説明

電界放出ディスプレイ用のスペーサ自動実装システム及びスペーサ自動実装方法

【課題】アスペクト比が大きく且つ多数のスペーサを高速で実装することができる電界放出ディスプレイ用のスペーサ自動実装システムを提供する。
【解決手段】複数個のスペーサを水平整列パレット21に水平方向に整列する水平整列機と、複数個のスペーサを垂直整列パレット50に垂直に整列する反転機を含む垂直整列機5と、垂直整列パレット50と接着剤の塗布されたパネル9とが固定される実装ベースと、垂直整列パレット50に複数個のスペーサを真空吸着する真空吸着機70と、複数個のスペーサをパネル9にガイドするガイド兼加圧機80と、真空吸着機を垂直整列パレット50でパネル9の上側に移動させる第1ローダ91と、ガイド兼加圧機80をパネル9の上側に移動させる第2ローダ92と、垂直整列機5、真空吸着機70、ガイド兼加圧機80、第1ローダ91及び第2ローダ92を制御してパネル9に複数個のスペーサを実装する制御機とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電界放出ディスプレイに関し、より詳細には、電界放出ディスプレイのスペーサを自動で実装可能なスペーサ自動実装システム及びスペーサ自動実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電界放出ディスプレイは上板と下板とが離隔しており、その間が真空状態で密封されている。従って、真空状態で上下板の間の間隔を一定に維持させるためにスペーサを使用している。
【0003】
40インチ以上の大型電界放出ディスプレイには、真空状態で構造的な安定性と製品の特性を実現するために、1000以上のスペーサが使用される。
【0004】
電界放出ディスプレイにスペーサを装着する方法としては、作業者がピンセットを用いてスペーサを装着する手作業方法がある。このような方法は、作業時間が長くかかるうえに、歩留まりもよくないという問題点がある。
【0005】
別の方法としては、チャックを用いて複数個のスペーサをピックアンドプレイス(pick and place)する方法が用いられる。通常、この方法は、電界放出ディスプレイスにL×M個のスペーサを実装する場合に、L個のスペーサをM回実装する構成である。このために、ボウルフィーダと直進フィーダとを用いてスペーサを一つずつ垂直姿勢に整列し、グリッパでスペーサをピックアンドプレイスすることで、電界放出ディスプレイにスペーサを実装するように構成されている。しかし、これはグリッパでピックアンドプレイスできるスペーサの数が少なく所要時間が長く、スペーサのアスペクト比(Aspect Ratio)が大きい場合、高速化することが困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特開第2003−066019号公報
【特許文献2】韓国特開第2002−055774号公報
【特許文献3】韓国特開第2001−056988号公報
【特許文献4】日本特開第1997−092155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、アスペクト比が大きく且つ多数のスペーサを高速で実装することができる電界放出ディスプレイ用のスペーサ自動実装システム及びその方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によると、スペーサ自動実装システムは、複数個のスペーサを水平整列パレットに水平方向に整列する水平整列機と、垂直整列パレットと前記水平整列パレットに水平整列された複数個のスペーサを前記垂直整列パレットに垂直に整列する反転機を含む垂直整列機と、前記垂直整列パレットと接着剤の塗布されたパネルとが固定される実装ベースと、前記実装ベースに固定された前記垂直整列パレットに垂直整列された複数個のスペーサを真空吸着する真空吸着機と、前記真空吸着機から落下する複数個のスペーサを前記パネルにガイドするガイド板と前記複数個のスペーサを加圧する加圧板とを含むガイド兼加圧機と、前記実装ベースに設置され、前記真空吸着機を前記垂直整列パレットから前記パネルの上側に移動させる第1ローダと、前記実装ベースに設置され、前記ガイド兼加圧機を前記パネルの上側に移動させる第2ローダと、前記垂直整列機、前記真空吸着機、前記ガイド兼加圧機、前記第1ローダ及び前記第2ローダを制御して前記パネルに複数個のスペーサを実装する制御機とを含む。
【0009】
スペーサ自動実装システムは、前記水平整列機と前記垂直整列機との間に設置され、前記水平整列パレットを握るためのグリッパを前記水平整列機から前記垂直整列機に移動させるパレットローダを更に含んでよい。
【0010】
前記反転機は、積層設置された姿勢変換パレットと開閉シャッタを含み、前記姿勢変換パレットが前記水平整列パレットと対向した状態で前記水平整列パレットを結合し、前記水平整列パレットの結合された状態で180度回転できるように形成されてよい。
【0011】
前記反転機は、前記姿勢変換パレットと開閉シャッタとが積層設置される反転フレームと、前記反転フレームを回転させる回転ユニットとを含んでよい。
【0012】
前記反転フレームは、前記姿勢変換パレットに対して前記水平整列パレットを固定するパレット固定部と、前記姿勢変換パレットに対して前記開閉シャッタを移動させる開閉シャッタ駆動部とを含んでよい。
【0013】
前記反転フレームは、前記姿勢変換パレットと前記水平整列パレットとの間に設置される姿勢変換シャッタと、前記姿勢変換パレットに対して前記姿勢変換シャッタを移動させる姿勢変換シャッタ駆動部とを更に含んでよい。
【0014】
前記姿勢変換パレットは複数個の姿勢変換孔を含み、前記姿勢変換孔は水平状態の前記スペーサに対応する入口部と、垂直状態の前記スペーサに対応する出口部と、前記入口部と出口部とを連結し、前記スペーサが水平状態から垂直状態に姿勢変換するようにガイドする曲線部とを含んでよい。
【0015】
前記開閉シャッタは、前記姿勢変換パレットの複数個の姿勢変換孔の各々の出口部に対応するように位置する複数個の遮断部と、前記複数個の遮断部の各々の一側に形成され、前記出口部から排出されるスペーサが通過する複数個の貫通孔とを含み、前記制御機の信号に応じて前記遮断部又は貫通孔が前記姿勢変換孔の出口部の下に位置してよい。
【0016】
前記垂直整列機と前記実装ベースとの間に設置され、前記垂直整列機と前記実装ベースに垂直整列パレットを移動させるパレット移送装置を含んでよい。
【0017】
前記真空吸着機は、前記垂直整列パレットに垂直に整列された複数個のスペーサのうち複数個を一度に吸着できるように形成されてよい。このとき、前記真空吸着機は、一度に前記垂直整列パレットに整列された全スペーサの1/3を吸着できるように形成されることが望ましい。
【0018】
前記ガイド兼加圧機は、前記ガイド板の上側に前記加圧板の下に前記真空吸着機が位置できるように形成された真空吸着機収容空間を更に含んでよい。
【0019】
前記水平整列機は、前記水平整列パレットをシーソー動作させつつ、振動が加えられるように形成されてよい。
【0020】
前記水平整列パレットは、前記パネルに設置される全スペーサに対応する数の長溝を含むように形成されてよい。
【0021】
前記実装ベースの一側には、前記パネルに前記複数個のスペーサが設置される位置に接着剤を塗布する接着剤塗布装置が設けられることが望ましい。
【0022】
前記接着剤塗布装置は、前記パネルを固定するパネルセンタリングユニットを更に含んでよい。
【0023】
本発明の別の実施形態によると、上記のような本発明の目的は、パネルに複数個のスペーサを設置する位置に接着剤を塗布するステップと、接着剤の塗布されたパネルをスペーサ実装装置の実装ベースにローディングするステップと、水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサを水平方向に整列するステップと、反転機に前記水平整列パレットを結合し、前記水平整列パレットを180度回転させて前記複数個のスペーサを垂直方向に整列するステップと、前記反転機を垂直整列パレットの上側に移動させ、前記垂直整列パレットの垂直溝に複数個のスペーサを落下させて挿入するステップと、前記垂直整列パレットを前記実装ベースにローディングするステップと、ガイド兼加圧機を前記実装ベースにローディングされた前記パネルの上側に位置させるステップと、真空吸着機で前記垂直整列パレットの複数個のスペーサを吸着した後、前記ガイド兼加圧機の真空吸着機収容空間に位置させるステップと、前記真空吸着機が前記複数個のスペーサを前記ガイド兼加圧機の複数個のガイド孔に落下させ、前記複数個のガイド孔に落下したスペーサが前記パネルの接着剤に接触されるようにするステップと、前記真空吸着機を前記真空吸着機収容空間から取り外した後、加圧板を下降させて前記複数個のガイド孔に挿入されたスペーサを加圧するステップと、前記ガイド兼加圧機を離隔した後、前記パネルをアンローディングするステップとを含むスペーサ自動実装方法を提供することで達成できる。
【0024】
前記パネルに複数個のスペーサを設置する位置に接着剤を塗布するステップと、前記水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサを水平方向に整列するステップとは同時に行なわれてよい。
【0025】
前記反転機が前記水平整列パレットを180度回転させると、前記スペーサが前記姿勢変換パレットの姿勢変換孔を通過しつつ水平状態から垂直状態に姿勢が変換してよい。
【0026】
前記反転機を前記垂直整列パレットの上側に移動させるステップは、前記反転機を前記垂直整列パレットを4等分した第1部分から第4部分に順次に位置させるステップを含んでよい。
【0027】
前記ガイド兼加圧機を前記実装ベースをローディングされた前記パネルの上側に移動させるステップは、前記ガイド兼加圧機を前記パネルを3等分した第1領域から第3領域に順次に位置させるステップを含んでよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るスペーサ自動実装システムによると、パネルに接着剤を直接塗布するため、パネルに接着剤を塗布する作業とスペーサをパネルに実装する作業とを同時に行なうことができる。従って、スペーサに接着剤を塗布してから順次にパネルにスペーサを実装する従来のスペーサ自動実装システムに比べてスペーサ実装作業時間を短縮することができる。
【0029】
なお、本発明に係るスペーサ自動実装システムによると、複数のスペーサを一度にパネルに実装することができるため、従来のスペーサ自動実装システムに比べて作業時間を短縮することができる。
【0030】
なお、本発明によると、シャッタ方式を用いることにより、水平整列パレット、姿勢変換パレット、姿勢変換シャッタ及び開閉シャッタをパネルサイズより小さく構成することができる。従って、このような部品のサイズを小さくすることができるため、部品製作が容易であり、製作費用を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係るスペーサ自動実装システムを概略的に示すレイアウトである。
【図2】図1のスペーサ自動実装システムを概略的に示す斜視図である。
【図3】図2の接着剤塗布装置が接着剤をパネルに塗布する様子を模式的に示す図である。
【図4】図2の接着剤塗布装置によって接着剤が一定の間隔で塗布されたパネルを示す斜視図である。
【図5】図2のスペーサ自動実装システムの水平整列機及び垂直整列機を概略的に示す斜視図である。
【図6】図5の水平整列機によってスペーサを水平整列する様子を模式的に示す図である。
【図7】図5の垂直整列機の反転機を概略的に示す斜視図である。
【図8】水平整列パレットが結合される前の図7の反転機の積層構造を概略的に示す断面部である。
【図9】図8の反転機に水平整列パレットの結合された積層構造を概略的に示す断面図である。
【図10A】図9の水平整列パレットを示す斜視図である。
【図10B】図10AのH1の拡大図である。
【図11A】図9の姿勢変換パレットを示す斜視図である。
【図11B】図11AのH2の拡大図である。
【図12A】図9の開閉シャッタを示す斜視図である。
【図12B】図12AのH3の拡大図である。
【図13A】図9の姿勢変換シャッタを示す斜視図である。
【図13B】図13AのH4の拡大図である。
【図14A】図5の垂直整列パレットを概略的に示す斜視図である。
【図14B】図14Aの垂直溝を示す部分断面図である。
【図15】図12Aの開閉シャッタの動作を説明するための部分断面図である。
【図16】図12Aの開閉シャッタの動作を説明するための部分断面図である。
【図17】反転機に水平整列パレットが結合された場合に水平整列パレット、姿勢転換シャッタ、姿勢変換パレット、開閉シャッタの関係を概略的に示す断面図である。
【図18】図17の反転機が180度回転した様子を概略的に示す断面図である。
【図19】図18で姿勢変換シャッタが動作した様子を概略的に示す断面図である。
【図20】図19で開閉シャッタが動作した様子を概略的に示す断面図である。
【図21】図2のスペーサ自動実装システムのスペーサ実装装置を概略的に示す図である。
【図22】図21のスペーサ実装装置の真空吸着機を概略的に示す斜視図である。
【図23】図21のスペーサ実装装置のガイド兼加圧機を概略的に示す斜視図である。
【図24】垂直整列パレットの上側に真空吸着機が位置した様子を概略的に示す断面図である。
【図25】真空吸着機が垂直整列パレットのスペーサを吸着する様子を概略的に示す断面図である。
【図26】スペーサを吸着した真空吸着機が垂直整列パレットで上昇した様子を概略的に示す断面図である。
【図27】パネルの上側にガイド兼加圧機が位置した様子を概略的に示す断面図である。
【図28】図22の真空吸着機が図27のガイド兼加圧機の真空吸着機収容空間に位置した場合を概略的に示す断面図である。
【図29】真空吸着機が下降してスペーサがガイド板のガイド孔の上段に位置した様子を概略的に示す断面図である。
【図30】真空吸着機の真空がオフされてスペーサがガイド孔を介してパネルに取り付けられる場合を概略的に示す断面図である。
【図31】真空吸着機がガイド兼加圧機の真空吸着機収容空間から取り外された様子を概略的に示す断面図である。
【図32】加圧板が下降してスペーサをパネルに対して加圧する様子を概略的に示す断面図である。
【図33】ガイド兼加圧機がパネルで上昇した様子を概略的に示す断面図である。
【図34】スペーサの装着が完了したパネルを概略的に示す斜視図である。
【図35】本発明の一実施形態に係るスペーサ自動実装方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0033】
ここで説明される実施形態は、発明の理解を促すための例示を示したものであって、本発明はここで説明される実施形態と違って多様に変形されて実施できることを理解すべきである。なお、発明の理解を促すために、添付図面は実際の寸法で示されたものではなく、一部の構成要素のみを拡大して示すことがある。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係るスペーサ自動実装システムを概略的に示すレイアウトであり、図2は、図1のスペーサ自動実装システムを概略的に示す斜視図であり、図3は、図2の接着剤塗布装置が接着剤をパネルに塗布する様子を模式的に示す図である。
【0035】
本発明の一実施形態に係るスペーサ自動実装システム1は、電界効果ディスプレイ(FED)のパネルに複数個のスペーサを自動的に実装する装置として、図1及び図2に示すように、接着剤塗布装置2と、水平整列機3と、パレットローダ4と、垂直整列機5と、パレット移送装置6と、スペーサ実装装置7及び制御機10を含む。
【0036】
接着剤塗布装置2は、電界効果ディスプレイのパネル9にスペーサが実装される複数個の位置に所定量の接着剤を塗布するためのものである。一般に、46インチのパネルである場合、1176個のスペーサをパネルの表面に実装する。ここで、パネル9にスペーサを実装するとは、図34のようにスペーサSをパネル9に垂直に固定することを意味する。
【0037】
図2によると、接着剤塗布装置2は、ベース11と、複数個のグルーガン13が装着された接着ヘッド15と、接着ヘッド15をベース11に対して移動させるためのガン移動ユニット17とを含んでよい。
【0038】
パネル9は、接着剤塗布装置2のベース11上にローディングされる。ベース11には、パネル9が正確な位置に位置決定するようにし、パネル9を固定するパネルセンタリングユニット12が設置されてよい。図示していないが、パネル9は、パネルローディングユニットによって接着剤塗布装置2のベース11に自動的にローディング及びアンローディングされるようにすることができる。接着ヘッド15には、複数個のグルーガン13が一定の間隔で設けられている。図2には、8つのグルーガン13を有する接着剤塗布装置2を示しているが、これは一例に過ぎず、グルーガン13の数はパネル9に実装するスペーサSの数に応じて決められてよい。例えば、パネル9にスペーサSがL×Mで配置される場合、L個の接着剤を一度に塗布できるように、接着ヘッド15にL個のグルーガン13を設置することができる。グルーガン13の間の間隔は、図3に示すように、パネル9に実装する複数個のスペーサSの間のピッチD2で定められる。ガン移動ユニット17は、接着ヘッド15をベース11に対して一方向、即ち、X方向に移動させることができるように形成される。複数個のグルーガン13はパネル9の上側に一定距離離間されており、一定量の接着剤Gをパネル9にドット(Dot)噴射することができる。グルーガン13が噴射する接着剤Gの量は、スペーサSをパネル9に固定できるように適切に決められる。
【0039】
接着剤塗布装置2は、非接触方式のジェットディスペンシング(Jet dispensing)を適用し、高速化のために移動中にドット噴射方式(Dooting on the fly)を使う。このような方式によると、接着ヘッド15が移動中に停止動作なしに接着剤Gを適量噴射してパネル9上に適度なサイズのドットを形成することができる。従って、L×Mの配置になるようにスペーサSを実装する場合には、走行方向に等速移動中にL個の接着剤を塗布し、この動作をM回繰り返す。すると、図4に示すように、噴射された接着剤Gはパネル9の上面に複数個の接着剤ドットGを形成する。複数個の接着剤ドットGは、X及びY方向に実装されるスペーサSのピッチと等間隔D1、D2で形成される。図4では、図示の便宜を図るために、接着剤ドットGを大きく一部のみを示している。実際の場合、46インチのパネル9には、1176個の接着剤ドットGを形成する。複数個のグルーガン13は、それぞれトリガー(Trigger)信号で制御されてよい。なお、接着剤塗布位置を補正するために、測定装置を設置して測定結果を活用して塗布位置を補正することができる。接着剤塗布装置2によって接着剤Gの塗布が完了したパネル9はスペーサ実装装置7にローディングされる。
【0040】
図5は、図2のスペーサ自動実装システム1の水平整列機3及び垂直整列機5を概略的に示す斜視図であり、図6は、図5の水平整列機によってスペーサを水平整列する様子を模式的に示す図である。
【0041】
水平整列機3は、複数個のスペーサSを水平整列パレット21に水平方向に整列する装置として、図5によると、シーソーテーブル23と作動部24とを含む。シーソーテーブル23には、2つの水平整列パレット21が分離自在に装着される。作動部24は、シーソーテーブル23が図6に示すように、シーソー運動をするように駆動する。なお、作動部24は、シーソーテーブル23に一定の周波数の振動を加えることができる。従って、シーソーテーブル23に装着された水平整列パレット21は、シーソー運動をしながら同時に一定の周波数で振動することができる。
【0042】
水平整列パレット21の一例が図10Aに示されている。水平整列パレット21は、スペーサSが水平状態で収容されるための長溝21−1が複数個形成されている。本実施形態の場合には、水平整列パレット21には、パネル9に必要なスペーサSのすべてを収容できるようにスペーサSの数に対応する長溝21−1が形成される。例えば、46インチのパネル9の場合に、1176個のスペーサSが必要であるため、水平整列パレット21には1176個の長溝21−1が形成される。なお、スペーサSが円筒状であるため、長溝21−1はスペーサSの形状に対応するように形成されてよい。複数個の長溝21−1は、4つの長溝21−1が組になるように形成され、各組をなす4つの長溝21−1の各々はパネル9に実装される複数個のスペーサSのピッチと等間隔になるように形成されている。即ち、図10BのH1の部分の拡大図によると、A組の4つの長溝A1〜A4のうちの第1長溝A1は、B組の4つの長溝B1〜B4のうちの第1長溝B1とスペーサSのピッチD2と等間隔d2になるように形成される。同様に、A組の第2、3、4長溝A2、A3、A4は、B組の第2、3、4長溝B2、B3、B4とスペーサピッチD2と等間隔d2になるように形成される。なお、B組と垂直方向にあるC組とA組との間の間隔d1は、対応する方向のスペーサピッチD1とサイズが同じである。ここで、スペーサピッチとは、スペーサSをパネル9に実装した際の相互に直角をなす2つの方向(X方向及びY方向)にスペーサSの間の間隔(図34のD1、D2)を意味する。なお、水平整列パレット21に形成される長溝の組A、B、Cの数は、全スペーサSの数の1/4である。そして、長溝の組A、B、Cの形成される水平整列パレット21の面積は、パネル9の面積の1/4に当たるサイズとなる。
【0043】
水平整列機3の一側には、パレットローダ4が設置されてよい。パレットローダ4は、スペーサSの積載された水平整列パレット21を垂直整列機5のパレットローディング部54に移送する。パレットローダ4は、1軸直交ロボット形態で形成されてよい。従って、パレットローダ4は、X軸方向に延長された直線移動ガイド部4−1と直線移動ガイド部4−1に従って移動する移動部4−2を含んでよい。パレットローダ4の移動部4−2にはグリッパ30が設けられる。グリッパ30は、水平整列パレット21を把持できる把持部31と把持部31を垂直方向に上昇及び下降させるための昇降部32とを含む。従って、パレットローダ4の移動部4−2に固定されたグリッパ30を水平整列機3の上側に位置させた後、把持部31を下降させて水平整列パレット21を把持することができる。その後、グリッパ30の把持部31を上昇させてから、パレットローダ4にグリッパを移動させて垂直整列機5のパレットローディング部54に水平整列パレット21に位置させることができる。
【0044】
図5によると、水平整列機3の一側には垂直整列機5が設けられている。垂直整列機5は、整列ベース51と、整列ローダ52と、反転機60及び垂直整列パレット50を含む。
【0045】
整列ベース51は、垂直整列パレット50を支持し、垂直整列パレット50の位置決定をするパレットセンタリングユニット55を含んでよい。なお、整列ベース51は、整列ローダ52を支持して整列ローダ52が反転機60を垂直整列パレット50の上側に移動させることができるようにする。整列ベース51の一側には、水平整列パレット21が安置されるパレットローディング部54が設けられる。
【0046】
整列ローダ52は、反転機60を整列ベース51の上側に任意の位置に移動させるものとして、3軸直交座標ロボット形態で形成されてよい。即ち、整列ローダ52は、反転機60の固定される移動板53を整列ベース51に対して垂直方向(Z方向)に移動させるZ軸部52−1、Z軸部52−1をY方向に移動させるY軸部52−2、及びY軸部52−2をX方向に移動させるX軸部52−3を含んでよい。従って、整列ローダ52は、移動板53に設置された反転機60をパレットローディング部54に移動させて反転機60が水平整列パレット21を結合するようにすることができる。なお、整列ローダ52は、水平整列パレット21の結合された反転機60を垂直整列パレット50の上側に移動させて複数個のスペーサSを垂直整列パレット50の垂直溝50aに挿入することができる。
【0047】
図7は、図5の垂直整列機5の反転機60を概略的に示す斜視図である。反転機60は水平整列パレット21に水平状態に整列された複数個のスペーサSを垂直状態に整列して垂直整列パレット50の垂直溝50aに挿入する装置である。
【0048】
図7によると、反転機60は、反転フレーム61と、回転ユニット62とを含む。反転フレーム61は、姿勢変換シャッタ63と、姿勢変換パレット64及び開閉シャッタ65を積層状態に維持する。姿勢変換パレット64は、水平整列パレット21に対応するサイズであり、図11A及び図11Bに示すように、複数個の姿勢変換孔64−1を有する。水平整列パレット21に形成された長溝21−1の数と姿勢変換パレット64に形成された姿勢変換孔64−1の数は同じである。即ち、姿勢変換パレット64には水平整列パレット21の長溝の組A、B、Cに対応するように4つの姿勢変換孔A’1−A’4を含む姿勢変換孔の組A’、B’、C’が形成されている。従って、水平整列パレット21の長溝21−1と姿勢変換パレット64の姿勢変換孔64−1とは1対1で対応する。
【0049】
姿勢変換孔64−1は、図18に示すように、水平整列パレット21の長溝21−1に水平に整列されたスペーサSが垂直方向に整列されるようにするためのものである。姿勢変換孔64−1は、図11B及び図18に示すように、水平状態のスペーサSを収容できるように水平状態のスペーサSに対応する入口部64−1aと、垂直状態のスペーサSに対応するようにスペーサSが通過可能な直径を有する円形の出口部64−1b、及び入口部64−1aと出口部64−1bを連結してスペーサSが水平状態から垂直状態に姿勢変換するようにガイドする曲線部64−1cで構成される。曲線部64−1cは、水平状態で落下するスペーサSを垂直状態に立てられるように適度な曲率で形成される。従って、反転機60が180度回転すると、水平整列パレット21の長溝21−1に水平状態で収容されていたスペーサSは姿勢変換孔64−1を通過しつつ垂直状態に立つようになる。
【0050】
姿勢変換パレット64と開閉シャッタ65は、図8及び図9のように積層される。図8は、水平整列パレット21が反転機60の姿勢変換パレット64に結合される前の様子を示し、図9は、水平整列パレット21が姿勢変換パレット64に結合された様子を示す。姿勢変換パレット64は反転フレーム61に固定され、開閉シャッタ65は姿勢変換パレット64の一面と対向して姿勢変換パレット64に対して少なくとも5ヶ所で位置決定できるように反転フレーム61に設けられる。従って、反転フレーム61の両側には開閉シャッタ65を移動させて位置決定する開閉シャッタ駆動部66が設けられている。開閉シャッタ駆動部66は精密な位置決定のため、サーボモータを使うことができる。開閉シャッタ65の移動量は姿勢変換パレット64の姿勢変換孔64−1を選択的に開閉できるように決められる。開閉シャッタ65が設けられた姿勢変換パレット64の面の反対面には姿勢変換シャッタ63が結合されてよい。
【0051】
開閉シャッタ65は、図12A及び図12Bに示すように、姿勢変換パレット64の複数個の姿勢変換孔の組A’、B’をなす4つの姿勢変換孔A’1、A’2、A’3、A’4のうち一つの姿勢変換孔の出口部64−1bに対応する位置に形成される複数個の貫通孔65−1を含む。従って、図12Bにおいて隣接した2つの貫通孔A”、B”の間の間隔は姿勢変換パレット64の隣接した姿勢変換孔の組A’、B’の対応する姿勢変換孔64−1の出口部64−1bの間の間隔に対応する。例えば、図12Bの開閉シャッタ65の隣接した2つの貫通孔A”、B”の間の間隔d2は、図11Bの隣接した2つの姿勢変換孔の組A’、B’のうちに同様の順番の姿勢変換孔の間の間隔d2と同じである。複数個の貫通孔65−1のうちに隣接した2つの貫通孔A”、B”の間には姿勢変換孔64−1の出口部64−1bを遮断する遮断部65−2が設けられる。従って、開閉シャッタ65の貫通孔65−1が姿勢変換パレット64の出口部64−1bと一致すると、スペーサSが開閉シャッタ65を通過し、遮断部65−2が出口部64−1bの前に位置すると、スペーサSが開閉シャッタ65を通過することができない。なお、図12Bに示すように、開閉シャッタ65の移動方向に垂直の方向に複数個の遮断部65−2の間には複数個の開口65−3を形成することができる。このような複数個の開口65−3は、漏出されたスペーサSが排出されるようにすることで開閉シャッタ65と姿勢変換パレット40との間に挟まることを防止し、開閉シャッタ65の重量を減らすことができる。
【0052】
開閉シャッタ65は制御機10から開放信号を受信するまでは姿勢変換パレット64の姿勢変換孔の組の4つの姿勢変換孔64−1の出口部64−1bをすべて遮断している。即ち、開閉シャッタ65は、図15に示すように、遮断部65−2が姿勢変換パレット64の姿勢変換孔の組A’、B’の下側に位置する第1位置(元の位置)にある。この状態において、第1番目の開放信号を受信すると開閉シャッタ65が図16のように移動して貫通孔65−1が姿勢変換孔の組A’の第1姿勢変換孔A’1の下側に位置する第2位置に移動する。すると、第1姿勢変換孔A’1の出口部に垂直に立っていたスペーサSが垂直状態に落下するようになる。このとき、その他の3つの姿勢変換孔A’2、A’3、A’4は遮断部65−2によって塞がれているため落下しない。開閉シャッタ65が第2番目の開放信号を受信すると、貫通孔65−1が第2姿勢変換孔A’2の下側に位置する第3位置に移動する。すると、第2姿勢変換孔A’2にあるスペーサSは落下し、その他の2つの姿勢変換孔A’3、A’4は遮断部65−2によって塞がれているため落下しない。なお、開閉シャッタ65が第3番目、第4番目の開放信号を受信すると、貫通孔65−1が第3姿勢変換孔A’3、第4姿勢変換孔A’4の下側に位置する第4及び第5位置に移動してスペーサSが落下するようにする。開閉シャッタ65が第5位置にまで移動すると、再び元の位置の第1位置に移動する。
【0053】
姿勢変換シャッタ63は、姿勢変換パレット64の水平整列パレット21が結合される面、即ち、開閉シャッタ65が設置されていない面に移動自在に設けられる。姿勢変換シャッタ63は、反転機60の回転によってスペーサSが水平状態から垂直状態に変換することをサポートするためのものである。姿勢変換シャッタ63の一例が図13A及び図13Bに示されている。姿勢変換シャッタ63は、姿勢変換パレット64と水平整列パレット21との間に円滑に移動できるように、薄くかつ滑らかな材質で形成することが望ましい。姿勢変換シャッタ63は、姿勢変換パレット64の複数個のスペーサSを一度に押して垂直状態にできるように、複数個のプッシュ孔63−1が形成されている。プッシュ孔63−1は水平整列パレット21の長溝の組A、B、Cから落下する4つのスペーサSを妨害せずに押せるサイズで形成される。姿勢変換シャッタ63は、姿勢変換パレット64に対して開閉シャッタ65と90度となる方向に移動することができる。姿勢変換シャッタ63は2箇所の位置、即ち、スペーサSの落下を妨害しないように、水平整列パレット21の長溝の組A、B、Cと姿勢変換パレット64の姿勢変換孔の組A’、B’、C”の間を開放する元の位置とスペーサSを押して垂直状態に整列する整列位置との間で往復移動することができる。姿勢変換シャッタ63の駆動源68としては、空圧シリンダなどが使われてよい。なお、姿勢変換パレット64の姿勢変換孔64−1を適切に設計すると、姿勢変換シャッタ63は省略されてよい。
【0054】
回転ユニット62は反転フレーム61を180度ずつ回転させられるように形成される。図7を参照すると、回転ユニット62は、ほぼ「コ」の字で形成され、反転フレーム61の回転を支持する支持フレーム62−1と支持フレーム62−1の一側に設けられて反転フレーム61を回転させる回転部62−2とを含む。回転部62−2としては反転フレーム61を180度回転させられる駆動手段であればどんなものでも使うことができるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
反転フレーム61の両側には姿勢変換パレット64に対して水平整列パレット21を固定するパレット固定部67が設けられる。図7に示された実施形態の場合には、4つのパレット固定部67が反転フレーム61に設けられている。従って、反転フレーム61が回転及び移動する場合にも水平整列パレット21が姿勢変換パレット64から分離されない。
【0056】
垂直整列パレット50は、反転機60によって水平状態から垂直状態に姿勢が変換された複数個のスペーサSを収容し、垂直状態に維持するものとして、その一例が図14Aに示されている。垂直整列パレット50は平板状で形成され、上面には複数個のスペーサSを垂直状態に維持させるための複数個の垂直溝50aが形成される。垂直溝50aの底は図14Bに示されているように塞がれている。垂直整列パレット50の面積は、パネル9の面積と同様であり、複数個の垂直溝50aはパネル9に実装される複数個のスペーサSと同様のピッチD1、D2で形成されている。即ち、垂直整列パレット50の複数個の垂直溝50aは、パネル9のスペーサSの実装位置と1対1で対応する。
【0057】
水平整列パレット21と姿勢変換パレット64とはほぼ同様のサイズで形成され、パネル9に必要なスペーサSと同じ数の長溝21−1と姿勢変換孔64−1を有する。水平整列パレット21と姿勢変換パレット64は垂直整列パレット50を4等分した場合に4等分された垂直整列パレットの部分(50−1、50−2、50−3、50−4、図14aを参照)のうちいずれか一つのパレットの部分、即ち垂直整列パレット50の面積の1/4に当たるサイズで形成される。開閉シャッタ65は、姿勢変換パレット64とほぼ同様のサイズであり、4等分された垂直整列パレット50−1〜50−4のうちいずれか一つのパレットの部分に挿入されるスペーサSの数に対応する貫通孔65−1が形成される。従って、水平整列パレット21に安置されたパネル9に使われる全スペーサSを開閉シャッタ65を用いて垂直整列パレット50の4つの等分された部分50−1〜50−4に順次に挿入することができる。
【0058】
水平整列パレット21と、姿勢変換パレット64と、姿勢変換シャッタ63及び開閉シャッタ65は、パネル9のサイズに応じて適切に設定することができる。本明細書においては、水平整列パレット21がパネル9のほぼ1/4のサイズである場合を一例をとして説明する。しかし、これは一例に過ぎず、水平整列パレット21のサイズを限定するものではない。
【0059】
図1及び図2を参照すると、垂直整列機5とスペーサ実装装置7との間にはパレット移送装置6が設置されてよい。パレット移送装置6は、垂直整列パレット50を垂直整列機5とスペーサ実装装置7に供給して受けられるように形成される。詳細には、パレット移送装置6は、スペーサSが挿入されていない空の垂直整列パレット50を垂直整列機5に供給する。その後、垂直整列機5でスペーサSが挿入された垂直整列パレット50を垂直整列機5から受けてスペーサ実装装置7に移動させる。そして、パレット移送装置6は、新たな空の垂直整列パレット50を垂直整列機5に供給する。なお、パレット移送装置6はスペーサ実装装置7でスペーサSがすべて使われ、空の垂直整列機50を受けて保管する。パレット移送装置6は、コンベヤのように垂直整列パレット50に移送させられる構造であれば、公知のどんな構造でも使うことができるため、詳細な説明は省略する。
【0060】
図21は、図2のスペーサ自動実装システムのスペーサ実装装置を概略的に示す図であり、図22は、図21のスペーサ実装装置の真空吸着機を概略的に示す斜視図であり、図23は、図21のスペーサ実装装置のガイド兼加圧機を概略的に示す斜視図である。
【0061】
図21によると、スペーサ実装装置7は、実装ベース7−1と、真空吸着機70と、ガイド兼加圧機80と、第1ローダ91及び第2ローダ92を含んでよい。
【0062】
実装ベース7−1は、垂直整列パレット50とパネル9とを同時に支持し、第1ローダ91及び第2ローダ92が垂直整列パレット50とパネル9の上側に移動できるように支持する。実装ベース7−1の上面には、垂直整列パレット50を位置決定し、固定するパレットセンタリングユニット7−2と、パネル9を位置決定して固定するパネルセンタリングユニット7−3が設けられる。パレットセンタリングユニット7−2とパネルセンタリングユニット7−3とは、長方形状のパレット50とパネル9の位置を決定し、固定可能な構造であれば公知のどんな構造でも使うことができるため、詳細な説明は省略する。なお、実装ベース7−1にはパレット移送装置6と垂直整列パレット50を与えたり受けたりできるようにするパレット移送ユニット(図示せず)と、接着剤塗布装置2とパネル9を与えたり受けたりできるようにするパネル移送ユニット(図示せず)が設けられる。
【0063】
図22を参照すると、真空吸着機70は垂直整列パレット50に垂直に挿入された複数個のスペーサSをピックアップしてパネル9に移送するものとして、吸着板71と、吸着板昇降部73と、吸着フレーム75を含んでよい。
【0064】
吸着板71は、複数個のスペーサSを真空吸引力で吸着できる真空チャックとして、吸着板71の下面には複数個の吸着孔72が形成される。複数個の吸着孔72は、真空発生装置(図示せず)に連結されている。従って、真空発生装置をオン(On)にすると、真空が発生して吸着孔72に吸引力が発生し、真空発生装置をオフ(Off)にすると、真空が破壊されて吸着孔72に吸引力が発生しなくなる。吸着孔72の一例が図24に示されている。図24には、複数個の吸着孔72を真空発生装置(図示せず)に連結する真空配管は省略されている。吸着板71に形成された吸着孔72の数は垂直整列パレット50に収容された全スペーサの1/3を一度に吸着できるように形成される。例えば、垂直整列パレット50にQ個のスペーサSが収容されているとしたら、吸着板71はQ/3個のスペーサSを一度に吸着可能な吸着孔72が形成される。即ち、図21に示すように、垂直整列パレット50を3等分して3つのパレット領域P−1、P−2、P−3にした場合に、そのうちのいずれか一領域にある全スペーサSを一度に吸着できるように形成される。
【0065】
吸着板昇降部73は、吸着板71を実装ベース7−1に対して垂直方向(Z方向)に移動させるものとして、空圧シリンダなどを使うことができる。
【0066】
吸着フレーム75は、吸着板71が吸着板昇降部73によって上昇及び下降運動できるように支持し、第1ローダ91に対して真空吸着機70を固定する。
【0067】
第1ローダ91は、真空吸着機70を垂直整列パレット50とパネル9の上側で移動できるようにするものとして、実装ベース7−1に対してX方向に移動できるように形成される。図21を参照すると、第1ローダ91は橋梁の形状で形成され、実装ベース7−1に設置された直線移動ガイド部材91−1によってX方向に直線移動することができる。第1ローダ91の上部には、真空吸着機70が固定される。
【0068】
図23によると、ガイド兼加圧機80は、真空吸着機70から落下するスペーサSをパネル9にガイドし、スペーサSをパネル9に対して加圧するものとして、ガイドフレーム81と、ガイド板82と、ガイド板駆動部83と、加圧板85と、加圧板駆動部86とを含んでよい。
【0069】
ガイドフレーム81は、ガイド兼加圧機80を第2ローダ92に固定し、ガイド板82と加圧板85の上下運動を支持できるように形成される。
【0070】
ガイド板82は、パネル9の上側に位置して真空吸着機70から落下するスペーサSをパネル9の接着剤ドットGにガイドできるように形成される。ガイド板82は、真空吸着機70の吸着板71のサイズに対応するように形成される。従って、ガイド板82には吸着板71の吸着孔72の数と同じ数のガイド孔82−1が形成される。即ち、複数個のガイド孔82−1がスペーサSピッチD1、D2と等間隔で形成されている。従って、ガイド板82がパネル9の上側に位置すると、図27に示すように、ガイド孔82−1の下にはパネル9に塗布された接着剤ドットGが位置するようになる。ガイド孔82−1の直径はスペーサSをガイドすることができ、ガイドされるスペーサSがパネル9の要求する直角度と位置精度でパネル9に取り付けられるように適切な公差範囲を有するように形成される。ガイド板82に形成されたガイド孔82−1の一例が図27に示されている。ガイド孔82−1はガイド板82を貫通するように形成され、ガイド孔82−1の上段にはガイド孔82−1の直径より大きい溝部82−2が形成される。溝部82−2と接するガイド孔82−1の角は、スペーサSの挿入を容易にするように、ラウンド(Round)加工することが望ましい。
【0071】
ガイド板駆動部83は、ガイド板82を実装ベース7−1に対して垂直方向(Z方向)に上昇及び下降させられるように形成される。ガイド板駆動部83は、空圧シリンダと直線移動ガイド部材で構成してよい。
【0072】
加圧板85は、ガイド板82の上側に位置し、ガイド板82に対して上昇及び下降できるように形成される。加圧板85の下面にはガイド板82に形成されたガイド孔82−1に挿入できる複数個の加圧ピン85−1が設けられる。加圧板85の一例が図27に示されている。加圧ピン85−1の数はガイド板82のガイド孔82−1の数と同様に形成される。
【0073】
加圧板駆動部86は、加圧板85をガイド板82に対して上昇及び下降できるように形成される。従って、加圧板85は加圧板駆動部86によって実装ベース7−1に対して垂直方向(Z方向)に上昇及び下降できる。加圧板駆動部86は空圧シリンダと直線移動ガイド部材で構成してよい。
【0074】
加圧板85とガイド板82との間には真空吸着機70が収容できる真空吸着機収容空間87が形成される。即ち、加圧板85が上昇し、ガイド板82が下降した際、加圧板85とガイド板82との間の空間87にスペーサSを吸着した真空吸着機70が収容されてよい。このとき、真空吸着機70は吸着孔72がガイド兼加圧機80のガイド板82のガイド孔82−1と一致するように位置決定される。真空吸着機70が加圧板85とガイド板82との間に位置した状態の一例が図28に示されている。従って、真空吸着機70が吸着したスペーサSを放すと、スペーサSはガイド兼加圧機80のガイド板82のガイド孔82−1を介してパネル9の接着剤ドットGに取り付けられる。
【0075】
制御機10は、水平整列機3と、パレットローダ4と、垂直整列機5と、スペーサ実装装置7の真空吸着機70と、ガイド兼加圧機80と、第1ローダ91及び第2ローダ92などを制御するように構成される。制御機10は、パレット移送装置6と、接着剤塗布装置2などを制御するように形成されてよい。従って、制御部10は、水平整列パレット21がパレットローディング部54に位置すると、整列ローダ52を制御して反転機60をパレットローディング部54に移送させて反転機60に水平整列パレット21を結合する。そして、反転機60を180度回転させてから、垂直整列パレット50の上側に位置させ、開閉シャッタ65を作動させて垂直整列パレット50の複数個の垂直溝50aに複数個のスペーサSを落下させる。スペーサSの挿入が完了すると、制御機10はパレット移送装置6を動作させてスペーサSの挿入された垂直整列パレット50をスペーサ実装装置7にローディングする。次に、接着剤塗布装置2によって接着剤Gの塗布されたパネル9をスペーサ実装装置7にローディングする。そして、真空吸着機70と、ガイド兼加圧機80と、第1ローダ91及び第2ローダ92を制御して垂直整列パレット50に挿入された複数個のスペーサSをパネル9に塗布された接着剤Gに接合させる。
【0076】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスペーサ自動実装システム1の作動について詳細に説明する。以下の説明で制御機10について特に言及がなくても、すべての構成要素の制御は制御機10によって行なわれる。
【0077】
まず、接着剤塗布装置2を用いてパネル9に接着剤Gを塗布する(S11)。図2に示された接着剤塗布装置2のベース11にパネル9をローディングする。このとき、パネルセンタリングユニット12を用いてパネル9を位置決定して固定する。その後、接着剤塗布装置2を動作させると、複数個のグルーガン13の設けられた接着ヘッド15がガン移送ユニット17によってX方向に移動しながら、パネル9にスペーサSが設置される間隔D1、D2で接着剤をドット噴射して複数個の接着剤ドットGを形成する。図4に示すように、接着剤Gの塗布が完了すると、パネル9を接着剤塗布装置2のベース11からスペーサ実装装置7の実装ベース7−1に移送する。このとき、パネル移送ユニット(図示せず)が設置された場合にはパネル移送ユニットによってパネル9が接着剤塗布装置2のベース11から自動的にスペーサ実装装置7に移送される。スペーサ実装装置7に移送されたパネル9は、実装ベース7−1に設置されたパネルセンタリングユニット7−3によって位置決定されて固定される。
【0078】
接着剤塗布装置2がパネル9に接着剤Gを塗布している間、図6のように、水平整列パレット21に複数個のスペーサSを水平整列する(S21)。スペーサSの水平整列は、パネル9に接着剤を塗布する工程に使われる塗布装置2とは別途の装置を使って別途の工程で実行されるため、パネル9に接着剤塗布を行なう間に行なわれてよい。スペーサSの水平整列は水平整列機3を使って行なわれる。即ち、まず水平整列機3のシーソーテーブル23の上面に水平整列パレット21を装着する。それから、多量のスペーサSを水平整列パレット21上に供給しつつ、水平整列パレット21を図6のように、シーソー動作をさせると同時に一定の周波数で振動を加える。すると、スペーサSが水平整列パレット21に形成された複数個の長溝21−1に挿入されて水平状態に整列される。本実施形態の場合に、水平整列パレット21は一つのパネル9に使われる全スペーサSを一度に整列することができるように、それに対応する数の長溝21−1を有している。なお、水平整列パレット21はパネル9の1/4に当たるサイズで形成される。しかし、水平整列パレット21がパネル9の1/4のサイズであることは一例に過ぎず、水平整列パレット21はパネル9と同様のサイズであるか、パネル9の1/2に当たるサイズを有するように形成されてよい。
【0079】
水平整列されたスペーサSが含まれた水平整列パレット21は、パレットローダ4によって垂直整列機5の整列ベース51に位置したパレットローディング部54に移送される。パレットローダ4が水平整列機3の上側に位置すると、グリッパ30が下降して把持部31で水平整列パレット21を把持する。その後、グリッパ30が上昇すると、パレットローダ4がグリッパ30をパレットローディング部54に移送する。すると、グリッパ30が下降して水平整列パレット21をパレットローディング部54に安置する。
【0080】
水平整列パレット部21がパレットローディング部54に位置すると、制御機10は整列ローダ52と反転機60とを制御して反転機60に水平整列パレット21を結合し、水平整列パレット21を180度回転してスペーサSを垂直整列する(S23)。即ち、整列ローダ52がX軸部52−3及びY軸部52−2を用いて反転機60をパレットローディング部54の上側に位置させる。その後、Z軸部52−1を用いて反転機60を下降させて反転機60姿勢変換シャッタ63が水平整列パレット21と接するようにする。すると、パレット固定部67が動作して水平整列パレット21を姿勢変換パレット64に固定させる。水平整列パレット21が反転機60の姿勢変換パレット64に固定された様子が図9に概略的に示されている。水平整列パレット21と姿勢変換パレット64とが結合された際、水平整列パレット21の長溝21−1と姿勢変換パレット64の姿勢変換孔64−1の入口部64−1aが一致し、開閉シャッタ65の遮断部65−2が姿勢変換孔64−1の出口部64−1bを塞いでおり、姿勢変換シャッタ63のプッシュ孔63−1は水平整列パレット21の長溝21−1を塞がないように、長溝21−1の下に位置している。このときの水平整列パレット21と、姿勢変換シャッタ63と、姿勢変換パレット64及び開閉シャッタ65の各々の長溝21−1と、プッシュ孔63−1と、姿勢変換孔64−1及び貫通孔65−1の関係が図17に概略的に示されている。次に、整列ローダ52が反転機60を上昇させ、反転フレーム61を180度回転させる。反転フレーム61が180度回転すると、図18に示すように、開閉シャッタ65が下を向くようになる。次に、姿勢変換シャッタ駆動部68を動作させて姿勢変換シャッタ63が一定距離移動するようにする。すると、水平整列パレット21の長溝21−1にあったスペーサSは姿勢変換パレット64の姿勢変換孔64−1の入口部64−1aと曲線部64−1cを通って垂直の状態で開閉シャッタ65の遮断部65−2によって塞がれた出口部64−1bに位置するようになり、スペーサSの上段は図19のように、姿勢変換シャッタ63のプッシュ孔63−1に位置して垂直状態を維持するようになる。
【0081】
その後、制御部10は、整列ローダ52を移動させて反転機60を垂直整列パレット50の上側に位置させて水平整列パレット21の複数個のスペーサSを垂直整列パレット50に挿入する(S25)。このとき、水平整列パレット21はパネル9の1/4に当たる面積にパネル9に使われる全スペーサSを収容しているため、整列ローダ52は反転機60をパネル9のサイズに対応する垂直整列パレット50を4等分した4つの領域50−1〜50−4のうちの一領域(第1部分)50−1の上側に位置させる。その後、整列ローダ52のZ軸部52−1を下降させると、反転機60が下降して開閉シャッタ65が垂直整列パレット50の第1部分50−1の真上に位置するようになる。このとき、図15に示すように、姿勢変換パレット64の姿勢変換孔64−1の出口部64−1bと垂直整列パレット50の垂直溝50aとが一直線上にある。すると、制御機10は、開閉シャッタ65を動作させ、開閉シャッタ65の貫通孔65−1が姿勢変換孔の組A’の第1姿勢変換孔A’1の出口部64−1bの下に位置するようにする(図16及び図20を参照)(S29)。すると、出口部64−1bにあったスペーサSが重力によって開閉シャッタ65の貫通孔65−1を通過して図16及び図20に示すように、垂直整列パレット50の垂直溝50aに挿入されて垂直に整列される(S31)。ここで、図20は、図16を側面から切断した断面図である。従って、図20で開閉シャッタ65は紙面に垂直した方向に移動する。
【0082】
その後、制御機10は整列ローダ52を移動させて反転機60を垂直整列パレット50の第2部分50−2に移動させる。その後、開閉シャッタ65を移動させて貫通孔65−1が第2姿勢変換孔A’2(図14を参照)の出口部64−1bの下に位置するようにする。すると、姿勢変換パレット64の複数個の第2姿勢変換孔A’2の出口部64−1bにある複数個のスペーサSが落下して垂直整列パレット50の垂直溝50aに挿入される。
【0083】
次に、制御機10は、整列ローダ52を再び移動させて反転機60を垂直整列パレット50の第3部分50−3の上側に移動させる。その後、開閉シャッタ65を移動させて貫通孔65−1が第3姿勢変換孔A’3の出口部64−1bの下に位置するようにする。すると、姿勢変換パレット64の複数個の第3姿勢変換孔A’3の出口部64−1bにある複数個のスペーサSが落下して垂直整列パレット50の垂直溝50aに挿入される。
【0084】
最後に、制御機10は、整列ローダ52を再び移動させて反転機60を垂直整列パレット50の第4部分50−4の上側に移動させる。その後、開閉シャッタ65を移動させて貫通孔65−1が第4姿勢変換孔A’4の出口部64−1bの下に位置するようにする。すると、姿勢変換パレット64の複数個の第4姿勢変換孔A’4の出口部64−1bにある複数個のスペーサSが落下して垂直整列パレット50の垂直溝50aに挿入される。
【0085】
垂直整列パレット50にスペーサSの挿入が完了すると、制御機10は垂直整列パレット50をパレット移送装置6を介してスペーサ実装装置7に移動させる(S27)。スペーサ実装装置7に移送された垂直整列パレット21はパレットセンタリングユニット7−2によって位置決定されて固定される。スペーサSの挿入された垂直整列パレット50をスペーサ実装装置7にローディングしている間、パレット移送装置6は空の垂直整列パレット50を垂直整列機5にローディングすることができる。
【0086】
接着部の塗布されたパネル9とスペーサSの挿入された垂直整列パレット50とが実装ベース7−1にローディングされると、制御機10は第2ローダ92を制御してガイド兼加圧機80をパネル9の上側に位置させ(S31)、第1ローダ91を制御して真空吸着機70に垂直整列パレット50のスペーサSを吸着してガイド兼加圧機80に移送させる(S33)。
【0087】
詳細に説明すると、スペーサSの挿入された垂直整列パレット50が実装ベース7−1にローディングされると、制御機10は第1ローダ92を制御して真空吸着機70が垂直整列パレット50の上側に位置するようにする。このとき、真空吸着機70の吸着板71は垂直整列パレット50のサイズの1/3に対応するように形成されているため、制御機10は真空吸着機70が垂直整列パレット50を3等分した領域のうち第1番目の領域(第1領域)P1に位置するように第1ローダ91を制御する。吸着板71が垂直整列パレット50の上側に位置している例が図24に概略的に示されている。第1ローダ91が真空吸着機70を第1領域P1の上側に位置させると、真空吸着機70は吸着板71を下降させて図25のように吸着板71の吸着孔72がスペーサSの上段に位置するようにする。この状態で、真空を発生させると、スペーサSが吸着孔72に吸着される。その後、真空吸着機70を上昇させると、図26に示すようにスペーサSが垂直整列パレット50から分離される。
【0088】
真空吸着機70がスペーサSを吸着している間、制御機10は第2ローダ92を制御してガイド兼加圧機80をパネル9の上側に位置させる。このとき、ガイド兼加圧機80のガイド板82もパネル9のサイズの1/3に対応するように形成されているため、制御機10はガイド兼加圧機80がパネル9を3等分した領域のうち第1番目の領域(第1領域)9−1に位置するように第2ローダ92を制御する。ガイド兼加圧機80がパネル9の上側に位置している例が図27に示されている。第2ローダ92がガイド兼加圧機80をパネル9の第1領域9−1の上側に位置させると、ガイド兼加圧機80は加圧板85を下降させて加圧板85とガイド板82との間に真空吸着機70が持ち上げられる真空吸着機収容空間87を形成する。
【0089】
すると、制御機10は第1ローダ91を制御してスペーサSを吸着した真空吸着機70がガイド兼加圧機80の真空吸着機収容空間87に位置するようにする。真空吸着機70がガイド兼加圧機80の真空吸着機収容空間87に位置している例が図28に示されている。このとき、真空吸着機70に吸着されたスペーサSとガイド兼加圧機80のガイド板82のガイド孔82−1が図28のようにほぼ一直線上に位置するようになる。次に、真空吸着機70は吸着板71を所定距離下降させて図29のようにスペーサSの先端がガイド板82のガイド孔82−1に接近するようにする。その後、真空吸着機70が真空をオフにすると、スペーサSが自重により落下するようになる。落下するスペーサSはガイド板82のガイド孔82−1によってガイドされ、図30に示すように、パネル9に塗布された接着剤ドットGに垂直の状態で接触するようになる(S35)。すると、制御機10は、第1ローダ91を制御して真空吸着機70がガイド兼加圧機80の真空吸着機収容空間87から離れるようにする。すると、図31に示すように、ガイド兼加圧機80の加圧板85とガイド板82との間には真空吸着機70が存在しない。
【0090】
その後、制御機10は加圧板駆動部86を制御して加圧板85が下降するようにする。すると、図32に示すように、加圧板85の下面に設置された複数個の加圧ピン85−1がスペーサSを所定圧力で加圧するようになる(S37)。これにより、パネル9上に塗布された接着剤GをスペーサSが十分に押すことができ、これによりスペーサSの垂直度の確保が容易になる。
【0091】
その後、制御機10はガイド兼加圧機80の加圧板85とガイド板82とを上昇させる。すると、パネル9には複数個のスペーサSが図33のように垂直の状態で実装されるようになる。次に、制御機10は第2ローダ92を制御してガイド兼加圧機80をパネル9の第2領域9−2に位置させる。
【0092】
ガイド兼加圧機80がパネル9の第1領域9−1にスペーサSを加圧している際、第1ローダ91は真空吸着機70を垂直整列パレット50の第2領域P2に移動させて第2領域P2にある全スペーサSを吸着する。真空吸着機70が複数個のスペーサSを吸着する過程は、垂直整列パレット50の第1領域P1のスペーサSを吸着する過程と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
第2領域P2のスペーサSを吸着した真空吸着機70は、第1ローダによってパネル9の第2領域9−2の上側に位置したガイド兼加圧機80の真空吸着機収容空間87に位置する。すると、真空吸着機70が真空をオフにしてスペーサSを落下し、加圧板85が落下したスペーサSを加圧することは、上述のパネル9の第1領域9−1における真空吸着機70とガイド兼加圧機80との動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0094】
パネル9の第2領域9−2に対するスペーサSの実装が完了すると、制御機10は第1ローダ91及び第2ローダ92に真空吸着機70とガイド兼加圧機80を移動させ、パネル9の第3領域9−3にスペーサSに実装する。パネル9の第3領域9−3にスペーサSを実装することは、上述のパネル9の第1及び第2領域9−1、9−2にスペーサSを実装することとほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。第3領域9−3までスペーサSが実装されたパネル9の一例が図34に示されている。
【0095】
パネル9の第3領域9−3に対するスペーサSの実装が完了すると、制御部10はスペーサSの実装されたパネル9を接着剤塗布装置2を通じて外部にアンローディングする(S39)。
【0096】
以上で説明したように、本発明に係るスペーサ自動実装システムによると、パネルに接着剤を直接塗布するため、パネルに接着剤を塗布する作業とスペーサをパネルに実装する作業とを同時に行なうことができる。従って、スペーサに接着剤を塗布してから順次にパネルにスペーサを実装する従来のスペーサ自動実装システムに比べてスペーサ実装作業時間を短縮することができる。
【0097】
なお、本発明に係るスペーサ自動実装システムによると、複数のスペーサ、例えば、パネルに必要な全スペーサを一度にパネルに実装したり、少なくとも全スペーサの1/3を一度にパネルに実装することができるため、従来のスペーサ自動実装システムに比べて作業時間を短縮することができる。
【0098】
なお、本発明によると、大型基板に使われる全スペーサを4回に渡って垂直整列パレットに垂直整列する場合、シャッタ方式を用いることにより、パネルの1/4のサイズで水平整列パレット、姿勢変換パレット、姿勢変換シャッタ及び開閉シャッタを構成することができる。従って、このような部品のサイズを小さくすることができるため、部品製作が容易であり、製作費用を削減できる。
【0099】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0100】
1 スペーサ自動実装システム
2 接着剤塗布装置
3 水平整列機
4 パレットローダ
5 垂直整列機
6 パレット移送装置
7 スペーサ実装装置
9 パネル
10 制御機
11 ベース
15 接着ヘッド
17 ガン移動ユニット
21 水平整列パレット
30 グリッパ
50 垂直整列パレット
51 整列ベース
52 整列ローダ
54 パレットローディング部
60 反転機
61 反転フレーム
62 回転ユニット
63 姿勢変換シャッタ
64 姿勢変換パレット
65 開閉シャッタ
66 開閉シャッタ駆動部
67 パレット固定部
70 真空吸着機
71 吸着板
72 吸着孔
73 昇降部
75 吸着フレーム
80 ガイド兼加圧機
81 ガイドフレーム
82 ガイド板
83 ガイド板駆動部
85 加圧板
86 加圧板駆動部
87 真空吸着機収容空間
91 第1ローダ
92 第2ローダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のスペーサを水平整列パレットに水平方向に整列する水平整列機と、
垂直整列パレットと前記水平整列パレットに水平整列された複数個のスペーサを前記垂直整列パレットに垂直に整列する反転機を含む垂直整列機と、
前記垂直整列パレットと接着剤の塗布されたパネルとが固定される実装ベースと、
前記実装ベースに固定された前記垂直整列パレットに垂直整列された複数個のスペーサを真空吸着する真空吸着機と、
前記真空吸着機から落下する複数個のスペーサを前記パネルにガイドするガイド板と前記複数個のスペーサを加圧する加圧板とを含むガイド兼加圧機と、
前記実装ベースに設置され、前記真空吸着機を前記垂直整列パレットから前記パネルの上側に移動させる第1ローダと、
前記実装ベースに設置され、前記ガイド兼加圧機を前記パネルの上側に移動させる第2ローダと、
前記垂直整列機、前記真空吸着機、前記ガイド兼加圧機、前記第1ローダ及び前記第2ローダを制御して前記パネルに複数個のスペーサを実装する制御機と
を含むことを特徴とするスペーサ自動実装システム。
【請求項2】
前記水平整列機と前記垂直整列機との間に設置され、前記水平整列パレットを握るためのグリッパを前記水平整列機から前記垂直整列機に移動させるパレットローダを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項3】
前記反転機は、
積層設置された姿勢変換パレットと開閉シャッタを含み、前記姿勢変換パレットが前記水平整列パレットと対向した状態で前記水平整列パレットを結合し、前記水平整列パレットの結合された状態で180度回転できるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項4】
前記反転機は、
前記姿勢変換パレットと開閉シャッタとが積層設置される反転フレームと、
前記反転フレームを回転させる回転ユニットと
を含むことを特徴とする請求項3に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項5】
前記反転フレームは、
前記姿勢変換パレットに対して前記水平整列パレットを固定するパレット固定部と、
前記姿勢変換パレットに対して前記開閉シャッタを移動させる開閉シャッタ駆動部と
を含むことを特徴とする請求項4に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項6】
前記反転フレームは、
前記姿勢変換パレットと前記水平整列パレットとの間に設置される姿勢変換シャッタと、
前記姿勢変換パレットに対して前記姿勢変換シャッタを移動させる姿勢変換シャッタ駆動部と
を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項7】
前記姿勢変換パレットは複数個の姿勢変換孔を含み、
前記姿勢変換孔は水平状態の前記スペーサに対応する入口部と、
垂直状態の前記スペーサに対応する出口部と、
前記入口部と出口部とを連結し、前記スペーサが水平状態から垂直状態に姿勢変換するようにガイドする曲線部と
を含むことを特徴とする請求項3に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項8】
前記開閉シャッタは、
前記姿勢変換パレットの複数個の姿勢変換孔の各々の出口部に対応するように位置する複数個の遮断部と、
前記複数個の遮断部の各々の一側に形成され、前記出口部から排出されるスペーサが通過する複数個の貫通孔とを含み、
前記制御機の信号に応じて前記遮断部又は貫通孔が前記姿勢変換孔の出口部の下に位置することを特徴とする請求項7に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項9】
前記垂直整列機と前記実装ベースとの間に設置され、前記垂直整列機と前記実装ベースに垂直整列パレットを移動させるパレット移送装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項10】
前記真空吸着機は、前記垂直整列パレットに垂直に整列された複数個のスペーサのうち複数個を一度に吸着できるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項11】
前記ガイド兼加圧機は、前記ガイド板の上側に前記加圧板の下に前記真空吸着機が位置できるように形成された真空吸着機収容空間を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項12】
前記水平整列機は、前記水平整列パレットをシーソー動作させつつ、振動が加えられるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項13】
前記実装ベースの一側には、前記パネルに前記複数個のスペーサが設置される位置に接着剤を塗布する接着剤塗布装置が設けられることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ自動実装システム。
【請求項14】
パネルに複数個のスペーサを設置する位置に接着剤を塗布するステップと、
接着剤の塗布されたパネルをスペーサ実装装置の実装ベースにローディングするステップと、
水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサを水平方向に整列するステップと、
反転機に前記水平整列パレットを結合し、前記水平整列パレットを180度回転させて前記複数個のスペーサを垂直方向に整列するステップと、
前記反転機を垂直整列パレットの上側に移動させ、前記垂直整列パレットの垂直溝に複数個のスペーサを落下させて挿入するステップと、
前記垂直整列パレットを前記実装ベースにローディングするステップと、
ガイド兼加圧機を前記実装ベースにローディングされた前記パネルの上側に位置させるステップと、
真空吸着機で前記垂直整列パレットの複数個のスペーサを吸着した後、前記ガイド兼加圧機の真空吸着機収容空間に位置させるステップと、
前記真空吸着機が前記複数個のスペーサを前記ガイド兼加圧機の複数個のガイド孔に落下させ、前記複数個のガイド孔に落下したスペーサが前記パネルの接着剤に接触されるようにするステップと、
前記真空吸着機を前記真空吸着機収容空間から取り外した後、加圧板を下降させて前記複数個のガイド孔に挿入されたスペーサを加圧するステップと、
前記ガイド兼加圧機を離隔した後、前記パネルをアンローディングするステップと
を含むことを特徴とするスペーサ自動実装方法。
【請求項15】
前記パネルに複数個のスペーサを設置する位置に接着剤を塗布するステップと、前記水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサを水平方向に整列するステップとは同時に行なわれることを特徴とする請求項14に記載のスペーサ自動実装方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate


【公開番号】特開2012−148900(P2012−148900A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5980(P2012−5980)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】