説明

電話装置

【課題】本発明は、机上設置と壁掛け設置が選択的に行える電話装置に関するもので、使い勝手を向上することを目的とするものである。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、斜めに設置されるとともに、その傾斜前面側に受口2、傾斜背面側に支持脚設置部6を有する電話機本体1と、この電話機本体1の前記受口2に、着脱自在に立設配置される受話器3と、前記電話機本体1の支持脚設置部6に、回動軸8を中心に回動自在に配置した支持脚7とを備え、前記支持脚7は、前記回動軸を中心に、前記電話機本体1の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面9と、この取付面9の第一回動位置時には、前記電話機本体1の傾斜下端部分と略水平状態、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には、前記電話機本体1の傾斜上端部分と略水平状態となる設置面11とを、有する構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机上設置と壁掛け設置が選択的に行える電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の電話装置は、以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、斜めに設置されるとともに、その傾斜前面側に受口、傾斜背面側に支持脚設置部を有する電話機本体と、この電話機本体の前記受口に、着脱自在に配置される受話器と、前記電話機本体の支持脚設置部に、回動軸を中心に回動自在に配置した支持脚とを備えた構成となっていた。
【0004】
また、前記支持脚は、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面と、この取付面を机上設置回動時に、机上に当接する第一設置面と、この机上設置回動時から略180度回動した壁掛け設置回動時に、壁に当接する第二設置面とを、有する構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
【0005】
すなわち、机上設置から壁掛け設置、または壁掛け設置から机上設置への切り換えを行うためには、支持脚を、回動軸を中心に回動させ、机上設置時には、支持脚の第一設置面を机上に当接させ、壁掛け設置時には、第二設置面を壁に当接させる構成となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−205427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来例における課題は、受話器を電話機本体の受口から取り出しにくく、使い勝手が悪いと言うことであった。
【0008】
すなわち、前記従来例においては、机上設置時には、支持脚の第一設置面を机上に当接させ、壁掛け設置時には、第二設置面を壁に当接させる構成となっていたので、これらの机上設置時と壁掛け設置時では、電話機本体の受口の傾斜状態が大きく異なることになる。
【0009】
そして、電話機本体の受口の傾斜状態が大きく異なることになると、机上設置時と壁掛け設置時の何れかの時に、この受口から受話器が不用意に離脱するおそれがあるので、机上設置時でも、壁掛け設置時でも、受口に受話器を寝かせた状態で、設置することとしている。
【0010】
このため、受話器を電話機本体の受口から取り出しにくく、使い勝手が悪くなるのであった。
【0011】
そこで、本発明は、電話装置の使い勝手を向上することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そして、この目的を達成するために本発明は、斜めに設置されるとともに、その傾斜前面側に受口、傾斜背面側に支持脚設置部を有する電話機本体と、この電話機本体の前記受口に、着脱自在に立設配置される受話器と、前記電話機本体の支持脚設置部に、回動軸を中心に回動自在に配置した支持脚とを備え、前記支持脚は、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面と、この取付面の第一回動位置時には、前記電話機本体の傾斜下端面と略水平状態、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には、前記電話機本体の傾斜背面側と略水平状態となる設置面とを、有する構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明は、斜めに設置されるとともに、その傾斜前面側に受口、傾斜背面側に支持脚設置部を有する電話機本体と、この電話機本体の前記受口に、着脱自在に立設配置される受話器と、前記電話機本体の支持脚設置部に、回動軸を中心に回動自在に配置した支持脚とを備え、前記支持脚は、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面と、この取付面の第一回動位置時には、前記電話機本体の傾斜下端面と略水平状態、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には、前記電話機本体の傾斜上端部分と略水平状態となる設置面とを、有する構成としたものであるので、使い勝手の良いものとなる。
【0014】
すなわち、本発明においては、前記支持脚が、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面と、この取付面の第一回動位置時には、前記電話機本体の傾斜下端面と略水平状態、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には、前記電話機本体の傾斜上端部分と略水平状態となる設置面とを、有する構成としたものであるので、机上設置時でも、壁掛け設置時でも、同じ設置面が机上、または壁に当接する。
【0015】
このため、机上設置時でも、壁掛け設置時でも、電話機本体の受口状態が安定するので、この電話機本体の前記受口に、受話器を立設配置することができ、その結果として、使い勝手が良くなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に電話装置の側面図
【図2】同要部平面図
【図3】同要部裏面図
【図4】同要部裏面図
【図5】同要部平面図
【図6】同要部断面図
【図7】同要部拡大断面図(図6のA部拡大断面図)
【図8】同要部裏面図
【図9】同要部裏面図
【図10】同側面図
【図11】同側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1において、1は、斜めに設置された箱体形状の電話機本体で、この電話機本体1の傾斜前面側には図2のごとく凹状の受口2が設けられており、この受口2には、図1のごとく、コードレスタイプの受話器3が着脱自在に立設配置されている。
【0019】
具体的には、電話機本体1の受口2に、受話器3の下部が、着脱自在に嵌合した状態となっている。
【0020】
また、受口2の内壁面には、図2のごとく、着信音や留守番電話再生を行うスピーカ開孔4が配置されている。
【0021】
さらに、電話機本体1の傾斜前面側で、受口2の側方には、留守番電話再生などの操作部5が設けられている。
【0022】
また、電話機本体1の傾斜背面側には支持脚設置部6が設けられており、この支持脚設置部6には支持脚7が、図3、図6に示した回動軸8を中心に回動自在に配置されている。
【0023】
詳細は後で説明するが、図1は電話機本体1を机上に設置する時の状態を示し、図10は電話機本体1を壁面に設置する時の状態を示し、これらの図1、図10との比較から明らかのように、電話機本体1を机上に設置する時と、壁面に設置する時では、回動軸8を中心に、支持脚7が略180度回動する。
【0024】
次に、支持脚7の基本的な構造について説明すると、この支持脚7は、図1の机上に設置状態でも、図10、図11の壁面設置時でも、上方となる部分に、図5のごとく、前記回動軸8を中心に、前記電話機本体1の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面9を有する。
【0025】
つまり、図5は支持脚7を上方から見た状態を示しており、図4はこの支持脚7を取り外した状態の電話機本体1を下方から見た状態を示している。
【0026】
支持脚7は上述のごとく上方に取付面9を有し、中間部分が柱部10となり、下方が設置面11となっている。
【0027】
設置面11は、図1のごとく電話機本体1を机上に設置する時には、電話機本体1の傾斜下端部分と略水平状態となり、またこの位置から略180度回動した回動時、つまり壁面に設置する時には、図10のごとく前記電話機本体1の傾斜上端部分と略水平状態となる。
【0028】
このため、図1のごとく電話機本体1を机上に設置する時でも、図10のごとく電話機本体1を壁面に設置する時でも、電話機本体1の傾斜状態は殆ど変わらない。
【0029】
このため、電話機本体1の受口2の開口状態も殆ど変わらず、よって図1のごとく電話機本体1を机上に設置する時でも、図10のごとく電話機本体1を壁面に設置する時でも、受口2に着脱自在に配置された受話器3の立設配置状態は殆ど変わらず、安定したものとなる。
【0030】
したがって、このように受口2に受話器3を立設配置しても、不用意に落下することはない。
【0031】
また、このように電話機本体1を机上に設置する時でも、電話機本体1を壁面に設置する時でも、電話機本体1の受口2に受話器3が立設配置されているので、受話器3を受口2から容易に着脱させることができ、使い勝手の良いものとなる。
【0032】
次に、支持脚7の回動固定構造について説明する。
【0033】
図4から理解されるように、電話機本体1の傾斜背面側の支持脚設置部6には、回動軸8を中心に左右の一方に係合部12、13、他方に係合部14が設けられている。
【0034】
この内、係合部14は回動軸8を通る中心線上に設けられているが、係合部12、13は回動軸8通る中心線の両側(回動前後)に設けられている。
【0035】
一方、支持脚7の取付面9には、これらの係合部12、13、14に係合する係合爪15、16が回動軸8の左右に設けられている。これらの係合爪15、16は回動軸8を通る中心線の一方側にまで伸びており、このように長く伸ばすことで、ばね性を高めている。
【0036】
前記係合部12と係合部13の互いに対向する位置には、図4から理解されるように平面状の係合面12aと係合面13aをそれぞれ設けている。さらに前記係合部14には、所定角度で隣接する平面状の係合面14a、14bを設けている。
【0037】
また前記係合爪15には、図5から理解されるように前記係合部12または係合部13および係合部14の係合面に当たり合う位置に、所定角度で隣接する平面状の係合面15a、15bを設けている。さらに前記係合爪16にも、前記係合部12または係合部13および係合部14の係合面に当たり合う位置に、所定角度で隣接する平面状の係合面16、16bを設けている。
【0038】
回動軸8は図6から理解されるように、電話機本体1組立て前に、電話機本体1内面側から、ネジ17により、この電話機本体1に固定されている。
【0039】
また、電話機本体1の支持脚設置部6の係合部12、13、14の外方には、案内フランジ18、19が設けられている。さらに、支持脚7の取付面9の係合爪15、16外方には、前記案内フランジ18、19の上面側を滑りながら通過する規制フランジ20、21を設けている。
【0040】
図3は、図1のごとく電話機本体1を机上に設置する時の状態を示し、この時には係合部13の係合面13aに、係合爪16の係合面16aを押し付けることで、これら係合部13と係合爪16が係合している。
【0041】
また、係合部14の係合面14aに、係合爪15の係合面15aを押し付けることで、これら係合部14と係合爪15が係合している。
【0042】
そして、これらの係合部13と係合爪16の係合、係合部14と係合爪15の係合により、支持脚7の回動止めが行われている。
【0043】
図3(机上設置状態)では、案内フランジ18には規制フランジ20が係合し、案内フランジ19には規制フランジ21が係合する。図6は案内フランジ18、19と、規制フランジ20、21が係合した状態を示す要部断面図、図7は案内フランジと規制フランジが係合した部分の一方を拡大した拡大断面図である。
【0044】
図6、図7からも理解されるように、机上設置状態では案内フランジ18には規制フランジ20が係合し、案内フランジ19には規制フランジ21が係合することで支持脚7と電話機本体1間の強度保証がなされている。
【0045】
図8は電話機本体1を机上設置の状態から壁面設置の状態へ切り換えるために、支持脚7を回動軸8を中心に矢印B方向に回動させている途中の状態を示している。図9は電話機本体1を壁面に設置するために、支持脚7を回動軸8を中心に略180度、回動させた後の状態を示している。
【0046】
この時には、係合部12の係合面12aに、係合爪15の係合面15bを押し付けることで、これら係合部12と係合爪15が係合している。
【0047】
また、係合部14の係合面14bに、係合爪16の係合面16bを押し付けることで、これら係合部14と係合爪16が係合している。
【0048】
そして、これらの係合部12と係合爪15の係合、係合部14と係合爪16の係合により、支持脚7の回動止めが行われている。
【0049】
また、図8から理解されるように机上設置の状態から壁面設置の状態へ切り換えるために支持脚7を回動させると、案内フランジ18から規制フランジ20が離れ、また案内フランジ19から規制フランジ21が離れる。そして図9に示す状態になると案内フランジ18には規制フランジ21が係合し、案内フランジ19には規制フランジ20が係合する。ただし図9では案内フランジおよび規制フランジは現れない。
【0050】
図6、図7では丸括弧内に規制フランジ20、21の符号を示しており、壁面設置の状態でも前述の机上設置の状態の場合と同様に双方の案内フランジと規制フランジがそれぞれ係合することで支持脚7と電話機本体1間の強度保証がなされている。
【0051】
この状態で、支持脚7の下方の設置面11に設けられた係合切欠22と、電話機本体1の傾斜上端部分に設けられた係合切欠23が同一平面上に存在する状態となり、これらの係合切欠22、23を図11のごとく壁掛けユニット24の突起25、26に係合させることで、図10のごとく壁面への設置が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように本発明は、斜めに設置されるとともに、その傾斜前面側に受口、傾斜背面側に支持脚設置部を有する電話機本体と、この電話機本体の前記受口に、着脱自在に立設配置される受話器と、前記電話機本体の支持脚設置部に、回動軸を中心に回動自在に配置した支持脚とを備え、前記支持脚は、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面と、この取付面の第一回動位置時には、前記電話機本体の傾斜下端面と略水平状態、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には、前記電話機本体の傾斜上端部分と略水平状態となる設置面とを、有する構成としたものであるので、使い勝手の良いものとなる。
【0053】
すなわち、本発明においては、前記支持脚が、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面と、この取付面の第一回動位置時には、前記電話機本体の傾斜下端面と略水平状態、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には、前記電話機本体の傾斜上端部分と略水平状態となる設置面とを、有する構成としたものであるので、机上設置時でも、壁掛け設置時でも、同じ設置面が机上、または壁に当接する。
【0054】
このため、机上設置時でも、壁掛け設置時でも、電話機本体の受口状態が安定するので、この電話機本体の前記受口に、受話器を立設配置することができ、その結果として、使い勝手が良くなるのである。
【0055】
したがって、電話装置としての活用が期待される。
【符号の説明】
【0056】
1 電話機本体
2 受口
3 受話器
4 スピーカ開孔
5 操作部
6 支持脚設置部
7 支持脚
8 回動軸
9 取付面
10 柱部
11 設置面
12、13、14 係合部
12a、13a、14a、14b、15a、15b、16a、16b 係合面
15、16 係合爪
17 ネジ
18、19 案内フランジ
20、21 規制フランジ
22、23 係合切欠
24 壁掛けユニット
25、26 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜めに設置されるとともに、その傾斜前面側に受話器内の2次電池を充電するための受口、机上置き状態の時に机上に接する傾斜下端部分、壁取り付け状態の時に壁側に接する傾斜上端部分、前記傾斜下端部分と前記傾斜上端部分との間の傾斜背面に支持脚設置部を有する電話機本体と、
この電話機本体の前記受口に着脱自在に立設配置される受話器と、前記電話機本体の支持脚設置部に回動軸を中心に回動自在に配置した支持脚とを備え、
前記支持脚は、前記回動軸を中心に、前記電話機本体の傾斜背面側に対向状態で回動する取付面を有し、
前記支持脚は、前記取付面の第一回動位置時には前記電話機本体の傾斜下端部分と略水平状態となり、この第一回動位置時から略180度回動した第二回動位置時には前記電話機本体の傾斜上端部分と略水平状態となる設置面を有することを特徴とする電話装置。
【請求項2】
電話機本体の傾斜背面側に設けた支持脚設置部と、支持脚の取付面との何れか一方には係合部、他方には前記係合部に係合する係合爪を設けた請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
前記支持脚の取付面上であって前記回動軸を中心として対象の位置に一対の係合爪をそれぞれ配置した請求項2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記電話機本体の支持脚設置部上であって前記回動軸を中心として対象の位置に前記係合爪と係合可能な係合部を有し、
一方には第一の係合部を設け、他方には第二、第三の係合部を配置した請求項3に記載の電話装置。
【請求項5】
支持脚の第一回動位置時には、前記係合爪は回動軸の両側の一方の第一の係合部と他方の第二の係合部に係合し、支持脚の第二回動位置時には、回動軸の両側の一方の第一の係合部と他方の第三の係合部に係合する構成とした請求項4に記載の電話装置。
【請求項6】
前記支持脚の取付面両端であって前記回動軸を中心として対象の位置に断面略L字状の規制フランジをそれぞれ設け、
前記電話機本体の支持脚設置部上であって前記回動軸を中心として対象の位置にそれぞれ前記規制フランジと係合可能な案内フランジを設け、
第一回動位置時には第一の規制フランジと第一の案内フランジ、第二の規制フランジと第二の案内フランジがそれぞれ係合し、第二回動位置時には第一の規制フランジと第二の案内フランジ、第二の規制フランジと第一の案内フランジがそれぞれ係合することで支持脚と電話機本体間の結合を補強した請求項2に記載の電話装置。
【請求項7】
電話機本体の傾斜背面側の上部と支持脚の設置面には、壁取り付け状態において壁面上の取り付け金具と係合する係合切欠を設けた請求項1から5の何れか一つに記載の電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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