説明

電話交換システム、通信装置、電話着信方法、電話着信プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】各電話端末への着信履歴を示す着信回数を話中やハンドセット外れや故障等の如何に関わらず計数し、電話端末へ着信があった際、呼出信号の送信前に、発信相手からの着信履歴を当該電話端末に表示することが可能な電話交換システムを提供する。
【解決手段】通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、子機の電話端末B 30Bごとの着信履歴データ21Bとして、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを計数し、或る発信相手から電話端末B 30Bへの着信があった際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の着信履歴データ21Bを検索し、当該電話端末に着信した発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、当該電話端末の表示器31Bに表示させる。しかる後、電話着信制御部21Bは、当該電話端末へ呼出信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話交換システム、通信装置、電話着信方法、電話着信プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電話端末は、着信した相手の電話番号を着信履歴として記録し、不在時にどの相手から着信があったかを確認することができ、さらには、記録している着信履歴の中から、所望の発信相手を選択して発信することができるようになってきている。
【0003】
しかし、電話端末のユーザが、何度、或る発信相手から当該電話端末へ電話着信があったのかを知るためには、自分の電話端末に記録されている着信履歴の中から、或る期間内の当該発信相手からの着信履歴を、自分で計数していくことが必要であり、ユーザの負担になっていた。
【0004】
かかる事態を回避するために、特許文献1の特開2001−111678号公報「電話機」においては、着信呼があった際に、当該着信呼の発信相手が、電話端末に着信履歴として記録されているか否かを検索して、記録されていた場合には、当該電話端末の表示部に、当該着信呼の発信相手、過去に着信した日時、過去に着信した際の通話の有無(通話したか、留守番電話としてメッセージを録音したか)を画面表示する仕組みを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−111678号公報(第3−4頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1のような技術は、着信履歴をユーザの電話端末内に記録しているため、当該電話端末が話中状態等にあった場合の着信履歴を記録することはできない。また、前記特許文献1の場合、過去の着信日時を羅列して表示するものであるため、当該電話端末のユーザは、同一の発信相手から今までに何回着信していたのかを知ろうとする場合、自分で着信回数を計数することが必要であり、即座に着信回数を把握することができない。
【0007】
このため、例えば、商談や問い合わせ等の用件により、顧客から電話端末に着信があった際に、当該電話端末が話中やハンドセット(送受話器)外れや故障等のために応答することができなかったことを、当該電話端末のユーザは把握することができないし、また、当該電話端末のユーザが不在等のために応答することができなかったことが過去に何回発生していたかを、電話着信があった際に当該電話端末のユーザが直ちに把握することもできない。
【0008】
この結果、商談や問い合わせ等の用件を処理するために、何回も電話をかけてきて、イライラした気分になっている同一の顧客から再度の電話着信があり、当該電話端末への着信に応答することが可能な状態になったとしても、当該電話端末のユーザは、該顧客が何回も電話を掛けていたことを瞬時には把握することができず、電話着信への応答時に通常通りの対応をしてしまい、該顧客のイライラした気分をさらに煽る結果を招いてしまうことが発生する。
【0009】
また、着信呼の発信相手が過去に一度も着信したことがない電話番号であった場合、新たに商品等の注文をしようとする新規顧客からの問い合わせの可能性があるにも関わらず、当該発信相手に応答する前に、新規顧客であることを認識することができなかった。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、各電話端末への着信履歴を示す着信回数を、話中やハンドセット外れや故障等の如何に関わらず計数して、或る電話端末への着信呼があった際に、当該電話端末のユーザが応答する前に、該着信呼の発信相手からの着信履歴(着信回数)を当該電話端末に表示することを可能にする電話交換システム、通信装置、電話着信方法、電話着信プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するため、本発明による電話交換システムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0012】
(1)子機として接続した電話端末の通信を制御する通信装置と前記電話端末とからなる電話交換システムにおいて、前記通信装置は、前記電話端末ごとに、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを記録する着信履歴データを有し、或る発信相手から前記電話端末に対する着信呼を検出した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の前記着信履歴データを検索し、当該電話端末に着信した前記発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、しかる後、当該電話端末へ呼出信号を送信する電話交換システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電話交換システム、通信装置、電話着信方法、電話着信プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0014】
第1の効果は、各電話端末ごとに、話中やハンドセット外れや故障や不在等の如何に関わらず、各電話端末のユーザが任意に設定した過去の期間内に各発信相手から着信してきた回数を、着信回数として、着信動作の内訳を示す通信種別とともに計数し、或る発信相手からの電話端末への着信時に、当該電話端末のユーザが応答する前に、計数している当該発信相手からの着信回数を、その着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とともに、当該電話端末に表示する仕組みを備えていることにある。したがって、当該電話端末のユーザは、同一の発信相手から、何度、話中時や不在時に着信していたのかを、応答前に瞬時に確認することができ、応答した際に「何度もお掛け直し頂き、申し訳ありません」等とお詫びの言葉を付した対応をすることが可能になり、発信相手のイライラ感を緩和するような応対をすることができる。
【0015】
第2の効果は、第1の効果の場合と同様、各電話端末ごとに、話中やハンドセット外れや故障や不在等の如何に関わらず、各電話端末のユーザが任意に設定した過去の期間内に各発信相手から着信してきた回数を、着信回数として、計数し、或る発信相手からの電話端末への着信時に、当該電話端末のユーザが応答する前に、計数している当該発信相手からの着信回数を当該電話端末に表示する仕組みを備えていることにある。したがって、当該電話端末のユーザは、初めての発信相手からの電話着信であるか否かを瞬時に判断することができ、新規顧客からの問い合わせや注文の可能性を考慮した対応を取るような心構えを前以て準備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による電話交換システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す電話交換システムにおいて通信装置Aの電話端末Aから公衆網を介して通信装置Bの電話端末Bに対して3回に亘って電話着信した場合の様子を示す模式図である。
【図3】図1に示す電話交換システムにおいて図2に示す着信動作を行った場合の通信装置Bにおける着信履歴データの記録内容を説明するための説明図である。
【図4】図1に示す電話交換システムにおいて図2に示す着信動作を行った場合の着信履歴データの記録動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】図1に示す電話交換システムにおいて図2に示す着信動作を行った場合の電話端末Bにおける着信履歴データの表示内容を説明するための説明図である。
【図6】図1に示す電話交換システムにおいて電話端末Bからの参照要求に応じて該電話端末Bに関する着信履歴データを通信装置Bから転送させて画面表示する例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による電話交換システム、通信装置、電話着信方法、電話着信プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による電話交換システム、通信装置および電話着信方法について説明するが、かかる電話着信方法をコンピュータにより実行可能な電話着信プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、電話着信プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0018】
ここで、本発明による電話交換システムは、会社や事業所等に設置される通信装置、および、当該会社や事業所等内のユーザが使用する電話端末を少なくとも含んで構成されており、通信装置は、例えば、公衆電話サービスを実施する公衆網に接続されている。つまり、通信装置は、会社や事業所等に設置されて、子機として接続されている1ないし複数の電話端末に関する電話やFAX等の通信を司るための装置であり、例えば、ボタン電話装置やPBX(Private Branch Exchange)システムが該当している。電話端末は、ボタン電話装置やPBXシステム等の通信装置に接続される子機であり、該通信装置からの制御により通話やFAX等の送受信を行う。
【0019】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、ボタン電話装置やPBXシステム等の内線電話装置として接続されている子機の電話端末に対する電話呼やFAX呼を取り扱う通信装置において、子機の電話端末の着信履歴を記録するとともに、或る発信相手からいずれかの子機の電話端末への着信があった際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する前に、当該電話端末の着信履歴データを検索し、前記発信相手からの過去の総着信回数のみならず、その着信時の動作を示す通信種別(内訳)として、応答した場合の応答着信回数、話中で着信拒否になった話中着信回数、ハンドセット(送受話器)外れや故障等のために着信拒否になった故障着信回数、当該電話端末のユーザが不在等のために未応答となった未応答着信回数、を少なくとも含む通信種別ごとの着信回数を算出して、前記発信相手の電話番号またはその名称・氏名とともに、当該電話端末に転送することにより、当該電話端末の表示器に表示することを主要な特徴としている。
【0020】
つまり、該通信装置は、或る発信相手から、当該通信装置に接続されている電話端末へ着信を検知した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、前記発信相手の当該電話端末への着信履歴として、当該電話端末のユーザによってあらかじめ任意に設定されている過去の期間(例えば当日分のみとか過去1週間分とかの設定期間)の間に発生している総着信回数のみならず、当該電話端末の話中や故障や不在や応答等の内訳ごとに、話中着信回数、故障着信回数、未応答着信回数、応答着信回数等を含めて、当該電話端末に転送して、当該電話端末の表示器に表示することを可能としている。
【0021】
したがって、当該電話端末のユーザは、しかる後に送信されてくる呼出信号による電話着信に対して応答する前に、当該電話端末のユーザによりあらかじめ設定されている過去の期間内における当該着信呼の発信相手の着信履歴を瞬時に把握することが可能であり、着信応答時の対応方法や着信応答の可否を判断することができる。
【0022】
なお、過去の着信回数を計数する期間(つまり着信回数のカウント開始時期・カウント終了時期)や電話端末の表示器に表示する着信回数の通信種別(着信動作の内訳)の設定は、通信装置に接続されている子機の電話端末ごとにあらかじめ設定登録されている着信設定用データ(システムデータ)によって決定されるものであり、該着信設定用データは、各電話端末のユーザによって任意に設定することができる。
【0023】
例えば、電話端末ごとの過去の着信回数を計数する期間として、過去1時間分や当日一日分のみの着信回数に限るようにすることもできるし、また、通信装置としてのシステム稼動の開始から現在までの全期間を指定することもできるし、さらには、任意に指定した開始日から任意に指定した終了日までの期間とすることもできる。また、電話端末ごとに、任意の時点で、電話端末からリセット指示を送信することにより、過去の着信回数をリセットして“1”から計数し直すように設定することもできる。さらには、着信回数をリセットする対象として、発信相手を指定することもできるし、また、総着信回数や通信種別(着信動作の内訳)ごとの着信回数等のいずれか1ないし複数を任意に選択して指定することもできる。
【0024】
また、電話端末の表示器に表示する着信回数の通信種別(着信動作の内訳)として、着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数を表示することなく、総着信回数のみを表示するように設定することもできるし、また、総着信回数と話中着信回数とを表示するように設定することもできるし、総着信回数とすべての着信動作の内訳(話中着信回数、故障着信回数、未応答着信回数、応答着信回数等)とを表示するように設定することもできる。
【0025】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明の電話交換システムの実施形態の構成例について、図1を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明による電話交換システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、公衆網10に、会社A、会社B、会社Cのそれぞれの電話設備が接続されている場合を示している。会社Aの電話設備は、ボタン電話装置やPBXシステム等からなる通信装置A 20Aと会社A内のユーザが使用する子機(内線電話)の電話端末A 30Aを含んで構成され、会社Bの電話設備は、ボタン電話装置やPBXシステム等からなる通信装置B 20Bと会社B内のユーザが使用する子機(内線電話)の電話端末B 30Bを含んで構成され、会社Cの電話設備は、ボタン電話装置やPBXシステム等からなる通信装置C 20Cと会社C内のユーザが使用する子機(内線電話)の電話端末C 30Cを含んで構成される。
【0026】
なお、図1には、通信装置B 20Bのみについて、その内部に備えられている電話着信処理を実施するための部位を示しているが、通信装置A 20A、通信装置C 20Cについても全く同様の部位が備えられている。つまり、図1に示すように、通信装置B 20Bは、当該通信装置B 20Bの子機として接続されている各電話端末B 30Bに対する電話やFAXの着信動作を制御するための電話着信制御部21B、子機として接続されている各電話端末B 30Bへの電話やFAXの着信回数を記録している着信履歴データ22B、着信動作を規定するための制御データを各電話端末B 30Bごとのシステムデータとして蓄積している着信設定用データ23Bを、少なくとも備えている。ここで、図1には図示していないが、通信装置A 20A、通信装置C 20Cについても全く同様であり、それぞれ、電話着信制御部21A,21C、着信履歴データ22A,22C、着信設定用データ23A,23Cを、少なくとも備えている。
【0027】
また、図1には、通信装置B 20Bの子機である電話端末B 30Bのみについて、その内部に備えられている、各種情報を画面表示する表示器31B、および、送受話用のハンドセット32Bを示しているが、電話端末A 30A、電話端末C 30Cについても全く同様の表示器31A,31C、および、ハンドセット32A,32Cがそれぞれに備えられている。
【0028】
(実施形態の動作説明)
次に、図1に示す電話交換システムにおける動作の一例について、図2に示す3種類の着信動作の場合を例にとって、図3、図4を用いて説明する。ここに、図2は、図1に示す電話交換システムにおいて通信装置A 20Aの電話端末A 30Aから公衆網10を介して通信装置B 20Bの電話端末B 30Bに対して3回に亘って電話着信した場合の様子を示す模式図である。
【0029】
図2において、電話端末A 30Aから電話端末B 30Bへの第1回目の着信動作を示す図2(A)は、着信先の通信装置B 20Bの電話端末B 30Bが、通信装置C 20Cの電話端末C 30Cと通話中の状態にあったため、通信装置B 20Bは、着信を拒否して、発信相手の通信装置A 20Aの電話端末A 30Aに対して話中(BUSY)を返送する場合を示している。
【0030】
図2(A)の着信動作の後の、同一の電話端末A 30Aから電話端末B 30Bへの第2回目の着信動作を示す図2(B)は、着信先の通信装置B 20Bの電話端末B 30Bのユーザが不在であったため、呼出時間タイムアウトとなり、発信相手の通信装置A 20Aの電話端末A 30Aが切断して、呼を放棄した場合を示している。
【0031】
また、図2(B)の着信動作の後の、同一の電話端末A 30Aから電話端末B 30Bへの第3回目の着信動作を示す図2(C)は、着信先の通信装置B 20Bが電話端末A 30Aからの第3回目の着信に対して漸く応答した場合を示している。
【0032】
次に、図2のごとき3種類の着信動作を行った場合の通信装置B 20Bにおける着信履歴データの記録動作について、図3、図4を用いて説明する。図3は、図1に示す電話交換システムにおいて図2に示す着信動作を行った場合の通信装置B 20Bにおける着信履歴データの記録内容を説明するための説明図であり、一方、図4は、図1に示す電話交換システムにおいて図2に示す着信動作を行った場合の着信履歴データの記録動作を説明するためのシーケンス図である。
【0033】
図3において、図3(A)は、図2(A)の第1回目の着信動作において通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bが着信履歴データ22Bを更新した記録内容を示し、図3(B)は、図2(B)の第2回目の着信動作において通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bが着信履歴データ22Bを更新した記録内容を示し、図3(C)は、図2(C)の第3回目の着信動作において通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bが着信履歴データ22Bを更新した記録内容を示している。なお、図2(A)の第1回目の着信動作に先立って、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、着信設定用データ23Bの設定内容に応じて、着信履歴データ22Bに記録されている過去の着信回数のうち、電話端末B 20Bに関する通信装置A 20Aの電話端末A 30Aからの着信回数については、総着信回数、通信種別ごとの着信回数のいずれもすべて“0”に初期化しているものと仮定する。
【0034】
一方、図4において、図4(A)は、図2(A)の第1回目の着信動作における通信装置B 20B内の電話端末A 30Aからの外線ポートと電話端末B 30Bの内線ポートと電話端末C 30Cからの外線ポートとの間の動作シーケンスを示し、図4(B)は、図2(B)の第2回目の着信動作における通信装置B 20B内の電話端末A 30Aからの外線ポートと電話端末B 30Bの内線ポートとの間の動作シーケンスを示し、図4(A)は、図2(C)の第3回目の着信動作における通信装置B 20B内の電話端末A 30Aからの外線ポートと電話端末B 30Bの内線ポートとの間の動作シーケンスを示している。
【0035】
まず、図2(A)に示す第1回目の着信動作について説明する。図4(A)に示すように、通信装置B 20Bの電話端末B 30Bが、通信装置B 20B内の当該電話端末B 30Bの内線ポートと通信装置C 20Cの電話端末C 30Cの外線ポートとを介して、通信装置C 20Cの電話端末C 30Cと既に通話中の状態になっている場合に(シーケンスSeq1)、図2(A)の着信動作として、通信装置A 20Aの電話端末A 30Aから通信装置B 20Bの電話端末B 30Bへの第1回目の着信が電話端末A 30Aからの外線ポートを介して発生した際に(シーケンスSeq2)、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末A 30Aからの着信を拒否して、電話端末A 30Aからの外線ポートを介して、発信相手の電話端末A 30Aに対して、着信先の電話端末B 30Bは話中(BUSY)である旨を返送する(シーケンスSeq3)。
【0036】
しかる後、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する着信回数をカウントする領域に、電話端末A 30Aからの着信履歴を示すデータとして、発信相手の電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)を記録するとともに、発信相手の電話端末A 30Aからの着信回数を示す総着信カウントを“0”から“1”だけカウントアップし、かつ、着信時の通信種別として発信相手の電話端末A 30Aからの着信に対して話中(BUSY)により着信拒否した回数を示す話中カウントを“0”から“1”だけカウントアップし、それぞれの回数を“1”に設定して登録する。ここで、その他の通信種別である応答カウント、故障カウント、未応答カウントは初期値の“0”のままになっている。
【0037】
つまり、通信装置B 20Bの着信履歴データ22Bのうち、かかる電話端末B 30Bの内線ポートに関する着信履歴データとしては、図3(A)に示すように、発信相手である電話端末A 30Aに関しては、総着信数を示す総着信カウント(総着信回数)には、第1回目である旨の“1”が記録され、着信動作の通信種別として話中(BUSY)により着信拒否した回数を示す話中カウント(話中着信回数)には、最初である旨の“1”が記録され、その他の通信種別の着信回数は、初期値の“0”のままである。
【0038】
次に、図2(B)に示す第2回目の着信動作について説明する。図4(B)に示すように、図2(B)の着信動作として通信装置A 20Aの電話端末A 30Aから通信装置B 20Bの電話端末B 30Bへの第2回目の着信が電話端末A 30Aからの外線ポートを介して発生すると(シーケンスSeq4)、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bの内線ポートを介して、電話端末B 30Bへ呼出信号を送信する準備を行う。
【0039】
なお、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bへ呼出信号を送信する動作に先立って、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する電話端末A 30Aからの着信履歴データを検索して、発信相手の電話端末A 30Aからの着信履歴データとして記録されている電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)、総着信カウント=“1”を、さらには、該総着信カウントの明細として記録されている着信動作の通信種別(明細内訳)としての応答カウント=“0”、故障カウント=“0”、話中カウント=“1”、未応答カウント=“0”を抽出して、電話端末B 30Bへ送信する。しかる後、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bに対して呼出信号を送信する。
【0040】
ここで、電話端末B 30Bのユーザが不在であったりして、電話端末B 30Bが応答することができない状態にあった場合、発信相手の電話端末A 30Aが接続されている通信装置A 20Aにおいては、あらかじめ定めた時間が経過するまでの間に、電話端末B 30Bが接続されている通信装置B 20Bからの応答信号が返送されてこないことになる。このため、通信装置A 20Aは、電話端末A 30Aからの発信呼を放棄させるために、電話端末A 30Aを切断して、通信装置B 20Bに対して呼放棄を示す信号を電話端末A 30Aからの外線ポートを介して送信してくる(シーケンスSeq5)。
【0041】
通信装置A 20Aから呼放棄を示す信号を受け取った通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bへ送信していた呼出信号を停止する。
【0042】
しかる後、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する着信回数をカウントする領域に、電話端末A 30Aからの着信履歴を示すデータとして、発信相手の電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)を記録するとともに、発信相手の電話端末A 30Aからの着信回数を示す総着信カウントを“1”から“1”だけカウントアップし、かつ、着信時の通信種別として発信相手の電話端末A 30Aからの着信に対して未応答により不完了呼となった回数を示す未応答カウントを“0”から“1”だけカウントアップし、それぞれの回数を“2”、“1”に設定して登録する。ここで、その他の通信種別については、話中カウントは第1回目の着信動作においてカウントアップした“1”のままであり、応答カウント、故障カウントは初期値の“0”のままになっている。
【0043】
つまり、通信装置B 20Bの着信履歴データ22Bのうち、かかる電話端末B 30Bの内線ポートに関する着信履歴データとしては、図3(B)に示すように、発信相手である電話端末A 30Aに関しては、総着信数を示す総着信カウント(総着信回数)には、第2回目である旨の“2”が記録され、着信動作の通信種別として未応答により不完了呼となった回数を示す未応答カウント(未応答着信回数)には、最初である旨の“1”が記録され、その他の通信種別のうち、話中カウントは第1回目の着信動作においてカウントアップした“1”のままであり、応答カウント、故障カウントは初期値の“0”のままである。
【0044】
次に、図2(C)に示す第3回目の着信動作について説明する。図4(C)に示すように、図2(C)の着信動作として通信装置A 20Aの電話端末A 30Aから通信装置B 20Bの電話端末B 30Bへの第3回目の着信が電話端末A 30Aからの外線ポートを介して発生すると(シーケンスSeq6)、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bの内線ポートを介して、電話端末B 30Bへ呼出信号を送信する準備を行う。
【0045】
なお、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bへ呼出信号を送信する動作に先立って、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する電話端末A 30Aからの着信履歴データを検索して、発信相手の電話端末A 30Aからの着信履歴データとして記録されている電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)、総着信カウント=“2”を、さらには、該総着信カウントの明細として記録されている着信動作の通信種別(明細内訳)としての応答カウント=“0”、故障カウント=“0”、話中カウント=“1”、未応答カウント=“1”を抽出して、電話端末B 30Bへ送信する。しかる後、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bに対して呼出信号を送信する。
【0046】
ここで、電話端末B 30Bのユーザが、通信装置B 20Bからの呼出信号に応じて、ハンドセットを取り上げて応答すると、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bへ送信していた呼出信号を停止するとともに、発信相手の電話端末A 30Aが子機として接続されている通信装置A 20Aに対して応答信号を送信し、かつ、電話端末B 30Bの内線ポートと電話端末A 30Aからの外線ポートとを介して、着信先の電話端末B 30Bと発信相手の電話端末A 30Aとを接続して、電話端末B 30Bを通話状態に移行させる(シーケンスSeq7)。
【0047】
しかる後、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する着信回数をカウントする領域に、電話端末A 30Aからの着信履歴を示すデータとして、発信相手の電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)を記録するとともに、発信相手の電話端末A 30Aからの着信回数を示す総着信カウントを“2”から“1”だけカウントアップし、かつ、着信時の通信種別として発信相手の電話端末A 30Aからの着信に対して応答した完了呼の回数を示す応答カウントを“0”から“1”だけカウントアップし、それぞれの回数を“3”、“1”に設定して登録する。ここで、その他の通信種別については、話中カウント、未応答カウントそれぞれは、第1回目、第2回目の着信動作それぞれにおいてカウントアップしている“1”のままであり、故障カウントは初期値の“0”のままになっている。
【0048】
つまり、通信装置B 20Bの着信履歴データ22Bのうち、かかる電話端末B 30Bの内線ポートに関する着信履歴データとしては、図3(C)に示すように、発信相手である電話端末A 30Aに関しては、総着信数を示す総着信カウント(総着信回数)には、第3回目である旨の“3”が記録され、着信動作の通信種別として応答した回数を示す応答カウント(応答着信回数)には、最初である旨の“1”が記録され、その他の通信種別のうち、話中カウントと未応答カウントとは、それぞれ、第1回目と第2回目との着信動作においてそれぞれカウントアップした“1”のままであり、故障カウントは初期値の“0”のままである。
【0049】
次に、図2のごとき3種類の着信動作を行った場合の電話端末B 30Bにおける着信履歴データの表示動作について、図5を用いて説明する。図5は、図1に示す電話交換システムにおいて図2に示す着信動作を行った場合の電話端末B 30Bにおける着信履歴データの表示内容を説明するための説明図である。
【0050】
図5において、図5(A)は、図2(B)の第2回目の着信動作において通信装置B 20Bから呼出信号に先立って電話端末B 30Bに送信されてきた着信履歴データを表示器31Bに表示している状態を示し、図5(B)は、図2(C)の第3回目の着信動作において通信装置B 20Bから呼出信号に先立って電話端末B 30Bに送信されてきた着信履歴データを表示器31Bに表示している状態を示している。なお、図2(A)の第1回目の着信動作においては、図2(B),(C)の第2,3回目の着信動作の場合とは異なり、電話端末B 30Bが、空き状態(IDLE)ではなく、話中(BUSY)状態になっているため、通信装置B 20Bからは、着信履歴データや呼出信号が送信されることはなく、かつ、電話端末B 30Bにおいて、着信履歴データを表示器31Bへ表示する動作を実施することもない。
【0051】
まず、電話端末B 30Bに対する最初の呼出動作を行う図2(B)に示す第2回目の着信動作における電話端末B 30Bの着信履歴データの表示内容について説明する。前述したように、図2(B)に示す第2回目の着信動作においては、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bへ呼出信号を送信する動作に先立って、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する電話端末A 30Aからの着信履歴データを検索して、発信相手の電話端末A 30Aからの着信履歴データとして記録されている電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)、総着信カウント=“1”を、さらには、着信動作の通信種別(明細内訳)としての応答カウント=“0”、故障カウント=“0”、話中カウント=“1”、未応答カウント=“0”を、電話端末B 30Bへ送信してくる。
【0052】
呼出信号に先立って通信装置B 20Bからの着信履歴データを受け取った電話端末B 30Bは、受信した該着信履歴データを編集して、図5(A)の着信履歴表示40Aに示すように、
応答:0 故障:0 話中:1 未応答:0 総着信数:1
着信>> 03−○○○○−××××
と、電話端末A 30Aから当該電話端末B 30Bに対して現在までに着信してきた着信履歴の状況を表示器31Bに画面表示する。
【0053】
しかし、第2回目の着信動作においては、前述したように、電話端末B 30Bのユーザが不在であったりして、着信履歴データに引き続いて通信装置B 20Bから送信されてきた呼出信号に対して応答することができない状況にあるので、表示器31Bに画面表示されている着信履歴の状況をただちに活用する状態にはならない。ここで、かかる場合に留守番電話機能が有効になっている状態にあれば、受信している着信履歴データを音声情報に編集して、留守番電話として録音するようにしても良い。
【0054】
次に、電話端末B 30Bに対する第2回目の呼出動作を行う図2(C)に示す第3回目の着信動作における電話端末B 30Bの着信履歴データの表示内容について説明する。前述したように、図2(C)に示す第3回目の着信動作においては、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、電話端末B 30Bへ呼出信号を送信する動作に先立って、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する電話端末A 30Aからの着信履歴データを検索して、発信相手の電話端末A 30Aからの着信履歴データとして記録されている電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)、総着信カウント=“2”を、さらには、着信動作の通信種別(明細内訳)としての応答カウント=“0”、故障カウント=“0”、話中カウント=“1”、未応答カウント=“1”を、電話端末B 30Bへ送信してくる。
【0055】
呼出信号に先立って通信装置B 20Bからの着信履歴データを受け取った電話端末B 30Bは、受信した該着信履歴データを編集して、図5(B)の着信履歴表示40Bに示すように、
応答:0 故障:0 話中:1 未応答:1 総着信数:2
着信>> 03−○○○○−××××
と、電話端末A 30Aから当該電話端末B 30Bに対して現在までに着信してきた着信履歴の状況を表示器31Bに画面表示する。
【0056】
ここで、第3回目の着信動作においては、前述したように、電話端末B 30Bのユーザが呼出信号に対してハンドセット32Bを取り上げて応答して、通話状態に移行する場合であり、当該ユーザは、該呼出信号に先立って表示器31Bに画面表示されている着信履歴の状況を参照することにより、応答する前に、発信相手の電話端末A 30Aのユーザに対応する心構えを前以て準備することができる。
【0057】
なお、電話端末B 30Bのユーザは、通信装置B 20Bに記録されている着信履歴データ22Bのうち、当該電話端末B 30Bに関する着信履歴データを、任意に時点で取得して表示器31Bに画面表示させることもできる。図6は、図1に示す電話交換システムにおいて電話端末B 30Bからの参照要求に応じて該電話端末B 30Bに関する着信履歴データを通信装置B 20Bから転送させて表示器31Bに画面表示する例を説明するための説明図であり、図2に示す第3回目の着信動作による通話が終了した時点における着信履歴データの画面表示例を示している。
【0058】
つまり、例えば、図2に示す第3回目の着信動作における電話端末B 30Bと発信相手の電話端末A 30Aとの間の通話が終了した時点において、電話端末B 30Bのユーザが、通信装置B 20Bに記録されている着信履歴データ22Bのうち、発信相手の電話端末A 30Aに関する着信履歴データの参照要求を、電話端末B 30Bから通信装置B 20Bに対して送信する。該参照要求を受け取った通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bは、該参照要求に応じて、着信履歴データ22Bの電話端末B 30Bに関する電話端末A 30Aからの着信履歴データを検索して、発信相手の電話端末A 30Aからの着信履歴データとして記録されている電話端末A 30Aが使用した回線の発番号(すなわち、発信相手の電話端末A 30Aを特定する電話番号)、最新の通話を行った着信呼の着信日時=2009−○○−×× 10:00、総着信カウント=“3”を、さらには、着信動作の通信種別(明細内訳)としての応答カウント=“1”、故障カウント=“0”、話中カウント=“1”、未応答カウント=“1”を抽出して、要求元の電話端末B 30Bへ返送する。
【0059】
前記参照要求に対する返送データとして通信装置B 20Bからの着信履歴データを受け取った電話端末B 30Bは、受信した該着信履歴データを編集して、図6の着信履歴表示40Cに示すように、
01 応答:1 故障:0 話中:1 未応答:1 総着信数:3
2009−○○−×× 10:00 03−○○○○−××××
と、電話端末A 30Aから当該電話端末B 30Bに対して現在までに着信してきた着信履歴の状況を表示器31Bに画面表示する。
【0060】
かくのごとく、電話端末B 30Bのユーザは、任意の時点で、当該電話端末B 30Bに対する任意に指定した発信相手からの着信に関する着信履歴データを参照することができる。
【0061】
さらには、電話端末B 30Bのユーザは、当該電話端末B 30Bが接続されている通信装置B 20B内の着信設定用データ23Bを任意の時点で書き換えることも可能であり、かかる書き換え処理により、通信装置B 20Bの電話着信制御部21Bにおける着信回数の計数動作を制御することができる。
【0062】
例えば、着信設定用データ23Bとして、電話端末B 30Bごとの過去の着信回数を計数する設定期間として、過去1時間分や当日一日分のみの着信回数に限るようにすることもできるし、また、通信装置B 20Bとしてのシステム稼動の開始から現在までの全期間を指定することもできるし、さらには、任意に指定した開始日から任意に指定した終了日までの期間とすることもできる。また、電話端末B 30Bごとに、任意の時点で、電話端末B 30Bからリセット指示を送信することにより、それぞれの過去の着信回数をリセットして“1”から計数し直すように設定することもできる。さらには、着信回数をリセットする対象として、発信相手を指定することもできるし、また、総着信回数や通信種別(着信動作の内訳)ごとの着信回数等のいずれか1ないし複数を任意に選択して指定することもできる。
【0063】
また、電話端末B 30Bの表示器31Bに表示する着信回数の通信種別(着信動作の内訳)として、着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数を表示することなく、総着信回数のみを表示するように設定することもできるし、また、総着信回数と話中着信回数とを表示するように設定することもできるし、総着信回数とすべての着信動作の内訳(話中着信回数、故障着信回数、未応答着信回数、応答着信回数等)とを表示するように設定することもできる。
【0064】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態によれば以下のような効果を奏することができる。
【0065】
第1の効果は、各電話端末ごとに、話中やハンドセット外れや故障や不在等の如何に関わらず、各電話端末のユーザが任意に設定した過去の期間内に各発信相手から着信してきた回数を、着信回数として、着信動作の内訳を示す通信種別とともに計数し、或る発信相手からの電話端末への着信時に、当該電話端末のユーザが応答する前に、計数している当該発信相手からの着信回数を、その着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とともに、当該電話端末に表示する仕組みを備えていることにある。したがって、当該電話端末のユーザは、同一の発信相手から、何度、話中時や不在時に着信していたのかを、応答前に瞬時に確認することができ、応答した際に「何度もお掛け直し頂き、申し訳ありません」等とお詫びの言葉を付した対応をすることが可能になり、発信相手のイライラ感を緩和するような応対をすることができる。
【0066】
第2の効果は、第1の効果の場合と同様、各電話端末ごとに、話中やハンドセット外れや故障や不在等の如何に関わらず、各電話端末のユーザが任意に設定した過去の期間内に各発信相手から着信してきた回数を、着信回数として、計数し、或る発信相手からの電話端末への着信時に、当該電話端末のユーザが応答する前に、計数している当該発信相手からの着信回数を当該電話端末に表示する仕組みを備えていることにある。したがって、当該電話端末のユーザは、初めての発信相手からの電話着信であるか否かを瞬時に判断することができ、新規顧客からの問い合わせや注文の可能性を考慮した対応を取るような心構えを前以て準備することができる。
【0067】
第3の効果は、第1の効果の場合と同様、各電話端末ごとに、話中やハンドセット外れや故障や不在等の如何に関わらず、各電話端末のユーザが任意に設定した過去の期間内に各発信相手から着信してきた回数を、着信回数として、その着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とともに計数し、或る発信相手からの電話端末への着信時に、当該電話端末のユーザが応答する前に、計数している当該発信相手からの着信回数を、その着信動作の内訳を示す通信種別の着信回数とともに、当該電話端末に表示する仕組みを備えていることにある。したがって、着信頻度が少ない発信相手として、当該電話端末の電話帳には登録していない場合であっても、当該発信相手が、新規の相手ではなく、過去に電話がかかってきて通話したことのある相手であるか否かを応答する前に確認することができ、応答時における挨拶等の心構えを前以て準備することができる。
【0068】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)前記通信装置は、前記電話端末から前記着信履歴データの参照要求を受け取った際に、当該電話端末に関する前記着信履歴データを要求元の前記電話端末に対して送信する上記(1)の電話交換システム。
(3)前記電話端末は、各種情報を表示する表示器を備え、前記通信装置から前記発信相手の着信履歴データを受信した際に、受信した前記着信履歴データを前記表示器に表示する上記(1)または(2)の電話交換システム。
(4)前記着信履歴データを構成する前記通信種別ごとの着信回数として、前記電話端末が話中であったために着信を拒否した場合を示す話中着信回数、前記電話端末が故障またはハンドセット外れのために着信を拒否した場合を示す故障着信回数、前記電話端末があらかじめ定めた時間内に応答しなかったために不完了呼となった場合を示す未応答着信回数、前記電話端末が応答した場合を示す応答着信回数、のいずれか1ないし複数を含む上記(1)ないし(3)のいずれかの電話交換システム。
(5)前記通信装置は、前記電話端末ごとの着信履歴データの記録動作を制御する着信設定用データを有し、該着信設定用データを前記電話端末のユーザによって任意に設定変更することができる上記(1)ないし(4)のいずれかの電話交換システム。
(6)前記通信装置の前記着信設定用データとして、過去の着信回数を計数する期間を指定する設定データ、前記電話端末に送信する前記着信履歴データの種類を指定する設定データ、前記着信履歴データの過去の着信回数を前記電話端末からの指示に基づいてリセットすることを可能とするか否かを指定する設定データ、のいずれか1ないし複数を含んでいる上記(5)の電話交換システム。
(7)子機として接続した電話端末の通信を制御する通信装置において、前記電話端末ごとに、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを記録する着信履歴データを有し、或る発信相手から前記電話端末に対する着信呼を検出した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の前記着信履歴データを検索し、当該電話端末に着信した前記発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、しかる後、当該電話端末へ呼出信号を送信する通信装置。
(8)前記電話端末から前記着信履歴データの参照要求を受け取った際に、当該電話端末に関する前記着信履歴データを要求元の前記電話端末に対して送信する上記(7)の通信装置。
(9)前記着信履歴データを構成する前記通信種別ごとの着信回数として、前記電話端末が話中であったために着信を拒否した場合を示す話中着信回数、前記電話端末が故障またはハンドセット外れのために着信を拒否した場合を示す故障着信回数、前記電話端末があらかじめ定めた時間内に応答しなかったために不完了呼となった場合を示す未応答着信回数、前記電話端末が応答した場合を示す応答着信回数、のいずれか1ないし複数を含む上記(7)または(8)の通信装置。
(10)前記電話端末ごとの着信履歴データの記録動作を制御する着信設定用データを有し、該着信設定用データを前記電話端末のユーザによって任意に設定変更することができる上記(7)ないし(9)のいずれかの通信装置。
(11)前記着信設定用データとして、過去の着信回数を計数する期間を指定する設定データ、前記電話端末に送信する前記着信履歴データの種類を指定する設定データ、前記着信履歴データの過去の着信回数を前記電話端末からの指示に基づいてリセットすることを可能とするか否かを指定する設定データ、のいずれか1ないし複数を含んでいる上記(10)の通信装置。
(12)当該通信装置が、ボタン電話装置またはPBX(Private Branch Exchange)システムである上記(7)ないし(11)のいずれかの通信装置。
(13)子機として接続した電話端末の通信を制御する通信装置と前記電話端末とからなる電話交換システムにおける電話着信方法であって、前記通信装置は、前記電話端末ごとに、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを着信履歴データとして記録し、かつ、或る発信相手から前記電話端末に対する着信呼を検出した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の前記着信履歴データを検索し、当該電話端末に着信した前記発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、しかる後、当該電話端末へ呼出信号を送信する電話着信方法。
(14)前記通信装置は、前記電話端末から前記着信履歴データの参照要求を受け取った際に、当該電話端末に関する前記着信履歴データを要求元の前記電話端末に対して送信する上記(13)の電話着信方法。
(15)前記着信履歴データを構成する前記通信種別ごとの着信回数として、前記電話端末が話中であったために着信を拒否した場合を示す話中着信回数、前記電話端末が故障またはハンドセット外れのために着信を拒否した場合を示す故障着信回数、前記電話端末があらかじめ定めた時間内に応答しなかったために不完了呼となった場合を示す未応答着信回数、前記電話端末が応答した場合を示す応答着信回数、のいずれか1ないし複数を含む上記(13)または(14)の電話着信方法。
(16)前記通信装置は、前記電話端末ごとの着信履歴データの記録動作を制御する着信設定用データを有し、該着信設定用データを前記電話端末のユーザによって任意に設定変更することができる上記(13)ないし(15)のいずれかの電話着信方法。
(17)前記通信装置の前記着信設定用データとして、過去の着信回数を計数する期間を指定する設定データ、前記電話端末に送信する前記着信履歴データの種類を指定する設定データ、前記着信履歴データの過去の着信回数を前記電話端末からの指示に基づいてリセットすることを可能とするか否かを指定する設定データ、のいずれか1ないし複数を含んでいる上記(16)の電話着信方法。
(18)上記(13)ないし(17)のいずれかの電話着信方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施している電話着信プログラム。
(19)上記(18)の電話着信プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【符号の説明】
【0069】
10 公衆網
20A 通信装置A
20B 通信装置B
20C 通信装置C
21A 電話着信制御部
21B 電話着信制御部
21C 電話着信制御部
22A 着信履歴データ
22B 着信履歴データ
22C 着信履歴データ
23A 着信設定用データ
23B 着信設定用データ
23C 着信設定用データ
30A 電話端末A
30B 電話端末B
30C 電話端末C
31A 表示器
31B 表示器
31C 表示器
32A ハンドセット
32B ハンドセット
32C ハンドセット
40A 着信履歴表示
40B 着信履歴表示
40C 着信履歴表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子機として接続した電話端末の通信を制御する通信装置と前記電話端末とからなる電話交換システムにおいて、前記通信装置は、前記電話端末ごとに、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを記録する着信履歴データを有し、或る発信相手から前記電話端末に対する着信呼を検出した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の前記着信履歴データを検索し、当該電話端末に着信した前記発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、しかる後、当該電話端末へ呼出信号を送信することを特徴とする電話交換システム。
【請求項2】
前記通信装置は、前記電話端末から前記着信履歴データの参照要求を受け取った際に、当該電話端末に関する前記着信履歴データを要求元の前記電話端末に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の電話交換システム。
【請求項3】
前記電話端末は、各種情報を表示する表示器を備え、前記通信装置から前記発信相手の着信履歴データを受信した際に、受信した前記着信履歴データを前記表示器に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の電話交換システム。
【請求項4】
前記着信履歴データを構成する前記通信種別ごとの着信回数として、前記電話端末が話中であったために着信を拒否した場合を示す話中着信回数、前記電話端末が故障またはハンドセット外れのために着信を拒否した場合を示す故障着信回数、前記電話端末があらかじめ定めた時間内に応答しなかったために不完了呼となった場合を示す未応答着信回数、前記電話端末が応答した場合を示す応答着信回数、のいずれか1ないし複数を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電話交換システム。
【請求項5】
前記通信装置は、前記電話端末ごとの着信履歴データの記録動作を制御する着信設定用データを有し、該着信設定用データを前記電話端末のユーザによって任意に設定変更することができることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電話交換システム。
【請求項6】
前記通信装置の前記着信設定用データとして、過去の着信回数を計数する期間を指定する設定データ、前記電話端末に送信する前記着信履歴データの種類を指定する設定データ、前記着信履歴データの過去の着信回数を前記電話端末からの指示に基づいてリセットすることを可能とするか否かを指定する設定データ、のいずれか1ないし複数を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の電話交換システム。
【請求項7】
子機として接続した電話端末の通信を制御する通信装置において、前記電話端末ごとに、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを記録する着信履歴データを有し、或る発信相手から前記電話端末に対する着信呼を検出した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の前記着信履歴データを検索し、当該電話端末に着信した前記発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、しかる後、当該電話端末へ呼出信号を送信することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記電話端末から前記着信履歴データの参照要求を受け取った際に、当該電話端末に関する前記着信履歴データを要求元の前記電話端末に対して送信することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記着信履歴データを構成する前記通信種別ごとの着信回数として、前記電話端末が話中であったために着信を拒否した場合を示す話中着信回数、前記電話端末が故障またはハンドセット外れのために着信を拒否した場合を示す故障着信回数、前記電話端末があらかじめ定めた時間内に応答しなかったために不完了呼となった場合を示す未応答着信回数、前記電話端末が応答した場合を示す応答着信回数、のいずれか1ないし複数を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記電話端末ごとの着信履歴データの記録動作を制御する着信設定用データを有し、該着信設定用データを前記電話端末のユーザによって任意に設定変更することができることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の通信装置。
【請求項11】
前記着信設定用データとして、過去の着信回数を計数する期間を指定する設定データ、前記電話端末に送信する前記着信履歴データの種類を指定する設定データ、前記着信履歴データの過去の着信回数を前記電話端末からの指示に基づいてリセットすることを可能とするか否かを指定する設定データ、のいずれか1ないし複数を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
当該通信装置が、ボタン電話装置またはPBX(Private Branch Exchange)システムであることを特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の通信装置。
【請求項13】
子機として接続した電話端末の通信を制御する通信装置と前記電話端末とからなる電話交換システムにおける電話着信方法であって、前記通信装置は、前記電話端末ごとに、総着信回数と着信動作の内訳を示す通信種別ごとの着信回数とを着信履歴データとして記録し、かつ、或る発信相手から前記電話端末に対する着信呼を検出した際に、当該電話端末へ呼出信号を送信する動作に先立って、当該電話端末の前記着信履歴データを検索し、当該電話端末に着信した前記発信相手の着信履歴データを抽出して、当該電話端末が空き状態にあった場合、当該電話端末に対して送信し、しかる後、当該電話端末へ呼出信号を送信することを特徴とする電話着信方法。
【請求項14】
前記通信装置は、前記電話端末から前記着信履歴データの参照要求を受け取った際に、当該電話端末に関する前記着信履歴データを要求元の前記電話端末に対して送信することを特徴とする請求項13に記載の電話着信方法。
【請求項15】
前記着信履歴データを構成する前記通信種別ごとの着信回数として、前記電話端末が話中であったために着信を拒否した場合を示す話中着信回数、前記電話端末が故障またはハンドセット外れのために着信を拒否した場合を示す故障着信回数、前記電話端末があらかじめ定めた時間内に応答しなかったために不完了呼となった場合を示す未応答着信回数、前記電話端末が応答した場合を示す応答着信回数、のいずれか1ないし複数を含むことを特徴とする請求項13または14に記載の電話着信方法。
【請求項16】
前記通信装置は、前記電話端末ごとの着信履歴データの記録動作を制御する着信設定用データを有し、該着信設定用データを前記電話端末のユーザによって任意に設定変更することができることを特徴とする請求項13ないし15のいずれかに記載の電話着信方法。
【請求項17】
前記通信装置の前記着信設定用データとして、過去の着信回数を計数する期間を指定する設定データ、前記電話端末に送信する前記着信履歴データの種類を指定する設定データ、前記着信履歴データの過去の着信回数を前記電話端末からの指示に基づいてリセットすることを可能とするか否かを指定する設定データ、のいずれか1ないし複数を含んでいることを特徴とする請求項16に記載の電話着信方法。
【請求項18】
請求項13ないし17のいずれかに記載の電話着信方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする電話着信プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載の電話着信プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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