説明

電源システム及びその動作方法

【課題】特定の電源装置が過剰に高い出力電圧を出力した場合に、電源装置を迅速に負荷から切り離すことができる電源システムを提供する。
【解決手段】電源システムが、共通出力端Xに接続された電源装置1A、1Bを備えている。電源装置1Aは、出力電圧を出力端Y_Aから出力する電源回路11Aと、出力端Y_Aと共通出力端Xの間に直列に接続されたNチャンネルFETQ1、Q2とを備えている。電源装置1Bは、それぞれ、出力電圧を出力端Y_Bから出力する電源回路11Bと、出力端Y_Bと共通出力端Xの間に直列に接続されたNチャンネルFETQ3、Q4を備えている。NチャンネルFETQ2、Q4のオンオフは、共通出力端Xの電圧に応答して制御される。NチャンネルFETQ1、Q3のオンオフは、それぞれ、電源装置1A、1Bの出力端Y_A、Y_Bの電圧に応答して制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関し、特に、複数の電源が並列に接続されて電力を供給する電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源システムに一般的に採用される構成の一つが、複数の電源装置を並列に接続する並列構成である。並列構成の電源システムは、例えば、特開平6−70544号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
並列構成の電源システムでは、一つの電源装置が故障した場合に故障した電源装置を負荷から切り離し、他の電源装置で電力供給を継続する動作がなされることがある。例えば、特開平10−27030号公報(特許文献2)は、平滑キャパシタがショートしたときに安定化電源回路を負荷から切り離す為の電源システムの構成を開示している。この公報に開示された技術では、内部ダイオードが逆向きになるように直列接続されたFET(field effect transistor)が安定化電源回路を負荷から切り離すために使用されている。ボディダイオードが逆向きになるように直列接続されたFETを用いたスイッチを電源システムに用いる技術については、特開平10−112939号公報(特許文献3)にも開示されている。
【0004】
一方、特開平8−149810号公報(特許文献4)は、特定の電源装置が過剰に高い出力電圧を出力し始めた場合に、当該電源装置を停止させると共に、当該電源装置を負荷から切り離す電源システムを開示している。電源装置と負荷の間には電源装置から負荷の向きが順方向であるようにダイオードが接続されている。この電源システムでは、特定の電源装置が過剰に高い出力電圧を出力する状態になると、当該電源装置のスイッチングトランジスタのオンオフ制御が停止されて当該電源装置の出力電圧が低下する。出力電圧が低下すると、ダイオードがオフ状態になり、電源装置が負荷から切り離される。
【0005】
しかしながら、特開平8−149810号公報に記載の技術では、出力電圧の低下と共にダイオードが自然にオフすることによって電源装置が負荷から切り離されるため、電源装置を負荷から切り離すのに時間がかかる。これは、負荷に加えられる電圧ストレスを低減させるという点では好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−70544号公報
【特許文献2】特開平10−27030号公報
【特許文献3】特開平10−112939号公報
【特許文献4】特開平8−149810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、特定の電源装置が過剰に高い出力電圧を出力した場合に、電源装置を迅速に負荷から切り離すことを可能にするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の観点では、電源システムが、負荷が接続される共通出力端に接続された複数の電源装置を備えている。複数の電源装置のそれぞれは、出力電圧を出力端から出力する電源回路と、電源回路の出力端と共通出力端の間に接続された外側スイッチと、電源回路の出力端と外側スイッチの間に外側スイッチと直列に接続された内側スイッチと、外側スイッチと内側スイッチとを制御する制御回路部とを備えている。制御回路部は、共通出力端の電圧に応答して外側スイッチのオンオフを制御し、且つ、電源回路の出力端の電圧に応答して内側スイッチのオンオフを制御する。
【0009】
本発明の他の観点では、負荷が接続される共通出力端に接続された複数の電源装置を備え、複数の電源装置のそれぞれが、出力電圧を出力端から出力する電源回路と、電源回路の出力端と共通出力端の間に接続された外側スイッチと、電源回路の出力端と外側スイッチの間に外側スイッチと直列に接続された内側スイッチとを備える電源システムの動作方法が提供される。当該動作方法は、共通出力端の電圧を検出するステップと、電源回路の出力端の電圧を検出するステップと、共通出力端の電圧に応答して外側スイッチのオンオフを制御するステップと、電源回路の出力端の電圧に応答して内側スイッチのオンオフを制御するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特定の電源装置が過剰に高い出力電圧を出力した場合に、電源装置を迅速に負荷から切り離すことができる電源システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の電源システムの構成を示す回路図である。
【図2】図1の電源システムの電源装置の構成を示す回路図である。
【図3】本実施形態における電源システムの動作を示す電圧波形図である。
【図4】本発明の他の実施形態の電源システムの構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の電源システムの構成を示す回路図である。本実施形態の電源システムは、2つの電源装置1A、1Bを備えている。電源装置1A、1Bの出力端は、負荷2に接続されている共通出力端Xに並列に接続されている。電源装置1Aは、電源回路11Aと、2つのNチャンネルFETQ1、Q2と、ドライバ12A、13Aと、過電圧検出回路14Aとを備えている。
【0013】
電源回路11Aは、出力すべき電源電圧を生成する回路である。後述されるように、過電圧が過電圧検出回路14Aによって検出されると、電源回路11Aは、過電圧検出回路14Aから供給される制御信号POW_OFFに応答して動作が停止される。
【0014】
NチャンネルFETQ1、Q2は、電源回路11Aから負荷2への給電経路の上に直列接続されている。NチャンネルFETQ1、Q2は、その内部ダイオード(ボディダイオード)の向きが互いに逆になるように、接続されている。詳細には、NチャンネルFETQ1のドレインは、電源回路11Aの出力端Y_Aに接続され、NチャンネルFETQ1のソースは、NチャンネルFETQ2のソースに接続され、NチャンネルFETQ2のドレインは、共通出力端Xに接続されている。このような接続によれば、NチャンネルFETQ1の内部ダイオードについてはNチャンネルFETQ2から出力端Y_Aに向かう方向が順方向になり、NチャンネルFETQ2の内部ダイオードについてはNチャンネルFETQ1から共通出力端Xに向かう方向が順方向になる。また、NチャンネルFETQ1のゲートはドライバ12Aに接続され、NチャンネルFETQ2のゲートはドライバ13Aに接続されている。NチャンネルFETQ1は、電源装置1Aの内側スイッチとして機能し、NチャンネルFETQ2は、外側スイッチとして機能する。
【0015】
ドライバ12A、13A及び過電圧検出回路14Aは、NチャンネルFETQ1、Q2のオンオフを制御する為の制御回路部である。詳細には、ドライバ12A、13Aは、それぞれ、NチャンネルFETQ1、Q2のゲートを駆動してNチャンネルFETQ1、Q2のオンオフを制御する。過電圧検出回路14Aは、共通出力端Xの電圧と電源回路11Aの出力端Y_Aの電圧に応答して制御信号S1A、S1Bを生成し、ドライバ12A、12Bに供給する。ドライバ12A、13Aの動作は、制御信号S1A、S1Bに応じて制御される。過電圧検出回路14Aは、更に、必要な場合に電源回路11Aの動作を停止させる制御を行うための制御信号POW_OFFを生成する。
【0016】
電源装置1Bも、電源装置1Aと同様の構成を有している。詳細には、電源装置1Bは、電源回路11Bと、2つのNチャンネルFETQ3、Q4と、ドライバ12B、13Bと、過電圧検出回路14Bとを備えている。電源装置1Bの出力端Y_Bは電源装置1Aの出力端Y_Aに、NMOSトランジスタQ3、Q4はNMOSトランジスタQ1、Q2に、ドライバ12B、13Bはドライバ12A、13Aに、過電圧検出回路14Bは過電圧検出回路14Aに対応しており、電源装置1Bの構成と動作は、電源装置1Aと全く同一である。
【0017】
図2は、電源装置1A、1Bの内部回路の構成の例を示す詳細図である。以下では、電源装置1Aの内部回路の構成を説明するが、電源装置1Bも同様の構成を有していることに留意されたい。
【0018】
過電圧検出回路14Aは、コンパレータZ1、Z2と、ANDゲートZ3と、抵抗素子R3、R4、R7、R8とを備えている。抵抗素子R3、R4は、電源回路11Aの出力端Y_Aと接地端子の間に直列に接続されている。抵抗素子R3、R4との接続ノードがコンパレータZ1の非反転入力に接続され、コンパレータZ1の反転入力には基準電圧Vref1が供給される。また、抵抗素子R7、R8は、共通出力端Xと接地端子の間に直列に接続されている。抵抗素子R7、R8の接続ノードがコンパレータZ2の非反転入力に接続され、コンパレータZ2の反転入力には、基準電圧Vref2が供給される。コンパレータZ1、Z2の出力は、ANDゲートZ3の入力に接続されている。ドライバ12Aに供給される制御信号S1Aは、ANDゲートZ3の出力から出力され、ドライバ12Bに供給される制御信号S2Aは、コンパレータZ2の出力から出力される。また、電源回路11Aのオンオフを制御する制御信号POW_OFFは、コンパレータZ1の出力から出力される。
【0019】
基準電圧Vref1、Vref2は、コンパレータZ1の出力がLOWレベルからHIGHレベルに反転される出力端Y_Aの電圧(以下、「基準電圧Vi」という。)が、コンパレータZ2の出力がLOWレベルからHIGHレベルに反転される共通出力端Xの電圧(以下、「基準電圧Vo」という。)よりも高いように設定されている。このような設定によれば、出力端Y_Aの電圧と共通出力端Xの電圧が同一であり、且つ、出力端Y_Aと共通出力端Xの電圧が上昇した場合には、まず、コンパレータZ2の出力がLOWレベルからHIGHレベルに反転されることに留意されたい。
【0020】
ドライバ12Aは、抵抗素子R1、R2と、NPNトランジスタQ5とを備えている。抵抗素子R1、R2は、電源電圧VCCを有する電源端子と接地端子の間に直列に接続されており、抵抗素子R1、R2の接続点は、NPNトランジスタQ5のコレクタに接続されると共に、NチャンネルFETQ1のゲートにも接続されている。NPNトランジスタQ5のベースはANDゲートZ3の出力に接続され、エミッタは接地端子に接続される。ドライバ12Aを制御する制御信号S1Aは、NPNトランジスタQ5のベースに供給される。
【0021】
一方、ドライバ12Bは、抵抗素子R5、R6と、NPNトランジスタQ6とを備えている。抵抗素子R5、R6は、電源電圧VCCを有する電源端子と接地端子の間に直列に接続されており、抵抗素子R5、R6の接続点は、NPNトランジスタQ6のコレクタに接続されると共に、NチャンネルFETQ2のゲートにも接続されている。NPNトランジスタQ6のベースはコンパレータZ12の出力に接続され、エミッタは接地端子に接続される。ドライバ12Bを制御する制御信号S1Bは、NPNトランジスタQ6のベースに供給される。
【0022】
次に、本実施形態の実施例の動作について、図1、図2の回路図、及び、図3に図示されている電圧波形を用いて説明する。
【0023】
図3を参照して、時刻T0時点に至るまでの間、電源装置1A、1Bとも正常に動作しているとする。即ち、共通出力端X、出力端Y_A、Y_Bの電圧は、いずれも正常であり、過電圧検出部14A、14Bは、過電圧を検出していない。この場合、電源装置1A、1BのNチャンネルFETQ1〜Q4は、いずれも導通状態となる。
【0024】
図3に示されているように、時刻T0で電源装置1Aの出力電圧が上昇する故障が発生すると、電源装置1A、1Bに共通に接続されている共通出力端Xの電圧も同様に上昇する。すると、電源装置1Aにおいて、共通出力端Xの電圧の上昇によって抵抗素子R7、R8の接続点の電圧、即ち、コンパレータZ2の非反転入力の電圧も上昇する。時刻T1において、コンパレータZ2の非反転入力の電圧が、コンパレータZ2の反転入力に供給されている基準電圧Vref2に達すると(即ち、共通出力端Xの電圧が基準電圧Voに達すると)、コンパレータZ2から出力される制御信号S2AがLOWレベルからHIGHレベルに反転される。このような過程により、過電圧検出回路14Aによって共通出力端Xの電圧が基準電圧Voよりも高くなったこと、即ち、共通出力端Xの過電圧が検出される。共通出力端Xの過電圧が検出されてコンパレータZ2の出力がLOWレベルからHIGHレベルに反転されると、NPNトランジスタQ6のベースの電圧レベルが、LOWレベルからHIGHレベルに反転する。この動作により、NPNトランジスタQ6が導通状態となり、抵抗素子R5、R6の接続点、即ち、NチャンネルFETQ2のゲートが接地レベルとなって、外側スイッチであるNチャンネルFETQ2が非導通状態となる。
【0025】
その後、電源装置1A内部にある電源回路11Aの出力端Y_Aの電圧がそのまま上昇し続けると、共通出力端Xの電圧は、NチャンネルFETQ2がオフすることでNチャンネルFETQ2の内部ダイオードの順方向電圧の分だけ一時的に僅かに低下するものの、その後、出力端Y_Aの電圧の上昇と共に同様に上昇していく。
【0026】
電源回路11Aの出力端Y_Aの電圧が更に上昇して、時刻T2において抵抗素子R3、R4の接続点の電圧、即ち、コンパレータZ1の非反転入力の電圧が基準電圧Vref1に達すると(即ち、出力端Y_Aの電圧が基準電圧Viに達すると)、コンパレータZ1の出力がLOWレベルからHIGHレベルに反転される。このような過程により、過電圧検出回路14Aによって出力端Y_Aの電圧が基準電圧Viよりも高くなったこと、即ち、出力端Y_Aの過電圧が検出される。
【0027】
出力端Y_Aの過電圧が検出されると、コンパレータZ1、Z2の出力の両方がLOWレベルからHIGHレベルに反転されるから、ANDゲートZ3の出力もLOWレベルからHIGHレベルに反転される。これにより、NPNトランジスタQ5のベースの電圧レベルが、LOWレベルからHIGHレベルに反転し、NPNトランジスタQ5が導通状態となる。NPNトランジスタQ5が導通状態となると、抵抗素子R1、R2の接続点、即ち、NチャンネルFETQ1のゲートが接地レベルとなって、内側スイッチであるNチャンネルFETQ1が非導通状態となる。以上の動作により、電源回路11Aが負荷2から切り離され、時刻T2において電源装置1Aから負荷2への電圧供給は遮断されることになる。
【0028】
このとき、コンパレータZ1から出力される出力信号は、電源自体の動作を制御する制御信号POW_OFFとしても使用されているので、制御信号POW_OFFがアサートされることになる。制御信号POW_OFFのアサートに応答して、時刻T3には電源装置1Aの電源回路11Aの動作が完全に停止される。
【0029】
一方、電源装置1Bでは、電源装置1Aと同様に、時刻T1において過電圧検出回路14Bによって共通出力端Xでの過電圧が検出される(このとき、時刻T1までは共通出力端Xの電圧の上昇と共に出力端Y_B点の電圧も上昇する)。共通出力端Xの過電圧の検出に応答して、電源装置1Bの外側スイッチであるNチャンネルFETQ4が非導通となる。しかしながら、電源装置1B自体は正常である為、NチャンネルFETQ4が非導通となった後は、出力端Y_Bの電圧は上昇せずに所望の電圧に復帰し、その後、所望の電圧に維持される。したがって、内側スイッチであるNチャンネルFETQ3は導通状態のまま正常に動作し続けることとなる。
【0030】
この為、時刻T2において、電源装置1AのNチャンネルFETQ1、Q2の両方が非導通状態となった後の共通出力端Xでの電圧は、電源装置1Bから供給される電圧となる。したがって、共通出力端Xでの電圧は基準電圧Voよりも低くなり、電源装置1BのNチャンネルFETQ4は導通状態に戻る。これにより、共通出力端Xから負荷2に供給される電圧は正常に維持される。
【0031】
本実施形態の電源システムの利点は、出力電圧の過剰な上昇を起こした電源装置を、迅速に負荷から切り離すことができる点にある。本実施形態では、共通出力端Xの電圧と、電源装置1A、1Bの電源回路11A、11Bの出力端Y_A、Y_Bの電圧とが監視される。いずれかの電源装置の出力電圧の過剰な上昇による共通出力端Xの電圧の上昇が検出されると、まず、電源装置1A、1Bの両方における外側スイッチ(NチャンネルFETQ2、Q4)がターンオフされ、更に、出力電圧が過剰に上昇した電源装置の内側スイッチ(NチャンネルFETQ1又はQ3)がオフされて、当該電源装置の電源回路が負荷から切り離される。その一方で、正常な電源装置の外側スイッチ(NチャンネルFETQ2又はQ4)は、導通状態に復帰される。このような動作によれば、特開平8−149810号公報に記載の技術のように電源装置が自然に切り離されるのではなく、積極的に電源装置を負荷から切り離す動作が行われるので、電源装置を迅速に負荷から切り離すことができる。
【0032】
付随して、本実施形態の電源システムは、共通出力端Xと電源回路11A、11Bの出力端Y_A、Y_Bの間にダイオードが挿入されないため、定常時の導通損失を小さくすることができる利点もある。
【0033】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0034】
例えば、図4に図示されているように、外側スイッチ及び内側スイッチとして機能するFETQ1〜Q4として、NチャンネルFETの代わりにPチャンネルFETを使用してもよい。この場合、PチャンネルFETQ1の内部ダイオードについてはPチャンネルFETQ2から出力端Y_Aに向かう方向が順方向になり、PチャンネルFETQ2の内部ダイオードについてはPチャンネルFETQ1から共通出力端Xに向かう方向が順方向になるように、PチャンネルFETQ1、Q2が接続される。PチャンネルFETQ3、Q4についても同様である。加えて、PチャンネルFETQ1、Q3のゲートを駆動するドライバ12A、12BのトランジスタQ5及びPチャンネルFETQ2、Q4のゲートを駆動するドライバ13A、13BのトランジスタQ6としてPNPトランジスタが使用される。このような構成でも図1の電源システムと同様に動作することは、当業者は容易に理解できよう。
【0035】
また、過電圧検出回路14A、14Bのうち、共通出力端Xの過電圧を検出するための回路部分(即ち、抵抗素子R7、R8、及びコンパレータZ2)は、電源システムにおいて一つだけ設けられてもよい。この場合、コンパレータZ2から出力される出力信号が、電源回路11A、11Bのそれぞれに供給され、制御信号S2A、S2Bとして使用される。
【0036】
更に、本発明において、並列に接続される電源回路の数が2に限定されないことは、当業者には自明的であろう。
【符号の説明】
【0037】
1A、1B:電源装置
2:負荷
11A、11B:電源回路
12A、12B、13A、13B:ドライバ
14A、14B:過電圧検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷が接続される共通出力端に接続された複数の電源装置
を備え、
前記複数の電源装置のそれぞれは、
出力電圧を出力端から出力する電源回路と、
前記電源回路の前記出力端と前記共通出力端の間に接続された外側スイッチと、
前記電源回路の前記出力端と前記外側スイッチの間に前記外側スイッチと直列に接続された内側スイッチと、
前記外側スイッチと前記内側スイッチとを制御する制御回路部
とを備え、
前記制御回路部は、前記共通出力端の電圧に応答して前記外側スイッチのオンオフを制御し、且つ、前記出力端の電圧に応答して前記内側スイッチのオンオフを制御する
電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電源システムであって、
前記外側スイッチが、第1FETを含み、
前記内側スイッチが、第2FETを含む
電源システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電源システムであって、
前記第1FET及び前記第2FETは、前記第1FETの内部ダイオードについては前記第2FETから前記共通出力端に向かう方向が順方向であるように、且つ、前記第1FETの内部ダイオードについては前記第1FETから前記出力端に向かう方向が順方向であるように、接続された
電源システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電源システムであって、
前記制御回路部は、前記共通出力端の電圧が第1基準電圧を超えたことに応答して前記外側スイッチをターンオフし、且つ、前記出力端の電圧が前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧を超えたことに応答して前記内側スイッチをターンオフする
電源システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電源システムであって、
前記制御回路部は、前記共通出力端の電圧が第1基準電圧を超え、且つ、前記出力端の電圧が前記第2基準電圧を超えたときに前記内側スイッチをターンオフする
電源システム。
【請求項6】
請求項5に記載の電源システムであって、
前記制御回路部は、前記出力端の電圧が前記第2基準電圧を超えたときに前記電源回路の動作を停止させる
電源システム。
【請求項7】
負荷が接続される共通出力端に接続された複数の電源装置を備え、前記複数の電源装置のそれぞれが、出力電圧を出力端から出力する電源回路と、前記電源回路の前記出力端と前記共通出力端の間に接続された外側スイッチと、前記電源回路の前記出力端と前記外側スイッチの間に前記外側スイッチと直列に接続された内側スイッチとを備える電源システムの動作方法であって、
前記共通出力端の電圧を検出するステップと、
前記出力端の電圧を検出するステップと、
前記共通出力端の電圧に応答して前記外側スイッチのオンオフを制御するステップと、
前記出力端の電圧に応答して前記内側スイッチのオンオフを制御するステップ
とを具備する
電源システムの動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−206974(P2010−206974A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50706(P2009−50706)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】