説明

電源装置および画像形成装置

【課題】入力交流電圧に応じて精度よく動作の開始と停止を行うとともに、消費電力を削減する電源装置を提供する。
【解決手段】電源制御IC110が動作開始可能な電圧に入力交流電圧になったことを、第1のコンバータ101に備えられたトランス140の補助巻線142の電圧から判定することで、判定に伴う消費電力を低減する。また、補助巻線142の電圧は一定の電圧に維持されるように第1のコンバータ101が動作するため、その電圧を監視しているだけでは、入力交流電圧Vinが動作下限電圧以下になったことを検知できないので、第2のコンバータ151の1次側に印加されている電圧から入力交流電圧Vinに比例した第2電圧を生成してそれを監視する。これにより、電源制御IC110は、入力交流電圧Vinに応じて、精度よく動作の開始と停止を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング素子を使用した電源装置は、変換効率が高いため、広く普及している。特許文献1によれば、一方のスイッチング素子の両端電圧を検知し、検知した電圧が所定電圧以上のときに他方のスイッチング素子をオンすることで、過負荷時の共振はずれによる短絡を防ぐ電流共振電源が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−006614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、電圧検出回路で一方のスイッチング素子の両端電圧を検知して制御回路に出力している。一般に制御回路の入力端子には低いレベルの電圧しか印加できないため、電圧検出回路には、商用電圧のような比較的高い電圧を分圧する分圧回路が必須となる。このような分圧回路は、電源装置が省エネ動作時(軽負荷時)に移行している間も電力を消費するため、消費電力が高くなりやすい。
【0005】
ところで、電源装置が備えるスイッチング素子の動作を制御する制御ICはイネーブル端子を備えている。イネーブル端子に印加された電圧Vsnsが動作開始電圧Vstart以上になると、制御ICは動作を開始する。一方で、制御ICが動作を開始した後に、電源装置に対する商用電源からの入力交流電圧Vinが低下することがある。入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になってしまうと、2次側の電圧を維持しようとして、1次側に流れる電流が過剰になってしまう。1次側の電流が過剰になれば、素子の破壊や変換効率の低下が発生する。そこで、制御ICは、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になると、動作を停止するように設計される。
【0006】
図6(A)は、理想的な状態における制御ICのイネーブル端子の電圧Vsnsと入力交流電圧Vinとの関係を示している。この例では、入力交流電圧Vinが80V以上になると制御ICが動作を開始し、入力交流電圧Vinが60V以下になると制御ICが動作を停止する。イネーブル端子の電圧Vsnsが入力交流電圧Vinの80Vに比例した動作開始電圧Vstart以上になると制御ICが動作を開始し、電圧Vsnsが入力交流電圧Vinの60Vに比例した動作開始電圧Vstop以下になると制御ICが動作を停止する。このように、動作開始電圧Vstartは80Vに対応し、動作開始電圧Vstopは60Vに対応していなければならない。しかしながら、動作開始電圧Vstartや動作開始電圧Vstopは、さまざまな事情でばらついてしまう。
【0007】
図6(B)は、動作開始電圧Vstartが高くなりすぎてしまった状態を示している。この例では、動作開始電圧Vstartが入力交流電圧Vinの100Vに対応した電圧に上昇しているため、入力交流電圧Vinが80V以上になっているにもかかわらず、制御ICが起動できなくなってしまう。
【0008】
図6(C)は、動作停止電圧Vstopが低くなりすぎてしまった状態を示している。この例では、動作停止電圧Vstopが入力交流電圧Vinの45Vに対応した電圧に低下しているため、入力交流電圧Vinが60V以下になっているにもかかわらず、制御ICが停止しなくなってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、電源装置において、入力交流電圧に応じて精度よく動作の開始と停止を行えるようにするとともに、消費電力を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
入力された交流電圧を整流平滑して出力する整流平滑回路と、
前記整流平滑回路から出力された電圧を第1のトランスにより変換して出力する第1のコンバータと、
前記整流平滑回路から出力された電圧を第2のトランスにより変換して出力する第2のコンバータと
を備えた電源装置であって、
前記第2のコンバータは、
前記整流平滑回路の2つの出力端の一方に電流流入端子が接続された第1のスイッチング素子と、
前記整流平滑回路の2つの出力端の他方に電流流出端子が接続され、電流流入端子が前記第1のスイッチング素子の電流流出端子に接続された第2のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子の制御端子と前記第2のスイッチング素子の制御端子とに制御信号を出力することで前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とをスイッチング動作させる制御回路と、
前記第1のコンバータが備える前記第1のトランスの補助巻線の電圧に応じた第1電圧を生成して前記制御回路に印加する第1電圧圧生成回路と、
前記第2のコンバータの1次側に印加されている電圧から前記交流電圧に応じた第2電圧を生成する第2電圧生成回路と
を備え、
前記制御回路は、前記第1電圧が動作開始閾値以上になると動作を開始し、前記第2電圧が前記動作開始閾値よりも小さな動作制限閾値以下になると自己の動作を停止ないしは制限することを特徴とする電源装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御回路が動作開始可能な電圧に入力交流電圧がなったことを、第1のコンバータに備えられたトランスの補助巻線の電圧から判定する。このため、2つのスイッチング素子の両端電圧を分圧回路により分圧して監視する従来技術と比較して、消費電力を削減できるようになる。これは、入力交流電圧と比較して、第1のコンバータに備えられたトランスの補助巻線の電圧はずっと低いからである。なお、第1のコンバータに備えられたトランスの補助巻線の電圧は一定の電圧に維持されるように第1のコンバータが動作するため、その電圧を監視しているだけでは、入力交流電圧が動作下限電圧以下になったことを検知できない。そこで、本発明では、第2のコンバータの1次側に印加されている電圧から入力交流電圧に比例した第2電圧を生成してそれを監視する。これにより、入力交流電圧に応じて精度よく動作の開始と停止を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の電源装置の回路図。
【図2】スイッチングFETのドレイン電流に生じる貫通電流を説明する図。
【図3】実施例2の電源装置の回路図。
【図4】実施例3の電源装置の回路図。
【図5】(A)は画像形成装置の概略断面図であり、(B)は電源装置および電気系統を示す図。
【図6】電流共振型電源装置における入力交流電圧とイネーブル端子に印加される電圧との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
図1は、実施例1の電源装置の回路図である。本実施例では、一般的な電流共振方式の電源装置を採用しているが、フライバック方式やフォワード方式の電源装置に対しても本発明の技術思想を適用可能である。
【0014】
図1に示した電源装置100は、第1のコンバータ101と第2のコンバータ151を備えている。第1のコンバータ101は、入力交流電圧Vinを整流ダイオードブリッジ104により整流され、1次平滑コンデンサ105によって平滑された直流電圧を、第1のトランス140により所定の直流電圧(例:3.3V)に変換するDC−DCコンバータである。整流ダイオードブリッジ104と1次平滑コンデンサ105は入力された交流電圧を整流平滑して出力する整流平滑回路として機能する。第2のコンバータ151は、入力交流電圧Vinを整流ダイオードブリッジ104により整流され、1次平滑コンデンサ105によって平滑された直流電圧を、第2のトランス115により所定の直流電圧(例:24V)に変換するDC−DCコンバータである。また、電源装置は、省エネルギーモードと通常モードとを備えており、第1のコンバータ101は、両方のモードで動作するが、第2のコンバータ151は省エネルギーモードでは自己の動作を停止ないしは制限する。たとえば、画像形成装置において通常モードは画像を形成するモードであるが、省エネルギーモードはプリントジョブを待っている待機状態である。
【0015】
第1のコンバータ101は、スイッチング回路141でスイッチング動作を実行する。スイッチング回路141の後段にはトランス140の1次巻線が接続されている。トランス140の2次巻線から出力された電圧はダイオードやコンデンサによって整流平滑されて出力される。ここで、トランス140は補助巻線142を備えている。補助巻線142には、トランスの1次巻線に印加された電圧に比例した比例電圧が発生する。
【0016】
第2のコンバータ151は、入力交流電圧Vinを整流ダイオードブリッジ104により整流され、1次平滑コンデンサ105によって平滑された直流電圧が、スイッチングFET106、107に印加される。スイッチングFET106の電流流入端子は1次平滑コンデンサ105のプラス側に接続され、電流流出端子はスイッチングFET107の電流流入端子に接続されている。スイッチングFET107の電流流出端子は、1次平滑コンデンサ105のマイナス側に接続されている。スイッチングFET106、107の各制御端子は、電源制御IC110に接続されている。トランス115の1次巻線116の一端には、スイッチングFET107の電流流入端子が接続され、他端には電流共振コンデンサ108を介してスイッチングFET107の電流流出端子が接続されている。トランス115の2次巻線118、119には交流電圧が誘起される。この交流電圧は2つの整流ダイオード120、121と平滑コンデンサ122とからなる整流平滑回路により整流平滑されて電圧出力部127に直流電圧Voutが出力される。このように、スイッチングFET106は、整流平滑回路の2つの出力端の一方に電流流入端子が接続された第1のスイッチング素子として機能する。また、スイッチングFET107は、整流平滑回路の2つの出力端の他方に電流流出端子が接続され、電流流入端子が第1のスイッチング素子の電流流出端子に接続された第2のスイッチング素子として機能する。
【0017】
フィードバック信号生成部135は、直流電圧Voutに比例したフィードバック電圧を生成し、電源制御IC110のFB(フィードバック)端子に出力する。電源制御IC110は、スイッチングFET106の制御端子とスイッチングFET107の制御端子とに制御信号を出力することでスイッチングFET106とスイッチングFET107とをスイッチング動作させる制御回路として機能する。具体的に、電源制御IC110は、フィードバック電圧にしたがって直流電圧Voutが目標電圧に一致するように、スイッチングFET106、107への制御信号を生成して出力する。よく知られているように、電源制御IC110は、制御信号のオンオフ期間を制御することで、直流電圧Voutを目標電圧に近付ける。
【0018】
電源制御IC110を駆動する電力は、第1のコンバータ101から供給される。第1のコンバータ101のトランス140の補助巻線142の電圧は、抵抗112、ダイオード113およびコンデンサ114により構成された整流平滑回路により整流平滑されて、電源制御IC110のVcc端子に印加される。電源制御IC110を駆動する電力は、コントロールユニット133により制御される。コントロールユニット133は、第1のコンバータ101から電力を供給されて動作する。コントロールユニット133の制御信号は、フォトカプラ132を介してトランジスタ131の制御端子に入力される。トランジスタ131をオン/オフさせることで、電源制御IC110への電力の供給が実行されたり、停止されたりする。
【0019】
これとは別に、電源制御IC110は、電圧検知回路200によっても動作を制御される。電圧検知回路200は、電源制御IC110が動作を開始しようとするときには第1のコンバータ101のトランス140の補助巻線142の電圧(第1電圧)をVSEN端子に印加する。また、電圧検知回路200は、電源制御IC110が動作を開始した後は、スイッチングFET106、107との中点電圧(第2電圧)をVSEN端子に印加する。つまり、第2のコンバータ151の1次側に印加されている電圧が、スイッチングFET106の電流流出端子と、スイッチングFET107の電流流入端子との接続点から取得される。このように、VSEN端子は、電源制御IC110が動作を開始する際に第1電圧が印加され、電源制御IC110が動作を開始すると第2電圧が印加される電圧検出端子として機能している。
【0020】
<動作停止電圧(低電圧)検知の必要性の説明>
動作停止電圧Vstopは動作開始電圧Vstartよりも低い電圧である。動作停止電圧Vstopを検知する目的は2つある。第1の目的は、スイッチングFET106、107、トランス115、電流共振コンデンサ108などの素子を、過電流状態から保護することである。入力交流電圧Vinが低ければ低いほど、1次側の電流が多くなる。これは、2次側の電力を一定の出力に維持しようと電源回路が働くためである。しかし、入力交流電圧Vinが低くなりすぎると、1次側の素子の状態が素子定格を超えた過電流状態になる恐れがある。そこで、過電流状態から1次側の素子を保護することが第1の目的である。第2の目的は、スイッチングFET106、107に貫通電流が流れることを抑制することである。スイッチングFET107がONすると同時に、スイッチングFET106に内蔵されている寄生ダイオードが逆回復を始める。この逆回復時の逆方向電流によって、貫通電流が流れてしまう。このように、入力交流電圧Vinが所定電圧よりも低くなると、貫通電流が流れてしまうことがある。図2(A)は、スイッチングFET106、107のドレイン電流に生じる貫通電流の一例を示している。このような貫通電流が発生すると、第2のコンバータの変換効率が低下したり、素子の破壊が発生したりしうる。よって、この貫通電流を抑制することが第2の目的である。
【0021】
このように、以下の2つの目的
・素子を過電流状態から保護すること
・スイッチングFETに貫通電流を流さないこと
を達成するために、電源制御IC110は、入力交流電圧Vinの低下を精度よく検知する必要がある。
【0022】
<電圧検知回路200の動作>
電源制御IC110のVSEN端子に、動作開始電圧Vstartに対応して決定された動作開始閾値以上の電圧が与えられると、電源制御IC110が動作を開始し、それによって第2のコンバータ151が動作を開始する。一方、異常な低電圧を検知すると電源制御IC110が動作を停止する。つまり、電源制御IC110は、VSEN端子の電圧が、動作停止電圧Vstopに対応して決定された動作制限閾値以下になると、自己の動作を停止ないしは制限する。
【0023】
(1) 第2のコンバータ151が動作を開始する前の各回路の動作
電源制御IC110のVSEN端子には、電源制御IC110に動作を開始させるための第1電圧は、第1のコンバータ101によって生成される。まず、第1のコンバータ101のトランス140の補助巻線142の両端電圧は、抵抗112、ダイオード113およびコンデンサ114から構成された整流平滑回路により整流平滑される。整流平滑された電圧は、トランジスタ206、ダイオード207を介して、抵抗208と抵抗209とより構成された分圧回路に印加される。なお、トランジスタ206の電流流入端子と制御端子との間には電流制限抵抗205が接続されている。抵抗208と抵抗209とよって分圧された電圧がVSENに印加される。この分圧された電圧は補助巻線142の両端電圧に比例した電圧である。このように、これらの回路は、第1のコンバータ101が備える第1のトランス140の補助巻線の電圧に比例した第1電圧を生成して電源制御IC110に印加する第1電圧圧生成回路として機能する。抵抗208と抵抗209の分圧比は、たとえば、入力交流電圧Vinが80Vであるときに、分圧された電圧が動作開始閾値に一致するように設定される。動作開始閾値は動作開始電圧Vstartに比例した電圧である。
【0024】
ここで、VSENに印加される電圧についてさらに詳しく説明する。トランジスタ206は、エミッタフォロワ接続をしているので、ベース端子に印加される電圧は、第1のコンバータ101のトランス140の補助巻線142の電圧である。エミッタ端子に印加される電圧はベース電圧から、トランジスタ206の仕様で定められるベース・エミッタ間電圧だけ低い電圧となる。たとえば、トランジスタ206のベース・エミッタ間電圧は、0.6V程度である。つまり、この際のVSEN端子に印加される電圧は、以下の式で求められる。
VSEN端子電圧=(Ve206−Vf207)×R209 /(R208+R209) 式(1)
Ve206=Vb206−Vbe206 式(2)
・Ve206:トランジスタ206のエミッタ端子電圧
・Vbe206:トランジスタ206のベース・エミッタ間電圧
・Vf207:ダイオード207の順方向電圧
・R208:抵抗208の抵抗値
・R209:抵抗209の抵抗値
このように、VSEN端子には上記の電圧が与えられることにより、電源制御IC110が起動動作に備えることができる。
【0025】
一方で、電源制御IC110のVcc端子には第1のコンバータ101から駆動電圧が供給される。上述したように、第1のコンバータ101のトランス140の補助巻線142の電圧が、抵抗112、ダイオード113およびコンデンサ114から構成された整流平滑回路により整流平滑される。整流平滑された電圧は、コントロールユニット133、フォトカプラ132およびトランジスタ131により制御され、電源制御IC110のVSENに印加される。
【0026】
このように、電源制御ICのVcc端子に駆動電圧が印加され、かつ、VSEN端子に印加された電圧Vsnsが動作開始閾値以上の電圧になると、電源制御IC110が動作を開始する。上述したように、電圧Vsnsは、入力交流電圧Vinの実効値に比例した第1電圧である。
【0027】
(2) 第2のコンバータ151が動作を開始した後の各回路の動作
第2のコンバータ151が動作を開始すると、コントロールユニット133がトランジスタ206をOFFする制御信号を、フォトカプラ132を通じてトランジスタ131に出力する。これにより、トランジスタ131の状態が切り替わり、それに応じてトランジスタ211の状態も切り替わる(ONになる)。トランジスタ211がONになると、トランジスタ206のベース電圧が引き下げられるため、最終的に、トランジスタ206がOFFになる。なお、トランジスタ211の制御端子には電流制限抵抗203が接続されている。トランジスタ206がOFFになれば、これまでVSEN端子に供給されていた第1電圧が供給されなくなる。その代わりとして、本実施例では、スイッチングFET107のドレイン・ソース間の電圧をダイオード201およびコンデンサ204で整流平滑し、かつ、抵抗202および抵抗209で分圧して生成された電圧(第2電圧)がVSEN電圧に印加される。第2電圧は入力交流電圧Vinの実効値に比例した電圧である。つまり、これらの回路は、第2のコンバータ151の1次側に印加されている電圧から交流電圧に比例した第2電圧を生成する第2電圧生成回路として機能している。第2電圧生成回路は一種の電圧源であるが、第2のコンバータ151が動作を開始すると、電圧を供給可能となる電圧源である。このように、VSEN端子に電圧を供給する電圧源は、第2のコンバータ151が動作を開始する前と後とでは切り替わることが、本実施例の特徴の1つとなっている。
【0028】
このVSEN端子に印加される電圧を第1電圧から第2電圧に切り替える際に、VSEN端子の電圧が低下することがある。VSEN端子の電圧が低下してしまうと、上述したように、電源制御IC110が停止してしまう。そこで、VSEN端子にコンデンサ204を接続することで、第1のコンバータ101からの第1電圧によってコンデンサ204が充電される。これにより、VSEN端子に印加される電圧を切り替える際のVSEN端子の電圧を第1電圧に維持できるようになる。
【0029】
(3) 第2のコンバータ151が安定して動作しているときの動作停止電圧Vstopの検知方法
第2のコンバータ151が安定して動作している状態では、スイッチングFET107のドレイン・ソース間の電圧である第2電圧がVSEN端子に引き続き印加されている。ここで、スイッチングFET107のドレイン・ソース間の電圧波形は、1次平滑コンデンサ105の+端子電圧をピークとした矩形波のような波形となる。この波形の周期は、スイッチングFET107のスイッチング周期に一致する。
【0030】
ここで、VSEN端子に印加される第2電圧をVacrとすると、Vacrはおおむね以下の式で表した電圧となる。
Vacr=((R209/(R209+R202))×Vdch×ON_DUTY)/(ON_DUTY+R/R209×OFF_DUTY) ・・・・(3)
R209:抵抗209の抵抗値
R202:抵抗202の抵抗値
R:抵抗202と抵抗209の並列合成抵抗つまり、R=R202×R209/(R202+R209)
Vdch:1次平滑コンデンサ105の+端子電圧
ON_DUTY:スイッチングFET107がON状態のときのDUTY比
OFF_DUTY:スイッチングFET107がOFF状態のときのDUTY比
(ただし、ダイオード201の順方向電圧は無視)
もし、ダイオード201がない場合やダイオード201がショートしていた場合、つまり、抵抗202だけで回路が構成されている場合、Vacrは(4)式で表現可能である。
Vacr=((R209/(R202+R209))×Vdch×ON_DUTY)/(ON_DUTY+ OFF_DUTY) ・・・・(4)
しかし、ダイオード201がある場合、スイッチングFET107がOFF状態のときに、コンデンサ204からの電位がR/R209の比率だけ減少してしまう。そこで、(4)式のOFF_DUTYにR/R209を乗算して(3)式が導かれている。
【0031】
ここで、Vdchは入力交流電圧Vinに対して比例しているため、Vacrも入力交流電圧Vinに比例している。つまり、Vacrを検知することは、入力交流電圧Vinを検知することと同義である。そして、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下に低下したときに、電源制御IC110のVSEN端子に印加される電圧Vacrが動作制限閾値以下となるように、抵抗202、抵抗209、コンデンサ204の各定数を予め設定する。なお、動作停止電圧Vstopおよび動作制限閾値は、1次側素子の定格を超えるような過電流状態を抑制でき、かつ、スイッチングFET106、107の貫通電流も抑制できる、下限の電圧に設定される。
【0032】
(4) 低電圧検知後の動作と効果
電源制御IC110は、VSEN端子の電圧Vsnsが動作制限閾値以下になると、保護動作を実行する。たとえば、電源制御IC110は、スイッチングFET106、107の発振動作を停止させる。これにより、1次側素子の素子定格を超えるような過電流状態が抑制される。また、スイッチングFET106、107に流れる貫通電流を抑制できる。あるいは、電源制御IC110は、スイッチング周波数を現在の設定値よりも増加してもよい。現在の設定値とは、VSEN端子の電圧Vsnsが動作停止電圧Vstop以下になった瞬間におけるスイッチングFET106、107のスイッチング周波数のことである。図2(B)が示すように、スイッチングFET106、107のスイッチング周波数が高くなると、スイッチングFET106、107の各ドレイン電流には貫通電流が発生しない。なお、スイッチング周波数を高くすると、電圧出力部127の電圧が通常動作時よりも低下してしまうが、1次側素子の定格を超えるような過電流状態や貫通電流を抑制できる。このように、電源制御IC110は、スイッチング周波数が高くして自己の動作を制限することで、貫通電流を抑制してもよい。なお、通常動作時とは、VSEN端子の電圧Vsnsが動作制限閾値を超えている時(入力交流電圧Vinが60Vを超えている時)のことである。
【0033】
このように動作開始電圧Vstartと、動作停止電圧Vstopを検知するための電圧をそれぞれ別の電源から構成することで、第2のコンバータ151は安定して起動するとともに、安全に動作を停止して過電流状態や貫通電流を抑制できるようになる。従来は、2つのスイッチング素子の両端電圧を分圧回路で分圧し、それを検知していたため、分圧回路での消費電力が大きく、省エネルギーの妨げになっていた。一方で、本実施例では、第1のコンバータ101のトランスの補助巻線142の電圧を検知するため、消費電力の点で有利である。ただし、第2のコンバータ151のスイッチング回路141は補助巻線142の電圧が一定になるように動作するため、入力交流電圧Vinの低下が補助巻線142の電圧に反映されない。つまり、補助巻線142の電圧を監視しているだけでは、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になったかどうかを判定できない。そこで、本実施例では、スイッチングFET106、107の中点電圧を監視することで、両端電圧を監視する従来技術よりも消費電力を抑えつつ、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になったことを検知できる。
【0034】
[実施例2]
図3は実施例2にかかる電源装置の回路図である。実施例2は、実施例1と比較して、動作開始電圧と動作停止電圧を検知する電圧検知回路400の構成が異なっている。なお、図3において、図1と共通する事項については説明の簡潔化を図るために同一の参照符号を付与している。
【0035】
電圧検知回路400は、動作開始電圧Vstartに比例した第1電圧をVSEN端子に印加するための動作開始電圧供給回路と、動作停止電圧Vstopに比例した第2電圧をVSEN端子に印加するための動作停止電圧(低電圧)供給回路とに大別できる。動作開始電圧供給回路では、ダイオード207の位置が変更されているだけで他の構成には変更がない。一方で、動作停止電圧供給回路は、第1電圧を取得するポイントが変更されている。つまり、実施例1では、第2のコンバータ151が安定して動作している時に、電源制御IC110のVSEN端子には、スイッチングFET107のドレイン・ソース間の電圧が印加されていた。これに対して、実施例2では、1次平滑コンデンサ105の+端子の電圧が抵抗401と抵抗402で分圧され、この電圧(第2電圧)がトランジスタ403とダイオード201を介してVSEN端子に印加されている。このように、第2のコンバータ151の1次側に印加されている電圧として、整流平滑回路の1次平滑コンデンサ105の両端電圧が取得されることになる。
【0036】
抵抗401の一端は、1次平滑コンデンサ105の+端子に接続されており、他端は抵抗402の一端と、トランジスタ403の電流流入端子とに接続されている。抵抗402の他端は、1次平滑コンデンサ105の−端子に接続されている。トランジスタ403の電流流入端子には、抵抗415の一端が接続されている。トランジスタ403の電流流出端子は、ダイオード201のアノード端子に接続されている。トランジスタ403の制御端子には抵抗414の一端が接続されている。抵抗414の他端には、トランジスタ404の電流流入端子と、抵抗415の他端が接続されている。トランジスタ404の制御端子には、抵抗416を介して電源制御IC110のVcc端子が接続されている。
【0037】
(i) 第2のコンバータ151が動作する前の各回路の動作
この動作はすでに実施例1で説明したとおりであるため、その説明を省略する。
【0038】
(ii) 第2のコンバータ151動作開始直後の各回路の動作
次に、第2のコンバータ151が動作を開始すると、上述したように、トランジスタ206がOFFする。これにより、これまで第1のコンバータ101からVSEN端子に供給されていた第1電圧が供給されなくなる。その代わりとして、実施例2では、1次平滑コンデンサ105の+端子の電圧を分圧して得られた第2電圧がVSEN端子に供給されるようになる。なお、実施例2でもコンデンサ204をVSEN端子に接続しているため、切り替え時における電圧の低下が抑制される。
【0039】
(iii) 第2のコンバータ151が安定動作しているときの動作停止電圧Vstopの検知
第2のコンバータ151が安定動作している場合、上述したように、1次平滑コンデンサ105の+端子の電圧に比例した電圧が電源制御IC110のVSEN端子に供給されている。そして、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop(例:60V)に達したときに、VSEN端子に印加される電圧が動作制限閾値Vlow以下になるように、抵抗401、抵抗402、コンデンサ204の各定数が設定される。
Vlow <Vdch*(R402/(R401+R402))−Vf201 ・・・・(5)
Vdch=Vstop×√2 ・・・・(6)
R401:抵抗401の抵抗値
R402:抵抗402の抵抗値
Vf201:ダイオード201の順方向電圧Vf
Vdch:1次平滑コンデンサ105の+端子電圧
Vstop:入力交流電圧Vinについて定められた動作停止電圧(例:60V)
動作停止電圧Vstopは、1次側の各素子の定格を超えるような過電流状態を抑制でき、かつ、スイッチングFET106、107の貫通電流を抑制できるように、予め実験やシミュレーションによって決定される。
【0040】
(iv) 低電圧検知後の動作と効果
実施例2の低電圧検知後の動作は実施例1と同様のため説明を省略する。また、実施例2でも実施例1と共通する回路については、同様の効果が発揮される。このように動作開始電圧Vstartを取得する位置と、動作停止電圧Vstopを取得する位置とを異ならしめることで、第2のコンバータ151は安定して起動し、かつ、入力交流電圧Vinが低下したときには安全に停止できるようになる。また、省電力モードに移行すると、第1電圧および第2電圧の印加が停止するため、消費電力の点で従来技術よりも有利である。
【0041】
[実施例3]
図4は、実施例3にかかる電源装置の回路図である。実施例1、2では単一の電圧検出端子で動作開始電圧Vstartを表す第1電圧と動作停止電圧Vstopに表す第2電圧を検出していたが、実施例3では、VSEN端子で動作開始電圧Vstartを検知し、電圧検知回路600で動作停止電圧Vstopを検知することを特徴している。電圧検知回路600は、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop(例:60V)まで低下すると、電源制御ICのVcc端子への電力の供給を遮断するように作用する。なお、実施例3でも、すでに説明した個所には同一の参照符号を付与することで説明の簡潔化を図る。
【0042】
図4において、ダイオード201のアノード端子はスイッチングFET106、107の中点に接続されている。カソード端子は抵抗606の一端に接続されている。抵抗606の他端は、コンデンサ608、抵抗607の一端、コンパレータ602の−入力端子と接続されている。コンパレータ602の+入力端子には、抵抗604を介して電源制御IC110のVcc端子が接続されている。また、コンパレータ602の+入力端子には、ツェナーダイオード605のカソード端子が接続されている。コンパレータ602の出力端子には、フォトカプラ603の発光素子に接続されている。フォトカプラ603の受光素子はコントロールユニット133に接続されている。つまり、コンパレータ602で入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になったことを検知し、検知結果がフォトカプラ603を通じてコントロールユニット133に伝達される。コントロールユニット133は、入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になったことを認識すると、フォトカプラ132を通じてトランジスタ131をOFFに切り替え、電源制御ICのVcc端子への電力の供給を遮断する。
【0043】
(i)第2のコンバータ151が動作を開始する前の各回路の動作
第1のコンバータ101のトランス140の補助巻線142の電圧が、抵抗112、ダイオード113およびコンデンサ114により構成された整流平滑回路により整流平滑される。整流平滑された電圧は抵抗208と抵抗209で分圧されて第1電圧が生成され、電源制御IC110のVSEN端子に印加される。印加された第1電圧は、補助巻線142の電圧に比例した電圧である。この第1電圧が動作開始閾値以上になると、電源制御IC110が動作を開始する。なお、電源制御ICのVcc端子への電力の供給については、すでに説明したとおりである。
【0044】
(ii) 第2のコンバータ151が動作を開始した直後における各回路の動作
第2のコンバータ151が動作を開始した後も引き続きVSEN端子には、第1のコンバータ101からの電圧が印加される。
【0045】
(iii) 第2のコンバータ151が安定して動作しているときの動作停止電圧の検知方法
図4によれば、抵抗604とツェナーダイオード605によって、動作制限閾値に対応した基準電圧が作られている。この基準電圧がコンパレータ602の+端子に入力される。一方、コンパレータ602の−端子には、スイッチングFET107のドレイン・ソース間の電圧に比例した第2電圧が入力される。なお、スイッチングFET107のドレイン・ソース間の電圧が、ダイオード201によって整流され、コンデンサ608によって平滑され、抵抗606と抵抗607とによって分圧されることで、第2電圧が生成される。このように、コンパレータ602は、第2電圧と動作制限閾値とを比較する比較器として機能している。
【0046】
動作開始時には、
コンパレータ602の+端子電圧 < コンパレータ602の−端子電圧
が満たされ、かつ、
動作開始後には、
コンパレータ602の+端子電圧 > コンパレータ602の−端子電圧
となるように、抵抗604、ツェナーダイオード605、抵抗606、抵抗607の各定数が選択されている。
【0047】
コンパレータ602の−端子電圧をVcon(−)とすると、Vcon(−)は実施例1で示した(3)式と同様におおむね以下の式で表した電圧となる。
Vcon(−)=((R607/(R607+R606))×Vdch×ON_DUTY)/(ON_DUTY+R/R607×OFF_DUTY) ・・・・(7)
R607:抵抗607の抵抗値
R606:抵抗606の抵抗値
R:抵抗606と抵抗607の並列合成抵抗つまり、R=R606×R607/(R606+R607)
Vdch:1次平滑コンデンサ105の+端子電圧
ON_DUTY:スイッチングFET107が、ON状態のときのDUTY比
OFF_DUTY:スイッチングFET107が、OFF状態のときのDUTY比
(ただし、ダイオード201の順方向電圧は無視した場合)
また、コンパレータ602の+端子電圧をVcon(+)とすると、次式が成立する。
Vcon(+)=Vz ・・・・(8)
Vz:ツェナーダイオード605のツェナー電圧
(iv) 動作停止電圧を検知した後の各回路の動作と効果
入力交流電圧Vinが低下すると、1次平滑コンデンサ105の両端電圧も低下する。入力交流電圧Vinが動作停止電圧Vstop以下になると、第2電圧が動作制限電圧以下になるため、コンパレータ602の比較結果がLowからHiに反転する。比較結果は、フォトカプラ603を介して、コントロールユニット133のVCON端子に入力される。コントロールユニット133は、比較結果がHiに変化したことを認識すると、フォトカプラ132を介して、トランジスタ131をOFFに切り替える。これにより、電源制御IC110の駆動電力の供給が停止する。このように、コントロールユニット133、フォトカプラ132、トランジスタ131および電圧検知回路600は、第2電圧が動作制限閾値を超えている場合、第1のコンバータから制御回路に駆動電力を供給し、第2電圧が動作制限閾値以下になった場合、第1のコンバータ101から電源制御IC110への駆動電力の供給を遮断する遮断回路として機能する。
【0048】
コントロールユニット133のVCON端子には、第2のコンバータ151が起動する前にもHiが入力される。しかし、コントロールユニット133は、起動前に入力されるHiを無視するようにプログラムされているものとする。
【0049】
実施例3によれば、VSEN端子を使用して電源制御ICを起動する一方で、電圧検知回路600によって動作停止電圧Vstopを検知して電源制御ICを安全に停止できる。これにより、スイッチングFET106、107が発振動作を停止するため、1次側の素子の定格を超えるような過電流状態が抑制され、かつ、貫通電流も抑制される。
【0050】
[その他]
実施例1ないし3においては、便宜上、電流共振方式の電源装置を一例として採用したが、フライバック方式やフォワード方式など、他の方式にも本発明を適用できる。これらの方式でも、入力交流電圧Vinが低ければ低いほど、1次側の電流が多くなり、過電流状態などが発生しうるからである。
【0051】
また、上述した電源装置100は様々な電子装置に電力を供給できる。また、第2のコンバータは2つ以上であってもよい。この場合、各第2のコンバータはそれぞれ異なる電圧を供給するDC−DCコンバータとして機能してもよい。
【0052】
図5(A)、図5(B)を用いて、電子装置の一例として、画像形成装置について説明する。画像形成装置800は、電子写真方式の画像形成装置である。給紙カセット801に収納されている用紙は、ピックアップローラ807によって搬送路へ給紙される。像担持体である感光ドラム803は、帯電器802によって一様の電位に帯電する。露光装置806は、画像データに応じた光ビームを出力し、感光ドラム803の表面に潜像を形成する。現像ローラ804は、トナーを用いて潜像を現像し、トナー像を形成する。転写装置809は、感光ドラム803から用紙へとトナー像を転写する。定着装置805は定着ローラ808によってトナー像を加圧および加熱し、用紙上に定着させる。
【0053】
図5(B)において、第1のコンバータ101は、3.3Vの直流電圧をプリンタ制御部820へ供給する。第2のコンバータ151は、24Vの直流電圧を生成し、モータ821、822へ供給する。モータ821は、たとえば、感光ドラム803を駆動するモータである。モータ822は、定着ローラ808を駆動するモータである。なお、5Vや12Vの直流電圧を生成する第3、第4のコンバータが追加されてもよい。この場合、第3、第4のコンバータの内部構成は基本的に第2のコンバータ151の内部構成と同様であってよい。なお、5Vは、たとえば、用紙の搬送路を切り替えるフラッパを駆動する電磁クラッチ(ソレノイド)に供給される電圧である。
【0054】
このように本発明の電源装置100を画像形成装置800に適用することで、画像形成装置800が安定して動作するようになる。画像形成装置800が安定して動作すれば、用紙上に形成される用紙に品質を維持できるようになる。また、画像の形成に成功する確率が上がるため、本発明は、消耗品等の節約にも寄与するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された交流電圧を整流平滑して出力する整流平滑回路と、
前記整流平滑回路から出力された電圧を第1のトランスにより変換して出力する第1のコンバータと、
前記整流平滑回路から出力された電圧を第2のトランスにより変換して出力する第2のコンバータと
を備えた電源装置であって、
前記第2のコンバータは、
前記整流平滑回路の2つの出力端の一方に電流流入端子が接続された第1のスイッチング素子と、
前記整流平滑回路の2つの出力端の他方に電流流出端子が接続され、電流流入端子が前記第1のスイッチング素子の電流流出端子に接続された第2のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子の制御端子と前記第2のスイッチング素子の制御端子とに制御信号を出力することで前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とをスイッチング動作させる制御回路と、
前記第1のコンバータが備える前記第1のトランスの補助巻線の電圧に応じた第1電圧を生成して前記制御回路に印加する第1電圧圧生成回路と、
前記第2のコンバータの1次側に印加されている電圧から前記交流電圧に応じた第2電圧を生成する第2電圧生成回路と
を備え、
前記制御回路は、前記第1電圧が動作開始閾値以上になると動作を開始し、前記第2電圧が前記動作開始閾値よりも小さな動作制限閾値以下になると自己の動作を停止ないしは制限することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御回路は、当該制御回路が動作を開始する際に前記第1電圧が印加され、当該制御回路が動作を開始すると前記第2電圧が印加される電圧検出端子を備え、
前記制御回路は、前記電圧検出端子に印加されている前記第1電圧が前記動作開始閾値以上になると動作を開始し、前記電圧検出端子に印加されている前記第2電圧が、前記動作制限閾値以下になると動作を制限することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記電圧検出端子には、当該電圧検出端子に印加されている電圧が前記第1電圧から前記第2電圧に切り替えられる際に当該電圧検出端子に印加されている前記第1電圧を維持するコンデンサが接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第2電圧が前記動作制限閾値以下になると、前記制御回路は、動作を停止するか、または、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とのスイッチング周波数を増加することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記制御回路は、当該制御回路が動作を開始する際に前記第1電圧が印加される電圧検出端子を備え、
前記制御回路は、前記電圧検出端子に印加されている前記第1電圧が前記動作開始閾値以上になると動作を開始し、
前記第2のコンバータは、
前記第2電圧と、前記動作制限閾値とを比較するコンパレータと、
前記第2電圧が前記動作制限閾値を超えている場合、前記第1のコンバータから前記制御回路に駆動電力を供給し、前記第2電圧が前記動作制限閾値以下になった場合、前記第1のコンバータからの前記制御回路への前記駆動電力の供給を遮断する遮断回路と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項6】
前記第2電圧生成回路は、前記第2のコンバータの1次側に印加されている電圧を、前記第1のスイッチング素子の電流流出端子と、前記第2のスイッチング素子の電流流入端子との接続点から取得することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項7】
前記第2電圧生成回路は、前記第2のコンバータの1次側に印加されている電圧を、前記整流平滑回路の平滑コンデンサの両端電圧から取得することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項8】
前記制御回路が動作を停止すると、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子もスイッチング動作を停止することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項9】
画像形成装置であって、
像担持体と、
前記像担持体を露光して潜像を形成する露光装置と、
トナーを用いて前記潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を前記像担持体から用紙に転写する転写装置と、
前記トナー像を前記用紙に定着させる定着装置と、
前記像担持体または前記定着装置を駆動する電力を供給する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電源装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−99110(P2013−99110A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239555(P2011−239555)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】