電源システム、電源制御方法、電源制御装置、及び、プログラム
【課題】電源装置の状態が異常状態となった場合に外部負荷へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることが可能な電源システムを提供すること。
【解決手段】電源システム100は、複数の電源装置110a,110b,…と、バッテリ装置120と、第1の電源装置110aの状態が異常状態であることを検出する異常状態検出部131と、第1の電源装置110aの状態が異常状態であることが検出された場合、第2の電源装置110bへ電力が入力されない電力入力禁止状態から、第2の電源装置110bへ電力が入力される電力入力許可状態へ、状態を切り替え、且つ、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給しない電力供給禁止状態から、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給する電力供給許可状態へ、状態を切り替える切替制御部132と、を備える。
【解決手段】電源システム100は、複数の電源装置110a,110b,…と、バッテリ装置120と、第1の電源装置110aの状態が異常状態であることを検出する異常状態検出部131と、第1の電源装置110aの状態が異常状態であることが検出された場合、第2の電源装置110bへ電力が入力されない電力入力禁止状態から、第2の電源装置110bへ電力が入力される電力入力許可状態へ、状態を切り替え、且つ、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給しない電力供給禁止状態から、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給する電力供給許可状態へ、状態を切り替える切替制御部132と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電源装置を備える電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムが知られている。この種の電源システムの一つとして、特許文献1に記載の電源システムは、1つの電源装置の状態が異常な状態(異常状態)となった場合であっても、他の電源装置を用いて、外部負荷が要求する電力を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電源装置への電力の入力が開始してから、当該電源装置が十分な大きさの電力を出力するようになるまでには、所定の遅延時間を要する。従って、電源装置の状態が異常状態となった場合に、外部負荷へ供給する電力が不足することを回避するために、上記電源システムは、予めすべての電源装置へ電力を入力する。即ち、上記電源システムは、ホットスタンバイ方式にて作動する。
【0005】
一方、電源装置が電力を変換する効率(電力変換効率)は、当該電源装置に対する負荷(即ち、当該電源装置が出力する電力の大きさ)が過度に小さくなると、低下してしまう。また、上記電源システムは、上述したように、すべての電源装置により出力される電力を外部負荷へ供給する。従って、いずれかの電源装置の状態が異常状態となるまでの間、各電源装置に対する負荷は、比較的小さくなる。このため、上記電源システムにおいては、電力変換効率が過度に低下してしまう虞があった。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「電源装置の状態が異常状態となったときに外部負荷へ供給する電力が不足する場合が生じること、及び、電力変換効率が過度に低下する場合が生じること」を解決することが可能な電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である電源システムは、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成されたシステムである。
【0008】
更に、この電源システムは、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備えるとともに、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える。
【0009】
また、本発明の他の形態である電源制御方法は、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムに適用される方法である。
【0010】
更に、上記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備える。
加えて、上記電源制御方法は、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出し、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える、方法である。
【0011】
また、本発明の他の形態である電源制御装置は、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する装置である。
【0012】
更に、上記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備える。
加えて、上記電源制御装置は、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置が実行するプログラムである。
【0014】
更に、上記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備える。
加えて、上記プログラムは、上記電源制御装置に、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されることにより、電源装置の状態が異常状態となった場合であっても外部負荷へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電源システムの概略構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電源制御装置が実行する蓄電制御処理を示したフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電源制御装置が実行する冗長制御処理を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電源システムの概略構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る、電源システム、電源制御方法、電源制御装置、及び、プログラム、の各実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0018】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る電源システム1は、複数の電源装置11a,11b,…と、バッテリ装置12と、電源制御装置20と、を備える。
【0019】
各電源装置11a,11b,…は、外部電源(例えば、商用電源等)から供給される交流電力を入力し、当該入力された交流電力を直流電力に変換し、当該変換された直流電力を出力する。本例では、電源装置11aは、冗長系(即ち、予備)の電源装置(本明細書において、「第2の電源装置」とも表記される)である。また、電源装置11b,…のそれぞれは、常用(運用)系の電源装置(本明細書において、「第1の電源装置」とも表記される)である。
【0020】
バッテリ装置12は、蓄電池を備える。バッテリ装置12は、入力された電力を蓄電池に蓄電するとともに当該蓄電されている電力を出力する。
【0021】
電源システム1は、各電源装置11a,11b,…により出力された電力を外部負荷2へ供給可能に構成されている。本例では、外部負荷2は、サーバ装置(情報処理装置)である。なお、外部負荷2は、サーバ装置以外の、電力によって駆動される装置又は機器等であってもよい。
更に、電源システム1は、バッテリ装置12により出力された電力を外部負荷2へ供給可能に構成されている。
【0022】
また、電源システム1は、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれに対して、当該電源装置11a,11b,…へ電力を入力する電力入力許可状態と、当該電源装置11a,11b,…へ電力を入力しない電力入力禁止状態と、に電源システム1の状態が切り替わるように構成されている。
【0023】
本例では、電源システム1は、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれに対して、電力入力許可状態と電力入力禁止状態とに状態が切り替わるリレー回路を備える。即ち、各リレー回路は、外部電源と、ある電源装置11a,11b,…と、の間を接続する電力入力許可状態と、外部電源と、当該電源装置11a,11b,…と、の間の接続を遮断する電力入力禁止状態と、に状態が切り替わる。
【0024】
また、電源システム1は、バッテリ装置12に蓄電されている電力を外部負荷2へ供給する電力供給許可状態と、バッテリ装置12に蓄電されている電力を外部負荷2へ供給しない電力供給禁止状態と、に電源システム1の状態が切り替わるように構成されている。
【0025】
本例では、電源システム1は、電力供給許可状態と電力供給禁止状態とに状態が切り替わるリレー回路を備える。即ち、このリレー回路は、外部負荷2とバッテリ装置12との間を接続する電力供給許可状態と、外部負荷2とバッテリ装置12との間の接続を遮断する電力供給禁止状態と、に状態が切り替わる。
【0026】
また、電源システム1は、各電源装置11a,11b,…により出力された電力をバッテリ装置12へ供給する蓄電許可状態と、各電源装置11a,11b,…により出力された電力をバッテリ装置12へ供給しない蓄電禁止状態と、に電源システム1の状態が切り替わるように構成されている。
【0027】
本例では、電源システム1は、蓄電許可状態と蓄電禁止状態とに状態が切り替わるリレー回路を備える。即ち、このリレー回路は、バッテリ装置12と複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれとの間を接続する蓄電許可状態と、バッテリ装置12と複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれとの間の接続を遮断する蓄電禁止状態と、に状態が切り替わる。
【0028】
電源制御装置20は、電源出力検出部21(異常状態検出手段、出力電力検出手段)と、電源入力制御部22(切替制御手段の一部)と、蓄電量検出部23(蓄電量検出手段)と、バッテリ制御部24(切替制御手段の一部)と、を備える。
【0029】
電源出力検出部21は、各電源装置11a,11b,…が出力する電力(出力電力)を検出する。更に、電源出力検出部21は、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれに対して、検出された出力電力の大きさが予め設定された異常閾値よりも小さい場合、当該電源装置11a,11b,…の状態が異常な状態(異常状態)であることを検出する。
【0030】
なお、電源出力検出部21は、検出された出力電力の大きさの、予め設定された期間における変動量が、予め設定された閾値変動量よりも大きい場合に、電源装置11a,11b,…の状態が異常状態であることを検出するように構成されていてもよい。
【0031】
蓄電量検出部23は、バッテリ装置12が蓄電している電力の量である蓄電量を検出する。
【0032】
電源入力制御部22は、電源システム1の作動が開始した時、常用系の電源装置である電源装置11b,…のそれぞれに対して、状態を電力入力許可状態に設定し、且つ、冗長系の電源装置である電源装置11aに対して、状態を電力入力禁止状態に設定する。
【0033】
更に、電源入力制御部22は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が、予め設定された下限閾値蓄電量よりも小さい場合、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0034】
その後、電源入力制御部22は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が、予め設定された上限閾値蓄電量よりも大きくなった場合、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力許可状態から電力入力禁止状態へ切り替える。なお、本例では、上限閾値蓄電量は、下限閾値蓄電量よりも大きい。
【0035】
加えて、電源入力制御部22は、電源出力検出部21により、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出された場合、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0036】
バッテリ制御部24は、電源システム1の作動が開始した時、電源システム1の状態を電力供給禁止状態に設定し、且つ、電源システム1の状態を蓄電禁止状態に設定する。
【0037】
また、バッテリ制御部24は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が下限閾値蓄電量よりも小さい場合、電源システム1の状態を蓄電禁止状態から蓄電許可状態へ切り替える。
【0038】
その後、バッテリ制御部24は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が上限閾値蓄電量よりも大きくなった場合、電源システム1の状態を蓄電許可状態から蓄電禁止状態へ切り替える。
【0039】
加えて、バッテリ制御部24は、電源出力検出部21により、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出された場合、電源システム1の状態を電力供給禁止状態から電力供給許可状態へ切り替える。
【0040】
その後、バッテリ制御部24は、電源出力検出部21により、電源装置11aに対して検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、電源システム1の状態を電力供給許可状態から電力供給禁止状態へ切り替える。
【0041】
(作動)
次に、上述した電源システム1の作動について説明する。
先ず、電源制御装置20は、電源システム1の作動が開始した時、常用系の電源装置である電源装置11b,…のそれぞれに対して、状態を電力入力許可状態に設定し、且つ、冗長系の電源装置である電源装置11aに対して、状態を電力入力禁止状態に設定する。更に、この時、電源制御装置20は、電源システム1の状態を電力供給禁止状態に設定し、且つ、電源システム1の状態を蓄電禁止状態に設定する。
【0042】
即ち、この時点では、電源システム1は、常用系の電源装置である電源装置11b,…のそれぞれにより出力される電力を外部負荷2へ供給する。また、バッテリ装置12は、外部負荷2へ電力を供給しない。更に、電源装置11b,…のそれぞれにより出力される電力は、バッテリ装置12へ供給されない。
【0043】
一方、電源制御装置20は、図2にフローチャートにより示した蓄電制御処理を実行するようになっている。
【0044】
具体的に述べると、電源制御装置20は、蓄電制御処理を開始すると、蓄電量が下限閾値蓄電量よりも小さくなるまで待機する(ステップS101)。そして、蓄電量が下限閾値蓄電量よりも小さくなると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS102へ進む。
【0045】
次いで、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)への電力の入力を開始する。具体的には、電源制御装置20は、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0046】
そして、電源制御装置20は、バッテリ装置12への蓄電を開始する(ステップS103)。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を蓄電禁止状態から蓄電許可状態へ切り替える。これにより、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれにより出力される電力の一部が外部負荷2へ供給されるとともに、当該出力される電力の残余の部分がバッテリ装置12へ供給される。その結果、バッテリ装置12は、蓄電池に電力を蓄電していく。
【0047】
次いで、電源制御装置20は、蓄電量が上限閾値蓄電量よりも大きくなるまで待機する(ステップS104)。そして、蓄電量が上限閾値蓄電量よりも大きくなると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS105へ進む。
【0048】
次いで、電源制御装置20は、バッテリ装置12への蓄電を終了する。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を蓄電許可状態から蓄電禁止状態へ切り替える。そして、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)への電力の入力を終了する(ステップS106)。具体的には、電源制御装置20は、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力許可状態から電力入力禁止状態へ切り替える。
【0049】
その後、電源制御装置20は、ステップS101へ戻り、ステップS101〜ステップS106の処理を繰り返し実行する。
【0050】
また、電源制御装置20は、図3にフローチャートにより示した冗長制御処理を実行するようになっている。
【0051】
具体的に述べると、電源制御装置20は、冗長制御処理を開始すると、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出されるまで待機する(ステップS201)。
【0052】
そして、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出されると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS202へ進む。次いで、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)への電力の入力を開始する。具体的には、電源制御装置20は、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0053】
更に、電源制御装置20は、バッテリ装置12から外部負荷2への電力の供給を開始する(ステップS203)。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を電力供給禁止状態から電力供給許可状態へ切り替える。
【0054】
これにより、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれにより出力される電力と、バッテリ装置12により出力される電力と、のすべてが外部負荷2へ供給される。従って、電源装置11aが十分な大きさの電力(閾値電力以上の電力)を出力する前の期間においても、外部負荷2へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0055】
次いで、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)が出力する電力の大きさが閾値電力よりも大きくなるまで待機する(ステップS204)。そして、冗長系の電源装置が出力する電力の大きさが閾値電力よりも大きくなると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS205へ進む。
【0056】
そして、電源制御装置20は、バッテリ装置12から外部負荷2への電力の供給を終了する。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を電力供給許可状態から電力供給禁止状態へ切り替える。これにより、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれにより出力される電力のみが外部負荷2へ供給される。その後、電源制御装置20は、この冗長制御処理の実行を終了する。
【0057】
以上、説明したように、第1実施形態に係る電源システム1によれば、常用系の電源装置11b,…のいずれか(第1の電源装置)の状態が異常状態となった場合、バッテリ装置12が蓄電している電力が外部負荷2へ供給される。これにより、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が十分な大きさの電力を出力する前の期間においても、外部負荷2へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0058】
更に、第1実施形態に係る電源システム1は、常用系の電源装置11b,…のいずれか(第1の電源装置)の状態が異常状態となるまでの間、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)へ電力を入力しない。従って、第1の電源装置の状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置へ電力を入力する場合と比較して、電力変換効率を高めることができる。
【0059】
このように、第1実施形態に係る電源システム1によれば、常用系の電源装置11b,…の状態が異常状態となった場合であっても外部負荷2へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0060】
加えて、第1実施形態に係る電源システム1は、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が出力する電力の大きさが閾値電力よりも大きくなった場合、電源システム1の状態を電力供給禁止状態に切り替える。
【0061】
これによれば、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が十分な大きさの電力を出力するようになった時点にて、バッテリ装置12から外部負荷2への電力の供給が停止される。これにより、バッテリ装置12が蓄電している電力が無駄に消費されることを防止することができる。
【0062】
更に、第1実施形態に係る電源システム1は、電源装置11a,11b,…により出力された電力をバッテリ装置12へ供給可能に構成されている。
これによれば、バッテリ装置12に電力を蓄電させることができる。
【0063】
加えて、第1実施形態に係る電源システム1は、バッテリ装置12の蓄電量が閾値蓄電量よりも小さい場合、電源システム1の状態を電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替え、且つ、電源システム1の状態を蓄電禁止状態から蓄電許可状態へ切り替える。
【0064】
これによれば、バッテリ装置12の蓄電量が比較的小さい場合、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が電力を出力するとともに、電源装置11a,11b,…により出力された電力がバッテリ装置12へ供給される。これにより、外部負荷2に供給される電力が不足することを防止しながら、バッテリ装置12に電力を蓄電させることができる。
【0065】
なお、第1実施形態に係る電源システム1は、冗長用の電源装置を1つだけ用いるように構成されていたが、冗長用の電源装置を複数用いるように構成されていてもよい。この場合、電源システム1は、冗長用の電源装置として用いられる電源装置の数と同じ数だけ、バッテリ装置12を備えていてもよい。また、電源システム1は、冗長用の電源装置として用いられる電源装置により出力される電力の大きさの総和と同じ大きさの電力を出力可能なバッテリ装置12を1つだけ備えていてもよい。
【0066】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電源システムについて図4を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る電源システム100は、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置110a,110b,…を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷200へ供給するように構成されたシステムである。
【0067】
更に、この電源システム100は、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を外部負荷200へ供給するバッテリ装置120を備えるとともに、
上記複数の電源装置110a,110b,…の1つである第1の電源装置110aの状態が異常状態であることを検出する異常状態検出部(異常状態検出手段)131と、
第1の電源装置110aの状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置110a,110b,…の他の1つである第2の電源装置110bへ電力が入力されない電力入力禁止状態から、第2の電源装置110bへ電力が入力される電力入力許可状態へ、電源システム100の状態を切り替え、且つ、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給しない電力供給禁止状態から、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給する電力供給許可状態へ、電源システム100の状態を切り替える切替制御部(切替制御手段)132と、
を備える。
【0068】
これによれば、第1の電源装置110aの状態が異常状態となった場合、バッテリ装置120が蓄電している電力が外部負荷200へ供給される。これにより、第2の電源装置110bが十分な大きさの電力を出力する前の期間においても、外部負荷200へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0069】
即ち、上記構成によれば、第1の電源装置110aの状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置110bへ電力を入力しないように構成した場合であっても、第1の電源装置110aの状態が異常状態となった場合に、外部負荷200へ供給する電力が不足することを防止することができる。従って、第1の電源装置110aの状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置110bへ電力を入力する場合と比較して、電力変換効率を高めることができる。
【0070】
このように、上記構成によれば、第1の電源装置110aの状態が異常状態となった場合であっても外部負荷200へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0071】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0072】
なお、上記各実施形態において電源システムの各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、電源システムは、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。
【0073】
この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0074】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0075】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0076】
(付記1)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムであって、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備えるとともに、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源システム。
【0077】
これによれば、第1の電源装置の状態が異常状態となった場合、バッテリ装置が蓄電している電力が外部負荷へ供給される。これにより、第2の電源装置が十分な大きさの電力を出力する前の期間においても、外部負荷へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0078】
即ち、上記構成によれば、第1の電源装置の状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置へ電力を入力しないように構成した場合であっても、第1の電源装置の状態が異常状態となった場合に、外部負荷へ供給する電力が不足することを防止することができる。従って、第1の電源装置の状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置へ電力を入力する場合と比較して、電力変換効率を高めることができる。
【0079】
このように、上記構成によれば、電源装置の状態が異常状態となった場合であっても外部負荷へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0080】
(付記2)
付記1に記載の電源システムであって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源システム。
【0081】
これによれば、第2の電源装置が十分な大きさの電力を出力するようになった時点にて、バッテリ装置から外部負荷への電力の供給が停止される。これにより、バッテリ装置が蓄電している電力が無駄に消費されることを防止することができる。
【0082】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の電源システムであって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源システム。
【0083】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の電源システムであって、
前記電源装置により出力された電力を前記バッテリ装置へ供給する蓄電許可状態と、当該電源装置により出力された電力を当該バッテリ装置へ供給しない蓄電禁止状態と、に前記電源システムの状態が切り替わるように構成された電源システム。
【0084】
これによれば、バッテリ装置に電力を蓄電させることができる。
【0085】
(付記5)
付記4に記載の電源システムであって、
前記バッテリ装置が蓄電している電力の量である蓄電量を検出する蓄電量検出手段を備え、
前記切替制御手段は、
前記検出された蓄電量が予め設定された閾値蓄電量よりも小さい場合、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態から前記電力入力許可状態へ切り替え、且つ、前記電源システムの状態を前記蓄電禁止状態から前記蓄電許可状態へ切り替えるように構成された電源システム。
【0086】
これによれば、バッテリ装置の蓄電量が比較的小さい場合、第2の電源装置が電力を出力するとともに、電源装置により出力された電力がバッテリ装置へ供給される。これにより、外部負荷に供給される電力が不足することを防止しながら、バッテリ装置に電力を蓄電させることができる。
【0087】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の電源システムであって、
前記電源装置は、交流電力を入力し、当該入力された交流電力を直流電力に変換し、当該変換された直流電力を出力するように構成された電源システム。
【0088】
(付記7)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムに適用される電源制御方法であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御方法は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出し、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える、電源制御方法。
【0089】
(付記8)
付記7に記載の電源制御方法であって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出し、
前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替える、電源制御方法。
【0090】
(付記9)
付記7又は付記8に記載の電源制御方法であって、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持する、電源制御方法。
【0091】
(付記10)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御装置は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源制御装置。
【0092】
(付記11)
付記10に記載の電源制御装置であって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源制御装置。
【0093】
(付記12)
付記10又は付記11に記載の電源制御装置であって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源制御装置。
【0094】
(付記13)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置が実行するプログラムであって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記プログラムは、前記電源制御装置に、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0095】
(付記14)
付記13に記載のプログラムであって、
前記電源制御装置に、更に、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を実現させるとともに、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成されたプログラム。
【0096】
(付記15)
付記13又は付記14に記載のプログラムであって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成されたプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、複数の電源装置を備える電源システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 電源システム
2 外部負荷
11a,11b,… 電源装置
12 バッテリ装置
20 電源制御装置
21 電源出力検出部
22 電源入力制御部
23 蓄電量検出部
24 バッテリ制御部
100 電源システム
110a,110b,… 電源装置
120 バッテリ装置
131 異常状態検出部
132 切替制御部
200 外部負荷
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電源装置を備える電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムが知られている。この種の電源システムの一つとして、特許文献1に記載の電源システムは、1つの電源装置の状態が異常な状態(異常状態)となった場合であっても、他の電源装置を用いて、外部負荷が要求する電力を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電源装置への電力の入力が開始してから、当該電源装置が十分な大きさの電力を出力するようになるまでには、所定の遅延時間を要する。従って、電源装置の状態が異常状態となった場合に、外部負荷へ供給する電力が不足することを回避するために、上記電源システムは、予めすべての電源装置へ電力を入力する。即ち、上記電源システムは、ホットスタンバイ方式にて作動する。
【0005】
一方、電源装置が電力を変換する効率(電力変換効率)は、当該電源装置に対する負荷(即ち、当該電源装置が出力する電力の大きさ)が過度に小さくなると、低下してしまう。また、上記電源システムは、上述したように、すべての電源装置により出力される電力を外部負荷へ供給する。従って、いずれかの電源装置の状態が異常状態となるまでの間、各電源装置に対する負荷は、比較的小さくなる。このため、上記電源システムにおいては、電力変換効率が過度に低下してしまう虞があった。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「電源装置の状態が異常状態となったときに外部負荷へ供給する電力が不足する場合が生じること、及び、電力変換効率が過度に低下する場合が生じること」を解決することが可能な電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である電源システムは、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成されたシステムである。
【0008】
更に、この電源システムは、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備えるとともに、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える。
【0009】
また、本発明の他の形態である電源制御方法は、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムに適用される方法である。
【0010】
更に、上記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備える。
加えて、上記電源制御方法は、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出し、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える、方法である。
【0011】
また、本発明の他の形態である電源制御装置は、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する装置である。
【0012】
更に、上記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備える。
加えて、上記電源制御装置は、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置が実行するプログラムである。
【0014】
更に、上記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備える。
加えて、上記プログラムは、上記電源制御装置に、
上記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
上記第1の電源装置の状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替え、且つ、上記バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を上記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、上記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されることにより、電源装置の状態が異常状態となった場合であっても外部負荷へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電源システムの概略構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電源制御装置が実行する蓄電制御処理を示したフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電源制御装置が実行する冗長制御処理を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電源システムの概略構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る、電源システム、電源制御方法、電源制御装置、及び、プログラム、の各実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0018】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る電源システム1は、複数の電源装置11a,11b,…と、バッテリ装置12と、電源制御装置20と、を備える。
【0019】
各電源装置11a,11b,…は、外部電源(例えば、商用電源等)から供給される交流電力を入力し、当該入力された交流電力を直流電力に変換し、当該変換された直流電力を出力する。本例では、電源装置11aは、冗長系(即ち、予備)の電源装置(本明細書において、「第2の電源装置」とも表記される)である。また、電源装置11b,…のそれぞれは、常用(運用)系の電源装置(本明細書において、「第1の電源装置」とも表記される)である。
【0020】
バッテリ装置12は、蓄電池を備える。バッテリ装置12は、入力された電力を蓄電池に蓄電するとともに当該蓄電されている電力を出力する。
【0021】
電源システム1は、各電源装置11a,11b,…により出力された電力を外部負荷2へ供給可能に構成されている。本例では、外部負荷2は、サーバ装置(情報処理装置)である。なお、外部負荷2は、サーバ装置以外の、電力によって駆動される装置又は機器等であってもよい。
更に、電源システム1は、バッテリ装置12により出力された電力を外部負荷2へ供給可能に構成されている。
【0022】
また、電源システム1は、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれに対して、当該電源装置11a,11b,…へ電力を入力する電力入力許可状態と、当該電源装置11a,11b,…へ電力を入力しない電力入力禁止状態と、に電源システム1の状態が切り替わるように構成されている。
【0023】
本例では、電源システム1は、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれに対して、電力入力許可状態と電力入力禁止状態とに状態が切り替わるリレー回路を備える。即ち、各リレー回路は、外部電源と、ある電源装置11a,11b,…と、の間を接続する電力入力許可状態と、外部電源と、当該電源装置11a,11b,…と、の間の接続を遮断する電力入力禁止状態と、に状態が切り替わる。
【0024】
また、電源システム1は、バッテリ装置12に蓄電されている電力を外部負荷2へ供給する電力供給許可状態と、バッテリ装置12に蓄電されている電力を外部負荷2へ供給しない電力供給禁止状態と、に電源システム1の状態が切り替わるように構成されている。
【0025】
本例では、電源システム1は、電力供給許可状態と電力供給禁止状態とに状態が切り替わるリレー回路を備える。即ち、このリレー回路は、外部負荷2とバッテリ装置12との間を接続する電力供給許可状態と、外部負荷2とバッテリ装置12との間の接続を遮断する電力供給禁止状態と、に状態が切り替わる。
【0026】
また、電源システム1は、各電源装置11a,11b,…により出力された電力をバッテリ装置12へ供給する蓄電許可状態と、各電源装置11a,11b,…により出力された電力をバッテリ装置12へ供給しない蓄電禁止状態と、に電源システム1の状態が切り替わるように構成されている。
【0027】
本例では、電源システム1は、蓄電許可状態と蓄電禁止状態とに状態が切り替わるリレー回路を備える。即ち、このリレー回路は、バッテリ装置12と複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれとの間を接続する蓄電許可状態と、バッテリ装置12と複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれとの間の接続を遮断する蓄電禁止状態と、に状態が切り替わる。
【0028】
電源制御装置20は、電源出力検出部21(異常状態検出手段、出力電力検出手段)と、電源入力制御部22(切替制御手段の一部)と、蓄電量検出部23(蓄電量検出手段)と、バッテリ制御部24(切替制御手段の一部)と、を備える。
【0029】
電源出力検出部21は、各電源装置11a,11b,…が出力する電力(出力電力)を検出する。更に、電源出力検出部21は、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれに対して、検出された出力電力の大きさが予め設定された異常閾値よりも小さい場合、当該電源装置11a,11b,…の状態が異常な状態(異常状態)であることを検出する。
【0030】
なお、電源出力検出部21は、検出された出力電力の大きさの、予め設定された期間における変動量が、予め設定された閾値変動量よりも大きい場合に、電源装置11a,11b,…の状態が異常状態であることを検出するように構成されていてもよい。
【0031】
蓄電量検出部23は、バッテリ装置12が蓄電している電力の量である蓄電量を検出する。
【0032】
電源入力制御部22は、電源システム1の作動が開始した時、常用系の電源装置である電源装置11b,…のそれぞれに対して、状態を電力入力許可状態に設定し、且つ、冗長系の電源装置である電源装置11aに対して、状態を電力入力禁止状態に設定する。
【0033】
更に、電源入力制御部22は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が、予め設定された下限閾値蓄電量よりも小さい場合、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0034】
その後、電源入力制御部22は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が、予め設定された上限閾値蓄電量よりも大きくなった場合、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力許可状態から電力入力禁止状態へ切り替える。なお、本例では、上限閾値蓄電量は、下限閾値蓄電量よりも大きい。
【0035】
加えて、電源入力制御部22は、電源出力検出部21により、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出された場合、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0036】
バッテリ制御部24は、電源システム1の作動が開始した時、電源システム1の状態を電力供給禁止状態に設定し、且つ、電源システム1の状態を蓄電禁止状態に設定する。
【0037】
また、バッテリ制御部24は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が下限閾値蓄電量よりも小さい場合、電源システム1の状態を蓄電禁止状態から蓄電許可状態へ切り替える。
【0038】
その後、バッテリ制御部24は、蓄電量検出部23により検出された蓄電量が上限閾値蓄電量よりも大きくなった場合、電源システム1の状態を蓄電許可状態から蓄電禁止状態へ切り替える。
【0039】
加えて、バッテリ制御部24は、電源出力検出部21により、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出された場合、電源システム1の状態を電力供給禁止状態から電力供給許可状態へ切り替える。
【0040】
その後、バッテリ制御部24は、電源出力検出部21により、電源装置11aに対して検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、電源システム1の状態を電力供給許可状態から電力供給禁止状態へ切り替える。
【0041】
(作動)
次に、上述した電源システム1の作動について説明する。
先ず、電源制御装置20は、電源システム1の作動が開始した時、常用系の電源装置である電源装置11b,…のそれぞれに対して、状態を電力入力許可状態に設定し、且つ、冗長系の電源装置である電源装置11aに対して、状態を電力入力禁止状態に設定する。更に、この時、電源制御装置20は、電源システム1の状態を電力供給禁止状態に設定し、且つ、電源システム1の状態を蓄電禁止状態に設定する。
【0042】
即ち、この時点では、電源システム1は、常用系の電源装置である電源装置11b,…のそれぞれにより出力される電力を外部負荷2へ供給する。また、バッテリ装置12は、外部負荷2へ電力を供給しない。更に、電源装置11b,…のそれぞれにより出力される電力は、バッテリ装置12へ供給されない。
【0043】
一方、電源制御装置20は、図2にフローチャートにより示した蓄電制御処理を実行するようになっている。
【0044】
具体的に述べると、電源制御装置20は、蓄電制御処理を開始すると、蓄電量が下限閾値蓄電量よりも小さくなるまで待機する(ステップS101)。そして、蓄電量が下限閾値蓄電量よりも小さくなると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS102へ進む。
【0045】
次いで、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)への電力の入力を開始する。具体的には、電源制御装置20は、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0046】
そして、電源制御装置20は、バッテリ装置12への蓄電を開始する(ステップS103)。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を蓄電禁止状態から蓄電許可状態へ切り替える。これにより、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれにより出力される電力の一部が外部負荷2へ供給されるとともに、当該出力される電力の残余の部分がバッテリ装置12へ供給される。その結果、バッテリ装置12は、蓄電池に電力を蓄電していく。
【0047】
次いで、電源制御装置20は、蓄電量が上限閾値蓄電量よりも大きくなるまで待機する(ステップS104)。そして、蓄電量が上限閾値蓄電量よりも大きくなると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS105へ進む。
【0048】
次いで、電源制御装置20は、バッテリ装置12への蓄電を終了する。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を蓄電許可状態から蓄電禁止状態へ切り替える。そして、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)への電力の入力を終了する(ステップS106)。具体的には、電源制御装置20は、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力許可状態から電力入力禁止状態へ切り替える。
【0049】
その後、電源制御装置20は、ステップS101へ戻り、ステップS101〜ステップS106の処理を繰り返し実行する。
【0050】
また、電源制御装置20は、図3にフローチャートにより示した冗長制御処理を実行するようになっている。
【0051】
具体的に述べると、電源制御装置20は、冗長制御処理を開始すると、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出されるまで待機する(ステップS201)。
【0052】
そして、常用系の電源装置11b,…のいずれかの状態が異常状態であることが検出されると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS202へ進む。次いで、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)への電力の入力を開始する。具体的には、電源制御装置20は、電源装置11aに対する電源システム1の状態を、電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替える。
【0053】
更に、電源制御装置20は、バッテリ装置12から外部負荷2への電力の供給を開始する(ステップS203)。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を電力供給禁止状態から電力供給許可状態へ切り替える。
【0054】
これにより、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれにより出力される電力と、バッテリ装置12により出力される電力と、のすべてが外部負荷2へ供給される。従って、電源装置11aが十分な大きさの電力(閾値電力以上の電力)を出力する前の期間においても、外部負荷2へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0055】
次いで、電源制御装置20は、冗長系の電源装置(本例では、電源装置11a)が出力する電力の大きさが閾値電力よりも大きくなるまで待機する(ステップS204)。そして、冗長系の電源装置が出力する電力の大きさが閾値電力よりも大きくなると、電源制御装置20は、「Yes」と判定してステップS205へ進む。
【0056】
そして、電源制御装置20は、バッテリ装置12から外部負荷2への電力の供給を終了する。具体的には、電源制御装置20は、電源システム1の状態を電力供給許可状態から電力供給禁止状態へ切り替える。これにより、複数の電源装置11a,11b,…のそれぞれにより出力される電力のみが外部負荷2へ供給される。その後、電源制御装置20は、この冗長制御処理の実行を終了する。
【0057】
以上、説明したように、第1実施形態に係る電源システム1によれば、常用系の電源装置11b,…のいずれか(第1の電源装置)の状態が異常状態となった場合、バッテリ装置12が蓄電している電力が外部負荷2へ供給される。これにより、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が十分な大きさの電力を出力する前の期間においても、外部負荷2へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0058】
更に、第1実施形態に係る電源システム1は、常用系の電源装置11b,…のいずれか(第1の電源装置)の状態が異常状態となるまでの間、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)へ電力を入力しない。従って、第1の電源装置の状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置へ電力を入力する場合と比較して、電力変換効率を高めることができる。
【0059】
このように、第1実施形態に係る電源システム1によれば、常用系の電源装置11b,…の状態が異常状態となった場合であっても外部負荷2へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0060】
加えて、第1実施形態に係る電源システム1は、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が出力する電力の大きさが閾値電力よりも大きくなった場合、電源システム1の状態を電力供給禁止状態に切り替える。
【0061】
これによれば、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が十分な大きさの電力を出力するようになった時点にて、バッテリ装置12から外部負荷2への電力の供給が停止される。これにより、バッテリ装置12が蓄電している電力が無駄に消費されることを防止することができる。
【0062】
更に、第1実施形態に係る電源システム1は、電源装置11a,11b,…により出力された電力をバッテリ装置12へ供給可能に構成されている。
これによれば、バッテリ装置12に電力を蓄電させることができる。
【0063】
加えて、第1実施形態に係る電源システム1は、バッテリ装置12の蓄電量が閾値蓄電量よりも小さい場合、電源システム1の状態を電力入力禁止状態から電力入力許可状態へ切り替え、且つ、電源システム1の状態を蓄電禁止状態から蓄電許可状態へ切り替える。
【0064】
これによれば、バッテリ装置12の蓄電量が比較的小さい場合、冗長系の電源装置11a(第2の電源装置)が電力を出力するとともに、電源装置11a,11b,…により出力された電力がバッテリ装置12へ供給される。これにより、外部負荷2に供給される電力が不足することを防止しながら、バッテリ装置12に電力を蓄電させることができる。
【0065】
なお、第1実施形態に係る電源システム1は、冗長用の電源装置を1つだけ用いるように構成されていたが、冗長用の電源装置を複数用いるように構成されていてもよい。この場合、電源システム1は、冗長用の電源装置として用いられる電源装置の数と同じ数だけ、バッテリ装置12を備えていてもよい。また、電源システム1は、冗長用の電源装置として用いられる電源装置により出力される電力の大きさの総和と同じ大きさの電力を出力可能なバッテリ装置12を1つだけ備えていてもよい。
【0066】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電源システムについて図4を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る電源システム100は、
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置110a,110b,…を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷200へ供給するように構成されたシステムである。
【0067】
更に、この電源システム100は、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を外部負荷200へ供給するバッテリ装置120を備えるとともに、
上記複数の電源装置110a,110b,…の1つである第1の電源装置110aの状態が異常状態であることを検出する異常状態検出部(異常状態検出手段)131と、
第1の電源装置110aの状態が上記異常状態であることが検出された場合、上記複数の電源装置110a,110b,…の他の1つである第2の電源装置110bへ電力が入力されない電力入力禁止状態から、第2の電源装置110bへ電力が入力される電力入力許可状態へ、電源システム100の状態を切り替え、且つ、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給しない電力供給禁止状態から、バッテリ装置120に蓄電されている電力を外部負荷200へ供給する電力供給許可状態へ、電源システム100の状態を切り替える切替制御部(切替制御手段)132と、
を備える。
【0068】
これによれば、第1の電源装置110aの状態が異常状態となった場合、バッテリ装置120が蓄電している電力が外部負荷200へ供給される。これにより、第2の電源装置110bが十分な大きさの電力を出力する前の期間においても、外部負荷200へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0069】
即ち、上記構成によれば、第1の電源装置110aの状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置110bへ電力を入力しないように構成した場合であっても、第1の電源装置110aの状態が異常状態となった場合に、外部負荷200へ供給する電力が不足することを防止することができる。従って、第1の電源装置110aの状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置110bへ電力を入力する場合と比較して、電力変換効率を高めることができる。
【0070】
このように、上記構成によれば、第1の電源装置110aの状態が異常状態となった場合であっても外部負荷200へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0071】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0072】
なお、上記各実施形態において電源システムの各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、電源システムは、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。
【0073】
この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0074】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0075】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0076】
(付記1)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムであって、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備えるとともに、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源システム。
【0077】
これによれば、第1の電源装置の状態が異常状態となった場合、バッテリ装置が蓄電している電力が外部負荷へ供給される。これにより、第2の電源装置が十分な大きさの電力を出力する前の期間においても、外部負荷へ供給する電力が不足することを防止することができる。
【0078】
即ち、上記構成によれば、第1の電源装置の状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置へ電力を入力しないように構成した場合であっても、第1の電源装置の状態が異常状態となった場合に、外部負荷へ供給する電力が不足することを防止することができる。従って、第1の電源装置の状態が異常状態となるまでの間、第2の電源装置へ電力を入力する場合と比較して、電力変換効率を高めることができる。
【0079】
このように、上記構成によれば、電源装置の状態が異常状態となった場合であっても外部負荷へ供給する電力が不足することを防止しながら、電力変換効率を高めることができる。
【0080】
(付記2)
付記1に記載の電源システムであって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源システム。
【0081】
これによれば、第2の電源装置が十分な大きさの電力を出力するようになった時点にて、バッテリ装置から外部負荷への電力の供給が停止される。これにより、バッテリ装置が蓄電している電力が無駄に消費されることを防止することができる。
【0082】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の電源システムであって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源システム。
【0083】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の電源システムであって、
前記電源装置により出力された電力を前記バッテリ装置へ供給する蓄電許可状態と、当該電源装置により出力された電力を当該バッテリ装置へ供給しない蓄電禁止状態と、に前記電源システムの状態が切り替わるように構成された電源システム。
【0084】
これによれば、バッテリ装置に電力を蓄電させることができる。
【0085】
(付記5)
付記4に記載の電源システムであって、
前記バッテリ装置が蓄電している電力の量である蓄電量を検出する蓄電量検出手段を備え、
前記切替制御手段は、
前記検出された蓄電量が予め設定された閾値蓄電量よりも小さい場合、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態から前記電力入力許可状態へ切り替え、且つ、前記電源システムの状態を前記蓄電禁止状態から前記蓄電許可状態へ切り替えるように構成された電源システム。
【0086】
これによれば、バッテリ装置の蓄電量が比較的小さい場合、第2の電源装置が電力を出力するとともに、電源装置により出力された電力がバッテリ装置へ供給される。これにより、外部負荷に供給される電力が不足することを防止しながら、バッテリ装置に電力を蓄電させることができる。
【0087】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の電源システムであって、
前記電源装置は、交流電力を入力し、当該入力された交流電力を直流電力に変換し、当該変換された直流電力を出力するように構成された電源システム。
【0088】
(付記7)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムに適用される電源制御方法であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御方法は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出し、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える、電源制御方法。
【0089】
(付記8)
付記7に記載の電源制御方法であって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出し、
前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替える、電源制御方法。
【0090】
(付記9)
付記7又は付記8に記載の電源制御方法であって、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持する、電源制御方法。
【0091】
(付記10)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御装置は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源制御装置。
【0092】
(付記11)
付記10に記載の電源制御装置であって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源制御装置。
【0093】
(付記12)
付記10又は付記11に記載の電源制御装置であって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源制御装置。
【0094】
(付記13)
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置が実行するプログラムであって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記プログラムは、前記電源制御装置に、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0095】
(付記14)
付記13に記載のプログラムであって、
前記電源制御装置に、更に、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を実現させるとともに、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成されたプログラム。
【0096】
(付記15)
付記13又は付記14に記載のプログラムであって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成されたプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、複数の電源装置を備える電源システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 電源システム
2 外部負荷
11a,11b,… 電源装置
12 バッテリ装置
20 電源制御装置
21 電源出力検出部
22 電源入力制御部
23 蓄電量検出部
24 バッテリ制御部
100 電源システム
110a,110b,… 電源装置
120 バッテリ装置
131 異常状態検出部
132 切替制御部
200 外部負荷
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムであって、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備えるとともに、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電源システムであって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電源システムであって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電源システムであって、
前記電源装置により出力された電力を前記バッテリ装置へ供給する蓄電許可状態と、当該電源装置により出力された電力を当該バッテリ装置へ供給しない蓄電禁止状態と、に前記電源システムの状態が切り替わるように構成された電源システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電源システムであって、
前記バッテリ装置が蓄電している電力の量である蓄電量を検出する蓄電量検出手段を備え、
前記切替制御手段は、
前記検出された蓄電量が予め設定された閾値蓄電量よりも小さい場合、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態から前記電力入力許可状態へ切り替え、且つ、前記電源システムの状態を前記蓄電禁止状態から前記蓄電許可状態へ切り替えるように構成された電源システム。
【請求項6】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムに適用される電源制御方法であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御方法は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出し、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える、電源制御方法。
【請求項7】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御装置は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電源制御装置であって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源制御装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の電源制御装置であって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源制御装置。
【請求項10】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置が実行するプログラムであって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記プログラムは、前記電源制御装置に、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムであって、
入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備えるとともに、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電源システムであって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電源システムであって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電源システムであって、
前記電源装置により出力された電力を前記バッテリ装置へ供給する蓄電許可状態と、当該電源装置により出力された電力を当該バッテリ装置へ供給しない蓄電禁止状態と、に前記電源システムの状態が切り替わるように構成された電源システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電源システムであって、
前記バッテリ装置が蓄電している電力の量である蓄電量を検出する蓄電量検出手段を備え、
前記切替制御手段は、
前記検出された蓄電量が予め設定された閾値蓄電量よりも小さい場合、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態から前記電力入力許可状態へ切り替え、且つ、前記電源システムの状態を前記蓄電禁止状態から前記蓄電許可状態へ切り替えるように構成された電源システム。
【請求項6】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムに適用される電源制御方法であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御方法は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出し、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える、電源制御方法。
【請求項7】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置であって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記電源制御装置は、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を備える電源制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電源制御装置であって、
前記第2の電源装置が出力する電力を検出する出力電力検出手段を備え、
前記切替制御手段は、前記検出された電力の大きさが、予め設定された閾値電力よりも大きくなった場合、前記電源システムの状態を前記電力供給禁止状態に切り替えるように構成された電源制御装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の電源制御装置であって、
前記切替制御手段は、前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出されるまでの間、前記電源システムの状態を前記電力入力禁止状態に維持するように構成された電源制御装置。
【請求項10】
入力された電力を変換し、当該変換された電力を出力する電源装置を複数備えるとともに、当該出力された電力を外部負荷へ供給するように構成された電源システムを制御する電源制御装置が実行するプログラムであって、
前記電源システムは、入力された電力を蓄電するとともに当該蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給するバッテリ装置を備え、
前記プログラムは、前記電源制御装置に、
前記複数の電源装置の1つである第1の電源装置の状態が異常状態であることを検出する異常状態検出手段と、
前記第1の電源装置の状態が前記異常状態であることが検出された場合、前記複数の電源装置の他の1つである第2の電源装置へ電力が入力されない電力入力禁止状態から、当該第2の電源装置へ電力が入力される電力入力許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替え、且つ、前記バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給しない電力供給禁止状態から、当該バッテリ装置に蓄電されている電力を前記外部負荷へ供給する電力供給許可状態へ、前記電源システムの状態を切り替える切替制御手段と、
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−105383(P2012−105383A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249262(P2010−249262)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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