説明

電池管理装置

【課題】複数の電池モジュールが直列に接続されている場合において、各電池モジュールの位置を特定するための時間を短縮することを容易にする。
【解決手段】電池モジュールM1〜Mnは、二次電池Bと、外部接続端子T(+)と接続される接続端子T1と、負極端子P(−)と接続端子T1との間の電圧を電圧関連情報として取得する情報取得部3と、自電池モジュールを識別する識別情報を予め記憶する記憶部43と、電圧関連情報と識別情報とを対応させて送信する通信部42とを含み、電池管理装置1は、電池モジュールM1〜Mnの通信部42から送信された電圧関連情報と識別情報とを受信する管理側通信部22と、管理側通信部22によって受信された各電圧関連情報と各識別情報とから、電池モジュールM1〜Mnの直列回路内における位置を特定する位置特定部とを含むようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列に接続された複数の電池モジュールを管理する電池管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のエコカーとして、電気自動車やハイブリッド自動車等が注目されている。そして、このようなエコカーの電源として用いられる二次電池の技術開発が進んでいる。自動車の性能を左右するとも考えられる二次電池の性能の向上が日々追求されている。また、二次電池を電気自動車等の電源として用いる場合は、高電圧を得るために複数個の電池モジュールが直列に接続されて用いられる。また、二次電池の性能の向上と共に、二次電池に要求される信頼性水準も高まっている。そのため、異常が発生したとき、各電池モジュールが、その異常発生を示す情報を制御装置へ送信するようにした電池管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
複数の電池モジュールのうちいずれかが異常となった場合、その電池モジュールをメンテナンスにより交換したり修理したりするためには、その電池モジュールから送信された情報に基づき異常が発生した電池モジュールの位置、例えば、複数の電池モジュールの直列回路における最も低電位側なのか、低電位側から何番目の電池モジュールなのかを特定する必要がある。
【0004】
各電池モジュールには、通信アドレスやID番号などの識別情報が付与されているが、電池モジュールの位置を特定するためには、そのような識別情報と位置情報とを対応付ける必要がある。しかしながら、識別情報と位置情報とを対応付けるために、設定スイッチを設けるとコストの上昇を招いたり、ユーザ(作業者)が位置情報の設定を誤ったりするおそれもある。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の電池管理装置では、直列接続された複数の電池モジュールのうち最も上流側の電池モジュールから順に、隣接する下流側の電池モジュールへ自分の位置を示す識別番号を送信する。上流側の電池モジュールから識別番号を受信した電池モジュールは、上流から受信した識別番号の次の位置を示す識別番号を自分の識別番号として付与し、その識別番号を自分に隣接する下流側の電池モジュールへ送信する。このように、位置情報を含む識別番号を上流側から順にリレー形式で各電池モジュールが伝達していき、最後に最も下流側の電池モジュールの識別番号が付与されることで、各電池モジュールに位置情報と対応する識別番号が付与されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−89521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、各電池モジュールが識別番号を順番にリレー形式で伝達していくため、最上流の電池モジュールから識別番号が送信されてから、最下流の電池モジュールで識別番号が受信されて最下流の電池モジュールに識別番号が付与されて、各電池モジュールの位置が特定されるまでに時間がかかるという不都合があった。
【0008】
本発明の目的は、複数の電池モジュールが直列に接続されている場合において、各電池モジュールの位置を特定するための時間を短縮することが容易な電池管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電池管理装置は、直列に接続された複数の電池モジュールを含む電池管理装置であって、前記各電池モジュールは、二次電池と、前記複数の電池モジュールによって構成された直列回路の一端と接続される接続端子と、前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧に関する情報を電圧関連情報として取得する情報取得部と、自電池モジュールを識別する識別情報を予め記憶する記憶部と、前記電圧関連情報と前記識別情報とを対応させて送信するモジュール側送信部とを含み、前記電池管理装置は、前記各電池モジュールの前記各モジュール側送信部から送信された前記電圧関連情報と前記識別情報とを受信する管理側受信部と、前記管理側受信部によって受信された前記各電圧関連情報と前記各識別情報とから、前記各電池モジュールの前記直列回路内における位置を特定する位置特定部とを含む。
【0010】
この構成によれば、各電池モジュールにおける接続端子は、それぞれ複数の電池モジュールの直列回路、すなわち各電池モジュールに含まれる二次電池の直列回路の一端(一方の極)に接続される。また、各電池モジュールにおける二次電池は、二次電池の直列回路における位置がそれぞれ異なるから、各電池モジュールの二次電池の一方の極の電位が、電池モジュール毎にそれぞれ異なる。各電池モジュールの情報取得部は、各電池モジュールの二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧に関する情報を電圧関連情報として取得するから、各電池モジュールの情報取得部によって取得された電圧関連情報は、各電池モジュールの前記直列回路における位置に応じて互いに異なる情報となる。従って、位置特定部は、各電池モジュールから送信された電圧関連情報と識別情報とから、各識別情報で示される電池モジュールの位置を特定することができる。この場合、各電池モジュールの位置を特定するために必要な情報である電圧関連情報と識別情報とが、各電池モジュールから直接管理側受信部へ送信されるので、特許文献1のように識別情報を複数の電池モジュールでリレーして伝達する方式と比べて各電池モジュールの位置を特定するための時間を短縮することができる。
【0011】
また、前記情報取得部は、前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧を前記電圧関連情報として取得することが好ましい。
【0012】
各電池モジュールにおいて、二次電池の一方の極と、接続端子すなわち各二次電池の直列回路全体の一端との間の電圧は、各電池モジュールの直列回路における各電池モジュールの位置に応じて異なるから、二次電池の一方の極と接続端子との間の電圧は、電圧関連情報として好適である。
【0013】
また、前記情報取得部は、前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧を分圧する分圧抵抗と、前記分圧抵抗によって分圧された電圧を前記電圧関連情報として検出する電圧検出部と、前記分圧抵抗と直列に接続されたスイッチング素子とを含み、前記各電池モジュールは、前記電圧検出部によって前記電圧関連情報が検出された後、前記スイッチング素子をオフさせるスイッチ制御部をさらに含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、二次電池の一方の極と接続端子との間の電圧が、分圧抵抗によって分圧されて、その分圧された電圧が電圧検出部によって検出されるので、電圧検出部として電圧耐圧の低い、従って低コストの部品を用いることが容易である。そして、電圧検出部によって電圧関連情報が検出された後、スイッチング素子がオフされて分圧抵抗に流れる電流が遮断されるので、分圧抵抗による電力損失が低減される。
【0015】
また、前記接続端子は、前記直列回路の高電位側の一端と接続され、前記位置特定部は、前記電圧関連情報によって示される電圧が高いほど、その電圧関連情報と対応する前記識別情報で識別される電池モジュールが、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置すると判断することが好ましい。
【0016】
各電池モジュールにおける接続端子を前記直列回路の高電位側の一端と接続すると、電圧検出部によって検出される電圧は、電池モジュールの電位を基準にして正極性の電圧となる。従って、電圧検出部として負極性の電圧を検出可能な回路を用いる必要がないので、電圧検出部を構成することが容易である。また、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置するほど、電圧検出部によって検出される電圧が高くなるので、位置特定部は、電圧関連情報によって示される電圧が高いほど、その電圧関連情報と対応する識別情報で識別される電池モジュールが、直列回路の低電位側に近い位置に位置すると判断することによって、各電池モジュールの位置を特定することができる。
【0017】
また、前記各電池モジュールへ、前記電圧関連情報を要求する要求指示を略同時に送信する要求指示送信部をさらに備え、前記各電池モジュールは、前記要求指示を受信する要求指示受信部をさらに備え、前記情報取得部は、前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧の積分を行う積分回路と、前記要求指示受信部によって前記要求指示が受信されたとき、前記積分回路による前記積分を開始させる積分制御部と、前記積分回路によって積分された積分電圧が、予め設定された閾値電圧になったとき、前記積分電圧が前記閾値電圧になったことを示す情報を前記電圧関連情報として前記モジュール側送信部へ出力する閾値電圧検知部とを含み、前記モジュール側送信部は、前記閾値電圧検知部から前記電圧関連情報が出力されたとき、前記電圧関連情報と前記識別情報とを送信し、前記位置特定部は、前記管理側受信部によって前記各モジュール側送信部から前記各電圧関連情報と前記各識別情報とが受信されたとき、前記各電圧関連情報と前記各識別情報との受信順序に基づいて、前記各電池モジュールの前記直列回路内における位置を特定するようにしてもよい。
【0018】
この構成によれば、要求指示送信部によって、電圧関連情報を要求する要求指示が各電池モジュールへ略同時に送信され、その要求指示に応じて各電池モジュールにおいて、積分回路による積分が略同時に開始される。このとき、各電池モジュールの積分回路が積分する二次電池の一方の極と接続端子との間の電圧は、各電池モジュールの前記直列回路における位置に応じて互いに異なる。そのため、積分が開始されてから、積分電圧が閾値電圧になるまでの時間すなわち各電池モジュールから電圧関連情報と識別情報とが送信されるまでの時間が、各電池モジュールの前記直列回路における位置に応じて互いに異なる。従って、位置特定部は、各電圧関連情報と前記各識別情報との受信順序に基づいて、各電池モジュールの前記直列回路内における位置を特定することができる。
【0019】
また、前記接続端子は、前記直列回路の高電位側の一端と接続され、前記位置特定部は、前記電圧関連情報と前記識別情報とが前記管理側受信部によって受信されたタイミングが早いほど、その受信された識別情報で識別される電池モジュールが、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置すると判断することが好ましい。
【0020】
各電池モジュールにおける接続端子を前記直列回路の高電位側の一端と接続すると、積分電圧は、電池モジュールの電位を基準にして正極性の電圧となる。従って、閾値電圧検知部として負極性の電圧を検出可能な回路を用いる必要がないので、閾値電圧検知部を構成することが容易である。また、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置するほど、積分電圧の上昇速度が速く、積分が開始されてから積分電圧が閾値電圧に到達して電圧関連情報と記識別情報とが送信されるまでの時間が短い。従って、位置特定部は、電圧関連情報と識別情報とが管理側受信部によって受信されたタイミングが早いほど、その受信された識別情報で識別される電池モジュールが、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置すると判断することによって、各電池モジュールの前記直列回路内における位置を特定することができる。
【0021】
また、前記直列回路において隣接する電池モジュールの各接続端子間、及び最も低電位側の電池モジュールの接続端子と前記直列回路の低電位側の一端との間にそれぞれ接続された複数の抵抗をさらに備えるようにしてもよい。
【0022】
この構成によれば、各電池モジュールから電圧関連情報と識別情報とが送信されるタイミングの差異(ばらつき)を減少させることができる。
【発明の効果】
【0023】
このような構成の電池管理装置は、複数の電池モジュールが直列に接続されている場合において、各電池モジュールの位置を特定するための時間を短縮することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電池管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電池モジュールの動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す管理部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す電池管理装置の変形例を示すブロック図である。
【図5】図1に示す電池管理装置の変形例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す電池管理装置の変形例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電池管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】図7に示す管理部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】図7に示す電池モジュールの動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】図7に示す電池管理装置の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電池管理装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す電池管理装置1は、管理部2と、n個の電池モジュールM1〜Mnと、外部接続端子T(+),T(−)と、配線L1と、通信線L2とを備えている。電池モジュールの個数nは、例えば7〜10程度である。なお、個数nは2以上であればよく、7〜10に限定されない。以下、電池モジュールM1〜Mnを総称して電池モジュールMと称する。
【0027】
電池モジュールMは、二次電池Bと、情報取得部3と、制御部4と、接続端子T1とを備えている。情報取得部3は、スイッチング素子SW1と、抵抗R1,R2(分圧抵抗)と、電圧検出部31とを備えている。
【0028】
二次電池Bは、例えば、複数の素電池Eが直列に接続されて構成された組電池である。なお、素電池E一つがそのまま二次電池Bとされていてもよい。また、二次電池Bは、複数の素電池Eが並列接続されて構成されていてもよい。あるいは、二次電池Bは、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続方法によって、複数の素電池Eが組み合わされて構成された組電池であってもよい。
【0029】
素電池Eとしては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等、種々の二次電池を用いることができる。以下、二次電池Bの正極端子を正極端子P(+)と称し、二次電池Bの負極端子を負極端子P(−)と称する。
【0030】
電池モジュールM1〜Mnが備える各二次電池B、すなわちn個の二次電池Bは、直列に接続されている。このように、各二次電池Bが直列接続されることによって、電池モジュールM1〜Mnが直列接続されている。そして、n個の二次電池Bが直列接続されて構成された直列回路の、高電位側(正極側)の一端に外部接続端子T(+)が接続され、低電位側(負極側)の一端に外部接続端子T(−)が接続されている。
【0031】
電池モジュールM1〜Mnの符号M1〜Mnにおける添え字番号1〜nは、外部接続端子T(−)に最も近いものから順に付与されている。すなわち、外部接続端子T(−)に最も近い電池モジュールが電池モジュールM1、外部接続端子T(−)に最も遠い(外部接続端子T(+)に最も近い)電池モジュールが電池モジュールMnとされている。以下、符号M1〜Mnは、電池モジュールの位置を示す位置情報の意味も有しているものとする。
【0032】
外部接続端子T(+),T(−)は、負荷回路や充電装置等が接続される接続端子である。すなわち、電池モジュールM1〜Mnの出力電流は外部接続端子T(+),T(−)を介して負荷回路へ供給され、外部から供給された充電電流は外部接続端子T(+),T(−)を介して電池モジュールM1〜Mnへ供給される。
【0033】
なお、外部接続端子T(+),T(−)、及び接続端子T1は、例えば端子台やコネクタ等であってもよく、例えばランドやパッド等の配線パターンであってもよい。
【0034】
配線L1は、外部接続端子T(+)と、電池モジュールM1〜Mnの接続端子T1と接続されている。なお、配線L1は、電池モジュールM1〜Mnの内部を貫通するように配線されていてもよい。
【0035】
接続端子T1と、二次電池Bの一方の極である負極端子P(−)との間には、スイッチング素子SW1と、抵抗R1と、抵抗R2の直列回路が接続されている。これにより、スイッチング素子SW1がオンすると、外部接続端子T(+)と、各電池モジュールMにおける負極端子P(−)との間の電圧が、抵抗R1と抵抗R2とによって分圧される。
【0036】
電圧検出部31は、例えばアナログデジタルコンバータを用いて構成されている。そして、電圧検出部31は、抵抗R1と抵抗R2とによって分圧された電圧である電圧Vdを検出し、電圧Vdの電圧値を示す信号を制御部4へ送信する。電圧Vdの電圧値は、外部接続端子T(+)と、各電池モジュールMにおける負極端子P(−)との間の電圧を示す電圧関連情報である。
【0037】
電池管理装置1が、例えばEV(Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)などの車両用の電源として用いられる場合、外部接続端子T(+),T(−)に出力される電圧は、例えば500V〜600V程度となる。そこで、抵抗R1,R2によって分圧することで、耐圧の低い部品によって電圧検出部31を構成することを可能としている。例えば抵抗R1を2MΩとすると、抵抗R2としては例えば10kΩが用いられ、例えば抵抗R1を200kΩとすると、抵抗R2としては例えば1kΩが用いられている。
【0038】
なお、電圧検出部31は、制御部4に内蔵されていてもよい。また、スイッチング素子SW1を備えず、常時抵抗R1,R2による電圧分圧が行われるようにしてもよい。また、スイッチング素子SW1及び抵抗R1,R2を備えず、電圧検出部31が直接、接続端子T1(外部接続端子T(+))と負極端子P(−)との間の電圧を検出する構成であってもよい。
【0039】
制御部4は、例えば所定の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、通信インターフェイス回路と、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性記憶素子によって構成された記憶部43と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、スイッチ制御部41、及び通信部42の一例として機能する。
【0040】
電池モジュールM1〜Mnが備える各制御部4の通信インターフェイス回路は、通信線L2を介して管理部2と接続されている。これにより、通信部42は、通信インターフェイス回路を用いて管理部2との間でデータ送受信可能にされている。通信部42は、モジュール側送信部及び要求指示受信部の一例に相当している。
【0041】
スイッチ制御部41は、例えば電池管理装置1が起動されたときや、例えば管理部2からの電圧関連情報の送信要求が通信部42によって受信されたときに、スイッチング素子SW1をオンさせる。そして、スイッチ制御部41は、電圧検出部31によって電圧Vdが検出され、電圧Vdの電圧値を示す信号が制御部4へ送信されると、スイッチング素子SW1をオフさせる。これにより、抵抗R1,R2に電流が流れることによる電力損失が低減される。
【0042】
記憶部43には、電池モジュールM1〜Mnをそれぞれ識別するための識別情報が予め記憶されている。例えば、電池モジュールM1〜Mnの工場での生産時に、一つ一つの電池モジュール毎に異なる識別番号が、識別情報として記憶部43に記憶される。
【0043】
通信部42は、電圧検出部31から電圧Vdを示す信号が送信されると、その電圧Vdを示す電圧情報と、記憶部43に記憶されている識別情報とを対応付けて管理部2へ送信する。通信部42は、モジュール側送信部及び要求指示受信部の一例に相当している。
【0044】
管理部2は、例えば所定の演算処理を行うCPUと、所定の制御プログラムが記憶されたROMと、データを一時的に記憶するRAMと、通信インターフェイス回路と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、位置特定部21、及び管理側通信部22として機能する。
【0045】
管理部2の通信インターフェイス回路は、通信線L2を介して電池モジュールM1〜Mnの通信インターフェイス回路と接続されている。これにより、管理側通信部22は、通信インターフェイス回路を用いて電池モジュールM1〜Mnの通信部42との間でデータ送受信可能にされている。
【0046】
なお、電池モジュールM1〜Mnと管理部2との間の通信路は、バス型であってもよく、ディジーチェーンであってもよく、管理部2と、電池モジュールM1〜Mnとがそれぞれ接続される一対一接続(スター型)であってもよく、通信方式は限定されない。
【0047】
管理側通信部22は、電池モジュールM1〜Mnから、それぞれ電圧情報と、各電圧情報に対応付けられた識別情報とを受信する。管理側通信部22は、管理側受信部及び要求指示送信部の一例に相当している。
【0048】
位置特定部21は、管理側通信部22によって受信された電圧情報によって示される電圧が高いほど、その電圧情報と対応する識別情報で識別される電池モジュールが、外部接続端子T(−)に近い位置に位置すると判断する。そして、位置特定部21は、外部接続端子T(−)に最も近い電池モジュールの識別情報を、位置情報M1と対応付けて記憶し、以降、外部接続端子T(−)に近い電池モジュールの識別情報から順に、位置情報M2〜Mnを対応付けて記憶することで、電池モジュールM1〜Mnの位置を特定する。
【0049】
図2は、図1に示す電池モジュールMの動作の一例を示すフローチャートである。電池モジュールM1〜Mnにおいて、それぞれ略同時に並行して図2に示すステップS1〜S4の動作が実行される。
【0050】
まず、スイッチ制御部41が、スイッチング素子SW1をオンさせる(ステップS1)。そうすると、抵抗R1,R2によって、外部接続端子T(+)と各電池モジュールにおける負極端子P(−)との間の電圧が分圧されて、その分圧電圧が電圧検出部31によって電圧Vdとして検出される(ステップS2)。
【0051】
そうすると、電池モジュールM1においては、電圧Vdは、電圧関連情報として、電池モジュールM1〜Mnが備える各二次電池Bの端子電圧(正極端子P(+)と負極端子P(−)との間の電圧)の合計を示す。(以下、電池モジュールM1〜Mnが備える各二次電池Bの端子電圧を、単に電池モジュールM1〜Mnの端子電圧と称する。)
また、電池モジュールMnにおいては、電圧Vdは、電池モジュールMnのみの端子電圧を示す。このように、電池モジュールM1〜Mnにおける電圧Vdは、外部接続端子T(−)に近いほど、すなわち電池モジュールM1〜Mnの符号の添え字番号が小さいほど、電圧Vdが高くなる。
【0052】
次に、スイッチ制御部41によって、スイッチング素子SW1がオフされる(ステップS3)。そうすると、抵抗R1,R2に流れる電流が遮断され、電力損失が低減される。
【0053】
次に、通信部42が、電圧Vdを示す電圧情報と自モジュールの識別情報とを対応づけて管理部2へ送信する(ステップS4)。
【0054】
図3は、図1に示す管理部2の動作の一例を示すフローチャートである。まず、管理側通信部22によって、電池モジュールM1〜Mnから、それぞれ電圧情報と、そのデータと対応付けられた識別情報とが受信される(ステップS11)。
【0055】
次に、位置特定部21が、管理側通信部22により受信された複数の電圧情報を、電圧が高いものから順に並び替える(ステップS12)。そして、位置特定部21は、高い電圧を示す電圧情報と対応する識別情報から順に、位置情報M1〜Mnを対応付けて、例えばRAMに記憶させる(ステップS13)。位置特定部21は、このように、各電池モジュールから送信された識別情報に、位置情報M1〜Mnを対応づけることによって、各電池モジュールの位置を特定することができる。
【0056】
この場合、各電池モジュールの位置を特定するために必要な情報、すなわち電池モジュールM1〜Mnの電圧情報と識別情報とが、電池モジュールM1〜Mnから直接管理部2へ送信されるので、特許文献1のように識別情報を複数の電池モジュールでリレーして伝達する方式と比べて各電池モジュールの位置を特定するための時間を短縮することができる。
【0057】
また、特許文献1に記載の構成では、二次電池の直列順序と通信線の接続順序とを誤って配線すると、各電池モジュールの位置が誤って特定されてしまう。しかしながら、図1に記載の電池管理装置1によれば、通信線の接続順序にかかわらず、各電池モジュールの正しい位置が特定される。
【0058】
なお、例えば図4に示すように、抵抗R1,R2は、接続端子T1(外部接続端子T(+))と正極端子P(+)との間の電圧を分圧するようにしてもよい。すなわち、電圧検出部31は、外部接続端子T(+)と、正極端子P(+)との間の電圧を検出するようにしてもよい。
【0059】
しかしながら、図1に示すように電圧検出部31が、接続端子T1と、負極端子P(−)との間の電圧を検出する構成の方が、負極端子P(−)を各電池モジュールMにおける回路グラウンドとして用いる場合、電圧検出部31は、回路グラウンドと接続端子T1との間の電圧を検出すればよいので、電圧検出部31を構成することが容易となる点で、図4に示す構成よりもより好ましい。
【0060】
また、図5に示すように、接続端子T1が外部接続端子T(−)に接続される構成としてもよい。すなわち、電圧検出部31は、外部接続端子T(−)と、負極端子P(−)との間の電圧を検出するようにしてもよい。
【0061】
しかしながら、図5に示す構成では、各電池モジュールにおいて負極端子P(−)を回路グラウンドとして用いると、電圧Vdは負極性(マイナスの電圧値)となる。そのため、電圧検出部31を、マイナスの電圧値を検出可能な構成とする必要がある。従って、図5に示す構成よりも図1に示す構成の方が、電圧検出部31を構成することが容易となる点で、より好ましい。
【0062】
なお、図5に示す構成において、通信部42が、電圧Vdの絶対値を電圧情報として送信する場合、位置特定部21は、管理側通信部22によって受信された電圧情報によって示される電圧が低いほど、その電圧情報と対応する識別情報で識別される電池モジュールの二次電池Bが、外部接続端子T(−)に近い位置に位置すると判断する。すなわち、ステップS12において、位置特定部21は、管理側通信部22により受信された複数の電圧情報を、電圧が低いものから順に並び替える(ステップS12)。そして、位置特定部21は、低い電圧を示す電圧情報と対応する識別情報から順に、位置情報M1〜Mnを対応付けて、例えばRAMに記憶させることによって、各電池モジュールの位置を特定する(ステップS13)。
【0063】
また、図6に示すように、図4,図5と同様、電圧検出部31は、外部接続端子T(+)と、正極端子P(+)との間の電圧を検出し、接続端子T1が外部接続端子T(−)に接続される構成としてもよい。
【0064】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電池管理装置1aについて説明する。図7は、電池管理装置1aの構成の一例を示すブロック図である。図7に示す電池管理装置1aと、図1に示す電池管理装置1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図7に示す電池管理装置1aは、電池モジュールM’1〜M’n(電池モジュールM’)における情報取得部3a、制御部4a、及び管理部2aの構成が異なる。
【0065】
なお、図7に示す電池モジュールM’1〜M’nの符号M’1〜M’nは、位置情報M1〜Mnに対応しているものとする。
【0066】
その他の構成は図1に示す電池管理装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
【0067】
情報取得部3aは、積分回路32と、閾値電圧検知部33と、スイッチング素子SW2とを備えている。積分回路32は、抵抗R3とキャパシタC1とが直列接続されて構成されている。接続端子T1は、抵抗R3とキャパシタC1とを介して負極端子P(−)に接続されている。例えば、抵抗R3は1MΩ又は750kΩなど、キャパシタC1は2.2μFなどである。
【0068】
スイッチング素子SW2は、キャパシタC1と並列に接続されている。スイッチング素子SW2は、例えばバイポーラトランジスタであり、スイッチング素子SW2のコレクタが、抵抗R3とキャパシタC1の接続点に接続され、スイッチング素子SW2のエミッタが、負極端子P(−)に接続されている。なお、スイッチング素子SW2はバイポーラトランジスタに限らない。スイッチング素子SW2としては、例えばFET(Field Effect Transistor)などの種々のスイッチング素子を用いることができる。
【0069】
閾値電圧検知部33としては、例えばリセットIC(Integrated Circuit)を用いることができる。閾値電圧検知部33は、キャパシタC1に充電された電圧、すなわち積分電圧Vcが、予め設定された閾値電圧(リセット電圧)Vth以上になったとき、積分電圧Vcが閾値電圧Vthになったことを示す情報を表すべく、例えばハイレベルの検知信号Svを制御部4aへ出力する。
【0070】
制御部4aは、制御部4とは、スイッチ制御部41の代わりに積分制御部44を備え、通信部42の代わりに通信部42aを備える点で異なる。
【0071】
積分制御部44は、例えば初期状態や、例えば管理部2aからキャパシタC1の放電を要求する指示が送信された場合等、スイッチング素子SW2をオンさせてキャパシタC1を放電させ、キャパシタC1の積分電圧Vcをゼロにさせる。そして、積分制御部44は、通信部42aによって管理部2aからの電圧関連情報を要求する要求指示が受信されたとき、スイッチング素子SW2をオフさせて、積分回路32による積分を開始させる。
【0072】
通信部42aは、積分電圧Vcが閾値電圧Vthになったことを示す信号、例えばハイレベルの検知信号Svが閾値電圧検知部33から出力されると、積分電圧Vcが閾値電圧Vthになったことを示す情報である閾値電圧検知情報と、記憶部43に記憶されている自モジュールの識別情報とを対応付けて管理部2aへ送信する。
【0073】
管理部2aは、管理部2とは、位置特定部21aと管理側通信部22aの動作が異なる。管理側通信部22aは、電池モジュールM’1〜M’nへ、電圧関連情報を要求する要求指示を略同時に送信する。また、管理側通信部22aは、電池モジュールM’1〜M’nから、それぞれ閾値電圧検知情報と、各閾値電圧検知情報に対応付けられた識別情報とを受信する。
【0074】
位置特定部21aは、管理側通信部22aによって電池モジュールM’1〜M’nから閾値電圧検知情報と識別情報とが受信されたとき、各閾値電圧検知情報と各識別情報との受信順序に基づいて、各電池モジュールの位置を特定する。
【0075】
図8は、図7に示す管理部2aの動作の一例を示すフローチャートである。図9は、図7に示す電池モジュールM’の動作の一例を示すフローチャートである。電池モジュールM’1〜M’nにおいて、それぞれ略同時に並行して図9に示すステップS31〜S35の動作が実行される。
【0076】
まず、管理側通信部22aは、電池モジュールM’1〜M’nへ、閾値電圧検知情報を要求する要求指示を略同時に送信する(ステップS21)。ここで、略同時とは、積分回路32の時定数に対して無視できる程度の十分に短い時間、例えば積分回路32の時定数の1/10の時間より短い時間内のことを意味する。
【0077】
そして、位置特定部21aは、変数iに”1”を代入する(ステップS22)。次に、位置特定部21aは、管理側通信部22aによって、各電池モジュールのいずれかから閾値電圧検知情報が受信されるまで待機する(ステップS23でNO)。
【0078】
一方、積分制御部44は、まずスイッチング素子SW2をオンさせて、キャパシタC1を放電させる(ステップS31)。そして、積分制御部44は、通信部42aによって電圧関連情報を要求する要求指示が受信されるまで待機する(ステップS32でNO)。
【0079】
そして、通信部42aによって電圧関連情報を要求する要求指示が受信されると(ステップS32でYES)、積分制御部44は、スイッチング素子SW2をオフさせて、積分回路32による積分を開始させる(ステップS33)。
【0080】
そうすると、電池モジュールM’1においては、積分回路32に印加される電圧は、電池モジュールM’1〜M’nの端子電圧の合計となる。
【0081】
また、電池モジュールM’nにおいては、積分回路32には、電池モジュールM’nのみの端子電圧が印加される。このように、電池モジュールM’1〜M’nの積分回路32に印加される電圧は、外部接続端子T(−)に近いほど、すなわち電池モジュールM’1〜M’nの符号の添え字番号が小さいほど、高くなる。
【0082】
その結果、外部接続端子T(−)に近い電池モジュールほど、積分電圧Vcの上昇速度が速くなる。そうすると、外部接続端子T(−)に近い電池モジュールから順に、積分電圧Vcが閾値電圧Vthに到達し、閾値電圧検知部33によって検知信号Svがローレベルにされる。
【0083】
積分制御部44によってスイッチング素子SW2がオフされた後、通信部42aは、検知信号Svを監視する(ステップS34)。そして、検知信号Svがローレベルになると(ステップS34でYES)、閾値電圧検知情報と自モジュールの識別情報とを管理部2aへ送信する(ステップS35)。そうすると、外部接続端子T(−)に近い電池モジュールから順に、閾値電圧検知情報と自モジュールの識別情報とを管理部2aへ送信することになる。
【0084】
一方、管理部2aでは、管理側通信部22aによって閾値電圧検知情報が受信されると(ステップS23でYES)、位置特定部21aは、受信された閾値電圧検知情報と対応付けられている識別情報を、番号iの位置情報Miと対応付けて、例えばRAMに記憶させる(ステップS24)。
【0085】
次に、位置特定部21aは、変数iと電池モジュールの数nとを比較し(ステップS25)、変数iがnと等しくなければ(ステップS25でNO)、ステップS26へ移行して変数iに1を加算し(ステップS26)、再びステップS23〜S25を繰り返す。
【0086】
そして、変数iがnと等しければ(ステップS25でYES)、すべての電池モジュールM’1〜M’nの識別情報と位置情報M1〜Mnとが対応付けられて、各電池モジュールの位置が特定されたことになるから、処理を終了する。
【0087】
以上、電池管理装置1aによれば、電池管理装置1と同様、電池モジュールM’1〜M’nの電圧関連情報である閾値電圧検知情報と識別情報とが、電池モジュールM’1〜M’nから直接管理部2aへ送信されるので、特許文献1のように識別情報を複数の電池モジュールでリレーして伝達する方式と比べて各電池モジュールの位置を特定するための時間を短縮することが容易である。
【0088】
また、図7に記載の電池管理装置1aによれば、通信線の接続順序にかかわらず、各電池モジュールの正しい位置が特定される。
【0089】
また、閾値電圧検知部33は、積分電圧Vcが閾値電圧Vthになったことを検知できればよく、図1に示す電圧検出部31のように電圧値をデータとして取得する必要がないから、例えばリセットICやコンパレータ等、安価な回路素子を閾値電圧検知部33として用いることができるので、図7に示す電池モジュールM’のコストを低減することが容易である。
【0090】
また、管理側通信部22aは、閾値電圧検知情報が受信された順番に、識別情報を位置情報と対応付けるだけで各電池モジュールの位置を特定することができる。従って、管理側通信部22aは、図1に示す位置特定部21のように、複数の電圧情報を高い順に並び替える必要がないので、管理部2aの処理を簡素化することが容易である。
【0091】
なお、例えば図10に示すように、接続端子T1が外部接続端子T(−)に接続される構成とし、積分回路32は、接続端子T1(外部接続端子T(+))と正極端子P(+)との間の電圧を積分するようにしてもよい。
【0092】
しかしながら、図7に示すように積分回路32が、接続端子T1と、負極端子P(−)との間の電圧を検出する構成の方が、負極端子P(−)を各電池モジュールMにおける回路グラウンドとして用いる場合、閾値電圧検知部33は、回路グラウンドと接続端子T1との間の電圧を検出すればよいので、閾値電圧検知部33を構成することが容易となる点で、図10に示す構成よりも図7に示す構成の方がより好ましい。
【0093】
また、図10に示す構成では、各電池モジュールにおいて負極端子P(−)を回路グラウンドとして用いると、キャパシタC1は負電荷で充電され、積分電圧Vcは負極性(マイナスの電圧値)となる。そのため、閾値電圧検知部33を、マイナスの電圧値を検出可能な構成とする必要がある。従って、図10に示す構成よりも図7に示す構成の方が、閾値電圧検知部33を構成することが容易となる点で、より好ましい。
【0094】
なお、図10に示す構成においては、位置特定部21aは、管理側通信部22aによって閾値電圧検知情報が受信された順番が早い電池モジュールほど、外部接続端子T(+)に近い位置に位置すると判断する。すなわち、ステップS22において、位置特定部21aは、変数iとしてnを代入し、ステップS25において変数iが1か否かを確認し、ステップS26において変数iから1を減算する。
【0095】
また、図7に示す電池管理装置1aの配線L1上において、隣接する電池モジュール間の接続端子T1同士の間、及び最も低電位側の電池モジュールM’1の接続端子T1と外部接続端子T(−)との間に、抵抗を介設してもよい。また、図10に示す電池管理装置1aの配線L1上において、隣接する電池モジュール間の接続端子T1同士の間、及び最も高電位側の電池モジュールM’nの接続端子T1と外部接続端子T(+)との間に、抵抗を介設してもよい。
【0096】
これにより、電池モジュールM’1〜M’nから閾値電圧検知情報が送信されるタイミングの時間差(ばらつき)が縮小される。
【0097】
また、図7に示す電池管理装置1aにおいて、電池ブロックM’1の接続端子T1と外部接続端子T(−)との間に、抵抗を介設してもよく、図10に示す電池管理装置1aにおいて、電池ブロックM’nの接続端子T1と外部接続端子T(+)との間に、抵抗を介設してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明に係る電池管理装置は、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機等の電子機器、ハイブリッドエレベータ、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム、無停電源装置等の電池搭載装置等、電池を用いる種々の電池電源システムに適用することができ、特に電気自動車やハイブリッドカー等の車両に用いられる電池電源システムにおける電池管理装置として、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1,1a 電池管理装置
2,2a 管理部
3,3a 情報取得部
4,4a 制御部
21,21a 位置特定部
22,22a 管理側通信部
31 電圧検出部
32 積分回路
33 閾値電圧検知部
41 スイッチ制御部
42,42a 通信部
43 記憶部
44 積分制御部
B 二次電池
C1 キャパシタ
E 素電池
L1 配線
L2 通信線
M,M1〜Mn 電池モジュール
P(+) 正極端子
P(−) 負極端子
R1,R2,R3 抵抗
Sv 検知信号
SW1,SW2 スイッチング素子
T(+),T(−) 外部接続端子
T1 接続端子
Vc 積分電圧
Vd 電圧
Vth 閾値電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の電池モジュールを含む電池管理装置であって、
前記各電池モジュールは、
二次電池と、
前記複数の電池モジュールによって構成された直列回路の一端と接続される接続端子と、
前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧に関する情報を電圧関連情報として取得する情報取得部と、
自電池モジュールを識別する識別情報を予め記憶する記憶部と、
前記電圧関連情報と前記識別情報とを対応させて送信するモジュール側送信部とを含み、
前記電池管理装置は、
前記各電池モジュールの前記各モジュール側送信部から送信された前記電圧関連情報と前記識別情報とを受信する管理側受信部と、
前記管理側受信部によって受信された前記各電圧関連情報と前記各識別情報とから、前記各電池モジュールの前記直列回路内における位置を特定する位置特定部とを含む電池管理装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、
前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧を前記電圧関連情報として取得する請求項1記載の電池管理装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、
前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧を分圧する分圧抵抗と、
前記分圧抵抗によって分圧された電圧を前記電圧関連情報として検出する電圧検出部と、
前記分圧抵抗と直列に接続されたスイッチング素子とを含み、
前記各電池モジュールは、
前記電圧検出部によって前記電圧関連情報が検出された後、前記スイッチング素子をオフさせるスイッチ制御部をさらに含む請求項2記載の電池管理装置。
【請求項4】
前記接続端子は、
前記直列回路の高電位側の一端と接続され、
前記位置特定部は、
前記電圧関連情報によって示される電圧が高いほど、その電圧関連情報と対応する前記識別情報で識別される電池モジュールが、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置すると判断する請求項2又は3記載の電池管理装置。
【請求項5】
前記各電池モジュールへ、前記電圧関連情報を要求する要求指示を略同時に送信する要求指示送信部をさらに備え、
前記各電池モジュールは、
前記要求指示を受信する要求指示受信部をさらに備え、
前記情報取得部は、
前記二次電池の一方の極と前記接続端子との間の電圧の積分を行う積分回路と、
前記要求指示受信部によって前記要求指示が受信されたとき、前記積分回路による前記積分を開始させる積分制御部と、
前記積分回路によって積分された積分電圧が、予め設定された閾値電圧になったとき、前記積分電圧が前記閾値電圧になったことを示す情報を前記電圧関連情報として前記モジュール側送信部へ出力する閾値電圧検知部とを含み、
前記モジュール側送信部は、
前記閾値電圧検知部から前記電圧関連情報が出力されたとき、前記電圧関連情報と前記識別情報とを送信し、
前記位置特定部は、
前記管理側受信部によって前記各モジュール側送信部から前記各電圧関連情報と前記各識別情報とが受信されたとき、前記各電圧関連情報と前記各識別情報との受信順序に基づいて、前記各電池モジュールの前記直列回路内における位置を特定する請求項1記載の電池管理装置。
【請求項6】
前記接続端子は、
前記直列回路の高電位側の一端と接続され、
前記位置特定部は、
前記電圧関連情報と前記識別情報とが前記管理側受信部によって受信されたタイミングが早いほど、その受信された識別情報で識別される電池モジュールが、前記直列回路の低電位側に近い位置に位置すると判断する請求項5記載の電池管理装置。
【請求項7】
前記直列回路において隣接する電池モジュールの各接続端子間、及び最も低電位側の電池モジュールの接続端子と前記直列回路の低電位側の一端との間にそれぞれ接続された複数の抵抗をさらに備える請求項6記載の電池管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−96798(P2013−96798A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238880(P2011−238880)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】