説明

電源制御システムおよび電源制御方法

【課題】フェムトセル用小型基地局が設置される建物内の電源の無駄な電力消費を低減する電源制御システムを提供する。
【解決手段】あらかじめ定めたエリアAを含むマクロセル106を有するマクロセルの基地局103の位置監視手段104が、エリアA内にフェムトセル用小型基地局108との通信用の機能を有するGPS機能付き携帯電話102が少なくとも1台以上存在していることを検出した場合は、電源制御手段105により、フェムトセル用小型基地局108に電源装置109から電力を供給させ、一方、エリアA内にGPS機能付き携帯電話102が1台も存在していないことを検出した場合は、電源制御手段105により、電源装置109からの電力供給を停止させる。該エリアAとして、例えばフェムトセル用小型基地局108が設置されている建物もしくはフェムトセル107として定義されるエリアに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御システムおよび電源制御方法に関し、特に、フェムトセル用小型基地局における電源制御システムおよび電源制御方法に関する。本発明に関わるフェムトセル用小型基地局における電源制御システムおよび電源制御方法は、例えば住居、地下街、高層階等に設置されたフェムトセル用小型基地局に電力を供給する電源装置の消費電力を低減させる仕組みを採用しようとする場合に好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の急激な市場拡大に伴い、携帯電話サービスを提供している携帯電話事業者は、マクロセル方式の基地局を設置し、携帯電話サービスのカバーエリアを拡大させている。
【0003】
ところが、携帯電話は無線電波を利用してサービスが提供されるものであり、例えば、屋内や、地下街や、高層ビルの高層階などのように、基地局の設置エリアの制限や、無線電波の特性により、無線電波の不感地域が存在し、十分なサービスを提供することができないという問題があった。
【0004】
かかる問題を解決するため、近年、携帯電話事業者が推進している対策が、例えば特許文献1の特開2008−278263号公報「移動通信システムにおける基地局装置および方法」に記載のようなフェムトセルによる不感地域の解消である。フェムトセルとは、ユーザが家庭用住宅内や会社内などの建物内に設置することができる小型基地局によるセルである。フェムトセルは、セルカバーエリアが半径数十メートルと小さいものの、設置場所の制約が少ないので、無線電波が届き難いビル内、地下街、住居内、高層階等に設置することができる。
【0005】
したがって、ユーザにとっては、きめ細やかなカバーエリアの整備により携帯電話サービスの享受が可能になるというだけでなく、通信事業者にとっても、マクロセル方式の基地局の設営費や運営費の削減、マクロセルネットワークの負荷軽減などの利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−278263号公報(第4−7頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、フェムトセル方式を実現する小型基地局の電源制御に関しては、従来のマクロセル方式の基地局と同様であり、小型基地局が設置された家庭用住宅内等に、当該小型基地局との通信用の携帯電話を所有するユーザが居ない時間帯であるにも関わらず、常時、電源を投入しておく必要があり、不要な電力消費が生じるという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、GPS付き携帯電話が有するGPS機能を利用して、各携帯電話の位置情報を取得し、あらかじめ定めたエリア内例えばフェムトセル用小型基地局のフェムトセルつまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア内に携帯電話が存在しているか否かに応じて、フェムトセル用小型基地局への電力供給用の電源を制御することにより、フェムトセル用小型基地局が設置される家庭用住宅内等における電源の不要な電力消費を低減させることを可能にするフェムトセル用小型基地局向けの電源制御システムおよび電源制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明による電源制御システムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)フェムトセル用小型基地局に対して電源からの電力を供給するか否かを制御する電源制御システムにおいて、前記フェムトセル用小型基地局との通信を行う機能を有するGPS機能付き携帯電話が、あらかじめ定めたエリア内に存在しているか否かに応じて、前記フェムトセル用小型基地局に対して前記電源からの電力を供給するか否かを決定する電源制御システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電源制御システムおよび電源制御方法によれば、次のような効果を奏することができる。
【0012】
フェムトセル用小型基地局へ電力を供給する電源装置からの電力供給のON、OFF制御を、あらかじめ定めたエリア内、例えば、フェムトセル用小型基地局が設置されている住居内(建物内)もしくは当該フェムトセル用小型基地局のフェムトセルつまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア内にGPS付き携帯電話が存在しているか否かによって制御することを可能としている。
【0013】
つまり、GPS付き携帯電話が、あらかじめ定めたエリア内例えばフェムトセル用小型基地局が設置されている住居内(建物内)もしくはフェムトセル用小型基地局のフェムトセルとして定義されるエリア内に存在する場合は、電源装置からの電力供給をONして、フェムトセル用小型基地局を動作状態に設定することができる。
【0014】
一方、GPS付き携帯電話が、あらかじめ定めたエリア内例えばフェムトセル用小型基地局が設置されている住居内もしくはフェムトセル用小型基地局のフェムトセルとして定義されるエリア内に存在していない場合は、電源装置からの電力供給をOFFして、フェムトセル用小型基地局の動作を停止させることができる。
【0015】
而して、フェムトセル用小型基地局が設置されている住居(建物)等における電源からの不要な電力消費を低減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるフェムトセル用小型基地局向けの電源装置を制御する電源制御システムの一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による電源制御システムおよび電源制御方法の好適な実施例について添付図を参照して説明する。
【0018】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、フェムトセル用小型基地局に対して電力を供給する電源装置の制御に関し、GPS付き携帯電話を用いることにより、該GPS携帯電話が存在する位置に応じて、フェムトセル用小型基地局への電力供給の可否を制御する電源制御システムおよび電源制御方法に関するものである。
【0019】
より具体的には、本発明によるフェムトセル用小型基地局向けの電源制御システムおよび電源制御方法は、あらかじめ定めたエリア例えば当該フェムトセル用小型基地局のフェムトセルの範囲を少なくともカバーするマクロセルを通信圏として有するマクロセル方式の基地局内に、GPS付き携帯電話の現在位置を監視する位置監視手段と、フェムトセル用小型基地局への電力供給の可否を制御する電源制御信号を出力する電源制御手段とを設け、マクロセル方式の基地局における前記位置監視手段により取得したGPS付き携帯電話の位置情報があらかじめ定めたエリア内例えば前記フェムトセル用小型基地局のフェムトセルとして定義されるエリア内に存在しているか否かに基づいて、当該フェムトセル用小型基地局へ電力を供給する電源を、前記電源制御手段からの電源制御信号により制御することを主要な特徴としている。
【0020】
(本発明の実施形態)
図1は、本発明によるフェムトセル用小型基地局向けの電源装置を制御する電源制御システムの一例を説明するための模式図である。本発明によるフェムトセル用小型基地局向けの電源装置に関する電源制御システムは、図1に示すように、フェムトセル107をセルカバーエリア(通信圏)とするフェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101と、GPS付き携帯電話102と、あらかじめ定めたエリア例えばフェムトセル107を含む範囲をカバーするマクロセル106をセルカバーエリア(通信圏)とするマクロセル方式の基地局103と、マクロセル方式の基地局103内に備えられた位置監視手段104および電源制御手段105と、住居101内に設置されているフェムトセル用小型基地局108と、該フェムトセル用小型基地局108へ電力を供給する電源装置109とを少なくとも含んで構成される。
【0021】
なお、マクロセル方式の基地局103は、マクロセル106が、前述のように、フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107を少なくとも含む位置に設置されており、また、マクロセル方式の基地局103内に備えられた位置監視手段104は、フェムトセル用小型基地局108との通信機能を有するGPS付き携帯電話102の現在位置をGPS信号に基づいて監視するものであり、電源制御手段105は、電源制御信号を電源装置109へ出力することによって、フェムトセル用小型基地局108へ電力を供給する電源装置109の動作を制御するものである。
【0022】
ここで、電源制御手段105と電源装置109との間は、有線の信号線で接続されていても良いし、場合によっては、無線信号を用いて接続するようにしても良い。また、電源装置109は住居101内に設けられていても良いし、フェムトセル用小型基地局108内に設けられていても良く、いずれであっても本発明の目的を達成することができる。
【0023】
GPS付き携帯電話102が、あらかじめ定めたエリア内例えば住居101内に存在する場合には、フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107の領域内に存在しており、GPS付き携帯電話102はフェムトセル用小型基地局108と通信を行う。これに対して、GPS付き携帯電話102が住居101から出ると、GPS付き携帯電話102は、フェムトセル用小型基地局108との通信をマクロセル方式の基地局103との通信に切り替える。かかる切り替えを行った場合、あるいは、フェムトセル用小型基地局108のセルカバーエリア(通信圏)であるフェムトセル107内にGPS付き携帯電話102が存在しなくなった場合には、フェムトセル用小型基地局108を起動しておく必要はなくなる。したがって、住居101内(建物内)またはフェムトセル用小型基地局108内に設置されている電源装置109からフェムトセル用小型基地局108に対して常時電力を供給するような仕組みでは、無駄な電力消費に繋がるという問題が発生してしまう。
【0024】
図1に示す本実施形態においては、かかる問題を解決するために、マクロセル方式の基地局103の位置監視手段104によって、GPS付き携帯電話102の位置情報を監視している。そして、該監視結果に基づいて、GPS付き携帯電話102が、例えば当該フェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101あるいは当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの内側に存在しているか、外側に存在しているかを判定する。そして、該判定結果に応じて、マクロセル方式の基地局103の電源制御手段105によって、電源装置109からフェムトセル用小型基地局108への電力の供給のON、OFFを制御する。
【0025】
具体的には、マクロセル方式の基地局103は、位置監視手段104によりGPS付き携帯電話102の現在の位置情報を入手する。GPS付き携帯電話102が、例えば当該フェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101あるいは当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの外に出て、エリアA内には存在しない状況になった場合、電源制御手段105により、フェムトセル用小型基地局108へ電力を供給している電源装置109からの電力供給をOFFするように制御する。
【0026】
一方、GPS付き携帯電話102が、例えば当該フェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101あるいは当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの内に入ってきた場合、電源制御手段105により、フェムトセル用小型基地局108へ電力を供給している電源装置109からの電力供給をONするように制御する。
【0027】
かくのごとく、電源装置109からの電力供給のON、OFF制御をGPS付き携帯電話102の位置情報によって制御することにより、GPS付き携帯電話102がエリアA例えば住居101(建物)の内側に存在する場合は、フェムトセル用小型基地局108が起動し、GPS付き携帯電話102が、エリアA例えばフェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101(建物)の外側に移動して、住居101(建物)内に存在しなくなった場合は、電源装置109からの電力供給をOFFして、フェムトセル用小型基地局108の動作を停止させ、住居101内(建物)内またはフェムトセル用小型基地局108内に設置されている電源装置109の不要な電力消費の低減を可能にするという効果が得られる。
【0028】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1に示したシステム構成における電源制御動作についてさらに説明する。GPS付き携帯電話102が、あらかじめ定めたエリアA内例えば住居101内側に存在する場合等、フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107(通信圏)内に存在する場合、GPS付き携帯電話102はフェムトセル用小型基地局108と通信を行う。
【0029】
一方、GPS付き携帯電話102があらかじめ定めたエリアAの外に移動し、例えば住居101の内側には存在しなくなった場合や、フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107(通信圏)の外側に移動して、フェムトセル107内に存在しない状況になった場合は、GPS付き携帯電話102はマクロセル方式の基地局103と通信を行う。
【0030】
ここで、GPS付き携帯電話102は、GPS機能を使って取得した、当該GPS付き携帯電話102の位置情報を、マクロセル方式の基地局103に常時送信している。マクロセルの基地局103は、受信したGPS付き携帯電話102の位置情報に基づいて、位置監視手段104によって、GPS付き携帯電話102が、住居101や、例えば当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの内側に存在するかまたは外側に存在するかについて判断する。
【0031】
位置監視手段104は、GPS付き携帯電話102が、住居101や、例えば当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの外側に存在し、内側には存在していないと判断した場合、電源制御手段105を介して、住居101内に設けられた電源装置109からの電力供給をOFFするように制御し、フェムトセル用小型基地局108の動作を停止させる。
【0032】
また、位置監視手段104は、GPS付き携帯電話102が、住居101や、例えば当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの内側に存在すると判断した場合は、電源制御手段105を介して、住居101内に設けられた電源装置109からの電力供給をONするように制御し、フェムトセル用小型基地局108を動作させる。
【0033】
かくのごとき電源装置109からの電力供給のON、OFF制御動作を行うことにより、フェムトセル用小型基地局108の起動、停止を、GPS付き携帯電話102の現在位置によって制御することが可能となり、電源装置109の無駄な電力消費を低減することができる。
【0034】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態におけるフェムトセル用小型基地局の電源制御システムおよび電源制御方法は、次のような効果を奏することができる。
【0035】
つまり、フェムトセル用小型基地局108の起動、停止を、GPS付き携帯電話102の位置情報によって制御しているので、GPS付き携帯電話102が、あらかじめ定めたエリアA内例えばフェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101内もしくはフェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107として定義されるエリア内に存在する場合は、電源装置109からの電力供給がONして、フェムトセル用小型基地局108を動作状態に設定することができる。
【0036】
一方、GPS付き携帯電話102が、あらかじめ定めたエリアA外例えばフェムトセル用小型基地局108が設置されている住居101外もしくはフェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107として定義されるエリア外に存在し、当該エリア内には存在していない状況になった場合は、電源装置109からの電力供給がOFFして、フェムトセル用小型基地局108の動作を停止させることができる。
【0037】
したがって、フェムトセル用小型基地局108に電力を供給する住居101等に設置されている電源装置109の不要な電力消費を低減することが可能になる。
【0038】
(本発明の他の実施形態)
本発明の他の実施形態として、その基本構成については前述の図1に示す通りであるが、フェムトセル用小型基地局108が設置される住居101内に複数のGPS付き携帯電話102が存在する場合についてさらに説明する。
【0039】
住居101等のエリアA内に、フェムトセル用小型基地局108と通信可能な複数のGPS付き携帯電話102が存在することを対象とする場合、複数のGPS付き携帯電話102が、すべて、住居101や、例えば当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの外側に存在しており、エリアAの内側には1台も存在していない状況になった場合には、電源装置109からの電力供給をOFFして、フェムトセル用小型基地局108の動作を停止する。
【0040】
一方、複数のGPS付き携帯電話102のうち、1台でも、住居101や、例えば当該フェムトセル用小型基地局108のフェムトセル107つまりセルカバーエリア(通信圏)として定義されるエリア等、あらかじめ定めたエリアすなわち図1に示すエリアAの内側に存在する場合には、電源装置109からの電力供給をONして、フェムトセル用小型基地局108を動作させるように制御する。而して、GPS付き携帯電話102の台数の如何によらず、前述したような電力消費の低減効果を齎すことが可能となる。
【0041】
なお、以上の各実施形態において、フェムトセル用小型基地局108が通信対象とするGPS付き携帯電話102を特定の携帯電話に限定する場合には、通信対象とする特定のGPS付き携帯電話102それぞれにあらかじめ割り当てられたユニークな固有番号例えば電話番号や製造番号などと、当該GPS付き携帯電話102それぞれの現在の位置情報とをマクロセル方式の基地局103内の位置監視手段104にて紐付けて管理するようにすれば良い。
【0042】
つまり、位置監視手段104にて紐付けされて管理している特定のGPS付き携帯電話102が、あらかじめ定めたエリア内すなわち図1に示すエリアAの内側に存在するか、あるいは、内側には存在していないかを位置監視手段104にて判定し、また、複数のGPS付き携帯電話102を対象としている場合は、あらかじめ定めたエリア内すなわち図1に示すエリアAの内側に1台でも存在するか、あるいは、1台も存在していないかを位置監視手段104にて判定し、該判定結果に基づいて、電源制御手段105により、電源装置109からの電力供給をON、OFFするように制御すれば良い。
【0043】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)あらかじめ定めた前記エリアとして、前記フェムトセル用小型基地局が設置されている建物もしくは前記フェムトセル用小型基地局のセルカバーエリアとして定義されるエリアとする上記(1)の電源制御システム。
(3)あらかじめ定めた前記エリアを含むマクロセルを通信圏とするマクロセル方式の基地局に、前記GPS機能付き携帯電話の現在位置をGPS信号を用いて監視する位置監視手段と、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局への電力の供給動作を制御する電源制御手段とを備えている上記(1)または(2)の電源制御システム。
(4)前記位置監視手段が、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が少なくとも1台以上存在していることを検出した場合は、前記電源制御手段は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局へ電力を供給する旨の電源制御信号を前記電源に対して出力し、一方、前記位置監視手段が、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が1台も存在していないことを検出した場合は、前記電源制御手段は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局への電力供給を停止する旨の電源制御信号を前記電源に対して出力する上記(3)の電源制御システム。
(5)マクロセル方式の前記基地局内に備えた前記電源制御手段が前記電源に対して出力する前記電源制御信号を、有線信号線または無線信号を用いて送信する上記(3)または(4)の電源制御システム。
(6)前記フェムトセル用小型基地局の通信対象となる前記GPS機能付き携帯電話を特定のGPS機能付き携帯電話に限定し、前記位置監視手段にて、特定の前記GPS機能付き携帯電話にユニークに割り付けられている固有番号と当該GPS機能付き携帯電話の現在位置とを紐付けて管理する上記(3)ないし(5)のいずれかの電源制御システム。
(7)フェムトセル用小型基地局に対して電源からの電力を供給するか否かを制御する電源制御方法であって、前記フェムトセル用小型基地局との通信を行う機能を有するGPS機能付き携帯電話が、あらかじめ定めたエリア内に存在しているか否かに応じて、前記フェムトセル用小型基地局に対して前記電源からの電力を供給するか否かを決定する電源制御方法。
(8)あらかじめ定めた前記エリアとして、前記フェムトセル用小型基地局が設置されている建物もしくは前記フェムトセル用小型基地局のセルカバーエリアとして定義されるエリアとする上記(7)の電源制御方法。
(9)あらかじめ定めた前記エリアを含むマクロセルを通信圏とするマクロセル方式の基地局において、前記GPS機能付き携帯電話の現在位置を監視し、該監視結果として、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が少なくとも1台以上存在していることを検出した場合は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局へ電力を供給させ、一方、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が1台も存在していないことを検出した場合は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局への電力供給を停止させる上記(7)または(8)の電源制御方法。
【符号の説明】
【0044】
101 住居
102 GPS付き携帯電話
103 マクロセル方式の基地局
104 位置監視手段
105 電源制御手段
106 マクロセル
107 フェムトセル
108 フェムトセル用小型基地局
109 電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェムトセル用小型基地局に対して電源からの電力を供給するか否かを制御する電源制御システムにおいて、前記フェムトセル用小型基地局との通信を行う機能を有するGPS機能付き携帯電話が、あらかじめ定めたエリア内に存在しているか否かに応じて、前記フェムトセル用小型基地局に対して前記電源からの電力を供給するか否かを決定することを特徴とする電源制御システム。
【請求項2】
あらかじめ定めた前記エリアとして、前記フェムトセル用小型基地局が設置されている建物もしくは前記フェムトセル用小型基地局のセルカバーエリアとして定義されるエリアとすることを特徴とする請求項1に記載の電源制御システム。
【請求項3】
あらかじめ定めた前記エリアを含むマクロセルを通信圏とするマクロセル方式の基地局に、前記GPS機能付き携帯電話の現在位置をGPS信号を用いて監視する位置監視手段と、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局への電力の供給動作を制御する電源制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の電源制御システム。
【請求項4】
前記位置監視手段が、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が少なくとも1台以上存在していることを検出した場合は、前記電源制御手段は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局へ電力を供給する旨の電源制御信号を前記電源に対して出力し、一方、前記位置監視手段が、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が1台も存在していないことを検出した場合は、前記電源制御手段は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局への電力供給を停止する旨の電源制御信号を前記電源に対して出力することを特徴とする請求項3に記載の電源制御システム。
【請求項5】
マクロセル方式の前記基地局内に備えた前記電源制御手段が前記電源に対して出力する前記電源制御信号を、有線信号線または無線信号を用いて送信することを特徴とする請求項3または4に記載の電源制御システム。
【請求項6】
前記フェムトセル用小型基地局の通信対象となる前記GPS機能付き携帯電話を特定のGPS機能付き携帯電話に限定し、前記位置監視手段にて、特定の前記GPS機能付き携帯電話にユニークに割り付けられている固有番号と当該GPS機能付き携帯電話の現在位置とを紐付けて管理することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項7】
フェムトセル用小型基地局に対して電源からの電力を供給するか否かを制御する電源制御方法であって、前記フェムトセル用小型基地局との通信を行う機能を有するGPS機能付き携帯電話が、あらかじめ定めたエリア内に存在しているか否かに応じて、前記フェムトセル用小型基地局に対して前記電源からの電力を供給するか否かを決定することを特徴とする電源制御方法。
【請求項8】
あらかじめ定めた前記エリアとして、前記フェムトセル用小型基地局が設置されている建物もしくは前記フェムトセル用小型基地局のセルカバーエリアとして定義されるエリアとすることを特徴とする請求項7に記載の電源制御方法。
【請求項9】
あらかじめ定めた前記エリアを含むマクロセルを通信圏とするマクロセル方式の基地局において、前記GPS機能付き携帯電話の現在位置を監視し、該監視結果として、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が少なくとも1台以上存在していることを検出した場合は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局へ電力を供給させ、一方、あらかじめ定めた前記エリア内に前記GPS機能付き携帯電話が1台も存在していないことを検出した場合は、前記電源から前記フェムトセル用小型基地局への電力供給を停止させることを特徴とする請求項7または8に記載の電源制御方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−212998(P2010−212998A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56963(P2009−56963)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】