説明

電源コードの端末処理装置

【課題】この発明は、装置の全体構成、切断刃の形状の簡素化を図りつつ、電源コードの品質の低下を抑制できる電源コードの端末処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電源コードXの径方向の位置を規制しつつ、軸方向のスライド移動を可能とする位置決め部材2と、導線X2を被覆する外装材X3に対して切込みX4、X4を入れる切断刃31と、切断刃31を保持する保持部32とを備え、保持部32は、切断刃31を、位置決め部材2により位置決めされた電源コードXの軸心に対して進退可能に保持する。切断刃31の刃先は、一方向に向かってスライド移動する電源コードXとの接触により押出力を付与されて、電源コードXの軸心から退避する一方、他方向に向かってスライド移動する電源コードXとの接触により引張力を付与されて、電源コードXの軸心に向かって進出するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導線を被覆する外装材に対して切込みを入れる切断刃を備えた電源コードの端末処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電源コードをコネクタ等の部品に接続するために、導線の外周を被覆する外装材を、電源コードの端末において軸方向に所定距離だけ除去処理することが行われている。
【0003】
このような外装材の除去処理は、作業者がカッターナイフを用いて、外装材の周方向に切込みを入れるといった手作業によってなされていた。
【0004】
前記外装材としては、クロロプレンゴムやEPゴム、クロロスルホルン化ポリエチレンゴム等のゴム素材が用いられる場合がある。このようなゴム素材の外装材に対して、上述したような手作業による除去処理を行った場合、ゴム素材の弾性変形により、カッターナイフの切断刃を真っ直ぐに差込みにくいという不都合がある。よって、除去処理された後の外装材の端部が凸凹形状に仕上がってしまい、品質の粗悪な製品ができてしまうという問題があった。
【0005】
また、手作業であるために、切断刃の切込みの深さを適切にすることが難しく、内部の導線までカッターナイフの刃先が入り込み、導線の一部を傷つけて品質の低下を招き、不良品を発生させてしまう可能性もある。
【0006】
そこで、近年では、切断刃を設けたホルダ部材を、外装材の除去処理がなされるケーブル部材に対して相対的に回転させながら、これをケーブル部材に対して軸方向に相対的に移動させることで、外装材に螺旋状の切込みを入れ、導線から外装材を所定長さだけ除去できるようにした端末処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2002−281632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に開示の端末処理装置においては、ケーブル部材の軸方向の相対的な移動と同時に回転操作を伴うために、これら軸方向の移動と回転操作とを同期させる必要がある。従って、端末処理装置における制御系等が複雑化してしまい、結果として装置の全体構成が複雑化してしまうという問題がある。
【0009】
また、特許文献1の端末処理装置においては、外装材に対して螺旋状の切込みを入れるためにL字型の切断刃を備えている。ここで、外装材に対して螺旋状に切込みを入れるためには、各切断刃の刃部が指向する角度、刃先の角度等を厳密に設定をしなければならず、そのため切断刃の形状が複雑化してしまうという問題がある。
【0010】
この発明は、装置の全体構成、切断刃の形状の簡素化を図りつつ、電源コードの品質の低下を抑制できる電源コードの端末処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の電源コードの端末処理装置は、電源コードの径方向の位置を規制しつつ、軸方向のスライド移動を可能とする位置決め部材と、導線を被覆する外装材に対して切込みを入れる切断刃と、該切断刃を保持する保持部とを備え、該保持部は、前記切断刃を、前記位置決め部材により位置決めされた電源コードの軸心に対して進退可能に保持し、前記切断刃の刃先は、一方向に向かってスライド移動する前記電源コードとの接触により押出力を付与されて、前記電源コードの軸心から退避する一方、他方向に向かってスライド移動する前記電源コードとの接触により引張力を付与されて、前記電源コードの軸心に向かって進出することを特徴とする。
【0012】
この発明の一実施態様においては、前記押出力、引張力により前記保持部を回動可能に枢支する回動軸を備え、前記保持部は、前記押出力により、前記切断刃の刃先を、前記電源コードの軸心から退避させる方向に回動し、前記引張力により、前記切断刃の刃先を、前記電源コードの軸心に向かって進出させる方向に回動することを特徴とする。
【0013】
この発明の一実施態様においては、前記保持部が、前記切断刃を水平に進退させるように保持することを特徴とする。
【0014】
この発明の一実施態様においては、前記切断刃を複数備え、前記位置決め部材を中心にして対称に配設したことを特徴とする。
【0015】
この発明の一実施態様においては、前記保持部に、前記位置決め部材に対する前記切断刃の刃先の位置を調節可能とする刃先位置調節部材を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明の一実施態様においては、前記位置決め部材に、前記電源コードの端面と当接して一方向のスライド移動を規制するストッパ部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、予め電源コードの軸方向に切込みを入れることができる。これにより、周方向に切込みを入れる時、前記切断刃を外装材に対して差込み易くなるため、除去処理後の外装材の端部を真っ直ぐに仕上げることができ、結果として除去処理後の電源コードの品質の低下を抑制できる。
さらに、電源コードの押込み、引抜きに伴う押出力、引張力を利用して前記切断刃を進退させる構成としたことにより、装置の全体構成の簡素化を図ることができる。そして、前記切込みを電源コードの軸方向に真っ直ぐに入れるようにしたため、前記切断刃の形状の簡素化も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る端末処理装置1を示す平面図であり、図2は、位置決め部材2を示す側面図である。係る端末処理装置1は、主に、二点鎖線で示す電源コードXの径方向の位置を規制する位置決め部材2、第1切込み部3、3、位置決め部材2上に備えられたストッパ部材4、第2切込み部5とから構成される。
【0019】
位置決め部材2は、台座6上に固定され、電源コードXを挿入可能な挿通孔21aを備えた第1位置決め部21と、電源コードXを載置可能な直径を有し、軸方向のスライド移動を可能とする半円形状の溝部22aが形成された第2位置決め部22とから構成される。第1位置決め部21、第2位置決め部22は、挿通孔21aの中心と溝部22aの中心とが同一軸線上に位置するように配設される。
【0020】
ここで、第1位置決め部21には、第1切込み部3、3に対応して、両側部にスリット21b、21bが形成されている。
【0021】
第1切込み部3、3は、それぞれ、切断刃31と、該切断刃31を保持する保持部32と、台座6に立設され、保持部32を回動可能に枢支する回動軸33とから構成されている。なお、第1切込み部3、3は、位置決め部材2を中心にして対称に配設されている。
【0022】
図3は、図2におけるA−A線矢視断面図を示しており、図1〜図3に示すように、切断刃31は、その刃先が第1位置決め部21のスリット21bを貫通し、挿通孔21aに進出するように、保持部32によって保持されている。
【0023】
図4は、第1切込み部3の平面図、図5は、図4におけるB−B線矢視断面図を示している。切断刃31は、保持部32の台座32aの一部が凹んだ溝部32bと、板状の押圧板34とで挟持され、所定位置に固定できるようになっている。
【0024】
押圧板34は、ボルト35、35の締め付けによって所定位置に固定されるようになっており、逆に、ボルト35、35を緩めることによって、押圧板34の固定状態は解除されるようになっている。従って、ボルト35、35を緩めることで、切断刃31の固定状態は解除され、図4において二点鎖線で示すように、切断刃31の位置、つまり位置決め部材2の挿通孔21a(図3参照)に対する位置が適宜調節可能となっている。
【0025】
図6は、ストッパ部材4の正面図を示しており、ストッパ部材4は、正面視で略コ字状に形成された本体41を備えており、これが第2位置決め部22上に載置されている。また、本体41の側面には、ネジ孔41aが形成されており、そこには、一端側にハンドル43が取付けられたボルト42が螺合している。
【0026】
ここで、電源コードXを、第2位置決め部22の溝部22a上に載置した時、図示のように、電源コードXの端面X1は、ストッパ部材4の本体41の側壁に当接させることで、電源コードXの一方向のスライド移動が規制されるようになっている。
【0027】
ストッパ部材4においては、ハンドル43の回転操作により、ボルト42の先端を、第2位置決め部22の側壁に対して当接させたり離間させたりできるようになっている。ボルト42の先端を第2位置決め部22の側壁に当接させると、本体41の、第2位置決め部22の長手方向の移動は規制され、ストッパ部材4が所定位置に固定された状態となる。一方、ボルト42の先端を第2位置決め部22の側壁から離間させると、本体41を、第2位置決め部22の長手方向の任意の位置に移動させることができ、その位置を適宜調節できるようになっている。
【0028】
ところで、電源コードXは、図7に示すように、導線X2と、これを被覆する外装材X3とからなり、端末処理装置1は、電源コードXの端末の外装材X3を所定長さだけ除去処理するものである。
【0029】
ここで、端末処理装置1を用いて外装材X3の除去処理を行う際には、先ず、ストッパ部材4の位置決めがなされる。ストッパ部材4の位置は、電源コードXにおいて外装材X3の除去処理がなされる長さによって決まるものであり、切断刃31が挿通孔21aに進出する位置から、前記除去処理がなされる長さ分だけ離間した位置に位置決めされる。
【0030】
次に、除去処理がなされる電源コードXの端末は、図7に示すように一方向のスライド移動により挿通孔21aに挿通され、第2位置決め部22の溝部22a上に載置されることとなる。ここで、電源コードXは、その端面X1が、ストッパ部材4の本体41の側壁に当接するまで押込まれ、所定位置にセットされる。
【0031】
この時、切断刃31、31の刃先は、電源コードXの外面と当接しており、スライド移動する電源コードXとの接触により、切断刃31、31には押出力が付与される。これにより、保持部32、32が回動軸33、33を中心に図中矢印方向に回動し、切断刃31、31が電源コードXの軸心から水平に退避する。但し、第1位置決め部21のスリット21bの端部により、保持部32の回動はある程度規制されており、切断刃31、31の刃先と電源コードXの外面との当接状態は維持されている。
【0032】
ここで、切断刃31、31の刃先と、電源コードXの外面との当接状態が維持されるように、押圧板34、ボルト35、35により、切断刃31、31の位置が予め調節される。
【0033】
電源コードXを所定位置へセットした後、この電源コードXを押込み時とは逆に、位置決め部2から引抜くと、電源コードXは他方向へスライド移動させられることになる。この時、電源コードXとの接触により、切断刃31、31には引張力が付与される。これにより、図8に示すように、保持部32、32が回動軸33、33を中心に図中矢印方向に回動し、切断刃31、31が電源コードXの軸心に向かって水平に進出する。
【0034】
このように、電源コードXが位置決め部材2から引抜かれることにより、切断刃31、31の刃先が図示のように外装材X3に差込まれるため、図9に示すような、電源コードXの軸方向に沿った切込みX4、X4を入れることができる。
【0035】
ここで、電源コードXの引抜き時において切断刃31が最も進出した時、切断刃31の刃先の位置が、電源コードXの外装材X3の内端の位置と略一致し、内部の導線X2に食い込まないように、押圧板34、ボルト35、35による切断刃31、31の位置が予め調節される。
【0036】
電源コードXの軸方向に切込みX4、X4を形成した後は、切込みX4、X4の端部にて、図9において一点鎖線で示すような周方向の切込みX5を入れることになる。そこで、本実施形態では、図10に示すような第2切込み部5を用いて切込みX5を入れることを可能とし、電源コードXの端末の外装材X3を完全に除去できるようになっている。
【0037】
第2切込み部5は、電源コードXを挿通させる挿通孔51が穿設された従動プーリ52に、ボルト53によって複数(ここでは2つ)の切断刃54、54が取付けられている。切断刃54には、ボルト53が挿通されるスライド孔54aが形成されている。
【0038】
従動プーリ52には、ベルト55が巻き掛けられており、駆動プーリ56の回転力が伝達可能となっている。駆動プーリ56は、その軸がモータMに連結されており、モータMの回転駆動により、切断刃54、54を電源コードXに対して回転させることができる。従って、切断刃54、54によって、電源コードXの周方向にU字状に切込みX5(図9参照)を入れることができ、最終的に電源コードXの端末の外装材X3を所定長さだけ完全に除去することができる。
【0039】
このように、第1切込み部3によって予め切込みX4、X4を入れるようにすることにより、電源コードXの周方向に切込みX5を入れる時、切込みX4、X4がなく、任意の位置に切断刃54を差込む場合に比べ、切断刃54を外装材X3に差込み易くなる。従って、除去処理後の外装材X3の端部を真っ直ぐに仕上げることができ、結果として除去処理後の電源コードXの品質の低下を抑制できる。
【0040】
さらに、電源コードXの外装材X3を、端面X1から所定長さだけ除去処理するにあたり、切断刃31、31が保持部32によって進退可能に保持され、電源コードXの押込み、引抜きに伴う押出力、引張力を利用して、切断刃31、31を電源コードXの軸心に対して進退させるように構成しているため、複雑な制御は必要とされず、装置の全体構成の簡素化を図ることができる。
【0041】
さらに、切断刃31、31によって、切込みX4、X4を、電源コードXの軸方向に真っ直ぐに入れるようにしたため、切断刃31の形状の簡素化を図ることができる。
【0042】
本実施形態では、切断刃31、31を水平に進退させるようになっているが、例えば上下方向に進退させることも考えられる。但し、この場合は、電源コードXの自重により、下側における切込みの深さが深くなり、導線X2に切断刃31の刃先が及んでしまう虞がある。そこで、本実施形態のように、保持部32が切断刃31、31を水平に進退させるように保持するようにすれば、電源コードXの自重の影響を受けることはないため、切断刃31、31の刃先が不用意に導線X2に及ぶことを防止できる。
【0043】
また、切断刃31の刃先の位置を、押圧板34、ボルト35、35により適宜調節可能としているため、電源コードXの外装材X3の厚み等に応じた調節が可能となり、端末処理装置1の汎用性を向上させることができる。
【0044】
なお、第2切込み部5においても、ボルト53、53、…を緩めることにより、スライド孔54aが形成された範囲で切断刃54の刃先の位置を予め調節することが可能となっている。これにより、切断刃54の切込みの深さを調節できる。
【0045】
また、ストッパ部材4を備え、外装材X3を除去する長さに応じてその位置を予め調整可能することにより、切込みを入れる作業時には、単に電源コードXを、ストッパ部材4に当接する位置まで押込み、そして、引抜くだけで容易に所定の長さ分の切込みX4、X4を入れることができる。
【0046】
また、第1切込み部3、3、つまり切断刃31、31を、位置決め部材2を中心にして対称に配設していることにより、電源コードXに対して同時に複数の切込みX4、X4を入れることができる。例えば、本実施形態のようにモータMの駆動によらず、手作業で切込みX5を入れる場合、複数の切込みX4、X4を予め入ることで、図9の二点鎖線にて示すように、除去すべき外装材X3の部位を導線から剥離させた状態で作業を行うことができ、切込みX5を入れる作業が行い易くなる。
【0047】
なお、上述した実施形態においては、回動軸33を中心に保持部32を回動させることで、切断刃31を電源コードXの軸心に対して進退させるように構成しているが、本発明においては、必ずしもこれに限定されるものではない。図11は、本発明の別の実施形態に係る端末処理装置100を示す平面図であり、例えば、図11に示すように、所定位置に固定された保持部132の台座132aにスライド溝132bを形成し、これに沿って、第1切込み部103、103の切断刃131、131をスライド移動可能に設けるように構成してもよい。
【0048】
この場合、位置決め部材102に形成された溝部102aに沿って電源コードXを押込むと、押出力の付与により、切断刃131、131がスライド溝132b、132bに沿って電源コードXの軸心から退避する方向にスライド移動する。
【0049】
そして、押込み時とは逆に、電源コードXを図11に示すように位置決め部材102から引抜くと、引張力の付与により、切断刃131、131がスライド溝132bに沿って電源コードXの軸心に向かって進出する方向にスライド移動する。これにより、切断刃131、131の刃先が外装材X3に差込まれるため、電源コードXの軸方向に沿った切込みX4、X4を入れることができる。
【0050】
なお、本実施形態においては、電源コードXの押込み時、切断刃131の刃先が電源コードXの外面から離反することのないように、退避する方向のスライド移動を規制するストッパを設けることが好ましい。
【0051】
さらに、電源コードXの引抜き時、切断刃131の刃先が過剰に溝部102aに進出し、電源コードXの内部の導線X2に食い込むことがないように、進出する方向のスライド移動を規制する第2のストッパを設けることが好ましい。
【0052】
また、切断刃131のスライド移動をスムーズにするために、スライド溝132bの表面の材質は、切断刃131との接触時において摩擦抵抗の少ないものを選定することが好ましい。
【0053】
但し、最初の実施形態のように、回動軸33を中心に保持部32を回動させる構成とするほうが、切断刃31、31の進退は円滑に行われる。従って、動作の信頼性は端末処理装置1のほうがより高いものとなる。
【0054】
なお、上述した各実施形態においては、切込みX4、X4を入れる際、電源コードXを、端末処理装置1、100に対して移動させるようにしているが、必ずしもこれに限定されない。電源コードXを、端末処理装置1、100に対して相対的に移動させればよく、端末処理装置1、100側が、所定位置に固定された電源コードXに対して移動するようにしてもよい。
【0055】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の刃先位置調節部材は、押圧板34、ボルト35に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の実施形態に係る端末処理装置を示す平面図。
【図2】位置決め部材を示す側面図。
【図3】図2におけるA−A線矢視断面図。
【図4】第1切込み部を示す平面図。
【図5】図4におけるB−B線矢視断面図。
【図6】ストッパ部材を示す正面図。
【図7】電源コードの押込み時における端末処理装置の状態を示す平面図。
【図8】電源コードの引抜き時における端末処理装置の状態を示す平面図。
【図9】切込みが入った後の電源コードを示す斜視図。
【図10】第2切込み部を示す正面図。
【図11】この発明の別の実施形態に係る端末処理装置を示す平面図。
【符号の説明】
【0057】
1、100…端末処理装置
2、102…位置決め部材
4…ストッパ部材
31、54、131…切断刃
32、132…保持部
33…回動軸
34…押圧板
35…ボルト
X…電源コード
X2…導線
X3…外装材
X4、X5…切込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源コードの径方向の位置を規制しつつ、軸方向のスライド移動を可能とする位置決め部材と、
導線を被覆する外装材に対して切込みを入れる切断刃と、
該切断刃を保持する保持部とを備え、
該保持部は、前記切断刃を、前記位置決め部材により位置決めされた電源コードの軸心に対して進退可能に保持し、
前記切断刃の刃先は、一方向に向かってスライド移動する前記電源コードとの接触により押出力を付与されて、前記電源コードの軸心から退避する一方、
他方向に向かってスライド移動する前記電源コードとの接触により引張力を付与されて、前記電源コードの軸心に向かって進出する
電源コードの端末処理装置。
【請求項2】
前記押出力、引張力により前記保持部を回動可能に枢支する回動軸を備え、
前記保持部は、前記押出力により、前記切断刃の刃先を、前記電源コードの軸心から退避させる方向に回動し、
前記引張力により、前記切断刃の刃先を、前記電源コードの軸心に向かって進出させる方向に回動する
請求項1記載の電源コードの端末処理装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記切断刃を水平に進退させるように保持する
請求項1または2記載の電源コードの端末処理装置。
【請求項4】
前記切断刃を複数備え、前記位置決め部材を中心にして対称に配設した
請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の電源コードの端末処理装置。
【請求項5】
前記保持部に、前記位置決め部材に対する前記切断刃の刃先の位置を調節可能とする刃先位置調節部材を備えた
請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の電源コードの端末処理装置。
【請求項6】
前記位置決め部材に、前記電源コードの端面と当接して一方向のスライド移動を規制するストッパ部材を備えた
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の電源コードの端末処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−92623(P2008−92623A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267695(P2006−267695)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(391018732)富士電線工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】