電話交換装置、この電話交換装置の制御方法、及び電話システム
【課題】通話開始時の電話端末同士の接続経路の判別を自動的に行い得る。
【解決手段】実施形態によれば電話交換装置は、判定手段と、記憶部と、制御手段とを具備する。判定手段は、電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する。記憶部は、端末IDと、判定手段による判定結果と、IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する。制御手段は、記憶部に登録される管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する。
【解決手段】実施形態によれば電話交換装置は、判定手段と、記憶部と、制御手段とを具備する。判定手段は、電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する。記憶部は、端末IDと、判定手段による判定結果と、IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する。制御手段は、記憶部に登録される管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばインターネット等のグローバル網またはLAN(Local Area Network)等のプライベート網に接続される複数の電話端末間に通信セッションを確立させる電話交換装置と、この電話交換装置の制御方法と、電話交換装置及び電話端末を含めた電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP(Internet Protocol)網を介して、双方向に画像や音声をパケットデータとして、リアルタイムに送受信するIP電話システムが普及している。このIP電話システムでは、LAN(Local Area Network)等のプライベート網に複数のIP電話端末を収容するとともに、プライベート網をルータ装置を介して公衆網やインターネット等のグローバル網に接続し、IP電話端末相互間及びIP電話端末とグローバル網との間でマルチメディア情報通信を可能としている。
【0003】
ところで、上記システムでは、ルータ装置にNAT(Network Address Translator)機能を搭載している。NAT機能とは、通信用に予め割り当てられた一つのIPアドレスを用いて、IP電話端末に割り当てられたIPアドレスを通信用のIPアドレスに変換して送信元IPアドレスとして送出し、受信において供給されるルータ装置宛のIPアドレスをIP電話端末宛のIPアドレスに変換する機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−80236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記システムにおいては、電話交換装置としての呼制御サーバにMRS(Media Relay Server)機能を備え、グローバル網上のIP電話端末とプライベート網上のIP電話端末との間でMRS機能を中継してメディアセッションを確立するようにしている。この場合、全てのIP電話端末のUDP(User Datagram Protocol)パケットを呼制御サーバに引き込む必要が有り、音声遅延や、呼制御サーバの負荷、ネットワーク負荷が高くなってしまう。
【0006】
また、IP電話端末からの情報がルータ装置などで書き換えられて呼制御サーバへ届くため、自動での接続経路の判別ができず、例えば呼制御サーバによる交換処理を省略するピアツーピア接続を実現する場合には呼制御サーバへ各IP電話端末毎の情報設定が必要で、手間がかかってしまい、さらにIP電話端末の設置場所を移動すると、それにあわせ呼制御サーバの設定を変更する必要があった。
【0007】
本発明の目的は、通話開始時の電話端末同士の接続経路の判別を自動的に行い得る電話交換装置、この電話交換装置の制御方法、及び電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば電話交換装置は、プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置を対象とし、判定手段と、記憶部と、制御手段とを備える。判定手段は、電話端末からの登録要求時に、複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する。記憶部は、端末IDと、判定手段による判定結果と、IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する。制御手段は、記憶部に登録される管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係わるIP電話システムを示す概略構成図である。
【図2】実施形態の呼制御サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】上記図2に示した中継ポート識別テーブルの記憶内容の一例を示す図である。
【図4】上記図2に示したメディア経路選択テーブルの記憶内容の一例を示す図である。
【図5】上記図2に示した接続開始情報テーブルの記憶内容の一例を示す図である。
【図6】以前に行われていた通信接続の例を示す図である。
【図7】実施形態の呼制御サーバにおけるIP電話端末の登録制御手順を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の呼制御サーバの呼制御部における中継ポート識別テーブルのデータ書き込み制御手順を示すフローチャートである。
【図9】通話開始時における呼制御部の接続経路の決定制御手順を示すフローチャートである。
【図10】通話開始時における呼制御部の通信セッション制御手順を示すフローチャートである。
【図11】実施形態において、LANに接続されるIP電話端末とNATルータ配下のIP電話端末との間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
【図12】実施形態で取り扱うUDPパケットの構造図である。
【図13】実施形態において、NATルータ配下のIP電話端末間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係わるIP電話システムを示す概略構成図である。
このシステムは、例えばパブリックAに位置するメインオフィスにおいて、プライベート網としてのLAN(Local Area Network)1を有する。LAN1には、電話端末としてのIP電話端末T11、電話交換装置としての呼制御サーバSV、NATルータRT1及びルータRT2が接続されている。NATルータRT1には、IP電話端末T12が接続されている。そして、NATルータRT1は、IP電話端末T12から送出されるUDPパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスをNATルータRT1に割り当てられたIPアドレスに変換し、受信したUDPパケットのヘッダ部に含まれNATルータRT1宛のIPアドレスをIP電話端末T12のIPアドレスに変換する機能を備えている。
【0012】
また、IP電話端末T11,T12は、通話処理機能とメディア情報処理機能とを備えた端末である。
【0013】
ルータRT2は、LAN1とグローバル網としてのIPネットワークNWとの間を接続する。IPネットワークNWにはパブリックBに位置するNATルータRT3、パブリックCに位置するNATルータRT4、及びパブリックCに位置するIP電話端末T41が接続されている。NATルータRT3には、IP電話端末T21,T22が接続される。また、NATルータRT4には、IP電話端末T31,T32が接続される。IP電話端末T21,T22,T31,T32,T41は、通話処理機能とメディア情報処理機能とを備えた端末である。
【0014】
呼制御サーバSVは、IP電話機T11,T12間またはIP電話端末T11,T12とIPネットワークNW上のIP電話端末T21,T22,T31,T32,T41との間で、例えばSIPに従ってセッションを確立する交換制御機能を備える。そして、セッション確立後は、発信側と着信側の電話端末間でピアツーピア接続、または呼制御サーバSV内のメディア情報処理機能を用いたMRS中継による接続でUDPパケットを送受信することで、音声通信を行なう。なお、MRS中継を行うためのメディア情報処理機能は、呼制御サーバSV内のメディア情報処理機能に限らず、LAN1またはIPネットワークNWに接続された別サーバのメディア情報処理機能を用いたMRS中継であってもよい。
【0015】
ところで、上記呼制御サーバSVは、本実施形態に係わる機能として次のような機能を有している。図2はその構成を示すブロック図である。
【0016】
すなわち、呼制御サーバSVは、IP制御部11と、MRS部12と、呼制御部13と、記憶部14とを備えている。これらIP制御部11と、MRS部12と、呼制御部13と、記憶部14は、データハイウェイ15を介して互いに接続されている。
【0017】
IP制御部11には、LAN1が必要に応じて接続される。IP制御部11は、接続されたLAN1との間でインタフェース処理を行う。また、IP制御部11は、上記インタフェース処理に係わる種々の制御情報の授受を、データハイウェイ15を介して呼制御部13との間で行う。
【0018】
MRS部12は、LAN1上のIP電話端末T11とIPネットワークNW上のIP電話端末T21,T22,T31,T32,T41との間のようにルータRT2が介在してポート転送が行われるために、ピアツーピア接続ができない状況でも通信セッションを確立するもので、IP制御部11で受信した制御メッセージ及びUDPパケットを処理する。ここで、UDPパケットを処理する場合、UDPパケットのヘッダ部に付加された送信元のIPアドレス及びポート番号情報を記憶し、この記憶したIPアドレス及びポート番号情報を用いてUDPパケットを返送するように通話相手のIP電話端末に指示する。
【0019】
呼制御部13は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、ソフトウェア処理により呼制御サーバSVの各部の制御を行う。
【0020】
記憶部14は、呼制御部13の接続制御に必要なルーティング情報等を格納している。ルーティング情報は、登録されるIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41に予め割り当てられる端末IDと、可変ネットワークアドレスとしてのIPアドレスとを対応付けた情報である。また、記憶部14には、中継ポート識別テーブル141と、メディア経路選択テーブル142と、通話開始情報テーブル143とが設けられている。
【0021】
中継ポート識別テーブル141は、登録されるIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の接続経路を管理するためのテーブルで、図3に示すように、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41に予め割り当てられてある端末IDとしてのIPTの番号と、NAT変換の有無を示す情報と、送信元IPアドレスとの対応関係を表すテーブルが記憶されている。
【0022】
メディア経路選択テーブル142は、図4に示すように、発信側(接続元)のIP電話端末の接続経路と、着信側(接続先)のIP電話端末の接続経路との組み合わせにより、ピアツーピア接続かMRS接続かを判別するためのテーブルである。
【0023】
通話開始情報テーブル143は、図5に示すように、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41間の通話接続状態を示す情報が記憶されている。
【0024】
一方、呼制御部13は、NAT変換判定部131と、テーブル作成部132と、セッション制御部133と、テーブル更新部134とを備えている。
【0025】
NAT変換判定部131は、それぞれのIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41からの端末ID等を登録するための登録要求時に、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41により通知される制御パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することで、NATルータによるアドレス変換有りか否かを判定する。ここでは、送信元IPアドレスが一致する場合に、「NAT変換無し」と判定し、一致しない場合に、「NAT変換有り」と判定する。
【0026】
テーブル作成部132は、端末IDとしてのIPTの番号と、上記NAT変換判定部131による判定結果と、IPアドレスとを対応付けた中継ポート識別テーブル141を作成して記憶部14に記憶する。
【0027】
セッション制御部133は、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41における通話開始時に、中継ポート識別テーブル141の記憶内容に基づいて、ピアツーピアによる通信接続、MRS部12に通信パスを引き込む通信接続のいずれか1つを実行する。このとき、通話開始情報テーブル143によりIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41のセッション状態を検索し、セッション制御を行う。例えば、これから通話を開始するような場合、例えばIP電話端末T11,T12はセッションが開始されていないため、セッション制御部133はIP電話端末T11,T12のセッションを開始するように制御する。そして、セッション制御部133は、IP電話端末T11,T12のセッションが確立すると、IP電話端末T11,T12が「通話中」である旨を示す情報を通話開始情報テーブル143に記憶する。
【0028】
テーブル更新部134は、例えばIP電話端末T11をLAN1から取り外して、リモートオフィス(プライベートD)のLANに移設した場合に、プリベートDのLANに移設されたIP電話端末からの登録要求に基づいて、中継ポート識別テーブル141の記憶内容の更新を行う。また、LAN1にIP電話端末を増設した場合や削除した場合、IP電話端末の種類を変更した場合にも中継ポート識別テーブル141の記憶内容の更新を行う。
【0029】
次に、上記構成による動作について説明する。
以前は、図6に示すように、NATルータの下に収容され、あるいは、LAN1に設置された呼制御サーバSVにVPN(Virtual Private Network)を使用せずにIPネットワークNW側から収容されたIP電話端末との間を呼制御サーバSVのMRS部12を介して接続し通話を行う形態であった。
【0030】
この形態では、全てのIP電話端末から送出されるUDPパケットを呼制御サーバSVに引き込む必要が有り、音声遅延や、呼制御サーバSVの負荷、メインオフィスのネットワーク負荷が高くなってしまう。
【0031】
そこで、本実施形態では、呼制御サーバSVに対するIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の登録時に、NATルータで書き換えできないペイロード部の情報を利用して、NAT越えの有無、送信元IPアドレスを記録する中継ポート識別テーブル141を作成して、通話開始時のIP電話端末同士の接続経路をMRS部12への引き込む通話か、ピアツーピア通話かの判別を自動で行えるようにした。
【0032】
(端末登録動作)
図7は、呼制御サーバSVにおけるIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の登録要求の制御手順を示すフローチャートである。ここでは、SIPの場合を例として説明する。
【0033】
SIPの場合、各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41から呼制御サーバSVに対し登録要求を行うため、一定周期でREGISTERメッセージが送信される。REGISTERメッセージを受信した呼制御サーバSVは、各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41のIPT番号を中継ポート識別テーブル141に登録する。なお、例えばIP電話端末T41が一定周期でREGISTERメッセージを送信しない場合には、呼制御サーバSVはIP電話端末T41が存在しない(または電源OFFとなった)ものと認識し、これによりIP電話端末T41は通信できないものとなる。
【0034】
例えばIP電話端末T11からREGISTERメッセージを受信したとする(ステップST7a)。そうすると呼制御サーバSVは、中継ポート識別テーブル141へのREGISTER処理を行い、REGISTERがOKであれば、IP電話端末T11にACKを返送する(ステップST7b)。
【0035】
さらに、呼制御サーバSVは、IP電話端末T11の能力を問い合わせるためにOPTIONSをREGISTERしたIP電話端末T11に送信する(ステップST7c)。そうすると呼制御サーバSVは、OPTIONSに対する応答を受信し(ステップST7d)、この応答メッセージの中のSDPのコーデック情報を取り出して記憶部14に記憶するとともに、NAT変換の有無の判定処理を実行する(ステップST7e)。
【0036】
図8は、呼制御サーバSVの呼制御部13における中継ポート識別テーブル141のデータ書き込み制御手順を示すフローチャートである。
【0037】
まず、呼制御部13は、各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41からのREGISTERメッセージの受信待ちとなり(ステップST8a)、REGISTERメッセージを受信した場合に(登録有り)、例えばREGISTERしたIP電話端末T11に対しOPTIONSを送信する。そして、OPTIONSに対する応答メッセージのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することで、NAT変換の有無の判定を行なう(ステップST8b)。
【0038】
ここで、送信元IPアドレスが一致しない場合、呼制御部13はIP電話端末T11のIPT番号に対応付けて「NAT変換有り」を中継ポート識別テーブル141に書き込み(ステップST8c)、さらにIP電話端末T11のIPT番号に対応付けて送信元IPアドレスを中継ポート識別テーブル141に書き込む(ステップST8d)。
【0039】
一方、上記ステップST8bにおいて、送信元IPアドレスが一致する場合、呼制御部13はIP電話端末T11のIPT番号に対応付けて「NAT変換無し」を中継ポート識別テーブル141に書き込む(ステップST8e)。
【0040】
そして、呼制御部13は、中継ポート識別テーブル141への各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の登録が完了するか否かを判断し(ステップST8f)、完了するまで上記ステップST8a乃至上記ステップST8fの処理を繰り返し実行する。ここで、完了した場合(Yes)、呼制御部13は、中継ポート識別テーブル141の作成処理を終了する。
【0041】
(通話開始動作)
図9は、通話開始時における呼制御部13の接続経路の決定制御手順を示すフローチャートである。
【0042】
例えばIP電話端末T11から発信メッセージ(INVITEメッセージ)を受信すると、呼制御部13はIP電話端末T11のIPT番号に対応するデータを中継ポート識別テーブル141から読み出し(ステップST9a)、ポート転送の有無つまりルータRT2を越えたIP電話端末であるか否かの判断を行う(ステップST9b)。
【0043】
ここでは、ポート転送無しであるので、呼制御部13はIP電話端末T11についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9c)。IP電話端末T11の場合、NATルータを介在しないので、呼制御部13は「Local site」と決定し、「Local site」をIP電話端末T11のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9d)。
【0044】
一方、上記ステップST9bにおいて、例えばIP電話端末T41のようにルータRT2を越える場合に、呼制御部13はIP電話端末T41についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9e)。IP電話端末T41の場合、NATルータを介在しないので、呼制御部13は「Remote site」と決定し、「Remote site」をIP電話端末T41のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9f)。
【0045】
また、上記ステップST9eにおいて、例えばIP電話端末T21のようにNATルータRT3の配下にある場合に、呼制御部13は「Remote site w/NAT」と決定し、「Remote site w/NAT」をIP電話端末T21のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9g)。
【0046】
さらに、上記ステップST9cにおいて、例えばIP電話端末T12のようにNATルータRT1の配下にある場合に、呼制御部13は「Local site w/NAT」と決定し、「Local site w/NAT」をIP電話端末T12のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9h)。
【0047】
続いて、呼制御部13は着信先(接続先)となる例えばIP電話端末T12のIPT番号に対応するデータを中継ポート識別テーブル141から読み出し(ステップST9i)、ポート転送の有無つまりルータRT2を越えたIP電話端末であるか否かの判断を行う(ステップST9j)。
【0048】
ここでは、ポート転送無しであるので、呼制御部13はIP電話端末T12についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9k)。IP電話端末T12の場合、NATルータRT1を介在するので、呼制御部13は「Local site w/NAT」と決定し、「Local site w/NAT」をIP電話端末T12のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9l)。
【0049】
一方、上記ステップST9jにおいて、例えばIP電話端末T41のようにルータRT2を越える場合に、呼制御部13はIP電話端末T41についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9m)。IP電話端末T41の場合、NATルータを介在しないので、呼制御部13は「Remote site」と決定し、「Remote site」をIP電話端末T41のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9n)。
【0050】
また、上記ステップST9mにおいて、例えばIP電話端末T21のようにNATルータRT3の配下にある場合に、呼制御部13は「Remote site w/NAT」と決定し、「Remote site w/NAT」をIP電話端末T21のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9o)。
【0051】
さらに、上記ステップST9kにおいて、例えば着信先がLAN1上のIP電話端末である場合に、呼制御部13は「Local site」と決定し、「Local site」をLAN1上のIP電話端末のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9p)。
【0052】
図10は、通話開始時における呼制御部13の通信セッション制御手順を示すフローチャートである。
【0053】
呼制御部13は、発信側の接続経路と着信側の接続経路とを決定すると、メディア経路選択テーブル142を参照し、この参照結果に基づいて、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がLAN1上のIP電話端末である場合に、ピアツーピア接続を決定し(ステップST10b−1)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う(ステップST10c)。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はピアツーピア接続処理を実行する。
【0054】
一方、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がNATルータRT1配下のIP電話端末T12である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−2)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0055】
一方、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がIPネットワークNW上のIP電話端末T41である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−3)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0056】
一方、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がNATルータRT3配下のIP電話端末T21である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−4)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0057】
また、発信側が例えばIP電話端末T12で着信側がIP電話端末T11である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−5)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0058】
また、発信側が例えばIP電話端末T12で着信側がNATルータRT3配下のIP電話端末T21である場合に、呼制御部13は、メディア経路を「TYPE UNDEFINED」と決定し(ステップST10b−6)、中継ポート識別テーブル141から発信側の送信元IPアドレスと着信側の送信元IPアドレスとを読み出して比較し(ステップST10d)、送信元IPアドレスが一致するか否かの判断を行う(ステップST10e)。ここで、送信元IPアドレスが一致する場合(一致)、呼制御部13はピアツーピア接続処理を実行する(ステップST10f)。
【0059】
一方、送信元IPアドレスが一致する場合(不一致)、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する(ステップST10g)。
【0060】
なお、発信側が例えばIP電話端末T12で着信側がIP電話端末T41,T21である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定する(ステップST10b−7,ST10b−8)。
【0061】
また、発信側が例えばIP電話端末T41で着信側がIP電話端末T11,T12,T21である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定する(ステップST10b−9,ST10b−10,ST10b−12)。また、発信側が例えばIP電話端末T41で着信側がIPネットワークNW上のIP電話端末である場合に、呼制御部13は、ピアツーピア接続を決定する(ステップST10b−11)。
【0062】
さらに、発信側が例えばNATルータRT3配下のIP電話端末T22で着信側がIP電話端末T11,T12,T41である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定する(ステップST10b−13,ST10b−14,ST10b−15)。一方、発信側が例えばNATルータRT3配下のIP電話端末T22で着信側がNATルータRT4配下のIP電話端末T31である場合に、呼制御部13は、メディア経路を「TYPE UNDEFINED」と決定する(ステップST10b−16)。
【0063】
(MRS中継接続処理)
図11は、例えばIP電話端末T11,T21間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
例えばリモートオフィスに属するIP電話端末T21のユーザが、メインオフィスに属するIP電話端末T11への発信操作を行なったとする。そうするとIP電話端末T21からその発信メッセージ(INVITEメッセージ)がNATルータRT3、IPネットワークNW、ルータRT2、LAN1を介して呼制御サーバSVに送られる。
【0064】
呼制御サーバSVは、発信メッセージを受信すると、発信メッセージに含まれる発信側のIPT番号及び着信側のIPT番号に基づいて中継ポート識別テーブル141を参照し、この参照結果に基づいて、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」と決定する。そして、呼制御サーバSVは、着信側のIP電話端末T11に対して、MRS部12へ引き込み接続する情報を着信メッセージ(着側へのINVITEメッセージ)に乗せて通知する。
【0065】
そして、着信側のIP電話端末T11が応答し、その応答メッセージが呼制御サーバSVに返送されると、呼制御サーバSVはIP電話端末T11,T21間の通信セッション(メディア経路)をMRS部12への引き込みで形成する。
【0066】
ここで、IP電話端末T21にユーザの音声が入力されたとする。すると、IP電話端末T21は、図12(a)に示すように、ペイロード部に音声データ、送信先のIPアドレス、ポート番号及び送信元のIPアドレス、ポート番号を付加し、ヘッダ部に送信先のIPアドレス、ポート番号及び送信元のIPアドレス、ポート番号を付加したUDPパケットをNATルータRT3に送信する。
【0067】
NATルータRT3は、図12(b)に示すように、入力されたUDPパケットのヘッダ部にある送信元のIPアドレス、ポート番号を、NATルータRT3自身に割当られたIPアドレス、ポート番号に変換する。そして、IP電話端末T11に送信する。
【0068】
呼制御サーバSVのMRS部12は、IP電話端末T21からUDPパケットを受信すると、UDPパケットのヘッダ部に付加された送信元のIPアドレス及びポート番号情報を記憶し、この記憶したIPアドレス及びポート番号情報を用いてUDPパケットを返送するようにIP電話端末T11に指示する。
【0069】
すると、IP電話端末T11は、ユーザの音声が入力されると、指示されたIPアドレス及びポート番号情報をヘッダ部に付加したUDPパケットをIP電話端末T21に送出する。
【0070】
かくして、図12(c)に示すように、IP電話端末T11から送信されるUDPパケットは、NATルータRT3にて送信先IPアドレスとポート番号がIP電話端末T21のIPアドレス、ポート番号に変換されてIP電話端末T21に到達することになる。
【0071】
(ピアツーピア接続処理)
図13は、例えばIP電話端末T31,T32間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
例えばリモートオフィス(プライベートD)に属するIP電話端末T31のユーザが、同じリモートオフィス(プライベートD)に属するIP電話端末T32への発信操作を行なったとする。そうするとIP電話端末T31からその発信メッセージ(INVITEメッセージ)がNATルータRT3、IPネットワークNW、ルータRT2、LAN1を介して呼制御サーバSVに送られる。
【0072】
呼制御サーバSVは、発信メッセージを受信すると、発信メッセージに含まれる発信側のIPT番号及び着信側のIPT番号に基づいて中継ポート識別テーブル141を参照し、この参照結果に基づいて、ピアツーピア接続と決定する。そして、呼制御サーバSVは、着信側のIP電話端末T32に対して、ピアツーピア接続するための情報を着信メッセージ(着側へのINVITEメッセージ)に乗せて通知する。
【0073】
そして、着信側のIP電話端末T32が応答し、その応答メッセージが呼制御サーバSVに返送されると、呼制御サーバSVはIP電話端末T31,T32に対しピアツーピアで通信セッション(メディア経路)を形成するように指示する。
【0074】
以上のように上記実施形態では、呼制御サーバSVにおいて、記憶部14に対するIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41それぞれのIPT番号の登録要求時に、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41から通知されるUDPパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することでNATルータRT1,RT3,RT4によるアドレス変換の有無を判定し、この判定結果を送信元のIP電話端末のIPT番号及びIPアドレスに対応付けて中継ポート識別テーブル141に記録するようにしている。そして、通話開始時に、中継ポート識別テーブル141を参照して、この参照結果に基づいて、ピアツーピア接続、MRS部12を中継する接続のいずれか1つを実行するようにしている。
【0075】
従って、通話開始時のIP電話端末同士の接続経路をMRS部12へ引き込む通話か、ピアツーピア通話かの判別を中継ポート識別テーブル141に従い自動で行うことが可能になり、これにより音声遅延の防止や、呼制御サーバSVの処理負荷及びネットワーク負荷を軽減できる。
【0076】
さらに、上記実施形態では、LAN1上のIP電話端末の増減、変更、移設があった場合や、IPネットワークNW上のIP電話端末の増減、変更、移設があった場合に、中継ポート識別テーブル141を更新するテーブル更新部134を呼制御サーバSVに備えるようにしているので、IP電話端末を移設した場合などに呼制御サーバSVへの各種設定情報を登録し直す手間を無くすことができる。
【0077】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、UDPパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することでNATルータによるアドレス変換の有無を判定する例について説明したが、IP電話端末の登録時に、IP電話端末から通知される何らかの情報により、NATルータによるアドレス変換の有無を判定するものであってもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、NATルータによるアドレス変換の有無を判定する例について説明したが、ルータでポート転送されてきたか否かを判定することで、ピアツーピア接続とMRS中継接続とを振り分けるようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、SIPを用いてIP電話端末のIPT番号を呼制御サーバに登録する例について説明したが、例えばMEGACOを用いる場合であっても、実現できる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…LAN、11…IP制御部、12…MRS部、13…呼制御部、14…記憶部、15…データハイウェイ、131…NAT変換判定部、132…テーブル作成部、133…セッション制御部、134…テーブル更新部、141…中継ポート識別テーブル、142…メディア経路選択テーブル、143…通話開始情報テーブル、SV…呼制御サーバ、T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41…IP電話端末、RT1,RT3,RT4…NATルータ、RT2…ルータ、NW…IPネットワーク。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばインターネット等のグローバル網またはLAN(Local Area Network)等のプライベート網に接続される複数の電話端末間に通信セッションを確立させる電話交換装置と、この電話交換装置の制御方法と、電話交換装置及び電話端末を含めた電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP(Internet Protocol)網を介して、双方向に画像や音声をパケットデータとして、リアルタイムに送受信するIP電話システムが普及している。このIP電話システムでは、LAN(Local Area Network)等のプライベート網に複数のIP電話端末を収容するとともに、プライベート網をルータ装置を介して公衆網やインターネット等のグローバル網に接続し、IP電話端末相互間及びIP電話端末とグローバル網との間でマルチメディア情報通信を可能としている。
【0003】
ところで、上記システムでは、ルータ装置にNAT(Network Address Translator)機能を搭載している。NAT機能とは、通信用に予め割り当てられた一つのIPアドレスを用いて、IP電話端末に割り当てられたIPアドレスを通信用のIPアドレスに変換して送信元IPアドレスとして送出し、受信において供給されるルータ装置宛のIPアドレスをIP電話端末宛のIPアドレスに変換する機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−80236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記システムにおいては、電話交換装置としての呼制御サーバにMRS(Media Relay Server)機能を備え、グローバル網上のIP電話端末とプライベート網上のIP電話端末との間でMRS機能を中継してメディアセッションを確立するようにしている。この場合、全てのIP電話端末のUDP(User Datagram Protocol)パケットを呼制御サーバに引き込む必要が有り、音声遅延や、呼制御サーバの負荷、ネットワーク負荷が高くなってしまう。
【0006】
また、IP電話端末からの情報がルータ装置などで書き換えられて呼制御サーバへ届くため、自動での接続経路の判別ができず、例えば呼制御サーバによる交換処理を省略するピアツーピア接続を実現する場合には呼制御サーバへ各IP電話端末毎の情報設定が必要で、手間がかかってしまい、さらにIP電話端末の設置場所を移動すると、それにあわせ呼制御サーバの設定を変更する必要があった。
【0007】
本発明の目的は、通話開始時の電話端末同士の接続経路の判別を自動的に行い得る電話交換装置、この電話交換装置の制御方法、及び電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば電話交換装置は、プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置を対象とし、判定手段と、記憶部と、制御手段とを備える。判定手段は、電話端末からの登録要求時に、複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する。記憶部は、端末IDと、判定手段による判定結果と、IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する。制御手段は、記憶部に登録される管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係わるIP電話システムを示す概略構成図である。
【図2】実施形態の呼制御サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】上記図2に示した中継ポート識別テーブルの記憶内容の一例を示す図である。
【図4】上記図2に示したメディア経路選択テーブルの記憶内容の一例を示す図である。
【図5】上記図2に示した接続開始情報テーブルの記憶内容の一例を示す図である。
【図6】以前に行われていた通信接続の例を示す図である。
【図7】実施形態の呼制御サーバにおけるIP電話端末の登録制御手順を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の呼制御サーバの呼制御部における中継ポート識別テーブルのデータ書き込み制御手順を示すフローチャートである。
【図9】通話開始時における呼制御部の接続経路の決定制御手順を示すフローチャートである。
【図10】通話開始時における呼制御部の通信セッション制御手順を示すフローチャートである。
【図11】実施形態において、LANに接続されるIP電話端末とNATルータ配下のIP電話端末との間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
【図12】実施形態で取り扱うUDPパケットの構造図である。
【図13】実施形態において、NATルータ配下のIP電話端末間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係わるIP電話システムを示す概略構成図である。
このシステムは、例えばパブリックAに位置するメインオフィスにおいて、プライベート網としてのLAN(Local Area Network)1を有する。LAN1には、電話端末としてのIP電話端末T11、電話交換装置としての呼制御サーバSV、NATルータRT1及びルータRT2が接続されている。NATルータRT1には、IP電話端末T12が接続されている。そして、NATルータRT1は、IP電話端末T12から送出されるUDPパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスをNATルータRT1に割り当てられたIPアドレスに変換し、受信したUDPパケットのヘッダ部に含まれNATルータRT1宛のIPアドレスをIP電話端末T12のIPアドレスに変換する機能を備えている。
【0012】
また、IP電話端末T11,T12は、通話処理機能とメディア情報処理機能とを備えた端末である。
【0013】
ルータRT2は、LAN1とグローバル網としてのIPネットワークNWとの間を接続する。IPネットワークNWにはパブリックBに位置するNATルータRT3、パブリックCに位置するNATルータRT4、及びパブリックCに位置するIP電話端末T41が接続されている。NATルータRT3には、IP電話端末T21,T22が接続される。また、NATルータRT4には、IP電話端末T31,T32が接続される。IP電話端末T21,T22,T31,T32,T41は、通話処理機能とメディア情報処理機能とを備えた端末である。
【0014】
呼制御サーバSVは、IP電話機T11,T12間またはIP電話端末T11,T12とIPネットワークNW上のIP電話端末T21,T22,T31,T32,T41との間で、例えばSIPに従ってセッションを確立する交換制御機能を備える。そして、セッション確立後は、発信側と着信側の電話端末間でピアツーピア接続、または呼制御サーバSV内のメディア情報処理機能を用いたMRS中継による接続でUDPパケットを送受信することで、音声通信を行なう。なお、MRS中継を行うためのメディア情報処理機能は、呼制御サーバSV内のメディア情報処理機能に限らず、LAN1またはIPネットワークNWに接続された別サーバのメディア情報処理機能を用いたMRS中継であってもよい。
【0015】
ところで、上記呼制御サーバSVは、本実施形態に係わる機能として次のような機能を有している。図2はその構成を示すブロック図である。
【0016】
すなわち、呼制御サーバSVは、IP制御部11と、MRS部12と、呼制御部13と、記憶部14とを備えている。これらIP制御部11と、MRS部12と、呼制御部13と、記憶部14は、データハイウェイ15を介して互いに接続されている。
【0017】
IP制御部11には、LAN1が必要に応じて接続される。IP制御部11は、接続されたLAN1との間でインタフェース処理を行う。また、IP制御部11は、上記インタフェース処理に係わる種々の制御情報の授受を、データハイウェイ15を介して呼制御部13との間で行う。
【0018】
MRS部12は、LAN1上のIP電話端末T11とIPネットワークNW上のIP電話端末T21,T22,T31,T32,T41との間のようにルータRT2が介在してポート転送が行われるために、ピアツーピア接続ができない状況でも通信セッションを確立するもので、IP制御部11で受信した制御メッセージ及びUDPパケットを処理する。ここで、UDPパケットを処理する場合、UDPパケットのヘッダ部に付加された送信元のIPアドレス及びポート番号情報を記憶し、この記憶したIPアドレス及びポート番号情報を用いてUDPパケットを返送するように通話相手のIP電話端末に指示する。
【0019】
呼制御部13は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、ソフトウェア処理により呼制御サーバSVの各部の制御を行う。
【0020】
記憶部14は、呼制御部13の接続制御に必要なルーティング情報等を格納している。ルーティング情報は、登録されるIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41に予め割り当てられる端末IDと、可変ネットワークアドレスとしてのIPアドレスとを対応付けた情報である。また、記憶部14には、中継ポート識別テーブル141と、メディア経路選択テーブル142と、通話開始情報テーブル143とが設けられている。
【0021】
中継ポート識別テーブル141は、登録されるIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の接続経路を管理するためのテーブルで、図3に示すように、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41に予め割り当てられてある端末IDとしてのIPTの番号と、NAT変換の有無を示す情報と、送信元IPアドレスとの対応関係を表すテーブルが記憶されている。
【0022】
メディア経路選択テーブル142は、図4に示すように、発信側(接続元)のIP電話端末の接続経路と、着信側(接続先)のIP電話端末の接続経路との組み合わせにより、ピアツーピア接続かMRS接続かを判別するためのテーブルである。
【0023】
通話開始情報テーブル143は、図5に示すように、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41間の通話接続状態を示す情報が記憶されている。
【0024】
一方、呼制御部13は、NAT変換判定部131と、テーブル作成部132と、セッション制御部133と、テーブル更新部134とを備えている。
【0025】
NAT変換判定部131は、それぞれのIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41からの端末ID等を登録するための登録要求時に、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41により通知される制御パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することで、NATルータによるアドレス変換有りか否かを判定する。ここでは、送信元IPアドレスが一致する場合に、「NAT変換無し」と判定し、一致しない場合に、「NAT変換有り」と判定する。
【0026】
テーブル作成部132は、端末IDとしてのIPTの番号と、上記NAT変換判定部131による判定結果と、IPアドレスとを対応付けた中継ポート識別テーブル141を作成して記憶部14に記憶する。
【0027】
セッション制御部133は、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41における通話開始時に、中継ポート識別テーブル141の記憶内容に基づいて、ピアツーピアによる通信接続、MRS部12に通信パスを引き込む通信接続のいずれか1つを実行する。このとき、通話開始情報テーブル143によりIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41のセッション状態を検索し、セッション制御を行う。例えば、これから通話を開始するような場合、例えばIP電話端末T11,T12はセッションが開始されていないため、セッション制御部133はIP電話端末T11,T12のセッションを開始するように制御する。そして、セッション制御部133は、IP電話端末T11,T12のセッションが確立すると、IP電話端末T11,T12が「通話中」である旨を示す情報を通話開始情報テーブル143に記憶する。
【0028】
テーブル更新部134は、例えばIP電話端末T11をLAN1から取り外して、リモートオフィス(プライベートD)のLANに移設した場合に、プリベートDのLANに移設されたIP電話端末からの登録要求に基づいて、中継ポート識別テーブル141の記憶内容の更新を行う。また、LAN1にIP電話端末を増設した場合や削除した場合、IP電話端末の種類を変更した場合にも中継ポート識別テーブル141の記憶内容の更新を行う。
【0029】
次に、上記構成による動作について説明する。
以前は、図6に示すように、NATルータの下に収容され、あるいは、LAN1に設置された呼制御サーバSVにVPN(Virtual Private Network)を使用せずにIPネットワークNW側から収容されたIP電話端末との間を呼制御サーバSVのMRS部12を介して接続し通話を行う形態であった。
【0030】
この形態では、全てのIP電話端末から送出されるUDPパケットを呼制御サーバSVに引き込む必要が有り、音声遅延や、呼制御サーバSVの負荷、メインオフィスのネットワーク負荷が高くなってしまう。
【0031】
そこで、本実施形態では、呼制御サーバSVに対するIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の登録時に、NATルータで書き換えできないペイロード部の情報を利用して、NAT越えの有無、送信元IPアドレスを記録する中継ポート識別テーブル141を作成して、通話開始時のIP電話端末同士の接続経路をMRS部12への引き込む通話か、ピアツーピア通話かの判別を自動で行えるようにした。
【0032】
(端末登録動作)
図7は、呼制御サーバSVにおけるIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の登録要求の制御手順を示すフローチャートである。ここでは、SIPの場合を例として説明する。
【0033】
SIPの場合、各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41から呼制御サーバSVに対し登録要求を行うため、一定周期でREGISTERメッセージが送信される。REGISTERメッセージを受信した呼制御サーバSVは、各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41のIPT番号を中継ポート識別テーブル141に登録する。なお、例えばIP電話端末T41が一定周期でREGISTERメッセージを送信しない場合には、呼制御サーバSVはIP電話端末T41が存在しない(または電源OFFとなった)ものと認識し、これによりIP電話端末T41は通信できないものとなる。
【0034】
例えばIP電話端末T11からREGISTERメッセージを受信したとする(ステップST7a)。そうすると呼制御サーバSVは、中継ポート識別テーブル141へのREGISTER処理を行い、REGISTERがOKであれば、IP電話端末T11にACKを返送する(ステップST7b)。
【0035】
さらに、呼制御サーバSVは、IP電話端末T11の能力を問い合わせるためにOPTIONSをREGISTERしたIP電話端末T11に送信する(ステップST7c)。そうすると呼制御サーバSVは、OPTIONSに対する応答を受信し(ステップST7d)、この応答メッセージの中のSDPのコーデック情報を取り出して記憶部14に記憶するとともに、NAT変換の有無の判定処理を実行する(ステップST7e)。
【0036】
図8は、呼制御サーバSVの呼制御部13における中継ポート識別テーブル141のデータ書き込み制御手順を示すフローチャートである。
【0037】
まず、呼制御部13は、各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41からのREGISTERメッセージの受信待ちとなり(ステップST8a)、REGISTERメッセージを受信した場合に(登録有り)、例えばREGISTERしたIP電話端末T11に対しOPTIONSを送信する。そして、OPTIONSに対する応答メッセージのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することで、NAT変換の有無の判定を行なう(ステップST8b)。
【0038】
ここで、送信元IPアドレスが一致しない場合、呼制御部13はIP電話端末T11のIPT番号に対応付けて「NAT変換有り」を中継ポート識別テーブル141に書き込み(ステップST8c)、さらにIP電話端末T11のIPT番号に対応付けて送信元IPアドレスを中継ポート識別テーブル141に書き込む(ステップST8d)。
【0039】
一方、上記ステップST8bにおいて、送信元IPアドレスが一致する場合、呼制御部13はIP電話端末T11のIPT番号に対応付けて「NAT変換無し」を中継ポート識別テーブル141に書き込む(ステップST8e)。
【0040】
そして、呼制御部13は、中継ポート識別テーブル141への各IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41の登録が完了するか否かを判断し(ステップST8f)、完了するまで上記ステップST8a乃至上記ステップST8fの処理を繰り返し実行する。ここで、完了した場合(Yes)、呼制御部13は、中継ポート識別テーブル141の作成処理を終了する。
【0041】
(通話開始動作)
図9は、通話開始時における呼制御部13の接続経路の決定制御手順を示すフローチャートである。
【0042】
例えばIP電話端末T11から発信メッセージ(INVITEメッセージ)を受信すると、呼制御部13はIP電話端末T11のIPT番号に対応するデータを中継ポート識別テーブル141から読み出し(ステップST9a)、ポート転送の有無つまりルータRT2を越えたIP電話端末であるか否かの判断を行う(ステップST9b)。
【0043】
ここでは、ポート転送無しであるので、呼制御部13はIP電話端末T11についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9c)。IP電話端末T11の場合、NATルータを介在しないので、呼制御部13は「Local site」と決定し、「Local site」をIP電話端末T11のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9d)。
【0044】
一方、上記ステップST9bにおいて、例えばIP電話端末T41のようにルータRT2を越える場合に、呼制御部13はIP電話端末T41についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9e)。IP電話端末T41の場合、NATルータを介在しないので、呼制御部13は「Remote site」と決定し、「Remote site」をIP電話端末T41のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9f)。
【0045】
また、上記ステップST9eにおいて、例えばIP電話端末T21のようにNATルータRT3の配下にある場合に、呼制御部13は「Remote site w/NAT」と決定し、「Remote site w/NAT」をIP電話端末T21のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9g)。
【0046】
さらに、上記ステップST9cにおいて、例えばIP電話端末T12のようにNATルータRT1の配下にある場合に、呼制御部13は「Local site w/NAT」と決定し、「Local site w/NAT」をIP電話端末T12のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9h)。
【0047】
続いて、呼制御部13は着信先(接続先)となる例えばIP電話端末T12のIPT番号に対応するデータを中継ポート識別テーブル141から読み出し(ステップST9i)、ポート転送の有無つまりルータRT2を越えたIP電話端末であるか否かの判断を行う(ステップST9j)。
【0048】
ここでは、ポート転送無しであるので、呼制御部13はIP電話端末T12についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9k)。IP電話端末T12の場合、NATルータRT1を介在するので、呼制御部13は「Local site w/NAT」と決定し、「Local site w/NAT」をIP電話端末T12のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9l)。
【0049】
一方、上記ステップST9jにおいて、例えばIP電話端末T41のようにルータRT2を越える場合に、呼制御部13はIP電話端末T41についてのNAT変換の有無の判定を行なう(ステップST9m)。IP電話端末T41の場合、NATルータを介在しないので、呼制御部13は「Remote site」と決定し、「Remote site」をIP電話端末T41のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9n)。
【0050】
また、上記ステップST9mにおいて、例えばIP電話端末T21のようにNATルータRT3の配下にある場合に、呼制御部13は「Remote site w/NAT」と決定し、「Remote site w/NAT」をIP電話端末T21のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9o)。
【0051】
さらに、上記ステップST9kにおいて、例えば着信先がLAN1上のIP電話端末である場合に、呼制御部13は「Local site」と決定し、「Local site」をLAN1上のIP電話端末のIPT番号と共に通話開始情報テーブル143に登録する(ステップST9p)。
【0052】
図10は、通話開始時における呼制御部13の通信セッション制御手順を示すフローチャートである。
【0053】
呼制御部13は、発信側の接続経路と着信側の接続経路とを決定すると、メディア経路選択テーブル142を参照し、この参照結果に基づいて、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がLAN1上のIP電話端末である場合に、ピアツーピア接続を決定し(ステップST10b−1)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う(ステップST10c)。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はピアツーピア接続処理を実行する。
【0054】
一方、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がNATルータRT1配下のIP電話端末T12である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−2)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0055】
一方、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がIPネットワークNW上のIP電話端末T41である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−3)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0056】
一方、発信側が例えばIP電話端末T11で着信側がNATルータRT3配下のIP電話端末T21である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−4)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0057】
また、発信側が例えばIP電話端末T12で着信側がIP電話端末T11である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定し(ステップST10b−5)、続いてメディア経路が「TYPE UNDEFINED」であるか否かの判断を行う。ここでは、「TYPE UNDEFINED」でないので、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する。
【0058】
また、発信側が例えばIP電話端末T12で着信側がNATルータRT3配下のIP電話端末T21である場合に、呼制御部13は、メディア経路を「TYPE UNDEFINED」と決定し(ステップST10b−6)、中継ポート識別テーブル141から発信側の送信元IPアドレスと着信側の送信元IPアドレスとを読み出して比較し(ステップST10d)、送信元IPアドレスが一致するか否かの判断を行う(ステップST10e)。ここで、送信元IPアドレスが一致する場合(一致)、呼制御部13はピアツーピア接続処理を実行する(ステップST10f)。
【0059】
一方、送信元IPアドレスが一致する場合(不一致)、呼制御部13はMRS中継による接続処理を実行する(ステップST10g)。
【0060】
なお、発信側が例えばIP電話端末T12で着信側がIP電話端末T41,T21である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定する(ステップST10b−7,ST10b−8)。
【0061】
また、発信側が例えばIP電話端末T41で着信側がIP電話端末T11,T12,T21である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定する(ステップST10b−9,ST10b−10,ST10b−12)。また、発信側が例えばIP電話端末T41で着信側がIPネットワークNW上のIP電話端末である場合に、呼制御部13は、ピアツーピア接続を決定する(ステップST10b−11)。
【0062】
さらに、発信側が例えばNATルータRT3配下のIP電話端末T22で着信側がIP電話端末T11,T12,T41である場合に、呼制御部13は、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」を決定する(ステップST10b−13,ST10b−14,ST10b−15)。一方、発信側が例えばNATルータRT3配下のIP電話端末T22で着信側がNATルータRT4配下のIP電話端末T31である場合に、呼制御部13は、メディア経路を「TYPE UNDEFINED」と決定する(ステップST10b−16)。
【0063】
(MRS中継接続処理)
図11は、例えばIP電話端末T11,T21間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
例えばリモートオフィスに属するIP電話端末T21のユーザが、メインオフィスに属するIP電話端末T11への発信操作を行なったとする。そうするとIP電話端末T21からその発信メッセージ(INVITEメッセージ)がNATルータRT3、IPネットワークNW、ルータRT2、LAN1を介して呼制御サーバSVに送られる。
【0064】
呼制御サーバSVは、発信メッセージを受信すると、発信メッセージに含まれる発信側のIPT番号及び着信側のIPT番号に基づいて中継ポート識別テーブル141を参照し、この参照結果に基づいて、MRS部12中継による接続「TYPE MRS」と決定する。そして、呼制御サーバSVは、着信側のIP電話端末T11に対して、MRS部12へ引き込み接続する情報を着信メッセージ(着側へのINVITEメッセージ)に乗せて通知する。
【0065】
そして、着信側のIP電話端末T11が応答し、その応答メッセージが呼制御サーバSVに返送されると、呼制御サーバSVはIP電話端末T11,T21間の通信セッション(メディア経路)をMRS部12への引き込みで形成する。
【0066】
ここで、IP電話端末T21にユーザの音声が入力されたとする。すると、IP電話端末T21は、図12(a)に示すように、ペイロード部に音声データ、送信先のIPアドレス、ポート番号及び送信元のIPアドレス、ポート番号を付加し、ヘッダ部に送信先のIPアドレス、ポート番号及び送信元のIPアドレス、ポート番号を付加したUDPパケットをNATルータRT3に送信する。
【0067】
NATルータRT3は、図12(b)に示すように、入力されたUDPパケットのヘッダ部にある送信元のIPアドレス、ポート番号を、NATルータRT3自身に割当られたIPアドレス、ポート番号に変換する。そして、IP電話端末T11に送信する。
【0068】
呼制御サーバSVのMRS部12は、IP電話端末T21からUDPパケットを受信すると、UDPパケットのヘッダ部に付加された送信元のIPアドレス及びポート番号情報を記憶し、この記憶したIPアドレス及びポート番号情報を用いてUDPパケットを返送するようにIP電話端末T11に指示する。
【0069】
すると、IP電話端末T11は、ユーザの音声が入力されると、指示されたIPアドレス及びポート番号情報をヘッダ部に付加したUDPパケットをIP電話端末T21に送出する。
【0070】
かくして、図12(c)に示すように、IP電話端末T11から送信されるUDPパケットは、NATルータRT3にて送信先IPアドレスとポート番号がIP電話端末T21のIPアドレス、ポート番号に変換されてIP電話端末T21に到達することになる。
【0071】
(ピアツーピア接続処理)
図13は、例えばIP電話端末T31,T32間で通話を行う際のネゴシエーションを示すシーケンス図である。
例えばリモートオフィス(プライベートD)に属するIP電話端末T31のユーザが、同じリモートオフィス(プライベートD)に属するIP電話端末T32への発信操作を行なったとする。そうするとIP電話端末T31からその発信メッセージ(INVITEメッセージ)がNATルータRT3、IPネットワークNW、ルータRT2、LAN1を介して呼制御サーバSVに送られる。
【0072】
呼制御サーバSVは、発信メッセージを受信すると、発信メッセージに含まれる発信側のIPT番号及び着信側のIPT番号に基づいて中継ポート識別テーブル141を参照し、この参照結果に基づいて、ピアツーピア接続と決定する。そして、呼制御サーバSVは、着信側のIP電話端末T32に対して、ピアツーピア接続するための情報を着信メッセージ(着側へのINVITEメッセージ)に乗せて通知する。
【0073】
そして、着信側のIP電話端末T32が応答し、その応答メッセージが呼制御サーバSVに返送されると、呼制御サーバSVはIP電話端末T31,T32に対しピアツーピアで通信セッション(メディア経路)を形成するように指示する。
【0074】
以上のように上記実施形態では、呼制御サーバSVにおいて、記憶部14に対するIP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41それぞれのIPT番号の登録要求時に、IP電話端末T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41から通知されるUDPパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することでNATルータRT1,RT3,RT4によるアドレス変換の有無を判定し、この判定結果を送信元のIP電話端末のIPT番号及びIPアドレスに対応付けて中継ポート識別テーブル141に記録するようにしている。そして、通話開始時に、中継ポート識別テーブル141を参照して、この参照結果に基づいて、ピアツーピア接続、MRS部12を中継する接続のいずれか1つを実行するようにしている。
【0075】
従って、通話開始時のIP電話端末同士の接続経路をMRS部12へ引き込む通話か、ピアツーピア通話かの判別を中継ポート識別テーブル141に従い自動で行うことが可能になり、これにより音声遅延の防止や、呼制御サーバSVの処理負荷及びネットワーク負荷を軽減できる。
【0076】
さらに、上記実施形態では、LAN1上のIP電話端末の増減、変更、移設があった場合や、IPネットワークNW上のIP電話端末の増減、変更、移設があった場合に、中継ポート識別テーブル141を更新するテーブル更新部134を呼制御サーバSVに備えるようにしているので、IP電話端末を移設した場合などに呼制御サーバSVへの各種設定情報を登録し直す手間を無くすことができる。
【0077】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、UDPパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較することでNATルータによるアドレス変換の有無を判定する例について説明したが、IP電話端末の登録時に、IP電話端末から通知される何らかの情報により、NATルータによるアドレス変換の有無を判定するものであってもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、NATルータによるアドレス変換の有無を判定する例について説明したが、ルータでポート転送されてきたか否かを判定することで、ピアツーピア接続とMRS中継接続とを振り分けるようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、SIPを用いてIP電話端末のIPT番号を呼制御サーバに登録する例について説明したが、例えばMEGACOを用いる場合であっても、実現できる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…LAN、11…IP制御部、12…MRS部、13…呼制御部、14…記憶部、15…データハイウェイ、131…NAT変換判定部、132…テーブル作成部、133…セッション制御部、134…テーブル更新部、141…中継ポート識別テーブル、142…メディア経路選択テーブル、143…通話開始情報テーブル、SV…呼制御サーバ、T11,T12,T21,T22,T31,T32,T41…IP電話端末、RT1,RT3,RT4…NATルータ、RT2…ルータ、NW…IPネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置において、
電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する判定手段と、
前記端末IDと、前記判定手段による判定結果と、前記IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する記憶部と、
前記記憶部に登録される前記管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する制御手段とを具備する電話交換装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記電話端末からの登録要求時に受信した通信パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較し、一致する場合に、アドレス変換無しと判定し、一致しない場合に、アドレス変換有りと判定する請求項1記載の電話交換装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記プライベート網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記グローバル網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致する場合に、前記第1処理を実行する請求項2記載の電話交換装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記第1の電話端末が前記プライベート網に接続され、前記第2の電話端末が前記グローバル網に接続される場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致しない場合に、前記第2処理を実行する請求項2記載の電話交換装置。
【請求項5】
さらに、前記プライベート網または前記グローバル網上の電話端末の増減、変更、移設があった場合に、前記管理テーブルを更新する更新手段を備える請求項1記載の電話交換装置。
【請求項6】
プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置で使用される制御方法において、
電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータで転送されたか否かを判定し、
端末IDと、前記判定結果と、前記IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを作成し記憶部に記憶し、
前記記憶部に登録された前記管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する電話交換装置の制御方法。
【請求項7】
前記判定することは、前記電話端末からの登録要求時に受信した通信パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較し、一致する場合に、アドレス変換無しと判定し、一致しない場合に、アドレス変換有りと判定する請求項6記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項8】
前記実行することは、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記プライベート網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記グローバル網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致する場合に、前記第1処理を実行する請求項7記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項9】
前記実行することは、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記第1の電話端末が前記プライベート網に接続され、前記第2の電話端末が前記グローバル網に接続される場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致しない場合に、前記第2処理を実行する請求項7記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項10】
さらに、前記プライベート網または前記グローバル網上の電話端末の増減、変更、移設があった場合に、前記管理テーブルを更新する請求項6記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項11】
プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末と、これら複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置とを備え、
前記電話交換装置は、
電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する判定手段と、
前記端末IDと、前記判定手段による判定結果と、前記IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する記憶部と、
前記記憶部に登録される前記管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する制御手段とを具備する電話システム。
【請求項12】
前記判定手段は、前記電話端末からの登録要求時に受信した通信パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較し、一致する場合に、アドレス変換無しと判定し、一致しない場合に、アドレス変換有りと判定する請求項11記載の電話システム。
【請求項13】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記プライベート網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記グローバル網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致する場合に、前記第1処理を実行する請求項12記載の電話システム。
【請求項14】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記第1の電話端末が前記プライベート網に接続され、前記第2の電話端末が前記グローバル網に接続される場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致しない場合に、前記第2処理を実行する請求項12記載の電話システム。
【請求項15】
さらに、前記プライベート網または前記グローバル網上の電話端末の増減、変更、移設があった場合に、前記管理テーブルを更新する更新手段を備える請求項11記載の電話システム。
【請求項1】
プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置において、
電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する判定手段と、
前記端末IDと、前記判定手段による判定結果と、前記IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する記憶部と、
前記記憶部に登録される前記管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する制御手段とを具備する電話交換装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記電話端末からの登録要求時に受信した通信パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較し、一致する場合に、アドレス変換無しと判定し、一致しない場合に、アドレス変換有りと判定する請求項1記載の電話交換装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記プライベート網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記グローバル網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致する場合に、前記第1処理を実行する請求項2記載の電話交換装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記第1の電話端末が前記プライベート網に接続され、前記第2の電話端末が前記グローバル網に接続される場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致しない場合に、前記第2処理を実行する請求項2記載の電話交換装置。
【請求項5】
さらに、前記プライベート網または前記グローバル網上の電話端末の増減、変更、移設があった場合に、前記管理テーブルを更新する更新手段を備える請求項1記載の電話交換装置。
【請求項6】
プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置で使用される制御方法において、
電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータで転送されたか否かを判定し、
端末IDと、前記判定結果と、前記IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを作成し記憶部に記憶し、
前記記憶部に登録された前記管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する電話交換装置の制御方法。
【請求項7】
前記判定することは、前記電話端末からの登録要求時に受信した通信パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較し、一致する場合に、アドレス変換無しと判定し、一致しない場合に、アドレス変換有りと判定する請求項6記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項8】
前記実行することは、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記プライベート網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記グローバル網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致する場合に、前記第1処理を実行する請求項7記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項9】
前記実行することは、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記第1の電話端末が前記プライベート網に接続され、前記第2の電話端末が前記グローバル網に接続される場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致しない場合に、前記第2処理を実行する請求項7記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項10】
さらに、前記プライベート網または前記グローバル網上の電話端末の増減、変更、移設があった場合に、前記管理テーブルを更新する請求項6記載の電話交換装置の制御方法。
【請求項11】
プライベート網またはグローバル網を介して接続可能な複数の電話端末と、これら複数の電話端末間の通信セッションを確立させる電話交換装置とを備え、
前記電話交換装置は、
電話端末からの登録要求時に、前記複数の電話端末により通知される情報から、IPアドレスがルータを介して転送されたか否かを判定する判定手段と、
前記端末IDと、前記判定手段による判定結果と、前記IPアドレスとを対応付けた管理テーブルを記憶する記憶部と、
前記記憶部に登録される前記管理テーブルを参照し、この参照結果に基づいて、第1の電話端末と第2の電話端末との間の接続をピアツーピアにより通信接続する第1処理、中継機能を用いて中継する第2処理のいずれか1つを実行する制御手段とを具備する電話システム。
【請求項12】
前記判定手段は、前記電話端末からの登録要求時に受信した通信パケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレスとペイロード部に含まれる送信元IPアドレスとを比較し、一致する場合に、アドレス変換無しと判定し、一致しない場合に、アドレス変換有りと判定する請求項11記載の電話システム。
【請求項13】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記プライベート網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記グローバル網に第1及び第2の電話端末が接続されかつ前記アドレス変換なしの場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致する場合に、前記第1処理を実行する請求項12記載の電話システム。
【請求項14】
前記制御手段は、前記管理テーブルの参照結果に基づいて、前記第1の電話端末が前記プライベート網に接続され、前記第2の電話端末が前記グローバル網に接続される場合、前記アドレス変換有りで前記第1及び第2の電話端末それぞれの通信パケットのヘッダに含まれる送信元IPアドレスが一致しない場合に、前記第2処理を実行する請求項12記載の電話システム。
【請求項15】
さらに、前記プライベート網または前記グローバル網上の電話端末の増減、変更、移設があった場合に、前記管理テーブルを更新する更新手段を備える請求項11記載の電話システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−109735(P2012−109735A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256104(P2010−256104)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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