説明

電源管理装置

【課題】たとえば計数装置といった外部機器を接続可能で、接続された外部機器の電源の管理(すなわち、外部機器の使用可/不可の切り換え)を容易な動作で行うことができる電源管理装置を提供する。
【解決手段】外部機器としての計数装置を使用するにあたり、店員は、まず店員カードの認証を行う(S1及びS2)。そして、店員カードを適正と判断した場合には、切換スイッチにより計数装置への電源供給をONとし(S3)て、計数装置を動作可能とする。さらに、計数装置での計数が終了し、景品交換媒体が発行されると、その発行に伴い、計数した遊技媒体数が計数装置から電源管理装置へ送信される。電源管理装置は、遊技媒体数を受信する(S6)と、該遊技媒体数と認証時刻等とを関連付けて計数情報としてEEPROMに記憶する(S7)とともに、計数装置への電源供給をOFFとし(S9)て計数装置を動作不可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば遊技場に設置される遊技媒体計数装置等といった外部機器を接続可能で、該外部機器の電源を管理するための電源管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、たとえば複数のパチンコ機等が設置された遊技場には、パチンコ球等の遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置(以下、計数装置と称す)が設置されており、該計数装置を用いて各パチンコ機にて払い出された賞品球の計数等を行っている。そして、そのような計数装置としては、特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2001−170351号公報
【0004】
ここで、特許文献1に開示されている計数装置について説明する。
特許文献1の計数装置は、各遊技者が所持する遊技者カードを挿入可能なカード挿入口を備えており、該カード挿入口を介して遊技者カードが挿入されると、遊技者カードに記録されている固有の識別情報(以下、遊技者IDと称す)を読み取るとともに、読み取った遊技者IDを遊技場管理コンピュータへ送信する。すると、遊技場管理コンピュータにて遊技者IDの適否が判断され、適正と判断された場合には、遊技場管理コンピュータから計数装置へ計数許可信号が返信される。そして、計数装置は、計数許可信号の受信をもって、玉受容器を覆うシャッタを開放して計数可能な状態、すなわち使用可能な状態とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1の計数装置は、各遊技者が所持する遊技者カードを用いて使用可能な状態とするものである。つまり、遊技場の店員がいなくても、遊技者が勝手に計数装置を使用することができる。したがって、悪意のある遊技者が、計数装置を不正動作させて実際よりも価値の高い景品交換媒体を得たり、外部から不正な遊技媒体を持ち込んで景品交換媒体を得るといった不正行為を招くおそれがある。そこで、店員に計数装置を使用可能な状態とするための操作キーを所持させ、該操作キーを用いなければ使用できない構成とした計数装置も考案されている。しかしながら、通常、各店員は、エラー発生時にパチンコ機の前面枠やミドル枠を開放するためのキー等、複数種類のキーを所持している。したがって、上記操作キーを用いる構成では、計数装置を使用する度に複数種類のキーの中から計数装置の操作キーを選び出さなければならず非常に煩わしい等、キーの管理や使い勝手の点で問題を抱えていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、たとえば計数装置といった外部機器を接続可能で、接続された外部機器の電源の管理(すなわち、外部機器の使用可/不可の切り換え)を容易な動作で行うことができる電源管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外部機器の電源入力端子を接続可能な電源出力端子を備えた電源管理装置であって、前記電源出力端子への電源供給のON/OFFを切り換える切換手段と、該切換手段の切換動作を制御する制御手段とを備えており、前記制御手段は、所定の条件の充足をもって、前記切換手段により前記電源出力端子への電源供給をONに切り換えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、制御手段による制御のもとICタグとの間で無線通信可能なアンテナと、予め所定の識別情報が記憶された記憶手段とを備えた電源管理装置にあっては、前記制御手段は、前記アンテナを介してICタグが有する識別情報を取得すると、前記記憶手段に予め記憶されている識別情報を用いて前記ICタグから取得した識別情報の適否を判断し、適正と判断した場合に、切換手段により電源出力端子への電源供給をONに切り換えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の発明において、外部機器として遊技媒体を計数するための遊技媒体計数装置が接続される電源管理装置にあっては、遊技媒体計数装置から送信される遊技媒体数を受信するための受信部を備えており、制御手段は、電源出力端子への電源供給をONに切り換えた後、遊技媒体計数装置から遊技媒体数を受信すると、該遊技媒体数と、取得した識別情報及び該識別情報の取得時刻とを関連付け、計数情報として記憶手段に記憶するとともに、切換手段により前記電源出力端子への電源供給をOFFに切り換えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、制御手段の制御により動作する撮像手段と記憶手段とを備えており、電源出力端子への電源供給をONに切り換えた場合、前記撮像手段によって外部機器及びその周辺を撮像し、撮像データとして前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4の発明において、撮像手段により撮像された撮像データを表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電源管理装置に接続された外部機器を使用したい、すなわち外部機器の電源をONしたい場合には、所定の条件を充足させなければならないため、所定の条件を知らない者が外部機器を勝手に使用することを防止することができる。したがって、外部機器を遊技媒体計数装置とした場合で考えると、遊技者が店員の許可無く遊技媒体計数装置を使用し、景品交換媒体を得てしまうといった事態を防止することができ、ひいては実際よりも多く遊技媒体を計数させるといった遊技媒体計数装置の不正操作や、不正な遊技媒体を持ち込んで景品交換媒体を不正に発行させる等の不正行為を効果的に防止することができる。加えて、外部機器の電源入力端子を接続可能な電源出力端子を備えているため、たとえば従来より既に遊技場に設置された遊技媒体計数装置等に対しても後付可能であり、汎用性に富む。
また、請求項2に記載の発明によれば、ICタグとアンテナとを利用した無線通信を利用して、所定条件の充足の有無を判断するようにしているため、上記外部機器の無断使用等をより確実に防止することができる。さらに、たとえば暗証番号を入力するといった動作が必要でないことから、使い勝手が良い。加えて、ICタグを用いるため、該ICタグをカードに内蔵することが可能となり、たとえば外部機器を遊技媒体計数装置とした場合には、遊技媒体計数装置を使用する店員にICタグを内蔵した店員カードとして所持させることができる。したがって、店員は、店員カードを使用する、すなわち遊技媒体計数装置の電源をONとするにあたって、所持する店員カードを電源管理装置のアンテナに近接させるだけでよいため、遊技媒体計数装置の電源をONとする作業が容易となる上、遊技場で使用する遊技機開閉用の各種キー等と混同したりすることもなく、使い勝手や管理のし易さといった点において優れている。
さらにまた、請求項3に記載の発明によれば、外部機器として遊技媒体を計数するための遊技媒体計数装置が接続される電源管理装置にあって、遊技媒体計数装置から送信される遊技媒体数を受信するための受信部を備えており、制御手段は、電源出力端子への電源供給をONに切り換えた後、遊技媒体計数装置から遊技媒体数を受信すると、該遊技媒体数と、取得した識別情報及び該識別情報の取得時刻とを関連付け、計数情報として記憶手段に記憶するとともに、切換手段により電源出力端子への電源供給をOFFに切り換える。したがって、後で記憶手段に記憶されている計数情報を参照することにより、何時どの識別情報を有するものがどれだけの遊技媒体数を計数したかを容易に把握することができ、遊技場における出球管理等に役立たせることができる。
またさらに、請求項4及び5に記載の発明によれば、制御手段の制御により動作する撮像手段と記憶手段とを備えており、電源出力端子への電源供給をONに切り換えた場合、撮像手段によって外部機器及びその周辺を撮像し、撮像データとして記憶手段に記憶するため、たとえば店員による不正行為等を抑制することができる。特に請求項5に記載の発明によれば、電源管理装置に撮像データを表示可能な表示手段を備えているため、たとえば撮像手段動作中は該表示手段にリアルタイムで撮像データを表示させることで、店員による不正行為等をより確実に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る電源管理装置の一実施例について、図面に基づき、次の目次の順序にしたがって詳細に説明する。尚、本実施例では、電源管理装置に接続される外部機器を計数装置として説明する。
(1)実施例の電源管理装置の概要
(2)実施例の電源管理装置の構造
(3)実施例の電源管理装置の動作内容
(4)実施例の電源管理装置の効果
(5)本発明の変更例の説明
【0010】
(1)実施例の電源管理装置の概要
本実施例に係る電源管理装置は、遊技場に設置される計数装置の電源を管理するものであって、所謂島設備の側端に設置される各計数装置毎に対応して設けられる。該電源管理装置は、計数装置のプラグ(電源入力端子)を接続可能なコンセント(電源出力端子)を備えている。また、電源管理装置は、RFID(Radio Frequency identification)技術を利用して各店員が所持する店員カード(ICタグ)の識別情報(以下、店員IDと称す)を読取可能なアンテナを内蔵している。さらに、電源管理装置は、計数装置から計数情報(たとえば、計数した遊技球数)を受信可能となっている。さらにまた、電源管理装置は、アンテナから呼出波を送信したり読み取った店員IDの適否を判断したりする制御手段としてのMPU(Micro Processing Unit)、該MPUによる制御のもとコンセントへの電源供給のON/OFFを切り換える切換スイッチ(切換手段)、計数情報や店員ID等を記憶するEEPROM(記憶手段)等を備えている。
【0011】
上述したような電源管理装置による計数装置の電源管理について説明する。
遊技者の遊技終了に伴い、店員は、各遊技者が獲得した遊技球(遊技媒体)を計数装置にて計数し、遊技球数に応じて発行される景品交換媒体を遊技者に手渡すことになる。ここで、計数装置は、店員のいない場所で遊技者が勝手に使用することができないように、通常、電源OFFの状態(すなわち、動作不可能)となっている。
そこで、店員は、計数装置にて遊技球を計数するにあたって、まず店員カードをアンテナ前方位置にかざして、RFID通信により電源管理装置に店員IDを読み取らせる。電源管理装置では、読み取った店員IDと予めEEPROMに記憶されている店員IDとを比較して一致/不一致を判断(店員IDの適否を判断)し、一致する(すなわち、適正)と判断した場合には、切換スイッチにより計数装置への電源供給をONとして、計数装置を動作可能とする。その後、店員は、計数装置へ遊技球を投入してその数を計数し、遊技球数に応じて発行される景品交換媒体を遊技者に手渡す。そして、計数装置は、景品交換媒体の発行に伴い、計数した遊技球数を電源管理装置へ送信する。電源管理装置は、遊技球数を受信すると、該遊技球数と店員ID及び時刻とを関連付けて計数情報としてEEPROMに記憶するとともに、切換スイッチにより計数装置への電源供給をOFFとして計数装置を動作不可能とする。尚、計数装置は、遊技球の計数開始に伴って計数信号を電源管理装置へと送信し、電源管理装置は、店員IDを適正と判断してから所定時間(たとえば、3分)内に計数信号を受信しなかった場合には、所定時間の経過をもって計数装置の電源供給をOFFに切り換える。また、上述したような店員カードとアンテナとの間におけるRFID通信及び取得した店員IDの適否の判断を、店員カードの認証と称す。
【0012】
(2)実施例の電源管理装置の構造
図1は、パチンコ機41、41・・が設置された島設備71の説明図である。
遊技場には、図1に示すように多数のパチンコ機41、41・・が隣接設置された島設備71が複数設けられており、各島設備71の側端部には、遊技球(遊技媒体)を計数するとともに計数した遊技球数に応じて景品交換媒体を発行する計数装置1が設置されている。また、各計数装置1の上方には、計数装置1の電源を管理する電源管理装置2が設置されている。尚、各島設備71の上部には、主に遊技場の店員への報知を行う報知ランプ72が設けられている。
【0013】
ここで、計数装置1について図1及び図2をもとに説明する。図2は、計数装置1の制御機構を示したブロック構成図である。
計数装置1は、内蔵されたMPU5により各種動作を制御されるものであって、上面に開口した球受容部3が設けられており、該球受容部3に遊技球が投入されると、球受容部3内部に設置された遊技球検出器4により投入された遊技球の数を計数可能となっている。また、計数した遊技球数を表示する表示部6、遊技球数に応じた景品交換媒体を発行するための交換媒体発行部7、該交換媒体発行部7の動作を許可する発行スイッチ8、電源管理装置2との間で遊技球数や計数信号等の各種情報や信号を送受信するための送受信部9等が備えられている。そして、これらの各構成要素は、I/Oインタフェイス10を介してMPU5に接続されている。さらに、計数装置1は、電源回路11を有しており、該電源回路11へ電源を供給するためのプラグ12を備えている。尚、プラグ12は、後述するように電源管理装置2のコンセント26に差し込まれている。しかしながら、通常は切換スイッチ22(図4に示す)がOFF、すなわち計数装置1は電源OFFの状態(動作不可能)となっており、後述の如き所定の条件が満たされる場合にのみ電源ONの状態(動作可能)となる。
【0014】
次に、電源管理装置2について図3及び図4をもとに説明する。図3は、電源管理装置2を正面から見た説明図であり、図4は、電源管理装置2の制御機構を示したブロック構成図である。
電源管理装置2は、矩形状に形成されたケーシングに、テンキー等の入力キー(入力手段)28や液晶モニター(表示手段)29等を備えたものである。該入力キー28は、後述の如き店員IDを電源管理装置2に店員情報として登録したり、EEPROM33に登録されている店員情報を変更設定する際や、液晶モニター29にEEPROM33の記憶内容を表示させたりする際等に用いられる。さらに、電源管理装置2の下面にはカメラ(撮像手段)24が設置されており、計数装置1(特に、球受容部3周辺)を上方から撮像可能となっている。そして、カメラ24によって撮像された撮像データは、液晶モニター29に表示されるとともに、後述するEEPROM33に記憶管理される。さらにまた、電源管理装置2の側面には、たとえばUSBメモリ等の外部携帯記憶端末を接続可能な携帯端末用端子27が設けられている。加えて、電源管理装置2の裏面には、一般的なプラグを差し込み可能なコンセント26が設けられており、島設備71内を通された計数装置1のプラグ12が差し込まれている。
【0015】
また、電源管理装置2には、後述の如き店員カード32との間でRFID通信可能なアンテナ30や、コンセント26への電源供給のON/OFFを切り換える切換スイッチ22、計数装置1との間で各種情報を送受信するための送受信部23、及びアンテナ30を利用したRFID通信や切換スイッチ22による切換動作等を制御するMPU21等が内蔵されている。そして、アンテナ30や切換スイッチ22、送受信部23、カメラ24、液晶モニター29等といった各構成要素は、I/Oインタフェイス25を介してMPU21に接続されている。さらに、MPU21には、店員IDやカメラ24により撮像された撮像データ等を記憶するための不揮発性の記憶手段であるEEPROM33、時刻や時間を計時するためのRTC34等が接続されている。尚、31は、島設備71内にひかれている商用電源に接続される電源回路である。
【0016】
ここで、アンテナ30及び店員カード32について説明する。
アンテナ30は、薄板状のガラスコンポジット基板の表面に送受信回路を設けたものであって、MPU21による制御のもと、送受信回路から所定の周波数の呼出波を常時出力している。一方、店員カード32は、各店員が個々に所持するものであって、送受信回路やEEPROMを内蔵したICタグ等が設けられたフィルムプリントを合成樹脂によってコーティングしたものである。そして、店員カード32のICタグがアンテナ30からの呼出波を受信すると、EEPROMに記憶されている店員IDを所定の通信距離内へ返信する。各店員カード32の店員IDは、たとえば店員の名前と関連付けられた状態で、電源管理装置2に店員情報として記憶管理される。尚、アンテナ30は、店員カード32を電源管理装置2の正面(アンテナ30設置部位の正面)に近接させただけで両者が所定の通信距離内に位置するように、電源管理装置2の正面側内部に内蔵されている。
【0017】
尚、パチンコ機41は、従来より遊技場に設置されている周知のパチンコ機であって、遊技領域内へ打ち込んだ遊技球が所定の入賞口へ入賞し、図柄表示部に所定の図柄(たとえば「7、7、7」)が表示されると、大当たり状態が生起して多数の遊技球(賞品球)を獲得できるものである。
【0018】
(3)実施例の電源管理装置の動作内容
以下、電源管理装置2による計数装置1の電源管理動作について、図5に基づいて説明する。図5は、電源管理装置2における計数装置1の電源管理動作について示したフローチャート図である。
遊技者は、遊技の終了に伴い、店員を通じて所持している遊技球を景品交換媒体に交換することができる。該景品交換媒体は、周知の如く、遊技球数に応じて発行されるものであるため、計数装置1を用いて遊技球数を計数する必要がある。しかしながら、計数装置1は通常電源OFFの状態となっているため、計数装置1を電源ONの状態にしなければならない。
【0019】
そこで、店員は、計数装置1の電源をONとすべく、まず店員カード32を電源管理装置2に近接させてアンテナ30との間でRFID通信を行わせ、電源管理装置2に店員IDを取得させる(S1)。電源管理装置2は、アンテナ30を介して店員IDを取得すると、該店員IDの適否、すなわち取得した店員IDとEEPROM33に予め記憶されている店員情報とが一致するか否か、を判断する(S2)。該判断の結果、取得した店員IDが適正であると判断した場合、切換スイッチ22を電源ON側に切り換えて(S3)コンセント26への電源供給を可能とし、計数装置1を電源ONの状態とする。また、カメラ24を作動させて(S4)、計数装置1の上方からの撮像を開始するとともに、液晶モニター29にリアルタイムで表示する。尚、カメラ24が撮像した撮像データは、EEPROM33に記憶する。
一方、上記S2における判断の結果、取得した店員IDが不適正であると判断した場合には、切換スイッチ22による切り換え操作を行わなず、再びS1へ戻る。
【0020】
以上のようにして店員カード32の認証を行い、計数装置1を電源ONの状態にすると、店員は、遊技球を球受容部3へ投入して遊技球数の計数を行う。こうして遊技球の計数が開始される(すなわち、遊技球検出器4にて遊技球が検出される)と、計数装置1は電源管理装置2へ計数信号を送信する。電源管理装置2は、上述したような切換スイッチ22の操作後、所定時間内における計数信号受信の有無を判断しており(S5)、所定時間内に計数信号を受信した場合には、切換スイッチ22を電源ON側に切り換えた状態のまま保持する。
一方、切換スイッチ22を電源ON側に切り換えてから所定時間が経過したにも拘わらず、計数信号を受信しなかった場合には、カメラ24による撮像動作(液晶モニター29での表示を含む)を停止する(S8)とともに、切換スイッチ22を電源OFF側に切り換えて(S9)コンセント26への電源供給を停止する。
【0021】
また、店員は、遊技球の計数が終了すると、発行スイッチ8を操作して交換媒体発行部7から遊技球数に応じた景品交換媒体を発行させる。該景品交換媒体の発行(すなわち、発行スイッチ8の操作)に伴い、計数装置1は、計数した遊技球数を電源管理装置2へ送信する。電源管理装置2は、計数装置1から遊技球数を受信する(S6における判断の結果、YESと判断する)と、受信した遊技球数と上記取得した店員ID及びその取得時刻とを関連付け(すなわち、何時何分に誰がどれだけの数の遊技球を計数したか)、計数情報としてEEPROM33に記憶する(S7)。また、計数装置1からの遊技球数の受信をもって、カメラ24による撮像動作を停止する(S8)とともに、切換スイッチ22を電源OFF側に切り換えて(S9)計数装置1への電源供給を停止する。
【0022】
尚、EEPROM33に記憶されている認証情報、撮像データ、及び店員情報等は、入力キー28による操作により、液晶モニター29に適宜表示することができる。また、携帯端末用端子27にUSBメモリ等を接続することによって、該USBメモリ等にEEPROM33の記憶内容を読み出すこともできる。
【0023】
(4)実施例の電源管理装置の効果
本実施例に係る電源管理装置2によれば、通常、計数装置1を電源OFFの動作不可能な状態としており、店員カード32の認証を行った場合にのみ計数装置1の電源をONとするような電源管理制御を行う。したがって、遊技者が店員のいない場所で計数装置1を動作させてしまう事態を防止することができ、ひいては実際よりも多く遊技球を計数させる計数装置1の不正操作や不正な遊技球の持ち込みといった不正行為を防止することができる。
【0024】
また、店員は、計数装置1の電源をONするにあたって、所持する店員カード32を電源管理装置2のアンテナ30前方位置に近接させるだけでよいため、その作業が容易である。加えて、店員カード32を使用するため、他に所持するパチンコ機41用のキー等と混同することもなく、使い勝手や管理の点において優れている。
さらに、電源管理装置2はカメラ24を備えており、計数装置1にて遊技球の計数を行っている間、カメラ24にて計数装置1を上方から撮像して撮像データを得るとともに、該撮像データを液晶モニター29にてリアルタイムで表示する。したがって、店員が関与するような不正行為等をも抑制することができる。
【0025】
さらにまた、電源管理装置2は、計数装置1から遊技球数を受信可能となっており、遊技球数を受信すると、該遊技球数と取得した店員ID及びその取得時刻とを関連付けて計数情報としてEEPROM33に記憶する。したがって、後でEEPROM33の計数情報を参照することにより、何時誰がどれだけの遊技球数を計数したかを容易に把握することができ、遊技場における出球管理等に役立たせることができる。
またさらに、電源管理装置2は、プラグ12を差し込み可能なコンセント22を備えているため、従来より既に遊技場内に設置されている計数装置1に対して後付可能であり、汎用性に富む。
【0026】
また、電源管理装置2は、入力キー28等を備えており、店員IDの新規入力や変更設定等を可能としているため、店員ID等の管理(すなわち、店員IDと店員名等との関連付けに係る管理)を容易に行うことができる。
加えて、電源管理装置2は、携帯端末用端子27を備えているため、EEPROM33に記憶されている各種情報やデータを任意にUSBメモリ等の外部携帯記憶端末に読み出すことができ、使い勝手が非常に良い。
【0027】
(5)本発明の変更例の説明
本発明の電源管理装置は、上述した実施例の態様に何ら限定されるものではなく、アンテナやICタグの形状や機能、入力キーや液晶モニター、カメラ等の有無や設置位置、及び電源管理装置のケースの形状や大きさ等といった構成に関して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0028】
たとえば、上記実施例の電源管理装置によれば、矩形状のケーシングにアンテナを内蔵する構成を採用しているが、アンテナのみを内蔵したカードリーダ部を、MPUを内蔵するケーシングとは別個に設け、両者をケーブル等で接続するような電源管理装置としても何ら問題はない。該構成を採用することにより、カードリーダ部のみを計数装置等の外部機器周辺に設置し、その他をたとえば島設備内等に収納設置することが可能となるため、省スペース化を図ることができる上、電源管理装置を設置したことによる外観悪化や遊技者の心象悪化を防止するといった効果を期待することができる。
【0029】
また、上記実施例に記載の如く電源管理装置にカメラを設けるものにあっては、全ての撮像データをEEPROMに記憶するのではなく、計数装置から送信される遊技球数を受信するまで撮像データをRAMに記憶しておき、受信した遊技球数が所定数以上であった場合にのみRAMに記憶されている撮像データをEEPROMに記憶し、遊技球数が所定数未満であった場合には電源OFFとともに撮像データが消去されるような構成としてもよい。該構成とすることで、EEPROMの記憶領域を節約することができ、大容量の記憶領域を有する高額なEEPROMを用いなくてもよい等、電源管理装置のコストダウンを図ることができる。
【0030】
さらに、上記実施例に記載の電源管理装置では、携帯端末用端子を設けており、該携帯端末用端子にUSBメモリ等の外部携帯記憶端末を接続することにより、EEPROMに記憶している記憶内容を外部へ読み出し可能としているが、携帯端末用端子を設ける代わりに、たとえば赤外線通信等の無線通信によってEEPROMに記憶されている記憶内容を外部へ読み出し可能とするような構成としてもよい。尚、携帯端末用端子を有する電源管理装置に、無線通信機能を付与することは当然可能である。
【0031】
さらにまた、入力キーを用いて店員IDを登録したり、液晶モニターに各種情報やデータを表示させる際には、店員カードの認証を行わなければならない、といった構成とすることは当然可能である。
またさらに、店員カードの認証の結果、予め登録されていない店員IDが検知された場合には、島設備に設けられている報知ランプを用いて周囲に報知するような構成としてもよいし、電源管理装置にスピーカ等を設けて、再度の店員カードの認証をうながしたり、音声による異常報知を行うような構成とすることも可能である。
【0032】
加えて、本発明に係る電源管理装置に対して、上記計数装置以外の外部機器を接続することも当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】多数のパチンコ機が設置された島設備の説明図である。
【図2】計数装置の制御機構を示したブロック構成図である。
【図3】電源管理装置を正面から見た説明図である。
【図4】電源管理装置の制御機構を示したブロック構成図である。
【図5】電源管理装置における計数装置の電源管理動作について示したフローチャート図である。
【符号の説明】
【0034】
1・・計数装置、2・・電源管理装置、5・・MPU、7・・交換媒体発行部、9・・送受信部、12・・プラグ、21・・MPU、22・・切換スイッチ、23・・送受信部、24・・カメラ、25・・I/Oインタフェイス、26・・コンセント、27・・携帯端末用出力端子、28・・入力キー、29・・液晶モニター、30・・アンテナ、32・・店員カード、33・・EEPROM、34・・タイマ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器の電源入力端子を接続可能な電源出力端子を備えた電源管理装置であって、
前記電源出力端子への電源供給のON/OFFを切り換える切換手段と、該切換手段の切換動作を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、所定の条件の充足をもって、前記切換手段により前記電源出力端子への電源供給をONに切り換えることを特徴とする電源管理装置。
【請求項2】
制御手段による制御のもとICタグとの間で無線通信可能なアンテナと、予め所定の識別情報が記憶された記憶手段とを備えた電源管理装置にあっては、
前記制御手段は、前記アンテナを介してICタグが有する識別情報を取得すると、前記記憶手段に予め記憶されている識別情報を用いて前記ICタグから取得した識別情報の適否を判断し、適正と判断した場合に、切換手段により電源出力端子への電源供給をONに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の電源管理装置。
【請求項3】
外部機器として遊技媒体を計数するための遊技媒体計数装置が接続される電源管理装置にあっては、
遊技媒体計数装置から送信される遊技媒体数を受信するための受信部を備えており、制御手段は、電源出力端子への電源供給をONに切り換えた後、遊技媒体計数装置から遊技媒体数を受信すると、該遊技媒体数と、取得した識別情報及び該識別情報の取得時刻とを関連付け、計数情報として記憶手段に記憶するとともに、切換手段により前記電源出力端子への電源供給をOFFに切り換えることを特徴とする請求項2に記載の電源管理装置。
【請求項4】
制御手段の制御により動作する撮像手段と記憶手段とを備えており、電源出力端子への電源供給をONに切り換えた場合、前記撮像手段によって外部機器及びその周辺を撮像し、撮像データとして前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電源管理装置。
【請求項5】
撮像手段により撮像された撮像データを表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の電源管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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