説明

電話機およびその操作案内方法

【課題】電話機の操作性を向上するための電話機およびその操作案内方法を提供することを目的とする。
【解決手段】入力操作をするキーを複数有するキー部1と、入力操作されたキーを特定し入力判断を行うキー検知手段5と、キーのそれぞれを照明する複数のLEDを有するLED部2と、LEDのそれぞれを点灯制御するLED制御手段7と、入力判断に対応する操作ガイダンスを記憶する電話機メモリ部4と、電話機全体を制御する電話機処理手段5とを有し、操作ガイダンスに基づいてLED制御手段7により操作可能なキーの点灯制御をして操作ガイダンスをすることを特徴とする電話機およびその操作案内方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機において設定の操作性を向上させるための操作ガイダンス方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電話機では大型のLCDを用いて、操作ガイドとして入力可能なキーを表示したり、入力可能なナビキーの矢印を表示するなどしている。しかしながら、表示可能文字数の少ないLCDしか持たない電話機や、LCDを持たない電話機では、その端末の設定操作を表示することができず、どのキーを押せば良いのか分かり難い。
【0003】
電話機ではないが情報提供端末の操作案内方法が(特許文献1)に記載されている。
【特許文献1】特開2003−84879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、液晶を持たない電話機、または表示可能文字数が少ない液晶しか持たない電話機において操作ガイダンスを使用者に対し表示できないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、入力インターフェースであるキー部と、各キーに割り当てられたLED部と、LEDの点灯を制御する制御部を有する電話機において、操作ガイダンス情報に基づき操作可能な各キーに取り付けられたLEDを制御部により点灯・消灯制御させることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電話機の操作ガイダンス方法は、設定時の操作性を向上させるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、液晶により操作ガイダンスを十分に表示できない電話機において、各キーにLEDを付加し操作ガイダンスに合わせて操作に必要なキーのLEDを点灯させることにより、操作性を向上させるということを目的とする。
【0008】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、入力操作をするキーを複数有するキー部と、入力操作されたキーを特定し入力判断を行うキー検知手段と、キーのそれぞれを照明する複数のLEDを有するLED部と、LEDのそれぞれを点灯制御するLED制御手段と、入力判断に対応する操作案内情報を記憶する電話機メモリ部と、電話機全体を制御する電話機処理手段とを有し、操作案内情報に基づいてLED制御手段により操作可能なキーの点灯制御をして操作案内をすることを特徴とする電話機である。
【0009】
特に、電話機は交換機との通信を行う電話機通信部を有し、交換機は電話機との通信を行う交換機通信部と操作案内情報を記憶する交換機メモリ部と交換機全体を制御する交換機処理手段とを有し、電話機処理手段は交換機処理手段に対して操作案内情報を参照し、交換機メモリ部から電話機処理手段へ操作案内情報を送信することにより、交換機の設定のための操作案内をすることを特徴とする電話機である。
【0010】
また、第2の発明は、入力操作をするキーを複数有するキー部と、入力操作されたキーを特定し入力判断を行うキー検知手段と、キーのそれぞれを照明する複数のLEDを有するLED部と、LEDのそれぞれを点灯制御するLED制御手段と、入力判断に対応する操作案内情報を記憶する電話機メモリ部とを有する電話機の操作案内方法であって、キー部に入力操作が行われると、キー検知手段により入力操作されたキーを特定するキー検知ステップと、電話機メモリ部を参照して入力操作されたキーに対応する電話機の状態情報と受付可能なキーを照明する点灯パターン情報とを入手するメモリ参照ステップと、点灯パターン情報に基づいてLED制御手段を制御し点灯制御する操作案内ステップとを有することを特徴とする電話機の操作案内方法である。
【0011】
特に、電話機は交換機との通信を行う電話機通信部を有し、交換機は電話機との通信を行う交換機通信部と操作案内情報を記憶する交換機メモリ部と交換機全体を制御する交換機処理手段とを有し、電話機処理手段は交換機処理手段に対して操作案内情報を参照する交換機参照ステップと、交換機メモリ部から電話機処理手段へ操作案内情報を送信する案内情報送信ステップとを有し、交換機の設定のための操作案内をすることを特徴とする電話機の操作案内方法である。
【0012】
これらの特徴により、操作時に有効なキーに取り付けられたLEDを点灯させることにより操作性の向上を図ることができるという効果を有するものである。
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、各図に基づいて説明する。図1は実施の形態1における電話機のLED点灯選択実現のためのブロック図である。実施の形態1の電話機は、図1のようにキー部1と、キー部の各キーそれぞれに1対1で対応するLED部2と、キー入力判定およびLED点灯制御および処理を行う制御部3と、操作ガイダンス情報(操作案内情報)を持つ電話機メモリ部4を備え、制御部3はキー入力判定を行うキー検知手段5と、LEDの点灯および消灯を制御するLED制御手段7と、電話機全体を制御する電話機処理手段6を備えている。
【0014】
図2は図1の電話機メモリ部の操作ガイダンス情報を示す図であって、前記電話機メモリ部4に含まれる操作ガイダンス情報である。操作ガイダンス(操作案内)の実現のために、取り得るすべての状態に状態番号を割り振る。各状態における状態番号と受付可能なキーに対応するLEDを点灯させるように設定された点灯パターンを格納したLED点灯パターンテーブル8を有する。キーが押されたとき現在の状態番号と次に遷移する先の状態の状態番号とを格納した状態遷移テーブル9を有する。最新の状態を示す状態番号を格納する状態レジスタ10をさらに有し、状態遷移テーブルは各キー毎にそれぞれ準備されている。
【0015】
特定のキー、または特定の操作により(キー検知ステップ)電話機が設定モードに入ると、電話機処理手段6は電話機メモリ部4から状態レジスタ10を初期化し、LED点灯パターンテーブル8から初期化された状態番号に該当するLED部2の点灯パターン情報を入手する(メモリ参照ステップ)。次に電話機処理手段6はLED制御手段7を制御し、入手した点灯パターン情報をもとに該当するLEDを点灯し、受付可能なキーを照明表示する(操作案内ステップ)。
【0016】
この段階でキー部1が押下されると、キー検知手段5が押されたキーを検知し(キー検知ステップ)、電話機処理手段6にその情報を送信する。キーが押下されたことを受信した電話機処理手段6は電話機メモリ部4から押下されたキーに対応する状態遷移テーブル9を参照し、状態レジスタ10に遷移先の状態番号を書き込む。続けて電話機処理手段6は状態レジスタ10の状態番号に該当するLED部2の点灯パターンをLED点灯パターンテーブル8から読み込み(メモリ参照ステップ)、LED制御手段7を制御して、新たなLEDの点灯パターンに変更し、遷移した状態での受付可能なキーを照明表示する(操作案内ステップ)。
【0017】
図3は図1のLEDによる操作ガイダンスの遷移図であって、LEDの点灯パターンの変化の例を示す。設定モードに入った電話機は初期化された状態1となり、LED点灯パターンテーブル8の状態1の点灯パターン情報をもとにLED2a、2b、2c、2jを点灯させる。ここでキー1bが押下されると、キー1bに対応した図2の状態遷移テーブル9bをもとに状態レジスタ10を状態1から状態2に変化させる。さらに図2のLED点灯パターンテーブル8を参照し、図2の状態レジスタ10の新しい状態番号である状態2に対応するLED点灯パターンを読み込み、LED2b、2d、2e、2f、2hのみを点灯するように点灯パターンを変化させる。
【0018】
この段階で、キー1bが押下されると、キー1bに対応した図2の状態遷移テーブル9bをもとに図2の状態レジスタ10を状態2から状態3に変化させる。さらに図2のLED点灯パターンテーブル8を参照し、図2の状態レジスタ10の新しい状態番号である状態3に対応するLED点灯パターンを読み込み、LED2g、2i、2jのみを点灯するように点灯パターンを変化させる。
【0019】
受付不可のキーに対しては状態を維持する状態遷移テーブルを用意することで、状態3でキー1bが押下されても図2の状態遷移テーブル9bを参照し、状態3を維持し、LEDの点灯パターンを変化させないことができる。逆に状態3で受付可能なキー1iが押下されれば図2の状態遷移テーブル9iを参照し、遷移先の状態番号に対応したLED点灯パターンを変化させることができる。前述のようにキーが押下されるごとに受付可能なキーのLED点灯パターンを次々と変化させることにより、受付可能なキーの視認性を向上し、操作性の向上ができる。さらに機能を示す文字表示をキーボタンに記載してLED点灯パターンと併用することでさらに操作性は向上する。
【0020】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は本発明の実施の形態2における電話機のブロック図である。実施の形態2では図1に加え、電話機15にPBX(交換機)16との通信を行うための電話機通信部11を有する。PBX16には電話機15と通信を行うためのPBX通信部12と、図2の操作ガイダンス情報を格納したPBXメモリ部13と、PBX通信部12およびPBXメモリ部の制御を行うPBX処理手段14を有する。
【0021】
実施の形態1で電話機処理手段6が電話機メモリ部4から直接操作ガイダンス情報のデータを参照および処理する代わりに、電話機通信部11およびPBX通信部12を介して、電話機処理手段6がPBX処理手段14に操作ガイダンス情報の参照および処理を命令し(案内情報送信ステップ)、PBX処理手段14がPBXメモリ部13の操作ガイダンス情報のデータを処理および電話機処理手段6への送信を行う(交換機参照ステップ)ことで、実施の形態1と同様にLED部2の点灯パターン変更を可能にしたものである。この実施の形態により、電話機15からPBXの機能を設定する時に電話機15のLEDによる操作ガイダンスを可能にし、PBXの機能設定時の操作性の向上を可能にする。
【0022】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態2において、電話機が設定モードになった際、図2の操作ガイダンス情報をPBXメモリ部13からPBX処理手段14、PBX通信部12、電話機通信部11、および電話機処理手段6を介して電話機メモリ部4にすべてコピーする。
【0023】
その後、実施の形態1と同じ動作をさせて電話機処理手段6が電話機メモリ部4の操作ガイダンス情報を参照することで、LEDによる操作ガイダンスを可能にしたものである。
【0024】
PBX16の機能設定中のPBX16の負荷を下げ、LED部2の点灯パターンの変化スピードを速くすることができる。
【0025】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図5は本発明の実施の形態4における状態遷移テーブルを示す図である。前述の実施の形態1、2、3において、図2において各キー毎に用意された現状態の状態番号と遷移する先の状態の状態番号を対にした状態遷移テーブル9を参照する代わりに、本実施の形態では各キーと遷移する先の状態の状態番号を対にした状態遷移テーブル9を各状態の状態番号毎に用意したものである。
【0026】
キーが押下される毎に、図2の状態レジスタを参照し、対応する状態番号の図5の状態遷移テーブル9の中から押下されたキーに対応する状態番号を読み出し、状態レジスタを変更することで実施の形態1、2,3とまったく同じ動作をさせることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、電話機およびその操作案内方法に関するものであり、電話機や電話機に接続されたPBXの設定時の操作性を向上させるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1における電話機のブロック図
【図2】図1の電話機メモリ部の操作ガイダンス情報を示す図
【図3】図1のLEDによる操作ガイダンスの遷移図
【図4】本発明の実施の形態2における電話機のブロック図
【図5】本発明の実施の形態4における状態遷移テーブルを示す図
【符号の説明】
【0029】
1 キー部
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j キー
2 LED部
2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h,2i,2j LED
3 制御部
4 電話機メモリ部
5 キー検知手段
6 電話機処理手段
7 LED制御手段
8 LED点灯パターンテーブル
9 状態遷移テーブル
10 状態レジスタ
11 電話機通信部
12 PBX通信部
13 PBXメモリ部
14 PBX処理手段
15 電話機
16 PBX

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作をするキーを複数有するキー部と、入力操作されたキーを特定し入力判断を行うキー検知手段と、前記キーのそれぞれを照明する複数のLEDを有するLED部と、前記LEDのそれぞれを点灯制御するLED制御手段と、前記入力判断に対応する操作案内情報を記憶する電話機メモリ部と、電話機全体を制御する電話機処理手段とを有し、
前記操作案内情報に基づいて前記LED制御手段により操作可能なキーの点灯制御をして操作案内をすることを特徴とする電話機。
【請求項2】
前記電話機は、交換機との通信を行う電話機通信部を有し、
前記交換機は、前記電話機との通信を行う交換機通信部と、操作案内情報を記憶する交換機メモリ部と、交換機全体を制御する交換機処理手段とを有し、
前記電話機処理手段は前記交換機処理手段に対して操作案内情報を参照し、前記交換機メモリ部から前記電話機処理手段へ前記操作案内情報を送信することにより、前記交換機の設定のための操作案内をすることを特徴とする請求項1記載の電話機。
【請求項3】
入力操作をするキーを複数有するキー部と、入力操作されたキーを特定し入力判断を行うキー検知手段と、前記キーのそれぞれを照明する複数のLEDを有するLED部と、前記LEDのそれぞれを点灯制御するLED制御手段と、前記入力判断に対応する操作案内情報を記憶する電話機メモリ部とを有する電話機の操作案内方法であって、
前記キー部に入力操作が行われると、前記キー検知手段により入力操作されたキーを特定するキー検知ステップと、前記電話機メモリ部を参照して前記入力操作されたキーに対応する電話機の状態情報と受付可能なキーを照明する点灯パターン情報とを入手するメモリ参照ステップと、前記点灯パターン情報に基づいて前記LED制御手段を制御し点灯制御する操作案内ステップとを有することを特徴とする電話機の操作案内方法。
【請求項4】
前記電話機は、交換機との通信を行う電話機通信部を有し、
前記交換機は、前記電話機との通信を行う交換機通信部と、操作案内情報を記憶する交換機メモリ部と、交換機全体を制御する交換機処理手段とを有し、
前記電話機処理手段は前記交換機処理手段に対して操作案内情報を参照する交換機参照ステップと、前記交換機メモリ部から前記電話機処理手段へ前記操作案内情報を送信する案内情報送信ステップとを有し、前記交換機の設定のための操作案内をすることを特徴とする請求項1記載の電話機の操作案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−332725(P2006−332725A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149058(P2005−149058)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】