルアルコール共重合体繊維、エチレンビニルアルコール共重合体を含む複合繊維、ポリオレフィン系熱融着繊維、ポリオレフィン系芯鞘型熱融着繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の電池用セパレータ。
【請求項6】
バインダー繊維の含有量が不織布の5〜20質量%に調製されることを特徴とする請求項4または5記載の電池用セパレータ。

【公開番号】特開2007−12463(P2007−12463A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192355(P2005−192355)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】