説明

電源遮断装置および電子機器

【課題】 セラミックコンデンサの数を低減することができ、セラミックコンデンサが短絡したときに流れる過電流を防止することができる電源遮断装置および電子機器を提供する。
【解決手段】 導通信号が遮断状態を指示し、トランジスタT2がオフのとき、コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡すると、抵抗素子R1での電圧降下が予め定める電位差以上の電位差になり、トランジスタT2のベースの電圧は、バッテリ2の電圧から予め定める電位差を減算した電圧以下になる。この状態で、導通信号が導通状態の指示に変化して、トランジスタT3がオンになると、トランジスタT2はオンになり、トランジスタT1のゲートの電圧をほぼソースの電圧にするので、トランジスタT1はオフの状態を維持する。したがって、出力部107から出力される電流は、抵抗素子R1で制限されるので、過電流が出力されることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流を防止することができる電源遮断装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の技術による電源装置9の概略の構成を示す図である。電源装置9は、バッテリ2の電圧が、並列に接続されるスイッチングレギュレータ12a,12b、リニアレギュレータ13およびパワースイッチ14などの電源回路に、入力端子11を介して印加されている。
【0003】
スイッチングレギュレータ12a,12bは、コイルL1を介して入力端子11に接続され、リニアレギュレータ13およびパワースイッチ14は、入力端子11に直接接続されている。スイッチングレギュレータ12a,12b、リニアレギュレータ13およびパワースイッチ14は、それぞれの出力側に図示しない負荷が接続され、オン/オフ信号によって動作の開始または動作の停止が制御される。
【0004】
スイッチングレギュレータ12a,12bおよびリニアレギュレータ13は、それぞれの入力側および出力側に、そして、パワースイッチ14は、出力側に、電圧変動の影響を低減するために、一端が接地されるコンデンサ、たとえばセラミックコンデンサが接続されている。
【0005】
具体的には、コイルL1は、上流側に、各コンデンサC20,C21が直列に接続されている。スイッチングレギュレータ12aは、入力側に、各コンデンサC22,C23が直列に接続され、出力側に、コンデンサC7が接続されている。スイッチングレギュレータ12bは、入力側に、各コンデンサC24,C25が直列に接続され、出力側に、コンデンサC8が接続されている。リニアレギュレータ13は、入力側に、各コンデンサC26,C27が直列に接続され、出力側に、コンデンサC9が接続されている。パワースイッチ14は、出力側に、各コンデンサC28,C29が直列に接続されている。
【0006】
セラミックコンデンサは、導体と絶縁体とが積層されて形成されており、実装時または組立時に加えられる外力あるいは経年変化によって亀裂が生じ易く、亀裂によって短絡が発生する可能性があるという欠点がある。セラミックコンデンサが短絡すると、短絡したセラミックコンデンサとバッテリ2との間に設けられる部品に過電流が流れ、その部品の温度が定格値以上に上昇する可能性がある。
【0007】
バッテリ2の電圧が直接印加される電気回路あるいは負荷の入力側に設けられるセラミックコンデンサは、セラミックコンデンサの短絡によって過電流が流れる可能性を低減するために、2つのセラミックコンデンサを直列に接続した構成、たとえば、コンデンサC20,C21、コンデンサC22,C23、コンデンサC24,C25、コンデンサC26,C27、およびコンデンサC28,C29のような構成にされる。
【0008】
特許文献1に記載される他の従来の技術である電源装置は、コンバータの入力側に大容量のコンデンサが接続され、電源投入時にコンデンサを充電する大容量の突入電流が流れることを防止するために、電源とコンデンサとの間に突入電流制限用抵抗が直列に接続されている。突入電流制限用抵抗には、スイッチング素子が並列に接続されている。コンバータは、出力電圧が安定した後所定の時間リセット信号を出力する。電源装置は、リセット信号が出力されている間、スイッチング素子を遮断状態とし、コンデンサの充電が完了した後、スイッチング素子を導通状態とするので、2次突入電流を小さい値に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−20928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図1に示した電源装置9は、電源回路ごとに複数のセラミックコンデンサを直列に接続して設ける必要があり、コストが高くなるという問題がある。特許文献1に記載される電源装置は、レギュレータに相当するコンバータの入力側に接続されるセラミックコンデンサが短絡したときに流れる過電流を防止するものではない。
【0011】
本発明の目的は、セラミックコンデンサの数を低減することができ、セラミックコンデンサが短絡したときに流れる過電流を防止することができる電源遮断装置および電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明(1)は、入力部と出力部との間に接続され、導通状態および遮断状態のうちのいずれかの状態となるスイッチング素子と、
一端が入力部に接続され、他端が出力部に接続される抵抗素子と、
前記抵抗素子の電圧降下が予め定める電位差未満であると、スイッチング素子が導通状態となるように制御し、前記抵抗素子の電圧降下が予め定める電位差以上であると、スイッチング素子が遮断状態となるように制御する制御部とを含むことを特徴とする電源遮断装置である。
また本発明(4)は、前記電源遮断装置を備えることを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明(1)によれば、入力部と出力部との間に接続されるスイッチング素子によって、導通状態および遮断状態のうちのいずれかの状態とされる。抵抗素子は、一端が入力部に接続され、他端が出力部に接続される。制御部によって、前記抵抗素子の電圧降下が予め定める電位差未満であると、スイッチング素子が導通状態となるように制御され、前記抵抗素子の電圧降下が予め定める電位差以上であると、スイッチング素子が遮断状態となるように制御される。
【0014】
したがって、コンデンサ、たとえばセラミックコンデンサが短絡したときに流れる過電流を防止することができ、セラミックコンデンサの数を低減することができる。セラミックコンデンサの数を低減することができるので、実装面積の低減による小型化およびコストの低減を図ることができる。さらに、セラミックコンデンサの短絡だけでなく、レギュレータなどの電源回路および負荷での短絡でも過電流を防止することができる。
【0015】
また本発明(4)によれば、前記電源遮断装置を備えるので、セラミックコンデンサの数を低減した電源回路を用いることができ、電子機器の小型化が可能になる。特に、車両用電子機器は、要求される機能が増大する傾向にあっても与えられるスペースは限定されたままであり、少しでも部品点数を減らし、実装スペースを低減することが要求されている。また、車両用電子機器は、必要とする直流電圧が1つではなく、また分散して配置されるので、複数のレギュレータおよびパワースイッチが用いられ、多くの箇所にセラミックコンデンサを設ける必要がある。電源遮断装置は、これらの多くの箇所に設けられるセラミックコンデンサをそれぞれ1つにすることができるので、多くのセラミックコンデンサを低減することができ、車載用電子機器には特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の技術による電源装置9の概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態である電源供給スイッチ回路10を含む電源装置1の概略の構成を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態である電源供給スイッチ回路10aを含む電源装置1aの概略の構成を示す図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態である電源供給スイッチ回路10bを含む電源装置1bの概略の構成を示す図である。
【図5】電源供給スイッチ回路10bを集積化した電源供給スイッチ回路デバイス20を含む電源装置1cの概略の構成を示す図である。
【図6】電源供給スイッチ回路デバイス20を備える車両用オーディオ機器30を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、本発明の一実施形態である電源供給スイッチ回路10を含む電源装置1の概略の構成を示す図である。電源装置1は、たとえば車両に搭載される電子機器などに用いられる電源装置であり、スイッチングレギュレータ、リニアレギュレータおよびパワースイッチなど複数の電源回路を含むが、以下、説明を簡単にするために、複数の電源回路のうち1つのスイッチングレギュレータ12および1つのリニアレギュレータ13について説明する。
【0018】
電源装置1は、電源供給スイッチ回路10、入力端子11、スイッチングレギュレータ12、リニアレギュレータ13、コンデンサC1〜C3,C7,C8、およびコイルL1を含んで構成されている。入力端子11は、直流電源、たとえばバッテリ2などの蓄電池に接続され、バッテリ2の電圧、たとえば12Vが印加され、電源供給スイッチ回路10の入力部106に接続されている。
【0019】
スイッチングレギュレータ12は、入力側がコイルL1を介して電源供給スイッチ回路10の出力部107に接続され、出力部107から出力される電圧を所定の電圧、たとえば5Vに変換し、図示しない負荷に出力するスイッチング電源回路である。リニアレギュレータ13は、入力側が電源供給スイッチ回路10の出力部107に接続され、出力部107から出力される電圧を所定の電圧、たとえば3Vに変換し、図示しない他の負荷に出力する定電圧直流電源回路である。
【0020】
コンデンサC1〜C3,C7,C8は、電圧変動の影響を低減するために設けられるコンデンサであり、たとえばセラミックコンデンサによって構成されている。コンデンサC1は、一端が出力部107とコイルL1との接続点に接続され、他端が接地されている。コンデンサC2は、一端がコイルL1とスイッチングレギュレータ12の入力側との接続点に接続され、他端が接地されている。コンデンサC3は、一端が出力部107とリニアレギュレータ13の入力側との接続点に接続され、他端が接地されている。コンデンサC7は、一端がスイッチングレギュレータ12の出力側と図示しない負荷との接続点に接続され、他端が接地されている。コンデンサC8は、一端がリニアレギュレータ13の出力側と図示しない他の負荷との接続点に接続され、他端が接地されている。
【0021】
電源遮断装置である電源供給スイッチ回路10は、トランジスタT1〜T3および抵抗素子R1〜R4を含んで構成されている。スイッチング素子であるトランジスタT1は、たとえばPチャネルのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect
Transistor)によって構成され、トランジスタT2は、たとえばPNP型のバイポーラトランジスタによって構成され、トランジスタT3は、たとえばNPN型のバイポーラトランジスタによって構成されている。
【0022】
トランジスタT1は、ソースが入力部106、トランジスタT2のエミッタ、抵抗素子R1の一端、および抵抗素子R3の一端に接続され、ドレインが出力部107、抵抗素子R1の他端、および抵抗素子R2の一端に接続され、ゲートが抵抗素子R3の他端、抵抗素子R4の一端、およびトランジスタT2のコレクタに接続されている。トランジスタT2は、ベースが抵抗素子R2の他端に接続されている。トランジスタT3は、コレクタが抵抗素子R4の他端に接続され、エミッタが接地され、ベースが接続部108に接続されている。トランジスタT2,T3および抵抗素子R2〜R4は、制御部を構成する。
【0023】
接続部108には、導通信号が入力されている。導通遮断指示信号である導通信号は、電子機器への通電を開始するか否かを切り換えるアクセサリスイッチからの信号であり、電源供給スイッチ回路10に対しては、入力部106と出力部107との間を導通状態にするかまたは遮断状態にするかを指示する。具体的には、ハイレベルのとき導通状態を指示し、ローレベルのとき遮断状態を指示する。ハイレベルは、たとえばトランジスタT3が導通状態のときのベースエミッタ間の電圧降下VBEよりも高い電圧であり、ローレベルは、接地レベル、たとえば0Vである。
【0024】
また、導通信号は、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13などの電源回路にイネーブル信号(以下「EN信号」という)として入力されている。動作指示信号であるEN信号は、電源回路の動作の開始または動作の停止を指示する信号であり、ハイレベルのとき動作の開始を指示し、ローレベルのとき動作の停止を指示する。
【0025】
導通信号が遮断状態を指示するとき、トランジスタT3のベースの電圧はローレベルであり、トランジスタT3は、遮断状態(以下「オフ」という)である。トランジスタT3がオフであると、トランジスタT2のゲートの電圧は、ほぼソースの電圧に等しく、ドレインの電圧よりも高いのでトランジスタT2はオフである。導通信号が遮断状態を指示するとき、すなわち、導通信号がローレベルのとき、EN信号は動作の停止をスイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13に指示することになるので、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13は、動作を停止しているときに流れる電流(以下「スタンバイ電流」という)を消費するだけである。
【0026】
抵抗素子R1は、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13の入力側に設けられるセラミックコンデンサ、たとえばコンデンサC1〜C3のうちのいずれかが短絡し、過電流が流れることを検出するために設けられる抵抗素子である。過電流が流れると、抵抗素子R1の電圧降下が大きくなり、トランジスタT2のベースの電圧は、バッテリ2の電圧から、トランジスタT2が導通状態のときのベースエミッタ間の電圧降下VBEを減算した電圧未満の電圧になり、トランジスタT2を導通状態(以下「オン」という)にする。トランジスタT2がオンになると、トランジスタT1のゲート電圧は、ほぼソースの電圧となり、トランジスタT1は、オンになることはない。
【0027】
トランジスタT1がオフのとき、抵抗素子R1は、スタンバイ電流が流れるだけであるので、抵抗素子R1での電圧降下は予め定める電位差よりも小さい。予め定める電位差は、トランジスタT2が導通状態のときのベースエミッタ間の電圧降下VBEと同じ電位差である。抵抗素子R1での電圧降下が予め定める電位差よりも小さいと、トランジスタT2のベースの電圧は、バッテリ2の電圧から予め定める電位差を減算した電圧よりも高く、トランジスタT2はオフである。
【0028】
トランジスタT2がオフの状態で、導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化すると、トランジスタT3のベースの電圧がハイレベルとなり、トランジスタT3はオンとなる。トランジスタT3がオンになると、抵抗素子R3,R4に電流が流れ、トランジスタT1のゲートの電圧が、バッテリ2の電圧を抵抗素子R3と抵抗素子R4とで分圧した電圧まで下がるので、トランジスタT1はオンになる。
【0029】
導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化すると、EN信号は、動作の停止の指示から動作の開始の指示に変化するので、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13は動作を開始し、それぞれの負荷に電流を供給する。
【0030】
トランジスタT1がオンになり、トランジスタT1にスイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13への電流が流れるが、トランジスタT1のオン抵抗は抵抗素子R1に比して微小であるので、抵抗素子R1にはほとんど電流は流れず、大部分の電流はトランジスタT1を流れる。トランジスタT1での電圧降下は、トランジスタT1のオン抵抗と、動作を開始したスイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13に供給する電流とによって決まるが、トランジスタT1のオン抵抗は微小であるので、トランジスタT1での電圧降下は予め定める電位差未満であり、トランジスタT2のベースの電圧は、バッテリ2の電圧から予め定める電位差を減算した電圧よりも高く、トランジスタT2はオフのままである。
【0031】
導通信号が遮断状態を指示し、トランジスタT1がオフのとき、コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡すると、抵抗素子R1に流れる電流は、スタンバイ電流を大きく上回る過電流が流れ、抵抗素子R1での電圧降下は急増する。抵抗素子R1での電圧降下が増加し、予め定める電位差以上の電位差になると、トランジスタT2のベースの電圧がバッテリ2の電圧から予め定める電位差を減算した電圧以下になる。
【0032】
トランジスタT2のベースの電圧がバッテリ2の電圧から予め定める電位差を減算した電圧以下になっている状態で、導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化すると、トランジスタT3はオフからオンになる。しかしながら、トランジスタT2のベースの電圧がバッテリ2の電圧から予め定める電位差を減算した電圧以下になっているので、トランジスタT2がオンになり、抵抗素子R3と抵抗素子R4との接続点の電圧、つまりトランジスタT1のゲートの電圧は、ほぼソースの電圧になり、トランジスタT1はオフの状態を維持する。出力部107から出力される電流は、抵抗素子R1で制限されるので、大きな電流、つまり過電流が出力されることを防止することができる。
【0033】
セラミックコンデンサは、実装時または組立時に加えられる外力の影響でわずかなクラック、つまり亀裂が発生することがある。出荷検査で問題がない程度であっても、経年変化でクラックが進行すると、リーク電流が増大して、短絡した状態と同じ状態になり、過電流が流れる。電源供給スイッチ回路10は、このような経年変化によって増加したリーク電流を検出して、トランジスタT1をオフにすることができ、過電流を防止することができる。さらに、セラミックコンデンサの短絡だけでなく、レギュレータなどの電源回路および負荷での短絡による過電流を防止することもできる。
【0034】
このように、電源供給スイッチ回路10は、セラミックコンデンサのクラックによる過電流を防止することができるので、電源回路ごとに設けられるセラミックコンデンサを、複数直列に接続する必要がなく、図1に示した電源装置9に比して、電源装置1のセラミックコンデンサの数を低減することができる。セラミックコンデンサの数を低減することができるので、実装面積の低減による小型化およびコストの低減を図ることができる。
【0035】
図3は、本発明の他の実施形態である電源供給スイッチ回路10aを含む電源装置1aの概略の構成を示す図である。電源装置1aは、たとえば車両に搭載される電子機器などに用いられる電源装置である。電源装置1aは、電源供給スイッチ回路10a、入力端子11、スイッチングレギュレータ12、リニアレギュレータ13、コンデンサC1〜C3,C7,C8、およびコイルL1を含んで構成されている。電源装置1aの構成要素のうち、図2に示した電源装置1の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0036】
電源供給スイッチ回路10aは、トランジスタT1〜T4、抵抗素子R1〜R6、電流源101および増幅器102を含んで構成されている。トランジスタT4は、たとえばPNP型のバイポーラトランジスタによって構成され、エミッタが抵抗素子R5の一端に接続され、コレクタが増幅器102の入力端子、および一端が接地される抵抗素子R6の他端に接続され、ベースがトランジスタT2のコレクタ、抵抗素子R3の他端、抵抗素子R4の一端、およびトランジスタT1のゲートに接続されている。
【0037】
抵抗素子R5の他端は、入力部106、トランジスタT2のエミッタ、抵抗素子R3の一端、抵抗素子R1の一端、およびトランジスタT1のソースに接続されている。電流源101は、上流側が抵抗素子R2の他端、およびトランジスタT2のベースに接続され、下流側が接地され、制御端子が増幅器102の出力端子に接続される。増幅器102の出力端子がハイレベルのとき、電流源101は動作して、電流を流し、増幅器102の出力端子がローレベルのとき、電流源101は動作を停止して、電流を流さない。
【0038】
導通信号がローレベルで、トランジスタT3がオフのとき、トランジスタT4は、ベースの電圧がほぼバッテリ2の電圧であり、オフである。したがって、増幅器102は、ローレベルを出力するので、電流源101は動作せず、抵抗素子R2に電流を流すことはない。
【0039】
コンデンサC1〜C3のいずれもが短絡しておらず、トランジスタT2がオフの状態の場合、導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化すると、つまり導通信号がローレベルからハイレベルに変化すると、トランジスタT3がオンになり、トランジスタT4のベースの電圧が、バッテリ2の電圧から、バッテリ2の電圧を抵抗素子R3と抵抗素子R4とで分圧した電圧まで下がるので、トランジスタT4はオンになる。トランジスタT4がオンになると、増幅器102の入力端子の電圧が上昇するので、増幅器102はハイレベルを出力し、電流源101を動作させる。
【0040】
コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡している状態の場合、トランジスタT2がオンの状態であるので、導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化して、トランジスタT3がオンになっても、トランジスタT4のベースの電圧は、ほぼバッテリ2の電圧のままで、トランジスタT4はオフのままである。トランジスタT4がオフのままであるので、増幅器102はローレベルを出力し、電流源101は動作しない。
【0041】
導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化して、電流源101が動作している状態で、コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡すると、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13、ならびにそれらの負荷で消費される電流以上の過電流が出力部107から出力され、トランジスタT1での電圧降下が予め定める第2の電位差以上になる。
【0042】
トランジスタT1での電圧降下が予め定める第2の電位差以上になると、トランジスタT2のベースの電圧が、バッテリ2の電圧からトランジスタT2が導通状態のときのベースエミッタ間の電圧降下VBEを減算した電圧以下の電圧になり、トランジスタT2がオンになる。トランジスタT2がオンになると、トランジスタT1のゲートの電圧がほぼソースの電圧になるので、トランジスタT1はオフになり、出力部107から出力する電流は、抵抗素子R1によって制限され、過電流が流れることはない。
【0043】
予め定める第2の電位差は、コンデンサC1〜C3のいずれもが短絡していない状態でのトランジスタT1での電圧降下から、コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡した状態でのトランジスタT1での電圧降下までの範囲内の電位差に設定される。そして、トランジスタT1での電圧降下が予め定める第2の電位差に等しいときに、トランジスタT2がオンになるので、抵抗素子R2での電圧降下が、トランジスタT2が導通状態のときのベースエミッタ間の電圧降下VBEから予め定める第2の電位差を減算した電位差になるように、抵抗素子R2の抵抗値および電流源101の電流の電流値が決定される。トランジスタT2のベース電流は微小であるので、ベース電流は0であると仮定している。
【0044】
たとえば、コンデンサC1〜C3のいずれもが短絡していない状態でのトランジスタT1での電圧降下が、たとえば0.1Vであり、コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡した状態でのトランジスタT1での電圧降下が、たとえば0.3Vであると、予め定める第2の電位差は、たとえば0.2Vに決定される。トランジスタT2が導通状態のときのベースエミッタ間の電圧降下VBEを、たとえば0.7Vとすると、抵抗素子R2の電圧降下は、0.5Vとなる。したがって、抵抗素子R2の電圧降下が0.5Vになるように、抵抗素子R2の抵抗値および電流源101の電流の電流値を決定すればよい。
【0045】
抵抗素子R2を流れる電流の電流値をIとし、出力部107から出力される電流の電流値であって、セラミックコンデンサが短絡したことを検出する検出電流の電流値をIdetとすると、図2に示した電源供給スイッチ回路10では、Idet=VBE/R1であるが、電源供給スイッチ回路10aでは、Idet=(VBE−I×R2)/RTとすることができる。RTは、トランジスタT1のオン抵抗であり、R1,R2は、抵抗素子R1,R2の抵抗値である。すなわち、トランジスタT1のオン抵抗RTが微小な値であっても、電流源101の電流値および抵抗素子R2の抵抗値を選択することによって、セラミックコンデンサの短絡を検出することができる。
【0046】
したがって、電源供給スイッチ回路10aは、導通信号が導通状態を指示していて、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13などの電源回路、ならびに負荷が動作中に、コンデンサC1〜C3のいずれかのセラミックコンデンサが短絡しても、トランジスタT1を遮断状態にすることができ、過電流を防止することができる。
【0047】
また、セラミックコンデンサの短絡だけでなく、レギュレータなどの電源回路および負荷での短絡故障、導電性物質の侵入による短絡、あるいは結露によるリーク電流など電流が異常に増加したことを動作中に検出して、トランジスタT1をオフにし、過電流を防止することができる。
【0048】
図4は、本発明のさらに他の実施形態である電源供給スイッチ回路10bを含む電源装置1bの概略の構成を示す図である。電源装置1bは、たとえば車両に搭載される電子機器などに用いられる電源装置である。電源装置1bは、電源供給スイッチ回路10b、入力端子11、スイッチングレギュレータ12、リニアレギュレータ13、コンデンサC1〜C3,C7,C8、およびコイルL1を含んで構成されている。電源装置1bの構成要素のうち、図3に示した電源装置1aの構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0049】
電源供給スイッチ回路10bは、トランジスタT1〜T4、抵抗素子R1〜R6、電流源101、増幅器102および遅延部(図4〜図6では「Delay」という)103を含んで構成されている。遅延部103は、たとえば、直列に接続される抵抗素子と、一端が接地され、他端がその抵抗素子の一端に接続されるコンデンサとによって構成されている。遅延部103は、接続部108から入力される導通信号を予め定める時間遅延させて、EN信号として出力部109から出力する。予め定める時間は、トランジスタT1の寄生容量および抵抗素子R4による遅延時間以上の時間であり、たとえば数十〜百マイクロ秒である。
【0050】
図2に示した電源装置1および図3に示した電源装置1aでは、導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化すると同時に、EN信号がスイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13などの後段の電気回路に動作の開始を指示するので、導通信号が遮断状態の指示から導通状態の指示に変化して、トランジスタT3およびトランジスタT1がオンになるよりも前に、後段の電気回路への電流が流れることがある。後段の電気回路に電流が流れると、抵抗素子R1の電圧降下が増大するので、電源供給スイッチ回路10および電源供給スイッチ回路10aは、コンデンサC1〜C3のいずれかが短絡したと誤検出し、トランジスタT2をオンにする。
【0051】
しかしながら、電源装置1bは、遅延部103がEN信号を導通信号よりも予め定める時間遅延させるので、コンデンサC1〜C3のいずれもが短絡していないとき、トランジスタT1がオンになる前に、スイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13などの後段の電気回路が動作を開始することがなく、電源供給スイッチ回路10bの誤動作を防止することができる。
【0052】
図5は、電源供給スイッチ回路10bを集積化した電源供給スイッチ回路デバイス20を含む電源装置1cの概略の構成を示す図である。電源装置1cは、たとえば車両に搭載される電子機器などに用いられる電源装置である。電源装置1cは、電源供給スイッチ回路デバイス20、入力端子11、スイッチングレギュレータ12、リニアレギュレータ13、コンデンサC1〜C3,C7,C8およびコイルL1を含んで構成されている。電源装置1cの構成要素のうち、図4に示した電源装置1bの構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0053】
集積回路装置である電源供給スイッチ回路デバイス20は、図4に示した電源供給スイッチ回路10bを集積化した集積回路装置であり、トランジスタT1〜T4、抵抗素子R1〜R6、電流源101、増幅器102および遅延部103を含んで構成され、接続端子J1〜J5が形成されている。接続端子J1〜J4は、それぞれ図4に示した入力部106、出力部107、接続部108および出力部109に対応する接続端子であり、接続端子J5は、電源供給スイッチ回路デバイス20を接地するための接続端子である。
【0054】
電源供給スイッチ回路デバイス20は、集積化されることによって、小型化されるとともに、信頼性が向上している。また、大量生産によるコストダウンも可能である。
【0055】
図6は、電源供給スイッチ回路デバイス20を備える車両用オーディオ機器30を示す図である。車両用オーディオ機器30は、車両に搭載される電子機器であり、電源供給スイッチ回路デバイス20、入力端子11、スイッチングレギュレータ12a〜12c、リニアレギュレータ13a,13b、パワースイッチ14、コンデンサC1〜C16、ダイオードD1,D2、コイルL1,L2、マイコン31、比較器32および直流電源33を含んで構成されている。車両用オーディオ機器30の構成要素のうち、図5に示した電源装置1cの構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0056】
車両用オーディオ機器30では、入力端子11は、ヒューズ3を介してバッテリ2に接続され、入力端子15は、スイッチ4を介してバッテリ2に接続されている。ダイオードD1は、アノードが入力端子11に接続され、カソードが、アノードが接地されるダイオードD2のカソード、コンデンサC11の一端、ならびにコイルL2を介して接続端子J1、およびリニアレギュレータ13aの入力側に接続されている。コンデンサC11の他端は、一端が接地されるコンデンサC12の他端に接続されている。
【0057】
コイルL2の下流側に、一端が接地されるコンデンサC13の他端が接続され、リニアレギュレータ13aの入力側にコンデンサC14の一端が接続されている。コンデンサC14の他端は、一端が接地されるコンデンサC15の他端に接続されている。リニアレギュレータ13aの出力側は、一端が接地されるコンデンサC16の他端、およびマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)31の入力側に接続されている。マイコン31の出力側は、接続端子J3に接続されている。
【0058】
コンデンサC13は、たとえば電界コンデンサによって構成され、コイルL2の下流側の電圧変動を抑制するために設けられる。ダイオードD1は、バッテリ2が逆に接続されたときの逆流防止のために設けられ、ダイオードD2は、バッテリが外れて発電している電力の行先がなくなったときの保護のために設けられる。
【0059】
コンデンサC11,C12,C14〜C16は、たとえばセラミックコンデンサによって構成され、電圧変動の影響を低減するために設けられる。コンデンサC11,C12は、電源供給スイッチ回路デバイス20の上流側に、そして、コンデンサC14,C15は、リニアレギュレータ13aの上流側に設けられ、コンデンサC11,C12,C14,C15は、それぞれ直列に2つ接続され、1つが短絡しても、過電流が流れないように構成されている。
【0060】
比較器32は、非反転入力端子が入力端子15に接続され、反転入力端子が直流電源33に接続され、出力端子がマイコン31に接続されている。スイッチ4は、たとえばアクセサリ、つまり車両に搭載される電子機器への通電をオンオフするアクセサリスイッチである。スイッチ4がオンになると、バッテリ2の電圧が比較器32の非反転入力端子に印加される。比較器32は、出力端子をハイレベルにすることによって、スイッチ4がオンになったことをマイコン31に知らせる。マイコン31は、スイッチ4がオンになったことを知らされると、導通信号を接続端子J3に出力する。
【0061】
電源供給スイッチ回路デバイス20の下流側には、スイッチングレギュレータ12a〜12c、リニアレギュレータ13b、およびパワースイッチ14が並列に接続されている。スイッチングレギュレータ12a〜12cは、コイルL1を介して接続端子J2に接続され、リニアレギュレータ13b、およびパワースイッチ14は、接続端子J2に直接接続されている。
【0062】
コンデンサC1〜C10は、たとえばセラミックコンデンサによって構成され、いずれも一端が接地されている。コンデンサC1の他端は、コイルL1の上流側に接続され、コンデンサC2の他端は、スイッチングレギュレータ12aの入力側に接続され、コンデンサC3の他端は、スイッチングレギュレータ12bの入力側に接続され、コンデンサC4の他端は、スイッチングレギュレータ12cの入力側に接続され、コンデンサC5の他端は、リニアレギュレータ13bの入力側に接続され、コンデンサC6の他端は、パワースイッチ14の出力側に接続され、コンデンサC7の他端は、スイッチングレギュレータ12aの出力側に接続され、コンデンサC8の他端は、スイッチングレギュレータ12bの出力側に接続され、コンデンサC9の他端は、スイッチングレギュレータ12cの出力側に接続され、コンデンサC10の他端は、リニアレギュレータ13bの出力側に接続されている。
【0063】
コンデンサC1〜C6は、電源供給スイッチ回路デバイス20の下流側に接続されており、短絡しても、電源供給スイッチ回路デバイス20によって過電流が防止されるので、それぞれ1つずつである。しかし、図1に示した電源装置9では、バッテリ2の電圧が直接印加されるので、過電流の可能性を低減するためには、それぞれもう1つのセラミックコンデンサを直列に接続しておく必要がある。
【0064】
すなわち、車両用オーディオ機器30は、電源供給スイッチ回路デバイス20を用いることによって、スイッチングレギュレータ12a〜12c、およびリニアレギュレータ13bなどの電源回路の直前の上流側に設けられるセラミックコンデンサの数を半減し、ならびにパワースイッチ14などの電源回路の直後の下流側に設けられるセラミックコンデンサの数を半減することができる。
【0065】
このように、入力部106と出力部107との間に接続されるトランジスタT1によって、導通状態および遮断状態のうちのいずれかの状態とされる。抵抗素子R1は、一端が入力部106に接続され、他端が出力部107に接続される。トランジスタT2,T3および抵抗素子R2〜R4によって、抵抗素子R1の電圧降下が予め定める電位差未満であると、トランジスタT1が導通状態となるように制御され、抵抗素子R1の電圧降下が予め定める電位差以上であると、トランジスタT1が遮断状態となるように制御される。
【0066】
したがって、コンデンサ、たとえばセラミックコンデンサが短絡したときに流れる過電流を防止することができ、セラミックコンデンサの数を低減することができる。セラミックコンデンサの数を低減することができるので、実装面積の低減による小型化およびコストの低減を図ることができる。さらに、セラミックコンデンサの短絡だけでなく、レギュレータなどの電源回路および負荷での短絡でも過電流を防止することができる。
【0067】
さらに、トランジスタT2,T3および抵抗素子R2〜R4によって、トランジスタT1が導通状態となっているとき、トランジスタT1の電圧降下が予め定める第2の電位差以上になると、トランジスタT1が遮断状態となるように制御される。したがって、動作中にセラミックコンデンサなどが短絡したときにも、トランジスタT1を遮断状態にすることができ、過電流を防止することができる。
【0068】
さらに、遅延部103によって、トランジスタT1を導通状態および遮断状態のいずれにするかを指示する導通信号が予め定める時間だけ遅延される。トランジスタT2,T3および抵抗素子R2〜R4によって、遅延部103によって遅延された導通信号が、動作を開始するかまたは動作を停止するかを指示するEN信号として出力部107に接続された電源回路に送られ、EN信号が遮断状態の指示であると、前記電源回路の動作を停止させ、EN信号が導通状態の指示であると、前記電源回路の動作を開始させる。
【0069】
遅延部103がない場合、トランジスタT1の遮断状態から導通状態への切り換えと、電源回路、たとえばスイッチングレギュレータ12およびリニアレギュレータ13の動作の開始とが同時に指示されると、電源供給スイッチ回路10bおよび電気回路のそれぞれの遅延時間の差によって、トランジスタT1が導通状態に切り換わる前に、電気回路が動作を開始したとき、抵抗素子R1での電圧降下が予め定める電位差以上になり、トランジスタT2,T3および抵抗素子R2〜R4は、セラミックコンデンサが短絡したと誤って判断し、遮断状態を維持したままになることがある。しかし、遅延部103がある場合、遅延部103によって導通信号を遅延してEN信号として電気回路に指示するので、トランジスタT1が導通状態に切り換わる前に、電気回路が動作を開始することがなく、電源供給スイッチ回路10bの誤動作を防止することができる。
【0070】
さらに、電源供給スイッチ回路10,10a,10bを備えるので、セラミックコンデンサの数を低減した電源回路、たとえばスイッチングレギュレータ12a〜12c、リニアレギュレータ13b、およびパワースイッチ14を用いることができ、電子機器の小型化が可能になる。特に、車両用電子機器は、要求される機能が増大する傾向にあっても与えられるスペースは限定されたままであり、少しでも部品点数を減らし、実装スペースを低減することが要求されている。また、車両用電子機器は、必要とする直流電圧が1つではなく、また分散して配置されるので、複数のレギュレータおよびパワースイッチが用いられ、多くの箇所にセラミックコンデンサを設ける必要がある。電源遮断装置は、これらの多くの箇所に設けられるセラミックコンデンサをそれぞれ1つにすることができるので、多くのセラミックコンデンサを低減することができ、車載用電子機器には特に有用である。
【符号の説明】
【0071】
1,1a〜1c,9 電源装置
2 バッテリ
3 ヒューズ
4 スイッチ
10,10a,10b 電源供給スイッチ回路
11,15 入力端子
12a〜12c スイッチングレギュレータ
13a,13b リニアレギュレータ
14 パワースイッチ
106 入力部
107,109 出力部
108 接続部
20 電源供給スイッチ回路デバイス
30 車両用オーディオ機器
31 マイコン
32 比較器
33 直流電源
J1〜J5 接続端子
101 電流源
102 増幅器
103 遅延回路
C1〜C16,C20〜C29 セラミックコンデンサ
D1,D2 ダイオード
L1,L2 コイル
R1〜R6 抵抗素子
T1〜T4 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と出力部との間に接続され、導通状態および遮断状態のうちのいずれかの状態となるスイッチング素子と、
一端が入力部に接続され、他端が出力部に接続される抵抗素子と、
前記抵抗素子の電圧降下が予め定める電位差未満であると、スイッチング素子が導通状態となるように制御し、前記抵抗素子の電圧降下が予め定める電位差以上であると、スイッチング素子が遮断状態となるように制御する制御部とを含むことを特徴とする電源遮断装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スイッチング素子が導通状態となっているとき、前記スイッチング素子の電圧降下が予め定める第2の電位差以上になると、前記スイッチング素子が遮断状態となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の電源遮断装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子を導通状態および遮断状態のいずれにするかを指示する導通遮断指示信号を予め定める時間だけ遅延させる遅延部を含み、
前記制御部は、遅延部によって遅延された導通遮断指示信号を、動作を開始するかまたは動作を停止するかを指示する動作指示信号として出力部に接続された電源回路に送り、動作指示信号が遮断状態の指示であると、前記電源回路の動作を停止させ、動作指示信号が導通状態の指示であると、前記電源回路の動作を開始させることを特徴とする請求項1または2に記載の電源遮断装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の電源遮断装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−55634(P2011−55634A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201828(P2009−201828)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】