説明

露光ヘッド、画像形成装置

【課題】有機EL素子を配した基板に対して、この有機EL素子に開口する導光孔を有する遮光部材を配した露光ヘッドにおいて、ゴーストの発生を抑制することを可能とする
【解決手段】有機EL素子が配される発光基板と、発光基板を第1の方向に配した支持基板と、有機EL素子に対して開口する導光孔が配される遮光部材と、有機EL素子から発光されて導光孔を通過する光を結像するレンズと、有機EL素子を駆動する駆動回路と、を備え、導光孔を介して発光基板を平面視したとき、支持基板は発光基板により遮蔽されるとともに、駆動回路は遮光部材により遮蔽されない領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機EL素子が発光した光をレンズにより結像する露光ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、LED(Light Emitting Diode)が形成されたLEDチップに対してレンズを配置し、発光素子(LED)からの光をレンズによって結像する露光ヘッドが記載されている。また、この露光ヘッドでは、対向する発光素子以外からの光がレンズに入射すると、いわゆるゴーストが引き起こされるおそれがあるため、これを抑制するために遮光部材が設けられている。つまり、この遮光部材は、発光素子とレンズとの間に配設されるとともに、発光素子からレンズに向けて開口する導光孔を有しており、導光孔を通過しない光のレンズへの入射を制限することで、ゴーストの発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−029106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなLEDチップに代えて、有機EL(Electro-Luminescence)素子を発光素子として形成したシリコン基板等を用いることが考えられる。ただし、このような有機EL素子はLEDと比較して光量が少ない。そのため、次のような原因で発生するゴーストが、無視できない影響を及ぼすおそれがあった。つまり、有機EL素子が形成された基板とレンズの間には遮光部材が設けられるわけであるが、基板と遮光部材の間に何らかの原因で光が入り込むと、この光が基板と遮光部材の間で反射を繰り返して導光孔にまで到達することがある。そして、導光孔に到達した光がレンズによって結像されることで、ゴーストが発生する場合があった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、有機EL素子を配した基板に対して、この有機EL素子に開口する導光孔を有する遮光部材を配した露光ヘッドにおいて、ゴーストの発生を抑制することを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、有機EL素子が配される発光基板と、発光基板を第1の方向に配した支持基板と、有機EL素子に対して開口する導光孔が配される遮光部材と、有機EL素子から発光されて導光孔を通過する光を結像するレンズと、有機EL素子を駆動する駆動回路と、を備え、導光孔を介して発光基板を平面視したとき、支持基板は発光基板により遮蔽されるとともに、駆動回路は遮光部材により遮蔽されない領域を有することを特徴としている。
【0007】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、有機EL素子が配される発光基板、発光基板を第1の方向に配した支持基板、有機EL素子に対して開口する導光孔が配される遮光部材、有機EL素子から発光されて導光孔を通過する光を結像するレンズ、および有機EL素子を駆動する駆動回路を有し、支持基板は、導光孔を介して基板を平面視したときに発光基板により遮蔽され、駆動回路は、導光孔を介して発光基板を平面視したときに遮光部材により部分的に遮蔽されない露光ヘッドと、露光ヘッドのレンズが結像した光によって潜像が形成される潜像担持体と、潜像を現像する現像部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明(露光ヘッド、画像形成装置)では、有機EL素子が配された発光基板に対して、有機EL素子に開口する導光孔が配された遮光部材が設けられている。したがって、発光基板と遮光部材の間で反射を繰り返した光が導光孔にまで到達する場合があった。これに対してこの発明では、導光孔を介して発光基板を平面視したときに、駆動回路は遮光部材により遮蔽されない領域を有する。したがって、基板と遮光部材の間で反射を繰り返しながら導光孔に向けて進行してきた光を、駆動回路の当該領域によって散乱して、この光のレンズへの入射を抑制することができる。その結果、ゴーストの発生を抑制することが可能となっている。
【0009】
しかも、この発明では、有機EL素子の駆動機能と光散乱機能を駆動回路が兼ね備えるように構成することで、各機能毎に部材を設ける必要がない。そのため、露光ヘッドにおける各機能部のレイアウトの省スペース化を図ることが可能になっている。
【0010】
また、レンズの光軸方向に発光基板を平面視したときに、駆動回路の周縁と導光孔の周縁が交差するように構成しても良い。このように駆動回路を配することで、基板と遮光部材の間で反射を繰り返しながら導光孔に向けて進行してきた光をより確実に駆動回路によって散乱することができ、この光のレンズへの入射をより効果的に抑制できる。その結果、ゴーストの発生をより確実に抑制することが可能となる。
【0011】
なお、導光孔の形状やこれに対する駆動回路の配設態様は種々のものを採用可能である。そこで、導光孔は、第1の方向に長い形状を有しており、駆動回路は、第1の方向およびレンズの光軸と垂直な第2の方向において、駆動回路の周縁の間に導光孔が配されるように構成しても良い。さらにこのとき、導光孔は、第1の方向に伸びた長辺を有する矩形であっても良い。
【0012】
また、有機EL素子が配された基板を複数設けることができる。このとき、後に詳述する理由により、基板および第2の基板の第1の方向の端は、第1の方向に鋭角に交差する第3の方向に伸びた辺を有するように構成することが適当となる場合がある。そして、このような場合には、駆動回路が第3の方向に伸びた辺を有する構成が、駆動回路を大きくとることができ、駆動回路の光散乱機能をより効果的に発揮するにあたって有利である。
【0013】
なお、基板の具体的な構成は種々のもの採用可能である。そこで、基板は、単結晶シリコン基板であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用可能なラインヘッドの一例を示す平面図。
【図2】本発明を適用可能なラインヘッドの部分斜視図。
【図3】本発明を適用可能なラインヘッドの一例を示す部分側面図。
【図4】発光素子グループおよび駆動回路の構成を示す部分平面図。
【図5】本発明を適用可能なラインヘッドの他の例を示す図。
【図6】本発明を適用可能なラインヘッドの他の例を示す図。
【図7】本発明を適用可能なラインヘッドの他の例を示す図。
【図8】発光素子グループおよび駆動回路の別の構成を示す部分平面図。
【図9】ラインヘッドを適用可能な画像形成装置の一例を示す図。
【図10】図9の装置の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1実施形態
図1、図2および図3は、本発明を適用可能なラインヘッドの一例を示す図である。特に、図1は、ラインヘッド29の部分分解平面図であり、図2は、ラインヘッド29の部分分解斜視図であり、図3は、ラインヘッド29の部分側面図である。このラインヘッド29は、発光素子Eからの光を結像光学系LS1、LS2で結像して、感光体ドラム表面等の被露光面ESにスポットSPを形成するものであり、長手方向LGDに長尺で幅方向LTDに短尺な全体構成を備える。そこで、図1〜図3および以下の図面では必要に応じて、ラインヘッド29の長手方向LGDおよび幅方向LTDを示す。また、結像光学系LS1、LS2の光軸方向Doaについても、図1〜図3および以下の図面で適宜示すものとする。ここで、光軸方向Doaは、結像光学系LS1、LS2の光軸OAに平行であって、発光素子Eが光を射出する方向とする。なお、これらの方向LGD、LTD、Doaは互いに直交もしくは略直交している。また、以下では必要に応じて、光軸方向Doaの矢印側を「表」あるいは「上」と表現し、光軸方向Doaの矢印と反対側を「裏」「下」あるいは「底」と表現する。
【0016】
また、後述するとおり、同ラインヘッド29を画像形成装置に適用するにあたっては、ラインヘッド29は、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動する被露光面ES(感光体ドラム表面)に対して露光を行なうものであり、しかも、被露光面ESの主走査方向MDはラインヘッド29の長手方向LGDに平行もしくは略平行であり、被露光面ESの副走査方向SDはラインヘッド29の幅方向LTDに平行もしくは略平行である。そこで、必要に応じて、長手方向LGD・幅方向LTDと一緒に、主走査方向MD・副走査方向SDも図示することとする。
【0017】
ラインヘッド29は、単結晶シリコンからなる光源チップ291に半導体プロセスによって形成された有機EL素子を発光素子Eとして用いるものである。なお、発光素子Eを構成する有機EL素子は不図示の封止膜によって封止されている。光源チップ291では、複数の発光素子Eから1つの発光素子グループEGが構成されており、さらに複数(図1、図2では10個)の発光素子グループEGが長手方向LGDに2行千鳥状に並んでいる。換言すれば、光源チップ291では、幅方向LTDに6.7[mm]離間しつつ長手方向LGDに2.03[mm]ずれる2つの発光素子グループEGのペアが、長手方向LGDに等ピッチ(=2.03[mm]×2)で並んでいる。
【0018】
このとき、上記ペアを構成する2つの発光素子グループEGは、長手方向LGDに対して76°の角度(鋭角)で交差する斜め方向Dskに平行に並ぶこととなる。そして、このような発光素子グループEGの配列に対応して、光源チップ291の長手方向LGDの両端辺は斜め方向Dskに平行にカットされており、光源チップ291は平行四辺形状を有する。なお、光源チップ291の幅方向LTDの両端辺の長さは20.3[mm]である。
【0019】
ここで、光源チップ291の長手方向LGDの両端辺を斜め方向Dskにカットする理由は、ラインヘッド29の長尺化を図る点にある。なぜなら、こうすることによって、複数の光源チップ291を長手方向LGDに並べるだけで、上記ペアを構成する2つの発光素子グループEGを長手方向LGDに必要な数だけ並べることができ、ラインヘッド29の長尺化を簡便に図ることができるからである。そして、長尺化を図るべく長手方向LGDに並べられた複数の光源チップ291は、光源基板292の表面にボンディングされている。このとき、例えば光源基板292がガラス基板である場合には、COG(chip on glass)によって、光源チップ291を光源基板292にボンディングすることができる。ちなみに、複数の光源チップ291の各発光素子Eは、いずれも同じもしくは略同じ発光スペクトルで発光するものである。
【0020】
これら複数の光源チップ291の光軸方向Doa側には、長手方向LGDに長尺な薄い平板状の遮光板293が設けられている。この遮光板293は、光源チップ291との間に介挿されたスペーサーS293によって幅方向LTDの両側で支持されており、光源チップ291から光軸方向Doaに離間している。遮光板293には、光源チップ291よりも小さい大きさで光軸方向Doaから発光素子グループEGに対して開口する導光孔2931が、発光素子グループEG毎に設けられている。各導光孔2931は、径3[mm]の円形状を有している。
【0021】
さらに、遮光板293の光軸方向Doa側には、2枚のレンズアレイ294、295が設けられている。レンズアレイ294は、光源チップ291との間に介挿されたスペーサーS294によって幅方向LTDの両側で支持されており、遮光板293から光軸方向Doaに離間している。レンズアレイ295は、レンズアレイ294との間に介挿されたスペーサーS295によって幅方向LTDの両側で支持されており、レンズアレイ294から光軸方向Doaに離間している。各レンズアレイ294、295では、光軸方向Doaから発光素子グループEGに対向するレンズLS1、LS2が、発光素子グループEG毎に形成されている。各レンズLS1、LS2は発光素子グループEGに対して凸であり、径3.6[mm]の円形状を有する。
【0022】
こうして、発光素子グループEG、導光孔2931、レンズLS1およびレンズLS2が光軸方向Doaにこの順番で並ぶ。そして、図3の破線LBに示されるように、発光素子グループEGの各発光素子Eから射出された光は、導光孔2931を通過した後にレンズLS1、LS2に入射して、これらレンズLS1、LS2で構成される結像光学系によって結像される。なお、結像光学系LS1、LS2は−1倍の結像倍率で結像するものであり、反転等倍の結像特性を有している。
【0023】
また、この実施形態では、発光素子グループEGの各発光素子Eを駆動する駆動回路DCが、半導体プロセスによって光源チップ291に形成されている。続いて、この駆動回路DCについて、発光素子グループEGの構成と併せて説明する。
【0024】
図4は、発光素子グループおよび駆動回路の構成を示す部分平面図であり、光軸方向Doaから導光孔2931を介して発光素子グループEGおよび駆動回路DCを平面視した場合を示している。また、図4では、導光孔2931および発光素子グループEGとレンズLS1、LS2の位置関係を示すために、レンズLS1、LS2が併記されている。この実施形態では、光源チップ291は導光孔2931より大きく、図4の平面視において、光源基板292は光源チップ291の下に隠れて、光源チップ291により遮蔽されている。
【0025】
発光素子グループEGは、長手方向LGDに2行千鳥で並ぶ98個の発光素子Eで構成されている。これら発光素子Eの配列ピッチは0.02[mm]であり、1200dpi(dot per inch)に相当する。こうして、導光孔2931の中心を通って長手方向LGDに平行な仮想直線VL(導光孔2931の長手方向中心線VL)の幅方向LTD両側で、当該仮想直線VLから0.11[mm]の位置に49個の発光素子Eが長手方向LGDに直線的に並ぶ。なお、各発光素子Eは径0.04[mm]の円形状を有している。
【0026】
また、発光素子グループEGの幅方向LTD両側には、駆動回路DCが設けられている。各駆動回路DCは、幅方向LTDの両端辺が長手方向LGDに平行であるとともに長手方向LGDの両端辺が斜め方向Dskに平行な平行四辺形状を有しており、図4の平面視において、導光孔2931の内側に重なるように形成されている。つまり、図4の平面視において、駆動回路DCのうち導光孔2931の内側に重なる領域は、遮光板293により遮光されず、導光孔2931から覗く。特にこの実施形態では、光軸方向Doaからの平面視(平面透視)において、駆動回路DCの周縁と導光孔2931の周縁が交差しており、換言すれば、各駆動回路DCは斜め方向Dskに導光孔2931の内側から周縁を越えて外側にまで延設されている(図1〜図4)。なお、各駆動回路DCは、導光孔2931の長手方向中心線VLから幅方向LTDに0.31[mm]離れて形成されている。
【0027】
そして、発光素子グループEGの幅方向LTD一方側の駆動回路DCは、導光孔2931の長手方向中心線VLの一方側の各発光素子Eに電気的に接続され、発光素子グループEGの幅方向LTD他方側の駆動回路DCは、導光孔2931の長手方向中心線VLの他方側の各発光素子Eに電気的に接続される。各駆動回路DCは接続先の発光素子Eに駆動信号を印加して、当該発光素子Eを発光させる。
【0028】
以上のように、この実施形態のラインヘッド29では、発光素子E(有機EL素子)が形成された光源チップ291(基板)に対して、光源チップ291よりも小さい大きさで発光素子Eに開口する導光孔2931が形成された遮光板293(遮光部材)が設けられている。したがって、光源チップ291と遮光板293の間で反射を繰り返した光が導光孔2931にまで到達する場合があった。これに対してこの実施形態では、導光孔2931を介して光源チップ291を平面視したときに、駆動回路DCは遮光板293により遮蔽されない領域を有しており、換言すれば、導光孔2931の内側に重なるように、駆動回路DCが光源チップ291に形成されている。したがって、光源チップ291と遮光板293の間で反射を繰り返しながら導光孔2931に向けて進行してきた光(例えば、図3中の光SL)を、駆動回路DC(光散乱部材)の導光孔2931内側の領域によって散乱して、この光のレンズLS1、LS2への入射を抑制することができる。その結果、ゴーストの発生を抑制することが可能となっている。
【0029】
しかも、この実施形態では、発光素子Eの駆動機能と光散乱機能を駆動回路DCが兼ね備えているため、各機能毎に部材を設ける必要がない。そのため、ラインヘッド29における各機能部のレイアウトの省スペース化を図ることが可能になっている。
【0030】
また、上記実施形態では、光軸方向Doaに光源チップ291を平面視したときに、駆動回路DCの周縁と導光孔2931の周縁が交差しており、換言すれば、駆動回路DCは、導光孔2931を介して光源チップ291を平面視したときに導光孔2931の内側から周縁まで配されている。このように駆動回路を配することで、光源チップ291と遮光板293の間で反射を繰り返しながら導光孔2931に向けて進行してきた光をより確実に駆動回路DCによって散乱することができ、この光のレンズLS1、LS2への入射をより効果的に抑制できる。その結果、ゴーストの発生をより確実に抑制することが可能となる。
【0031】
また、上記実施形態では、光源チップ291の長手方向LGDの両端辺が斜め方向Dskにカットされていることに対応して、駆動回路DCの長手方向LGDの両端に方向Dskに伸びる辺を有している(換言すれば、駆動回路DCを斜め方向Dskに延設している)。そのため、駆動回路DCを大きくとることができる。つまり、例えば、駆動回路DCを長手方向LGDに直交する方向(幅方向LTD)にまっすぐ引き出した構成では、駆動回路DCが光源チップ291の長手方向LGDの端辺にかからない範囲に駆動回路DCの大きさを収める必要がある。これに対して、光源チップ291の長手方向LGDの端辺と平行な斜め方向Dskに、駆動回路DCの長手方向LGDの両端辺を形成することで(換言すれば、駆動回路DCを延設することで)、駆動回路DCの大きさに対するこのような制限を排して、駆動回路DCを大きくとることができる。よって、上記実施形態の構成は、駆動回路DCを大きくとって、駆動回路DCの光散乱機能をより効果的に発揮するにあたって有利である。
【0032】
第2実施形態
続いて第2実施形態について説明する。また、以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と共通する構成の説明は適宜省略するが、第1実施形態と共通する構成を具備することで同様の効果が奏される点については言うまでも無い。
【0033】
図5、図6および図7は、本発明を適用可能なラインヘッドの他の例を示す図である。特に、図5は、ラインヘッド29の部分分解平面図であり、図6は、ラインヘッド29の部分分解斜視図であり、図7は、ラインヘッド29の部分側面図である。図8は、発光素子グループおよび駆動回路の別の構成を示す部分平面図であり、光軸方向Doaから導光孔2931を介して発光素子グループEGおよび駆動回路DCを平面視した場合を示している。また、図8では、導光孔2931および発光素子グループEGとレンズLS1、LS2の位置関係を示すために、レンズLS1、LS2が併記されている。
【0034】
図5および図6に示すように、複数の光源チップ291のそれぞれでは、長手方向LGDに2行千鳥状に並ぶ10個の発光素子グループEGが形成されている。また、各光源チップ291は、長手方向LGDの両端辺が斜め方向Dskにカットされるとともに、幅方向LTDの両端辺が斜め方向Dskに直交もしくはほぼ直交する方向にカットされた長方形状を有する。
【0035】
光源チップ291に形成された各発光素子グループEGは、0.011[mm]のピッチ(2400dpiに相当)で長手方向LGDに並ぶ196個の発光素子E(有機EL素子)で構成されており、長手方向LGDに2.05[mm]の長さを有する(図8)。より詳しくは、発光素子グループEGは、49個の発光素子Eを長手方向LGDに直線状に並べたものを、幅方向LTDに4行配置した構成を具備している。なお、各発光素子Eは径0.02[mm]の円形状を有している。
【0036】
光軸方向Doa側から複数の光源チップ291に対向する遮光板293には、光源チップ291よりも小さい大きさで光軸方向Doaから発光素子グループEGに対して開口する導光孔2931が、発光素子グループEG毎に設けられている。また、各導光孔2931は、長手方向LGDに長尺(3.4[mm])であって幅方向LTDに短尺(1.4[mm])な長方形状(長手方向LGDに伸びた長辺を有する矩形の形状)を有している(図8)。このとき、導光孔2931と発光素子グループEGそれぞれの幾何重心(図8の一点鎖線の交点)が一致するように、遮光板293はレンズアレイ294、295に対して位置決めされている。
【0037】
光軸方向Doa側から遮光板293に対向するレンズアレイ294、295それぞれでは、光軸方向Doaから発光素子グループEGに対向するレンズLS1、LS2が、発光素子グループEG毎に形成されている。各レンズLS1、LS2は発光素子グループEGに対して凸であり、径3.6[mm]の円形状を有する。また、第2実施形態では、レンズLS1、LS2の光軸OAは、発光素子グループEGおよび導光孔2931に対して幅方向LTDの内側に位置している。その結果、幅方向LTDに並ぶ各光軸OAの間の領域Roaの幅方向LTD両外側に、発光素子グループEGおよび導光孔2931は位置している。そして、このように配置されたレンズLS1、LS2(結像光学系)が発光素子グループEGからの光を、負の結像倍率(−1倍)で結像してスポットSPを形成する。
【0038】
このように、結像光学系LS1、LS2を幅方向LTDの内側にシフトさせて、さらに、結像光学系LS1、LS2の倍率を負にすることで、幅方向LTDに並んで形成される2つのスポットSP間の距離Δspを縮めることが可能となっている。これによって、このラインヘッド29は、後述する画像形成装置における画像形成により適したものとなっている。つまり、画像形成装置では、スポットSPにより露光された部分は、幅方向LTD(副走査方向SD)下流側の現像位置にまで搬送されてトナー現像を受ける。このとき、スポットSPにより露光してからトナー現像までの時間(露光現像時間)が、各スポットSP間で大きく異なると、付着するトナー量が異なるなどの印字ムラが引き起こされるおそれがある。これに対して、各スポットSPの間の距離Δspを縮めることで、各スポットSP間における露光現像時間の差を小さくして、このような印字ムラの発生を抑制することができる。
【0039】
ところで、発光素子グループEGの幅方向LTD両側には、駆動回路DCが設けられている。駆動回路DCの長手方向LGDの両端辺は、斜め方向Dskに平行である。また、駆動回路DCの幅方向LTDの発光素子グループEG側の端辺は長手方向LGDに平行である一方、駆動回路DCの幅方向LTDの発光素子グループEG反対側の端辺は斜め方向Dskに直交もしくは略直交している。こうして、駆動回路DCは台形状を有している。また、この駆動回路DCは、図8の平面視において、導光孔2931の内側に重なるように形成されている。特にこの実施形態では、光軸方向Doaからの平面視(平面透視)において、駆動回路DCの幅方向LTDの両端辺(周縁)の間に導光孔2931の周縁が位置しており、各駆動回路DCは斜め方向Dskに導光孔2931の内側から周縁を越えて外側まで延設されている(図5〜図8)。
【0040】
そして、発光素子グループEGの幅方向LTD一方側の駆動回路DCは、導光孔2931の長手方向中心線VLの一方側の各発光素子Eに電気的に接続され、発光素子グループEGの幅方向LTD他方側の駆動回路DCは、導光孔2931の長手方向中心線VLの他方側の各発光素子Eに電気的に接続される。各駆動回路DCは接続先の発光素子Eに駆動信号を印加して、当該発光素子Eを発光させる。
【0041】
以上のように、第2実施形態においても、発光素子E(有機EL素子)が形成された光源チップ291(基板)に対して、光源チップ291よりも小さい大きさで発光素子Eに開口する導光孔2931が形成された遮光板293(遮光部材)が設けられている。したがって、光源チップ291と遮光板293の間で反射を繰り返した光が導光孔2931にまで到達する場合があった。これに対して第2実施形態でも、導光孔2931を介して光源チップ291を平面視したときに、駆動回路DCは遮光板293により遮蔽されない領域を有しており、換言すれば、導光孔2931の内側に重なるように、駆動回路DCが光源チップ291に形成されている。したがって、光源チップ291と遮光板293の間で反射を繰り返しながら導光孔2931に向けて進行してきた光(例えば、図3中の光SL)を、駆動回路DC(光散乱部材)の導光孔2931内側の領域によって散乱して、この光のレンズLS1、LS2への入射を抑制することができる。その結果、ゴーストの発生を抑制することが可能となっている。
【0042】
画像形成装置の構成
続いて、上記第1・第2実施形態で説明したラインヘッド29を適用可能な画像形成装置の一例について説明する。図9は上述したラインヘッドを適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図10は図9の装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、互いに異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。そして、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能となっている。
【0043】
この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号を与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、ヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメーター値とに基づき、各色の画像形成ステーション2Y、2M、2C、2Kそれぞれのラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート状の記録媒体RMに画像形成指令に対応する画像を形成する。
【0044】
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kは、トナー色を除けばいずれも同じ構造および機能を有している。そこで、図9では、図を見やすくするために、画像形成ステーション2Cを構成する各部品にのみ符号を付し、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kに付すべき符号については記載を省略する。また、以下の説明では、図9に付した符号を参照して画像形成ステーション2Cの構造および動作を説明するが、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kの構造および動作も、トナー色が異なることを除けば同じである。
【0045】
画像形成ステーション2Cには、シアン色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。感光体ドラム21は、その回転軸が主走査方向MD(図9の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように配置されており、図9中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより、感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動することとなる。
【0046】
感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21表面を所定の電位に帯電させるコロナ帯電器である帯電器22と、感光体ドラム21表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成するラインヘッド29と、該静電潜像をトナー像として顕像化する現像器24と、第1スクイーズ部25と、第2スクイーズ部26と、転写後の感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーニングユニットとが、それぞれこれらの順に感光体ドラム21の回転方向D21(図9では、時計回り)に沿って配設されている。
【0047】
この実施形態では、帯電器22は2つのコロナ帯電器221、222で構成されており、感光体ドラム21の回転方向D21においてコロナ帯電器221がコロナ帯電器222に対して上流側に配置されており、2つのコロナ帯電器221、222により2段階で帯電されるように構成されている。各コロナ帯電器221、222は同一構成であり、感光体ドラム21の表面に接触しないものであり、スコロトロン帯電器である。
【0048】
そして、コロナ帯電器221、222により帯電された感光体ドラム21表面に対して、ラインヘッド29がビデオデータVDに基づいて静電潜像を形成する。つまり、ヘッドコントローラーHCがラインヘッド29にビデオデータVDを送信すると、このビデオデータVDに応じた駆動信号の供給を受けて、駆動回路DCが各発光素子Eを発光させる。これにより、感光体ドラム21表面が露光されて、画像信号に対応した静電潜像が形成される。なお、ラインヘッド29の具体的構成は、既に述べたとおりである。
【0049】
こうして形成された静電潜像に対して現像器24からトナーが付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。この画像形成装置1の現像器24は、現像ローラー241を有している。この現像ローラー241は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。この現像ローラー241は現像用モーターに接続され、図9紙面において反時計回りに回転駆動されて感光体ドラム21に対してウィズ回転する。また、この現像ローラー241は図示を省略する現像バイアス発生部(定電圧電源)と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
【0050】
また、この現像ローラー241に対して液体現像剤を供給するためにアニロックスローラーが設けられており、アニロックスローラーを介して現像剤貯留部から現像ローラー241へ液体現像剤が供給される。このようにアニロックスローラーは現像ローラー241に対して液体現像剤を供給する機能を有する。このアニロックスローラーは、液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。現像ローラー241と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどが用いられる。また、アニロックスローラーは現像用モーターに接続されて回転する。
【0051】
現像剤貯留部に貯留される液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)を液体キャリアとした低濃度(1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤が用いられる。
【0052】
上記のようにして、液体現像剤が供給された現像ローラー241はアニロックスローラーと同時に回転すると共に、感光体ドラム21の表面とは同方向に移動するように回転して現像ローラー241の表面に担持された液体現像剤を現像位置に搬送する。なお、トナー像を形成するため、現像ローラー241の回転方向は、その表面が感光体ドラム21の表面と同方向に移動するようにウィズ回転する必要があるが、アニロックスローラーに対しては、逆方向、或いは、同方向、どちらに移動する構成であってもよい。
【0053】
また、現像器24では、この現像ローラー241の回転方向において現像位置の上流側直前にトナー圧縮コロナ発生器242が現像ローラー241に対向して配置されている。このトナー圧縮コロナ発生器242は現像ローラー241の表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、定電流電源で構成されたトナーチャージ発生部(図示省略)と電気的に接続されている。そして、トナー圧縮コロナ発生器242に対してトナーチャージバイアスが与えられると、現像ローラー241によって搬送される液体現像剤のトナーに対して、このトナー圧縮コロナ発生器242と近接する位置で電界が印加され、帯電、圧縮が施される。なお、このトナー帯電、圧縮には、電解印加によるコロナ放電に代えて、接触して帯電させるコンパクションローラーを用いてもよい。
【0054】
また、このように構成された現像器24は感光体ドラム21上の潜像を現像する現像位置と感光体ドラム21から離れた退避位置との間で往復可能となっている。したがって、現像器24が退避位置に移動して位置決めされると、その間、シアン用の画像形成ステーション2Cでは、感光体ドラム21への新たな液体現像剤の供給は停止される。
【0055】
感光体ドラム21の回転方向D21において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部25が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部25の下流側に第2スクイーズ部26が配置されている。これらのスクイーズ部25、26にはスクイーズローラー251、261がそれぞれ設けられている。そして、スクイーズローラー251が第1スクイーズ位置で感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰現像剤を除去する。また、感光体ドラム21の回転方向D21において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー261が感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰液体キャリアやカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー251、261に対して図示省略するスクイーズバイアス発生部(定電圧電源)が電気的に接続されており、適当なタイミングでスクイーズバイアスが印加されるように構成されている。なお、本実施形態では2つのスクイーズ部25、26を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
【0056】
これらのスクイーズ位置を通過してきたトナー像は転写部3の中間転写体31に1次転写される。この中間転写体31は、その表面、より詳しくはその外周面にトナー像を一時的に担持可能な像担持体としての無端状ベルトであり、複数のローラー32、33、34、35および36に掛け渡されている。これらのうちローラー32はメインモーターに連結されて、中間転写体31を図9の矢印方向D31に周回駆動するベルト駆動ローラーとして機能している。なお、本実施形態では、記録紙RMとの密着性を高めて記録紙RMへのトナー像の転写性を高めるために、中間転写体31の表面に弾性層を設け、当該弾性層の表面にトナー像が担持されるように構成されている。
【0057】
ここで、中間転写体31を掛け渡されたローラー32ないし36のうち、メインモーターにより駆動されるのは上記したベルト駆動ローラー32のみであり、他のローラー33ないし36は駆動源を有しない従動ローラーである。また、ベルト駆動ローラー32は、ベルト移動方向D31において一次転写位置TR1の下流側、かつ後述する二次転写位置TR2の上流側で中間転写体31を巻き掛けている。
【0058】
転写部3は一次転写バックアップローラー37を有しており、一次転写バックアップローラー37は中間転写体31を挟んで感光体ドラム21と対向して配設されている。感光体ドラム21と中間転写体31とが当接する一次転写位置TR1では、感光体ドラム21の外周面が中間転写体31と当接して一次転写ニップ部NP1cを形成している。そして、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写体31の外周面(一次転写位置TR1において下面)に転写される。こうして画像形成ステーション2Cにより形成されたシアン色のトナー像が中間転写体31に転写される。同様に、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kでもトナー像の転写が実行されることで、各色のトナー像が中間転写体31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。一方、モノクロトナー像が形成される際には、ブラック色に対応した画像形成ステーション2Kのみにおいて、中間転写体31へのトナー像転写が行われる。
【0059】
こうして中間転写体31に転写されたトナー像は、ベルト駆動ローラー32への巻き掛け位置を経由して二次転写位置TR2に搬送される。この二次転写位置TR2では、中間転写体31を巻き掛けられたローラー34に対して二次転写部4の二次転写ローラー42が中間転写体31を挟んで対向配置されており、中間転写体31表面と転写ローラー42表面とが互いに当接して二次転写ニップ部NP2を形成している。すなわち、ローラー34は二次転写バックアップローラーとして機能している。バックアップローラー34の回転軸は、例えばバネのような弾性部材である押圧部345によって弾性的に、かつ中間転写体31に対して近接・離間移動自在に支持されている。
【0060】
二次転写位置TR2においては、中間転写体31上に形成された単色あるいは複数色のトナー像が、一対のゲートローラー51から搬送経路PTに沿って搬送される記録媒体RMに転写される。また、トナー像が二次転写された記録媒体RMは、二次転写ローラー42から搬送経路PT上に設けられた定着ユニット7へ送出される。定着ユニット7では、記録媒体RMに転写されたトナー像に熱や圧力などが加えられて記録媒体RMへのトナー像の定着が行われる。こうして、記録媒体RMに所望の画像を形成することができる。
【0061】
その他
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、現像器24が本発明の「現像部」に相当する。また、長手方向LGDが本発明の「第1の方向」に相当し、幅方向LTDが本発明の「第2の方向」に相当し、斜め方向Dskが本発明の「第3の方向」に相当する。また、光源チップ291が本発明の「発光基板」に相当し、光源基板292が本発明の「支持基板」に相当し、遮光板293が本発明の「遮光部材」に相当し、導光孔2931が本発明の「導光孔」に相当し、レンズLS1、LS2が本発明の「レンズ」に相当し、駆動回路DCが本発明の「駆動回路」に相当する。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。したがって、遮光部材の構成も上述のものに限られず、例えば、特開2008−307885号公報に記載されているような、複数の遮光板を光軸方向Doaに並べて遮光部材を構成することもできる。このような構成においても、導光孔2931を介して光源チップ291を平面視したときに導光孔2931の内側に重なるように、駆動回路DCを光源チップ291に形成することで、ゴーストの発生を抑制することができる。
【0063】
また、光源チップ291の基材も単結晶シリコンには限られず、高温ポリシリコンや低温ポリシリコンなどを採用することができる。
【0064】
また、光源チップ291の表面・裏面等にIC(Integrated Circuit)を搭載するといった変形も可能である。
【0065】
また、結像光学系LS1、LS2に対しても種々の変形が可能であり、例えば、像側テレセントリックに構成するといった変形が可能である。
【0066】
また、上記実施形態では、レンズアレイ294、295の詳細な構成については特に説明しなかったが、例えば、ガラス基板状に樹脂でレンズLS1、LS2を形成するといった構成を採用することができる。
【0067】
また、光源チップ291の形状や、光源チップ291での発光素子グループEGの配置態様、さらには、各発光素子グループEGを構成する複数の発光素子Eの配置態様等も適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…画像形成装置、 29…ラインヘッド、 291…光源チップ、 292…光源基板、 293…遮光板、 2931…導光孔、 294…レンズアレイ、 295…レンズアレイ、 LS1…レンズ、 LS2…レンズ、 DC…駆動回路、 E…発光素子、 EG…発光素子グループ、 LGD…長手方向、 LTD…幅方向、 Dsk…斜め方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL素子が配される発光基板と、
前記発光基板を第1の方向に配した支持基板と、
前記有機EL素子に対して開口する導光孔が配される遮光部材と、
前記有機EL素子から発光されて前記導光孔を通過する光を結像するレンズと、
前記有機EL素子を駆動する駆動回路と、
を備え、
前記導光孔を介して前記発光基板を平面視したとき、
前記支持基板は前記発光基板により遮蔽されるとともに、前記駆動回路は前記遮光部材により遮蔽されない領域を有することを特徴とする露光ヘッド。
【請求項2】
前記レンズの光軸方向に前記発光基板を平面視したときに、前記駆動回路の周縁と前記導光孔の周縁が交差する請求項1に記載の露光ヘッド。
【請求項3】
前記導光孔は、前記第1の方向に長い形状を有しており、前記駆動回路は、前記第1の方向および前記レンズの光軸と垂直な第2の方向において、前記駆動回路の周縁の間に前記導光孔の周縁が配される請求項2に記載の露光ヘッド。
【請求項4】
前記導光孔は、前記第1の方向に伸びた長辺を有する矩形である請求項3に記載の露光ヘッド。
【請求項5】
前記基板の第1の方向の端は前記第1の方向に鋭角に交差する第3の方向に伸びて、前記駆動回路は前記第3の方向に伸びた辺を有する請求項1または2に記載の露光ヘッド。
【請求項6】
前記基板は、単結晶シリコン基板である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
【請求項7】
有機EL素子が配される発光基板、前記発光基板を第1の方向に配した支持基板、前記有機EL素子に対して開口する導光孔が配される遮光部材、前記有機EL素子から発光されて前記導光孔を通過する光を結像するレンズ、および前記有機EL素子を駆動する駆動回路を有し、前記支持基板は、前記導光孔を介して前記基板を平面視したときに前記発光基板により遮蔽され、前記駆動回路は、前記導光孔を介して前記発光基板を平面視したときに前記遮光部材により部分的に遮蔽されない露光ヘッドと、
前記露光ヘッドの前記レンズが結像した光によって潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像を現像する現像部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−86521(P2012−86521A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237544(P2010−237544)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】