説明

電流路異常検出支援回路

【課題】直流電流路をシールド線で被覆することで、簡単な回路構成により電流路の断線などを検出できる回路を実現する。
【解決手段】直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線Sh1と、直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線Sh2とを備え、一方の極性の電流路の電位を第1抵抗素子R1を介して第2シールド線Sh2に伝達すべく構成され、他方の極性の電流路の電位を第2抵抗素子R2を介して第1シールド線Sh1に伝達すべく構成された電流路異常検出支援回路において、第1抵抗素子R1及び第2抵抗素子R2のうちのいずれか一方又は双方が電流路異常検出素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の直流電源を入力し、これを出力する装置において、一方の極性の電流路及び/又は他方の極性の電流路が断線(すなわち、一方の極性の電流路の断線若しくは他方の極性の電流路の断線又は両方の極性の電流路の断線)した場合などにおいて、外部の直流電源を遮断し、本装置に入力させないための電流路異常を検出する支援回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電流路の異常の1つに挙げられるアーク放電には、各種の検出手段が検討されているが、これら装置は複雑な構成のものが多い。電流が流れている電流路に断線が発生するとアーク放電が発生し、電流が流れ続ける場合があり、電流路の異常の1つに挙げられる。これを放置すると火災等の原因にもなる。
近年、高圧及び/又は大電流の直流給電が研究、実験されている。したがって、この直流電流路の断線で発生するアーク放電をいかに速く正確に検出し、外部の直流電源を遮断するかが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−198768号公報
【特許文献2】特開2001−45652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の段落「0004」、「0005」には以下の記載がある。
「アーク放電は、ケーブル内の隣接する導体間での間欠的なスパークとして始まることがある。これが検出されなければ、ケーブル中の火花となることがある。アーク放電は、0.5〜10アンペアのような比較的低い電流レベルで起こる。しかし、典型的な中央電話交換局の回路遮断器は、40〜50アンペアのレベルで動作する。従って、回路遮断器はそのようなアーク放電を検出せず、アーク放電の持続を許容してケーブルを加熱させ、ケーブルの焼損、これに続く中央電話交換局の火事を起こすことになる。
本発明は、直流電力ケーブル中のアーク放電をタイムリーに検出し、ケーブルの焼損を引き起こすようなアーク放電が生じる前に装置を切り離すことができるアーク放電の検出方法を提供することを目的とする。」
特許文献2の段落0008には以下の記載がある。
「本発明では、アーク放電を伴う短絡を検出するために、コンセント口の線間の電圧をモニタし、正常時とアーク短絡時での電圧波形を判別することによって検出する。アーク短絡発生時のコンセント口で検出される電圧は、電圧検出点から電源側をみたインピーダンスR0と、電圧検出点から短絡点までのインピーダンスR1のインピーダンスの比によって決まり、本発明では、アーク短絡発生時の特有の電圧波形と、このR0とR1のインピーダンス比によって決まる電圧波形の特徴を検出することによって、アーク短絡を検出する。」
【0005】
特許文献1は、直流給電路間のアーク放電の検出を対象とし、アーク放電が無線周波数のプラズマ雑音を発生することを利用して、これを検出することにより、アーク放電の発生を検出する。
特許文献2は、電流路間と直列アーク放電の検出を対象としているが、給電路には交流が流れる。また、アーク放電の検出には、電流路のインピーダンス比を利用している。
本発明は、一方の極性の電流路(たとえば正極性電位)、他方の極性の電流路(たとえば負極性電位)をそれぞれ同軸型のシールド線で覆い(信号線などにおけるシールド効果を目的とはしない。)、一方の極性の電流路及び/又は他方の極性の電流路に断線などが発生した場合に発生するアーク放電を、このシールド線を利用して、即座に正確に検出することができる。特許文献1及び特許文献2には存在しない特有の検出支援手段を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するべく本発明は以下の構成とする。
(1)請求項1に係る電流路異常検出支援回路は、
直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線と、
直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線と、を備え、
前記一方の極性の電流路の電位を第1抵抗素子を介して前記第2シールド線に伝達すべく構成され、
前記他方の極性の電流路の電位を第2抵抗素子を介して前記第1シールド線に伝達すべく構成されたことを特徴とする。
(2)請求項2に係る電流路異常検出支援回路は、請求項1において、
前記第1抵抗素子若しくは前記第2抵抗素子、又は、該第1抵抗素子及び該第2抵抗素子が電流路異常検出素子であること特徴とする。
(3)請求項3に係る電流路異常検出支援回路は、
直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線と、
直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線と、
直流電圧源と第3抵抗素子とを含む直列接続回路と、を備え、
前記直列接続回路の一端の電位を第1整流素子を介して前記一方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第4整流素子を介して前記第2シールド線に伝達すべく構成され、
前記直列接続回路の一端の電位を第1整流素子を介して前記一方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第3整流素子を介して前記第1シールド線に伝達すべく構成されたことを特徴とする。
(4)請求項4に係る電流路異常検出支援回路は、
直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線と、
直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線と、
直流電圧源と第3抵抗素子とを含む直列接続回路と、を備え、
前記直列接続回路の一端の電位を第2整流素子を介して前記他方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第3整流素子を介して前記第1シールド線に伝達すべく構成され、
前記直列接続回路の一端の電位を第2整流素子を介して前記他方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第4整流素子を介して前記第2シールド線に伝達すべく構成されたことを特徴とする。
(5)請求項5に係る電流路異常検出支援回路は、請求項3又は4において、
前記第1整流素子、前記第2整流素子、前記第3整流素子、前記第4整流素子のそれぞれを、第4抵抗素子、第5抵抗素子、第6抵抗素子、第7抵抗素子にそれぞれ置換したことを特徴とする。
(6)請求項6に係る電流路異常検出支援回路は、請求項3〜5のいずれかにおいて、
前記第3抵抗素子が電流路異常検出素子であること特徴とする。
(7)請求項7に係る電流路異常検出支援回路は、請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記一方の極性の電流路において該一方の極性の電流路を前記第1シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したこと若しくは前記他方の極性の電流路において該他方の極性の電流路を前記第2シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したこと、又は、前記一方の極性の電流路において該一方の極性の電流路を前記第1シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したこと及び前記他方の極性の電流路において該他方の極性の電流路を前記第2シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したことを検出することを特徴とする。
(8)請求項8に係る電流路異常検出支援回路は、請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記一方の極性の電流路と前記第1シールド線が接触したこと若しくは前記他方の極性の電流路と前記第2シールド線が接触したこと、又は、前記一方の極性の電流路と前記第1シールド線が接触したこと及び前記他方の極性の電流路と前記第2シールド線が接触したことを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
(A)本発明による電流路異常検出支援回路は、一方の極性の電流路及び/又は他方の極性の電流路に断線が発生し、断線箇所にアーク放電が発生した場合、シールド線がこれを検出し、検出した信号(電圧)を出力する。
(B)本発明による電流路異常検出支援回路は、直流電圧源を内蔵し、一方の極性の電流路及び/又は他方の極性の電流路に断線が発生し、断線箇所にアーク放電が発生した場合、該アーク放電部とシールド線間に強制的に二次的アーク放電を誘発させ、これを検出した信号(電圧)を出力する。
(C)本発明による電流路異常検出支援回路は、電流路と該電流路に備わるシールド線に接触が発生した場合、これを検出した信号(電圧)を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】は、本発明による電流路異常検出支援回路の第1の実施の形態を示す回路構成図である。
【図2】は、本発明による電流路異常検出支援回路の第2の実施の形態を示す回路構成図である。
【図3】は、本発明による電流路異常検出支援回路の第3の実施の形態を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施の形態
(1−1)回路構成
図1は、本発明による第1の実施の形態である電流路異常検出支援回路を示す回路構成図である。
【0010】
以下、図1を参照して本発明の回路構成を説明する。
外部の直流電源の正極電位を入力する端子T1、外部の直流電源の負極電位を入力する端子T2が存在し、入力した直流電源の正極電位を出力する端子T3、入力した直流電源の負極電位を出力する端子T4が存在している。
【0011】
端子T1、端子T3間には一方の極性の電流路である正極電位の電流路Li1が配線されている。また、端子T2、端子T4間には他方の極性の電流路である負極電位の電流路Li2が配線されている。
たとえば、正極電位をプラス300V程度(高圧直流給電に使用される電位、300V〜420V程度でもよい。)とすれば、負極電位は0Vで表される。ただし、電位の基準はどちらでもよく、さらに電位の基準は特に必要としない。説明中必要に応じて電位を定める。
【0012】
端子T1、端子T3間の正極電位の電流路Li1には、第1シールド線である同軸型のシールド線Sh1が、電流路Li1を覆うように施されている。
同様に、端子T2、端子T4間の負極電位の電流路Li2には、第2シールド線である同軸型のシールド線Sh2が、電流路Li2を覆うように施されている。
【0013】
端子T1、端子T3間の電流路を正極電位の電流路とする必然性はなく、負極電位の電流路でもよい。
同様に、端子T2、端子T4間の電流路を負極電位の電流路とする必然性はなく、正極電位の電流路でもよい。
【0014】
端子T1には、第1抵抗素子である抵抗素子R1の一端が接続され、抵抗素子R1の他端はシールド線Sh2に接続されている。
同様に、端子T2には、第2抵抗素子である抵抗素子R2の一端が接続され、抵抗素子R2の他端はシールド線Sh1に接続されている。
【0015】
(1)第1の実施の形態
(1−2)回路動作
図1を参照して本発明の第1実施の形態である電流路異常検出支援回路の回路動作を説明する。以下、一例として、端子T1には外部の直流電源の正極電位が印加され、端子T2には外部の直流電源の負極電位が印加されるものとする。
【0016】
(1−2−1)正常時の動作
端子T1、端子T2間に外部の直流電源が接続され、端子T3、端子T4間に外部の負荷が接続されていれば、端子T3、端子T4間に接続された外部の負荷に電源が供給される。
また、抵抗素子R1及び抵抗素子R2には、電圧が印加された閉回路が形成されていないため、抵抗素子R1及び抵抗素子R2には電流は流れない。
【0017】
(1−2−2)異常時の動作
(1−2−2−1)電流路Li2の断線
シールド線Sh2に覆われている部分の電流路Li2に何らかの原因により断線が発生し、この断線箇所(断線部)にアーク放電が発生すると、端子T1とシールド線Sh2間に接続されている抵抗素子R1にアーク放電に起因する電流が流れる。
このアーク放電電流路は、端子T1、抵抗素子R1、シールド線Sh2、電流路Li2のアーク放電部、電流路Li2、端子T2となる。
この電流路に流れる電流の方向は、端子T1(正極)から端子T2(負極)に向かう。
【0018】
この電流路に流れる電流により、抵抗素子R1の両端間電圧が正常時に比較して上昇し、この抵抗素子R1の両端間電圧を監視・測定することにより、アーク放電が発生したことを検出できる。
この抵抗素子R1の両端間電圧を監視・測定する装置は、本発明外であり別途用意する。
電流路異常検出素子は、抵抗素子R1である。
【0019】
抵抗素子R1を経由して、アーク放電に起因する電流が流れる理由は、端子T1の電位が抵抗素子R1を介してシールド線Sh2に印加されているため、電流路Li2の断線箇所から発生したアーク放電が、シールド線Sh2の電位に引き寄せられ、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh2間にも二次的アーク放電域が誘発される。
すなわち、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域(電流路Li2間アーク放電域)、と二次的にアーク放電域により、電流路Li2とシールド線Sh2が導通される。
よって、端子T1と端子T2間は、抵抗素子R1とアーク放電域を介して導通する。このため抵抗素子R1に電流が流れる。
【0020】
(1−2−2−2)電流路Li1の断線
シールド線Sh1に覆われている部分の電流路Li1に何らかの原因により断線が発生し、この断線箇所(断線部)にアーク放電が発生すると、端子T2とシールド線Sh1間に接続されている抵抗素子R2にアーク放電に起因する電流が流れる。
このアーク放電電流路は、端子T2、抵抗素子R2、シールド線Sh1、電流路Li1のアーク放電部、電流路Li1、端子T1となる。
この電流路に流れる電流の方向は、端子T1(正極)から端子T2(負極)に向かう。
【0021】
この電流路に流れる電流により、抵抗素子R2の両端間電圧が正常時に比較して上昇し、この抵抗素子R2の両端間電圧を監視・測定することにより、アーク放電が発生したことを検出できる。
この抵抗素子R2の両端間電圧を監視・測定する装置は、本発明外であり別途用意する。
電流路異常検出素子は、抵抗素子R2である。
【0022】
抵抗素子R2を経由して、アーク放電に起因する電流が流れる理由は、端子T2の電位が抵抗素子R2を介してシールド線Sh1に印加されているため、電流路Li1の断線箇所から発生したアーク放電が、シールド線Sh1の電位に引き寄せられ、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh1間にも二次的アーク放電域が誘発される。
すなわち、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域(電流路Li1間アーク放電域)、と二次的にアーク放電域により、電流路Li1とシールド線Sh1が導通される。
よって、端子T1と端子T2間は、抵抗素子R2とアーク放電域を介して導通する。このため抵抗素子R2に電流が流れる。
【0023】
(1−2−2−3)電流路Li1及びLi2の断線
さらに、電流路Li1と電流路Li2が同時に断線した場合も、アーク放電の検出が可能である。
この場合は、電流路Li1の断線箇所、電流路Li2の断線箇所のそれぞれにアーク放電が発生する。
【0024】
これらのアーク放電により、電流路Li1に発生したアーク放電域とシールド線Sh1の間、電流路Li2に発生したアーク放電域とシールド線Sh2の間に、それぞれアーク放電域が二次的に誘発される。
この場合の動作説明は、上記、「(1−2−2−1)電流路Li2の断線」、「(1−2−2−2)電流路Li1の断線」の動作説明の合成となる。
これらのアーク放電域の導電率が高いものとすると、端子T1、端子T2間に抵抗素子R1と抵抗素子R2の並列接続回路が挿入されたものと等価となる。
この並列接続回路が、端子T1、端子T2間に挿入されたとしても、端子T1、端子T2間の電圧は、ほぼ低下することなく、電流路からシールド線に誘発されたアーク放電は継続する。
【0025】
したがって、抵抗素子R1、抵抗素子R2のそれぞれに電流が流れ続けるため、抵抗素子R1と抵抗素子R2のそれぞれの両端間の電圧を監視・測定することにより、上記両方アーク放電を検出できる。
なお、上記、「(1−2−2−1)電流路Li2の断線」、「(1−2−2−2)電流路Li1の断線」の単独の事象で、このアーク放電域の導電率が高いものとしても、端子T1、端子T2間の電圧は、ほぼ低下することなく、電流路からシールド線に誘発されたアーク放電は継続するという考え方は同様である。
【0026】
なお、外部の直流電源の電圧、シールド線の径の要因にもよるが、抵抗素子R1、R2の抵抗値は低抵抗値(一例であるが、数十Ω程度)とする。それぞれ、抵抗素子R1、抵抗素子R2の抵抗値が比較的高い場合は、電流路Li1、電流路Li2のそれぞれの断線箇所から発生したアーク放電が、それぞれシールド線Sh1、シールド線Sh2の電位に引き寄せられないため、二次的アーク放電が誘発されず、電流路Li1とシールド線Sh1、電流路Li2とシールド線Sh2が導通せず、抵抗素子R1、抵抗素子R2に電流が流れなく、アーク放電の検出ができないことがある。
これは、電流路Li1、電流路Li2が単独に断線した場合も同様である。
【0027】
(1−2−2−4)電流路とシールド線の接触
電流路Li1、Li2の断線以外の別の原因による異常も同様に抵抗素子R1と抵抗素子R2の回路構成により異常を検出できる。
【0028】
たとえば、電流路Li2とシールド線Sh2(電流路Li1とシールド線Sh1の場合も同様)が何らかの原因で接触した場合などである。これは、シールド線Sh2に何らかの圧力がかかり、電流路Li2とシールド線Sh2が接触することが考えられる。
【0029】
電流路Li2とシールド線Sh2が接触するという現象による結果は、電流路Li2の断線箇所にアーク放電が発生し、このアーク放電が、シールド線Sh2の電位に引き寄せられ、二次的アーク放電が誘発される上記説明と類似している。
すなわち、電流路Li2とシールド線Sh2の物理的接触による導通と、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh2との間の二次的アーク放電域による導通は、本発明では同様に考えることができる。これは、第2の実施の形態及び第3の実施の形態においても同様である。
【0030】
電流路Li1とシールド線Sh1が接触した場合も、上記、電流路Li2とシールド線Sh2が接触した場合と同様に考えることができる。
【0031】
さらに、電流路Li2とシールド線Sh2の接触と、電流路Li1とシールド線Sh1の接触が同時に発生した場合は、抵抗素子R1と抵抗素子R2に同時に電流が流れ、抵抗素子R1、抵抗素子R2のそれぞれの両端間の電圧を監視・測定することにより、電流路とシールド線の接触を検出できる。
【0032】
本発明は、シールド効果を必要としない直流電流路にシールド線を被覆し、シールド線を接地しない方法により、直流電流路の断線、直流電流路とシールド線の接触を検出できる。
【0033】
上記のように、電流路が断線した場合、電流路とシールド線が接触した場合、の両方とも、抵抗素子R1及び/又は抵抗素子R2には電流が流れるが、抵抗素子R1と抵抗素子R2のそれぞれの両端間の電圧を監視・測定することにより異常を検出し、本発明外の装置により、端子T1、端子T2間に印加している外部の直流電源を自動的に即座に切り離すことができる。すなわち、電流路の断線箇所のアーク放電を停止させることができる。
電流路に異常が発生した一瞬、抵抗素子R1及び/又は抵抗素子R2に比較的大きな電流が流れるが、この電流も即座に解消される。
なお、電流路Li2が断線した場合、電流路Li1とシールド線Sh1が接触した場合、電流路Li1が断線した場合、電流路Li2とシールド線Sh2が接触した場合のそれぞれの組み合わせが同時に発生しても、上記説明の範囲で電流路異常検出を理解できる。
【0034】
(2)第2の実施の形態
(2−1)回路構成
図2は、本発明による第2の実施の形態である電流路異常検出支援回路を示す回路構成図である。
【0035】
以下、図2を参照して本発明の回路構成を説明する。
外部の直流電源の正極電位を入力する端子T1、外部の直流電源の負極電位を入力する端子T2が存在し、入力した直流電源の正極電位を出力する端子T3、入力した直流電源の負極電位を出力する端子T4が存在している。
【0036】
端子T1、端子T3間には一方の極性の電流路である正極電位の電流路Li1が配線されている。また、端子T2、端子T4間には他方の極性の電流路である負極電位の電流路Li2が配線されている。
たとえば、正極電位をプラス300V程度(高圧直流給電に使用される電位、300V〜420V程度でもよい。)とすれば、負極電位は0Vで表される。ただし、電位の基準はどちらでもよく、さらに電位の基準は特に必要としない。説明中必要に応じて電位を定める。
【0037】
本実施の形態では、図2に示すように本回路に有する直流電圧源である直流電圧源E1を備えているため、端子T1、端子T2間に印加される外部の直流電源の電圧が100V程度以下であっても、電流路の異常を検出できる。
外部の直流電源の電圧が、100V程度以下と低い場合は、直流電圧源E1の電圧は、1,000V程度とする。この直流電圧源E1が、アーク放電の発生を支配的とする。
【0038】
端子T1、端子T3間の正極電位の電流路Li1には、第1シールド線である同軸型のシールド線Sh1が、これを覆うように施されている。
同様に、端子T2、端子T4間の負極電位の電流路Li2には、第2シールド線である同軸型のシールド線Sh2が、これを覆うように施されている。
ここで、端子T1、端子T3間を正極電位の電流路とする必然性はなく、負極電位の電流路でもよい。
同様に、端子T2、端子T4間を負極電位の電流路とする必然性はなく、正極電位の電流路でもよい。
【0039】
端子T1には、第1整流素子であるダイオードD1のアノードが接続され、端子T2には、第2整流素子であるダイオードD2のアノードが接続され、両ダイオードのカソードは接続されている。
第1シールド線Sh1には、第3整流素子であるダイオードD3のカソードが接続され、第2シールド線Sh2には、第4整流素子であるダイオードD4のカソードが接続され、両ダイオードのアノードは接続されている。
【0040】
ダイオードD1とダイオードD2のカソードの接続部には、直流電圧源E1の負極が接続され、直流電圧源E1の正極には、第3抵抗素子である抵抗素子R3の一端が接続され、抵抗素子R3の他端は、ダイオードD3とダイオードD4のアノードの接続部に接続されている。
すなわち、ダイオードD1とダイオードD2のカソードの接続部、ダイオードD3とダイオードD4のアノードの接続部間には、直流電圧源E1と抵抗素子R3の直列接続回路が接続されている。
【0041】
なお、図示しないが、図2において直流電圧源E1を正負の極性を入れ替えて接続してもよい。ただし、この場合、ダイオードD1〜ダイオードD4は、すべて極性を反転して接続する。すなわち、ダイオードの順方向電圧極性を逆極性にしなければならない。
後述するが、この場合、抵抗素子R3を流れる電流方向は図2の場合とは逆となる。
【0042】
抵抗素子R3の一端と他端間の電圧は、異常監視・測定を行なう装置に入力される。
【0043】
(2)第2の実施の形態
(2−2)回路動作
図2を参照して本発明の第2実施の形態である電流路異常検出支援回路の回路動作を説明する。以下、一例として、端子T1には外部の直流電源の正極電位が印加され、端子T2には外部の直流電源の負極電位が印加されるものとする。
【0044】
(2−2−1)正常時の動作
端子T1、端子T2間に外部の直流電源が接続され、端子T3、端子T4間に外部の負荷が接続されていれば、端子T3、端子T4間に接続された外部の負荷に電源が供給される。
また、抵抗素子R3及びダイオードD1〜D4には、電圧が印加された閉回路が形成されていないため、抵抗素子R3及びダイオードD1〜D4には電流は流れない。
【0045】
(2−2−2)異常時の動作
(2−2−2−1)電流路Li2の断線
シールド線Sh2に覆われている部分の電流路Li2に何らかの原因により断線が発生し、この断線箇所にアーク放電が発生すると、以下の電流路が形成される。
【0046】
端子T1、ダイオードD1、直流電圧源E1、抵抗素子R3、ダイオードD4、シールド線Sh2、電流路Li2の断線により発生するアーク放電部、電流路Li2、端子T2。
この電流路に流れる電流の方向は、端子T1(正極)から端子T2(負極)に向かう。
【0047】
この電流路に流れる電流により、抵抗素子R3の両端間電圧が正常時に比較して上昇し、この抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定することにより、アーク放電が発生したことを検出できる。
この抵抗素子R3の両端間電圧を監視・測定する装置は、本発明外であり別途用意する。
【0048】
ダイオードD1、直流電圧源E1、抵抗素子R3、ダイオードD4を経由して、アーク放電に起因する電流が流れる理由は、端子T1の電位に直流電圧源E1の電圧が加算され、この加算された電位が、端子T1からダイオードD1、直流電圧源E1、抵抗素子R3、ダイオードD4を介してシールド線Sh2に印加されているため、電流路Li2の断線箇所(断線部)から発生したアーク放電が、シールド線Sh2の電位に引き寄せられ、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh2間にも二次的にアーク放電域が誘発される。
すなわち、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域(電流路Li2間アーク放電域)、と二次的にアーク放電域により、電流路Li2とシールド線Sh2が導通される。
よって、端子T1と端子T2間は、ダイオードD1、直流電圧源E1、抵抗素子R3、ダイオードD4及びアーク放電域を介して導通する。このため抵抗素子R3に電流が流れる。
【0049】
(2−2−2−2)電流路Li1の断線
シールド線Sh1に覆われている部分の電流路Li1に何らかの原因により断線が発生し、この断線箇所にアーク放電が発生すると、以下の電流路が形成される。
【0050】
直流電圧源E1(正極)、抵抗素子R3、ダイオードD3、シールド線Sh1、二次的アーク放電域、電流路Li1の断線箇所に発生するアーク放電域、電流路Li1、ダイオードD1、直流電圧源E1(負極)。
この電流路に流れる電流の方向は、直流電圧源E1(正極)から抵抗素子R3を介して直流電圧源E1(負極)に向かう閉回路であり、外部に存在する直流電源を経由しない。
【0051】
この場合の二次的にアーク放電が誘発される原因は、直流電圧源E1の電圧が、電流路Li1、ダイオードD1、抵抗素子R3及びダイオードD3を介して、電流路Li1の断線箇所に発生するアーク放電部とシールド線Sh1との間に印加されているため、電流路Li1の断線箇所から発生したアーク放電が、シールド線Sh1の電位に引き寄せられ、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh1間にも二次的アーク放電域が誘発される。
【0052】
すなわち、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域(電流路Li1間アーク放電域)、と二次的にアーク放電域により、電流路Li1とシールド線Sh1が導通される。
よって、直流電圧源E1を起電力とした閉回路が形成され、抵抗素子R3に電流が流れる。
【0053】
この電流路に流れる電流により、抵抗素子R3の両端間電圧が正常時に比較して上昇し、この抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定することにより、アーク放電が発生したことを検出できる。
この抵抗素子R3の両端間電圧を監視・測定する装置は、本発明外であり別途用意する。
【0054】
(2−2−2−3)電流路Li1及びLi2の断線
さらに、電流路Li1と電流路Li2が同時に断線した場合も、アーク放電の検出が可能である。
この場合は、電流路Li1の断線箇所、電流路Li2の断線箇所のそれぞれにアーク放電が発生する。
【0055】
以下の2通りの電流路が形成される。
【0056】
電流路Li2における断線の場合、端子T1、ダイオードD1、直流電圧源E1、抵抗素子R3、ダイオードD4、シールド線Sh2、二次的アーク放電域、電流路Li2の断線箇所に発生するアーク放電域、電流路Li2、端子T2の電流経路が成立する。
【0057】
電流路Li1における断線の場合、直流電圧源E1(正極)、抵抗素子R3、ダイオードD3、シールド線Sh1、二次的アーク放電域、電流路Li1の断線箇所に発生するアーク放電域、電流路Li1、ダイオードD1、直流電圧源E1(負極)。
この電流路に流れる電流の方向は、直流電圧源E1(正極)から抵抗素子R3を介して直流電圧源E1(負極)に向かう閉回路であり、外部に存在する直流電源を経由しない。
【0058】
電流路Li1と電流路Li2が同時に断線した場合、上記2通りの電流路が構成される。
【0059】
上記、電流路Li2における断線の場合と電流路Li1における断線の場合とでは、電流経路は相違するが、電流は抵抗素子R3を同一方向に流れる。電流路Li2における断線の場合、外部に存在する直流電源電圧が直流電圧源E1の電圧に加算されるため、電流は、電流路Li1における断線の場合より大きい。
【0060】
電流路Li2における断線の場合と電流路Li1における断線の場合とでは、抵抗素子R3に流れる電流の大小はあるが、電流方向は同一であり加算され相殺されない、いずれも、抵抗素子R3の一端の電位を上昇させる。
したがって、電流路Li1及び電流路Li2が同時に断線した場合でも抵抗素子R3両端間の電圧を監視・測定することにより、上記両方のアーク放電が発生したことを検出できる。すなわち、両方の電流路Li1及びLi2が断線したことを判別できる。
【0061】
抵抗素子R3の電圧降下は、電流路Li2における断線の場合、電流路Li1における断線の場合、両電流路の断線の場合とでは相違する。
抵抗素子R3の電圧降下は、大きい順に、(a)両電流路の断線、(b)電流路Li2における断線、(c)電流路Li1における断線となる。
【0062】
したがって、抵抗素子R3の電圧降下値を判別することにより、どの電流路に断線が発生したかも判別できる。
【0063】
なお、抵抗素子R3の抵抗値は、本実施の形態の例において、外部の直流電源の電圧、図2における直流電圧源E1の電圧、シールド線の径にもよるが、中抵抗値(一例であるが、200Ω程度)を好適とする。
【0064】
(2−2−2−4)電流路とシールド線の接触
電流路Li1、Li2の断線以外の別の原因による異常も同様に抵抗素子R3の電圧降下により異常を検出できる。
【0065】
たとえば、電流路Li2とシールド線Sh2が何らかの原因で接触した場合などである。これは、シールド線Sh2に圧力がかかり、電流路Li2とシールド線Sh2が接触することが考えられる。
【0066】
電流路Li2とシールド線Sh2が接触するという事象から来る結果は、電流路Li2の断線箇所にアーク放電が発生し、このアーク放電が、シールド線Sh2の電位に引き寄せられ、二次的アーク放電が誘発され、電流路Li2とシールド線Sh2が導通状態となる上記説明に類似している。
すなわち、電流路Li2とシールド線Sh2との接触による導通か、電流路Li2の断線に起因するアーク放電とシールド線Sh2の電位により誘発された二次的アーク放電にとよる電流路Li2とシールド線Sh2との導通かの相違であり、電流路異常検出の結果には本質的相違はない。
【0067】
電流路Li1とシールド線Sh1が接触した場合も、上記、電流路Li2とシールド線Sh2が接触した場合と同様に考えることができる。
【0068】
さらに、電流路Li2とシールド線Sh2の接触と、電流路Li1とシールド線Sh1の接触が同時に発生した事象の結果も、上記、電流路の断線による、電流路Li2とシールド線Sh2間のアーク放電、電流路Li1とシールド線Sh1間のアーク放電、が同時に発生した事象の結果と同様であり、抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定することにより、電流路とシールド線の接触を検出できる。
【0069】
また、電流路Li1の断線と電流路Li2とシールド線Sh2の接触とが組み合わさった事象、電流路Li2の断線と電流路Li1とシールド線Sh1の接触とが組み合わさった事象から起因する結果も同様である。
【0070】
本発明は、シールド効果を必要としない直流電流路にシールド線を被覆し、シールド線を接地しない方法により、直流電流路の断線、直流電流路とシールド線の接触を検出できる。
【0071】
電流路が断線した場合と、電流路とシールド線が接触した場合の、両者とも、抵抗素子R3に正常時には流れない電流が流れるが、抵抗素子R3の両端間の電圧を別の回路により監視・測定することにより異常を検出し、また別の回路により、端子T1、端子T2間に印加している外部の直流電源を自動的に即座に切り離すことができる。
すなわち、電流路の断線箇所のアーク放電を停止させることができる。
電流路に異常が発生した一瞬、抵抗素子R3に比較的大きな電流が流れるが、この電流も即座に解消される。
なお、電流路Li2が断線した場合、電流路Li1とシールド線Sh1が接触した場合、電流路Li1が断線した場合、電流路Li2とシールド線Sh2が接触した場合のそれぞれの組み合わせが同時に発生しても、上記説明の範囲で電流路異常検出を理解できる。
【0072】
なお、図2において、直流電圧源E1の正負の極性を入れ替え、ダイオードD1〜ダイオードD4のすべての極性を反転(アノードとカソードを逆にして接続)して接続した場合(図示しない)、以下のようになる。
【0073】
(2−2−2−1−R)電流路Li2の断線
電流経路は以下のようになる。
直流電圧源E1(正極)、ダイオードD2、電流路Li2、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域、二次的アーク放電域、シールド線Sh2、ダイオードD4、抵抗素子R3、直流電圧源E1(負極)。
(2−2−2−2−R)電流路Li1の断線
電流経路は以下のようになる。
端子T1、電流路Li1、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域、二次的アーク放電域、シールド線Sh1、ダイオードD3、抵抗素子R3、直流電圧源E1、ダイオードD2、端子T2。
【0074】
上記のいずれも、アーク放電電流は、抵抗素子R3の他端から一端に流れる。すなわち、検出する抵抗素子R3の両端の電圧極性は図2とは逆になるが、電流路断線の検出は同様に可能である。
【0075】
断線によるアーク放電電流と、電流路とシールド線の接触による電流も上記で説明した事象と同様な考え方で検出可能である。
【0076】
また、電流路Li1とLi2の同時断線若しくは両電流路と両シールド線の同時接触、又は電流路断線、と電流路とシールド線の接触の組み合わせでも上記説明と同様である。
【0077】
(3)第3の実施の形態
(3−1)回路構成
図3は、本発明による第3の実施の形態である電流路異常検出支援回路を示す回路構成図である。
【0078】
以下、図3を参照して本発明の第3の実施の形態の回路構成を説明する。
図3は、第2の実施の形態である図2のダイオードD1〜D4のそれぞれを、第4抵抗素子である抵抗素子R4、第5抵抗素子である抵抗素子R5、第6抵抗素子である抵抗素子R6、第7抵抗素子である抵抗素子R7にそれぞれ置換した回路である。
【0079】
外部の直流電源の正極電位を入力する端子T1、外部の直流電源の負極電位を入力する端子T2が存在し、入力した直流電源の正極電位を出力する端子T3、入力した直流電源の負極電位を出力する端子T4が存在している。
【0080】
端子T1、端子T3間には一方の極性の電流路である正極電位の電流路Li1が配線されている。また、端子T2、端子T4間には他方の極性の電流路である負極電位の電流路Li2が配線されている。
この回路は、外部の直流電源の電圧が低い直流48V系給電に適する(直流100V程度以下の場合に適用される。)。たとえば、正極電位をプラス48V程度とすれば、負極電位は0Vで表される。ただし、電位の基準はどちらでもよく、さらに電位の基準は特に必要としない。説明中必要に応じて電位を定める。
【0081】
本実施の形態では、図3に示すように本回路に有する直流電圧源である直流電圧源E1を備えているため、端子T1、端子T2間に印加される外部の直流電源の電圧が100V程度以下であっても、電流路の異常を検出できる。
【0082】
端子T1、端子T3間の正極電位の電流路Li1には、第1シールド線である同軸型のシールド線Sh1が覆うように施されている。
同様に、端子T2、端子T4間の負極電位の電流路Li2には、第2シールド線である同軸型のシールド線Sh2が覆うように施されている。
ここで、端子T1、端子T3間を正極電位の電流路とする必然性はなく、負極電位の電流路でもよい。
同様に、端子T2、端子T4間を負極電位の電流路とする必然性はなく、正極電位の電流路でもよい。
【0083】
端子T1には、第4抵抗素子である抵抗素子R4の一端が接続され、端子T2には、第5抵抗素子である抵抗素子R5の一端が接続され、両抵抗素子の他端は接続されている。
シールド線Sh1には、第6抵抗素子である抵抗素子R6の一端が接続され、シールド線Sh2には、第7抵抗素子である抵抗素子R7の一端が接続され、両抵抗素子の他端は接続されている。
【0084】
抵抗素子R4と抵抗素子R5の他端の接続部には、直流電圧源E1の負極が接続され、直流電圧源E1の正極には、第3抵抗素子である抵抗素子R3の一端が接続され、抵抗素子R3の他端は、抵抗素子R6と抵抗素子R7の他端の接続部に接続されている。
すなわち、抵抗素子R4と抵抗素子R5の他端の接続部と抵抗素子R6と抵抗素子R7の他端の接続部間には、直流電圧源E1と抵抗素子R3の直列接続回路が接続されている。
【0085】
なお、図示しないが図2において直流電圧源E1は正負の極性を入れ替えて接続してもよい。後述するが、この場合、抵抗素子R3を流れる電流方向は図2の場合とは逆となる。
【0086】
抵抗素子R3の一端と他端間の電圧は、異常監視・測定を行なう装置に入力される。
【0087】
(3)第3の実施の形態
(3−2)回路動作
図3を参照して本発明の第3実施の形態である電流路異常検出支援回路の回路動作を説明する。以下、一例として、端子T1には外部の直流電源の正極電位が印加され、端子T2には外部の直流電源の負極電位が印加されるものとする。
【0088】
(3−2−1)正常時の動作
端子T1、端子T2間に外部の直流電源が接続され、端子T3、端子T4間に外部の負荷が接続されていれば、端子T3、端子T4間に接続された外部の負荷に電源が供給される。
また、抵抗素子R3、抵抗素子R6及びR7には、電圧が印加された閉回路が形成されていないため、抵抗素子R3、抵抗素子R6及びR7には電流は流れない。
【0089】
(3−2−2)異常時の動作
(3−2−2−1))電流路Li2の断線
シールド線Sh2に覆われている部分の電流路Li2に何らかの原因により断線が発生し、この断線箇所にアーク放電が発生すると、以下の電流路が形成される。
【0090】
端子T1、抵抗素子R4、直流電圧源E1、抵抗素子R3、抵抗素子R7、シールド線Sh2、電流路Li2の断線により発生するアーク放電部、電流路Li2、端子T2。
この電流路に流れる電流の方向は、端子T1(正極)から端子T2(負極)に向かう。
【0091】
この電流路に流れる電流により、抵抗素子R3の両端間電圧が正常時に比較して上昇し、この抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定することにより、アーク放電が発生したことを検出できる。
この抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定する装置は、本発明外であり別途用意する。
【0092】
抵抗素子R4、直流電圧源E1、抵抗素子R3、抵抗素子R7を経由して、アーク放電に起因する電流が流れる理由は、端子T1の電位に直流電圧源E1の電圧が加算され、この加算された電位が、端子T1から抵抗素子R4、直流電圧源E1、抵抗素子R3、抵抗素子R7を介してシールド線Sh2に印加されているため、電流路Li2の断線箇所(断線部)から発生したアーク放電が、シールド線Sh2の電位に引き寄せられ、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh2間にも二次的にアーク放電域が誘発される。
すなわち、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域(電流路Li2間アーク放電域)、と二次的にアーク放電域により、電流路Li2とシールド線Sh2が導通される。
よって、端子T1と端子T2間は、抵抗素子R4、直流電圧源E1、抵抗素子R3、抵抗素子R7及びアーク放電域を介して導通する。このため抵抗素子R3に電流が流れる。
【0093】
(3−2−2−2)電流路Li1の断線
シールド線Sh1に覆われている部分の電流路Li1に何らかの原因により断線が発生し、この断線箇所にアーク放電が発生すると、以下の電流路が形成される。
【0094】
直流電圧源E1(正極)、抵抗素子R3、抵抗素子R6、シールド線Sh1、二次的アーク放電部、電流路Li1の断線箇所に発生するアーク放電部、電流路Li1、抵抗素子R4、直流電圧源E1(負極)。
この電流路に流れる電流の方向は、直流電圧源E1(正極)から抵抗素子R3を介して直流電圧源E1(負極)に向かう閉回路であり、外部に存在する直流電源を経由しない。
【0095】
この場合の二次的にアーク放電が誘発される原因は、直流電圧源E1の電圧が、電流路Li1、抵抗素子R4、抵抗素子R3及び抵抗素子R6を介して、電流路Li1の断線箇所(断線部)に発生するアーク放電域とシールド線Sh1との間に印加されているため、電流路Li1の断線箇所から発生したアーク放電が、シールド線Sh1の電位に引き寄せられ、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域とシールド線Sh1間にも二次的アーク放電域が誘発される。
【0096】
すなわち、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域(電流路Li1間アーク放電域)、と二次的にアーク放電域により、電流路Li1とシールド線Sh1が導通される。
よって、直流電圧源E1を起電力とした閉回路が形成され、抵抗素子R3に電流が流れる。
【0097】
この電流路に流れる電流により、抵抗素子R3の両端間電圧が正常時に比較して上昇し、この抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定することにより、アーク放電が発生したことを検出できる。
この抵抗素子R3の両端間電圧を監視・測定する装置は、本発明外であり別途用意する。
【0098】
(3−2−2−3)電流路Li1及びLi2の断線
さらに、電流路Li1と電流路Li2が同時に断線した場合も、アーク放電の検出が可能である。
この場合は、電流路Li1の断線箇所、電流路Li2の断線箇所のそれぞれにアーク放電が発生する。
【0099】
以下の2通りの電流路が形成される。
【0100】
電流路Li2における断線の場合、端子T1、抵抗素子R4、直流電圧源E1、抵抗素子R3、抵抗素子R7、シールド線Sh2、二次的アーク放電域、電流路Li2の断線箇所に発生するアーク放電域、電流路Li2、端子T2の電流経路が成立する。
【0101】
電流路Li1における断線の場合、直流電圧源E1(正極)、抵抗素子R3、抵抗素子R6、シールド線Sh1、二次的アーク放電域、電流路Li1の断線箇所に発生するアーク放電域、電流路Li1、抵抗素子R4、直流電圧源E1(負極)。
この電流路に流れる電流の方向は、直流電圧源E1(正極)から抵抗素子R3を介して直流電圧源E1(負極)に向かう、閉回路であり、外部に存在する直流電源を経由しない。
【0102】
電流路Li1と電流路Li2が同時に断線した場合、上記2通りの電流路が形成される。
【0103】
上記、電流路Li2における断線の場合と電流路Li1における断線の場合とでは、電流経路は相違するが、電流は抵抗素子R3を同一方向に流れる。電流路Li2における断線の場合、外部に存在する直流電源電圧が直流電圧源E1の電圧に加算されるため、電流は、電流路Li1における断線の場合より大きい。
【0104】
電流路Li2における断線の場合と電流路Li1における断線の場合とでは、抵抗素子R3に流れる電流の大小はあるが、電流方向は同一であり加算され相殺されない、いずれも、抵抗素子R3の一端の電位を上昇させる。
したがって、電流路Li1及び電流路Li2が同時に断線した場合でも抵抗素子R3両端間の電圧を監視・測定することにより、上記両方のアーク放電が発生したことを検出できる。すなわち、両方の電流路Li1及びLi2が断線したことを判別できる。
【0105】
抵抗素子R3の電圧降下は、電流路Li2における断線の場合、電流路Li1における断線の場合、両電流路の断線の場合とでは相違する。
抵抗素子R3の電圧降下は、大きい順に、(a)両電流路の断線、(b)電流路Li2における断線、(c)電流路Li1における断線となる。
【0106】
したがって、抵抗素子R3の電圧降下値を判別することにより、どの電流路に断線が発生したかも判別できる。
【0107】
なお、抵抗素子R3の抵抗値、及び抵抗素子R4〜R7の抵抗値は、本実施の形態において、外部の直流電源の電圧、図3における直流電圧源E1の電圧、シールド線の径を考慮し、二次的アーク放電の誘発を損なわず、かつ、抵抗素子R4及びR5において消費する電力損を勘案し、最適値を選定する。
【0108】
(3−2−2−4)電流路とシールド線の接触
電流路Li1、Li2の断線以外の別の原因による異常も同様に抵抗素子R3の電圧降下により異常を検出できる。
【0109】
たとえば、電流路Li2とシールド線Sh2が何らかの原因で接触した場合などである。これは、シールド線Sh2に圧力がかかり、電流路Li2とシールド線Sh2が接触することが考えられる。
【0110】
電流路Li2とシールド線Sh2が接触するという事象から来る結果は、電流路Li2の断線箇所にアーク放電が発生し、このアーク放電が、シールド線Sh2の電位に引き寄せられ、二次的アーク放電が誘発され、電流路Li2とシールド線Sh2が導通状態となる上記説明に類似している。
すなわち、電流路Li2とシールド線Sh2との接触による導通か、電流路Li2の断線に起因するアーク放電とシールド線Sh2の電位により誘発された二次的アーク放電とによる電流路Li2とシールド線Sh2との導通かの相違であり、電流路異常検出の結果には本質的相違はない。
【0111】
電流路Li1とシールド線Sh1が接触した場合も、上記、電流路Li2とシールド線Sh2が接触した場合と同様に考えることができる。
【0112】
さらに、電流路Li2とシールド線Sh2の接触と、電流路Li1とシールド線Sh1の接触が同時に発生した事象の結果も、上記、電流路の断線による、電流路Li2とシールド線Sh2間のアーク放電、電流路Li1とシールド線Sh1間のアーク放電が同時に発生した事象の結果と同様であり、抵抗素子R3の両端間の電圧を監視・測定することにより、電流路とシールド線の接触を検出できる。
【0113】
また、電流路Li1の断線と電流路Li2とシールド線Sh2の接触とが組み合わさった事象、電流路Li2の断線と電流路Li1とシールド線Sh1の接触とが組み合わさった事象から起因する結果も同様である。
【0114】
本発明は、シールド効果を必要としない直流電流路にシールド線を被覆し、シールド線を接地しない方法により、直流電流路の断線、直流電流路とシールド線の接触を検出できる。
【0115】
電流路が断線した場合と、電流路とシールド線が接触した場合の、両者とも、抵抗素子R3に正常時には流れない電流が流れるが、抵抗素子R3の両端間の電圧を別の回路により監視・測定することにより異常を検出し、また別の回路により、端子T1、端子T2間に印加している外部の直流電源を自動的に即座に切り離すことができる。
すなわち、電流路の断線箇所のアーク放電を停止させることができる。
電流路に異常が発生した一瞬、抵抗素子R3に比較的大きな電流が流れるが、この電流も即座に解消される。(抵抗素子R4、R6、R7も同様。)
なお、電流路Li2が断線した場合、電流路Li1とシールド線Sh1が接触した場合、電流路Li1が断線した場合、電流路Li2とシールド線Sh2が接触した場合のそれぞれの組み合わせが同時に発生しても、上記説明の範囲で電流路異常検出を理解できる。
【0116】
なお、図3において、直流電圧源E1の正負の極性を入れ替えた場合(図示しない)、以下のようになる。
【0117】
(3−2−2−1−R)電流路Li2の断線
電流経路は以下のようになる。
直流電圧源E1(正極)、抵抗素子R5、電流路Li2、電流路Li2の断線箇所のアーク放電域、二次的アーク放電域、シールド線Sh2、抵抗素子R7、抵抗素子R3、直流電圧源E1(負極)。
(3−2−2−2−R)電流路Li1の断線
電流経路は以下のようになる。
端子T1、電流路Li1、電流路Li1の断線箇所のアーク放電域、二次的アーク放電域、シールド線Sh1、抵抗素子R6、抵抗素子R3、直流電圧源E1、抵抗素子R5、端子T2。
【0118】
上記のいずれも、アーク放電電流は、抵抗素子R3の他端から一端に流れる。すなわち、検出する抵抗素子R3の両端の電圧極性は図3とは逆になるが、電流路断線の検出は同様に可能である。
【0119】
断線によるアーク放電電流と電流路とシールド線の接触による電流も上記で説明した事象と同様な考え方で検出可能である。
【0120】
また、電流路Li1とLi2の同時断線若しくは両電流路と両シールド線の同時接触、又は電流路断線と電流路とシールド線の接触の組み合わせでも上記説明と同様である。
【0121】
以上、第1の実施の形態から第3の実施の形態を説明したが、本発明では、シールド線を電流路に配設することにより簡単に確実に電流路の断線によるアーク放電を検出できる。加えて、電流路とシールド線の接触も検出できる。これらの検出を支援する回路を実現した。
なお、電流路の断線に直接起因するアーク放電(一次アーク放電)と、このアーク放電により、一次アーク放電とシールド線間に誘発される二次的アーク放電の発生現象は、第1〜第3の実施の形態に共通している。
【0122】
第1の実施の形態で、一例として、抵抗素子R1、R2の抵抗値を数十Ω程度、第2の実施の形態では、抵抗素子R3を200Ω程度を好適としたが、第1の実施の形態では外部の直流電源の電圧は300V程度、第2の実施の形態では外部の直流電源電圧が100V程度以下では、直流電圧源E1の電圧を1,000V程度として、アーク放電電流を5A程度流すことを想定している(実験済)。
【0123】
第2の実施の形態では、外部の直流電源電圧が300V程度以上であれば、抵抗素子R3の抵抗値を数十Ω程度とし、直流電圧源E1の電圧はもっと低く設定するか、不要とする。
【0124】
第3の実施の形態では、外部の直流電源の電圧を48V程度としているので、二次的アーク放電を発生させるために、直流電圧源E1を必要とする。48V程度の電位差に抵抗素子R4と抵抗素子R5の直列接続回路が挿入されているので、正常時の消費電流を抑えなければならない、よって、抵抗素子R4、R5の抵抗値は小さくすることは好ましくない。したがって、直流電圧源E1の電圧を大きくし、抵抗素子R6、R7の抵抗値を小さくし、実験により最適値を定める。
【0125】
第1〜第3の各実施の形態の回路動作において、端子T1に外部の直流電源の正極、端子T2に外部の直流電源の負極を印加した例を説明したが、端子T1に外部の直流電源の負極、端子T2に外部の直流電源の正極を印加した場合は以下のようになる。
図1、図2及び図3における、端子T1と端子T3を結ぶ直線を直線1、端子T2と端子T4を結ぶ直線を直線2とすると、直線1と直線2の中間に引かれる中心線において、端子T1に正極、端子T2に負極を印加した例と端子T1に負極、端子T2に正極を印加した例は、丁度線対称となる動作をする。
【0126】
すなわち、端子T1に負極、端子T2に正極を印加した例では、図1では、端子T2から抵抗素子R2を介して端子T1に電流が流れ、図2では、端子T2からダイオードD2、ダイオードD3を介して端子T1に電流が流れ(電流路Li1の断線等)、また、直流電圧源E1のみの起電力で、直流電圧源E1(正極)からダイオードD4、ダイオードD2を介して直流電圧源E1(負極)へのループ電流が流れる(電流路Li2の断線等)。
【0127】
同様に、図2において、直流電圧源E1(各ダイオードも)の極性を逆にした場合、端子T2からダイオードD4、ダイオードD1を介して端子T1に電流が流れ(電流路Li2の断線等)、また、直流電圧源E1のみの起電力で、直流電圧源E1(正極)からダイオードD1、ダイオードD3を介して直流電圧源E1(負極)へのループ電流が流れる(電流路Li1の断線等)。
【0128】
図2では、電流路Li1と電流路Li2の断線等(シールド線への接触を含む。)は入れ替わる。
【0129】
図3では、各ダイオードは各抵抗素子に置換されているが、図2の説明に準ずる。
【符号の説明】
【0130】
Li1、Li2 電流路
Sh1、Sh2 シールド線
D1〜D4 整流素子
R1〜R7 抵抗素子
E1 直流電圧源
T1〜T4 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線と、
直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線と、を備え、
前記一方の極性の電流路の電位を第1抵抗素子を介して前記第2シールド線に伝達すべく構成され、
前記他方の極性の電流路の電位を第2抵抗素子を介して前記第1シールド線に伝達すべく構成されたことを特徴とする電流路異常検出支援回路。
【請求項2】
前記第1抵抗素子若しくは前記第2抵抗素子、又は、該第1抵抗素子及び該第2抵抗素子が電流路異常検出素子であること特徴とする請求項1に記載の電流路異常検出支援回路。
【請求項3】
直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線と、
直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線と、
直流電圧源と第3抵抗素子とを含む直列接続回路と、を備え、
前記直列接続回路の一端の電位を第1整流素子を介して前記一方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第4整流素子を介して前記第2シールド線に伝達すべく構成され、
前記直列接続回路の一端の電位を第1整流素子を介して前記一方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第3整流素子を介して前記第1シールド線に伝達すべく構成されたことを特徴とする電流路異常検出支援回路。
【請求項4】
直流電源を供給する一方の極性の電流路を被覆する第1シールド線と、
直流電源を供給する他方の極性の電流路を被覆する第2シールド線と、
直流電圧源と第3抵抗素子とを含む直列接続回路と、を備え、
前記直列接続回路の一端の電位を第2整流素子を介して前記他方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第3整流素子を介して前記第1シールド線に伝達すべく構成され、
前記直列接続回路の一端の電位を第2整流素子を介して前記他方の極性の電流路に伝達すべく、かつ、前記直列接続回路の他端の電位を第4整流素子を介して前記第2シールド線に伝達すべく構成されたことを特徴とする電流路異常検出支援回路。
【請求項5】
前記第1整流素子、前記第2整流素子、前記第3整流素子、前記第4整流素子のそれぞれを、第4抵抗素子、第5抵抗素子、第6抵抗素子、第7抵抗素子にそれぞれ置換したことを特徴とする請求項3又は4に記載の電流路異常検出支援回路。
【請求項6】
前記第3抵抗素子が電流路異常検出素子であること特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の電流路異常検出支援回路。
【請求項7】
前記一方の極性の電流路において該一方の極性の電流路を前記第1シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したこと若しくは前記他方の極性の電流路において該他方の極性の電流路を前記第2シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したこと、又は、前記一方の極性の電流路において該一方の極性の電流路を前記第1シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したこと及び前記他方の極性の電流路において該他方の極性の電流路を前記第2シールド線が被覆している部分に断線が発生し該断線部にアーク放電が発生したことを検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電流路異常検出支援回路。
【請求項8】
前記一方の極性の電流路と前記第1シールド線が接触したこと若しくは前記他方の極性の電流路と前記第2シールド線が接触したこと、又は、前記一方の極性の電流路と前記第1シールド線が接触したこと及び前記他方の極性の電流路と前記第2シールド線が接触したことを検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電流路異常検出支援回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−98073(P2012−98073A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244046(P2010−244046)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(501470544)エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社 (29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】