説明

電磁アクチュエータおよびそれを用いた電磁リレー

【課題】可動子を動かすのに、励磁コイルで発生する駆動エネルギのすべてを有効に活用できるとともに100V定格と200V定格とで共用化が可能な電磁アクチュエータを得ることである。
【解決手段】底板部と長手方向で相対向する一対の接極部と横方向で相対向する一対のコイル装着部とを有するヨークと、各コイル装着部に装着された励磁コイルと、磁性材でなり、一対の接極部間に配置された可動子と、各接極部に設けられた永久磁石とを備え、可動子がその長手方向に移動可能なものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励磁コイルへの通電の断続により可動子の往復動を行う電磁アクチュエータおよびその電磁アクチュエータを用いた電磁リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁リレー等に使用される電磁アクチュエータとして、磁性材からなり相対向する一対の第1の接極片と第2の接極片とを有する第1のヨークと、第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとが巻装され、一対の接極片間に配置されたボビンと、ボビンの可動子挿入孔に挿入された磁性材の可動子と、第1のヨークとボビンの間に配置された永久磁石と、永久磁石とともに磁気回路を形成する第2のヨークとで構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電磁アクチュエータは、例えば、第1の励磁コイルに電流を流すと、第1の励磁コイルで電磁石が形成され、可動子が移動して、第1のヨークにおける第1の接極片に吸着される。そして、第1の励磁コイルの励磁が解消された後も、可動子は、永久磁石と第1のヨークと第2のヨークとで形成される磁気回路によって作用する永久磁石の磁力により、可動子の第1の接極片への吸着状態が維持される。
【0004】
同様に、第2の励磁コイルに電流を流すと、可動子が移動して、第1のヨークにおける第2の接極片に吸着される。第2の励磁コイルの励磁が解消された後も、可動子は、永久磁石と第1のヨークと第2のヨークとで形成される磁気回路によって作用する永久磁石の磁力により、可動子の第2の接極片への吸着状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−093948号公報(第3−4頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電磁アクチュエータは、可動子を第1の接極片方向に移動させるには、第1の励磁コイルに電流を流すことにより行い、可動子を第2の接極片方向に移動させるには、第2の励磁コイルに電流を流すことにより行なっている。すなわち、可動子を動かすのに、第1の励磁コイルあるいは第2の励磁コイルの一方のみの励磁コイルで発生した駆動エネルギしか用いられず、励磁コイルで発生可能な駆動エネルギを有効に利用できないとの問題があった。
また、励磁コイルで発生可能な駆動エネルギを増大させるのに、励磁コイルのターン数を増加させると、励磁コイルの大型化、つまり、アクチュエータが大型化するとの問題が発生した。
【0007】
また、特許文献1に記載の電磁アクチュエータは、100V定格品のものを格上げして200Vで使用すると、電流が2倍となりジュール熱が4倍となるので、通電性能に支障をきたし、単純に100V定格と200V定格との共用化は困難であった。
100V定格と200V定格との共用化にあたっては、発熱と通電性能とがバランスするように、再設計が必要である。しかし、再設計において、ジュール熱を下げるため励磁コイルへ流す電流を低減すると、駆動に必要な起磁力が減少するので、この点からも、励磁コイルのターン数を増加させる必要があり、励磁コイルの大型化、つまり、電磁アクチュエータが大型化するとの問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、アクチュエータに用いられた励磁コイルが発生するすべての駆動エネルギを有効に活用して、可動子を移動でき、発熱が少なく再設計する必要がなく大型化が防止され、異なる電圧定格の間で共用化が可能である電磁アクチュエータと、この電磁アクチュエータを用いた電磁リレーを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係わる電磁アクチュエータは、磁性材でなり、底板部と相対向する一対の接極部と相対向する一対のコイル装着部とを有するヨークと、各コイル装着部に装着された励磁コイルと、磁性材でなり、一対の接極部間に設置された可動子とを備えており、各接極部は、底板部の長手方向における両端部において、底板部の一方の面に略垂直に立設しており、且つ立設部と立設部内面の上端部における両方の隅部から、各々略垂直に突出した柱状の突出部とで形成されており、各コイル装着部は、底板部の長手方向の中央部における幅方向の両端部において、底板部の一方の面に略垂直に立設しており、各コイル装着部に装着された各励磁コイルどうしは、直列に接続されており、可動子は、その長手方向が、各立設部間に配置され、その幅方向が、各接極部における2個の突出部間と各コイル装着部間とに配置され、その長手方向に移動可能な状態で設置されており、永久磁石が、一方の接極部側に配置される一方の接極部側永久磁石と他方の接極部側に配置される他方の接極部側永久磁石とで形成され、且つ一方の接極部に対する一方の接極部側永久磁石の磁極の方向と他方の接極部に対する他方の接極部側永久磁石の磁極の方向とが逆になるようにして、各接極部あるいは可動子の各接極部側端部のいずれかに設けられたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係わる電磁アクチュエータは、磁性材でなり、底板部と相対向する一対の接極部と相対向する一対のコイル装着部とを有するヨークと、各コイル装着部に装着された励磁コイルと、磁性材でなり、一対の接極部間に設置された可動子とを備えており、各接極部は、底板部の長手方向における両端部において、底板部の一方の面に略垂直に立設しており、且つ立設部と立設部内面の上端部における両方の隅部から、各々略垂直に突出した柱状の突出部とで形成されており、各コイル装着部は、底板部の長手方向の中央部における幅方向の両端部において、底板部の一方の面に略垂直に立設しており、各コイル装着部に装着された各励磁コイルどうしは、直列に接続されており、可動子は、その長手方向が、各立設部間に配置され、その幅方向が、各接極部における2個の突出部間と各コイル装着部間とに配置され、その長手方向に移動可能な状態で設置されており、永久磁石が、一方の接極部側に配置される一方の接極部側永久磁石と他方の接極部側に配置される他方の接極部側永久磁石とで形成され、且つ一方の接極部に対する一方の接極部側永久磁石の磁極の方向と他方の接極部に対する他方の接極部側永久磁石の磁極の方向とが逆になるようにして、各接極部あるいは可動子の各接極部側端部のいずれかに設けられたものであり、励磁コイルが発生するすべての駆動エネルギを有効に活用して可動子を移動させることと、発熱を少なくすることと、異なる電圧定格の間で共用化をすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータの構造を示す斜視模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータにおいて、励磁コイルに、磁束Eをキャンセルする磁束を発生させる電流を流した状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータにおいて、可動子が第2の接極部に当接している状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータにおいて、励磁コイルに、磁束Hをキャンセルする磁束を発生させる電流を流した状態を示す図である。
【図5】従来の電磁アクチュエータの正面断面模式図である。
【図6】従来の電磁アクチュエータの動作機構を説明する図である。
【図7】従来の電磁アクチュエータにおいて、2個の励磁コイルに同時に通電する場合の動作機構を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態1の電磁アクチュエータと従来の電磁アクチュエータとの励磁コイルに流す電流と可動子に作用する駆動力との関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係わる電磁アクチュエータの構造を示す上面模式図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係わる電磁アクチュエータの構造を示す上面模式図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係わる電磁アクチュエータの構造を示す上面模式図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係わる電磁リレーの内部構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータの構造を示す斜視模式図である。
図1に示すように、本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、磁性材でなり、底板部11と相対向する一対の接極部と相対向する一対のコイル装着部13とを有するヨーク10と、各コイル装着部13に装着された励磁コイルと、磁性材でなり、一対の接極部間に設置された可動子15と、一対の接極部の各々に設けられた永久磁石とを備えている。
【0013】
接極部は、底板部11の長手方向における両端部において、底板部11の一方の面に略垂直に立設して形成されており、一端部側が第1の接極部12aで他端部側が第2の接極部12bである。
第1の接極部12aと第2の接極部12bとは、立設部12cと、立設部内面の上端部における両方の隅部から、各々略垂直に突出した四角柱状の突出部12dとで形成されている。
【0014】
各コイル装着部13は、底板部11の長手方向の中央部における幅方向の両端部において、底板部11の一方の面に略垂直に立設して形成されている。
励磁コイルは、一方のコイル装着部13に装着された第1の励磁コイル14aと、他方のコイル装着部13に装着された第2の励磁コイル14bとで構成されている。
また、第1の励磁コイル14aと第2の励磁コイル14bとは、例えば、線材をボビンに巻回して形成されており、同様なコイルである。
【0015】
また、第1の励磁コイル14aと第2の励磁コイル14bとは、直列に接続されるとともに、各コイル装着部13の根元側に装着されている。
すなわち、各励磁コイルと各コイル装着部とで電磁石を形成しており、各励磁コイル14a,14bの巻回方向は、共に同じ方向に磁束が発生するようになっている。
【0016】
可動子15は、その長手方向が、第1の接極部12aの立設部12cと第2の接極部12bの立設部12cとの間に配置され、その幅方向が、第1の接極部12aにおける2個の突出部12dの間と第2の接極部12bにおける2個の突出部12dの間と2個のコイル装着部13の間との各々に配置され、その長手方向に移動可能な状態で設置されている。
【0017】
すなわち、可動子15は、長手方向の一方の端部における、端面が第1の接極部12aの立設部12cと対向し、側面が第1の接極部12aの突出部12dの内側面と対向し、長手方向の他方の端部における、端面が第2の接極部12bの立設部12cと対向し、側面が第2の接極部12bの突出部12dの内側面と対向しており、長手方向の略中央部における側面が、各コイル装着部13の内面側と対向している。
【0018】
永久磁石は、第1の接極部側に配置される第1の接極部側永久磁石16aと、第2の接極部側に配置される第2の接極部側永久磁石16bとで形成されている。
本実施の形態では、第1の接極部側永久磁石16aは、第1の接極部12aに設けられており、第2の接極部側永久磁石16bは、第2の接極部12bに設けられている。
そして、第1の接極部12aに対する第1の接極部側永久磁石16aの磁極の方向と第2の接極部12bに対する第2の接極部側永久磁石16bの磁極の方向とが、逆になっている。
【0019】
本実施の形態では、第1の接極部側永久磁石16aは、そのS極を第1の接極部12a側にして、第1の接極部12aにおける四角柱状の突出部12dの内側面に接合されており、第2の接極部側永久磁石16bは、そのN極を第2の接極部12b側にして、第2の接極部12bにおける四角柱状の突出部12dの内側面に接合されている。
すなわち、永久磁石は、各突出部における可動子15の側面と対向する部分に設けられている。
【0020】
また、第1の接極部側永久磁石16aと第2の接極部側永久磁石16bとは、可動子15における長手方向の両端部の側面と対向している。
また、第1の接極部12aの立設部12cには、可動子15とリレーの接点電極(図示せず)とを接続する接続ロッド(図示せず)を挿通する孔(接続ロッド挿通孔と記す)12eが設けられている。また、第2の接極部12bの立設部12cに、可動子15に接合された可動子支持ロッドを通す孔を設けても良い。
【0021】
次に、本実施の形態の電磁アクチュエータ100の動作機構について説明する。
図1に示す状態は、励磁コイルに電流を流していない状態であり、可動子15が、第1の接極部12aに当接しており、第1の接極部側永久磁石16aの磁束Eによって可動子15と第1の接極部12aとの間に吸着力が発生し、当接状態が保持されている。
本実施の形態では、磁束Eは、第1の接極部側永久磁石16a→可動子15→第1の接極部12aの立設部12c→第1の接極部12aの突出部12d→第1の接極部側永久磁石16aの順に回流する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータにおいて、励磁コイルに、磁束Eをキャンセルする磁束を発生させる電流を流した状態を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータにおいて、可動子が第2の接極部に当接している状態を示す図である。
【0023】
図2に示すように、第1,第2の励磁コイル14a,14bに、磁束Eをキャンセルする磁束を発生させる電流を流すと、コイル装着部13と第1の接極部12aとの間を回流する磁束Faと、コイル装着部13と第2の接極部12bとの間を回流する磁束Gaとが発生する。
この場合、磁束Faは、コイル装着部13→底板部11→第1の接極部12aの立設部12c→可動子15→コイル装着部13の順に回流し、磁束Gaは、コイル装着部13→底板部11→第2の接極部12bの立設部12c→可動子15→コイル装着部13の順に回流する。
【0024】
磁束Faは、その回流方向が磁束Eの回流方向と逆であるので、第1の接極部12aに可動子15を吸着保持する第1の接極部側永久磁石16aの磁束Eをキャンセルし、磁束Gaは、可動子15を第2の接極部12b方向に動かす駆動力を発生させる。
次に、第1,第2の励磁コイル14a,14bの電流を増加させると、磁束Gaが増加するにともない可動子15に作用する駆動力が増加し、可動子15が第2の接極部12b側に移動する。
【0025】
第2の接極部側永久磁石16bによる磁束Hは、本実施の形態では、第2の接極部側永久磁石16b→第2の接極部12bの突出部12d→第2の接極部12bの立設部12c→可動子15→第2の接極部側永久磁石16bの順に回流し、磁束Gaの回流方向と同じであるので、可動子15が第2の接極部12bに接近しても、第2の接極部側永久磁石16bの磁束Hにより、磁束Gaが弱められることがない。
すなわち、可動子15に作用する駆動力は低下せず、逆に強められ、図3に示す、可動子15が第2の接極部12bに当接した状態になる。
【0026】
次に、第1,第2の励磁コイル14a,14bに流している電流を切断して、磁束Faと磁束Gaとを消滅させると、第2の接極部側永久磁石16bの磁束Hに基づく、可動子15と第2の接極部12bとの間の吸着力により、図3に示す、可動子15が第2の接極部12bに当接した状態が保持される。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態1に係わる電磁アクチュエータにおいて、励磁コイルに、磁束Hをキャンセルする磁束を発生させる電流を流した状態を示す図である。
図3に示す、可動子15が第2の接極部12bに当接している状態で、電磁アクチュエータ100における第1,第2の励磁コイル14a,14bに、磁束Hをキャンセルする磁束を発生させる電流を流す、すなわち、磁束Eをキャンセルする磁束を発生させる電流を流す方向とは逆の方向の電流を流すと、コイル装着部13と第1の接極部12aとの間を回流する磁束Fbと、コイル装着部13と第2の接極部12bとの間を回流する磁束Gbとが発生する。
【0028】
この場合、図4に示すように、磁束Fbは、コイル装着部13→可動子15→第1の接極部12aの立設部12c→底板部11→コイル装着部13の順に回流し、磁束Gbは、コイル装着部13→可動子15→第2の接極部12bの立設部12c→底板部11→コイル装着部13の順に回流する。
【0029】
磁束Gbは、その回流方向が磁束Hの回流方向と逆であるので、第2の接極部12bに可動子15を吸着保持する第2の接極部側永久磁石16bの磁束Hをキャンセルし、磁束Fbは、可動子15を第1の接極部12a方向に動かす駆動力を発生させる。
次に、第1,第2の励磁コイル14a,14bの電流を増加させると、磁束Fbが増加するにともない可動子15に作用する駆動力が増加し、可動子15が第1の接極部12a側に移動する。
【0030】
第1の接極部側永久磁石16aによる磁束Eの回流方向は、磁束Fbの回流方向と同じであるので、可動子15が第1の接極部12aに接近しても、第1の接極部側永久磁石16aの磁束Eにより、磁束Fbが弱められることがない。
すなわち、可動子15に作用する駆動力は低下せず、逆に強められ、図1に示した可動子15が第1の接極部12aに当接した状態になる。
【0031】
本実施の形態では、第1の接極部側永久磁石16aは、そのS極を第1の接極部12a側にして、第1の接極部12aにおける四角柱状の突出部12dの内側面に接合されており、第2の接極部側永久磁石16bは、そのN極を第2の接極部12b側にして、第2の接極部12bにおける四角柱状の突出部12dの内側面に接合されているが、第1の接極部側永久磁石16aのN極を第1の接極部12a側にするとともに、第2の接極部側永久磁石16bのS極を第2の接極部12b側にしても良い。
【0032】
本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、第1の励磁コイル14aと第2の励磁コイル14bとの両方の励磁コイルが、同時に、可動子15を接極部に吸着保持する磁束をキャンセルする磁束と、可動子15を動かす駆動力を生じる磁束とを、発生する。
【0033】
次に、従来の電磁アクチュエータの構造と動作機構とを示し、これと本実施の形態の電磁アクチュエータとを比較して、本実施の形態の電磁アクチュエータの効果を説明する。
図5は、従来の電磁アクチュエータの正面断面模式図である。
図5に示すように、従来の電磁アクチュエータ500は、相対向する接極片51a、51bと接極片51a、51b間をつなぐベース部51cを有する第1のヨーク51と、接極片間に設置された、2個の励磁コイル53a、53bとが巻回され且つ可動子55が挿入されたボビン58と、ベース部51cとボビン58の間に配置された永久磁石56と、永久磁石56とともに磁気回路を形成する第2のヨーク57とで構成されている。
【0034】
図6は、従来の電磁アクチュエータの動作機構を説明する図である。
図6に示す状態は、可動子55が一方の接極片51aに当接している状態である。
この状態で、他方側の励磁コイル53bに電流を流すと、可動子55→他方の接極片51b→ベース部51c→一方の接極片51a→可動子55の方向に回流する磁束Aが発生する。この磁束Aは、永久磁石56が発生した、永久磁石56→第2のヨーク57→可動子55→一方の接極片51a→ベース部51c→永久磁石56の方向に回流する磁束Bをキャンセルし、磁束Bにより生じる、可動子55と一方の接極片51aとの間の吸着力を除去する。
【0035】
次に、他方側の励磁コイル53bに流す電流を増加させると、ベース部51c→永久磁石56→第2のヨーク57→可動子55→他方の接極片51b→ベース部51cの方向に回流する磁束Dが増加し、この磁束Dによる、可動子55を他方の接極片51b方向に移動させる駆動力が増加する。
すなわち、磁束Aによる可動子55と一方の接極片51aとの間の吸着力の除去と、磁束Dによる可動子55に作用する駆動力により、可動子55が他方の接極片51bへ移動する。
【0036】
また、可動子55を、他方の接極片51bに当接している状態から一方の接極片51aへ移動するには、一方側の励磁コイル53aに電流を流すことにより、同様な動作機構により行われる。
すなわち、従来の電磁アクチュエータ500は、2個の励磁コイルが別々に通電されるようになっており、1個の励磁コイルのみの作用により、可動子55を動かしている。
【0037】
図7は、従来の電磁アクチュエータにおいて、2個の励磁コイルに同時に通電する場合の動作機構を説明する図である。
図7に示す、可動子55が一方の接極片51aに当接している状態で、2つの励磁コイル53a,53bに同時に通電すると、他方側の励磁コイル53bによる磁束Aと、一方側の励磁コイル53aにより発生する、ベース部51c→一方の接極片51a→可動子55→第2のヨーク57→永久磁石56→ベース部51cの順に回流する磁束Cとで、永久磁石56が発生する磁束Bをキャンセルする。
すなわち、可動子55を一方の接極片51aに当接して保持する磁束Bをキャンセルするのに、1個の励磁コイルのみに通電する場合に比べて、2倍の起磁力が効果的に作用するので、励磁コイルに流す電流を1/2にしても、保持力のキャンセルが可能である。
【0038】
しかし、2個の励磁コイル53a,53bに流す電流を増加すると、可動子55に駆動力として作用する他方側の励磁コイル53bにより発生する磁束Dと、一方側の励磁コイル53aにより発生する磁束Cとが、共に増加する。そして、磁束Cは、可動子55を一方の接極片51a方向に動かす駆動力を発生させる。
【0039】
そのため、可動子55には、磁束Dによる可動子55を他方の接極片51b方向に動かす駆動力と、磁束Cによる可動子55を一方の接極片51a方向に動かす駆動力とが、バランスして、可動子55が動かなくなる。
すなわち、可動子55を他方の接極片51b方向に移動するには、永久磁石56による磁束Bをキャンセルした後、一方側の励磁コイル53aへの通電を停止する必要があり、同時に両方の励磁コイルに通電すると、可動子55を移動させることができない。
【0040】
従来の電磁アクチュエータ500は、2個の励磁コイルが設けられているが、可動子の駆動には、2個の励磁コイルを同時に作用させることができず、別々に作用させており、励磁コイルで発生可能な駆動エネルギを有効に利用することができない。
また、従来の電磁アクチュエータ500を、100V定格と200V定格とでの共用化として、200Vの電圧を印加すると、100Vで使用する場合の2倍の電流が流れ、ジュール熱による発熱が非常に増大する。
【0041】
これに対して、本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、可動子15を接極部に吸着保持させる磁束をキャンセルする磁束も可動子15を動かす駆動力を生じる磁束も、2個の励磁コイルが、同時に、発生することができるので、励磁コイルで発生可能な駆動エネルギを有効に利用できる。
【0042】
すなわち、本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、可動子15を移動するのに必要な駆動力を発生させる、励磁コイルに流す電流を少なくできるので、ジュール熱の発生を抑制できる。
また、励磁コイルで発生可能な駆動エネルギが十分であるので、励磁コイルのターン数を必要以上に多くする必要がなく、励磁コイルの大型化、つまり、アクチュエータの大型化が防止できる。
【0043】
次に、電磁界シミュレーションを用いて、本実施の形態の電磁アクチュエータと動作開始時の駆動力特性を検討した。
図8は、本発明の実施の形態1の電磁アクチュエータと従来の電磁アクチュエータとの励磁コイルに流す電流と可動子に作用する駆動力との関係を示す図である。
図8において、電流および駆動力の値は、従来の電磁アクチュエータ500の、使用時の電流と駆動力とを基準にして規格化しており、駆動力における負値は可動子の保持力を示している。
図8における、折線Sは従来の電磁アクチュエータ500の駆動力変化を示し、折線Tは本実施の形態の電磁アクチュエータ100の駆動力変化を示している。
【0044】
図8に示すように、励磁コイルに電流を流さない時は、可動子には保持力が作用しており、駆動力は負値となっている。
本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、励磁コイルの電流が0.33であっても、駆動力は1.1と、従来の電磁アクチュエータの使用時の駆動力以上となっている。
しかし、従来の電磁アクチュエータ500は、励磁コイルの電流が0.33の場合、駆動力は−0.135と保持力が作用しており、駆動力が作用していない状態である。
【0045】
すなわち、本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、約1/3の電流を励磁コイルへ流すことで、従来の電磁アクチュエータ500と同等の駆動力が得られ、励磁コイルで発生可能な駆動エネルギを有効に利用できるものである。
また、励磁コイルへ流す電流が1/3にできるので、励磁コイルに発生するジュール熱による発熱も、従来の電磁アクチュエータ500の約1/9にでき、大きな発熱抑制効果を確保しながら省エネルギを達成できるものである。
【0046】
また、本実施の形態の電磁アクチュエータ100において、例えば、各励磁コイルの抵抗を、100V定格の従来の電磁アクチュエータの1個の励磁コイル(従来の励磁コイルと記す)の抵抗Zと同じにして、100V定格で用いると、この場合の直列に接続された各々の励磁コイルに流れる電流Iaは、Ia=100/2Z=50/Zであり、従来の1個の励磁コイルに流れる電流Is=100/Zの半分となり、本実施の形態の1個の励磁コイルが発生する駆動力は小さくなるが、2個の励磁コイルが同時に駆動力を発生させるので、従来の励磁コイルが100/Zの電流で発生した駆動力と同様になり、必要な駆動力が得られる。しかも、ジュール発熱は、かなり小さくなる。
【0047】
また、この電磁アクチュエータ100を200V定格で用いると、この場合の直列に接続された各々の励磁コイルに流れる電流Ibは、Ib=200/2Z=100/Zであり、従来の励磁コイルに100Vを印加した場合の電流と同様であり、ジュール熱の増加は生じないが、駆動力は増加する。
すなわち、本実施の形態の電磁アクチュエータは、再設計することなしに、100V定格と200V定格とでの共用化が可能である。
【0048】
また、本実施の形態の電磁アクチュエータ100は、第1の接極部側永久磁石16aの磁束も第2の接極部側永久磁石16bの磁束も、可動子15の各側面から鎖交するので、可動子15に生じる幅方向の吸引力をキャンセルでき、可動子15の偏心が防止され、各接極部との安定した当接状態を確保できる。
また、各永久磁石16a,16bの磁束経路と各励磁コイル14a,14bの磁束経路とを分けることができ、各永久磁石16a,16bに余計な磁束が鎖交しないので、各永久磁石16a,16bの減磁を防止することができる。
【0049】
本実施の電磁アクチュエータ100では、可動子15に、リレーの接点電極とつながる接続ロッドを接続して、この接続ロッドの途中に接圧バネ(図示せず)を設けても良い。
例えば、設置される接圧バネは、可動子15を第1の接極部12aに当接させて、接続ロッドにつながるリレー接点を接触させると圧縮状態になり、可動子15を第2の接極部12bに当接させて、接続ロッドにつながるリレー接点を切離すると伸張状態となるように、調整してある。
【0050】
すなわち、接圧バネからの力は、各接極部12a,12bに当接した可動子15を吸着保持する力の逆方向に作用する。
このように接圧バネを設置すると、永久磁石により可動子15に作用する保持力と接圧バネからの力との差分の力をキャンセルすることにより、可動子15を動かすことができ、励磁コイルに流す電流をさらに小さくできる。
【0051】
本実施の形態では、第1の接極部12aと第2の接極部12bとに形成された突出部12dは、四角柱状であるが、柱状であり、可動子15の側面と対向する部分に永久磁石を設置できれば、四角柱状に限定されない。
【0052】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係わる電磁アクチュエータの構造を示す上面模式図である。
図9は、ヨーク10における可動子15が設置された側を示している。
図9に示すように、本実施の形態の電磁アクチュエータ200は、第1の接極部側永久磁石16aが、そのS極を第1の接極部12a側にして、第1の接極部12aにおける四角柱状の突出部12dの先端面に接合されており、第2の接極部側永久磁石16bが、そのN極を第2の接極部12b側にして、第2の接極部12bにおける四角柱状の突出部12dの先端面に接合されている以外、実施の形態1の電磁アクチュエータ100と同様である。
【0053】
本実施の形態では、第1の接極部側永久磁石16aは、そのS極を第1の接極部12a側にして、第1の接極部12aにおける四角柱状の突出部12dの先端面に接合されており、第2の接極部側永久磁石16bは、そのN極を第2の接極部12b側にして、第2の接極部12bにおける四角柱状の突出部12dの先端面に接合されているが、第1の接極部側永久磁石16aのN極を第1の接極部12a側にするとともに、第2の接極部側永久磁石16bのS極を第2の接極部12b側にしても良い。
本実施の形態でも、第1の接極部12aと第2の接極部12bとに形成された突出部12dは、四角柱状であるが、柱状であり先端面に永久磁石を設置できれば、四角柱状に限定されない。
【0054】
本実施の形態の電磁アクチュエータ200における、第1の接極部側永久磁石16aの磁束Eおよび第2の接極部側永久磁石16bの磁束Hと、各励磁コイル14a,14bが発生する磁束との関係は、実施の形態1の電磁アクチュエータ100における関係と同様であるので、本実施の形態の電磁アクチュエータ200は、動作機構が実施の形態1の電磁アクチュエータ100と同様であり、同様な効果を有する。
【0055】
それと、本実施の形態では、永久磁石が、各接極部における四角柱状の突出部の先端面に接合されており、各永久磁石の露出面の前面に空間があるので、着磁されていない磁石を接合後に着磁する後着磁が可能となる。
すなわち、着磁されていない磁石を用いた組み立てが可能となるので、磁石の取り扱いが容易となり、電磁アクチュエータの組立性が向上する。
【0056】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係わる電磁アクチュエータの構造を示す上面模式図である。
図10は、ヨーク10における可動子15が設置された側を示している。
図10に示すように、本実施の形態の電磁アクチュエータ300は、第1の接極部側永久磁石16aと第2の接極部側永久磁石16bとが円環形状であり、第1の接極部側永久磁石16aが、可動子15と対向する側をS極として、第1の接極部12aの立設部12cにおける可動子15と対向する面に形成された円形の溝に設置され、第2の接極部側永久磁石16bが、可動子15と対向する側をN極として、第2の接極部12bの立設部12cにおける可動子15と対向する面に形成された円形の溝に設置された以外、実施の形態1の電磁アクチュエータ100と同様である。
【0057】
各永久磁石の、立設部12cに形成された溝への設置方法には、圧入や接着剤による接着が挙げられる。
本実施の形態では、第1の接極部側永久磁石16aは、可動子15と対向する側をS極として、第1の接極部12aの立設部12cにおける可動子15と対向する面に形成された円形の溝に設置され、第2の接極部側永久磁石16bは、可動子15と対向する側をN極として、第2の接極部12bの立設部12cにおける可動子15と対向する面に形成された円形の溝に設置されているが、第1の接極部側永久磁石16aの可動子15と対向する側をN極にするとともに、第2の接極部側永久磁石16bの可動子15と対向する側をS極にしても良い。
【0058】
本実施の形態の電磁アクチュエータ300における、第1の接極部側永久磁石16aの磁束Eおよび第2の接極部側永久磁石16bの磁束Hと、各励磁コイル14a,14bが発生する磁束との関係は、実施の形態1の電磁アクチュエータ100における関係と同様であるので、本実施の形態の電磁アクチュエータ300は、動作機構が実施の形態1の電磁アクチュエータ100と同様であり、同様な効果を有する。
【0059】
それと、本実施の形態では、永久磁石が、1個の第1の接極部側永久磁石16aと1個の第2の接極部側永久磁石16bとで構成されているので、永久磁石の数を少なくでき、電磁アクチュエータのコスト削減が可能である。
本実施の形態でも、第1の接極部12aと第2の接極部12bに形成された突出部12dは、四角柱状であるが、柱状であれば、四角柱状に限定されない。
【0060】
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4に係わる電磁アクチュエータの構造を示す上面模式図である。
図11は、ヨーク10における可動子15が設置された側を示している。
図11に示すように、本実施の形態の電磁アクチュエータ400は、第1の接極部側永久磁石16aが、そのS極を第1の接極部12a側にして、可動子15における第1の接極部側端部の側面に接合されており、第2の接極部側永久磁石16bが、そのN極を第2の接極部12b側にして、可動子15における第2の接極部側端部の側面に接合されている以外、実施の形態1の電磁アクチュエータ100と同様である。
【0061】
本実施の形態では、第1の接極部側永久磁石16aは、そのS極を第1の接極部12a側にして、可動子15における第1の接極部側端部の側面に接合されており、第2の接極部側永久磁石16bは、そのN極を第2の接極部12b側にして、可動子15における第2の接極部側端部の側面に接合されているが、第1の接極部側永久磁石16aのN極を第1の接極部12a側にするとともに、第2の接極部側永久磁石16bのS極を第2の接極部12b側にしても良い。
【0062】
本実施の形態の電磁アクチュエータ400における、第1の接極部側永久磁石16aの磁束Eおよび第2の接極部側永久磁石16bの磁束Hと、各励磁コイル14a,14bが発生する磁束との関係は、実施の形態1の電磁アクチュエータ100における関係と同様であるので、本実施の形態の電磁アクチュエータ400は、動作機構が実施の形態1の電磁アクチュエータ100と同様であり、同様な効果を有する。
【0063】
本実施の形態では、永久磁石が、可動子15における各接極部側端部の側面に設けられているが、可動子15における各接極部側端部であれば、側面に限定されない。
本実施の形態でも、第1の接極部12aと第2の接極部12bとに形成された突出部12dは、四角柱状であるが、柱状であり、可動子に設けられた永久磁石と対向する部分が平面であれば、四角柱状に限定されない。
【0064】
実施の形態5.
図12は、本発明の実施の形態5に係わる電磁リレーの内部構造を示す分解斜視図である。
図12に示すように、本実施の形態の電磁リレー60は、電磁アクチュエータ9と、第1のケース5とこの第1のケース5に圧入される第2のケース6とカバー7とで構成される筐体と、電磁リレー60の外部端子として取り付けられた、第1の固定接触子1とこの第1の固定接触子1と開閉回路を形成する第1の可動接触子2と第2の固定接触子3とこの第2の固定接触子3と開閉回路を形成する第2の可動接触子4とで構成されている。なお、カバー7はカバーネジ8により取り付けられる。
【0065】
本実施の形態の電磁リレー60には、電磁アクチュエータ9に、実施の形態1ないし4のいずれかの電磁アクチュエータが用いられており、電気の利用効率に優れ、発熱が少なく、大型化が防止され、且つ100V定格と200V定格とでの共用化が可能な電磁リレーである。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係わる電磁アクチュエータは、電気の利用効率が高く、発熱が少なく、100V定格と200V定格とでの共用化が可能なものであり、小型で効率性に優れた配電機器に用いられる。
【符号の説明】
【0067】
1 第1の固定接触子、2 第1の可動接触子、3 第2の固定接触子、
4 第2の可動接触子、5 第1のケース、6 第2のケース、7 カバー、
8 カバーネジ、9 電磁アクチュエータ、10 ヨーク、11 底板部、
12a 第1の接極部、12b 第2の接極部、12c 立設部、12d 突出部、
12e 接続ロッド挿通孔、13 コイル装着部、14a 第1の励磁コイル、
14b 第2の励磁コイル、15 可動子、16a 第1の接極部側永久磁石、
16b 第2の接極部側永久磁石、51 第1のヨーク、51a 接極片、
51b 接極片、51c ベース部、53a 励磁コイル、53b 励磁コイル、
55 可動子、57 第2のヨーク、58 ボビン、60 電磁リレー、
100,200,300,400,500 電磁アクチュエータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材でなり、底板部と相対向する一対の接極部と相対向する一対のコイル装着部とを有するヨークと、上記各コイル装着部に装着された励磁コイルと、磁性材でなり、一対の接極部間に設置された可動子とを備えており、
上記各接極部は、上記底板部の長手方向における両端部において、上記底板部の一方の面に略垂直に立設しており、且つ立設部と上記立設部内面の上端部における両方の隅部から、各々略垂直に突出した柱状の突出部とで形成されており、
上記各コイル装着部は、上記底板部の長手方向の中央部における幅方向の両端部において、上記底板部の一方の面に略垂直に立設しており、
上記各コイル装着部に装着された各励磁コイルどうしは、直列に接続されており、
上記可動子は、その長手方向が、上記各立設部間に配置され、その幅方向が、上記各接極部における2個の突出部間と上記各コイル装着部間とに配置され、その長手方向に移動可能な状態で設置されており、
永久磁石が、一方の接極部側に配置される一方の接極部側永久磁石と他方の接極部側に配置される他方の接極部側永久磁石とで形成され、且つ一方の接極部に対する上記一方の接極部側永久磁石の磁極の方向と他方の接極部に対する上記他方の接極部側永久磁石の磁極の方向とが逆になるようにして、上記各接極部あるいは上記可動子の各接極部側端部のいずれかに設けられた電磁アクチュエータ。
【請求項2】
上記永久磁石が、各突出部における、可動子の側面と対向する部分に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項3】
上記永久磁石が、各突出部の先端面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
上記永久磁石が、各立設部における可動子と対向する面に設けられた溝に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
上記永久磁石が、可動子における各接極部側端部の側面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項6】
上記立設部に孔を設け、可動子に、上記孔を挿通するとともにリレーの接点電極とつながる接続ロッドを接続し、上記接続ロッドの途中に、接圧バネを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項7】
上記可動子が、一方の接極部に当接した状態では、接圧バネが圧縮状態になり、他方の接極部に当接した状態では、上記接圧バネが伸張状態となるように、調整してあることを特徴とする請求項6に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項8】
第1のケースとこの第1のケースに圧入される第2のケースとカバーとで構成される筐体と、上記第1のケースに設置される電磁アクチュエータと、外部端子として取り付けられた、第1の固定接触子とこの第1の固定接触子1と開閉回路を形成する第1の可動接触子と第2の固定接触子とこの第2の固定接触子と開閉回路を形成する第2の可動接触子とで構成される電磁リレーであって、上記電磁アクチュエータが請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータであることを特徴とする電磁リレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−115840(P2013−115840A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256921(P2011−256921)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】