説明

電界放出陰極を具えるX線源

本発明は、電界放出陰極と、陽極と、陰極および陽極間に高電圧を適用してX線ビームの放射を可能にするコネクタと、自身の内部に陽極および陰極が配置される真空チャンバであって、X線透過窓を有する真空チャンバとを具えるX線源に関しており、電界放出陰極が連続したセル構造を有する炭化固体化合物発泡体から成り、連続したセル構造は高電圧が適用されたときに陽極に電子放出する複数の放出部位を具えている。電界放出陰極は、スイチッング時間、電流、運動エネルギ、および出射方向の点で電界放出陰極で放出された電子をさらに高度に制御することが可能であるため、X線システムの性能を向上することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出陰極を具えるX線源に関する。本発明はさらに、電界放出型X線源を用いて物体を走査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線放射生成システムは、X線写真画像を取得するか、または専門的な診断アプリケーションの平面画像を生成するために、例えば医療診断で用いられている。専門的な画像診断の分野では、X線は診断する固体の内部構造を通過する際に特に有効であり、そこを通過するX線で形成された画像は物体の内部の傷あるいは構造的な欠陥を明らかにする。このため専門的なX線画像診断は、製造中および製品の耐用年数にわたって製品の構造的特徴を評価する有益な品質管理検査ツールである。この形態の診断解析は、評価の過程で画像化する物体を破壊する必要がないので、他の種類の評価と比べて有利である。この理由により、専門的な画像診断は非破壊検査としても知られている。
【0003】
専門的な画像アプリケーションのX線管は一般に、励起される陰極を有し、陽極へ加速する電子ビームを放出する電子銃を具えている。陰極は一般に熱電子放出に基づいており、陽極はタングステンなどの金属ターゲット面で構成することができ、加速電子の衝突により自身からX線が生成される。電子ビームの軸に対してある角度で陽極面を配置することによって、電子ビーム軸にほぼ垂直な方向にX線が送られる。
【0004】
次いでX線は、X線管内で真空密閉を提供するために用いられるベリリウム窓を通過する。その後、X線はほぼ円錐形の経路に沿ってX線管を出るが、円錐の頂点は衝突する電子ビームによって形成される標的スポットにおよそ一致する。
【0005】
しかしながら、特にこのようなX線管は応答時間が遅く、エネルギ消費が高く、かつ広いスペースを要求するという事実により、熱電子放出型X線管の使用は制御性が制限されている。従って、このようなX線管は最新のアプリケーションにあまり適していない。
【0006】
熱電子放射陰極を電界放出陰極で置換することによって上記問題を解決するアプローチがなされてきた。このような実装の一例は米国特許出願第2006/0039532号に開示されており、ここで電界放出陰極は、先端と引出電極との間に小さな電位差が設けられたときに電子を放出する鋭いポイントのアレイを構成する。相対的に小さな電圧が各ポイントで大きな電界を生成し、先端から真空内に電子を通過させるため、鋭い先端は電界放出効果を高める。
【0007】
しかしながら、安定した電子放出を達成するためにエネルギ消費の高い大きな抽出電流が必要であるため、このような電界放出陰極の使用が結果を制限している。したがって、エネルギ消費が高いことにより、得られるX線システムの可動性が制限されるため、このような実装は望ましくない。
【0008】
したがって、先行技術の信頼性の問題を少なくとも解決する改良したX線システムが必要である。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様によれば、電界放出陰極と、陽極と、陰極および陽極間に高電位差を適用してX線ビームの放射を可能にするコネクタと、自身の内部に陽極および陰極が配置される真空チャンバとを具えるX線源であって、電界放出陰極が連続したセル構造を有する炭化固体化合物発泡体から成り、連続したセル構造は高電位差が適用されたときに陽極の方向に電子放出する複数の放出部位を具えるX線源によって上記が満たされる。
【0010】
本発明の一般概念は、より正確な方法で電子放出を制御することができ、これにより十分な量のX線が放射されるという事実に基づいている。先行技術の電子ビーム源(例えば「フィラメント」または熱電子放射陰極)の代わりに電界放出陰極を用いることで、スイチッング時間、電流、運動エネルギ、および放出方向の点で電界放出陰極で放出された電子をさらに高度に制御することができるため、X線源の性能を向上することが可能である。さらに、これにより非常に速い応答時間の電子放出(したがってさらにX線放射)が達成され、これにより安定したX線出力特性を有するX線源を提供することができる。加えて、炭化固体発泡体に由来する非常に鋭い先端を提供することができ、多数の放出部位と組み合わせて、さらにX線源の性能を向上させることができる。さらに、本発明に係るX線源は集束した電子ビームを生成する機能も有しており、小さなエネルギの広がりが潜在的に高解像度イメージングの超微細な焦点を可能にしている。
【0011】
真空チャンバは、放出された電子の自由な流れを可能にするために約10−4パスカル以下の圧力を有することが好ましい。しかしながら、連続したセル構造に基づく電界放出陰極を導入する発明概念を使用することにより、高真空の要件を引き下げることが可能であり、これにより本発明に係るX線源の製造を容易にすることができる。
【0012】
本発明の好適な実施形態によれば、炭化固体化合物発泡体はフェノール樹脂と、金属塩、金属酸化物の少なくとも1つとを具える液体混合物から変化させている。
【0013】
好ましくは、真空チャンバがガラスまたは金属から成る。金属チャンバを用いる場合には、チャンバがX線透過窓を有するであろう。窓は、例えばベリリウムから成り、これによりX線源から出るX線放射を制御することができる。
【0014】
好ましくは、X線源がさらに金属陽極などの陽極を冷却する冷却機構を具える。陽極の温度の減少はさらに、X線放射を増強する。
【0015】
代替実施形態では、X線源がさらに電界放出陰極で放出された電子を集束させる集束電極を具える。また、代わりにX線源はさらに、陰極から陽極の方向に電子を抽出する引出電極を具え、これにより三極管構造を形成する。加えて、X線源はさらにまたは代わりに、複数の制御可能な電界放出陰極を具えることができる。複数の電界放出陰極を用いることによってピクセルベースのX線放射を可能にしており、特定の受線部位にX線放射を導くときの柔軟性を向上することが可能である。有利なことに、可能な限り1mA未満の電流を提供するときに約20keVでX線ビームにスペクトルピークを生成するようX線源を適合することができる。したがって、少ないエネルギ消費量で適切なX線源を提供することができ、これによりX線源はより携帯可能になる。
【0016】
システムの観点から、上述したX線源と、X線検出部と、画像化すべき物体を受ける物体ホルダであって、X線透過窓とX線検出部との間に配置された物体ホルダと、X線放射を制御し、X線検出部からデータを収集する制御部とを具えることによってX線システムを形成することが可能である。好ましくは、物体ホルダの位置が制御部によって回転可能であり、これにより異なる視角から物体のデータ収集を可能する。システムはさらに、X線源により生成されたX線量を検出する線量センサを具えることができ、制御部がX線システムを制御するために線量センサから線量情報を受信するよう適合されている。これにより更なる制御可能システムを提供することができる。
【0017】
好ましくは、このようなX線システムが携帯型であり、このため動作したバッテリ、高電圧電源を具え、X線システムをフィールドアプリケーション用に携帯可能にすることが有利である。
【0018】
本発明の別の態様によれば、物体を走査する方法が提供され、当該方法が、電界放出陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に高電圧を適用させてX線ビームの放射を可能にするコネクタと、自身の内部に陽極と陰極が配置される真空チャンバとを具えるX線源を提供するステップであって、電界放出陰極が連続したセル構造を有する炭化固体化合物発泡体から成り、連続したセル構造は高電位差が適用されたときに陽極の方向に電子放出する複数の放出部位を具えるステップと、陽極で放出された少なくとも1つのX線ビームを遮る経路に物体を配置するステップと、制御部によってX線源を起動し、これによりX線ビームが陽極で放射されるステップと、X線検出部によってX線強度を検出するステップと、検出されたX線強度に基づいて制御部を用いて画像データを生成するステップとを含む。この方法はさらに、物体の三次元画像を構築するためのデータを生成するステップを含む。
【0019】
本発明のこの態様は、例えば性能の向上と携帯性を含み、上述したX線源およびシステムと同じ利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の現在好適な実施形態を示す添付図面を参照し、ここで本発明のこれらおよび他の態様をより詳細に説明する。
【図1】図1は、本発明に係るX線源の第1の実施形態の概念図である。
【図2】図2は、本発明に係るX線源の第2の実施形態の概念図である。
【図3】図3は、本発明の現在好適な実施形態に係るX線システムの概念図である。
【図4】図4は、適用エネルギと放射X線との間の関係を示すX線放射スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の現在好適な実施形態を示す図面を参照して、ここで本発明をさらに詳細に以下で説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施することができ、ここで説明する実施形態に限定して解釈すべきではない。そうではなく、これらの実施形態を詳細かつ完全に提供して、当業者に本発明の範囲を十分に伝える。全体にわたって同一の符号は同一の要素を参照する。
【0022】
ここで図面、特に図1を参照すると、図1は、本発明に係る第1の実施形態のX線源100の概念図である。X線源100は陰極と陽極(すなわちダイオード構造)を具え、陰極は電界放出陰極102であり、陽極は例えば銅から成る金属陽極104であることが好ましい。陰極102と陽極104の各々には電気コネクタ106が設けられ、これは例えばガラスまたは金属から成る真空チャンバ108から延在し、チャンバが金属から成る場合には少なくともX線を透過する窓を有する。もちろんアプリケーションに依存して程度の差があるが、チャンバ108はおよそ約10−4パスカルの圧力を有することが好ましい。電気コネクタ106に陰極102と陽極104を接続するために、陰極102と陽極104の各々にはホルダ110および112がそれぞれ設けられている。
【0023】
電界放出陰極102は連続したセル構造を有する炭化固体化合物発泡体から成り、連続したセル構造は高電圧が適用されたときに陽極の方向に電子放出する複数の放出部位を具える。場合により、炭化固体化合物発泡体はフェノール樹脂と、金属塩、金属酸化物の少なくとも1つとを具える液体混合物から変化させることができる。
【0024】
連続したセル構造によって、多数の放出部位を提供することができ、それぞれは非常に鋭い先端を有し、これにより高い放出効果が可能になる。従って、各コネクタ106に高電圧を適用し、電界が放出する閾値電場を超えるときに電子が陰極から放出される。このような高電圧を提供するために、電源114を用いることができる。電源は携帯可能にすることができ、例えばバッテリなどの電源を含む。加えて、図1で理解できるように、電子ビームの軸に対してある角度で陽極104の面を配置することにより、電子ビーム軸にほぼ垂直な方向にX線が送られる。これに関する更なる説明は、図3に関して提供する。
【0025】
次に図2を参照すると、本発明に係る第2の実施形態のX線源200の概念図が示されている。X線源200は図1のX線源100と実質的に同じであり、X線源200は三極管構造から成るという違いを有しており、すなわち好ましくは陰極102の面から数十マイクロメートルから数ミリメートルの範囲で、電界放出陰極102から離れて配置されたゲート電極116をさらに具える。ゲート電極116と陰極102との間にバイアス場を適用することによって、陽極104の方向へ電子の抽出を増加することが可能である。このような動作のため、コネクタ106を介して、僅かに変更した電源114にゲート電極116を接続することによって、ゲート電極116にバイアス電圧を適用することができる。三極管構造によって、X線源200の電流強度と運動エネルギを少なくとも調整することが可能である。陰極構造はさらに微細なビーム焦点を提供することができ、これがX線放射に関して有利となる。したがって、例えばグリッド網設計を含む様々な種類のゲート電極形状を含み、例えばメッシュワイヤの太さやメッシュの開口面積に関するパラメータ調整を含む、ゲート電極116の幾何学的パラメータを特定のアプリケーションに基づいて最適化することができる。
【0026】
図3では、本発明の現在好適な実施形態に係る物体302を走査するX線システム300の概念図を見ることができ、図1に開示した電界放出型X線源100を具えている。X線源は、図2に開示するX線源200にすることもできる。双方のケースでは、必要な場合に、電子励起下で熱くなる陽極を冷却する冷却機構をX線源が具えることができる。
【0027】
X線システム300はさらに、例えば物体302を受ける面304と、蛍光スクリーン306と、鉛ガラス308と、デジタルカメラ310とを具えるX線検出部を具えている。加えて、X線システム300はX線システム300の動作を制御する制御部(図示せず)を具えることができる。また、線量センサ(図示せず)を設けてX線源100で生成されたX線線量を検出することもできる。他の種類のX線検出部を用いることができ、本発明の範囲内で、例えば写真乾板、輝尽性蛍光体(PSP)、異なる種類のガイガー計数管、シンチレータ、および直接半導体検出器を具える。場合により、追加の検出部を用いてもよい。
【0028】
物体を配置するために物体ホルダを設けることができ、物体を回転および/または複数方向に移動するために例えば制御部によって物体ホルダを制御することができる。異なる角度から物体の画像データを収集することによって、物体の三次元のX線画像を生成することが可能である。
【0029】
X線システム300の動作中、物体302はX線源の陽極104で放射されたX線ビームを遮る経路に配置される。その後、制御部はX線源100を起動し、これによりX線ビームが陽極から放射される。X線検出部がさらに起動され、X線ビームと物体302によるその遮断とに由来するX線強度を検出する。その後、制御部または別個のコンピュータ装置が検出されたX線強度に基づいて画像データを生成することができる。
【0030】
最後に図4を参照すると、これは適用エネルギと、X線源100で放射されたX線ビームの放射X線との間の関係を示すX線放射曲線である。発光スペクトル402は1mA未満の電流でおよそ20keVのピークを示しており、高性能のX線源100であることが分かる。例えばフィラメントまたは熱電子放射陰極素子を具える先行技術のX線源は、このような出力に達するためにさらに高レベルの制御電流を適用しなければならないであろう。
【0031】
図示したX線システムを制御するコンピュータプログラムの実行可能命令は、例えば命令実行システム、装置、またはデバイスから命令をフェッチし、命令を実行することができるコンピュータベースシステム、プロセッサ含有システム、または他のシステムなど、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはこれに関連して用いられる任意のコンピュータ可読媒体に実装することができる。
【0032】
本書で用いるとき、「コンピュータ可読媒体」は命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはこれに関連して用いられるプログラムを具えるか、記憶するか、通信するか、広めるか、または移すことができる任意の手段とすることができる。コンピュータ可読媒体は、例えば限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、デバイス、またはリムーバブルストレージ装置などの伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体の更なる特定の実施例(包括的でないリスト)は、1以上の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクROM(CDROM)を含むことができる。
【0033】
さらに、当業者は本発明が上述した好適な実施形態に決して限定されないことを理解する。それどころか、添付された特許請求の範囲内で多くの変更と変形が可能である。例えば、図1および図2に示したX線源の双方は、複数の制御可能な電界放出陰極を具えるよう構成することができ、これにより最も一般的な単一陰極対単一陽極とは別に、複数陰極対単一陽極もしくはは単一陰極対複数陽極の何れか、およびカットした複数陽極の構成でピクセルベースのX線ビームを放射することが可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源であって、
電界放出陰極と、
陽極と、
前記陰極および前記陽極間に高電位差を適用してX線ビームの放射を可能にするコネクタと、
自身の内部に前記陽極および前記陰極が配置される真空チャンバとを具え、
前記電界放出陰極が連続したセル構造を有する炭化固体化合物発泡体から成り、前記連続したセル構造は前記高電圧が適用されたときに前記陽極に電子放出する複数の放出部位を具えることを特徴とするX線源。
【請求項2】
請求項1に記載のX線源において、前記真空チャンバが10−4パスカル以下の圧力を有することを特徴とするX線源。
【請求項3】
請求項1および2の何れか1項に記載のX線源において、前記炭化固体化合物発泡体はフェノール樹脂と、金属塩、金属酸化物の少なくとも1つとを含む液体混合物から変化させていることを特徴とするX線源。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のX線源において、前記真空チャンバがガラスまたは金属から成り、X線透過窓を有することを特徴とするX線源。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のX線源がさらに、前記陽極を冷却する冷却構造を具えることを特徴とするX線源。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のX線源がさらに、前記電界放出陰極によって放出された電子を集束させる集束電極を具えることを特徴とするX線源。
【請求項7】
請求項7に記載のX線源において、前記陽極、前記陰極、および引出電極がともに三極管構造を形成していることを特徴とするX線源。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のX線源が、複数の制御可能な電界放出陰極を具えることを特徴とするX線源。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載のX線源が、1mA未満の電流を提供するときに約20keVでX線ビームにスペクトルピークを生成することを特徴とするX線源。
【請求項10】
X線システムであって、
請求項1〜9の何れか1項に記載のX線源と、
X線検出部と、
走査すべき物体を受ける物体ホルダであって、前記X線透過窓と前記X線検出部との間に配置された物体ホルダと、
前記X線の放射を制御し、前記X線検出部からデータを収集する制御部とを具えることを特徴とするX線システム。
【請求項11】
請求項10に記載のX線システムにおいて、前記物体ホルダの位置が前記制御部によって回転可能であり、これにより異なる視角から前記物体のデータ収集を可能にしていることを特徴とするX線システム。
【請求項12】
請求項10または11の何れか1項に記載のX線システムがさらに、前記X線源で生成されたX線量を検出する線量センサを具え、前記制御部が前記線量センサから線量情報を受信して前記X線システムを制御するよう適合されていることを特徴とするX線システム。
【請求項13】
請求項10〜12の何れか1項に記載のX線システムにおいて、前記X線システムがバッテリ電源を具え、携帯可能であることを特徴とするX線システム。
【請求項14】
物体を走査する方法において、当該方法が、
電界放出陰極と、陽極と、前記陰極および前記陽極間に高電圧を適用してX線ビームの放射を可能にするコネクタと、自身の内部に前記陽極および前記陰極が配置される真空チャンバとを具えるX線源を提供するステップであって、前記電界放出陰極が連続したセル構造を有する炭化固体化合物発泡体から成り、前記連続したセル構造は前記高電圧が適用されたときに前記陽極の方向に電子放出するための複数の放出部位を具えるステップと、
前記陽極で放射された少なくとも1つのX線ビームを遮る経路に物体を配置するステップと、
制御部によって前記X線源を起動し、これによりX線ビームが前記陽極で放射されるステップと、
X線検出部によってX線強度を検出するステップと、
前記検出されたX線強度に基づいて前記制御部を用いて画像データを生成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法がさらに、前記物体の三次元画像を構築するためのデータを生成するステップを含むことを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−521614(P2012−521614A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549528(P2011−549528)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051481
【国際公開番号】WO2010/094588
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511197877)ライトラブ スウェーデン アーベー (1)
【氏名又は名称原語表記】LIGHTLAB SWEDEN AB
【Fターム(参考)】