説明

電源回路

【課題】 待機時の消費電力が実質的に低減された電源回路を提供する。
【解決手段】 待機時に負荷に電源を供給する電源回路であって、第1の電圧値を有する交流出力を直流に整流して負荷に供給する第1の整流部33と、第1の電圧値よりも高い第2の電圧値を有する交流出力を直流に整流して負荷に供給する第2の整流部34と、並列に設けられた第1の整流部33及び第2の整流部34と負荷との間に配置された蓄電部3と、蓄電部3が形成する電圧に応じて、第2の整流部34と負荷との間を接続し又は切り離すことにより、第1の整流部33及び第2の整流部34の負荷との接続をいずれかに切り替える切り替え部4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子機器用電源回路に関し、特に待機時の消費電力を節減可能な電気・電子機器用電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
映像機器、音響機器等の電気・電子機器には、リモートコントローラによる遠隔操作、タイマーによる自動時間制御が可能なものが多い。遠隔操作あるいは自動時間制御によって電源のオン・オフを行う場合、電源がオフの状態であっても遠隔操作制御あるいは自動時間制御を行うための待機電力供給が必要となる。このような待機電力供給が必要な個所としては、リモートコントローラ受光部、制御用マイコン等があげられる。
【0003】
近年、省エネルギー化の要求をふまえ、機器の待機時における電力消費量を低減させる為、機器の稼動時に電力を供給する主電源回路と、機器の待機時に電力を供給するスタンバイ電源回路とを別に設け、待機時の機器側の負荷を必要最小限にまで低減させる手法が主流である(例えば、特許文献1〜3参照)。主電源回路は主トランスを、スタンバイ電源回路は主トランスよりも低容量のスタンバイトランスを、それぞれ有し、スタンバイ電源回路と主電源回路との切り替えはリレー回路により行われる。待機時には低容量のスタンバイトランスが使用されるため、待機時の省電力化が可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−184719号公報 特開2001−145354号公報 特開2002−112456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スタンバイ電源回路を備えた構成において、待機時のリモートコントローラ受光部、制御用マイコン等への電力供給、及び、作動電力供給時におけるリレー回路への電力供給は、スタンバイトランスにより行われる。このため、スタンバイトランスの2次側電圧及び定格電流は、リレーの駆動電圧に合わせて設計され、これより低くすることはできない。
【0006】
このようにスタンバイトランスの2次側出力電圧の設定に制限があるため、従来の構成では、待機時の消費電力の低減には限界があった。すなわち、2次側出力電圧の比較的大きいスタンバイトランスを用いる必要があるため、スタンバイトランス自体の損失の低減、及び、待機時の消費電力の低減に限界があった。本発明は、上記従来技術における欠点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様における電力回路は、待機時に負荷に電源を供給する電源回路であって、第1の電圧値を有する交流出力を直流に整流して負荷に供給する第1の整流部と、前記第1の電圧値よりも高い第2の電圧値を有する交流出力を直流に整流して負荷に供給する第2の整流部と、並列に設けられた前記第1の整流部及び前記第2の整流部と負荷との間に配置された蓄電部と、前記蓄電部が形成する電圧に応じて、前記第2の整流部と負荷との間を接続し又は切り離すことにより、前記第1の整流部及び前記第2の整流部の負荷との接続をいずれかに切り替える切り替え部と、を備える。
【0008】
上記構成の電源回路は、中間タップを有するトランスを備えてもよく、前記第1の整流部は前記トランスの中間タップ接続時の交流出力を受け、前記第2の整流部は、前記トランスの両端タップ接続時の交流出力を受けてもよい。
【0009】
上記構成の電源回路は、前記第1の整流部及び前記第2の整流部は、それぞれ異なる容量のトランスからの交流出力を受けてもよい。
【0010】
上記構成において、前記切り替え部は、前記第1の整流部及び前記第2の整流部と、前記蓄電部と、の間にそれぞれ設けられた逆流防止用整流素子を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、待機時の消費電力が実質的に低減された電源回路が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る電源回路ついて、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る電源回路は、映像機器、音響機器等の電気・電子機器に設けられる。なお、以下に示す例は一例であり本発明はこれに限定されない。
【0013】
本実施の形態に係る電源回路の構成を図1に示す。図1に示す電源回路100は、主電源回路110と、スタンバイ電源回路120と、リレー部130と、を備える。
【0014】
主電源回路110は、商用電源等の電源111に接続され、機器の電源111がオンされた状態(通常動作時)で主回路112の動作に必要な電力を供給する。主回路112は、電気・電子機器の通常動作を制御するための回路を構成する。
【0015】
スタンバイ電源回路120は、商用電源等の電源111に接続され、機器の電源111がオンされた状態で負荷121に必要な電力を供給する。負荷121は、電気・電子機器の待機時に動作するマイクロコンピュータ用電源、タイマー、遠隔操作用の受光素子、発光素子等のいずれか或いはこれらの組み合わせから構成される。
【0016】
リレー部130は一次切りリレーの接点131の開閉を駆動するリレーコイル電源132等を備え、電源111からの電力供給先を、主電源回路110とスタンバイ電源回路120との間で切り替える。機器の通常動作時(一次切りスイッチ閉路状態)、一次切りリレーの接点131は閉状態にあり、機器の待機時(一次切りスイッチ開路状態)、一次切りリレーの接点131は開状態にある。
【0017】
リレー部130は、例えば、機器のスタンバイスイッチ(又は遠隔操作による電源)オフ、ボタン等によるマイコンからの指示に従って切り替わる。リレー部130は、電源オンの指示があったとき、リレー接点131が閉状態の場合には電源111を主電源回路110に接続し、リレー接点131が開状態の場合には電源111をスタンバイ電源回路120に接続する。スタンバイ電源回路120の接続時における消費電力は、主電源回路110接続時における消費電力よりも小さく、従って、機器は待機時では低消費電力モードにある。
【0018】
以下、本実施の形態に係るスタンバイ電源回路120について詳細に説明する。
図2にスタンバイ電源回路120の構成の一例を示す。図2に示すスタンバイ電源回路120は、スタンバイトランス5と、第1の整流部33と、第2の整流部34と、切り替え部4と、蓄電部3と、を備える。
【0019】
スタンバイトランス5は、両端タップの間に設けられた中間タップ8を備え、1次側は電源111に接続される。スタンバイトランス5の両端タップ使用時の2次側出力電圧値は、少なくともリレー部130を安定に駆動するために必要な値に設定されている。スタンバイトランス5の中間タップ8使用時の2次側出力電圧値は、両端タップ使用時の2次側出力電圧値よりも低い電圧値であって、待機時の動作に最低限必要な値に設定されている。
【0020】
第1の整流部33及び第2の整流部34は、スタンバイトランス5の2次側交流出力を直流に整流する。第1の整流部33及び第2の整流部34は、負荷121に接続される。
第1の整流部33は、スタンバイトランス5の2次側出力タップと中間タップ8とに接続されたダイオード10と平滑コンデンサ12とから構成される。第1の整流部33は、スタンバイトランス5の中間タップ8使用時の2次側出力を直流に整流する。
第2の整流部34は、スタンバイトランス5の2次側出力の両端タップに接続されたダイオード11と平滑コンデンサ13とから構成される。第2の整流部34は、スタンバイトランス5の両端タップ使用時の2次側交流出力を直流に整流する。
第2の整流部34は、その後段との開閉用に、NPNトランジスタ15又はPNPトランジスタ14に接続される。
【0021】
切り替え部4は、第1の整流部33及び第2の整流部34からの出力をいずれかに切り替える機能を有し、負極性のトリガーパルスで駆動するフリップフロップ回路から構成される。切り替え部4は、後述する蓄電部3の形成する電圧値に応じて第2の整流部34と負荷121とを接続し又は切り離すことにより、第1の整流部33及び第2の整流部34と負荷121との間の接続をいずれか一方に切り替える。
【0022】
切り替え部4は、フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ26(PNPトランジスタ)、トランジスタ27(NPNトランジスタ)、フリップフロップ回路出力トランジスタ17(NPNトランジスタ)、出力トランジスタ18(NPNトランジスタ)、逆流防止用整流素子としてのダイオード19〜22等を備える。NPNトランジスタ15及びPNPトランジスタ14の駆動部16には、フリップフロップ回路を構成するトランジスタ17の出力が接続される。第1の整流部33及び第2の整流部34の出力は逆流防止用整流素子としてのダイオード19〜22を介し、安定化用のレギュレータに接続される。
【0023】
蓄電部3は、コンデンサ、蓄電池等から構成される。蓄電部3は、安定化用レギュレータ23の入力側に接続される。蓄電部3の正極側には、ツェナーダイオード24、25を介して、切り替え部4のフリップフロップ回路を構成するトランジスタ26、27のベースが接続される。ツェナーダイオード25のツェナー電圧は、ツェナーダイオード24のツェナー電圧よりも高く設定されている。
【0024】
以下、本実施の形態に係るスタンバイ電源回路120の、待機時の動作を以下に説明する。
【0025】
スタンバイ電源回路120が最初に電源111に接続されると、接続当初は中間タップ8を利用した第1の整流部33から蓄電部3への充電が開始される。電源111とスタンバイ電源回路120を接続した時点では、蓄電部3の対GND(グランド)間電圧が零電位である為、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24、及び電圧上限値検出用ツェナーダイオード25共に遮断となる。
【0026】
従って、フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ26は導通、トランジスタ27が遮断され、フリップフロップ回路出力トランジスタ17は導通、出力トランジスタ18が遮断となる。フリップフロップ回路出力トランジスタ17が導通、出力トランジスタ18も遮断された状態では、トランジスタ16が導通し、トランジスタ14とトランジスタ28、トランジスタ15が導通する。
【0027】
トランジスタ14、トランジスタ15が導通する事で、スタンバイトランス5の両端タップを利用した第2の整流部34が安定化用のレギュレータ23を介して負荷121に接続される。このとき、スタンバイトランス5の中間タップ8を利用した第1の整流部33からの出力電圧は、スタンバイトランス5の両端タップを利用した第2の整流部34の出力電圧の方が高い為、逆流防止用ダイオード19、20によって遮断される。
【0028】
このように、電源投入後、蓄電部3の対GND電圧が低い状態で、切り替え部4は両端タップを利用する第2の整流部34と負荷121とを接続する。
【0029】
またこの状態で、スタンバイトランス5の両端タップを利用した第2の整流部34を介して蓄電部3の充電が行われる。蓄電部3の充電が進んで所定の電圧値(ツェナーダイオード24のツェナー電圧)を超える対GND電圧を形成したとき、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24は導通状態となるが、電圧上限値検出用ツェナーダイオード25はツェナー電圧が電圧下限値検出用ツェナーダイオード24より高く設定されている為、遮断状態を維持する。電圧下限値検出用ツェナーダイオード24が導通状態になると、フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ26は遮断されるが、本フリップフロップ回路は負極性のトリガーパルスで反応する為、出力状態を維持する。
【0030】
更に蓄電部3への充電が進み、蓄電部3の対GND間電圧が所定の電圧値(ツェナーダイオード25のツェナー電圧)を超えたとき、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24に続き、電圧上限値検出用ツェナーダイオード25が導通となる。電圧上限値検出用ツェナーダイオード25が導通すると、トランジスタ27が導通され、フリップフロップ回路出力トランジスタ17が遮断、出力トランジスタ18は導通となる。
【0031】
フリップフロップ回路出力トランジスタ17が遮断、出力トランジスタ18が導通になると、トランジスタ16が遮断される為、トランジスタ14とトランジスタ28、トランジスタ15が遮断される。又、トランジスタ29も導通する事で、トランジスタ30も導通となる。その結果、スタンバイトランス5の両端タップを利用した第2の整流部34と負荷121との間の接続が切り離される。
【0032】
このように、切り替え部4は、蓄電部3の対GND電圧が予め定めた電圧値(ツェナーダイオード25のツェナー電圧)を超えたとき、第2の整流部34と負荷121との間の接続を切り離す。
【0033】
スタンバイトランス5の両端タップを利用した第2の整流部34と安定化用のレギュレータ23の接続が切り離された当初は、蓄電部3の対GND間電圧が、スタンバイトランス5の中間タップ8を利用した第1の整流部33からの出力電圧よりも高い為、第1の整流部33と負荷121との間の接続は逆流防止用ダイオード19、20によって遮断される。
【0034】
しかし、待機状態でも、負荷121としてマイコン、受光素子、発光素子の点灯が存在する為、負荷電流によって、蓄電部3に充電された電荷が放電され、蓄電部3の対GND間の電圧は次第に低下する。
【0035】
待機時の負荷電流によって、蓄電部3に充電された電荷が放電され、蓄電部3の対GND間電圧の低下が進み、蓄電部3の対GND間電圧が電圧上限値検出用ツェナーダイオード25のツェナー電圧を下回ったとき、電圧上限値検出用ツェナーダイオード25が遮断、フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ27も遮断となる。しかし、本フリップフロップ回路は負極性のトリガーパルスで反応する為、第2の整流部34と負荷121とは接続されない。
【0036】
また、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24のツェナー電圧は電圧上限値検出用ツェナーダイオード25のツェナー電圧よりも更に低く設定されている為、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24は導通状態のままで、フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ26も遮断状態を維持する。
【0037】
さらに蓄電部3の対GND電圧が低下し、第1の整流部33の電圧値が蓄電部3の電圧を上回った時、第1の整流部33は負荷側に接続される。このとき、負荷側には蓄電部3及び第1の整流部33から電力が供給される。第1の整流部33の電圧値は安定化に必要な電圧値下限値と両端タップに切り替えるまでの時間をもとに設定されている。
【0038】
このように、蓄電部3の対GND電圧がツェナーダイオード24のツェナー電圧よりも高い状態では、切り替え部4は、第2の整流部34と負荷121とを切り離すことにより、負荷121に蓄電部3或いは蓄電部3及び第1の整流部33から電力を供給する。
【0039】
更に蓄電部3の放電が進み、蓄電部3の対GND間電圧が、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24のツェナー電圧を下回ったとき、電圧下限値検出用ツェナーダイオード24が遮断状態に移行、フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ26が導通する。フリップフロップ回路トリガー用トランジスタ26が導通する事で、フリップフロップ回路の状態が移行、前述のようにして、第2の整流部34と負荷121とが接続される。
【0040】
以降の待機時は、前述のように、スタンバイトランス5の両端タップでの整流から中間タップ8での整流迄を繰り返す。待機状態では蓄電部3の対GND間の電圧によって、スタンバイ電源回路120のスタンバイトランス5の両端タップ及び中間タップ8が交互に選択される。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態は、中間タップ8を備えるスタンバイ電源111用トランスと、両端タップを利用する第2の整流部34及び中間タップ8を利用する第1の整流部33と負荷121との接続をいずれかに切り替える切り替え部4と、待機時に電力を補助的に供給する為の電力供給用の蓄電部3と、を備える。
【0042】
このスタンバイ電源回路120は、負荷121側への電力供給によるスタンバイ電源回路120の出力側電圧を監視し、電圧値が所定値を超えたとき、第2の整流部34と負荷121との間の接続を切り離すことにより、第1の整流部33と負荷121との接続に切り替える。この中間タップ8への切り替えによってトランス2次側の損失が低減される。また、蓄電部3の形成する電位が第1の整流部33の出力電圧よりも高い状態では、第1の整流部33と負荷121との間は遮断され、負荷121には蓄電部3から電力が供給される。このため、待機時の消費電力は抑制される。
【0043】
図3に、待機時の2次側電圧の時間変化を示し、図4に、待機時の待機電力の時間変化を示す。図3に示すように、待機時、スタンバイトランス5の両端タップ接続が選択された状態で、2次側出力電圧は所定上限値Vaに至るまで増大する(状態I)。このとき、蓄電部3にはその最大容量まで電荷が蓄積(充電)される。
【0044】
電圧Vaに達すると、両端タップ接続が切り離され、負荷121には蓄電部3から電力が供給される。蓄電部3の放電に伴い、2次側電圧は次第に低下する(状態II)。このとき、蓄電部3が形成する対GND電圧により、スタンバイトランス5から負荷121へ電力供給は遮断される。従って、この間の機器の消費電力は、図4に示すように、トランスの損失のみとなる。
【0045】
その後、負荷121での電力消費によって蓄電部3の対GND間電圧が時間の経過により更に低下し、所定値Vc以下となったとき、負荷121に必要な電源111は蓄電部3だけでなく中間タップ8からも補完される(図3、状態III)。従って、この間の機器の消費電力は、図4に示すように、トランスの損失と、中間タップ8からの電力供給分となる。
【0046】
さらに蓄電部3の対GND電圧が低下し、タップ切り替え電圧下限値Vbに達したとき、切り替え部4はスタンバイトランス5の両端タップ接続に切り替える。ここで、タップ切り替え電圧の下限値Vbは、整流後の電圧を安定化する為に最低限必要な電圧値を基に設定され、2次側の電力消費値(負荷電流×電圧)を最大限低減可能な値に設定されている。両端タップ接続に切り替え後、2次側電圧は上昇を開始し、この間に蓄電部3には再び電荷が蓄積される(図3、状態I)。以降スタンバイ電源回路120は、状態I〜IIIを繰り返す。
【0047】
以上のプロセスを繰り返す事で待機時、機器の消費電力の低減が図られる。すなわち、図4において、中間タップ8を用いない場合には、消費電力は一定となる。しかし、中間タップ8と両端タップとを周期的に切り替える本実施の形態においては、中間タップ8を用いない場合と比較して、斜線部に示す量の消費電力が実質的に低減される。
【0048】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の修正等が可能である。
【0049】
例えば、図3に示す構成において、図5に示すように、スタンバイトランス5の整流部の切り替えをマイクロコンピュータ等を備えた切り替え回路150によって行うようにしてもよい。切り替え回路150は、蓄電部3の充電状態に応じて変化する2次側電圧値に応じて、整流部を切り替える。
【0050】
また、中間タップ8付きスタンバイトランス5を用いず、図6に示すように、第1の整流部33及び第2の整流部34にそれぞれ接続される定格容量の異なるスタンバイトランス5を別個に設けても良い。図6において、トランス31は図2のスタンバイトランス5の中間タップ8接続時に相当し、トランス32は図2のスタンバイトランス5の両端タップ接続時に相当する。このような構成によっても、上記と同様の効果が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電源回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるスタンバイ電源回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における待機時の2次側電圧の時間経過を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における待機時の2次側電力の時間経過を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態にかかるスタンバイ電源回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施の形態にかかるスタンバイ電源回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
100:電源回路、110:主電源回路、120:スタンバイ電源回路、130:リレー部、121:負荷、132:リレーコイル電源、5:スタンバイトランス、33:第1の整流部、34:第2の整流部、4:切り替え部、3:蓄電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機時に負荷に電力を供給する電源回路であって、
第1の電圧値を有する交流出力を直流に整流して負荷に供給する第1の整流部と、
前記第1の電圧値よりも高い第2の電圧値を有する交流出力を直流に整流して負荷に供給する第2の整流部と、
並列に設けられた前記第1の整流部及び前記第2の整流部と負荷との間に配置された蓄電部と、
前記蓄電部が形成する電圧に応じて、前記第2の整流部と負荷との間を接続し又は切り離すことにより、前記第1の整流部及び前記第2の整流部の負荷との接続をいずれかに切り替える切り替え部と、
を備える、ことを特徴とする電源回路。
【請求項2】
中間タップを有するトランスを備え、
前記第1の整流部は前記トランスの中間タップ接続時の交流出力を受け、前記第2の整流部は、前記トランスの両端タップ接続時の交流出力を受ける、ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記第1の整流部及び前記第2の整流部は、それぞれ異なる容量のトランスからの交流出力を受ける、ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項4】
前記切り替え部は、前記第1の整流部及び前記第2の整流部と、前記蓄電部と、の間にそれぞれ設けられた逆流防止用整流素子を備える、ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−284556(P2009−284556A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246823(P2006−246823)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】