説明

電界放出装置

【課題】電界放出装置が提供される。
【解決手段】本発明による電界放出装置は、第1方向、第2方向、及び第3方向に各々延びるゲートラインを含むゲート電極、及び第1方向、第2方向、及び第3方向に各々延びるカソードラインを含むカソード電極を含む第1基板、第1基板と対向してアノード電極を含む第2基板、及び第1基板と第2基板間のスペーサーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界放出装置とは、電界を印加してカソード電極から電子を放出させる素子を利用した装置である。前記電界放出装置は、低価格の製造費用によっても、効率的な消費電力を有する素子を具現でき、多様な分野に応用されている。例えば、電界放出装置は、ディスプレー、照明、マイクロ波素子、及びセンサーを含む多様な分野に適用されている。
【0003】
電界放出装置は、電極の構造、及びにエミッターの特性によって、多様な形態に具現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2006−0061215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、信頼性が向上した電界放出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による電界放出装置は、 第1基板上の第1方向に延長する第1ゲート電極ライン、前記第1ゲート電極ラインから分岐し、前記第1方向と非平行する第2方向に延長する複数の第2ゲートライン、及び前記第2ゲートラインから分岐する第3ゲートラインを含むゲート電極と、前記第1基板上の前記第1ゲート電極ラインと平行する第1カソード電極ライン、前記第1カソード電極ラインから分岐し、第2ゲートラインと平行する第2カソードライン、及び前記第2カソードラインから分岐して記第3カソードラインと噛み合う第3カソードラインを含むカソード電極と、前記第1基板と平行し、所定の間隔に離隔された第2基板と、前記第2基板の上の前記ゲート電極、及び前記カソード電極と対向するアノード電極、及び前記アノード電極上の蛍光層と、前記第1基板と前記第2基板間を離隔させるスペーサーと、を有し、前記ゲート電極と前記カソード電極とは、1つの駆動単位を構成することを特徴とする。
【0007】
前記スペーサーは、前記第1基板の上に前記ゲート電極、及び前記カソード電極が配置されない領域に配置されることが好ましい。
【0008】
前記カソード電極は、前記第1カソードライン、及び前記第3カソードラインの幅より広い幅を有する第2カソードラインを含 む。ここで、前記第1、第2、及び第3カソードラインの幅は、 各々前記第1、第2及び第3方向に垂直する方向の幅で定義される。さらに、前記カソード電極は、 前記第1カソードライン、及び前記第3カソードラインの幅と実質的に同じ幅を有する他の第2カソードラインをさらに含むことが好ましい。
【0009】
1つのスペーサーの下部面の全面は、1つの第2カソードラインの上に位置できることが好ましい。
【0010】
前記ゲート電極は、 前記第1ゲートライン、及び前記第3ゲートラインの幅より広い幅を有する第2ゲートラインを含むことが好ましい。この時、 前記第1、第2、及び第3ゲートラインの幅は、各々前記第1、第2及び第3方向に垂直する方向の幅で定義される。
【0011】
前記ゲート電極は、前記第1ゲートライン、及び前記第3ゲートラインの幅と実質的に同じ幅を有する他の第2ゲートラインをさらに含むことが好ましい。
【0012】
1つのスペーサーの下部面の全面は、1つの第2ゲートラインの上に位置できることが好ましい。
【0013】
前記電界放出装置は、前記ゲート電極、及び前記カソード電極を覆う絶縁層をさらに含む。前記絶縁層は、低温ガラスフリット(frit)と不活性無機粒子との混合物を含むことが好ましい。
【0014】
前記絶縁層上にエミッターをさらに含み、前記にエミッターは炭素ナノチューブを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によると、1つの駆動領域を構成するゲート電極、及びカソード電極が複数の方向に延長する複数のラインで構成できる。これによって、前記ゲート電極、及びカソード電極を含む電界放出装置の発光効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による電界放出装置を説明するための図面である。
【図2】図1のI−II線によって切断した断面図である。
【図3】図1のI−II線によって切断した、パターン130を含まない構成の断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態による電界放出装置を説明するための図面である。
【図5】図4のIII−IV線によって切断した断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による電界放出装置の形成方法を説明するための図面である。
【図7】本発明の一実施形態による電界放出装置の形成方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本件に係る電界放出装置、及びその形成方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。本明細書で’及び/又は’は、前後に羅列した構成要素の中に少なくとも1つを含むことを意味する。本明細書で一構成要素が異なる構成要素の‘上に’位置するということは、一構成要素の上に他の構成要素が直接位置するという意味はもちろん、前記一構成要素の上に第3の構成要素がさらに位置するという意味も含む。本明細書の各構成要素又は、部分などを第1、第2などの表現を使用して示したが、これは、明確な説明のために使われた表現であるので、これによって、限定されない。図面に表現された構成要素の厚さ、及び相対的である厚さは、本発明の実施形態を明確に表現するために誇張されることがある。
【0018】
図1、及び図2を参照して、本発明の一実施形態による電界放出装置を説明する。図1は、電界放出装置の平面図であり、図2は、図1のI−II線によって切断した電界放出装置の断面図である。
【0019】
図1及び図2を参照すると、カソード基板100、及び前記カソード基板100と対向するアノード基板200が配置される。前記カソード基板100、及び前記アノード基板200は、互いに平行であり得る。前記カソード基板100、及び前記アノード基板200は、ガラス、アルミナ、石英、及びシリコンを含む多様な絶縁性物質の中で選択された少なくとも1つを含む。前記カソード基板100、及び前記アノード基板200との間にはスペーサー151が配置される。前記スペーサー151は、前記カソード基板100と前記アノード基板200とが離隔できるように前記基板100、200との間を支持する。前記カソード基板100と前記アノード基板200との間は、真空状態に維持される。例えば、前記カソード基板100と前記アノード基板200との間の真空度は、約10−7Torrであり得る。
【0020】
前記カソード基板100の上にはゲート電極131及びカソード電極121が配置される。前記ゲート電極131及び前記カソード電極121は、前記カソード基板100の平面上に並べて配置される。即ち、前記ゲート電極131と前記カソード電極121の配置形態は、横方向形(lateral type)であり得る。前記ゲート電極131と前記カソード電極121は、前記カソード基板100の上で所定の水平距離を有するように配置される。
【0021】
前記ゲート電極131は、前記カソード基板100平面の第1方向に延長する第1ゲートライン134、前記第1ゲートライン134の一側から分岐した複数の第2ゲートライン135、及び前記第2ゲートライン135の一側から分岐した第3ゲートライン138を含む。前記第2ゲートライン135は、前記第1方向と非平行する第2方向に延長し、前記第3ゲートライン138は、前記第2方向と非平行する第3方向に延長できる。一実施形態において、前記第1方向と前記第3方向とは互いに平行し、前記第2方向は、前記第1方向と第3方向に実質的に垂直であり得る。
【0022】
前記第1、第2及び第3ゲートライン134、135、138は、連結された1つのパターンであり得る。一実施形態において、前記第1ゲートライン134、第2ゲートライン135、及び前記第3ゲートライン138の幅は、実質的に同一であり得る。
【0023】
前記ゲート電極131は、第4ゲートライン139をさらに含む。前記第4ゲートラインは、前記第1方向に延長し、前記第1ゲートライン134と平行するように等間隔でに配置される。前記第1方向と平行する第4ゲートライン139は、前記第1ゲートライン134と異なり分岐したラインを有しない。即ち、前記第1方向に延長するゲート電極131のラインの中に第2ゲートライン135が分岐するラインが第1ゲートライン134で、前記第2ゲートライン135が分岐しないラインが第4ゲートライン139である。
【0024】
一実施形態において、前記第1ゲートライン134と前記第4ゲートライン139は、任意のラインにより連結する。前記任意のラインも、前記ゲート電極131に含まれる。
【0025】
前記ゲート電極131は、銀Ag、クロムCr、アルミニウムAl、ニッケルNi、コバルトCo、白金Pt、金Au、チタニウムTi、タングステンW、及び亜鉛Znを含む金属の中で選択された少なくとも1つを含むか、或いはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)を含む導電性金属化合物の中で選択された少なくとも1つを含む。
【0026】
前記カソード電極121は、第1カソードライン124、前記第1カソードライン124の一側から分岐した複数の第2カソードライン125、及び前記第2カソードライン125の一側から分岐した第3カソードライン128を含む。前記第2カソードライン125は、前記第1方向と非平行する第2方向に延長し、前記第3カソードライン128は、前記第2方向と非平行する第3方向に延長できる。一実施形態において、前記第1方向と前記第3方向は、互いに平行し、前記第1方向と前記第2方向とは実質的に垂直であり得る。
【0027】
前記カソード電極121は、第4カソードライン129をさらに含む。前記第4カソードライン129は、前記第1方向に延長し、前記第1カソードライン124と平行するように等間隔で配置される。前記第1方向と平行する第4カソードライン129は、前記第1カソードライン124と異なり分岐したラインを有しない。即ち、前記第1方向に延長するカソード電極121のラインの中で第2カソードライン125が分岐するラインが第1カソードライン124で、前記第2カソードライン125が分岐できないラインが第4カソードライン129である。
【0028】
一実施形態において、前記第1カソードライン124と前記第4カソードライン129とは、任意のラインにより連結される。前記任意のラインも、又前記カソード電極121に含まれる。
【0029】
前記第1カソードライン124は、前記第1ゲートライン134と平行できる。前記第1カソードライン124から分岐した前記第2カソードライン125は、前記第2ゲートライン135と平行できる。前記第2ゲートライン135と前記第2カソードライン125は、交互に配置される。1つの第1ゲートライン134から分岐した第2ゲートライン135と、前記第1ゲートライン134に平行する第1カソードライン124から分岐した第2カソードライン125とは、互いに噛み合う。又は、前記第3カソードライン128は、前記第3ゲートライン138と平行できる。前記第3カソードライン128は、前記第3ゲートライン138と交互に配置される。1つの第2ゲートライン135から分岐した第3ゲートライン138と、前記1つの第2ゲートライン135と隣接した1つの第2カソードライン125から分岐した第3カソードライン128は、互いに噛み合う。又は、前記第4カソードライン129と前記第4ゲートライン139も、やはり噛み合い平行するように配置される。
【0030】
前記カソード電極121は、銀Ag、クロムCr、アルミニウムAl、ニッケルNi、コバルトCo、白金Pt、金Au、チタニウムTi、タングステンW、及び亜鉛Znを含む金属の中で選択された少なくとも1つを含むか、或いは、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)を含む導電性金属化合物の中で選択された少なくとも1つを含む。
【0031】
隣接した第2ゲートライン135と第2カソードライン125との間にパターン130が配置される。前記パターン130は、後述するスペーサーより広い幅を有する。前記パターン130は、前記ゲート電極131及びカソード電極121と電気的、及び/又は空間的に離隔できる。前記パターン130は、図3に示したように省略され得る。
【0032】
前記ゲート電極131及び前記カソード電極121の上に絶縁層140が配置される。前記絶縁層140は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121をコンフォマル(conformal)するように覆う。これと異なり、前記絶縁層140は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121の間を満たして平坦な上部面を形成する。前記絶縁層140は、0.01乃至20μmの厚さを有する。前記絶縁層140は、低温ガラスフリット(frit)と不活性無機粒子との混合物を含む。前記不活性無機粒子は、アルミナ、シリカ、シリコン、二酸化チタン、及びこれの混合物の中で選択された少なくとも1つを含む。
【0033】
前記絶縁層140の上にエミッター141が配置される。前記にエミッター141は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121に沿って延びる。一実施形態において、前記にエミッター141は、前記第3ゲートライン138、及び第3カソードライン128の上にライン形態に配置されうる。さらに、前記にエミッター141は、前記第3ゲートライン138と第2方向に重なる第1ゲートライン134、及び前記第3カソードライン128と第2方向に重なる第1カソードライン124の上に配置されうる。前記にエミッター141は、炭素ナノチューブを含む。
【0034】
前記スペーサー151は、隣接した複数の第2ゲートライン135との間、及び/又は隣接した複数の第2カソードライン125との間に配置される。前記スペーサー151は、1つの第2ゲートライン135と前記1つの第2ゲートライン135と隣接した1つの第2カソードライン125で構成された1対の第2ラインとの間に配置される。前記一対の第2ラインを構成する第2カソードライン125は、前記第2ゲートライン135から分岐した第3ゲートライン138と噛み合う第3カソードライン128を有する。前記スペーサー151は、円柱形状であり得る。例えば、前記スペーサー151は、円柱形状又は、四角柱形状であり得る。
【0035】
前記スペーサー151は、前記第1方向と第2方向とに前記ゲート電極131及び前記カソード電極121と重ならない。換言すると、前記スペーサー151は、前記絶縁層140の上に配置され、前記スペーサー151の下には前記ゲート電極131及び前記カソード電極121が配置されない。一実施形態において、前記スペーサー151の下の前記絶縁層140の下にパターン130が配置される。前記パターン130は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121と絶縁されたパターンであり得る。これと異なりに、前記パターン130が省略できる。この場合、前記スペーサー151は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121の上部面より低く位置する下部面を有する。又は、前記スペーサー151の下部面の下の前記絶縁層140の上部面は、隣接した前記絶縁層140の上部面より低く位置できる。
【0036】
本発明の実施形態による前記スペーサー151は、複数のゲート電極ライン、及び/又はカソード電極ラインの上にわたって形成されないので、前記スペーサー151によって素子特性の劣化が最小化できる。具体的に、1つのスペーサーが複数のゲートライン、及び/又は複数のカソードラインの上に形成される場合、前記1つのスペーサーと連結された複数のラインとの間に充電、及び放電によるアーキング、及び/又は異常な発光現状が発生できる。又は、前記スペーサーの形成工程で発生できる前記スペーサーの付着のために使われるグルー(glue)によって前記引接する電極ラインの短絡、及び/又は通電が電界放出装置の特性を劣化させる。しかし、本発明の実施形態によると、前記スペーサー151は、複数の電極ラインの上に形成されないので、前記スペーサー151及び前記スペーサー151の形成工程による電気的特性の劣化が減少できる。これによって、安全性が向上した電界放出装置が提供され得る。
【0037】
前記アノード基板200の一面の上にアノード電極210、及び蛍光層220が配置される。前記アノード基板200は、前記アノード電極210、及び前記蛍光層220が前記カソード基板100に向けるように配置される。
【0038】
前記アノード電極210の形態は、ライン型、平面型、及び格子型を含む多様な形態の中で選択される。前記アノード電極210は、インジウム錫酸化物(ITO)を含む透明導電性物質の中で選択された少なくとも1つの物質を含む。前記蛍光層220は、RGB蛍光体が混合された白色蛍光体を含む。
【0039】
図4、及び図5を参照して、本発明の他の実施形態による電界放出装置を説明する。図5は、図4のIII−IV線によって切断した断面図である。先に図1、及び図2と実質的に同じ構成要素は、同じ図面符号を使用し、以下では、前記図1、及び図2と相異なる構成要素を説明する。
【0040】
図4を参照すると、カソード電極122は、第1方向に延長する第1カソードライン124、前記第1カソードライン124から分岐し、前記第1方向と非平行する第2方向に延長する第2カソードライン126、及び前記第2カソードライン126から分岐し、前記第2方向と非平行する第3方向に延長する第3カソードライン128を含む。前記第1カソードライン124、及び前記第3カソードライン128の幅は、実質的に同一であり得る。前記第2カソードライン126の幅は、前記第1カソードライン124、及び前記第3カソードライン128の幅より大きくあり得る。本明細書で、前記ラインの幅は、前記ラインが延長する方向に垂直一方向の幅で定義される。例えば、前記第2カソードライン126の幅は、前記第2方向に垂直一方向の前記第2カソードライン126の幅を指す。
【0041】
前記第2カソードライン126上の絶縁層140の上にスペーサー151が配置される。1つのスペーサー151は、1つの第2カソードライン126の上に配置される。1つの第2カソードライン126の上には複数のスペーサー151が配置される。示されたこととは異なり、前記1つの第2カソードライン126の上に1つのスペーサー151が配置されうる。前記スペーサー151の下部面の全体は、前記第2カソードライン126の上に配置される。即ち、前記スペーサー151は、前記第2カソードライン126の上部面から基板平面の水平方向に突出できない。前記スペーサー151の上部面、及び下部面の全面は、前記第2カソードライン126と垂直するように重なる。このために、前記スペーサー151の幅は前記第2カソードライン126の幅と実質的に同一であるか、或いは小さい。
【0042】
前記スペーサー151は、1つの第2カソードライン126の上に配置されるので、前記スペーサー151によって隣接した第2カソードライン126との間の通電などの現状が防止できる。1つのスペーサーが複数のゲートライン、及び/又は複数のカソードラインの上に形成される場合、前記一スペーサーと連結された複数のライン間に続く充電、及び放電によるアーキング(arcing)、及び/又は異常な発光現状が発生できる。しかし、本発明の実施形態によると、前記スペーサー151は、1つの電極ラインの上に形成されるので、前記スペーサー151により隣接した電極ラインとの間の通電などが防止できる。これによって、安全性が向上した電界放出装置が提供される。
【0043】
ところで、前記カソード電極122とゲート電極131との形態は、互いに変更されうる。即ち、前記カソード電極122が図4のゲート電極131の形態に形成され、前記ゲート電極131が図4のカソード電極122の形態に形成される。
【0044】
図1、図2、図6、及び図7を参照して、本発明の実施形態による電界放出装置の形成方法を説明する。図6は、図1のI−II線によって切断した電界放出装置カソード基板の工程断面図であり、図7は、前記カソード基板と対向するアノード基板の工程断面図である。先に、説明した構成要素に対する説明は、省略できる。
【0045】
図1、及び図6を参照すると、カソード基板100の上にカソード電極121が形成される。前記カソード基板100の上に導電膜が形成される。前記導電膜は、銀Ag、クロムCr、アルミニウムAl、ニッケルNi、コバルトCo、白金Pt、金Au、チタニウムTi、タングステンW、及び亜鉛Znを含む金属の中で選択された少なくとも1つを含むか、或いはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)を含む導電性金属化合物の中で選択された少なくとも1つを含む。前記導電膜に対するパターニング工程を実行してカソード電極121を形成する。前記パターニング工程は、フォトリソグラフィ工程により実行できる。以後、前記パターニングされた導電膜に対して焼結工程が実行できる。
【0046】
前記カソード基板100の上にゲート電極131が形成される。前記ゲート電極131は、前記カソード電極121と同じ方法によって形成される。一実施形態において、前記ゲート電極131と前記カソード電極121は、同時に形成される。
【0047】
前記カソード基板100の上にパターン130が形成される。前記パターン130は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121と電気的に絶縁される絶縁パターン、又は導電パターンであり得る。これと異なりに、前記パターン130の形成は、省略され得る。この場合、図3のような形態のカソード基板が形成される。
【0048】
前記ゲート電極131及び前記カソード電極121は、他の形態にも形成される。図5のカソード電極部分を参照すると、前記カソード電極121は、相対的に広い幅を有する第2カソードライン126を含むように形成される。前記カソード電極121、前記ゲート電極131の形態は、前記カソード電極121、前記ゲート電極131の形成の時、フォトリソグラフィ工程の際に使われるマスクの形態によって調節できる。
【0049】
前記ゲート電極131及び前記カソード電極121の上に絶縁層140が形成される。前記絶縁層140は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121をコンフォマル(conformal)になるように覆う。これと異なりに、前記絶縁層140は、前記ゲート電極131及び前記カソード電極121との間の空間を満たして平坦化された上部面を有する。前記絶縁層140は、印刷法によって形成される。
【0050】
前記絶縁層140の上にエミッター141が形成される。前記にエミッター141は、スクリーンプリンティング方式によって形成される。前記にエミッター141は、炭素ナノチューブを含む。前記絶縁層140の上に形成された炭素ナノチューブに対して焼結工程が実行できる。
【0051】
図7を参照すると、アノード基板200の上にアノード電極210と蛍光層220が順に形成される。
【0052】
また、図2を参照すると、前記アノード基板200と前記カソード基板100とを付着させる。前記アノード基板200と前記カソード基板100との間にはスペーサー151を介在させ、前記アノード基板200と前記カソード基板100との間の間隔を維持させる。
【0053】
前記スペーサー151は、前記カソード電極121及び前記ゲート電極131が配置されない前記カソード基板100の一面の上に形成される。前記スペーサー151は、UVグルー(UV glue)を含む多様な接着手段によって前記アノード基板200と前記カソード基板100との間に付着できる。前記アノード基板200と前記カソード基板100との間は、真空状態であるのが望ましい。このために、真空パッケージング工程が実行できる。
【0054】
1つのスペーサーが複数のゲート電極ライン、及び/又は複数のカソード電極ラインの上に形成される場合、前記真空パッケージング工程の時、前記ゲート電極ライン、及び/又は前記カソード電極ラインとの間の電気的特性が低下し得る。具体的に、前記スペーサーをマウンティングする工程で前記スペーサーの断面の状態又は、前記スペーサーの重さによる圧力により前記電極ラインが短絡されるか、或いは前記スペーサーを付着させるためのグルーによって隣接した電極ライン間が通電できる。しかし、本発明の実施形態によると、前記スペーサー151は、複数の電極ラインの上に形成されないので、前記スペーサー151の形成工程によって前記電極ラインの電気的特性の損傷が防止できる。したがって、工程安全性が向上できる。
【0055】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
100 カソード基板
121、122 カソード電極
124 第1カソードライン
125、126 第2カソードライン
128 第3カソードライン
129 第4カソードライン
130 パターン
131 ゲート電極
134 第1ゲートライン
135 第2ゲートライン
138 第3ゲートライン
139 第4ゲートライン
140 絶縁層
141 エミッター
151 スペーサー
200 アノード基板
210 アノード電極
220 蛍光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板上の第1方向に延長する第1ゲート電極ライン、前記第1ゲート電極ラインから分岐し、前記第1方向と非平行する第2方向に延長する複数の第2ゲートライン、及び前記第2ゲートラインから分岐する第3ゲートラインを含むゲート電極と、
前記第1基板上の前記第1ゲート電極ラインと平行する第1カソード電極ライン、前記第1カソード電極ラインから分岐し、第2ゲートラインと平行する第2カソードライン、及び前記第2カソードラインから分岐して記第3カソードラインと噛み合う第3カソードラインを含むカソード電極と、
前記第1基板と平行し、所定の間隔に離隔された第2基板と、
前記第2基板の上の前記ゲート電極、及び前記カソード電極と対向するアノード電極、及び前記アノード電極上の蛍光層と、
前記第1基板と前記第2基板間を離隔させるスペーサーと、を有し、
前記ゲート電極と前記カソード電極とは、1つの駆動単位を構成することを特徴とする電界放出装置。
【請求項2】
前記スペーサーは、前記第1基板の上に前記ゲート電極、及び前記カソード電極が配置されない領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
【請求項3】
前記カソード電極は、前記第1カソードライン、及び前記第3カソードラインの幅より広い幅を有する第2カソードラインを含み、
前記第1、第2、及び第3カソードラインの幅は、各々前記第1、第2及び第3方向に垂直する方向の幅で定義されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
【請求項4】
前記カソード電極は、前記第1カソードライン、及び前記第3カソードラインの幅と実質的に同じ幅を有する他の第2カソードラインをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の電界放出装置。
【請求項5】
1つのスペーサーの下部面の全面は、1つの第2カソードラインの上に位置することを特徴とする請求項3に記載の電界放出装置。
【請求項6】
前記ゲート電極は、前記第1ゲートライン、及び前記第3ゲートラインの幅より広い幅を有する第2ゲートラインを含み、
前記第1、第2、及び第3ゲートラインの幅は、各々前記第1、第2及び第3方向に垂直する方向の幅で定義されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
【請求項7】
前記ゲート電極は、前記第1ゲートライン、及び前記第3ゲートラインの幅と実質的に同じ幅を有する他の第2ゲートラインをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の電界放出装置。
【請求項8】
1つのスペーサーの下部面の全面は、1つの第2ゲートラインの上に位置することを特徴とする請求項6に記載の電界放出装置。
【請求項9】
前記第2カソードラインと平行し、前記第1カソードラインから分岐した第4カソードラインと、
前記第2ゲートラインと平行し、前記第1ゲートラインから分岐した第4ゲートラインと、をさらに含み、
前記第4カソードライン、及び前記第4ゲートラインは、交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
【請求項10】
前記ゲート電極、及び前記カソード電極を覆う絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電界放出装置。
【請求項11】
前記絶縁層は、低温ガラスフリット(frit)と不活性無機粒子との混合物を含むことを特徴とする請求項10に記載の電界放出装置。
【請求項12】
前記絶縁層上のにエミッターをさらに含み、前記にエミッターは、炭素ナノチューブを含むことを特徴とする請求項10に記載の電界放出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−129503(P2011−129503A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152660(P2010−152660)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(505427953)ナノパシフィック・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】