説明

電磁石用線材

【課題】電磁石を用いた機器の出力を向上させることができる電磁石用線材を提供する。
【解決手段】電流を流すことで磁場が生じる電磁石のコイルに使用される電磁石用線材1であって、導電体2の表層に磁性体層3を設けた。前記磁性体層は、導電性を有するものであり、数μmオーダーの厚みに形成されている。この磁性体層は、導電体の外周の全体を均一に覆う態様でめっきなどによって形成されている。磁性体層3の材料としては、Feを重量比10%以上含む2元素以上の合金からなる。好ましくは、Fe−50Ni合金、Fe−80Ni合金によって形成される。絶縁層4は、例えば、エナメル絶縁層であり、その層の厚みは約35μmに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、モータ、ディスクブレーキ、ソレノイド、発電機などの電磁石に使用される電磁石用線材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの回転力やブレーキの開閉力を得るために、コアに巻線を巻き付けた電磁石が使用されている。この巻線の一般的な線材としては、銅などの導電体(芯材)の外側に絶縁層を設けたものが使用されている。
【0003】
また、電磁石用の線材ではないが、インダクタの巻線用線材において、導電体の表面に磁性体をめっきしたものも知られている。この線材を使用したインダクタでは、1MHzの周波数帯域において、10%程度のインダクタンスUPの効果があると報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−211904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した電磁石の吸引力などの性能は、インダクタンスがUPしたからといって必ずしも向上するとは限らない。例えば、ディスクブレーキの電磁石においては、インダクタンスがUPしたことが直接的にブレーキの開閉力の向上につながるとは限らない。また、モータにおいても、インダクタンスがUPしたことが直接的にモータトルクの向上につながるとは限らない。
【0006】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、電磁石を用いた機器の出力を向上させることができる電磁石用線材を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述課題を解決するため、本発明は、電流を流すことで磁場が生じる電磁石のコイルに使用される電磁石用線材であって、導電体の表層に磁性体層を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、前記磁性体層は、Feを重量比10%以上含む2元素以上の合金からなるものであってもよい。
【0009】
さらに、前記磁性体層は、Fe−50Ni合金であってもよい。
【0010】
さらにまた、前記磁性体層は、Fe−80Ni合金であってもよい。
【0011】
一方、Fe−50Ni合金である磁性体層の膜厚が、1.0〜9.0μmであってもよい。
より好ましくは、膜厚が、3.0〜9.0μmであってもよい。
【0012】
また、Fe−80Ni合金である磁性体層の膜厚が、2.0〜9.0μmであってもよい。
より好ましくは、膜厚が、6.0〜9.0μmであってもよい。
【0013】
さらに、前記磁性体層は、Feを主とする合金であり、その膜厚が0μmよりも大きく6.0μm以下であってもよい。
【0014】
より好ましくは、前記磁性体層の膜厚が0μmよりも大きく3.0μm以下であってもよい。
【0015】
他方、前記磁性体層は、前記導電体と絶縁層との間に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る電磁石用線材は、電流を流すことで磁場が生じる電磁石のコイルに使用される電磁石用線材であって、導電体の表層に磁性体層を設けているので、電磁石の電磁力を向上させることができる。これにより、ソレノイドの吸引力を高めることができ、例えばブレーキに適用した場合、ブレーキの開閉力(吸引力)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る電磁石用線材の断面図である。
【図2】(A)(B)は、平角線を用いた場合の電磁石用線材の断面図である。
【図3】電磁石の吸引力を試験するためのソレノイドの断面図である。
【図4】図3のソレノイドを用いた吸引力試験において、磁性体層の膜厚と吸引力変化率との関係を示すグラフ図である。
【図5】電磁石用線材を集中巻きモータのステータに使用した場合を示す概要図である。
【図6】電磁石用線材を分布巻きモータのステータに使用した場合を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る電磁石用線材1について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の電磁石用線材1の断面図である。
【0019】
電磁石用線材1は、線材の芯である導電体2と、この導電体2の外側を覆う磁性体層3と、この磁性体層3のさらに外周を覆う絶縁層4とで構成されている(磁性体層3は、導電体2と絶縁層4との間に設けられている)。
導電体2は、その断面形状が円形をなしており、素材として導電性を有する銅が使用されている。
【0020】
磁性体層3は、導電性を有するものであり、数μmオーダーの厚みに形成されている。この磁性体層3は、導電体2の外周の全体を均一に覆う態様でめっきなどによって形成されている。磁性体層3の材料としては、Feを重量比10%以上含む2元素以上の合金によって形成されている。また、好ましくは、Fe−50Ni合金、Fe−80Ni合金によって形成されている。
絶縁層4は、例えば、エナメル絶縁層であり、その層の厚みは約35μmに形成されている。
【0021】
また、電磁石用線材は、図2に示すように、平角線で構成することもできる。
図2(A)に示す電磁石用線材11は、線材の芯である導電体12の断面形状が矩形状であり、その4辺の外側の全体を覆うように磁性体層13が形成されている。また、この磁性体層13の外側には、磁性体層13の外側の全体を覆うように絶縁層14が形成されている。このような平角線は、コアに巻き付ける際に隣接する線材との間に隙間が生じないように巻き付けることができる点で優れている。
【0022】
また、図2(B)に示す電磁石用線材21は、断面矩形状の導電体22の下辺の下側にのみ磁性体層23を形成したものである。そして、これらの外側を覆うように絶縁層24が形成されている。
【0023】
次に、本実施の形態に係る電磁石用線材1を用いたソレノイド50の吸引実験について、図3および図4を用いて説明する。本事例は、電磁石用線材1の磁性体層の材質および膜厚を変えたときのソレノイド50の吸引力UP(トルクUP)の効果を実験によって検証したものである。
【0024】
従来、このような電磁石用線材としては、導電体の外側に絶縁層のみを有するものが使用されていて、本実施の形態のように導電体2の外側に磁性体層3を設けた線材は使用されていなかった。これは、(1)電磁石用線材として磁性体層3を設けても、ソレノイド50の吸引力の向上には寄与しないと一般的に考えられていたこと、(2)線材のコストアップになることによる。しかしながら、今回、磁性体層3を設けた電磁石用線材1(11、21)を実際に使用することにより、ソレノイド50の吸引力の向上を見込めることが判明した。
【0025】
この実験では、電磁石用線材として以下の3種類を実験している。
(A)電磁石用線材1A(線径φ0.5)
導電体:主に銅
磁性体層:Feを主とする合金
磁性体層の外側に絶縁層エナメル(35μm)
(B)電磁石用線材1B(線径φ0.5)
導電体:主に銅
磁性体層:Fe−50Ni 熱処理あり
磁性体層の外側に絶縁層エナメル(35μm)
(C)電磁石用線材1C(線径φ0.5)
導電体:主に銅
磁性体層:Fe−80Ni 熱処理なし
磁性体層の外側に絶縁層エナメル(35μm)
なお、以下の説明で、符号に付されたA,B,Cの添字は、それぞれ、上記(A)(B)(C)の電磁石用線材に対応するものとする。
【0026】
この電磁石用線材1A、1B、1Cのそれぞれの初透磁率は、比透磁率で、100、500、2000である。
また、電磁石用線材1A、1B、1Cのそれぞれの飽和磁束密度(T)は、2.0(T)、0.75(T)、1.5(T)である。
【0027】
ソレノイド50Aのコイル51Aは、図3に示すように、断面E字型の固定鉄心52(コア53の直径φ6mm)に電磁石用線材1Aを17ターン巻き付けたものである。また、吸引する電磁鋼板54は、JFEスチール製、45JN1600である。さらに、コイル51と電磁鋼板54とのギャップtは1mmに設定した。
同様に、ソレノイド50B、50Cも線材(磁性体層の材質)が異なるのみで、その基本構成は同じである。
【0028】
このような装置において、磁性体層3の膜厚(めっき厚)を1.0μm、2.0μm、3.0μm、6.0μm、9.0μmに変えた場合の吸引力の変化について調べた。電流値は5A/mmである。この実験結果を、図4に示す。このグラフは、横軸にめっき厚(μm)、縦軸に磁性体層のない線材を使用したコイルに対する吸引力変化率(%)をとり、めっき厚毎に吸引力変化率をプロットしたものである。なお、この図4のグラフでは、電磁石用線材1Aを用いたソレノイド50Aのデータを符号55A、電磁石用線材1Bを用いたソレノイド50Bのデータを符号55B、電磁石用線材1Cを用いたソレノイド50Cのデータを符号55Cで示している。
【0029】
この図4のグラフからは、電磁石用線材1A、1B、1Cのいずれも、(1)吸引力変化率がプラスの値であることから、磁性体層を設けることによって吸引力をUPさせることができること、(2)磁性体層3の材質によって吸引力変化率の値が異なること、(3)磁性体層の膜厚によって、吸引力変化率の値が異なること、が判明した。
【0030】
また、図4のグラフから、以下のことが判断できる。
(イ)電磁石用線材1A(図4のグラフの符号55A)の場合には、磁性体層の膜厚が0.6μm以上で吸引力変化率が1%以上となり、磁性体層の膜厚が6.0μmのときに吸引力変化率が最大値で4.5%になることが判明した。また、膜厚を6.0μm以上にすると、吸引力変化率が最大値よりも減少する傾向にあることが判明した。
【0031】
(ロ)電磁石用線材1B(図4のグラフの符号55B)の場合には、磁性体層の膜厚の増加と共に吸引力変化率が高くなり、膜厚1.0μm以上で吸引力変化率が1%以上となり、また膜厚9.0μmのときに吸引力変化率が最大値で8.0%になることが判明した。また、めっき厚を9.0μmよりも厚くすることで、吸引力UPをさらに実現することができそうなことが判明した。さらに、めっき厚を9.0μmよりも厚くした或る厚みで最大値となりそうなこと、及び、その厚みを超える厚みでは、上記(A)のように吸引力が下がるのではないかということが予測される。
【0032】
(ハ)電磁石用線材1C(図4のグラフの符号55C)の場合には、磁性体層の膜厚の増加と共に吸引変化率が高くなり、膜厚2.0μm以上で吸引力変化率が1%以上となり、また膜厚9.0μmのときに吸引力が最大値で7.2%変化することが判明した。また、めっき厚を9.0μmよりも厚くすることで、吸引力UPをさらに実現することができそうなことが判明した。さらに、めっき厚を9.0μmよりも厚くした或る厚みで最大値となりそうなこと、及び、その厚みを超える厚みでは、上記(A)のように吸引力が下がるのではないかということが予測される。
【0033】
(ニ)磁性体層3(13、23)の材料を、Feを主とする合金、Fe−50Ni合金、Fe−80Ni合金の3種類で実験しているが、どの合金の場合も磁性体層3(13、23)を設けない場合と比較して、吸引力変化率が向上した。このように、Fe−Ni合金のNiの含有する合金で磁性体層3(13、23)を設けることにより、吸引変化率を向上させることができる。
【0034】
(ホ)図4のグラフにおいて、磁性体層3(13、23)の膜厚を少なくとも0μmよりも大きく(0μmは含まない)することにより、磁性体層3(13、23)を設けない場合と比較して、吸引力が向上すると推定できる。
【0035】
次に、本実施の形態に係る電磁石用線材1を用いたモータについて、図5及び図6を用いて説明する。図5は、電磁石用線材1(11、21)をモータ30のステータ31に使用した場合を示す概要図である。なお、図5で示すモータ30は、集中巻きモータである。
【0036】
このモータ30は、回転軸32の外周に設けられた4つのロータ33と、モータの筐体34側に取り付けられたステータ31とを備えている。このステータ31のコア35は筐体34と一体であり、このコア35に電磁石用線材1(11、21)が直接巻かれる態様で構成されている。
【0037】
また、図6(A)および図6(B)は、分布巻きモータ40に電磁石用線材1(11、21)を適用したものを示している。なお、図6(A)および図6(B)において、図5と同じ構成のものは、同一符号を付して示してある。
このモータ40は、ステータコア41を筐体42と別体で設けられている。すなわち、予めステータコア41に電磁石用線材1(11、21)を巻き付けておき、このステータコア41を筐体42側に取り付けるものである。より詳細には、図6(A)および図6(B)に示すように、筐体42側に設けられたスロット43の内部に、巻線後のステータコア41を埋め込むことによって構成している。
【0038】
このように、電磁石用線材1(11、21)は、集中巻きモータ30であっても、分布巻きモータ40であっても適用することができる。また、これらのモータは、いわゆる直流モータ(DCブラシレスモータ)であっても、交流モータ(誘導電動機)であっても適用することができる。
【0039】
本発明の実施の形態に係る電磁石用線材によれば、導電体2(12、22)の表層に磁性体層3(13、23)を設けているので、電磁石の電磁力を向上させることができる。これにより、ソレノイド50A(50B、50C)の吸引力を高めることができ、例えばブレーキに適用した場合、ブレーキの開閉力(吸引力)を向上させることができる。
【0040】
また、磁性体層3(13、23)は、Feを重量比10%以上含む2元素以上の合金で形成しており、好ましくは、磁性体層3(13、23)がFe−50Ni合金またはFe−80Ni合金で形成しているので、磁性体層3(13、23)をめっきなどによって容易に形成することができる。
【0041】
一方、Fe−50Ni合金の磁性体層3(13、23)の膜厚を1.0〜9.0μmにしているので、吸引変化率を1%以上にすることができる。また、より好ましくは3.0〜9.0μmにしているので、上記(A)の電磁石用線材1Aを使用する場合と比較して、吸引力変化率を大きくすることができ、電磁石を用いたソレノイドなどの吸引力を向上させることができる。
【0042】
また、Fe−80Ni合金の磁性体層3(13、23)の膜厚を2.0〜9.0μmにしているので、吸引変化率を1%以上にすることができる。また、より好ましくは6.0〜9.0μmにしているので、上記(A)の電磁石用線材1Aを使用する場合と比較して、吸引力変化率を大きくすることができ、電磁石を用いたソレノイドなどの吸引力を向上させることができる。
【0043】
さらに、磁性体層3(13、23)がFeを主とする合金であり、その膜厚を0.6〜9.0μm、より好ましくは1.0〜6.0μmにしているので、吸引変化率が最大となる膜厚6.0μmを超えてめっきすることがなくなる。めっき厚は薄い方がより好ましいので、必要以上に膜厚を厚くすることがなくなるようにすることができる。
【0044】
また、磁性体層3(13、23)がFeを主とする合金であり、好ましくは、膜厚を0.6〜3.0μm、より好ましくは膜厚を1.0〜3.0μmにしているので、Fe−50Ni合金、Fe−80Ni合金で磁性体層3を形成した場合と比較して、吸引変化率をより向上させることができ、電磁石を用いたソレノイドなどの吸引力を向上させることができる。
【0045】
他方、磁性体層3(13)は、導電体2(12)と絶縁層4(14)との間に設けられているので、銅を材料とする導電体2(12)にめっきで容易に磁性体層3(13)を形成することができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態に係る電磁石用線材について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、電磁石を用いた製品としてソレノイドおよびモータを例にしているが、他の製品であって、吸引力をUPさせることで性能向上を図れる製品であれば、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1(1A、1B、1C)、11、21 電磁石用線材
2、12、22 導電体
3、13、23 磁性体層
4、14、24 絶縁層
30 集中巻きモータ
31 ステータ
32 回転軸
33 ロータ
34 筐体
40 分布巻きモータ
41 ステータコア
42 筐体
43 スロット
50A、50B、50C ソレノイド
51A、51B、51C コイル
52 固定鉄心
53 コア
54 電磁鋼板
t ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を流すことで磁場が生じる電磁石のコイルに使用される電磁石用線材であって、
導電体の表層に磁性体層を設けたことを特徴とする電磁石用線材。
【請求項2】
前記磁性体層は、Feを重量比10%以上含む2元素以上の合金からなることを特徴とする請求項1に記載の電磁石用線材。
【請求項3】
前記磁性体層は、Fe−50Ni合金であることを特徴とする請求項2に記載の電磁石用線材。
【請求項4】
前記磁性体層は、Fe−80Ni合金であることを特徴とする請求項2に記載の電磁石用線材。
【請求項5】
前記磁性体層の膜厚が、1.0〜9.0μmであることを特徴とする請求項3に記載の電磁石用線材。
【請求項6】
前記磁性体層の膜厚が、3.0〜9.0μmであることを特徴とする請求項5に記載の電磁石用線材。
【請求項7】
前記磁性体層の膜厚が、2.0〜9.0μmであることを特徴とする請求項4に記載の電磁石用線材。
【請求項8】
前記磁性体層の膜厚が、6.0〜9.0μmであることを特徴とする請求項7に記載の電磁石用線材。
【請求項9】
前記磁性体層は、Feを主とする合金であり、その膜厚が0μmよりも大きく6.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁石用線材。
【請求項10】
前記磁性体層の膜厚が0μmよりも大きく3.0μm以下であることを特徴とする請求項9に記載の電磁石用線材。
【請求項11】
前記磁性体層は、前記導電体と絶縁層との間に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の電磁石用線材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−210638(P2011−210638A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78775(P2010−78775)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】